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リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第12話

1 :名無し募集中。。。:2008/07/19(土) 16:42:15.91 0
<一体、何処に行くって言うんだ
   _, ,_
川*’ー’)<<胸の高鳴る方へ

前スレ
リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第11話
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1215432711/

まとめサイト
 PC:http://resonant.pockydiary.net/index.html
携帯:http://resonant.pockydiary.net/index.cgi

掲示板 (感想スレ、作品題名申請スレ、あとがきスレ他)
http://jbbs.livedoor.jp/music/22534/

テンプレ>>2-16ぐらいまで

594 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 14:55:37.61 0
>>592
乙です
亀の話が読めて嬉しかったです

595 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 15:27:49.07 0
『Smiles Maker』のタイトルには「SM」もかけてあるわけですね分かります
ちょっとお互い意地悪をしたりされたりな感じが素敵でした
読んでる方も緩む口元抑えられなかったです

596 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 15:35:17.97 0
>>592
見事なリゾナント、乙でした!
>>593さんの作品といい、なんで亀ちゃんの一人称ってこんなにも可愛いんでしょうw
自分は愛絵里好きというわけではないのですが、友達以上恋人未満(?)なふたりの関係に爽やかなドキドキ感を覚えつつ
ひさびさのほのぼの系に癒されました

597 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 16:21:34.10 0
夜にでも1本単発を投下したいホゼナント

>>592さんの作品に癒されました
温かくてくすぐったい感じが本当キュンとなりますね

598 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 17:17:47.17 O
ホゼナント

599 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 17:26:41.49 0
第8章、投下します
そろそろクライマックス見えてきましたよ

1.>>242-244
2.>>250-253
3.>>317-320
4.>>372-375
5.>>492-495
6.>>509-513
7.>>552-555


 ―――残念だけど、私はもうここを出られない


手を伸ばして、つかめぬ希望。

600 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 17:27:27.63 0
8.

「…なーんてね。ちょっと脅かしすぎたかな」

あさ美は里沙の口にそのカプセルを放り込むと、今までとは違った脳天気な声を上げた。

「安心して。そのカプセル、普通の回復剤だし」

強制的に嚥下させられたことには少なからず不快感をおぼえていたが、
言われてみれば目覚めた時に感じた瞬間移動によるダメージが、少なくなったような気がした。

「…どういう、こと…?」

里沙は、あさ美の意図するところが読めないでいた。
さっきまでとは、明らかに様子が違う。
カプセルの中身は想像していたような睡眠剤などではなく、あさ美の言うとおりの回復剤には間違いない。
でも、どうして? 彼女は、何を考えている?

「愛ちゃんを助ける理由。さっきのなんて、嘘だよ」
「嘘…?」
「…単純に、あんな闇の中にいる愛ちゃんなんて見たくなかったし、
 ガキさんにも…ここからは逃げてほしいって思ってる」

里沙は、唖然としながらあさ美を見上げる。

「…さっきのは出来心のイタズラだったんだけど、ちょっとマジになりすぎたかな」

あさ美は里沙の目の前にしゃがむ。
冷静で冷徹な、刺すような目つきは今のあさ美にはなく、
別人のように穏やかな表情で里沙を見つめていた。

601 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 17:28:49.69 0
「…何年一緒にいたと思ってるのさ」

あさ美は笑って、里沙の頭を撫でた。
その笑顔は、かつて共に過ごしていた時には毎日のように見ていたもので、
Dr.マルシェというダークネスのトップサイエンティストには似合わぬ、
やわらかくて、そしてどこまでもやさしい表情だった。

「ガキさんが愛ちゃんを想う気持ちの強さも、
 愛ちゃんがガキさんを想う気持ちの強さも、
 どっちだって揺るがないものだって、見ててわかってたよ」

里沙の頬を、一筋の涙が伝う。
あさ美はそれを親指で優しく拭うと、里沙の肩をぽんぽんと叩いた。

「リゾナンターは、この世界を変えなくちゃいけない。
 人々の心に巣くう闇を取り除く正義として、生き続けなきゃいけない。
 ガキさんもその使命を負ってるんだって思ってる。
 だから、ガキさんはここにいるべき人じゃない」

あさ美は、まっすぐに里沙の目を見て言った。

肩書きこそダークネスの幹部であり、構成員も恐れる存在と言われるけれど、
その心にはまだリゾナンターの意志が残っているのだと、里沙は心の中で喜んだ。

「じゃあ、こんこんも…!
 こんこんの力が今のリゾナンターにあれば、ダークネスだってカンタンに…!」

あさ美の手を握り、身を乗り出して訴えかける。
里沙自身が、元はダークネスの構成員でありながらリゾナンターになったように。
今のあさ美だってその志があればリゾナンターに戻れると、そう信じていた。

602 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 17:29:59.13 0
「…ガキさんの気持ちは嬉しい。でもね」

あさ美は静かに呟く。

「残念だけど、私はもうここを出られない」

小さく首を振りながら、着ている白衣の袖をまくりあげた。
現れた二の腕は、里沙の知るあさ美の肌とは違い…、

「それって…」
「ダークネス“様”への、忠誠の証」

わざわざ「様」を強調しながらあさ美は言った。
白衣の下から現れたのは、腕を蝕むように描かれた鎖の模様のタトゥー。
確かにそれは、あさ美から自由を奪う枷に見えた。

「ダークネスに一生を捧げると誓って、このタトゥーが掘られて、それで一人前」
「一人前…」
「そう。組織内での階級を与えられて、昇格していける。
 例えば私みたいな研究員だったら、
 自分専用の研究室が与えられて、望んだ機材や材料も与えられて、
 好き勝手にいろいろな研究もできるようになる。
 もちろん、実力があれば…、だけど」

あさ美は腕をさすりながら、袖を元に戻した。
元に戻された白衣からは、タトゥーの存在は見ることができない。

「私がここを脱走しようとすれば、タトゥーの呪いが発動するの」
「呪い…?」
「そう、人じゃいられなくなる実験台になるか、身体ごと消滅させられるか、どっちか」
「……!!!」

603 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 17:31:09.65 0
里沙は言葉が出なかった。
あまりにも淡々と語られるその内容は、あまりにも悲惨だった。

「どっちになるかはダークネスが決める。
 必要もなければ消滅させられちゃうだろうし、いい献体になるとすれば、実験台」
「じゃあ、こんこんは…」
「間違いなく、実験台だろうね。
 私が逆の立場だったら、こんな献体は放っておけない」
「そんな……」

