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リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第12話

1 :名無し募集中。。。:2008/07/19(土) 16:42:15.91 0
<一体、何処に行くって言うんだ
   _, ,_
川*’ー’)<<胸の高鳴る方へ

前スレ
リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第11話
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1215432711/

まとめサイト
 PC:http://resonant.pockydiary.net/index.html
携帯:http://resonant.pockydiary.net/index.cgi

掲示板 (感想スレ、作品題名申請スレ、あとがきスレ他)
http://jbbs.livedoor.jp/music/22534/

テンプレ>>2-16ぐらいまで

659 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 09:28:18.39 0
>>656-658
次回、最終章です
今晩0時にでも上げたいと思います

660 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 10:24:38.49 0
>>659
おつかれいな
夜ですかwktk

661 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 10:58:28.38 0
>>643
読んでいて勇気が湧いてきました
亀の台詞で震えました
BGMがいいね
>>659
今晩0時
wktk

662 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 12:00:01.42 0
喫茶ホゼナント

663 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 13:05:49.31 O
暑い…喫茶リゾナントで涼みたい…

664 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 13:41:56.59 0
>>637-642
今読みました
裏では全員で戦っていたんですね・・・
前作も改めて読み直すとまた違う気持ちがこみ上げてきます
小春が他のリゾナンターより強めに設定されているところが自分の小春像と重なりました
保全代わりと仰られてますが個人的には大好きな作品かもです

>>656-658
長く焦らされてきました・・・
最終章期待して待ってます楽しみです

665 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 14:51:26.87 O
携帯からホゼナント

666 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 14:51:27.58 O
ホゼナント

667 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 15:02:19.46 0
>>637-642
ザ戦隊物って感じですかね
なんだろうこの涙は
悲しくないのに涙が出ました
このスレの共鳴も鳴り止ませてはいけませんね
二、三日中に一本投下出来たらと思ってます

>>656-658
クライマックス来る――――――

668 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 15:44:04.36 0
[Ai-Rena](08)505 『覆る偶然と繋がりゆく必然』
この話の続きです。長いので前半9レスを投下させて頂きます。


*  *  *  * 

 警察です お前 おかーさんなんか嫌い れいな 即死で 行って来る もう
 怖い目 亡くなりました れいな 初めまして 一人でいなさい ガードレールに
 田中さんの家ですか どうして外に出る 要らない れいな 軽い女 高橋愛です
 さゆ 絵里はね いつかきっと もうお前は要らない ずっとすっと…仲間


      …何かあったら        …近付くな…


「っ……っはっ…は…。ゆ、夢…」

時々見る、その夢。今までの様々な記憶のピースが再生されて、れいなに襲い掛かる
良い思い出も、悪い思い出も組み込まれた自分という名の大きなパズル

そして、最後に再生される映像は、見に覚えのない物体
黒い、丸いものがくるくると回る…
やがて回転は早まり、れいなに2つの言葉が投げかけられる

「何かあったら…」「…近付くな」

何か意味がある言葉なのか、まったくわからない。
幼い頃から、この順序は変わらず、聞こえてくる言葉も変わらない


669 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 15:45:10.16 0

水を求めにきたキッチンを照らす、宵の月。
夜が黒ではないと自分に教えたのは、自分のパズルに組み込まれた、あの同居人。
彼女によれば、夜は気高い、青らしい。
れいなと同じやでなんて、そんな言葉、言わないで欲しい。本当に照れる。

夢の形が変わったとすれば、最近は良いピースばかりが増えているという事。
無理矢理に見せられたそれではなく、自ら脳内で再生する。

仲間の顔…お客さんの顔…
何度も繰り返すうち、震えもおさまってきた
以前のように、やみくもに振るった拳で打ち消すこともなくなった。

でも、二つだけ…最近のものなのに、黒いピースが混じる
一つ目は、あの科学者の言葉…
「れいなの力があれば、異能力を消せるかもしれない」

震えの止まった両の手で、頭を抱える。
ペットボトルから零れた水が、月の光に照らされる。

自分には特別な力がない。それは、リゾナントに来て以来のコンプレックスだった。
必死に鍛えても、共鳴増幅があるなどと言われても、真の意味で、皆の役に立っているのか、不安でならなかった。
最初は羨ましさからくる感情だった。
でも、すこしずつ彼女たちと接するうちにわかった。苦しみが、孤独が。
自分の過去が、皆と比べて幸せだったとか、そんなことは思わない。


670 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 15:45:51.89 0

彼女たちが、自分を孤独から救ってくれたから。
彼女たちを危険とみなす、世の全てが許せなかった。

外のせいにしていた。周りが変わらないから、彼女たちが苦しむと。
でもその環境は変わった。自分の番になった。
自分が何かを捧げれば、彼女たちの苦しみが取り去られるのかもしれない…

愛ちゃんは、それを必死で止めた。
でもどうだろう…この世界に苦しむ全ての能力者を解放できるなら、
ただ、大切、仲間という理由で自分を縛る愛ちゃんが間違っているのかもしれない
恐ろしい考えだと思う。でも、自分が犠牲になれば…愛ちゃんも…みんなも…


首にかけた、ロケットを取り出す。

もう一つの黒いピース…それは、復讐
最近の出動。どうしても、そのことを意識してしまう。
ダークネスが、親の敵。そう思うと、身体は強張った。
それは、自分が今までの攻撃の手さえ、戸惑いを帯びたものに変えた。
自分がどこか、復讐の為に攻撃をしているのではないか、という不安。
そして心のどこかに本当にある、まだ見ぬ復讐心。

この攻撃で何かが変わってしまうのではないか。

その気持ちが、動きを鈍らせた。
もう、どうすれば良いのだろう。この感情を抱えたまま。


671 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 15:46:31.35 0

ふと、ポケットの震えに気付く。メールだ。誰、こんな夜更けに?


