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リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第12話

1 :名無し募集中。。。:2008/07/19(土) 16:42:15.91 0
<一体、何処に行くって言うんだ
   _, ,_
川*’ー’)<<胸の高鳴る方へ

前スレ
リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第11話
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1215432711/

まとめサイト
 PC:http://resonant.pockydiary.net/index.html
携帯:http://resonant.pockydiary.net/index.cgi

掲示板 (感想スレ、作品題名申請スレ、あとがきスレ他)
http://jbbs.livedoor.jp/music/22534/

テンプレ>>2-16ぐらいまで

546 :名無し募集中。。。:2008/07/25(金) 23:42:29.60 0
ho

547 :名無し募集中。。。:2008/07/25(金) 23:55:22.92 0
ze

548 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 00:21:34.54 0
nan

549 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 00:44:01.94 0
tooo!

550 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 00:53:35.51 0
>>546-549
ナイスチームワーク!
…これ同じ人だったらどないしよ、のホゼナントw

551 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 01:05:29.68 0
第7章、投下します
スレ内に収まるようにペースアップ
週末だし

1.>>242-244
2.>>250-253
3.>>317-320
4.>>372-375
5.>>492-495
6.>>509-513


 ―――でも、リゾナントへと戻らなくてはならない。


圧倒的不利な心理戦。

552 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 01:06:20.55 0
7.

「…おかえり」

里沙が目を覚ますとそこはあさ美の研究室ではなく、自室のベッドの上だった。
機械の力を使ったとはいえ、非日常的な空間移動を二度も行ったせいで、
里沙の身体には目に見えぬ形でのダメージが残っていた。

ぼんやりとした頭で声のした方に顔を向けると、
そこには白衣をまとったままのあさ美がいた。

…ここは自分の部屋なのに、なぜ?

里沙は動かぬ頭を整理しようと何かを考え始めたが、
すぐにあの光の中の約束を思い出し、布団をはね除けて飛び起きた。
あさ美はそんな里沙の姿を見て、やれやれと首を横に振る。

「…まだ寝てないと、ずいぶん消耗してたんだよ?」
「あたしは、ここを出て行く」
「研究室に戻されたガキさんをここに連れてきてあげて、
 幹部の定時観察に間に合わせてあげたの、私だよ?」
「…あたしは、ここにいるべきじゃない。
 もっといるべき場所を見つけたの」
「そもそもいろんな道具だって渡してあげたのに、ガキさん全然お礼も―――」
「聞いてんの!?」

「聞いてるよ」

無表情のままに淡々と事実を並べていくあさ美。
交わした約束のために、己の意思をぶつける里沙。
一方的な言葉のぶつけ合いは平行線をたどるばかりだったが、より冷静だったのは、やはりあさ美の方だった。

553 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 01:07:10.47 0
里沙はぐっと言葉を飲み込んだ。
確かにあの時あさ美が手渡してくれた物がなかったとしたら、
愛を助け出すことも、愛と再会することすらできなかっただろう。

「…こんこんのおかげで愛ちゃんに会えたし、愛ちゃんを助けられた。
 …ありがとう。ホントに感謝してる。でも…」
「ガキさん、ちょっと落ち着いたら?」
「あたしには、大事な約束がある、だから…」
「この部屋から、そしてダークネスから逃げる、と」
「もう、自分の気持ちに、嘘はつけないんだよ」

ポケットの中に手を伸ばす。
このお守りを返すためにも、このままでいるわけにはいかない。
そうと決めたら、一刻も早く。

だが、里沙は内心焦っていた。
目の前にいるあさ美が、あまりにも冷徹な視線を自分に向けていることに。

愛の危機を知らせてくれたのは、他でもないこのあさ美だった。
あさ美が教えてくれなければ、そしてあの装置や錠剤が渡されなかったら。

きっとどこかで、あさ美はダークネスに戻された里沙の本心を見抜いているのだと思っていた。
だから、愛を助けるために協力してくれたのだと。

ダークネスの有力幹部でありながら、同期の絆を重んじてくれた。
そう思っていたから、この瞬間もあさ美は里沙の考えを後押ししてくれると思っていたのに。

「愛ちゃんを逃したのはあたしの実験のため。
 そうだったとしたら、どうする?」
「…!!!!」

その希望が、あさ美の言葉で打ち砕かれた。

554 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 01:07:55.54 0
「こっちの支配下に置いといて得るデータなんかより、
 実際にリゾナンターとして動いてるときのデータの方がよっぽど効果的だもん。
 所詮、あのままにしておいたら使い物にならないデータしか出ないしね」

あさ美は、あくまで静かに言い放った。
ダークネス最高の科学者。里沙が頭脳戦ではとうてい太刀打ちできるはずもない。
もし…本当に、あさ美の言うとおりに全てが計算の上で行われていたのだとしたら。

すーっと血の気が引くのを感じ、里沙はよろめくように一歩下がった。
先ほどまで寝ていたベッドに身体がぶつかり、改めてここには逃げ場がないことを思い知らされる。

一歩一歩近づくあさ美に対して、里沙はじり、じりと横に移動する。
あてがわれているこの自室も、そう広い部屋ではない。
飛びかかろうと思えば一瞬。飛びかかられれば一瞬。
軟禁されている身分だから、部屋には簡素な物しか置いていない。

対して、あさ美はどうだろう。
あの白衣の中に、何を隠し持っていたとしてもおかしくはない。

里沙は、圧倒的に不利だった。

「…全部が、罠だった、ってこと?」
「そういうことになるかな」

あさ美は不敵な笑みを浮かべながら答える。

里沙の視界に部屋の扉が映る。だが、脱出できるような状況ではない。
自分と扉との線上には、あさ美がいる。
おそらくはこの状態を作り出しているのも、あさ美の計算の上なのだろう。

555 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 01:09:41.69 0
「どうやってここを出るつもり?」

里沙の視線が不安げに部屋の中を彷徨っていたことを、あさ美は見逃さなかった。
相手に弱みを見せたらその時点で終わり。
そう言い聞かせていたのに、いとも簡単に指摘されるなんて。

「…こんこんを倒してでも行くよ」

里沙は、精一杯虚勢を張った。
マインドコントロールをかけてどうにかなる相手でもないことはわかっている。
里沙の力ではあさ美には通用しないだろう。
それでも何万分の一の確率でも可能性があるのならば、それに賭けるしかない。
だが、里沙の望みはあさ美の言葉でことごとく壊されていく。

「…ガキさん、甘いなぁ」

あさ美は里沙の退路を断つように距離を詰める。
里沙はその拍子に、床にぺたりと尻もちをついた。

「…私がガキさんにここで倒されたとしよう。
 でも、この部屋の外はダークネスの構成員ばっかりだよ?
 忘れたの? ガキさんは、軟禁の身。
 この施設から逃げ出すためには、何百人もの相手を倒さなくちゃいけない」

忘れていたわけではない。何もかも、頭には入ってはいる。
でも、リゾナントへと戻らなくてはならない。
仲間のためにも、正体を知ってなお信じてくれた愛のためにも。

二人の距離はもう、手を伸ばせば触れるくらいにまで迫っていた。
里沙は動けない。それでも、あさ美の目を見据え続けた。
待っているのは、反逆者としての拷問か、それとも凄惨な死に様か。
あさ美は小さなカプセルを取り出すと、里沙の顎をつかんで上を向かせた―――。