里沙はその場にがっくりと膝をつき、顔を覆った。

「一緒に戦うことも過ごすことも…、もう、ムリなの?」
「…ガキさんがリゾナンターに戻るのであれば、
 基本的には、もう、できないよ」

あさ美は里沙に背を向けたまま、静かにそう告げた。

「…ひどいよ…」

里沙はうなだれ首を左右に振りながら、床を二度、三度と叩いた。

もう心を交わすことはできないだろうと思っていた昔の仲間。
思わぬ形で再会することになっても、里沙は心から嬉しいと思っていた。
ダークネスの中心人物たり得る地位に昇ってしまったあさ美が、
今もなお光の志を持ち続けていてくれたということに、
里沙は、また手を取り合うことができるはずだと大きな希望を抱いていた。

だがそれを、あさ美本人の口から否定された。
嘘でも、また笑いあえるのだと言ってほしかったのに。

604 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 17:33:07.71 0
>>600-603

605 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 18:03:34.23 0
うう…じらされてる
>>604乙です

606 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 18:15:47.17 0
>>604
乙です
続きを・・・

607 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 18:55:27.66 0
>>604
小出しにするなあ
なんか弄ばれてるみたいw


608 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 19:53:49.61 0
続き待ってるっちゃ

+   +
∋oノハヽ  +
 从 ´ ヮ`)   ワクワクテカテカ
 (0゚∪ ∪ +        
 と__)__) +

609 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 20:11:48.94 0
>>537
エロ以外は面白かったです
>>592
かわいい話ですね
好きです
喫茶リゾナントが出てくるとホッとしますね
>>604
コンコンに背負わされた十字架もまた重いですね・・・
続きが楽しみです

610 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 20:53:52.93 0
狼を統べる偉大なる女神レトーよ…、我らに庇護を与えたまえ!
 ホゼナントゥーッ

611 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 20:55:15.26 0
>>597ことないやいですが10時頃に投下します
よろしくお願いします

612 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 21:31:50.94 0
期待ほ

613 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 21:38:01.90 0
保全代わりに最後のお願いに上がりました
ただ今2ch全板トーナメント決勝戦(対ネトゲ実況板)開催中
狼劣勢の今 このスレに集うリゾナンダーの皆様のご協力を仰ぎたく

…ていうか単純にリゾブルPVを宣伝したいってのもあるんですが


■投票テンプレ

[[コード]]
<<狼>>

http://toromoni.mine.nu/up/files/data/15/toro15441.jpg


 ――全ての者に告ぐ。
      
         蒼き正義に共鳴せよ。


Morning Musume - Resonant Blue Another Vers. PV
http://jp.youtube.com/watch?v=iFAwgXhGU2k


               狼◆モーニング戦隊リゾナンダー連


■投票方法など詳しくはこちら

【狼今負けてる】▲第3回全板人気トーナメント317▲【本日決勝vsネトゲ実況】負けそうだー
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1217071938/

614 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 21:56:41.05 0
リゾナンター連で突発ラシをしませんか?
予定時刻は22:09:14でi914さんをリゾナントしたいと・・・
http://tournament-code.ath.cx/
PC・携帯ともこちらにアクセス(PCは10分待機時間があります
取れたコードを
http://changi.2ch.net/vote/
「第3回2ちゃんねる全板人気トーナメント投票スレ」 に
>>613のAAと共に書き込みます。


615 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 21:59:51.90 0
賑やかししかできないよ

616 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 22:00:40.67 0
それでは更新します
注意事項は下記の通り

・短い
・色々何かもう…ないやい!
・ダークネス出てきます
・ちょっとグロい表現ありますので苦手な方はスルーで

以上になりますそれではしばしお楽しみ下さい

617 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 22:01:23.87 0
夜の闇に蠢くソレは、禍々しいオーラを放ちながらビルの屋上から屋上へと跳躍していく。
見た目は人そのものだが、その身体能力は明らかに人とは言えない。
月の光がソレの姿を浮かび上がらせる。
土気色を通り越して灰色がかった肌、充血しすぎて真っ赤に輝く濡れた瞳。

ソレは逃げていた。
赤黒い血を滴らせながら、追ってくる者を必死に巻こうと。
生存本能が告げていた。
アイツらを相手にしては勝てないと。

この力を与えられた時の、世界全てを手に入れたかのような高揚感は消え失せ。
己よりも強い者が居る、ただそれだけのことに体は震えた。
何故だ、この力は無敵ではなかったのか。
追っ手から必死に逃げるソレの疑問に答えられる者は、遙か上空から逃げまどうソレを俯瞰している。


「んー、一般人に無理矢理闇の力を注入したらどうなるか。
実験結果は、可、程度だね」


苦笑いしながら、彼女はソレを見つめ続ける。
羽など持たぬのに、まるで地面に立つように空に浮かぶ彼女。
濃藍色の闇に、白い白衣が鮮やかに輝く。

巨大超能力者組織ダークネス。
ダークネスが世界に誇る超能力研究機関「Awesome God」を統括する最上位研究者。
それが彼女の肩書きであった。

「素晴らしき主」と名付けられた研究機関、それを統括する最上位の位置にいる彼女。
すなわち、彼女こそが「素晴らしき主」でありまさに「神」と崇められる存在であった。

618 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 22:02:04.03 0
様々な超能力を先天的に植え付けた人造人間を創り出し、それを忠実なダークネスの兵へと育て上げる。
ダークネスを弱体化させるにはまず、この研究機関及び神と崇められる彼女を葬り去らねばならない。
彼女以外で神と言われる程の知識と力を持ち合わせた研究者はダークネスにはおらず、
彼女を葬り去ることさえ出来れば、一時的かもしれないがダークネスは力を失う。

だが、それこそは「神」へ逆らう愚かな所業。
彼女の命を狙う能力者は絶えないが、必ずその能力者は生き延びること叶わずに潰える。
普通の能力者では想像すら出来ぬ、圧倒的な能力を有する能力者達に守護され。
そして、彼女自身も圧倒的な能力を有する存在である。

神と崇められ、その知識と力を持ってダークネスの兵達を統括する能力者最強の一角である彼女。
彼女はその座に胡座をかくことなく、常に己の研究をもっと高い次元へと引き上げるべく研究し続ける。

一から生命を生み出さずとも、一般人に後天的に能力を植え付けて兵として使役出来ないか。
研究の最中にふと思いついたことを実験してみたが、この程度ではダークネスの兵として使うことは厳しい。
そう結論付けた彼女の視界に飛び込んでくる、赤い光と藍の光。


