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リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第13話

1 :名無し募集中。。。:2008/08/01(金) 19:56:00.60 0
<一体、何処に行くって言うんだ
   _, ,_
川*’ー’)<<胸の高鳴る方へ

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テンプレ>>2-16ぐらいまで

654 :名無し募集中。。。:2008/08/12(火) 23:20:25.49 0

「ううっ……」

真冬の海中へ引きずりこまれるような痛覚で目が覚めた時
まだこの体には鼓動が鳴り、かろうじて血が通っているのだと知った。
末端まで石のように冷えた身体。
己の腕できつく抱きしめ、それでもこの確かな痛みで現実なのだと、認識する。
痛みは襲ってくるものの思考回路がうまく回らない。
大切な事があった気がするのに、深いもやがかかったような……

ぼんやり辺りを見回すと、灰色を基調とした、殺風景でがらんとした部屋。
無機質な印象しか与えない机。パイプ椅子。
剥き出しのコンクリートに無造作に投げ出された身体をゆっくりと起こす。
肋骨がきしみ悲鳴を上げ、嫌な汗が背中を伝う感触は里沙の不快感を助長するしかない物であった。

この場所は里沙には見覚えがあった。
間違いなくここはダークネスの……



655 :名無し募集中。。。:2008/08/12(火) 23:22:10.54 0

「……お目覚めかしら?」
「―――ひっ!!」

ぎしりとパイプ椅子が軋む音と共に、背後から急に声を掛けられ、里沙の体は驚きで跳ね上がる。
と、同時に全身に迸る、差し込むような激痛で再びうずくまった。

「そんな吃驚しないでよ、私、ずっとここに居たんだし」

いつか顔を合わせる日が来るだろうとは思っていたけど、こんな形とはね。

そう告げる、里沙にとっても聞き覚えのある低い声。
パイプ椅子に悠然と腰掛けたスーツ姿の女はただ、淡々と事務処理でも行うかの如く里沙に話しかける。

今まさに覚醒したばかり、自身の置かれている状況すら理解し得ない里沙を見やる
女の表情からは何らかの感情すら窺い知ることは出来ない。

「覚えているかしら?何故ここに居るか。どうやってここに来たか」

どうやって―――?

……素直に女の言葉どおりの行動を取るのは癪だが致し方ない、そう判断した。
記憶の最後には、ひと気のない夜道。
対峙する女。そして―――……


656 :名無し募集中。。。:2008/08/12(火) 23:23:30.63 0
「っ……皆、はっ!!」

搾り出した声は、発生させた本人ですら驚くほど、悲痛な響きを含んでいた。

可能性は低い。だが―――もしもあの時。
己の心の声が誰かと共鳴していたならその人物は間違いなく動くだろう。
……そういう子たちだ。
そして探査中、粛清人と見合っていたとしたら―――


「さぁ、Rはあの通り、血の気が多くてね。
 手加減なんて出来ないの知ってるでしょ?
 ……それより目覚めてみれば、まっ先に自身の心配よりあの子達を心配をするのね、あなた」

これは可笑しな物を見た、といった風に薄く女は笑む。
実際は里沙の『生きたままでの回収』が目的だった。
任務を強制的にではあるが終了させた粛清人は帰還しリゾナンター達と相まみえる事はないのだが、
そういうことで里沙の心情を逆撫でできることを知っている。
女は嘘は言っていないけれど、真実も言っていない。


(仲間の心配をして何が悪いんだ―――……っ!!)


657 :名無し募集中。。。:2008/08/12(火) 23:24:58.48 0
その笑みに不快感が胃の底から上がってくるのを感じる。
大切なものを貶された不快感。否定された嫌悪感。

ありったけの力を振り絞って睨みつける。無言の抵抗。

記憶の最後を覆い隠すような、薄ぼんやりとした霧が晴れていく。
あの時、粛清人が現れて、それから―――――負けた。
意識の触手を潜り込ませ、女の精神に孤独を思い出させ。
だが、決定的なとどめをさすことは出来なかった。

(お願い、どうか無事で居て……)

己が巻き込んでしまったかもしれない彼女たちを想うとなおさら今、ここでいいようにされるわけにはいかない。
必死で状況打破に繋がる糸口を探す。
女に対する最大限の警戒は解かぬまま。