556 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 01:10:04.44 0
>>552-555

557 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 01:11:27.75 0
>>556
これからどうなるの!
すっごい気になるところで終わってしまって悶々しています
続き楽しみにしてます

558 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 01:14:56.68 0
>>556
おつかれさまです
ガキさんはこういう攻められ方は苦手だろうねw

559 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 01:37:40.64 0
天才が天才たる所以は演算能力のみに非ず。
ドクターマルシェを最高の科学者たらしめているのは、
閃きや発想力を司る右脳の働きが人並み外れて優れている点にある。
この能力が偏食、特殊な嗜好を招いたとか招かないとか。

560 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 01:40:30.12 0
>>556
乙です
黒い紺野さんもまた魅力的w
続き待ってるから

561 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 01:40:48.01 0
ゾクゾクします色んな意味でw
続きが気になります色んな意味でw

562 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 02:16:50.81 0
ホゼナ

563 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 02:35:06.45 0

  みんな狼に投票しようね

564 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 03:48:21.35 0
[Ai-Eri](09)900 にリゾナントさせて頂きました
テスト1日目が終了したので勢いで書いちゃいましたw
全て書けていますが長いのでとりあえず前半部分のみです

565 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 03:48:29.97 O
真夜中のホゼナンター

566 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 03:48:43.22 0
「愛ちゃーん、迎えに来ましたよー!」
「おー絵里!おはよぉー」
「おはようございます!」

リゾナントのドアを開けると、カランカランと鐘が鳴る。
絵里を安心させてくれる音だ。

「じゃあれいな、行ってくるね」
「愛ちゃんがおらん間は任せてくれたらいいけん、ゆっくり行ってきて」
「うん、ありがとう」

なんだかれーなも立派になったなぁ・・・。
愛ちゃんも、すっかりれーなを頼りにしてるみたいだし。
そうそう。そうやって頼ってくれたらいいんです。
いつも一人で考えて、勝手な答えばっかり出しちゃうんだから。

「あれー?亀井さん振られたんじゃなかったんですかー?」

その甲高い声のする方へと視線を向けると、
テーブルでみっつぃーと向かい合って座る小春が居た。

「だから、あれは違うってぇー!」

愛ちゃんは慌ててるけど、絵里は何も言わない。
こんなに可愛い絵里が振られたっていうのは気に入らないけど
仲間にいじられる愛ちゃんを見るの好きなんだよね。
なんていうか・・・上手く説明できないんだけど。

愛ちゃんが小春のそばまで行って、いろいろ説明している。
愛ちゃん・・・その説明するの、一体何回目なの?

567 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 03:49:35.71 0
小春とみっつぃーがニヤニヤ笑いながら、愛ちゃんに大きく相づちを打っている。
もうそろそろ終わる、かな。

「もー、絵里行くよ!」
「はい!」

たーのしいなぁ、本当。
ついでにれーなもからかっておこう。

「れーな、しっかりやるんだよー?」
「ちょ、絵里に言われたくないとー!」
「へへ、行ってきまーす!」

あんなこと言わなくても、れーながしっかりやるのはわかってる。
自分のやりたいことをやってる時のれーなと誰かの為に頑張るれーなは凄いんだ。
リゾナントの店番をするれーなは、その凄いれーな二人分だからもっと凄いんだよ。

そんなことを思いながら、愛ちゃんと並んで歩く。
いつもは忙しくて滅多に外に出られない愛ちゃん。
いつもは忙しくて滅多に休めない愛ちゃん。
いつもは忙しくて滅多に遊べない愛ちゃん。
そんな愛ちゃんを、今日は絵里が独り占め。
自然と笑顔になるのも仕方がない話だ。

568 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 03:50:20.27 0
「楽しそうやね」
「楽しいに決まってるじゃないですかぁ」
「それは良かった」

二人で無駄に笑いながら、足取りは前へ前へ。
太陽の光がジリジリと暑いけど、足取りは前へ前へ。
楽しい時は、足取りだって軽くなっちゃうんだよ。

「今日は絵里に全部任せるよ?」
「任せて下さいよー!今日のプランはバッチリです」
「はは、リンリンがおる」
「お、バッチリデース!」

やっぱり今日の絵里はテンションが高い。
その後も調子に乗ってみんなのモノマネをしたら、愛ちゃんは手を叩いて爆笑してくれた。
愛ちゃんは、いつも笑ってくれるなぁ。
それで、絵里おもしろいねーなんて褒め言葉をくれる。
その度にガキさんに「ええええ」みたいな顔で見られるけど。
それで愛ちゃんの心を少しでも癒してあげられるなら、
何回でも絵里は愛ちゃんを笑わせてあげたいと思う。

「今日は、絵里がいつもお世話になってるお店に行きます」
「そっか。絵里はコンタクトやもんね」
「そうですよー」

そう。今日は愛ちゃんのコンタクトを作りに行くのだ。

569 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 03:51:16.75 0
「ここです!」
「おぉ・・・ってここ、私が眼鏡買ったとこなんやけど」
「えー!?」
「や、いや、なんか・・・ごめん」
「いや、いいんですけど・・・いいんですけどー・・・」

なんかちょっと、残念。
この辺で眼鏡屋さんって言ったらここしかないし、当たり前と言えば当たり前なんだけど。
むー・・・この展開は考えてなかった。

「でもホラ、コンタクト初心者なのは変わり無いし・・・」
「・・・」
「絵里がおらんかったらコンタクトを作ろうとも思わんかったと思うし・・・」
「・・・本当ですか?」
「お、おぅ」

それなら・・・まぁ、いいか。

「よし、じゃあ行きましょー!」
「おー!」

自動扉をくぐると、ひんやりとした空気が身体を包んだ。

「涼しーい」
「リゾナントもクーラーの設定温度下げた方がいいやろか」
「うーん。もうちょっと下げてもいいかもしれないですね」

ちょっとひんやりしてる方が、コーヒーもおいしくなるんじゃないかな。
愛ちゃんの煎れるコーヒーはいつでもおいしいけど。
まぁ、絵里は飲めないんだけどさ。

570 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 03:52:38.46 0
そういえば風の温度って調節できるのかな・・・。
ふと疑問に思い、自分の手の平を見つめた。

「絵里?」
「はい!?」

思った以上に考え込んでしまっていたかもしれない。
愛ちゃんが心配そうに絵里の顔を覗き込んだ。

「どーした?」
「いや・・・絵里が出す風も、温度調節できるかなーって」

愛ちゃんと絵里は、意味もなく眼鏡が並べられている棚の間をウロウロと見て回った。
この話が終わるまで、きっとこのままだ。

「あぁ、なるほどなぁ。・・・できるんじゃない?」
「え、本当ですか!」

そんなあっさり!