「久住小春とジュンジュンかぁ、可哀想だけどアレはもう終わりだね。
せいぜい、精一杯足掻いて傷の1つでも彼女達に負わせてくれるなら、
少しはこの遊びも意味のあるものになりそうだけど」


上空に佇む彼女の遙か下では、今まさに戦いが始まろうとしていた。
必死に逃げまどうソレに、ついに追いついた2つの影こそが。
久住小春、そして、ジュンジュン。
ダークネスという「絶対神」に戦いを挑む、愚かな超能力者組織「リゾナンター」の能力者達であった。

赤い光をたなびかせている方が久住小春、藍の光を放つ方がジュンジュン。
2人はようやく追いついたソレを抹殺すべく、結界を展開する。
―――けしてもう、ソレを逃がしはしない。

619 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 22:02:41.26 0
「ちょこまか逃げるのやめてくれる?
こっちはさっきまで睡眠時間1時間でグラビアの撮影してたんだから」


そう言いながら、赤い光をその身に纏わせる彼女―――久住小春はソレを冷ややかな瞳で見つめる。
整った顔立ち、すらりと伸びる手足は日本人離れと形容してもよさそうだ。
高い位置で1つに結わえられた黒髪、冷ややかな眼差し。
お世辞にも性格がよさそうとは言えないくらい、その身から放たれる雰囲気は冷たく鋭い。


「久住、そレはお前ガ勝手にやってイる仕事だ。
疲れてイライラするノは分かるが、それを奴に言ウのはただの筋違いダ」


感情を殆ど声にのせることなく、藍の光をその身から放つ彼女―――ジュンジュンは小春の言葉にツッコミを入れる。
どこか愛嬌のある顔立ちと肉付きのよい体つきから想像出来るのは、小春と違い彼女は既に成人であろうということ。
艶やかな長い黒髪を背中の方に流し、悠然とした態度でソレを見る彼女。
落ち着き払ったその姿は、イライラしている小春を更に苛つかせるには充分すぎるくらいだった。

鋭い目線を仲間であるジュンジュンに向けてくる小春、そしてその視線を意にも介さないジュンジュン。
敵を前にしてるというのに仲間割れ寸前かと思わせるくらいの険悪な雰囲気が、2人を包む。
その2人のやり取りに、ソレは己がコケにされているのだと嫌でも気付かされた。
葬り去ろうと思えばすぐにでも葬り去れる程度の存在だから、無視されるのだと。

屈辱だった。
この素晴らしい力を持った自分を見ても、彼女達の態度は何も変わらない。
彼女達が倒すべき対象は自分なのに、まるでその場に自分がいないかのように振る舞われて。
ソレの体をどす黒い想いが駆け抜けていく。

620 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 22:03:23.62 0
「ガアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」


咆吼と共に、ソレは彼女達目がけて尋常でない速度で突進する。
後半歩踏み込めば射程圏内に入る、そうしたら幾らヤツらでも避けれない。
ソレの思惑が形になろうとした瞬間、視界に捕らえていたはずの彼女達の姿は消えている。

何処だと視線を右に左に散らすソレ。
その瞬間、ソレの両腕に走る二つの激しい痛み。
右腕から吹き出す赤黒い血、左腕から立ち上る肉の焦げた匂い。


「アアアアアアアアアアア!!!」


この腕でヤツらを切り裂くはずだったのに。
その血しぶきを浴びて、勝利の味に酔いしれるはずだったのに。
彼女達を切り裂くはずだった、鎌状に変化した腕は。
一方は切り裂かれ、また一方は炭化した。

腕を失い、痛みに混乱するソレを冷めた瞳で見る小春の腕に、まるで生き物のように絡みつくのは赤い電流。
小春の対角からソレの様子を窺うジュンジュンの手には、強く光る藍のエネルギー。

どちらも攻撃系能力で、小春の能力はエレクトロキネシス、すなわち電流を自在に使役する能力であり。
ジュンジュンの能力はサイコキネシス、運動エネルギーそのものを能力に変換して扱い、
目に見える波状や弾状にして攻撃や防御の手段とする能力。

2人の能力者レベルは、ソレが思っているよりも高い次元にあった。
だが、腕を奪われたことに対する痛みと怒りが、ソレの中の闇を増幅する。

―――使えなくなった腕を突き破るように、ソレから新たな腕が生えた。

621 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 22:04:02.10 0
「うわ、キモい」

「あマり見ていテ気持ちのいいモのじゃなイな、早く片付ケるゾ、久住」

「うるさい、あたしに命令するな!」


赤い電流をその両腕に巻き付けて、小春はソレの息の根を一気に止めてしまおうと距離を詰める。
後少しで、ソレの体に伸ばした両腕が届こうとした時。
突如小春の足下に生える、鈍色に輝く鎌状の腕。
慌てて後ろに飛んで避けようとする小春の左臑に生まれる、赤く大きな筋。


「久住!」


一瞬でソレの上を飛び越え、小春の背後に着地してその華奢な体を抱き留めるジュンジュン。
その傷の深さに、これでは小春はまともに動けないと判断したジュンジュンは、小春に声をかける。


「久住、ジュンジュンのことが気に食わなくてもいい。
アレを倒す、その為に久住の力を貸してくれ」

「うるさいなぁ、ジュンジュンのそういうとこ本当ムカつくんだけど。
…しょうがないから、貸してあげるよ」


憎まれ口を叩く小春に苦笑しながら、ジュンジュンはそっと小春の肩に手を置き集中を始めた。
2人を切り裂こうと蠢き鞭のようにしなりながら伸びてくる鎌状の腕を牽制するように、
小春はその両腕から電流を球状にして撃ち続ける。

622 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 22:04:45.87 0
藍の光と赤の光がリィリィと音を立て、絡み合いながら1つの大きなエネルギーを生み出していく。
敵を倒したい、その想いが互いに違う音色を奏でながら響きあい、強い力となって渦巻き。

その力の大きさに、ソレの中に再び恐怖が生まれた瞬間。
鮮やかに光り輝くエネルギーが光線状となって、ジュンジュンの手から放たれる。
避けることの出来ぬ速度で放たれた光線に。

―――ソレの体は一瞬にして霧散した。


ソレが消え去ったことを確認した小春は、慌ててジュンジュンから離れようとして、地面に蹲る。
怪我してることを忘れて動いてしまうくらい、自分には触れられたくないのかとジュンジュンは表情を歪めた。
気に食わなくても構わないとは言ったものの、こういう態度を取られるとさすがに堪える。

