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リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第11話

1 :名無し募集中。。。:2008/07/07(月) 21:11:51.19 0
<一体、何処に行くって言うんだ
   _, ,_
川*’ー’)<<胸の高鳴る方へ

前スレ
リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第10話
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1215179792/

まとめサイト
 PC:http://resonant.pockydiary.net/index.html
携帯:http://resonant.pockydiary.net/index.cgi

掲示板 (感想スレ、作品題名申請スレ、あとがきスレ他)
http://jbbs.livedoor.jp/music/22534/

テンプレ>>2-17ぐらいまで

744 :743:2008/07/16(水) 16:05:23.22 O
アンカミススマソ…orz

745 :名無し募集中。。。:2008/07/16(水) 16:53:37.97 0
>>719です
まったくもって身に余る感想をありがとうございました 
あわあわ、おろおろしましたw
オリキャラを使ったのでドキドキしましたが、受け入れて頂きほっとしています
またあとがきしたいと思います。
ただ世界の繋がりの関係上、今話せないこともあっていつになるかわかりませんが…
本当にありがとうございました

>>739
裏テーマはそれですw

>>742
そうですね、今回のを1カウントにすれば、15作品です
な、なんでわかったんですか…と思いましたが、題名スレですよ…ね?

746 :名無し募集中。。。:2008/07/16(水) 17:45:18.16 O
>>745サマ
やはり15作品でしたか!
ならば漏れなく網羅できているようですニヤリ
題名スレをヒントにしたのは確かですが それ以上にあなたのファンだからです
大好きです

747 :名無し募集中。。。:2008/07/16(水) 18:54:31.20 0
夜のリゾナント

748 :名無し募集中。。。:2008/07/16(水) 19:44:46.50 0
500番台まで落ちてましたー

749 :名無し募集中。。。:2008/07/16(水) 20:21:38.83 0
近日中に1本上げたいホゼナント

750 :名無し募集中。。。:2008/07/16(水) 21:00:23.72 0
期待してますホゼナン

751 :名無し募集中。。。:2008/07/16(水) 21:15:14.21 0
>>735 こんなんで行ってきました

[[コード]]


 ――全ての者に告ぐ。
      
         蒼き正義に共鳴せよ。


Morning Musume - Resonant Blue Another Vers. PV
http://jp.youtube.com/watch?v=iFAwgXhGU2k


<<狼>>◆モーニング戦隊リゾナンダー連

752 :名無し募集中。。。:2008/07/16(水) 21:29:47.37 0
>>751
選対スレの住人です、本当に有難うございます!
自分もコード、それで投票することにしますw

選対にかまけて作品書けてない作者ですが一段落したらまた再開させて頂きます
その時はどうぞよろしくお願いします

753 :名無し募集中。。。:2008/07/16(水) 21:40:07.96 0
したらばのほうでもお話の作者別分類案がでていますね
まとめさんの仕事になっちゃいますが・・・

754 :名無し募集中。。。:2008/07/16(水) 21:53:20.88 0
作者分類はしてほしいけど・・・どうなのかなあ作者さん的には

755 :名無し募集中。。。:2008/07/16(水) 22:01:47.56 0
分類の目的にもよるんじゃないか?

756 :名無し募集中。。。:2008/07/16(水) 22:07:19.33 0
課長の休日出勤ぽいな

757 :名無し募集中。。。:2008/07/16(水) 22:08:03.24 0
ごめん、誤爆した

758 :名無し募集中。。。:2008/07/16(水) 22:21:07.68 0
作者が嫌がる分類の目的ってどんなのですかね?

759 :名無し募集中。。。:2008/07/16(水) 22:25:33.41 0
匿名性が薄れるとか?
誰が書いたか分からないってのが書く上でいいって人もいるんじゃないのかな

760 :名無し募集中。。。:2008/07/16(水) 22:45:25.75 0
>>752
戦隊もとい選対乙です
最後の追いこみがんばってください
作品も期待してます

761 :まとめの人:2008/07/16(水) 22:45:35.85 0
「まとめの人」がまとめてる立場としてどう思うかをあっちに書いておきました
個人的には作者分類は「難しい」というか「無茶」だと思っています

762 :名無し募集中。。。:2008/07/16(水) 23:00:54.45 0
なんかまとめさんの普通の名前でのレスに
ドキッとしましたw

763 :名無し募集中。。。:2008/07/16(水) 23:01:05.75 0
[[コード]]

    /⌒.)       ┌┐    ━━┓┃┃     ━━┓
    ()() (  ∋oノハヽo∈|        ┃ ━┓━┓  ┃ ┃
    ヽ   \  (`D´ )(||     ━━┛  ┃  ┃   ┃
     o\o__ (へO   ) (| |./|//  
      ////__ヽ (_)⌒ |─/   23:00:59GETれす!!!
   γ ⌒//|||||≡呈ロ) ̄ノ言ヽ 
   l| (◎).||((||((゚ )⌒)||三・)| |  (´⌒(´     
__ ゝ__ノ  ヾ ̄ ̄ ̄ゝ__ノ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
        ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(´⌒(´⌒;; ̄

狼◆チキン連  <<狼>>

764 :名無し募集中。。。:2008/07/16(水) 23:02:00.25 0
・・・最後の最後で誤爆ったorz

765 :名無し募集中。。。:2008/07/16(水) 23:04:03.50 0
これはこれは壮大な・・・w

766 :名無し募集中。。。:2008/07/16(水) 23:34:51.81 O


767 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 00:05:20.44 0


768 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 00:37:40.24 0
なんと

769 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 00:44:53.19 0
>>749だけど明日(今日)の夜22時くらいに1本投下します
保全代わりの駄文ですがよろしくお願いします

770 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 00:57:48.88 0
おやすみリゾナンター
>>769
楽しみにしてます!