「絵里やん…」
ありえない話ではない。普段よく、この時間彼女の病院にお邪魔する。
今日はその日ではなかった。そしてこんな風にメールが届いたこともなかった。
少しおかしいな、と思ったその気持ちも文面を見た瞬間にすべて消えうせた。



 話したいことがあるの。
 れいなの、家族のことで…

 病院の屋上で、待ってます。




672 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 15:48:24.98 0
「れーな!!」
少し悪い手を使ってたどり着いたその場所。
絵里の背中に広がる、濁った星空。

彼女は何かを握り締めながら自分の下に走り寄った
聞かなければならない。一体何の話があるのか。

「ジュンジュンから、いつ聞いたの!?」
それにも拘らず、先に質問を投げたのは、絵里だった。

「ジュンジュン…って何のこと?れーなは、絵里に呼ばれ…て」
うそ。あたし、れーなに呼ばれて来たんだけど?
悪い冗談かと思った。でも違う。絵里が差し出す液晶画面に浮かぶ、れいなからのメール。

 ジュンジュンから聞いた。あの写真のことで聞きたいことがある。
 ごめんやけど、屋上まで出てきてくれん?

要約すると、こう。つらつらと長い…悔しいけど、まるでれなのメール。
誰がこんなことを?一体…なぜ?

「れーなじゃないなら、一体だれがこんなことー?」
「わからん。けど、絵里ここはヤバイ。早く出…」
言い切る前に、地面が黒く染まる。ヤバイ。もっと早く気付くべきだった。
絵里がこんな風に呼びつけるわけなんかないのに…

「な、なにこれ、ね、眠い…」
いつも比較的とろんとした絵里の目が、完全に眠気を帯びる。
膝から崩れ落ち、地面に倒れかけるのをすんでのところで抱きとめる。
黒き光は、屋上をすっぽりと覆った。
おそらく空から見れば、大きな立方体になっているのだろう。もっとも、見える目があれば、の話だ。


673 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 15:49:35.51 0

―声が、しない―

この黒い壁には共鳴の断絶の効果でもあるのか。外からの援軍は期待してはいけないようだ。
絵里を見る。決して危ない状態などではない。
むしろただ単に睡眠を欲しているように見えた


「やっほーれーな」


背後から声がして、慌てて振り返ると給水塔に腰掛ける、DR.マルシェ。
今一番逢いたくなくて、一番逢いたいその科学者だった。

「これは、何?」
自分でも敵意に迷いが含まれ、歪な波となっていることを感じていた。
それを受け取ったDR.マルシェはもっとそれを感じたことだろう。
楽しげに、口角を上げる

「新商品。グラヴィティーカーテン」
英和辞書って便利だよね、なんてクスクス笑う。
いけん、相手のペースに乗っちゃ。
左の手に握られた、スイッチをその親指が撫でる。

これは、勝負だ。次にその指が離れた時を見計らって、払う。
そう、発動が早いか、れなの攻撃が早いか。


674 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 15:50:12.32 0

「絵里まで使ってれーな呼び出すなんて、どーいうつもり?」
「やー、絵里には逢えてなかったしね。福音は平等に告げられるべきだよ」
「ふくいん?」
「ああ、それはね…」

彼女のその癖。説明する時は、手をパタパタする。
今しかない、そう思った。最後の言葉は移動中に聞いた。
罠かもしれない。でも何もせず、手を拱くわけにはいかない。

しかし、れいなの狙いのそのスイッチも、DR.マルシェ自身も立ち消える。
そんな、まさか、ホログラム?
勢いあまったれいなは給水塔にしたたかに体をぶつけた。

 誰が、まだ、使ってないっていったの?
 
直接脳内に届く、声

 楽しかったよ。今日はここまで。
 もし逢いたいなら、今度はれいなから、来て。

黒い天井がゆっくりと、下がり始める。それと共に、暗くなるボックス内。
天井で、押しつぶすための、装置? 

「っ…ぐあっ」

天井がれいな自身に到達するよりも先に、体が圧力に悲鳴を上げた

  グラヴィティってね、重力って意味なの


675 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 15:51:02.18 0

満遍なくかけられる重力に体が、立っていられない。

「ああっ…」

そうだ、絵里。絵里にはマズイ。
なんとか降りようとしても体はいう事を聞かず、どさりと地面に落ちる結果となった
それでも良い。なんとかして絵里に、絵里に近付かんと…

迫る天井に、増す圧力。這い蹲って絵里を目指すれいなに再び声が聞こえる

 れいなが行って、何ができるの?