「Rを止めるのが遅くなったけれど、随分洗脳の能力を使いこなせるようになっているようね。結構なこと。
 ……実は」

女が語りだす。里沙のその剥き出しの敵意には大して興味もない様子だ。

「新垣里沙、お前が改心し組織に戻るというなら
 先だっての無礼を赦す、という話が浮上している」


658 :名無し募集中。。。:2008/08/12(火) 23:26:37.11 0
訪れる、静寂。

再び忠誠を尽し、駒と成れ。
頭を垂れ、主の前に傅け。

傍らに携えていた文庫本――里沙が目覚めるまでの退屈凌ぎだったのだろう――を机に伏せ置き、
女が持ちかけてきたのは唐突とも言える取引。

指先まで冷え付いているはずなのに、きつく握られた手は発汗し。
色んな想いがめまぐるしく里沙の中で暴風雨の如き凶暴さとなって暴れている。

赦す。……赦されて何になる?裏切る。……一体何を?
そもそも、自分はどちら側に帰属しているのだろう―――

「…………」
「だんまりか。まぁいいでしょう」

その一言が切欠となる。
先に仕掛けたのは里沙。
女に向け意識の触手を伸ばす。そこに込めるのは、紛れもない敵意。

だが女にもそれは気付かれているようで、心の入り口はロックされている。
無理矢理その先をこじあけようと懸命にもがく、里沙の思惟。

「ふぅん、成程。答えは聞かなくてもよさそうね」

組織に牙を剥いたものの末路を知らないわけでもないでしょうに。
それはまるで、手のかかる子供を窘めるかのような。


659 :名無し募集中。。。:2008/08/12(火) 23:28:02.72 0
……だが、精神に入り込もうと牙をむく意識の触手、それは囮!


【 能力はね、イマジネーションなんだよ 】

(安倍、さん―――)

ギリギリの状況で思い浮かべたのはあの人。
あの日の言葉が里沙の心にフラッシュバックしたかのように舞い戻る。

イマジネーション。
想像することで全ては創造される、と手を取り指導してくれた。
心を鍛えることは、そのまま精神の基礎体力となり柔軟性になると。

想像。そして創造。形は違えども、精神系の能力者が辿り着く到達点。

ゆらゆらと里沙から立ち上るオーラ。
光を宿す眼光は、切り開くべき未来を見据える。

(負けない、負けたくない!死ぬわけにはいかない!こんな所で!)


660 :名無し募集中。。。:2008/08/12(火) 23:29:21.64 0
イマジネーションは無限。全ては想像することで創造される。
里沙がイメージしたモノ。それは―――

太さで例えるならば、常々能力の行使に使用する、相手の精神を雁字搦めにし
支配権を握る為の拘束具がロープとすると、対してこちらは蜘蛛の糸。

細い、細い、銅線より、ピアノ線よりも細い、圧倒的不利な状況である里沙の活路にも似たそれ。

大きな標的に意識を裂かせ、伏兵の存在を隠蔽する。
ピンと張られたそれを、隙さえあれば弾丸のように撃ち込む!
気配を押し殺し、契機を待つ。
女の精神のロックが一瞬でも緩む、その瞬間を。


「そうそう……本来ならありえる筈もないと思わない?この話。
 実は裏があるのよ。
 上に持ちかけて強引に通した人物が居る―――新垣里沙、あなたもよく知っている筈」

裏ならばそんなに簡単に露見させていいのかという思いの外に
それに該当する人物を想像してしまう。
彼女なら言い出しかねない、と。


661 :名無し募集中。。。:2008/08/12(火) 23:30:55.99 0
里沙は願う。まさか、そんな筈はないと。
ただの狂言であってほしいと。
がり、と爪がコンクリートを引っかく音が微かに響く。

「…………ま、さか」
「物わかりが早くて助かるわ。
 ―――安倍なつみを裏切る事ができるの?信奉者のあなたに」

安倍なつみ。
その名前を出されたとき、ピンと緊張に張り巡らされた里沙の心は揺らぐ。
ぐらりと地面が歪む感覚は錯覚だと理解はしているのに
反して足が崩れていきそうな感覚は正しく動揺から来ているのだろう。

彼女が、戻ってくることを望んでいると女は告げる。

憧れ、恋にも似た焦燥を抱く里沙にとっての恩人であり、唯一絶対神が。

「……嘘、だ!」
「残念ながら、事実。彼女はそれを望んでいる。
 全く、随分目を掛けてもらって、更に便宜を図ってもらって……」

そう、発した瞬間。
女の心の隙間がほんの少し、揺らいだ。

(……今っ!)

女の意識の入り口へ潜る弾を撃つ!
そして、マインドコントロールを開始。


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