771 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 01:49:52.79 0
>>769
楽しみに待ってるから

772 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 02:35:15.98 O
深夜のホゼナンター

773 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 03:48:57.57 0
>>769
OK!待ってます

774 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 04:39:22.25 0
へるみー

775 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 05:36:28.47 0
うえぇおおうぇ

776 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 05:58:30.49 0
平和で幸せだと思っていた。
それを鳴らしている間は、とても心を落ち着かせる一人の赤ん坊。
それは、私だ。

母親に教わった曲が頭の中で鳴る。
譜面は見ずとも、まるで魂に刻まれたかのように覚えている一つの歌。
初めは片手で、次第にもう片方の手を添える。

白と黒の鍵盤の上を指先が滑ると、音になって跳ね返ってくる。
それが連なり、メロディと成っていく。
何度同じ曲を弾いても思い出した。

遠くの今と近くの今を、時間なんて関係なく。
この部屋はまるで別の空間のよう。
どこにでも繋がっている気がして、懐かしい。

初めて入った場所なのに、おかしいと分かっているのに。

 「…『娘』……」


777 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 05:59:41.47 0
―――ふと、背後からの視線に振り返った。

 「ミチシゲ…」
 「道重『さん』ね。
 リンリンが「ジュンジュンが居ない」って寂しがってたの。
 で、探しに来たらピアノの音がして」

「こんな部屋があったんだね」
さゆみは部屋に入ると、意気揚々と鼻歌を歌って周りを見渡してみる。
ふと、ジュンジュンはその鼻歌に気付いた。

 「それ…」
 「あ、ごめんね。盗み聞きってワケじゃなかったんだけど……何ていう曲なの?」
 「…おカアさんからオシえてもらたキョクだから、ナマエはありませン」

ふとさゆみは、ジュンジュンから家族の話を聞いたことが無かったのを思い出す。
さゆみ自身も家族の事を口にした事は無いが、それでもたった一人で中国から
留学生として日本にやってきたジュンジュンの事は尊敬している。


778 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 06:00:58.91 0
それを考えると、少しだけそんな彼女の家族の事も気になってしまうものだ。
本当に軽い気持ち。
ちょっとした好奇心。
空いていた椅子のスペースにさゆみは腰掛け、並ぶように座る。

 「ジュンジュンのお母さんって、どんな人だったの?」
 「…おカアさんはあんまりオボえてないデす。アカンボウの時にソボにアズけられたカラ」
 「あ…ごめん…」
 「ダイジョブですよー、もうナレましたカラ」

ジュンジュンは何事も無いように笑っていた。
だがさゆみには、その笑顔がどこか「諦めた」ような物のように感じていた。
リンリンにジュンジュンの能力は少しだけ聞いている。

  ―――代々一族に伝わるという特殊能力。

だがその力を制御する為に両親から引き離されての生活。
怪物だと自分を戒めた日々。
その中で、ジュンジュンはたった一人で戦いながら力を得た。


779 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 06:02:09.05 0
考えれば考えるほど、さゆみは自分の弱さに落ち込む。
たった一人で戦ってきたジュンジュンとは違い、自分はすぐに追い込まれて。
果ては死のうとまでしたのだ。
諦めずに生きる選択をせずに、死ぬ選択をした。

あの時、絵里が居なかったらと思うと…。

 「ミチシゲさんのおカアさんは、どんな人ですカ?」
 「へ?あ、ええとぉ……」

突然のジュンジュンの問いかけにさゆみは戸惑った。
あまり思い出したくないものばかりだったが、一つだけ、たった一つだけ覚えているものがある。
それは、子供用の小さなピアノの玩具。
今目の前にある立派なものではないけれど、3歳の誕生日に父親が
買ってきてくれた、何の変哲も無い楽器。

一人では何の意味もなく叩いていたものの、母親がさゆみの手をソッと持ち
優しい声で呟きながら鍵盤を叩くことを教えてくれた。
そんな小さな想い出がまだあったという事は多分、無意識に忘れまいと思っていたのかもしれない。

もしかしたらその記憶があったから、即座にピアノの音に反応したのだろうか。
さゆみは自分の単純さに呆れそうになった。


780 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 06:03:06.52 0
 「…優しい人だった、かな」
 「ミチシゲさんにニテますか?」
 「どうだろう、ね」

今では、自分がどっちに似ていたのかさえも確認することは難しい。
目さえも合わせてくれず、どう接していけば分からない「本当の家族」に
どうすればそれが叶うのだろう。