血の気が引いていく思いがした。
そう、れいな自身がいくら足掻いても、絵里のところについても、
れいなには何も出来ない。れいなには何の力もない。
改めてつきつけられる、その事実。

心底憎む。よりにもよって、最も圧力に弱い絵里を選んだ彼女を。
どれだけ頑張っても、何もできない、れいな自身を。

努力では、埋められない何かが必要な、今この状況。
認めるくらいなら死んだほうがマシ。そのプライドも絵里の前では簡単に霞む。

…ただ、自分が、自分がおとなしくついて行けば良い。


676 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 15:51:32.20 0


「…れいな、行くけん。もう、…やめて」



ごめん絵里、ごめん、みんな。
持たない自分が、持つみんなを苦しめた。


人の価値なんて自分が決めるものやと思ってた。


真っ暗闇の中で、溶けていく感情。
認めてしまえばとても楽になった気がした


 
れいなは、役立たず って。





677 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 15:53:04.86 0
以上、前半>>668-676です
後半はまたいつか…


678 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 16:51:09.47 O
うおおおぉぉ…
気になる_| ̄|○

679 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 17:53:56.46 O
乙です
帰ったら読みます

680 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 18:10:17.87 0
重力操作(グラヴィティ・コントロール)の能力は思いついていたのですがなるほどこういう使い方が・・・

相変わらずの描写力で描かれるある種美しい風景と哀しいれいなの心にため息の連続でした
絵里を利用するマルシェの残酷で・・・見事な戦略に胸が痛みました
同時にこの場面を活かすための過去作品の効果を改めて感じました
また後半に会える・・・後半に会えるその日を心待ちに致しております

681 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 19:01:11.68 0
>>677
後半!待ってますよ

682 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 19:54:00.83 0
ホゼナン

683 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 20:51:10.36 O
ほぜ

684 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 20:51:15.03 0
トーッ!!

685 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 21:01:25.44 0
5秒差wすごいシンクロ

686 :サボリンちゃんヽ( ゚∀。)ノ:2008/07/27(日) 21:03:29.51 0
こうなったらこのスレサボり倒そうかなって密かに思ってる
そして地獄絵図の第13話(サボリン限定

687 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 21:39:14.28 0
アムちんはチキンレースする気か
でもそこに建国しても・・・

688 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 21:39:59.32 0
スマン、盛大に誤爆した
粛清されてくる

689 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 21:44:21.39 0
http://toromoni.mine.nu/haroga/files/data/hellogirls13084.jpg

検体番号>>688
・・・使えませんねえこれは
捨てておいてください

690 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 22:18:39.34 0
rizo

691 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 22:53:21.58 0
よし今日は書くぞ!と独り言ホゼナント

692 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 23:03:58.34 0
本当に?
待ってたよ!その言葉!

693 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 23:44:20.16 0
もうすぐ0時

694 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 00:00:15.58 O
最終章、投下します

1.>>242-244
2.>>250-253
3.>>317-320
4.>>372-375
5.>>492-495
6.>>509-513
7.>>552-555
8.>>600-603
9.>>656-658


 ―――違うやろぉ、ガキさん。


ラストに待ち受けるものは、その目でお確かめください

695 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 00:00:58.10 0
10.

意識の層の深い深い部分で、柔らかな光を感じていた。
それはひどく懐かしいような、胸の中でまばゆく輝くような―――

視界に広がる、白。
雲の上にいるような、不思議な浮揚感。
海の上で浮き輪に捕まって浮いているように身体が揺れていた。

 ここは、どこ?
 あーし、なにしてる?

愛は記憶の糸を手繰ろうとする。
しかし、つかむことのできる糸の端が見つからない。
両手は、ことごとく空を切っていた。

 なんやの、あーし、どうしたん?

身体がふわふわと浮いたような感覚なのに、手足は鉛が付いたように重い。
糸をつかもうと振り回していた手が、だんだんその動きを鈍らせていく。
一面の白だった視界が徐々に濁りだし、いつの間にか灰色に染まっていた。
愛の手足もすっかり動かなくなり、身体の自由が奪われていく。

 なんや…、あーしは、地獄に落ちてくんか…?
 あかんよ、まだ…、まだやらなきゃいかんことがある……!

愛がそう念じたとき、一本の光の糸が愛に向かって伸びてきた。

 ―――光…?

愛は渾身の力で両手を伸ばし、その糸をしっかりとつかみ取った―――

696 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 00:01:56.21 0
―――ガバッ!

愛は、文字通り飛び起きた。
慌ててあたりを見渡せば、そこは見慣れた景色。

「こ、ここは…」

見慣れた場所。
それなのに、懐かしいと感じる。

愛のよく知る街。愛する街。
大事な仲間の待つ、喫茶「リゾナント」の近くにある路地裏。

「あーし、今まで何して……?」

記憶をたどる。
ここ数日……いや数週間……数ヶ月間?
頭の中がぼやけたようにはっきりとせず、上手く思い出すことができない。

晴れた空を見上げると、太陽の位置はそこまで高くない。
朝の10時頃、だろうか。

辺りに人通りはない。
元々この路地裏に人が通ることなんて滅多にないから、
愛がここで何日倒れていても気づかれないこともあるかもしれない。
だとしても、いつから自分はここにいたのか…

「…ほや、あーし、みんなのとこ飛び出して…」

がむしゃらに能力を使った、ことまではかろうじて思い出せた。

697 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 00:03:01.51 0
「…うぅっ……」

だが、その先のことは思い出せば思い出そうとするほど頭が痛む。

「なんやの…思い出せん……」

いつからハッキリした記憶がないのか。
その間、いったい何をしていたのか。そもそも、どこにいたのか―――

「…完全に記憶喪失や…」

愛は顔をしかめ、思わずこめかみを押さえた。

 ちりん。

耳元で鈴の音が鳴り、愛は握りしめていた自分の手を静かに開く。

「…これって…」

それは、白地に黄色の刺繍の入ったお守り。
里沙があの時、愛の両手に包ませたそれだった。

「…なんで、これをあーしが持ってる…?
 こっちのお守りはガキさんが持って…、…あれ?」

愛は自分の腰の辺りを探った。
そこは本来、愛がお守りを着けていた場所。

「…ない、てことは…」

 ガキさん、あーしと、どっかで…?