「ほら、ドライヤーだって、あったかい風と冷たい風出せるし」
「はぁ・・・」
「できそうな気がするけどなぁ」

ドライヤー・・・。
んー、まぁ・・・確かになぁ。
今度みっつぃーにでも相談してみようかな。
ドライヤーの中身ってどうなってるの?って。

571 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 03:53:25.91 0
「じゃ、ちょっと行ってくるわ」
「あ、はい!」

前にここで眼鏡を作ったみたいだし、そんなに時間はかからないだろう。
店員さんと話している愛ちゃんに外へ行くことを告げて、絵里は店を出た。

「あっついなぁー、もー・・・」

自動扉をくぐった瞬間に、全身にじんわりと汗が浮かび上がる。
この不快感だけは、何年立っても好きになれそうにない。

「よーし」

大きく息を吐き出して、絵里は風を作った。
後ろから押し寄せる風が心地良い。
これは何℃ぐらいなのかな・・・。
ぼんやりとそんなことを考えながら、冷たくするイメージをしてみた。
イメージは・・・冷蔵庫を開けた時の、あの快感・・・!

572 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 03:54:55.07 0



「はぁ・・・っ」

どれぐらいそうしていただろうか。
少しだけ冷たくなったような気がするけど、気のせいのような気もする。
ううう・・・難しい。

「絵里ー?」
「!・・・はーい!!」

駐車場の裏手に行っていた絵里は、愛ちゃんの声に慌てて駆け出した。

駆け出し・・・た?
あ、れ・・・。
一瞬世界がぐるんと回った。
立っていられなくて、思わず地面に手をつく。

「絵里っ!!」

愛ちゃんが駆け寄ってくるのがわかる。
なんだか頭がガンガンする。
ちょっと気持ち悪いし。

「絵里!大丈夫!?」
「うー・・・」

これは大丈夫じゃない、かも・・・。

そのまま絵里は意識を手放した。


573 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 03:57:26.78 0
>>566-572 前半以上です
一気に上げたいところですけど規制が怖いので・・・
続きは昼過ぎにでも更新したいと思います

574 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 06:24:40.15 0
どうなる?
期待して待ってます

575 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 07:28:12.70 0
風使い待ち

576 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 08:14:32.56 O
新作きてたら嬉しい朝

577 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 09:51:10.38 0
>>573

お昼が楽しみ

578 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 10:26:43.91 0


579 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 11:10:03.85 0
ほ〜ぜほ〜ぜほぜ ほぜなんと
ほぜんの ために やってきた

580 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 12:14:01.27 0
>>573さん待ちホゼナント
テスト期間中にもかかわらず執筆&投下乙であります!

581 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 13:14:13.93 O
暑いなぁ…

582 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 13:37:26.42 0
仕事がいやになるよね暑くて

583 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 13:43:24.69 0
>>582
仕事乙
夏ばてにはうええおええ丼が聞くから夜にでも食べるといいよ

584 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 13:45:36.00 0
お待たせしてすみません
あんな時間に寝たので寝坊しました・・・
では>>566-572の続きです

585 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 13:46:09.52 0
―――
――


なんだか冷たい空気に包まれている。
これは・・・絵里が出してる?
とても涼しくて冷蔵庫の中にいるみたい。
風さん、絵里に力を貸してくれるの?

『絵里の頑張りには負けたよ』

へへへ。
絵里、頑張ったでしょ。

『・・・絵里!』

ん?どうしたの?

『絵里!!』

だからどうしたのって。

『絵里!・・・絵里!』

もー・・・

「聞こえてるってば!!」

―ゴンッ

586 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 13:46:39.36 0
「いったたたたた」
「いってぇー・・・」

・・・あれ、愛ちゃん?

「聞こえとるなら、もっと早く起きろ!アホ!」
「え、え、え?」

絵里がキョロキョロしている間も、愛ちゃんは痛そうにおでこを押さえていた。
絵里のおでこも、まだじんじんと痛みが残っていたけど・・・なんとなく我慢。

「あれからずっと外におったやろ。軽い日射病や」
「え、絵里がですか?」
「絵里以外に誰がおるんよ・・・」

愛ちゃんはやれやれと言うようにため息をついた。
うわー・・・やってしまった。

「まぁ、なんともなくて良かったよ。帰れるか?」
「あ、はい・・・。大丈夫です。すみません・・・」
「今度またあんな無茶したら怒るで」
「はい・・・」

どうも絵里は軽い日射病で倒れてしまったらしい。
それで、愛ちゃんが眼鏡屋さんに頼んで休憩室で寝かせてもらっていたみたいだ。
眼鏡屋さんの店員さんにお礼を言って、再び太陽の下に出た。

587 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 13:47:21.01 0
「あんなに長い間、何しとったん?」
「ちょっと特訓を・・・」
「こんな暑い中で、休み無しにやることないのに」
「すいません」

愛ちゃんと並んで歩く。
行きと違って、足取りは重い。

「結局できたんか?」
「うーん・・・夢の中では出来てたんですけどねぇ」

起きてみると、やっぱり出来る感じがしない。
もうちょっと練習してみないと。

「夢の中でもしてたの!?」

愛ちゃんは目と口を大きく開いて、絵里の顔を見た。
なんだか照れくさくて、絵里は笑いながら頷いた。

「まぁ、練習熱心なんはいいことなんやけどな・・・」

愛ちゃんは困ったように呟いて、頭を掻いた。

「絵里が倒れてしまったら、私はどうしたらいいんよ」
「・・・え?」
「絵里が倒れたら、私が今日休んだ意味もなくなるやろ」
「はい」
「みんなが強くなるのも嬉しいけど、みんなが元気でおる方が私にとっては大事やから」

・・・!
愛ちゃんの言葉に絵里は胸を打たれた。

588 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 13:47:45.40 0
大事なことを忘れてしまっていたみたいだ。
愛ちゃんに無理しないでって言ってばかりで、自分のことなんて考えてなかった。

「だから、今度からは気をつけるんやで?」
「・・・はい!」

リーダーのくせに、みんなにいじられてばかりでどっか抜けてて訛ってて
いつも一人で無茶するけど・・・やっぱり絵里のリーダーは最高だ。
最後には、いつも絵里に大事なことを伝えてくれる。
仲間のことを、信じてくれる。

「愛ちゃん、おでこ大丈夫ですか?」
「あ、あー・・・忘れとったけど、絵里に言われたら痛くなってきた」
「え!ご、ごめんなさい!」
「へへ、嘘だよ」

ニシシって笑う愛ちゃんは、全然年上っぽくないし頼れるリーダーっぽくもないけど
それでも絵里よりしっかりしてて、みんなのリーダーなんだ。

「ただいまー!」
「おかえりー!」

リゾナントの扉を開けると、絵里の安心する音と安心する笑顔に包まれる。

「デート楽しかったですかー?」

すぐさま声をかけてくるのは、やはり小春だ。
もちろん、楽しか・・・

589 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 13:48:28.68 0
「絵里が日射病で倒れて散々やったわ」
「え、絵里倒れたん!?」

ちょ、え、愛ちゃん。・・・え、え。
れいなの心配そうな目が絵里を見るのがわかる。
愛ちゃんの方を見ると、楽しそうに笑っていた。
愛ちゃんのバカ〜〜!!