 「…ねぇ、さっきの曲、教えてくれる?」
 「エ?イいですけド…」

ジュンジュンは、微かな記憶と残像をメロディに宿して奏で始める。
時々思い出せなくなりそうになる母親の面影を乗せながら。

ふと、両親と子供の事件が多発しているのを思い出した。
最悪の場合、どちらが殺したり殺されたりという結末で終わることさえもある。
それを聞くと、皮肉にも自分達だけじゃないのだと思えた。

誰しもその気になれば同じ境遇になる。
自分達は少し特殊で、まだ「人間」なのだと思えた。


781 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 06:03:33.27 0
仕方がない。
仕様が無い。
そう思ってしまえばそれまでだと知っていても。
考えることをやめればそこで終わると分かっていても。

同じ場所で生きて、同じ場所で暮らして、同じように呼吸して。
判っているはずなのに、何かの弾みで忘れてしまう。

思い出すのは、いつもそれを失ってから。

 「…ミチシゲさん?」


782 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 06:04:08.38 0
さゆみは、瞼を閉じている。
溢れ出すものが直視できないから。
どこまでも弱い自分が、凄く空しくなるから。

徐々にその暗闇が、怖くなってくる。
いつもはそんな事を思わないはずの、寧ろ好きだったはずの暗闇が。
何も見えなくなって怖くなった。
手を伸ばそうにも自分の手が何処にあるのか判らない。
足を動かそうにも、自分の足が何処にあるのか判らない。

自分の存在が判らない。
あの日々のように、さゆみはどこに居れば良いのか分からない。

 ―――その時、音が鳴った。

それは遠いあの日にも、それはすぐ近くでも。
知ってる音。優しくて、暖かくて、懐かしいそれは―――。


783 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 06:04:50.11 0
瞼を開けると、ジュンジュンがさゆみの手を握っていた。
ピアノの鍵盤から指を離し、そしてゆっくりと振り下ろす。

 ぽーん。

音符の余韻はやがて消える。
カタン、というペダルから足を離す音も聞こえる。
そして、ジュンジュンは笑った。

 「ミチシゲさんもヒいてください」
 「え、で、でもさゆみピアノは……」
 「ダイジョブです、ジュンジュンもヒきますから」

そう言い、ジュンジュンは弾き始める。
たどたどしいさゆみの奏でるものを後押しするように。
初めて弾くメロディは、それでも何かに共鳴するように響き合う。

 ♪〜♪♪


784 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 06:05:16.26 0
 「絵里?何やっとるの?」
 「シー」

喫茶「リゾナント」の2階。
愛は何故か「魅惑の水さんルーム」の扉から何かを見ている絵里を発見した。
だが問い掛けても口元に人差し指を置いて注意を呼びかけるだけ。
ソッと、隙間から覗くとそこには見覚えのある二つの背中。

と、絵里が窓の隙間から風を滑り込ませると、奏でられる音の流れの道筋を形成し始めた。
いつの間にそんな器用が出来たのかと愛は思ったが
その流れに沿って、奏でる音がまるで風のように外へと吐き出される。

ふと、誰かが何処かで同じメロディを紡いだ。

踊るように弾むメロディは導き合って惹かれあう。
それは誰かの声と、誰かの物語を乗せて。


785 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 06:10:51.67 0
>>776-784
意外と長くなった上に予告なしの投下失礼致しました(汗)
何となく初握手会のピアノ演奏を見ていて考えました。

新参者なので、これで失礼します。
駄文で申し訳ないです(平伏)

786 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 06:23:13.39 0
いいよー
これいいよー
ジュンジュンの心の中がちょっと覗けた感じがする

787 :名無し募集中。。。 :2008/07/17(木) 06:35:03.39 0
冒頭の視点の切り替わりが分かりにくいかな
あとチェックミスしたと思われる文章も残念
ジュンジュンのやさしさがじんわり伝わる感じは好きかも

788 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 07:21:42.93 0
>>785
平日の早朝に投稿する猛者は多分785さんが初めてのような?w
ほのぼのっていうか何かじんわりと温かい気持ちになれる文章ですね
また何か思いついたら書いてくださいね

789 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 09:12:25.56 0
>>785
終わり方が好きです
未来を感じさせてくれて

790 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 10:43:44.06 O
ひとまず保全ヤヨ

791 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 10:55:02.58 0
>>785
随所にある詩的な文章が素敵ですね
>>787さんも仰ってますが、それだけに校正ミスがもったいない
さゆとジュンジュンのやわらかい雰囲気がすごく好きです
勝手に次作を期待w

792 :サボリンちゃんヽ( ゚∀。)ノ:2008/07/17(木) 11:29:43.67 O
サボリン復活保全やよ〜

サボリン復活って嫌な響きだな…

793 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 12:27:38.82 0
>>785
繊細な文体で描かれる2人の過去と現在が素敵ですねえ
自分は導入部の視点切り替えは気になりませんでした
・・・というかむしろ好みです

さゆみの過去編を書いた者なのですが初めてストーリー的にリゾナントいただけて感動しています
誰ももう覚えていないだろうと思っていたのでw

794 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 13:51:03.76 O
昼ホゼナント

795 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 13:51:28.22 O
昼ホゼナント

796 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 14:21:16.87 0
覚えていますとも
まだ数で言うと4つしか書いていないうえストーリーにはまったく反映出来ていないので言い辛いですが
私のリゾナント世界でのさゆえりはあの過去編の上に成り立ってます