698 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 00:04:08.75 0
改めて自分の着ている服を見ると、何十戦もの戦いを経たかのように、
あらゆるところが破れ、ボロボロになっていた。
腕や足にもいつ付いたのかわからないような切り傷が多い。

「…何やっとったんや、最近のあーしは…」

愛は思わず、持っていたお守りを胸に抱いた。


―――その時。


『…愛ちゃん、約束するよ』


確かに里沙の声が愛の耳に届き、ハッとして辺りを見回した。

「…ガキさん…?」

だが、相変わらず人の気配はない。

「…このお守りが…、もしや…」

愛はふと頭に浮かんだ考えを実行すべく、お守りを両手に持つと精神を集中させた。

物質相手の精神感応。
モノに宿る思念を読み取る、愛だからこそできる高等能力。

全身で脈を打つかのように鼓動がうるさく響く。
少しずつ流れ込んでくる、お守りに秘められた想いのビジョン。

699 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 00:05:16.65 0
「…見えた…」

 全てを覆う闇。
 ぼろぼろの愛。
 襲いかかる男。
 ローブ姿の里沙。

「…ガキさん、あーしに…」

愛の身体を抱いて涙を流す里沙のビジョンがハッキリと見え、
胸が締め付けられるように苦しく、切なさを感じた。

愛も、わかっていた。
里沙がそう考えていたとおり、ちょっとした弾みで里沙の正体がわかってしまったことがあった。
だからといって、一緒に過ごしている里沙を遠ざける気持ちなんて全くなかった。
愛を助け、支え、やさしく微笑んでくれているのは、間違いなくこの里沙だったのだから。

心のどこかでその時が来ることを覚悟していたはずなのに、
愛は突然訪れた別れを受け入れきれずにいた。
そして、他の誰もが里沙の存在を覚えていないということも。

「…自分勝手に、自分自身を捨てたんや…」

お守りに込められた想いが一気に愛の中に流れ込んでくる。
苦しんでいたのは自分だけじゃない。
里沙だって、長い間自分の身分を隠してどれだけつらかっただろうか。
それを考えれば…、自分のしたことなんてとても小さなことで。

里沙が、愛の腰に提げられていたお守りを見つけ、自分のそれと取り替えた場面が見えた。
その時に里沙が交わした約束を感じ取って、愛は改めて手の中のお守りを見る。

700 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 00:06:17.98 0
「…ガキさん…」

愛のイニシャルが刺繍されたお守り。
ずっと里沙と交換した方を持っていたから、これを見るのは久々だった。
ほんの少しだけ生地が汚れてはいたが、かなり丁寧に扱われていたのだろう。

「キレイに持っててくれたんやなぁ。
 それにひきかえ…、あーしはここに着けとったんやから…」

愛は自分の腰辺りを見る。
衣服がぼろぼろに破れ、一部は肌も露出しているくらい。
お守りが同じように汚れて破れていてもおかしくはなかった。

愛は無意識のうちに、手にしたお守りに唇を寄せていた。
それは、特に何の意味も想いもなかったのだけれど。

―――その瞬間。

お守りが真っ白な光を放ったように見えて、愛は慌てて顔を離した。
だが、手の中のそれは特に変わった様子も見られない。

「なんやったんやろ、気のせい…、あれ?」

愛の脳裏で、愛と里沙が光になって消える瞬間のビジョンが再生された。
里沙が耳元で囁いた言葉。それが風に乗って、今はっきりと愛に届けられた。


―――次に会う時は、今までよりももっともっと…

     愛ちゃんのそばに、いてもいいかな―――?


701 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 00:07:25.81 0
ザッ。

愛の背後で、足音がした。
振り返らなくてもわかる。
きっと情けなく眉尻を下げて、自分のことを申し訳なさそうに見ているのだと。

愛は右手の中にお守りを隠すと、わざと大きな動きを付けて振り返った。
果たしてそこには、うつむいたままの里沙がいたから、愛は思わず笑いそうになった。

「…愛ちゃん」

聞こえるか聞こえないかくらいの声をようやく絞り出して、名前を呼ぶ。

「…ゴメン」

愛は、微笑んだ。
謝らなければいけないのはきっと自分もで、やっぱり里沙もで、でも今は、そうじゃない。

愛は右手を開いてお守りを差し出し、空いた左手も同じように前に出す。

「違うやろぉ、ガキさん。
 挨拶の言葉、間違っとるで?」

里沙は一瞬呆気にとられたように動きを止め、それからすぐ、愛の意図を理解した。
また少しうつむいた顔が、どんどん涙でぐしゃぐしゃになっていくのがわかる。
それでも精一杯の笑顔を作りながら、里沙は歩き出した。

里沙の右手に乗せられた、緑色の刺繍のお守りを。
愛の右手に乗せられた、黄色の刺繍のお守りを。

二人は同時に手に取り、言葉を交わした。

702 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 00:08:25.73 0



「おはよう、愛ちゃん」

「おはよう、ガキさん」



青い空の下、蒼き正義は約束と共に。

二人は笑って、お互いの身体を強く抱きしめ合った。






    ――― 『BLUE PROMISES』 Fin.




