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リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第12話

1 :名無し募集中。。。:2008/07/19(土) 16:42:15.91 0
<一体、何処に行くって言うんだ
   _, ,_
川*’ー’)<<胸の高鳴る方へ

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テンプレ>>2-16ぐらいまで

801 :名無し募集中。。。:2008/07/29(火) 20:10:16.42 0
「今日は午前様コース確定やなぁ。
愛佳、そろそろ帰ります」

「愛佳、大丈夫?結構遅い時間だし、1人で帰らせるのは心配っちゃ」

「大丈夫ですよ、何かあったら呼びますし。んじゃ、おやすみなさーい」


そう言ってリゾナントを後にする愛佳。
大丈夫かなぁと言ってそわそわと落ち着かないれいなを、愛が宥めている。
戦闘能力がない愛佳を1人で帰らせるのが心配になるのは、皆同じ。
ジュンジュンは手に持っていたバナナをリンリンに手渡し、バッグを手に取った。
突然のことに、リンリンはポカーンと口を開けてジュンジュンを見返す。


「高橋サン、田中サン、ジュンジュン、光井サンを送ってくルだ」

「え、でもジュンジュン帰りどうするとー?
愛佳の最寄り駅着いたら、下りの最終間に合わんっちゃ」

「ジュンジュン、20歳だかラ平気。
マンガ喫茶、泊まッテ、明日の朝帰れバ大丈夫」


ジュンジュンはそう言うと、愛佳を追いかけて走り出す。
残された愛、れいな、リンリンは顔を見合わせて首をかしげた。
仲が悪いということはないが、特別仲がいいというわけでもない愛佳をジュンジュンが送りに行く。
珍しいこともあるものだといった表情の2人に、リンリンは笑ってこう言った。

802 :名無し募集中。。。:2008/07/29(火) 20:11:24.68 0
「いつも私達の勉強見てくれル光井サンに、ジュンジュン、感謝ノ気持ち一杯デす。
だから、ジュンジュン、光井サンを送りに行っタんだと思いまス」

「なるほどね。しかし、ジュンジュンがバナナを人にあげるとは思わなかった」

「それよりも、れーなのこと田中さんって言えたことにれーなは驚いたけんね」


散々な物言いだが、愛もれいなも優しい目をしていた。
そして、リンリンは―――渡されたバナナを食べていいのか迷っていた。


* * *


駅が見えてきた。
それと同時に、小さな背中も。
どこか寂しそうな空気を背負っている背中に向かって、ジュンジュンは走りながら声をかける。


「光井サン、ちょっと待つダ!ジュンジュンも一緒、付いていク!」

「ちょ、ジュンジュン。声大きい」

「あ、ごめんなさイ」


愛佳の言葉に、ジュンジュンはシュンとなる。
その姿が大型犬が耳をたれているように見えて、愛佳は苦笑した。
自分より5つも年上なのに、どこか幼いジュンジュン。
愛佳はジッと、ジュンジュンを見つめ返した。

803 :名無し募集中。。。:2008/07/29(火) 20:12:43.62 0
付いていくと言っていたが、ここから愛佳の最寄り駅までは2時間強。
着く頃には、下りの最終がなくなっていることだろう。
それなのに付いていくとジュンジュンは言う。

愛佳は苦笑いしたまま、ジュンジュンに声をかける。


「付いていくって、付いてきたらうちに帰るの明日の朝になるで?
泊まるところもないのに付いてきたらあかん」

「大丈夫、ジュンジュン、マンガ喫茶、泊まル。
んデ、明日の朝一で電車乗っテ帰ル、そう決めタ。
だかラ、ジュンジュン、光井サンに付いていク」

「マンガ喫茶も最近はあんまり治安よくないんやで。
一般人相手やから何かあっても能力使えへんし…うちは1人でも大丈夫やから
ジュンジュンはきちんとうちに帰りぃ」

「やだ、ジュンジュン、光井サン送るノ。
光井サン1人の時に何かあったら、大変だかラ」


ジュンジュンの意思の強い瞳に、愛佳は小さく笑う。
一度こうと決めたら、覆さない。
そういう意思の強さを持っている、ジュンジュンは。
その眼差しの強さに愛佳は根負けした。

804 :名無し募集中。。。:2008/07/29(火) 20:13:57.05 0
「分かった。でも、マンガ喫茶やと何かあったら大変やし、
今日は愛佳の家にお泊まりしてや」