「なんや、二人ともおでこ赤くないですか?」

―ギクッ
みっつぃーが自分のおでこを触りながら言った。

「あれー?今度は頭突きでもされちゃったんですかぁー?」

小春がニヤッニヤと笑い出した。
くそぉぉぉぉ。

「絵里」
「はい!?」

小春のほっぺをちみぎってやろうと一歩踏み出した時、愛ちゃんに呼び止められた。

「カフェオレ、飲まんか?」
「の・・・飲みますよ!飲むに決まってるじゃないですか!」

カウンター席にガタンと乱暴に座る。
絵里は怒りましたよというのを見せつける為にも、口はへの字に尖らせたままだ。
それでも・・・それでもこのカフェオレを飲むと、なんだか暖かい気持ちになる。
絵里の好みの甘さにしてくれてあるであろう、苦くないカフェオレ。
愛ちゃんの優しさが込められていると飲む度に思う。

590 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 13:48:57.21 0

「今日はありがとな」
「散々だったんじゃないんですか」

素直に答えるのが恥ずかしくて、素っ気なくそう答えた。

「そりゃまぁ、ね。目の前で仲間に倒れられるのは、理由がなんにせよ良いもんじゃない」

愛ちゃんはそう言うと、小さく苦笑した。
それはそうだろう。
絵里だって、仲間が傷つくのを見るだけで心臓が止まりそうになる。
こんなことを言うと・・・シャレにならないってガキさんに怒られちゃうな。

「おかげで助かったよ」
「え?」

愛ちゃんは何も言わずに、自分の右目を指さした。

「あぁ」
「おかげで、みんなの笑顔がはっきり見れる」

静かにそう言った愛ちゃんは、本当に嬉しそうで、
絵里には上手く返す言葉が見つからなかった。
でも、すごく嬉しかった。

591 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 13:49:22.49 0
「・・・絵里の顔も、ちゃんと可愛く見えますか?」
「絵里の可愛い顔もちゃんと見えるよ」

愛ちゃんが嬉しそうにしているのが嬉しくて、にやけそうになった。
それをごまかしたくて。

「うへへ」
「自分から言ったくせに」

違うんです。
今、絵里が緩む口元を抑えられないのは、そういうことじゃないんですよ。

「今日は、楽しかったですか?」
「楽しかったよ」
「なら良かったです」

それだけでも絵里は十分です。
次は、絶対倒れたりしませんから。
ずっと隣で笑ってますから。
だから・・・。

「次は、いつにしますか?」

また、どこかに出かけましょうよ。
次は・・・みんなで。


592 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 13:50:54.85 0
>>585-591 以上です

まとめる際は>>566-572と合わせて『Smiles Maker』でお願いします
久しぶりに書けて楽しかったー!

593 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 14:09:21.69 0
>>592
[Ai-Eri](09)900を書いた者です
リゾナントありがとう! 振られ疑惑設定が生きてるとはw
目上の人から感謝されるのって言いようの無い幸福感を憶えますよね

594 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 14:55:37.61 0
>>592
乙です
亀の話が読めて嬉しかったです

595 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 15:27:49.07 0
『Smiles Maker』のタイトルには「SM」もかけてあるわけですね分かります
ちょっとお互い意地悪をしたりされたりな感じが素敵でした
読んでる方も緩む口元抑えられなかったです

596 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 15:35:17.97 0
>>592
見事なリゾナント、乙でした!
>>593さんの作品といい、なんで亀ちゃんの一人称ってこんなにも可愛いんでしょうw
自分は愛絵里好きというわけではないのですが、友達以上恋人未満(?)なふたりの関係に爽やかなドキドキ感を覚えつつ
ひさびさのほのぼの系に癒されました

597 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 16:21:34.10 0
夜にでも1本単発を投下したいホゼナント

>>592さんの作品に癒されました
温かくてくすぐったい感じが本当キュンとなりますね

598 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 17:17:47.17 O
ホゼナント

599 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 17:26:41.49 0
第8章、投下します
そろそろクライマックス見えてきましたよ

1.>>242-244
2.>>250-253
3.>>317-320
4.>>372-375
5.>>492-495
6.>>509-513
7.>>552-555


 ―――残念だけど、私はもうここを出られない


手を伸ばして、つかめぬ希望。

600 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 17:27:27.63 0
8.

「…なーんてね。ちょっと脅かしすぎたかな」

あさ美は里沙の口にそのカプセルを放り込むと、今までとは違った脳天気な声を上げた。

「安心して。そのカプセル、普通の回復剤だし」

強制的に嚥下させられたことには少なからず不快感をおぼえていたが、
言われてみれば目覚めた時に感じた瞬間移動によるダメージが、少なくなったような気がした。

「…どういう、こと…?」

里沙は、あさ美の意図するところが読めないでいた。
さっきまでとは、明らかに様子が違う。
カプセルの中身は想像していたような睡眠剤などではなく、あさ美の言うとおりの回復剤には間違いない。
でも、どうして? 彼女は、何を考えている?

「愛ちゃんを助ける理由。さっきのなんて、嘘だよ」
「嘘…?」
「…単純に、あんな闇の中にいる愛ちゃんなんて見たくなかったし、
 ガキさんにも…ここからは逃げてほしいって思ってる」

里沙は、唖然としながらあさ美を見上げる。

「…さっきのは出来心のイタズラだったんだけど、ちょっとマジになりすぎたかな」

あさ美は里沙の目の前にしゃがむ。
冷静で冷徹な、刺すような目つきは今のあさ美にはなく、
別人のように穏やかな表情で里沙を見つめていた。

601 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 17:28:49.69 0
「…何年一緒にいたと思ってるのさ」

あさ美は笑って、里沙の頭を撫でた。
その笑顔は、かつて共に過ごしていた時には毎日のように見ていたもので、
Dr.マルシェというダークネスのトップサイエンティストには似合わぬ、
やわらかくて、そしてどこまでもやさしい表情だった。

「ガキさんが愛ちゃんを想う気持ちの強さも、
 愛ちゃんがガキさんを想う気持ちの強さも、
 どっちだって揺るがないものだって、見ててわかってたよ」

里沙の頬を、一筋の涙が伝う。
あさ美はそれを親指で優しく拭うと、里沙の肩をぽんぽんと叩いた。

「リゾナンターは、この世界を変えなくちゃいけない。
 人々の心に巣くう闇を取り除く正義として、生き続けなきゃいけない。
 ガキさんもその使命を負ってるんだって思ってる。
 だから、ガキさんはここにいるべき人じゃない」

あさ美は、まっすぐに里沙の目を見て言った。

肩書きこそダークネスの幹部であり、構成員も恐れる存在と言われるけれど、
その心にはまだリゾナンターの意志が残っているのだと、里沙は心の中で喜んだ。

「じゃあ、こんこんも…!
 こんこんの力が今のリゾナンターにあれば、ダークネスだってカンタンに…!」

あさ美の手を握り、身を乗り出して訴えかける。
里沙自身が、元はダークネスの構成員でありながらリゾナンターになったように。
今のあさ美だってその志があればリゾナンターに戻れると、そう信じていた。

602 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 17:29:59.13 0
「…ガキさんの気持ちは嬉しい。でもね」