703 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 00:09:24.35 0
>>695-702
以上、『BLUE PROMISES』でした
あとがき等々いろんなことはしたらばでお話ししたいと思います
数レス×数回という新しい取り組みやってみたくてこういう形になりました
単発減ったねぇという話題の中でちょっと恐縮でしたがやりきって満足です
どうもありがとうございました

704 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 00:10:34.41 0
全俺が泣いた

705 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 00:11:30.06 0
全俺も泣いた

706 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 00:13:29.47 0
おいおい
もしも俺が映画監督だったら映画化してるとこだわ
ひたすら拍手ですわ

707 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 00:18:12.75 0
感動しました
涙です。









>青い空の下、蒼き正義は約束と共に。



708 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 00:32:23.18 0
>>703
完結乙でした
蒼き正義が闇の脅威を打ち払った過程が精緻に
描かれていて感動しました
今後もやりたい形で投下してください

709 :名無し携帯屋。。。:2008/07/28(月) 01:17:36.41 O
>>703の感動作の後に保全がわりに駄作品を投下します


あまりにも下手くそなのでスレ汚しになったらスイマセン…

取り敢えずミティのキャラが何だかおかしいです


710 :名無し携帯屋。。。:2008/07/28(月) 01:21:45.03 O


月明りが照らす夜道
高橋愛は一人空を見上げていた


愛は夜空が綺麗な時こういった事がたまにある


今日も喫茶リゾナントの閉店後の後片付けが終わり集まっていたリゾナンターのメンバーに一言告げて外に出て来た


10分程度で帰って来るし毎度の事な為、メンバーも付いて行ったりはしない



しかし休む事なくダークネスと戦い、喫茶リゾナントで働いて愛の疲労は極限まで達していた



711 :名無し携帯屋。。。:2008/07/28(月) 01:22:58.60 O

「………」


ふと空を見上げ愛は想う

自分のさだめられた運命
i914という人間兵器
これからの未来
この綺麗な夜空を
いつまで自分は見ていられるのだろうか


考えれば考える程
答えなど出るはずない



未来が視える愛佳ですら
見えないのに


「…戻るかの」


空を見上げるのをやめ身体を反転させた



712 :名無し携帯屋。。。:2008/07/28(月) 01:25:39.96 O
そしてハッとする

「やっと気付いたか」

「……美貴ちゃん」

疲れているせいか
ミティが後ろにいるのに全く気付く事が出来なかった

「……ッ」

いつから後ろにいたのか
ミティの目的が何か…
戦闘の構えを取りながら必死に考えた


「別にそんな警戒しなくても良いじゃん」

「敵に警戒せんでどうするんよ」

「まぁその割にはミティじゃなくて美貴ちゃんって呼んでるけどね」

「あ…」

「ったく…相変わらず抜けてるんだから愛ちゃんは」


小さく笑うミティ
その心に秘めている
ものは一体なんなのだ
愛は少し焦った


713 :名無し携帯屋。。。:2008/07/28(月) 01:27:03.36 O

「安心しな。今日は戦うつもりないから」

「……」

「ホントだって」


たしかにミティからは何の殺気も感じとれない

しかしそれだとある一つの疑問が生まれる


「…じゃあ何しにきたんよ?」


当然だろう
敵である彼女が
一体どうして?


「ちょっとね」

「?」


一息ついて…
ミティは愛があまり聞きたくない単語を口にした



714 :名無し携帯屋。。。:2008/07/28(月) 01:27:56.55 O

「i914の事」

「ッ…」

「リゾナンターのメンバーは知らないんでしょ?」

「……」

「やっぱり」


答えは聞かなくても愛の表情から理解出来る


「別に言おうが言いまいが美貴には関係ないけどね。でもそんだけ一人で悩む位ならみんなに言えば楽になるのに」


他人事といえば
他人事に聞こえるだろう


「美貴ちゃん…」


だが愛にはその言葉にひどく優しさを感じた


しかし



715 :名無し携帯屋。。。:2008/07/28(月) 01:30:28.60 O

――トン!


