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リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第12話

1 :名無し募集中。。。:2008/07/19(土) 16:42:15.91 0
<一体、何処に行くって言うんだ
   _, ,_
川*’ー’)<<胸の高鳴る方へ

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656 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 09:25:50.89 0
9.

「…ガキさん、泣かないで」

あさ美は、里沙の頬を伝うしずくを拭った。
そして里沙を腕の中に抱き込み、頭を撫でる。

「…確かに、私はダークネスに魂を売り飛ばしてしまった…、でも」

小さく息を吸い込み、目を閉じた。

「私がダークネスにいることで、みんなを助けることもできるはずだから」
「…助ける…?」

あさ美が小さく笑ったのが、里沙の身体に伝わる。

「今日みたいに、ね?
 愛ちゃんを救うこともできるし、ガキさんをあっちに戻すことだってできる」

あさ美は里沙を抱きしめたまま、器用に白衣のポケットから小さな箱を取り出した。
それは先ほど愛に使ったものとまったく同じ機械箱。

「…二個くらい作っておけば十分足りるかなと思ってたんだけどね。
 まさか一日で両方とも使っちゃうなんて、全然想像してなかったんだけど」

身体を離すと里沙の手にそれを持たせて、両手で包む。

「『非常脱出用』としてダークネスに指示されて作ったんだけど。
 まだ設計図もデータもあるし、作ろうと思えば作れるし」
「…ありがとう、こんこん…」
「さ、早くしないと。
 構成員たちに見つかる前に、それ使って、逃げて」

657 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 09:26:29.43 0
あさ美は笑っているのに、その笑顔を見ると里沙の涙は止まらなかった。
今ここにはいない麻琴も含めて、四人でもう一度一緒に過ごしたかった。
その心にまだ光が宿っているのであれば、なおさらだった。

「…ガキさん、愛ちゃんとの約束、ちゃんと果たすんだよ?」

あさ美は笑いながら、里沙の胸元に着けられたダークネスのバッジを外して投げ捨てた。
そして自分の右手の小指を、里沙の目の前に差し出した。

「私も、約束するから。
 必ず、ガキさんと愛ちゃん…、そしてリゾナンターの力になれるよう、協力する」

里沙はゆっくりと自分の手を伸ばし、その小指に絡める。

「…またね」

里沙は空いた左手で顔を覆う。
あさ美は、そんな里沙の代わりに機械箱のスイッチを押す。
里沙の身体が徐々に光に包まれ、光の粒となって溶け出し始めた。

「必ず…!」

全てが消えゆく直前、里沙はあさ美の顔を見て叫んだ。

「次会えるときは…、きっときっと、笑顔で…!」

あさ美の小指と結ばれた里沙の小指を最後に、里沙は光の中へと消えていった。
それを見届けると、あさ美はその場にぺたりと座り込んだ。

658 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 09:27:34.16 0
「…幹部失格だなぁ…、マルシェちゃんも…」

ひとり呟くと、白衣の袖を目に押し当てた。

あさ美が愛を闇から解放した理由は、献体としての価値という理由も間違いではなかった。
科学者として、愛の持つ能力が魅力的であることには違いなかった。
それでも、里沙が必死で訴えかける姿に、忘れていた想いが呼び起こされた。
愛を助けたいと。愛にもう一度、会いたいと。そして、光を取り戻したいと。

監視下に置かれている里沙の逃走の手助けなど、幹部である自分が許されるはずもない。
けれど、まだ自分の中にこんな想いが残っていることに気づかせてくれた里沙。
彼女なら、彼女たちなら、きっと何かを変えてくれるはず。
あさ美はそう信じることにした。だから、後悔はしていない。


「…さて、どうやって言い訳しようかなぁ…」

瞬間移動装置の喪失。あさ美は、嘘をついていた。
この装置を再生させることは、実はもうできなかった。

愛がまだi914という名でダークネスの献体だったときに採取されたサンプル。
そのサンプルを精製し改良を加えて、瞬間移動を可能にする光の粒を作り出した。
それが、あの機械箱。
だが、膨大にあったはずのサンプルをもってしても、作れた箱はたった二つだけだった。
サンプルを再生することも同じだけのモノを作り出すことも、完全に不可能だった。


あさ美は苦笑いを浮かべながら、里沙の部屋を後にした。
目の前を通った構成員に、さも今気づいたかのように告げる。

「被監視対象者、逃走の模様―――」


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