あさ美は静かに呟く。

「残念だけど、私はもうここを出られない」

小さく首を振りながら、着ている白衣の袖をまくりあげた。
現れた二の腕は、里沙の知るあさ美の肌とは違い…、

「それって…」
「ダークネス“様”への、忠誠の証」

わざわざ「様」を強調しながらあさ美は言った。
白衣の下から現れたのは、腕を蝕むように描かれた鎖の模様のタトゥー。
確かにそれは、あさ美から自由を奪う枷に見えた。

「ダークネスに一生を捧げると誓って、このタトゥーが掘られて、それで一人前」
「一人前…」
「そう。組織内での階級を与えられて、昇格していける。
 例えば私みたいな研究員だったら、
 自分専用の研究室が与えられて、望んだ機材や材料も与えられて、
 好き勝手にいろいろな研究もできるようになる。
 もちろん、実力があれば…、だけど」

あさ美は腕をさすりながら、袖を元に戻した。
元に戻された白衣からは、タトゥーの存在は見ることができない。

「私がここを脱走しようとすれば、タトゥーの呪いが発動するの」
「呪い…?」
「そう、人じゃいられなくなる実験台になるか、身体ごと消滅させられるか、どっちか」
「……!!!」

603 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 17:31:09.65 0
里沙は言葉が出なかった。
あまりにも淡々と語られるその内容は、あまりにも悲惨だった。

「どっちになるかはダークネスが決める。
 必要もなければ消滅させられちゃうだろうし、いい献体になるとすれば、実験台」
「じゃあ、こんこんは…」
「間違いなく、実験台だろうね。
 私が逆の立場だったら、こんな献体は放っておけない」
「そんな……」

里沙はその場にがっくりと膝をつき、顔を覆った。

「一緒に戦うことも過ごすことも…、もう、ムリなの?」
「…ガキさんがリゾナンターに戻るのであれば、
 基本的には、もう、できないよ」

あさ美は里沙に背を向けたまま、静かにそう告げた。

「…ひどいよ…」

里沙はうなだれ首を左右に振りながら、床を二度、三度と叩いた。

もう心を交わすことはできないだろうと思っていた昔の仲間。
思わぬ形で再会することになっても、里沙は心から嬉しいと思っていた。
ダークネスの中心人物たり得る地位に昇ってしまったあさ美が、
今もなお光の志を持ち続けていてくれたということに、
里沙は、また手を取り合うことができるはずだと大きな希望を抱いていた。

だがそれを、あさ美本人の口から否定された。
嘘でも、また笑いあえるのだと言ってほしかったのに。

604 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 17:33:07.71 0
>>600-603

605 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 18:03:34.23 0
うう…じらされてる
>>604乙です

606 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 18:15:47.17 0
>>604
乙です
続きを・・・

607 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 18:55:27.66 0
>>604
小出しにするなあ
なんか弄ばれてるみたいw


608 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 19:53:49.61 0
続き待ってるっちゃ

+   +
∋oノハヽ  +
 从 ´ ヮ`)   ワクワクテカテカ
 (0゚∪ ∪ +        
 と__)__) +

609 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 20:11:48.94 0
>>537
エロ以外は面白かったです
>>592
かわいい話ですね
好きです
喫茶リゾナントが出てくるとホッとしますね
>>604
コンコンに背負わされた十字架もまた重いですね・・・
続きが楽しみです

610 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 20:53:52.93 0
狼を統べる偉大なる女神レトーよ…、我らに庇護を与えたまえ!
 ホゼナントゥーッ

611 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 20:55:15.26 0
>>597ことないやいですが10時頃に投下します
よろしくお願いします

612 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 21:31:50.94 0
期待ほ

613 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 21:38:01.90 0
保全代わりに最後のお願いに上がりました
ただ今2ch全板トーナメント決勝戦(対ネトゲ実況板)開催中
狼劣勢の今 このスレに集うリゾナンダーの皆様のご協力を仰ぎたく

…ていうか単純にリゾブルPVを宣伝したいってのもあるんですが


■投票テンプレ

[[コード]]
<<狼>>

http://toromoni.mine.nu/up/files/data/15/toro15441.jpg


 ――全ての者に告ぐ。
      
         蒼き正義に共鳴せよ。


Morning Musume - Resonant Blue Another Vers. PV
http://jp.youtube.com/watch?v=iFAwgXhGU2k


               狼◆モーニング戦隊リゾナンダー連


■投票方法など詳しくはこちら

【狼今負けてる】▲第3回全板人気トーナメント317▲【本日決勝vsネトゲ実況】負けそうだー
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1217071938/

614 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 21:56:41.05 0
リゾナンター連で突発ラシをしませんか?
予定時刻は22:09:14でi914さんをリゾナントしたいと・・・
http://tournament-code.ath.cx/
PC・携帯ともこちらにアクセス(PCは10分待機時間があります
取れたコードを
http://changi.2ch.net/vote/
「第3回2ちゃんねる全板人気トーナメント投票スレ」 に
>>613のAAと共に書き込みます。


615 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 21:59:51.90 0
賑やかししかできないよ

616 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 22:00:40.67 0
それでは更新します
注意事項は下記の通り

・短い
・色々何かもう…ないやい!
・ダークネス出てきます
・ちょっとグロい表現ありますので苦手な方はスルーで

以上になりますそれではしばしお楽しみ下さい

617 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 22:01:23.87 0
夜の闇に蠢くソレは、禍々しいオーラを放ちながらビルの屋上から屋上へと跳躍していく。
見た目は人そのものだが、その身体能力は明らかに人とは言えない。
月の光がソレの姿を浮かび上がらせる。
土気色を通り越して灰色がかった肌、充血しすぎて真っ赤に輝く濡れた瞳。

ソレは逃げていた。
赤黒い血を滴らせながら、追ってくる者を必死に巻こうと。
生存本能が告げていた。
アイツらを相手にしては勝てないと。

この力を与えられた時の、世界全てを手に入れたかのような高揚感は消え失せ。
己よりも強い者が居る、ただそれだけのことに体は震えた。
何故だ、この力は無敵ではなかったのか。
追っ手から必死に逃げるソレの疑問に答えられる者は、遙か上空から逃げまどうソレを俯瞰している。


「んー、一般人に無理矢理闇の力を注入したらどうなるか。
実験結果は、可、程度だね」


苦笑いしながら、彼女はソレを見つめ続ける。
羽など持たぬのに、まるで地面に立つように空に浮かぶ彼女。
濃藍色の闇に、白い白衣が鮮やかに輝く。

巨大超能力者組織ダークネス。
ダークネスが世界に誇る超能力研究機関「Awesome God」を統括する最上位研究者。
それが彼女の肩書きであった。

「素晴らしき主」と名付けられた研究機関、それを統括する最上位の位置にいる彼女。
すなわち、彼女こそが「素晴らしき主」でありまさに「神」と崇められる存在であった。

618 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 22:02:04.03 0
様々な超能力を先天的に植え付けた人造人間を創り出し、それを忠実なダークネスの兵へと育て上げる。
ダークネスを弱体化させるにはまず、この研究機関及び神と崇められる彼女を葬り去らねばならない。
彼女以外で神と言われる程の知識と力を持ち合わせた研究者はダークネスにはおらず、
彼女を葬り去ることさえ出来れば、一時的かもしれないがダークネスは力を失う。