「ッ…カッ」

ミティの手が愛へとのび
手刀が首にキレイに入り愛はその場に倒れ意識を失った


普段ならこんな攻撃で愛は意識を手放さないのだが疲労とミティに対する油断が重なったのだろう


「…そうやって敵である美貴にスキを見るのが…愛ちゃんの甘い所」


ミティは淋しそうに微笑み愛を抱え、後ろを振り返る


「…やっと来たか」


振り向いた先から帰りの遅い愛を心配して探しに来たれいなとさゆみがいた



716 :名無し携帯屋。。。:2008/07/28(月) 01:34:18.84 O

「愛ちゃん!」

「愛ちゃッ…ミティ!愛ちゃんを返せ!」

「ほら」

「へ?」


呆気なく愛を差し出されマヌケな声をあげるれいな

そしてそんなミティに警戒しながら静かに愛を受け取り一応治癒能力を与えるさゆみ


「キツそうだったから寝かせてあげた」

「寝かせてあげたって…」

「れいな、重さん」

「な、なん…?」


れいなはミティが藤本美貴と呼ばれていた時の雰囲気と似ている事に戸惑いを覚えた

そして恐る恐る
ミティの言葉を待った


717 :名無し携帯屋。。。:2008/07/28(月) 01:36:39.42 O

「愛ちゃんは最強の能力者かもしれない。だけど"普通の人間"なんだよ」

「ッ!!」

「だから傷つく。悩む。疲れる。泣く」

「……」

「しっかり見てあげて」

そのまま踵を返し
姿を消そうとしたミティ

「藤本さん!」

「あ?」

「貴方は…敵じゃないんですか?」

「敵だよ」

「ならどうして…愛ちゃんを…」

振り返らず
ミティは答えた

「別に。ただ…」

―愛ちゃんの悲しみが美貴にこだましただけ

そして闇へと姿を消したミティ。れいなとさゆみはただ…黙る事しか出来なかった

718 :名無し携帯屋。。。:2008/07/28(月) 01:40:17.18 O
>>710->>717
以上です

719 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 01:41:30.53 0
愛美貴ありがとうございます

720 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 01:42:17.45 0
愛美貴きた〜


721 :07012310786764_vr:2008/07/28(月) 02:19:21.16 O
規制か

722 :名無し携帯屋。。。:2008/07/28(月) 02:20:20.41 O
>>710-717
>>718で失敗したのに規制されてしまったorz
でもちゃんと出来てるかな…

723 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 06:38:08.96 0
人は何故、何かを犠牲にしなければ生きられないのか。
その問いは人の世の終わりまで永久に繰り返されるだろう。
願望や欲望を持つ人間は、それが例え自分自身であっても惜しむ事はない。

願望とは動機だ。
そして、「生」と「死」の狭間に存在する真理だ。

願いはやがて形と成り、一代限りで終わる偶発的な発現者が生まれる。
後にそれは異能力者と呼ばれ、先天的な自然干渉法の能力を使用することが出来た。

  ―――だが中には、人の手によって後天的に覚醒された者も居る。


724 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 06:39:34.47 0
 共鳴増幅能力(リゾナント・アンプリファイア)。

その名の通り、異能力者のを増幅させる力ではあるものの、つまりそれは人間型の増設タンクだ。
他人の思想、信条に共感するとされる「共鳴」は、お互いの波長が合わなければ成り立たない。
その為、能力を増幅する為には、れいな自身に『受け入れられた』対象者だけに制限される。

能力によっては、その能力によって本来発揮できなかったチカラさえも実現は可能。
だが、その元となるものは「田中れいな」という固体から生み出される為
無理な使い方をすれば、れいな自身も共鳴している相手にも負担が掛かる。

そして、この働きは常人には当然備わっていない。
ここからの事実は、以前、あさ美に両親の事を告げられた一件で、れいな自身が調べた情報の一部である。


725 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 06:40:54.26 0

ダークネスの配下に複数存在する研究機関の中に、『黒血』と呼ばれるものが開発されていた。
その正体は、分子レベルで特殊な回路を組み込まれた原型細胞の集合体。

僅か数名の研究員によって作業は全て極秘裏に進み、その具体的な内容は最高幹部級の
人間にしか知らされる事はなかった。
何故ならそれは、『生物学的操作』という、人間の肉体そのものに影響を来たす、つまり
異能力者の根源と言えるほどの代物だった。

肉体を、自身を殺人兵器と呼ばれるべき存在とさえ可能にするその計画は当然外部に漏れる事は許されない。

だがそれは、あまりにも無謀な賭けだった。
原型細胞の集合体。
人は全て細胞の構成によって成り立っている。
『黒血』の埋め込みは無事に成功したが、問題はその後にあった。


726 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 06:41:25.82 0

 ―――拒絶反応。

本来の人間部分が異物として拒絶する現象。

無論、研究者も予測はしていた事であり、極限までその現象を押さえ込む為に
披験体には可能な限りの処置も既に施されていた。
だが、どんな手段を用いたとしても、反応を完璧に消滅させることは不可能に近い。

『人間部分』の抵抗は『黒血』による攻撃とみなされて対抗進化を始める。
体組織の内部に独自の回路を形成し、拒絶反応を抑えようとするが、進化した
『黒血』に人体はさらに過激に反応し、その反応がまたさらなる進化を誘発。

その連鎖反応の末路は、全身が『黒血』に支配され、脳を浸食される。

 ―――それが、『暴走』という殺戮兵器への覚醒。


727 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 06:42:12.29 0

つまりれいなの持つ共鳴増幅能力(リゾナント・アンプリファイア)とは、元々
その『黒血』の補佐的役割の為に開発された一種の原型細胞だったのかもしれない。

今はまだ、その予兆さえもないが、今後無いとも限らない。
もしかしたら開発にあたった両親が何か細工したのかもしれないが、今それを知る術は無い。
二人がどんな思いでそのチカラを娘に与えたのかも。

だがこの"チカラ"のおかげで、れいなはたった一人でこの世界で生きてきたのも事実だった。
自分の身体そのものが増設タンク、つまり増幅器だとするなら身体能力の促進にも繋がる。
物心ついた時から小さい体つきと華奢な姿であった為に、小学校や中学校でも
からかう同級生、上級生はたくさん居た。