他の方からも頂いてる人物像がたくさんあるのですが・・・
その辺りはいずれまとめて世界観として伝えたいなーと思っていたり



797 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 14:21:46.11 0
過去の作品の感想ってしたらばの雑談に
書いたりしていいのでしょうか?
>>792
サボリンなんて思ってないけどやっぱ
顔があるほうが素敵♪

798 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 14:54:51.88 O
感想はしたらばの感想スレに書けばいいかと
どんな昔のでもアリでしょう
作者さんは嬉しいんじゃないかな

799 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 15:53:12.99 O
今日は暑いぜホゼナント

800 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 16:02:00.31 0
なんで仕事中の方が筆が進むかなw
ということで例の続き行きます

また終わらなかったorz

801 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 16:03:00.80 0
彼女が本来ダークネスの人間だというのはあの時に分かっていたつもりだった。
しかし改めて本人から、しかも自分と同じだと聞かされると衝撃は隠せなかった。

「それじゃ、やっぱり始めから─。」
「別にスパイってんじゃないけどさ。」「じゃあどうして!」
「んー、アンタがいたから、かな。」
「───あたしが?」
「この際だ教えてあげるよ。アタシがどうしてあそこにいて、今ここにいるか。」

かつて後藤真希と呼ばれた女、g923はゆっくり語り始めた。


802 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 16:03:28.09 0
それまでの無数の実験体の中でg923は抜群の成績を上げていた。
強力なサイコキネシスと、微弱ではあるがアンプリファイアの能力を持ち、精神干渉にも
強い防御力を持つ。加えて生身の身体能力も高く、下級戦闘員程度なら能力を使わずとも
充分倒せる。
これならば至高王─high-king─、すべての能力者を統べる存在にもなり得ると期待された。

しかし、彼女を持って研究が終了すると言うことはなかった。
「ムラがあり過ぎるんだってさ。」

確かに『M。』においてもそれが後藤のもっぱらの評価だった。
実戦はまだしも訓練においてはモチベーションが目に見えて下がる。
多くの場合それがあからさまに成績に直結するので、「訓練では40点だが実戦は98点」と
よく訓練所の教官に言われていたのを愛は思い出した。

「あの頃は実戦でも気分次第だったからね。随分組織も手を焼いたってさ。
んで、そのうちにi914、アンタが出来て。聞いちゃったんだよね。」

能力者を育てる施設にしては不用心としか言いようがない。
それとももしかして意図的に聞かせるつもりだったのか、ともあれ研究員のその会話は
結果として筒抜けだった。

『i914。傑作じゃないか。』『これほどの能力なら至高王にも、、。』
『特性は違うがg923よりは使いやすい。』

『実験は終了だ。次の段階に移ろう。』

「分かるよね。つまりアタシはもう用済みってこと。」

用済みの実験体がどうなるか、覚えてはいないが容易に想像は付く。
「だからね、逃げたんだ。さすがに一人じゃしんどかったから他の子と協力して。」


803 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 16:03:50.55 0
母の手で逃がされた愛とは違って彼女は自分の力でそこから逃れた。
その分逃亡中の追っ手との戦いは壮絶を極めた事であろう。
もちろん正面から1対1で彼女に敵う者はほとんどいないが、それほど甘い組織ではない。
なんとか追っ手を振り切り、さらに何日もさまよって、ようやく街に辿り着いたg923と
もう一人の実験体、g927は、たまたま立ち寄った養護施設にそのまま身を寄せた。

「真希って名前はそこで付けて貰ったんだ。」
もう一人、弟ということにした彼は裕樹と名付けられた。
「でも、あんまりいい思い出はないな。院長先生は優しかったけど他の大人はロクなもんじゃ
なかったし、年上の連中からはよく生意気だって虐められた。まぁ。喧嘩になれば負けや
しなかったけどね。能力なんか使わなくても。」

いい思い出はない、と語りながらふと懐かしむような遠い目を見せた事に愛は気付いた。
今なら不意を付いて倒せるかもしれないと思いつつ、それは出来なかった。
あんなに尊敬していた先輩が敵として存在している理由を知りたい、それだけではなく
何かが引っかかると感じていた。

「ただ、下の子達にはなんでか懐かれてたから、それはまぁ悪い思い出じゃあないか。」

しばらくして2人はある夫婦に引き取られ、初めて名字が与えられた。
実の子のように可愛がって育てられた2人だが、やがて悲劇が訪れる。

「父さんがね。死んだの。」
趣味の山登りに行っての事故死という事だった。──表向きには。

「でも遺体を見てアタシにはわかった。あれは、組織の仕業。間違いない。」


804 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 16:04:30.62 0
その後成長した真希は密かに欠員補充のための能力者を探していた『M。』の指令に見出され、
M。の追加メンバーとしてアサ=ヤンに加入する。
程なくして弟の裕樹も別部署のメンバーとして加入した。