だが、それこそは「神」へ逆らう愚かな所業。
彼女の命を狙う能力者は絶えないが、必ずその能力者は生き延びること叶わずに潰える。
普通の能力者では想像すら出来ぬ、圧倒的な能力を有する能力者達に守護され。
そして、彼女自身も圧倒的な能力を有する存在である。

神と崇められ、その知識と力を持ってダークネスの兵達を統括する能力者最強の一角である彼女。
彼女はその座に胡座をかくことなく、常に己の研究をもっと高い次元へと引き上げるべく研究し続ける。

一から生命を生み出さずとも、一般人に後天的に能力を植え付けて兵として使役出来ないか。
研究の最中にふと思いついたことを実験してみたが、この程度ではダークネスの兵として使うことは厳しい。
そう結論付けた彼女の視界に飛び込んでくる、赤い光と藍の光。


「久住小春とジュンジュンかぁ、可哀想だけどアレはもう終わりだね。
せいぜい、精一杯足掻いて傷の1つでも彼女達に負わせてくれるなら、
少しはこの遊びも意味のあるものになりそうだけど」


上空に佇む彼女の遙か下では、今まさに戦いが始まろうとしていた。
必死に逃げまどうソレに、ついに追いついた2つの影こそが。
久住小春、そして、ジュンジュン。
ダークネスという「絶対神」に戦いを挑む、愚かな超能力者組織「リゾナンター」の能力者達であった。

赤い光をたなびかせている方が久住小春、藍の光を放つ方がジュンジュン。
2人はようやく追いついたソレを抹殺すべく、結界を展開する。
―――けしてもう、ソレを逃がしはしない。

619 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 22:02:41.26 0
「ちょこまか逃げるのやめてくれる?
こっちはさっきまで睡眠時間1時間でグラビアの撮影してたんだから」


そう言いながら、赤い光をその身に纏わせる彼女―――久住小春はソレを冷ややかな瞳で見つめる。
整った顔立ち、すらりと伸びる手足は日本人離れと形容してもよさそうだ。
高い位置で1つに結わえられた黒髪、冷ややかな眼差し。
お世辞にも性格がよさそうとは言えないくらい、その身から放たれる雰囲気は冷たく鋭い。


「久住、そレはお前ガ勝手にやってイる仕事だ。
疲れてイライラするノは分かるが、それを奴に言ウのはただの筋違いダ」


感情を殆ど声にのせることなく、藍の光をその身から放つ彼女―――ジュンジュンは小春の言葉にツッコミを入れる。
どこか愛嬌のある顔立ちと肉付きのよい体つきから想像出来るのは、小春と違い彼女は既に成人であろうということ。
艶やかな長い黒髪を背中の方に流し、悠然とした態度でソレを見る彼女。
落ち着き払ったその姿は、イライラしている小春を更に苛つかせるには充分すぎるくらいだった。

鋭い目線を仲間であるジュンジュンに向けてくる小春、そしてその視線を意にも介さないジュンジュン。
敵を前にしてるというのに仲間割れ寸前かと思わせるくらいの険悪な雰囲気が、2人を包む。
その2人のやり取りに、ソレは己がコケにされているのだと嫌でも気付かされた。
葬り去ろうと思えばすぐにでも葬り去れる程度の存在だから、無視されるのだと。

屈辱だった。
この素晴らしい力を持った自分を見ても、彼女達の態度は何も変わらない。
彼女達が倒すべき対象は自分なのに、まるでその場に自分がいないかのように振る舞われて。
ソレの体をどす黒い想いが駆け抜けていく。

620 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 22:03:23.62 0
「ガアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」


咆吼と共に、ソレは彼女達目がけて尋常でない速度で突進する。
後半歩踏み込めば射程圏内に入る、そうしたら幾らヤツらでも避けれない。
ソレの思惑が形になろうとした瞬間、視界に捕らえていたはずの彼女達の姿は消えている。

何処だと視線を右に左に散らすソレ。
その瞬間、ソレの両腕に走る二つの激しい痛み。
右腕から吹き出す赤黒い血、左腕から立ち上る肉の焦げた匂い。


「アアアアアアアアアアア!!!」


この腕でヤツらを切り裂くはずだったのに。
その血しぶきを浴びて、勝利の味に酔いしれるはずだったのに。
彼女達を切り裂くはずだった、鎌状に変化した腕は。
一方は切り裂かれ、また一方は炭化した。

腕を失い、痛みに混乱するソレを冷めた瞳で見る小春の腕に、まるで生き物のように絡みつくのは赤い電流。
小春の対角からソレの様子を窺うジュンジュンの手には、強く光る藍のエネルギー。

どちらも攻撃系能力で、小春の能力はエレクトロキネシス、すなわち電流を自在に使役する能力であり。
ジュンジュンの能力はサイコキネシス、運動エネルギーそのものを能力に変換して扱い、
目に見える波状や弾状にして攻撃や防御の手段とする能力。

2人の能力者レベルは、ソレが思っているよりも高い次元にあった。
だが、腕を奪われたことに対する痛みと怒りが、ソレの中の闇を増幅する。

―――使えなくなった腕を突き破るように、ソレから新たな腕が生えた。

621 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 22:04:02.10 0
「うわ、キモい」

「あマり見ていテ気持ちのいいモのじゃなイな、早く片付ケるゾ、久住」

「うるさい、あたしに命令するな!」


赤い電流をその両腕に巻き付けて、小春はソレの息の根を一気に止めてしまおうと距離を詰める。
後少しで、ソレの体に伸ばした両腕が届こうとした時。
突如小春の足下に生える、鈍色に輝く鎌状の腕。
慌てて後ろに飛んで避けようとする小春の左臑に生まれる、赤く大きな筋。


「久住!」


一瞬でソレの上を飛び越え、小春の背後に着地してその華奢な体を抱き留めるジュンジュン。
その傷の深さに、これでは小春はまともに動けないと判断したジュンジュンは、小春に声をかける。


「久住、ジュンジュンのことが気に食わなくてもいい。
アレを倒す、その為に久住の力を貸してくれ」

「うるさいなぁ、ジュンジュンのそういうとこ本当ムカつくんだけど。
…しょうがないから、貸してあげるよ」


憎まれ口を叩く小春に苦笑しながら、ジュンジュンはそっと小春の肩に手を置き集中を始めた。
2人を切り裂こうと蠢き鞭のようにしなりながら伸びてくる鎌状の腕を牽制するように、
小春はその両腕から電流を球状にして撃ち続ける。

622 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 22:04:45.87 0
藍の光と赤の光がリィリィと音を立て、絡み合いながら1つの大きなエネルギーを生み出していく。
敵を倒したい、その想いが互いに違う音色を奏でながら響きあい、強い力となって渦巻き。

その力の大きさに、ソレの中に再び恐怖が生まれた瞬間。
鮮やかに光り輝くエネルギーが光線状となって、ジュンジュンの手から放たれる。
避けることの出来ぬ速度で放たれた光線に。

―――ソレの体は一瞬にして霧散した。


ソレが消え去ったことを確認した小春は、慌ててジュンジュンから離れようとして、地面に蹲る。
怪我してることを忘れて動いてしまうくらい、自分には触れられたくないのかとジュンジュンは表情を歪めた。
気に食わなくても構わないとは言ったものの、こういう態度を取られるとさすがに堪える。