「光井サンの家、泊まっテもいいでスか!
ジュンジュン、とても嬉しイ、ありがとウございマす」


小さな子供みたい、と愛佳は思った。
そのくらい幼い笑顔ではしゃぐジュンジュンを見て、泊めるくらいでそんな喜ばなくてもと苦笑いする愛佳。
愛佳はそのまま、ジュンジュンの手を取って歩き出す。
不思議そうな顔をしたジュンジュンに、愛佳は聞き取れるかどうかくらいの声で呟いた。


「手繋いどかんと、迷子になられても困るし」

「?」


改札を抜けて、自分の乗る路線のホームへと人波をかき分けるように歩いていく。
愛佳に置いて行かれないよう、愛佳の手をしっかりと握ってジュンジュンも後を付いていく。
リゾナントから徒歩15分程度のところに住んでいるジュンジュンからしたら、
愛佳を送るのは軽い小旅行みたいなものだ。
しかも、初めてリンリン以外のリゾナンターの家に泊まる。
ワクワクする気持ちが抑えられなくて、ついつい微笑んでしまうジュンジュン。

ホームについて程なく、電車がやってきた。
ぎゅうぎゅうに人が乗っている電車を見て、愛佳は低い声で今日どっか事故でもあったんかなぁと呟く。

805 :名無し募集中。。。:2008/07/29(火) 20:15:20.89 0
「事故があルと、電車が混むンでスか?」

「全部が全部そうなるとは限らんけど、大概は混むなぁ。
ジュンジュン、悪いけど今日はずっと立ちっぱなしやで」


そう言いながら、愛佳はたまたま空いた乗降ドアの隅っこを陣取ってジュンジュンを抱き寄せる。
訳が分からず、とりあえず愛佳にくっつくジュンジュン。
ジュンジュンが乗った後もどんどん人が乗り込んで、ぎゅうぎゅう詰めになったところで電車のドアが閉まる。
程なく動き出す電車。

電車が揺れる度に、ジュンジュンや愛佳の方に人の重みがのしかかってくる。
愛佳は何も言わなかったが、ジュンジュンは愛佳が押しつぶされないようにとドアの手すりの部分と
椅子の手すりの部分に手を伸ばしてつっかえ棒のようにした。
自分が押しつぶされないようにそうしてくれてると気付いた愛佳は、小声でジュンジュンに話しかける。


「ジュンジュン、別にそんなことしなくてもええよ。
こういうぎゅうぎゅう詰めは慣れっこやから」

「光井サン、ジュンジュンよりも小サくて、か弱イ。
だからジュンジュンは光井サンを守ル、光井サンは何モ気にしナくてモいい」


そうすることが当たり前と言わんばかりのジュンジュンに、愛佳は小さくありがと、と言う。
普段、愛佳はれいなや小春と一緒にしゃべっていることが多く、ジュンジュンやリンリンとは
日本語を教えるということ以外で話すことが少ない。
こういう形で一緒に行動することがなければ気付かなかったであろう、ジュンジュンの優しさ。

806 :名無し募集中。。。:2008/07/29(火) 20:16:22.52 0
駅で声をかけられた時は、少しびっくりしたけれど。
ジュンジュンに付いてきてもらってよかったなと、愛佳は小さく微笑んだ。
1人で帰るのが寂しいと思うくらい、今日ははしゃいだから。

―――電車は2人を乗せて、終着駅を目指して走り続ける。


* * *


ようやく、2人は終着駅―――愛佳の家の最寄り駅へと到着した。
都心のベッドタウンなだけあって、ここで降りる人間は多い。
二時間程立ちっぱなしで、さすがに足が棒みたいになった2人。
足の痛さに顔をしかめながら、2人はホームに降り立った。

少し前を歩く愛佳を見ながら、ジュンジュンは愛佳をすごい人なんだなと改めて思う。
こんなに長い時間電車に揺られて学校に行って、沢山の宿題をやりながら自分とリンリンに日本語を教えて、
家に帰宅する頃には日付が変わっている、かなりのハードスケジュール。
自分とリンリンに日本語を教えるのは毎日というわけではないにしても、正直きついと思う。
それなのに、愛佳は顔色変えることなくきびきびと歩いていた。

その姿に、ジュンジュンは小春のことを思い返した。
彼女もまた、ハードな環境に身を置いている。
性格的には似ているところなどないように思える2人だけど、
置かれている環境のハードさは似ているのだなとジュンジュンは小さく笑った。

改札を抜けて、2人は無言で夜の歩道を歩いていく。
何か話さなくちゃと思う反面、話さなくてもどこか心地よい空気に2人は身を浸していた。
共鳴という得体の知れない感覚が、会話することなくとも2人を繋ぐ。

807 :名無し募集中。。。:2008/07/29(火) 20:17:31.04 0
>>799-806
前半はこの辺で
後半は23時くらいに投下しますよろしくお願いします

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