だが、小春は怪我をして歩けそうもない。
ソレを追って、彼女達の居城兼憩いの場である「喫茶リゾナント」から大分遠くまで来てしまった。
このまま小春の怪我を放置していたら大きな傷が残ってしまう。
小春のもう一つの顔は、アイドル歌手。
露出の高い服装で歌うこともある彼女の今後を考えれば、一刻も早くリゾナントへ戻り治療を受ける必要があった。

可愛くない奴。
だが、小春は間違いなく仲間なのだ。
ジュンジュンはフッと息を吐くと、己のもう一つの能力を解き放つ。
一瞬にして、ジュンジュンの姿は人1人を乗せて走れそうな巨大な狼へと変貌した。


「え、ジュンジュンってパンダにしかなれないんじゃなかったの?」

『久住、私の能力ハ獣化…戦イの時にハ戦いに適しタ獣にナり、
そウでなイ時にハ違う姿ヲ取ることモあル。
とっトと乗レ、早クその傷を治サないトお前の仕事に差し障ルだろウ?』

623 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 22:05:32.60 0
小春の問いかけに心の声で答えて、ジュンジュンは小春の側に寄って座り込む。
小春は一瞬躊躇った後、ジュンジュンの背中にまたがってその首元にしがみついた。
それを確認して、ジュンジュンは一気に走り出す。

人1人乗せているとは思えない速度で、ジュンジュンは夜の街を駆け抜けていく。
先程までの苦い気持ちは、触れた箇所から伝わってくる温もりに溶けて消えた。
微かだけれど、ありがとうと呟く小春の心の声に。

可愛くない奴だけど、可愛いのかもしれないと矛盾したことを思いながら。
今度小春にバナナを段ボール1箱くらいは奢ってもらおう、ジュンジュンはそう決意した。



一連の戦いを見ていた彼女は、とても興味深いものを見れたと言わんばかりに目を輝かせている。
どこからともなく取り出した、手のひらサイズのメモ帳に尋常じゃない速度でペンを走らせ。
今の戦いで得られた結果、考察を手早くまとめていく。


「狼にもなれるんだね、ジュンジュンは。
ライカンスロープみたいで格好いいなぁ、あ、そうだ。
獣化能力を持たせた、万能型の兵士を作るってのも面白いかも」


いいことを思いついたと言わんばかりに満足げな表情を見せて、彼女は白衣のポケットにメモ帳を落とし込む。
早くこの結果をまとめて、次の研究に活かさねば。
その輝く瞳に浮かぶのは、狂気なのか。
闇色の光が一瞬だけ強く光り、それが収まった時にはもう彼女の姿はどこにも見あたらない。


―――濃藍色の闇に浮かぶ禍々しく輝く紅い月だけが、全てを知っていた。

624 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 22:06:09.65 0
>>617-623
更新は以上になります
単発って難しいですね

625 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 22:09:12.43 0
ないやいさんお疲れ様です!
感想は後ほど書かせてください

リゾナンター連の投票スレはこちらです
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/vote/1217075386/l50

にぎやかし大歓迎です!

626 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 22:09:54.40 0
>>624
乙でした!
・・・でもグロものは苦手なので読めないorz

>>614
了解しました!
花火ラシ用に取ってたコードをそっちに回しますw

>>615
にぎやかしで桶かと

627 :サボリンちゃんヽ( ゚∀。)ノ:2008/07/26(土) 22:16:18.90 0
ないやいさん乙でした
サボリンはここのまとめの人として人生初めて投票してきましたよ
ちゃんと出来てるのか甚だ不安ですが

628 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 22:47:15.52 0
>>624
ジュンジュンと小春・・・
意外といいコンビですね

629 :613:2008/07/26(土) 23:18:06.89 0
>>614
選対さんかな?呼びかけありがとうございました
結局負けちゃいましたけど最後にラシできて楽しかったです

さて自分も小説執筆に戻ります…

630 :615:2008/07/26(土) 23:52:59.53 0
>>614
にぎやかしはしたよ

>>629
負けたのは残念だったね
ほとんどのラシに参加したので楽しかった…けど疲れた

631 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 00:08:26.41 0
トナメ選対です
残念ながら狼は破れ準優勝という結果に終わりましたが、ご協力本当に有難うございました
あの時、リゾナンターの青い光は確かに灯っていました

http://changi.2ch.net/test/read.cgi/vote/1217073453/185-186
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/vote/1217075386/87-88
それにしても魔の22時代に設定したのにラシが繋がってるんですが(しかも2箇所)
皆さんの共鳴力には驚かされます
突発ラシにも関わらずお付き合いいただいた方に感謝です

本当に有難うございました!!
そして以後何事もなかったかのように通常営業ドゾー

>>624
小春の素直じゃない物言いがかっこよくて可愛くて惚れます
そんな小春を包み込むかのようなジュンジュンの大人な部分が垣間見れて・・・
組み合わせの妙を見せて頂いた気がします
そしてそれを構成する文章力、流石です

632 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 00:41:21.60 0
ないやいさんの話はハズレ無しだぜホゼナント

633 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 00:42:42.86 0
じゃあ自分のはもしかしてハズレと思われているかもしれないって不安なホゼナント重ね

634 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 01:03:54.66 0
ホゼナント

635 :名無し募集中。。。 :2008/07/27(日) 01:23:20.14 0
http://www.vipper.org/vip882856.png

636 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 01:30:21.20 0
>>526-535を書いた者です。
みなさん温かなレスをありがとうございます。
以後、エロは自重します。本当に、すみませんでした。

またもや保全代わりに、もう一つお話を上げさせて頂きます。

>>526-535 ←この話のサイドストーリーです。

上に書き込ませていただいたお話は、リーダーとガキさんしか出てこないのですが、
他のメンバーはその間、何をやっていたのかと言うお話です。

それでは、上げさせて頂きます。

 *   *   *   *

 一方、その頃、東京では……

637 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 01:32:08.51 0
東京―AM0;46   喫茶リゾナントからほど近いオフィス街。

高層ビルの連なりに深く刻み込まれた、迷路のような路地裏通り。
餌を求めて、這い出てきたノラ猫が一匹、不意に足を止め、首をもたげた。
しかし、はるか上方のただならぬ気配に驚いたらしく、素早く身をひるがえしねぐらに戻ってしまう。
ひしめく高層ビル群。その中でも、ひときわ高くそびえ立つビルの屋上から、尋常ならざるエネルギーが発露されていた。