だが、小春は怪我をして歩けそうもない。
ソレを追って、彼女達の居城兼憩いの場である「喫茶リゾナント」から大分遠くまで来てしまった。
このまま小春の怪我を放置していたら大きな傷が残ってしまう。
小春のもう一つの顔は、アイドル歌手。
露出の高い服装で歌うこともある彼女の今後を考えれば、一刻も早くリゾナントへ戻り治療を受ける必要があった。

可愛くない奴。
だが、小春は間違いなく仲間なのだ。
ジュンジュンはフッと息を吐くと、己のもう一つの能力を解き放つ。
一瞬にして、ジュンジュンの姿は人1人を乗せて走れそうな巨大な狼へと変貌した。


「え、ジュンジュンってパンダにしかなれないんじゃなかったの?」

『久住、私の能力ハ獣化…戦イの時にハ戦いに適しタ獣にナり、
そウでなイ時にハ違う姿ヲ取ることモあル。
とっトと乗レ、早クその傷を治サないトお前の仕事に差し障ルだろウ?』

623 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 22:05:32.60 0
小春の問いかけに心の声で答えて、ジュンジュンは小春の側に寄って座り込む。
小春は一瞬躊躇った後、ジュンジュンの背中にまたがってその首元にしがみついた。
それを確認して、ジュンジュンは一気に走り出す。

人1人乗せているとは思えない速度で、ジュンジュンは夜の街を駆け抜けていく。
先程までの苦い気持ちは、触れた箇所から伝わってくる温もりに溶けて消えた。
微かだけれど、ありがとうと呟く小春の心の声に。

可愛くない奴だけど、可愛いのかもしれないと矛盾したことを思いながら。
今度小春にバナナを段ボール1箱くらいは奢ってもらおう、ジュンジュンはそう決意した。



一連の戦いを見ていた彼女は、とても興味深いものを見れたと言わんばかりに目を輝かせている。
どこからともなく取り出した、手のひらサイズのメモ帳に尋常じゃない速度でペンを走らせ。
今の戦いで得られた結果、考察を手早くまとめていく。


「狼にもなれるんだね、ジュンジュンは。
ライカンスロープみたいで格好いいなぁ、あ、そうだ。
獣化能力を持たせた、万能型の兵士を作るってのも面白いかも」


いいことを思いついたと言わんばかりに満足げな表情を見せて、彼女は白衣のポケットにメモ帳を落とし込む。
早くこの結果をまとめて、次の研究に活かさねば。
その輝く瞳に浮かぶのは、狂気なのか。
闇色の光が一瞬だけ強く光り、それが収まった時にはもう彼女の姿はどこにも見あたらない。


―――濃藍色の闇に浮かぶ禍々しく輝く紅い月だけが、全てを知っていた。

624 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 22:06:09.65 0
>>617-623
更新は以上になります
単発って難しいですね

625 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 22:09:12.43 0
ないやいさんお疲れ様です!
感想は後ほど書かせてください

リゾナンター連の投票スレはこちらです
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/vote/1217075386/l50

にぎやかし大歓迎です!

626 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 22:09:54.40 0
>>624
乙でした!
・・・でもグロものは苦手なので読めないorz

>>614
了解しました!
花火ラシ用に取ってたコードをそっちに回しますw

>>615
にぎやかしで桶かと

627 :サボリンちゃんヽ( ゚∀。)ノ:2008/07/26(土) 22:16:18.90 0
ないやいさん乙でした
サボリンはここのまとめの人として人生初めて投票してきましたよ
ちゃんと出来てるのか甚だ不安ですが

628 :名無し募集中。。。:2008/07/26(土) 22:47:15.52 0
>>624
ジュンジュンと小春・・・
意外といいコンビですね

629 :613:2008/07/26(土) 23:18:06.89 0
>>614
選対さんかな?呼びかけありがとうございました
結局負けちゃいましたけど最後にラシできて楽しかったです

さて自分も小説執筆に戻ります…

630 :615:2008/07/26(土) 23:52:59.53 0
>>614
にぎやかしはしたよ

>>629
負けたのは残念だったね
ほとんどのラシに参加したので楽しかった…けど疲れた

631 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 00:08:26.41 0
トナメ選対です
残念ながら狼は破れ準優勝という結果に終わりましたが、ご協力本当に有難うございました
あの時、リゾナンターの青い光は確かに灯っていました

http://changi.2ch.net/test/read.cgi/vote/1217073453/185-186
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/vote/1217075386/87-88
それにしても魔の22時代に設定したのにラシが繋がってるんですが(しかも2箇所)
皆さんの共鳴力には驚かされます
突発ラシにも関わらずお付き合いいただいた方に感謝です

本当に有難うございました!!
そして以後何事もなかったかのように通常営業ドゾー

>>624
小春の素直じゃない物言いがかっこよくて可愛くて惚れます
そんな小春を包み込むかのようなジュンジュンの大人な部分が垣間見れて・・・
組み合わせの妙を見せて頂いた気がします
そしてそれを構成する文章力、流石です

632 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 00:41:21.60 0
ないやいさんの話はハズレ無しだぜホゼナント

633 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 00:42:42.86 0
じゃあ自分のはもしかしてハズレと思われているかもしれないって不安なホゼナント重ね

634 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 01:03:54.66 0
ホゼナント

635 :名無し募集中。。。 :2008/07/27(日) 01:23:20.14 0
http://www.vipper.org/vip882856.png

636 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 01:30:21.20 0
>>526-535を書いた者です。
みなさん温かなレスをありがとうございます。
以後、エロは自重します。本当に、すみませんでした。

またもや保全代わりに、もう一つお話を上げさせて頂きます。

>>526-535 ←この話のサイドストーリーです。

上に書き込ませていただいたお話は、リーダーとガキさんしか出てこないのですが、
他のメンバーはその間、何をやっていたのかと言うお話です。

それでは、上げさせて頂きます。

 *   *   *   *

 一方、その頃、東京では……

637 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 01:32:08.51 0
東京―AM0;46   喫茶リゾナントからほど近いオフィス街。

高層ビルの連なりに深く刻み込まれた、迷路のような路地裏通り。
餌を求めて、這い出てきたノラ猫が一匹、不意に足を止め、首をもたげた。
しかし、はるか上方のただならぬ気配に驚いたらしく、素早く身をひるがえしねぐらに戻ってしまう。
ひしめく高層ビル群。その中でも、ひときわ高くそびえ立つビルの屋上から、尋常ならざるエネルギーが発露されていた。

地上200メートル。強風に煽られながらも円陣を作り、天を睨みつける七名の能力者たち。

田中、道重、亀井、久住、光井、ジュンジュン、リンリン。
この七名が作る円陣の中央から、高密度の意識エネルギーが夜空の暗雲を突き刺し、天に向かって放たれていた。

それぞれが意識エネルギーを放出し、田中がそれを増幅する。
増幅したエネルギーを久住という媒体を通して、
はるか異国の海域で新垣里沙を探すため、瞬間移動を繰り返す高橋愛のもとへと送り続ける。