その上、孤児というレッテルが貼られることで、それはどんどん膨張していく。
生意気だと暴言も投げ掛けられたし、陰湿ないじめもあった。

全ては"チカラ"だと思っていた。
自分の中に在る"何か"にも気付いていたものの、それを手放す事は出来なかった。
例え闇の中でも、これさえあれば生きて行けると腹を括っていたのかもしれない。


728 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 06:43:07.96 0

 「―――こんな時間に出歩いてたら、通り魔とかに襲われるよ?」
 「似たような人が言う言葉でもないと思いますけど?」
 「あはっ、言うようになったねぇ」

そしてここに、もう一つの事実がある。
その『黒血』の拒絶反応という欠陥を修正する為に、すぐに次のプロジェクトが立ち上がった。
普通の人間に『黒血』を繋げるのではなく、初めから『人間』と『黒血』の混合体を
作り上げ、成長段階で二つの部分をすり合わせるのはどうか、と。

内部で育成される被験体には偽造された記憶を植え付け、外部への脱出
や、自動的に機能を停止させる"制限"さえも組み込まれた。

そして、ようやく成功した異能力者はたったの二人。
だが、その一人は『殺害』され、事実上成功例はたったの一人。

 ―――後にこれが、愛の主力である瞬間移動(エレポーテーション)や
  光使い(フォトン・マニピュレート)能力開発のきっかけとなる。


729 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 06:44:08.98 0

 「…後藤さんのその翼は、『黒血』の産物なんですね」
 「そ、『黒血』と人体の齟齬を修正するためだけに作られた人造人間。
 今はあそこの組織が作った薬で『暴走』なんてものは無いけどね」
 「その『暴走』で自分の同胞を殺したのに、随分余裕ですね」
 「あんなの、あたしがまだ生まれたすぐだからカウントしないよ」

 それに、今じゃそれ以上の人数を殺してるんだからさ。

背中から剥き出された翼はまるで蝙蝠のソレと似ている。
すでに制御方法はほぼ熟知しているのだろう。
無機質に輝くそれは微弱ながらも個々の生命を持っているように見えた。

能天気なまでのその口調は、どこか懐かしさまで覚えさせられる。
れいながまだ野良猫だった頃に出会ってからダークネスの一員であることを知るまで
間接的ながらも何度か連絡を取っていたのだから。

だが絶対に屈したりはしない。
あちら側に立ってしまった人間に情はあまりにも危険すぎるからだ。


730 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 06:45:20.23 0

 「紺野から全部聞いてるみたいだけど、話にのるの?」
 「…能力の消去…ですか?」
 「その事実を知ってるのはあたし達とれいなと…高橋も知ってるね」
 「………」

i914。
ダークネスで生まれた異能力者。
だがその詳細を、愛は何も教えてはくれなかった。

だから自分で真実を調べた。
時には違法的手段を使ったし、裏世界と繋がりを持つ人間にも交渉した。
メンバーを信頼していない訳じゃない。
でも、どうしても一人で調べたかったのだ。

自身の両親が関係している出来事。
人の手で創られた異能力者と呼ばれる人間の正体を。
そして、何故そんな研究に携わっていたのか。
あんなにも優しかった二人。
あんなにも子供想いだった二人。

そんな二人が、残酷な人体実験を行っていた。
れいなと同じ年の子供達で、殺人兵器を作っていた。


731 :i60-35-156-37.s02.a018.ap.plala.or.jp:2008/07/28(月) 06:45:59.13 0

それはあまりにも哀しくて、哀し過ぎて。
そこにある『幸福』だけでは飽き足らなかった両親が、憐れだった。

もしかしたら、自分も本当は実験体なのかもしれない。
それを何かの理由で両親だと偽り、育てたのかもしれない。
自分たちでその実験体を育成するのは、どんな気分だっただろう。
愛情さえも、優しい言葉さえも全部偽って接して信頼させて―――!!!

そして、れいなの"光"さえも奪おうとしている。
それを取り返すためには、あさ美の言うとおり―――。

 ―――"れいな、あんたはここに必要や"
 
 「…後藤さんは、何でここに来たんですか?」
 「まぁ、一緒に来るかどうかの確認をしにね」
 「無理やりにでも連れて行けばいいでしょう?じゃないと後藤さんの
 命だっていつまでもつか…っ」
 「人間だって、いつ死ぬか分からない。もしかしたらそれは一秒後かもしれないし
 十年後かもしれない」


732 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 06:49:04.70 0

 ―――"こんな力なんて要らんって。ずっと思ってきたし、
   これからもその気持ちが無いって言えばそれは全部ウソになるわ"

 「だからあたしはそんな事に興味は無いよ。ただ、見てみたくてね。
 その事実を知って困惑する野良猫はどんな行動を取るのか」

 ―――"何かの違いを認め合えん限り、 あーしらはいつまでたっても孤独や"

 「紺野は能力の無い世界を求めてダークネスに入った。
 対して、リゾナンターのリーダーや自分が爆弾を抱えると知った今、何を求める?」

 ―――"積極的に受け取ることなんて難しいけど
   この力を持ってしまったことさえ、意味があるって信じたい"

 「自分を裏切っていたかもしれない両親の復讐の念でも込めて
 能力消去の実験体になる道でも歩む?」

 ―――"れいなは、やらんよ。あーしら、仲間やろ"