地上200メートル。強風に煽られながらも円陣を作り、天を睨みつける七名の能力者たち。

田中、道重、亀井、久住、光井、ジュンジュン、リンリン。
この七名が作る円陣の中央から、高密度の意識エネルギーが夜空の暗雲を突き刺し、天に向かって放たれていた。

それぞれが意識エネルギーを放出し、田中がそれを増幅する。
増幅したエネルギーを久住という媒体を通して、
はるか異国の海域で新垣里沙を探すため、瞬間移動を繰り返す高橋愛のもとへと送り続ける。

瞬間移動とは、あらゆる能力の中でも最も、身体に負担を強いる能力である。
イメージの出来ない場所への、長距離に及ぶ瞬間移動は、自殺行為と言って過言ではない。
高橋は日本を出てから丸2日間、休む事無く瞬間移動を繰り返し、今は太平洋を越え、バミューダ海域をさまよっている。

638 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 01:33:30.58 0
今は、メンバー達が昼夜を徹し、途絶える事無く送り続ける意識エネルギーが、高橋愛の命綱となっているのである。

しかし、意識エネルギーを放出すると言う事は、自らの命を削る事と等しい。
“命がけ”はメンバーも高橋も一緒であった。
丸2日、飲まず食わずで転送し続けたメンバー達は、すでに限界を迎えていた。

最初に円陣から離脱したのは、亀井絵里だった。病に冒された心臓が悲鳴を上げていた。
鼻血が止まらず、血圧が急激に低下し昏倒した。
道重さゆみが、側に駆け寄って治癒を施そうとするが、ままならず、亀井に覆いかぶさるようにして動かなくなる。

それから直ぐ、光井が倒れ、リンリンがそれに続き、
リンリンを支えようとしたジュンジュン、田中れいなまでもが巻き込まれて膝を突いた。

これ以上続けるのは危険だと判断した久住が、一旦エネルギー転送を止めその場に座り込んだ。

強風、吹きすさぶ高層ビルの屋上。 七名はただ夜空を見上げ、物も言わずに倒れこんでいた。

639 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 01:34:53.48 0
暫しの沈黙の後、田中れいながポツリと言った。

「小春……今、愛ちゃんが居る場所を念写してくれんね?」

小春からの返答は無かったが、ビルをライトアップしていた照明が見えなくなり始めたので、
田中はもう、念写が始まっている事に気付く。

仰向けに倒れて、夜空を見上げていた田中の視界がジワジワと変化し、やがて闇夜の海へと映像を変える。

俯瞰から映し出されたその映像。月も無く、底なしの闇を広げる海。
島影など何処にも見えず、ただ果てしない水平線が続くばかり。
おそらく、その最中(さなか)に漂えば、方角など瞬時に見失うであろう。

俯瞰の画が、徐々に一つの対象に近づくと、漆黒の海に漂う人影を捉える。
蒼白の顔、濡れた髪、白い息を漏らした、高橋愛が荒波に揉まれていた。
常人なら、ものの数分で気が触れてしまいそうな夜の大海に浮かび、
次に飛べる(瞬間移動)その時まで、ひたすら漂い、力が戻るのを待つ。

久住によって夜空に念写されたその光景を、みんな黙って見ていた。

640 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 01:36:06.49 0
すると、仰向けに寝ていた田中れいなが、ごろりと身を返し、腹這いになった。
ゴソゴソとスカジャンの擦れる音を聞き、皆が田中の方を見る。

【これより先はこのBGMと共にお読み下さい】
http://jp.youtube.com/watch?v=EgMWD9RpbxA

田中は拳をコンクリートに突きたて、わななく手で身体を支え立ち上がった。

「れいな!」
「田中さん!」
田中の身を案じた、道重と光井から声が上がった。

「あげん……あげん、なんも無か暗闇で、愛ちゃん寂しいちゃろね」
田中は震える足を自分で何度も叩き、気合を入れながら夜空を見上げる。

「れいな!これ以上は危険よ」道重が制する。

田中は、なけ無しの意識エネルギーを天に向かって放ち始める。
「れいなも、同じやった。暗いトンネルの底を這いつくばって生きよったんよ。」

「……………………」

「愛ちゃんは、出来そこないの不良のあたしに、光と居場所をくれた。」

田中は、天を睨みつけ叫ぶ。
「今度は、れいなが愛ちゃんの光になる。こんエネルギー、途切れさす訳にはいかないちゃ!不良娘の意地にかけても」

  ざわめくは、七つの心。

田中の声が、涙で詰まる。「…………見てみい。あげん弱りよう愛ちゃん……見たこと無かよ」

641 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 01:37:21.92 0
コンクリートの上でもがき、のたうつ音がする。

振り向けば、奮い立つ心に任せて、立ち上がる光井愛佳がいた。

「愛佳……」道重は込み上げる思いで呟いた。

「高橋さーん!聞こえますか?うちの力、届いてますか?」
力いっぱいに、叫ぶ光井。その叫びは、自分自身を奮い立たせるため。

「覚えてますかー?初めて駅で会った日のことを!
 うちはホームの端っこで自分の命を揺らしていた……
 そんなうちに、高橋さんは生きろって、明日を変えろって言うてくれはりましたよね!」

―――『!!!!』―――――光井の体が不意に弾けて、ビクンッとぶれた。
              瞬刻のひらめきを得て、目を閉じたまま微笑む。――未来視(ビジョン)が視えたのだ。

「この声が!この声が、もし聞こえてるなら……高橋さん、次に飛ぶ時は、今向いている方角とは逆に飛んで下さい!
 間もなく、夜が明けます。朝日の方角に飛んで下さい!新垣さんに出会えるはず!」


642 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 01:38:36.14 0
「視えたんだね!ミッツィー!」小春が喜んで立ち上がる。

「グゥオウォォォー!!」共鳴する魂がざわめき、一瞬の獣化を見せたジュンジュンが咆哮と共に立ち上がる。

「アイヤ――!!」リンリンも後に続き、道重もそれに続いた。

亀井がフラフラと立ち上がろうとしているのに、道重が気付いて声を上げる。「絵里!……」
が、亀井は黙って首を振り、血溜まりに足を取られながらも立ち上がった。

みんなの、心配そうに見つめる視線に気付いて、亀井が天を指差して言った。

「ダークネスのボケナス共!もうすぐ、勇気の塊みたいな人がそっちに行くからね!ガキさんに指一本、触れんじゃないよ!」

その言葉を受けてニカッと笑った田中が、大きく息を吸い、天を睨みつけると、亀井を真似て言った。

「よう聞きぃ!ダークネスのボンクラ共!今から、お前らの秘密基地ば、最強の能力者が乗り込むけん、覚悟決めて待っとき!」

「ワァ――――――――――ッ!!!」「アァ――――――――――――ッ!!!」

東京の夜空に、娘たちの咆哮が響き渡った。

この共鳴、鳴り止ます訳にはいかない。絶対に。

643 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 01:41:08.55 0
これで終わりです
失礼致しました