「居場所を見つけたような気がしたんだよね。父さんの敵も討てると思ったし。
それに、どうせいつかは粛清される筈。それならこっちから先にやってやるって思った。」

そこまで語って不意に愛を見据えて言う。

「来るのはアンタだと思ってたけど。」

当然の推測である。
最強クラスの戦闘能力を持つg923を倒すには、それと同等かそれ以上の能力を持つi914を
ぶつけるのがどう考えても正しい。
脱走の時にはまだi914は実戦に投入できる段階まで成長してなかった事が幸運であった。

「だからアンタがまさか後輩になってると知った時にはちょっと驚いたんだよ、これでも。」
「───いつ、分かったんですか。」
「最後の作戦の前。手合わせしたでしょ。あん時。」

忘れもしないアサ=ヤン壊滅に至った、作戦コードDIN。
確かにその実行1週間ほど前、実戦形式の訓練ということで、愛は後藤と仕合っていた。
そういえば後藤と訓練とはいえ実際に戦ったのは、あの時が最初で最後だった。

「それまでの話で組織から抜け出して来たんだってのは大体分かってたけど。」
場にそぐわぬ自嘲気味に見える微笑を浮かべながら続ける。
「まさかよりによってあのi914が来たとはね。」
「なんであたしだと──」「はっ。」聞き慣れた鼻で笑う声。
「最初は訓練のつもりだったけど段々実戦やってる気になって来てたさ。
アタシを本気にさせる程の力を持った奴なんてそうそういる訳がないじゃん。」

805 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 16:05:14.63 0
「だから裏切ったって言うんですか。」
怒りとも寂しさともつかない感情のこみ上がりを抑えて問い質す愛。
「あたしが、同じところに来たから──。」
「裏切ったのは違うな。帰ったんだよ。元居たところに。」
先程までとは違う、冷たい声で応える。
「ま、結構ダメージ与えて逃げ出した奴がすんなり戻れる程甘い組織じゃないからね。
本部壊滅くらいの手土産は必要だったってこと。」
「なんで!何で一緒に戦うんじゃだめだったんですか!」
「言ったろ?アタシは戦うために生まれたんだって。」
「だから!」
「アタシはね、強い奴と戦いたい。そのためなら光でも闇でも関係ない。それに───」
既に後藤真希だった時のまなざしはなく、冷たい眼でしっかりと見据え、そして告げる。
「アタシが一番戦いたいのは、やっぱりアンタだよ。i914。」
「そんな───」

言い終わるやいなや一気に距離を詰め、両手に鉤爪を持つ姿に変えての攻撃。
肉体同士の戦いでは愛はどうしても防戦一方になる。思考は相変わらず読めないが、
そもそもこのスピードでは例え読めたとしても既に攻撃を喰らった後だろう。
ひとまず距離を取り優位に立つため愛は相手の背後に瞬間移動する。
瞬間、虚空に放った後ろ回し蹴りがそこに現れた愛の鳩尾に命中した。

「ぐあっ!」

崩れ落ちる愛。
なんとか立ち上がろうとするが、まったくガード出来ない状態で受けた衝撃は、殊の外
大きかった。

「アタシの勘を舐めちゃいけないな。さて、話は終わり。立てないんなら死んで貰うよ。」

そう言って彼女はその巨大な鉤爪を振りかざした。

806 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 16:11:34.77 0

───ヒュン!

通りの入口方向から飛んできた物体はすかさずガードした腕に当たって砕け散った。
虚をつかれて一瞬怯んだ後藤に、さらに襲いかかる脚。

「でぇぇぇいやぁぁぁあああ!!」

渾身の力を込めたであろう跳び蹴りの衝撃に、敵は数10m先まで吹き飛ばされた。
跳び蹴りの主はそのまま着地して、まだ立ち上がれないでいる愛に駆け寄った。

「愛ちゃん!!」
「れいな!なんでここに!?」
「れいな帰ろうとして電車乗ったけん、なんか嫌な予感がして次の駅で引き返したと!
そしたら愛ちゃんの呼ぶ声が聞こえたけん、やけんれいなここに来よったと。」

どうだ、とばかりに誇らしげなれいなに愛は安堵の色を浮かべた。
が、それも束の間。敵の立ち上がる気配に2人は戦闘態勢で向き直る。

「もう大丈夫。れいなが来たけん、2人で戦えばそうそう負けんっちゃ。」
「あんがと。でも気ぃつけて。あの人を甘く見ちゃだめ。」
「分かっとう。愛ちゃんが苦戦するくらいやもん。でも、、、───え?」
「──れいな?」


807 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 16:11:58.99 0




「───真希姉ぇ───」





                                  (つづく)


808 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 16:12:58.44 0
>>801-807


809 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 16:28:22.58 0
ということで、>>85-91 [MM。](11)085の続きです
長くなるのは設定広げすぎだというのは自覚しているつもりですがしかし

多分あと1回+エピローグで終わる筈なんで今しばらくお許しを


それにしてもあと2レスでさるさん喰らった時はどうしようかと思いましたが
とりあえず別回線繋げてなんとかなりました
20秒規制ではじかれたのもカウント入るんですかねぇ


810 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 16:48:16.45 0

仕事中にて
帰宅後ゆっくり読みます

811 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 17:47:14.49 O


812 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 18:57:24.59 0
夕ご飯のリゾナント

813 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 19:15:55.85 0
i914とg923の能力値をパラメーターにしてくれ

814 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 19:42:48.25 0
r017

815 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 19:53:19.92 0
>>749および>>769ですが予定通り本日22時に1本投下します
ないやい本編の[Linlin](07)449 『打ち砕かれた思い、悲しい決意』及び
[Junjun](09)068 『その声は届かない』あたりの話をマターリよんでお待ち下さい

リクエストしていただいたのに残念ながらほのぼの路線ではありませんorz

816 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 20:28:20.72 0
マッテルヨ

817 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 20:29:18.93 0
「養護施設」でもしやとは思ったが
このスレは関係無さそうなものがどんどん繋がって来るんで面白い

818 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 20:30:03.49 0
養護施設って?なにが?