733 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 07:17:39.46 0

 「ま、れいなが決めることだから良いけど、それじゃああまりにもつまらない」
 「ぇ…?」
 「製造番号"g923"、人間も兵器も能力者も同じだよ。ただ在り方の違いってだけ。
 その中でれいなは、今どこに居るのかな?」

言って、真希は闇の中へと消えた。
不意に、今自分が繁華街のど真ん中にいる事に気付く。
まるで時間が停止していたかのような錯覚を感じたが、あの人ならそんな不思議な
事もやってのけるのだろう、と思う事にした。

 「自分の…在り方…」

何故自分がここに居るのか。
何故、愛達と出会ってしまったのか。
それが全て『共鳴』の"チカラ"であれば、れいなもまた、何かの在り方を持っているのだろうか。
この道で無ければいけない理由があるのだろうか。

 分からない、だけど確かな事は、れいなは何かを選ばなくてはいけないという事。

れいなは静かに振り返り、道を歩んでいく。
闇夜に浮かぶ世界で、誰かの願いが小さく木霊していた。


734 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 07:19:00.06 0
>>723-733

最後の1レスのみ代理で投稿しました

735 :名無し募集中。。。 :2008/07/28(月) 09:05:05.07 0
おっと

736 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 10:10:24.29 O
ととと

737 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 10:20:24.42 0
>>703
したらばに感想を書かせていただきました
文才がないのでたいした感想ではないのですが、ここに載せるには中途半端に長くなってしまったもので…

>>718
携帯からお疲れさまでした
静かな月夜の空気感が伝わってくるような邂逅ですね
敵味方に分かれた今なおかつての仲間を思いやるミティ、素敵です

>>723-733
[Ai-Rena](08)505 『覆る偶然と繋がりゆく必然』や[MM。](08)913の一連の作品にリゾナントした作品でしょうか?
i914誕生の謎やれいなの出生話、アンプリファイアの意義はこのスレ最大の魅力ですね

738 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 10:47:46.67 0
>>668-676の後半かとも思ったけど違うような

739 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 12:14:57.34 O
お昼のホゼナント

740 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 13:11:26.17 O
頑張りますよのホゼナント

741 :名無し携帯屋。。。:2008/07/28(月) 14:10:17.55 O
扇風機の前でホゼナント

742 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 15:02:17.88 0
おやつの時間だリゾナント

743 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 15:36:31.48 0
>>723-733
の人です。
今回は初めて規制されてしまいまして
734さんに代理投稿をお願いしました、本当に有難うございました(平伏)

今回のは373さんの言うとおり、いろんな方とリゾナントさせて頂きましたが
>>423-432
の続編でもあります。
当初は単発として投下したのですが、最後まで書いてみたいと思いました。
至らない点があるかもしれませんが、よろしくお願いします。


744 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 15:37:35.15 0
737さんでしたorz 何から何まで申し訳ないです(滝汗)

745 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 16:10:39.06 0
突然ですが>>737の最後の行を受けてれいなについて
実はアンプリファイア以外にも隠れた能力(しかもかなり強い)があって
でも本人は高橋他のメンバーは気付いてないが敵の一部は知っているかも

みたいなのを書きかけたけど、それやっちゃうと何かが根底から違うような気がして筆が止まってます
能力を持たないからこそ、みたいなれいなの頑張りを否定してしまうような


746 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 16:11:33.42 0
>>745
3行目
本人はもちろん高橋他のメンバーは

です

747 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 16:38:27.85 0
あるけど気付いてなくて使えないなら同じなんじゃない?
何かのきっかけで偶然出現するだけでどうやっても自分の意思で使う事は出来ないとか

748 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 17:28:41.57 0
>>745
スレ内設定として悩んでおられるなら気にすることはないと思います
設定は人それぞれですのでここで新たな能力を出したからといって他の作者さんがそれに従う必要はないわけですし
ご自身の作品の中での悩みという意味なら・・・ご本人次第と言うしかw

749 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 17:53:56.96 0
凄まじき 稲妻さえも いとおかし
 小春が発せし 力と思えば(ホゼナント


750 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 18:03:49.79 0
>>745
私の中の脳内設定では、ダークネスサイドの能力者同士では
起きる事の無い共鳴を増幅するれいなの能力こそ、戦いの重
要なファクターなんだけどね
でも自分で書いてみたいという設定があれば、書いてみれば
亀の風使いとかも後発の能力だったし
さゆのうさちゃんホールドはあまり根付かなかったかな


751 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 18:06:24.98 O
垂れ込めし 暗色の雲 霧散して
  あとに残るは 蒼き明日なり

752 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 19:31:32.26 O
ほぜりんちゃん

753 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 20:35:25.13 O
ほぜキュン

754 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 21:52:37.25 0
ホゼ何

755 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 22:24:57.56 0
YOU キラキラの この 煌きは
YOU 永遠の ダイヤモンド 

756 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 23:10:38.49 0
今夜はどんな夜ですか?

757 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 23:20:16.72 0
>>751
メチャクチャかっこいいネ!

758 :名無し募集中。。。:2008/07/28(月) 23:24:29.93 0
>>745
僕の中の勝手なイメージランキングなんですけど
強い順にリゾナンターを並べると
1位:ジュンジュン
2位:小春
3位:れいな
4位:愛ちゃん
てな感じになってます
ただ単に格闘が強いイメージの順番ですけどね

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