>>637-642





644 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 01:45:42.11 0
そうですよね!
愛ちゃんだけの力じゃなかったんですよねやっぱり
れいなの叫びからみっつぃーのビジョン・・・そしてカメの台詞までのくだりには鳥肌が立ちました

645 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 01:47:56.72 0
再び>>526-535を書いた者です
リゾナントさせてもらった方々にお礼を言うのを忘れてしまいました。

[Niigaki](06)231 『里沙、孤島に囚われ(前編)』の作者様にはもちろんの事

[Michishige](06)258 『メメントモリは姉との約束』の作者様

[Takahashi](06)038 名無し募集中。。。 の作者様

あと無意識にリゾナントさせてもらった方々、ありがとうございました。

646 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 01:51:20.42 0
あかん・・涙で字がぼやけてきたよ(T_T)

647 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 02:06:49.65 0
>>645
こちらこそありがとうございました
「電気ウナギ女」の最期はどちらがより悲劇的ですかねw

ガキさんを取り戻すために単身乗り込んだ高橋愛・・・でも一人じゃなかったんですね
光を与えてくれた愛のため今度は全員で愛の光に・・・胸にきました

648 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 02:47:50.26 0
おやすみの保全

649 :名無し募集中。。。 :2008/07/27(日) 04:18:19.24 0
朝だよ保全

650 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 04:18:21.14 0
>>645
暑いからかな、目に汗が
エロ含みの前作は、色んな要素がつまっていて楽しませてくれたけど、
テーマを絞った今作は、光の矢のように私の心を貫いたよ、本当に

651 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 04:32:46.13 0
トーナメントでパンダがよく出てくるけどあれって狼だったんだな
ジュンジュンがいっぱ貼られててビックリしたw

652 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 05:48:57.85 0
ホゼナント

653 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 07:44:52.72 0
今日も暑いぞ、ホゼナント

654 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 08:49:41.51 0
雷がなって真っ暗です
誰か小春を怒らせましたか?

655 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 09:25:11.71 0
第9章、投下します
元々8〜9章は一続きだったのでじれるのも無理はないかも
そして今回短い

1.>>242-244
2.>>250-253
3.>>317-320
4.>>372-375
5.>>492-495
6.>>509-513
7.>>552-555
8.>>600-603


 ―――被監視対象者、逃走の模様―――


離れていても、絆はそこに。

656 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 09:25:50.89 0
9.

「…ガキさん、泣かないで」

あさ美は、里沙の頬を伝うしずくを拭った。
そして里沙を腕の中に抱き込み、頭を撫でる。

「…確かに、私はダークネスに魂を売り飛ばしてしまった…、でも」

小さく息を吸い込み、目を閉じた。

「私がダークネスにいることで、みんなを助けることもできるはずだから」
「…助ける…?」

あさ美が小さく笑ったのが、里沙の身体に伝わる。

「今日みたいに、ね?
 愛ちゃんを救うこともできるし、ガキさんをあっちに戻すことだってできる」

あさ美は里沙を抱きしめたまま、器用に白衣のポケットから小さな箱を取り出した。
それは先ほど愛に使ったものとまったく同じ機械箱。

「…二個くらい作っておけば十分足りるかなと思ってたんだけどね。
 まさか一日で両方とも使っちゃうなんて、全然想像してなかったんだけど」

身体を離すと里沙の手にそれを持たせて、両手で包む。

「『非常脱出用』としてダークネスに指示されて作ったんだけど。
 まだ設計図もデータもあるし、作ろうと思えば作れるし」
「…ありがとう、こんこん…」
「さ、早くしないと。
 構成員たちに見つかる前に、それ使って、逃げて」

657 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 09:26:29.43 0
あさ美は笑っているのに、その笑顔を見ると里沙の涙は止まらなかった。
今ここにはいない麻琴も含めて、四人でもう一度一緒に過ごしたかった。
その心にまだ光が宿っているのであれば、なおさらだった。

「…ガキさん、愛ちゃんとの約束、ちゃんと果たすんだよ?」

あさ美は笑いながら、里沙の胸元に着けられたダークネスのバッジを外して投げ捨てた。
そして自分の右手の小指を、里沙の目の前に差し出した。

「私も、約束するから。
 必ず、ガキさんと愛ちゃん…、そしてリゾナンターの力になれるよう、協力する」

里沙はゆっくりと自分の手を伸ばし、その小指に絡める。

「…またね」

里沙は空いた左手で顔を覆う。
あさ美は、そんな里沙の代わりに機械箱のスイッチを押す。
里沙の身体が徐々に光に包まれ、光の粒となって溶け出し始めた。

「必ず…!」

全てが消えゆく直前、里沙はあさ美の顔を見て叫んだ。

「次会えるときは…、きっときっと、笑顔で…!」

あさ美の小指と結ばれた里沙の小指を最後に、里沙は光の中へと消えていった。
それを見届けると、あさ美はその場にぺたりと座り込んだ。

658 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 09:27:34.16 0
「…幹部失格だなぁ…、マルシェちゃんも…」

ひとり呟くと、白衣の袖を目に押し当てた。

あさ美が愛を闇から解放した理由は、献体としての価値という理由も間違いではなかった。
科学者として、愛の持つ能力が魅力的であることには違いなかった。
それでも、里沙が必死で訴えかける姿に、忘れていた想いが呼び起こされた。
愛を助けたいと。愛にもう一度、会いたいと。そして、光を取り戻したいと。

監視下に置かれている里沙の逃走の手助けなど、幹部である自分が許されるはずもない。
けれど、まだ自分の中にこんな想いが残っていることに気づかせてくれた里沙。
彼女なら、彼女たちなら、きっと何かを変えてくれるはず。
あさ美はそう信じることにした。だから、後悔はしていない。


「…さて、どうやって言い訳しようかなぁ…」

瞬間移動装置の喪失。あさ美は、嘘をついていた。
この装置を再生させることは、実はもうできなかった。

愛がまだi914という名でダークネスの献体だったときに採取されたサンプル。
そのサンプルを精製し改良を加えて、瞬間移動を可能にする光の粒を作り出した。
それが、あの機械箱。
だが、膨大にあったはずのサンプルをもってしても、作れた箱はたった二つだけだった。
サンプルを再生することも同じだけのモノを作り出すことも、完全に不可能だった。