819 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 20:55:43.17 0
父母を無くしたれいなは養護施設で暮らしていたという
設定で何作も小説が書かれている
809さんの小説では組織から逃げ出したg923は、一時期
養護施設に身を寄せていたと書かれているから、2人の間
に接点がある、ということでは?
もし間違ってたら御免w

820 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 21:03:33.99 0
>>819
代わりに説明してもらっちゃって申し訳ないです
その通りです
って言うか>>807でそう言う話だと思ったんだけど違うんだろうか?

821 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 21:09:49.97 O
ずっと「真希怖ぇ」って読んでて意味わからなかったけど解決w
そんな伏線があったのに読み間違えてたとか作者様に申し訳ない…
そういうリゾナントの連鎖で世界や人物像が広がるのはこのスレの醍醐味だよね

822 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 21:10:39.05 0
>>821
いやあ同じ人がいたとはw

823 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 21:11:28.78 0
真希怖ぇってなんだよその外したオチみたいな感じw

824 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 21:12:50.01 0
俺はえりりんの膝枕が怖ぇ

825 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 21:28:45.52 O
>>815
おっ ないやいさんですね
楽しみにしてます

826 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 21:51:56.78 0
>>796
>私のリゾナント世界でのさゆえりはあの過去編の上に成り立ってます
めちゃめちゃ嬉しいお言葉です
ありがとうございます
次作を楽しみにしています

>>815
もうすぐですね
楽しみにしています

827 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 22:00:12.04 0
それでは投下します注意事項は下記の通り

・短めのような標準的なような
・こんなのみつリンじゃないやい
・路線はっきりさせろ
・ないやい節炸裂

以上ですそれではしばしお付き合いください

828 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 22:01:24.76 0
いつの間にか、眠っていたようである。
微睡みからゆっくりと覚醒していく意識、開いた目に飛び込んでくるオレンジ色の夕日。


「あ、目ぇ覚めたん?」


柔らかい関西弁が耳に届いて、リンリンは視線を声がした方に向ける。
リンリンが座っているテーブルの反対側のテーブルで、愛佳が小さく笑っていた。
そのテーブルに広げられている、教科書とノート。


「光井サン、こんにチわ。
あレ、高橋サンと田中サンはどこでスか?」

「高橋さんと田中さんは、2人で買い出しに出かけてん。
で、愛佳はその間だけ店番。
そういえば、リンリン、疲れてたん?
めっちゃよう寝とったで」

「アー、最近、夜眠れないんでス。
そノ代わりに、お昼寝すルようになりましタ」


リンリンは苦笑いしながら、愛佳を見つめる。
刻々と変わっていく未来を読み取り、リゾナンターを不測の事態から守る不戦の守護者。
こうして勉強道具をテーブルに広げている時は、年相応の幼さを感じさせるというのに。
予知能力を発動し淡々と未来を読み上げる姿に、人知れず見入ることもしばしばだった。

その瞳が見つめる先にある未来は、どんな色をしているのだろう。
希望に満ちた明るい色なのか、深い深い闇のような色なのか。

829 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 22:02:09.15 0
必要以上に予知能力を発動せず、ただその瞬間に視えた未来だけを語る愛佳。
その予知能力の精度は、リンリンが知りうる限りの能力者界隈ではトップクラスと言えた。

そもそも、未来とはこれから訪れる時であり。
そして、その数は無数とさえ言える。
愛佳はその膨大すぎるあらゆる未来の中から、瞬時に自分やリゾナンターに関わる未来を読み取るのだ。
未来を読むために生まれてきたのではないかと思わせるくらい、愛佳が読み取る未来には寸分の狂いもなかった。

だが、愛佳はその視えた未来を皆に伝えはしても。
伝えること以上の行為は逸脱した行為やから基本的にはせぇへんと言う。
日常生活程度のことならまだしも、リゾナンターの未来に関わることをその手で変えようとは絶対にしない愛佳。

未来を視る、使いようによっては攻撃能力よりも絶大な力を持ちながらも、
あくまでも人間でありたいと言う愛佳の姿は年齢以上の落ち着きを漂わせていた。

それでも。
視ることが出来るのならば、教えて欲しかった。

―――リゾナンターを裏切る仲間は、一体誰なのかと。


夜がくる度に、あの時の言葉が思い出されてリンリンの胸を締め付ける。
その度に涙が溢れて、息が止まりそうで。
例え、誰が裏切り者なのか分かったとしてもこの胸の内が晴れることはない。
それが分かっていてもなお、知りたかった。