瞬間移動とは、あらゆる能力の中でも最も、身体に負担を強いる能力である。
イメージの出来ない場所への、長距離に及ぶ瞬間移動は、自殺行為と言って過言ではない。
高橋は日本を出てから丸2日間、休む事無く瞬間移動を繰り返し、今は太平洋を越え、バミューダ海域をさまよっている。

638 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 01:33:30.58 0
今は、メンバー達が昼夜を徹し、途絶える事無く送り続ける意識エネルギーが、高橋愛の命綱となっているのである。

しかし、意識エネルギーを放出すると言う事は、自らの命を削る事と等しい。
“命がけ”はメンバーも高橋も一緒であった。
丸2日、飲まず食わずで転送し続けたメンバー達は、すでに限界を迎えていた。

最初に円陣から離脱したのは、亀井絵里だった。病に冒された心臓が悲鳴を上げていた。
鼻血が止まらず、血圧が急激に低下し昏倒した。
道重さゆみが、側に駆け寄って治癒を施そうとするが、ままならず、亀井に覆いかぶさるようにして動かなくなる。

それから直ぐ、光井が倒れ、リンリンがそれに続き、
リンリンを支えようとしたジュンジュン、田中れいなまでもが巻き込まれて膝を突いた。

これ以上続けるのは危険だと判断した久住が、一旦エネルギー転送を止めその場に座り込んだ。

強風、吹きすさぶ高層ビルの屋上。 七名はただ夜空を見上げ、物も言わずに倒れこんでいた。

639 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 01:34:53.48 0
暫しの沈黙の後、田中れいながポツリと言った。

「小春……今、愛ちゃんが居る場所を念写してくれんね?」

小春からの返答は無かったが、ビルをライトアップしていた照明が見えなくなり始めたので、
田中はもう、念写が始まっている事に気付く。

仰向けに倒れて、夜空を見上げていた田中の視界がジワジワと変化し、やがて闇夜の海へと映像を変える。

俯瞰から映し出されたその映像。月も無く、底なしの闇を広げる海。
島影など何処にも見えず、ただ果てしない水平線が続くばかり。
おそらく、その最中(さなか)に漂えば、方角など瞬時に見失うであろう。

俯瞰の画が、徐々に一つの対象に近づくと、漆黒の海に漂う人影を捉える。
蒼白の顔、濡れた髪、白い息を漏らした、高橋愛が荒波に揉まれていた。
常人なら、ものの数分で気が触れてしまいそうな夜の大海に浮かび、
次に飛べる(瞬間移動)その時まで、ひたすら漂い、力が戻るのを待つ。

久住によって夜空に念写されたその光景を、みんな黙って見ていた。

640 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 01:36:06.49 0
すると、仰向けに寝ていた田中れいなが、ごろりと身を返し、腹這いになった。
ゴソゴソとスカジャンの擦れる音を聞き、皆が田中の方を見る。

【これより先はこのBGMと共にお読み下さい】
http://jp.youtube.com/watch?v=EgMWD9RpbxA

田中は拳をコンクリートに突きたて、わななく手で身体を支え立ち上がった。

「れいな!」
「田中さん!」
田中の身を案じた、道重と光井から声が上がった。

「あげん……あげん、なんも無か暗闇で、愛ちゃん寂しいちゃろね」
田中は震える足を自分で何度も叩き、気合を入れながら夜空を見上げる。

「れいな!これ以上は危険よ」道重が制する。

田中は、なけ無しの意識エネルギーを天に向かって放ち始める。
「れいなも、同じやった。暗いトンネルの底を這いつくばって生きよったんよ。」

「……………………」

「愛ちゃんは、出来そこないの不良のあたしに、光と居場所をくれた。」

田中は、天を睨みつけ叫ぶ。
「今度は、れいなが愛ちゃんの光になる。こんエネルギー、途切れさす訳にはいかないちゃ!不良娘の意地にかけても」

  ざわめくは、七つの心。

田中の声が、涙で詰まる。「…………見てみい。あげん弱りよう愛ちゃん……見たこと無かよ」

641 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 01:37:21.92 0
コンクリートの上でもがき、のたうつ音がする。

振り向けば、奮い立つ心に任せて、立ち上がる光井愛佳がいた。

「愛佳……」道重は込み上げる思いで呟いた。

「高橋さーん!聞こえますか?うちの力、届いてますか?」
力いっぱいに、叫ぶ光井。その叫びは、自分自身を奮い立たせるため。

「覚えてますかー?初めて駅で会った日のことを!
 うちはホームの端っこで自分の命を揺らしていた……
 そんなうちに、高橋さんは生きろって、明日を変えろって言うてくれはりましたよね!」

―――『!!!!』―――――光井の体が不意に弾けて、ビクンッとぶれた。
              瞬刻のひらめきを得て、目を閉じたまま微笑む。――未来視(ビジョン)が視えたのだ。

「この声が!この声が、もし聞こえてるなら……高橋さん、次に飛ぶ時は、今向いている方角とは逆に飛んで下さい!
 間もなく、夜が明けます。朝日の方角に飛んで下さい!新垣さんに出会えるはず!」


642 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 01:38:36.14 0
「視えたんだね!ミッツィー!」小春が喜んで立ち上がる。

「グゥオウォォォー!!」共鳴する魂がざわめき、一瞬の獣化を見せたジュンジュンが咆哮と共に立ち上がる。

「アイヤ――!!」リンリンも後に続き、道重もそれに続いた。

亀井がフラフラと立ち上がろうとしているのに、道重が気付いて声を上げる。「絵里!……」
が、亀井は黙って首を振り、血溜まりに足を取られながらも立ち上がった。

みんなの、心配そうに見つめる視線に気付いて、亀井が天を指差して言った。

「ダークネスのボケナス共!もうすぐ、勇気の塊みたいな人がそっちに行くからね!ガキさんに指一本、触れんじゃないよ!」

その言葉を受けてニカッと笑った田中が、大きく息を吸い、天を睨みつけると、亀井を真似て言った。

「よう聞きぃ!ダークネスのボンクラ共!今から、お前らの秘密基地ば、最強の能力者が乗り込むけん、覚悟決めて待っとき!」

「ワァ――――――――――ッ!!!」「アァ――――――――――――ッ!!!」

東京の夜空に、娘たちの咆哮が響き渡った。

この共鳴、鳴り止ます訳にはいかない。絶対に。

643 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 01:41:08.55 0
これで終わりです
失礼致しました

>>637-642





644 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 01:45:42.11 0
そうですよね!
愛ちゃんだけの力じゃなかったんですよねやっぱり
れいなの叫びからみっつぃーのビジョン・・・そしてカメの台詞までのくだりには鳥肌が立ちました

645 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 01:47:56.72 0
再び>>526-535を書いた者です
リゾナントさせてもらった方々にお礼を言うのを忘れてしまいました。

[Niigaki](06)231 『里沙、孤島に囚われ(前編)』の作者様にはもちろんの事

[Michishige](06)258 『メメントモリは姉との約束』の作者様

[Takahashi](06)038 名無し募集中。。。 の作者様

あと無意識にリゾナントさせてもらった方々、ありがとうございました。

646 :名無し募集中。。。:2008/07/27(日) 01:51:20.42 0
あかん・・涙で字がぼやけてきたよ(T_T)

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