あさ美は苦笑いを浮かべながら、里沙の部屋を後にした。
目の前を通った構成員に、さも今気づいたかのように告げる。

「被監視対象者、逃走の模様―――」


659 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 09:28:18.39 0
>>656-658
次回、最終章です
今晩0時にでも上げたいと思います

660 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 10:24:38.49 0
>>659
おつかれいな
夜ですかwktk

661 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 10:58:28.38 0
>>643
読んでいて勇気が湧いてきました
亀の台詞で震えました
BGMがいいね
>>659
今晩0時
wktk

662 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 12:00:01.42 0
喫茶ホゼナント

663 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 13:05:49.31 O
暑い…喫茶リゾナントで涼みたい…

664 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 13:41:56.59 0
>>637-642
今読みました
裏では全員で戦っていたんですね・・・
前作も改めて読み直すとまた違う気持ちがこみ上げてきます
小春が他のリゾナンターより強めに設定されているところが自分の小春像と重なりました
保全代わりと仰られてますが個人的には大好きな作品かもです

>>656-658
長く焦らされてきました・・・
最終章期待して待ってます楽しみです

665 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 14:51:26.87 O
携帯からホゼナント

666 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 14:51:27.58 O
ホゼナント

667 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 15:02:19.46 0
>>637-642
ザ戦隊物って感じですかね
なんだろうこの涙は
悲しくないのに涙が出ました
このスレの共鳴も鳴り止ませてはいけませんね
二、三日中に一本投下出来たらと思ってます

>>656-658
クライマックス来る――――――

668 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 15:44:04.36 0
[Ai-Rena](08)505 『覆る偶然と繋がりゆく必然』
この話の続きです。長いので前半9レスを投下させて頂きます。


*  *  *  * 

 警察です お前 おかーさんなんか嫌い れいな 即死で 行って来る もう
 怖い目 亡くなりました れいな 初めまして 一人でいなさい ガードレールに
 田中さんの家ですか どうして外に出る 要らない れいな 軽い女 高橋愛です
 さゆ 絵里はね いつかきっと もうお前は要らない ずっとすっと…仲間


      …何かあったら        …近付くな…


「っ……っはっ…は…。ゆ、夢…」

時々見る、その夢。今までの様々な記憶のピースが再生されて、れいなに襲い掛かる
良い思い出も、悪い思い出も組み込まれた自分という名の大きなパズル

そして、最後に再生される映像は、見に覚えのない物体
黒い、丸いものがくるくると回る…
やがて回転は早まり、れいなに2つの言葉が投げかけられる

「何かあったら…」「…近付くな」

何か意味がある言葉なのか、まったくわからない。
幼い頃から、この順序は変わらず、聞こえてくる言葉も変わらない


669 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 15:45:10.16 0

水を求めにきたキッチンを照らす、宵の月。
夜が黒ではないと自分に教えたのは、自分のパズルに組み込まれた、あの同居人。
彼女によれば、夜は気高い、青らしい。
れいなと同じやでなんて、そんな言葉、言わないで欲しい。本当に照れる。

夢の形が変わったとすれば、最近は良いピースばかりが増えているという事。
無理矢理に見せられたそれではなく、自ら脳内で再生する。

仲間の顔…お客さんの顔…
何度も繰り返すうち、震えもおさまってきた
以前のように、やみくもに振るった拳で打ち消すこともなくなった。

でも、二つだけ…最近のものなのに、黒いピースが混じる
一つ目は、あの科学者の言葉…
「れいなの力があれば、異能力を消せるかもしれない」

震えの止まった両の手で、頭を抱える。
ペットボトルから零れた水が、月の光に照らされる。

自分には特別な力がない。それは、リゾナントに来て以来のコンプレックスだった。
必死に鍛えても、共鳴増幅があるなどと言われても、真の意味で、皆の役に立っているのか、不安でならなかった。
最初は羨ましさからくる感情だった。
でも、すこしずつ彼女たちと接するうちにわかった。苦しみが、孤独が。
自分の過去が、皆と比べて幸せだったとか、そんなことは思わない。


670 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 15:45:51.89 0

彼女たちが、自分を孤独から救ってくれたから。
彼女たちを危険とみなす、世の全てが許せなかった。

外のせいにしていた。周りが変わらないから、彼女たちが苦しむと。
でもその環境は変わった。自分の番になった。
自分が何かを捧げれば、彼女たちの苦しみが取り去られるのかもしれない…

愛ちゃんは、それを必死で止めた。
でもどうだろう…この世界に苦しむ全ての能力者を解放できるなら、
ただ、大切、仲間という理由で自分を縛る愛ちゃんが間違っているのかもしれない
恐ろしい考えだと思う。でも、自分が犠牲になれば…愛ちゃんも…みんなも…


首にかけた、ロケットを取り出す。

もう一つの黒いピース…それは、復讐
最近の出動。どうしても、そのことを意識してしまう。
ダークネスが、親の敵。そう思うと、身体は強張った。
それは、自分が今までの攻撃の手さえ、戸惑いを帯びたものに変えた。
自分がどこか、復讐の為に攻撃をしているのではないか、という不安。
そして心のどこかに本当にある、まだ見ぬ復讐心。

この攻撃で何かが変わってしまうのではないか。

その気持ちが、動きを鈍らせた。
もう、どうすれば良いのだろう。この感情を抱えたまま。


671 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 15:46:31.35 0

ふと、ポケットの震えに気付く。メールだ。誰、こんな夜更けに?


「絵里やん…」
ありえない話ではない。普段よく、この時間彼女の病院にお邪魔する。
今日はその日ではなかった。そしてこんな風にメールが届いたこともなかった。
少しおかしいな、と思ったその気持ちも文面を見た瞬間にすべて消えうせた。



 話したいことがあるの。
 れいなの、家族のことで…

 病院の屋上で、待ってます。




672 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 15:48:24.98 0
「れーな!!」
少し悪い手を使ってたどり着いたその場所。
絵里の背中に広がる、濁った星空。

彼女は何かを握り締めながら自分の下に走り寄った
聞かなければならない。一体何の話があるのか。

「ジュンジュンから、いつ聞いたの!?」
それにも拘らず、先に質問を投げたのは、絵里だった。

「ジュンジュン…って何のこと?れーなは、絵里に呼ばれ…て」
うそ。あたし、れーなに呼ばれて来たんだけど?
悪い冗談かと思った。でも違う。絵里が差し出す液晶画面に浮かぶ、れいなからのメール。

 ジュンジュンから聞いた。あの写真のことで聞きたいことがある。
 ごめんやけど、屋上まで出てきてくれん?