知りたいと思う気持ちを愛佳にぶつけずにいることが出来るのは、
その未来を読み取った愛佳が深く苦しみ傷つくと分かっているから。。
その予知能力故に、幼い頃からリゾナンターに出会うまで友や家族に退けられてきた愛佳。
大切な居場所を見つけて心から笑えるようになったのだと嬉しそうに笑う愛佳を、
自分の苦しみに巻き込むことは出来ない。

830 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 22:03:12.59 0
「余り人の心に土足で入るようなことはしたくないんやけど。
リンリン…ジュンジュンがめっちゃ心配しとったで。
もちろん、愛佳達もやけど。
何があったか知らんけど、いつまでも落ち込んだままやとジュンジュン可哀想やで」

「アー、ごめんナさい」

「謝らんでもいいから、リンリン、こっちおいで」


言われた通り、愛佳のいるテーブルへと近寄るリンリン。
手を伸ばせば触れられる距離まで近づいたリンリンを、愛佳はそっと抱き寄せる。
どんなことを思っているのか明確な言葉で聞こえるわけじゃない、だけど抱き寄せられた体に伝わってくる彼女の優しさ。
その優しさは純粋で、何の打算も感じられない。

温かな優しさに触れているというのにそう思ってしまう自分が悔しくて、大嫌いで。
きつく唇を噛みしめて、こみ上げてくる涙を無理矢理飲み込む。
共鳴する孤独と悲しみに呼ばれて、共鳴によって長く続いていた孤独と悲しみから救われたというのに。

―――この心に救いを与えてくれた共鳴が、また全てを壊していこうとしているのか。


何も言えずに黙り込むリンリンを、優しく包み込む温もり。
何も知らなければ、この温もりをただただ素直に受け止めて微笑むことが出来た。

知ってしまった今は、こんなに純粋な優しさですら疑いの目で見てしまう。

831 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 22:04:47.17 0
「あんなぁ、リンリン。
比翼連理、って四文字熟語知ってる?
元々は、中国の詩人、白居易の代表作の1つ『長恨歌』の一文から出来た言葉なんやけど」

「比翼ノ鳥と、連理の枝ガ合わさっタ言葉ですカ?」

「そうや、天に在りては願わくば比翼の鳥と作り。
地に在りては願わくば連理の枝と為らん、この一文から生まれた言葉や」

「何故、そんなことを聞くのでスか?」


中国に生まれ育ったリンリンにとっては、愛佳の言い出した言葉の真意が分かりかねた。
その文の意味合いはもちろん知っているが、今このタイミングでそんな話になるのかが分からない。
誰かに恋でもしているのだろうか、愛佳は。


「あ、リンリン、今愛佳が誰かに恋でもしてるのかって思ったやろ。
ちゃうで、そういうことやない」

「じゃあ、何なのでスか?」

「この言葉は確かに、男女の相思相愛の関係を例える言葉やし、そういう意味や。
だけど、愛佳、この言葉を習った時に違うこと思ったんよ。
この言葉、まるでリゾナンターの皆みたいやな、って。
恋とかそういう感情じゃないけれど、共鳴によって呼び合って響きあって、
そんな深い感情で繋がってる、皆」

832 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 22:05:55.47 0
愛佳の言葉は静かに、リンリンの心を揺らしていく。
本来の言葉が持つ意味とは違うだろう、だが、愛佳の言いたいことが何となく分かってきて。
あの時から続いている悲しみの色が、少し和らいできたような気がした。
リンリンの心が少しずつ変化しているのを感じながら、愛佳は再び言葉を発する。


「仲がよくて離れがたい、そういう意味もあるんや、この言葉には。
な、何か愛佳達みたいやろ。
もちろん、辛いことだって一杯あるし、これからもきっとある。
だけど、離れたいなんてこれっぽっちも思わんのは。
悲しみも喜びも全部、共鳴して分かち合えるからやって、そう思うんよ」

「光井、サン…」

「そりゃ、時には共鳴するのが辛い時もあるけど。
思ってること全部何となく伝わっちゃったりするから、隠しておきたいことでもバレちゃうこともあるけど。
それでも、愛佳はこのよう分からん感覚があってよかったって思うよ。
それがなかったら、皆に出会えてへんかった」

「出会わナければよかっタと、思ったりシないノですカ?」


リンリンの問いかけに、愛佳は小さく微笑む。
そして、問いかけに答える代わりにリンリンの背中に回した腕に力を込めた。
伝わるだろうか、この想いは。
きっと伝わる、そう思いながら愛佳は言葉を紡ぐ。

833 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 22:06:56.06 0
「そんなこと、全然思わん。
この苦しみを一緒に乗り越えようとしてくれる、喜びを分かち合うことができる。
そんな仲間が出来て、何でそんな風に思わんといかんの?
仲間に傷つけられることももしかしたらあるかもしれん、
やけど、愛佳は出会わなければよかったなんて思わん、だって」


皆で分かち合ってきた想いは、全部ほんまもんやって信じてるから、と。
そう呟いて、リンリンの肩に顔を埋める愛佳。
愛佳の背中に手を回して、嗚咽を堪えるその小さな背中を撫でるリンリン。
フラッシュバックする記憶とダイレクトに伝わってくる悲しみに、リンリンは頭を抱えたい衝動を堪える。


『たまに、寝てる時に予知能力が勝手に発動するんよ。
大概、そういう時に見る夢って嫌な夢ばっかりで、
起きてからずっとブルーやで。
忘れることも出来んし、下手に誰にも言えんような夢を見ることもあるし』


あぁ、この少女は。
―――きっと、あの時のことも視えていたのだ。

愛佳の心境を思えば思う程、胸が苦しくなる。
知っていて、その未来を口にすることが出来ない苦しみは如何ばかりか。
想像することすら、おこがましい気がした。

視えた未来がどんなものであろうと、その未来を大きく変えてしまうことは出来ないししたくない。
だけど、能力者としての自分でないただの人としては、その未来を変えてしまいたい。
相反するものを心に抱えながら、愛佳が愛佳としていられるのは。

誰よりも皆と、共鳴して伝わってくる気持ちを信じているから。
どんな暗い未来も、気持ち1つで変えていけるのだと強く強く信じているから。

834 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 22:08:04.07 0
あの時に打ち砕かれたはずの想いが蘇ってくる。
そうだ、あの時自分は確かに言った。

私は皆を信じる、と。


「あー、もう。
泣くつもりなかったんやけどなぁ、格好悪っ」

「格好悪くなイですよ、光井サンは。
あ、でも、鼻垂れテるのはちょっト、どウかと思いマすけド」

「うっさいわ!
誰が泣かしたと思っとるねん!
もういい、リンリンなんて知らん」


そっぽを向いてしまった愛佳に、ポケットティッシュを差し出しながら。
リンリンは愛佳に向けて心の中で大きく、ありがとうと言う。

信じるだけで変わるのなら苦労などない、そんなことは子供でも分かること。
だが、皆を信じるこの想いが皆にしっかりと届いているのなら。
今もなお裏切りを続ける仲間の気持ちも、きっと変わるはず。
誰よりも強く信じれば、既に決まっている未来が変わるなんて奇跡も起きるかもしれない。

とりあえず、愛佳の機嫌を直さなければ。
こんなところを小春にでも見られた日には、電流ビリビリどころでは済まないに違いない。

835 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 22:09:04.38 0
「久シ振りに着たTシャツがピチピチにナったよ、でモそんナの関係ネぇ!」

「…古い、もうそのギャグは古すぎて寒いだけやわ、リンリン。
しかもTシャツピチピチとかきっついわぁ」

「でモそんナの関係ネぇ!」

「はいはい、分かったから別のギャグにして」

「じゃあ、エアーロデオやりマす!」


もうそれは見飽きたって、と言いながらため息をつく愛佳。
それにもめげずにハイッハイッと珍妙な動きを繰り返すリンリン。
端から見たら寒い光景でしかない。

だが、2人とも心の中では穏やかに笑い合っていた。
笑い合う2人の心の声に、何か楽しいことでもあったのかと次々に話しかけてくる声。
心と心が繋がって、柔らかくて優しい声が共鳴して増幅していく。
それぞれの声に宿る温もりが、ひたひたとリンリンと愛佳の心を満たし。


―――今日は久し振りに夜に眠ることが出来そうだと、リンリンは小さく微笑んだ。

836 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 22:10:03.15 0
>>828-835
更新は以上になります

837 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 22:13:54.08 0
>>836
乙!
ウマイ!文章能力が凄いね!
普段小説とか読んでそう
俺にはこんなの絶対書けないわw

838 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 22:15:44.24 0
「普段小説とか読んでそう」ってw
俺だって読んでるわ小説くらいw
こんなの書けないっていうのは同意だけど

839 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 22:18:52.76 0
>>836
乙でした
リンリンとみっつぃーという組み合わせはありそうでなかったですよね
知的な会話でそれでいて温かい
連理の枝を共鳴に当てはめるかあ・・・センスがありますねえ
お見事です

840 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 22:21:38.83 0
俺小説全く読まないから小説読む人ってすごく賢いイメージがあるんだよねw

841 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 22:25:58.10 0
予知能力者の解説がスゴイ説得力ある
嘘が上手につける人(いい意味で、ですよもちろん)って尊敬する

842 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 23:07:13.24 0
エアロデオナツカシスw

843 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 23:35:09.08 0
>>836
乙でした
6期視点で書かれた作品とラストの状況は似てるんですよね
そこに居ないメンバーが心に話しかけてくるという状況が
なのにこうも読後感が違うという
哀しみを突き抜けた所に幸せがあるのか
哀しみと幸せは背中合わせなのか
ないやいの人には、どちらの路線も極めて欲しいものです

844 :名無し募集中。。。:2008/07/17(木) 23:45:12.79 0
>>785
です。視点やチェックミスは申し訳ないです(滝汗)
ですがお楽しみ頂けたようで何よりです。
次作は全く考えてないと言うオチですがorz

>>793
勝手にリゾナントさせて頂きました(汗)
新しいものを書くと皆さんが混乱されるかと思ったので番外編のようなものを、と。
またこんな形で現れるかもしれませんがひとまず隠れます。
有難う御座いました。

投稿作品はまとめページの掲示板で申請するという形を
とった方が良いのでしょうか??


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