要約すると、こう。つらつらと長い…悔しいけど、まるでれなのメール。
誰がこんなことを?一体…なぜ?

「れーなじゃないなら、一体だれがこんなことー?」
「わからん。けど、絵里ここはヤバイ。早く出…」
言い切る前に、地面が黒く染まる。ヤバイ。もっと早く気付くべきだった。
絵里がこんな風に呼びつけるわけなんかないのに…

「な、なにこれ、ね、眠い…」
いつも比較的とろんとした絵里の目が、完全に眠気を帯びる。
膝から崩れ落ち、地面に倒れかけるのをすんでのところで抱きとめる。
黒き光は、屋上をすっぽりと覆った。
おそらく空から見れば、大きな立方体になっているのだろう。もっとも、見える目があれば、の話だ。


673 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 15:49:35.51 0

―声が、しない―

この黒い壁には共鳴の断絶の効果でもあるのか。外からの援軍は期待してはいけないようだ。
絵里を見る。決して危ない状態などではない。
むしろただ単に睡眠を欲しているように見えた


「やっほーれーな」


背後から声がして、慌てて振り返ると給水塔に腰掛ける、DR.マルシェ。
今一番逢いたくなくて、一番逢いたいその科学者だった。

「これは、何?」
自分でも敵意に迷いが含まれ、歪な波となっていることを感じていた。
それを受け取ったDR.マルシェはもっとそれを感じたことだろう。
楽しげに、口角を上げる

「新商品。グラヴィティーカーテン」
英和辞書って便利だよね、なんてクスクス笑う。
いけん、相手のペースに乗っちゃ。
左の手に握られた、スイッチをその親指が撫でる。

これは、勝負だ。次にその指が離れた時を見計らって、払う。
そう、発動が早いか、れなの攻撃が早いか。


674 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 15:50:12.32 0

「絵里まで使ってれーな呼び出すなんて、どーいうつもり?」
「やー、絵里には逢えてなかったしね。福音は平等に告げられるべきだよ」
「ふくいん?」
「ああ、それはね…」

彼女のその癖。説明する時は、手をパタパタする。
今しかない、そう思った。最後の言葉は移動中に聞いた。
罠かもしれない。でも何もせず、手を拱くわけにはいかない。

しかし、れいなの狙いのそのスイッチも、DR.マルシェ自身も立ち消える。
そんな、まさか、ホログラム?
勢いあまったれいなは給水塔にしたたかに体をぶつけた。

 誰が、まだ、使ってないっていったの?
 
直接脳内に届く、声

 楽しかったよ。今日はここまで。
 もし逢いたいなら、今度はれいなから、来て。

黒い天井がゆっくりと、下がり始める。それと共に、暗くなるボックス内。
天井で、押しつぶすための、装置? 

「っ…ぐあっ」

天井がれいな自身に到達するよりも先に、体が圧力に悲鳴を上げた

  グラヴィティってね、重力って意味なの


675 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 15:51:02.18 0

満遍なくかけられる重力に体が、立っていられない。

「ああっ…」

そうだ、絵里。絵里にはマズイ。
なんとか降りようとしても体はいう事を聞かず、どさりと地面に落ちる結果となった
それでも良い。なんとかして絵里に、絵里に近付かんと…

迫る天井に、増す圧力。這い蹲って絵里を目指すれいなに再び声が聞こえる

 れいなが行って、何ができるの?

血の気が引いていく思いがした。
そう、れいな自身がいくら足掻いても、絵里のところについても、
れいなには何も出来ない。れいなには何の力もない。
改めてつきつけられる、その事実。

心底憎む。よりにもよって、最も圧力に弱い絵里を選んだ彼女を。
どれだけ頑張っても、何もできない、れいな自身を。

努力では、埋められない何かが必要な、今この状況。
認めるくらいなら死んだほうがマシ。そのプライドも絵里の前では簡単に霞む。

…ただ、自分が、自分がおとなしくついて行けば良い。


676 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 15:51:32.20 0


「…れいな、行くけん。もう、…やめて」



ごめん絵里、ごめん、みんな。
持たない自分が、持つみんなを苦しめた。


人の価値なんて自分が決めるものやと思ってた。


真っ暗闇の中で、溶けていく感情。
認めてしまえばとても楽になった気がした


 
れいなは、役立たず って。





677 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 15:53:04.86 0
以上、前半>>668-676です
後半はまたいつか…


678 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 16:51:09.47 O
うおおおぉぉ…
気になる_| ̄|○

679 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 17:53:56.46 O
乙です
帰ったら読みます

680 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 18:10:17.87 0
重力操作(グラヴィティ・コントロール)の能力は思いついていたのですがなるほどこういう使い方が・・・

相変わらずの描写力で描かれるある種美しい風景と哀しいれいなの心にため息の連続でした
絵里を利用するマルシェの残酷で・・・見事な戦略に胸が痛みました
同時にこの場面を活かすための過去作品の効果を改めて感じました
また後半に会える・・・後半に会えるその日を心待ちに致しております

681 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 19:01:11.68 0
>>677
後半!待ってますよ

682 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 19:54:00.83 0
ホゼナン

683 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 20:51:10.36 O
ほぜ

684 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 20:51:15.03 0
トーッ!!

685 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 21:01:25.44 0
5秒差wすごいシンクロ

686 :サボリンちゃんヽ( ゚∀。)ノ:2008/07/27(日) 21:03:29.51 0
こうなったらこのスレサボり倒そうかなって密かに思ってる
そして地獄絵図の第13話(サボリン限定

687 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 21:39:14.28 0
アムちんはチキンレースする気か
でもそこに建国しても・・・

688 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 21:39:59.32 0
スマン、盛大に誤爆した
粛清されてくる

689 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 21:44:21.39 0
http://toromoni.mine.nu/haroga/files/data/hellogirls13084.jpg

検体番号>>688
・・・使えませんねえこれは
捨てておいてください

690 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 22:18:39.34 0
rizo

691 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 22:53:21.58 0
よし今日は書くぞ!と独り言ホゼナント

692 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 23:03:58.34 0
本当に?
待ってたよ!その言葉!

693 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 23:44:20.16 0
もうすぐ0時

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