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リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第11話

1 :名無し募集中。。。:2008/07/07(月) 21:11:51.19 0
<一体、何処に行くって言うんだ
   _, ,_
川*’ー’)<<胸の高鳴る方へ

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リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第10話
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テンプレ>>2-17ぐらいまで

711 :名無し募集中。。。:2008/07/16(水) 02:22:52.27 0

*  *  *  *

村のさらに奥地に広がる、大きな滝。
かつて、村に子どもが生まれなくなった時、神と交わした契約。
【60年ごとに13歳の少女を捧げる】

麗奈は村の長老の合図で、滝を望むキッサキに来ていた。

儀式、祈りの間、心を合わせず、今日のデキゴトを思い返す。
村から出たことのない自分の、人生の最期の日にやってきた美しい女性。
耳慣れない言語で、自分の為に涙を流してくれた、優しい人。
何かしら、不思議な力があるのだろう…触れ合った瞬間に感じた、電気のような感覚。

「生きたくないんか?」

初めて真正面から問われた言葉。本当は頷いて、その手をとってしまいたかった。
幼い時から、決まっていた、運命。
全て投げ出してしまいたくなるくらい、彼女の胸は温かかった。

祈りが明け、いよいよ自分の番になる。
滝に向かい、歩みを進めた。

ききー!!

急ブレーキの音に振り返ると、血相を変えた父がこちらに向かって走ってくる。
村の自警団に止められて、それでも向かってくる、父。
弾かれたように私の名を何度も泣き叫び始める、母。


712 :名無し募集中。。。:2008/07/16(水) 02:23:29.63 0

行かなきゃ、あたし。
これ以上したら、父も母も生きられなくなる。
今まで、自分はこの為に生きているのだと思って生きてきた
この為に両親は自分を生かしているのだと…それは間違いだった。
両親と自分を繋いでいたのは、ホンモノの愛だったのだ…

それがわかっただけでも、自分の人生に少し意味を見出した気がした…
ありがとう、口の形でそう伝えて、私は滝つぼに身を投げた。


 落下する 二乗の速さで   それなのに ゆっくり


こんな時になって、あふれ出す想い
 死にたくない、じゃない。生きたい。生きたかった。
  死への否定、恐怖じゃない。
  生への肯定、渇望。
それは初めての感情。ううん、初めて素直に認めた感情。


 ねえ、愛さん。もし生まれ変わったら、
 私と友達になってくれますか?


水面に叩きつけられる衝撃まで、もう、秒という単位では大きすぎた…
 



713 :名無し募集中。。。:2008/07/16(水) 02:24:19.73 0


「…いやや」

聞こえるはずのない声が聞こえて、体が浮きあがった。
意識が一度消えて、気がつくとそこに地面があった。

抱かれている。抱きかかえられている。この村の守り神の仮面を纏った、眩い光に。
呆然と私達を見つめる、村のみんなの瞳。

【契約は破棄された。お前たちはこの鎖から解き放たれた。】

その言葉に村のみんなが、弾かれたように地に頭をつけて礼をする。
皆、泣いているんだ。本当は開放されたかった。私だけじゃなく、みんな。

【今後一切、このようなことをしてはいけない 誓うのだ、人間】


光は、私を地に降ろすと耳元でそっと囁いた
「生まれ変わらんで。あーしは…麗奈ちゃんと、友達になりたい。」


仮面を残して、守り神は消えた

私の生命が再び始まった




714 :名無し募集中。。。:2008/07/16(水) 02:24:55.08 0

*  *  *  *

「愛ちゃん、なんか手紙」
半ば叩きつけられる様に手紙を渡される。何やの?
なかなか出て行かないれいなを横目に見ながら、それを開封した。

中学生とは思えない、整った文字列。それは、黒田麗奈ちゃんからの手紙。
あんな力を見せたことで、怖がられるかと思ったけど、そんなことは無かった。
思えば、初めてかもしれない。所謂「人間」の友達って…

「キレイな字やねー」
いつの間にか背後に回ったれいながそれを覗き込んできたので、一応叱るふりをする。
その拍子に散らばる同封された麗奈ちゃんの切り取られた日常―写真

その背景は、何度か訪れたあの村とはかけ離れた都会。
彼女は引っ越したのだ。両親と共に。

それは逃げなのか、彼女に何度も問われた。 あーしは答えた、それは違うと。

彼女自身が辛い、それもあった。
でも本当に何が辛かったのか、それは皆が自分を見て儀式を思い起こすこと。

掟や風習ごと全部壊してやれたら良かったと思う。
でも、人間の弱い心を守る仕組み全部を変えるのは本当に難しい。
成功するかもわからないのに、長い年月なんてかけていられなかった。
あの日、あの時ことを成さないと麗奈ちゃんを助けることは出来なかった


そして…何よりも心の弱さで、村人たちを人殺しにしたくなかった。



715 :名無し募集中。。。:2008/07/16(水) 02:25:33.58 0

目を閉じれば蘇る、村を棄てた日―
村人の狂気が牙を剥いた…でもそれは、自分たちを守る為―
孤独になりたくない、その弱い心で、あーしを殺そうとした―

その結果、おばあちゃんの命が犠牲になった

もう誰も死んでほしくない。
そして同時にもう誰にも人を殺してほしくない、そう思う。
孤独の犠牲になる人は、もう見たくない

お前のそれは綺麗ごとだと言われるのかもしれない…
そう呼びたいならそう呼べば良い そもそも人の心で完全に綺麗なものなんかないんだから

一見合理的に、また不合理に区別することでは、孤独は消えない
生きて、生きることにしがみついて得られるものの中から、救いを見出すしかないのだ


死は、その機会を奪う。

誰かの死で孤独は消えない。

孤独が連鎖するだけだ。

孤独を共鳴させる、装置でしかないんだ



716 :名無し募集中。。。:2008/07/16(水) 02:26:53.74 0


写真の中の麗奈ちゃんの笑顔が、あの日の質問を思い起こさせる…

「愛さん、外の世界は、楽しいですか?」

拾う手を止め、そのせりふを反芻させる。
いくらあーしでも、なんと答えれば良いか、わかっていた。
『希望』『喜び』『愛』『友情』―彼女に約束された、色とりどりの日々

「楽しいだけじゃ、ないよ。」
でもそれは、正解であって、真実ではないと、思った。

『絶望』『悲しみ』『裏切り』『孤独』―それが、生きなければならない、世界。
心かき乱されて、眠れぬ夜もある。涙止まらぬ日がある。

「それでも、あーしは外に出て、今を本当に感謝してる」
 共鳴できる、仲間に出会えたから。自分を取り戻せたから…


なんて答えやろ…今思えば、ちっとも空気読んでえんわ…繋がってないし
むしろあんな答えに頷いてくれて…麗奈ちゃんに空気読ませてしまった

不安にさせてしまったやろな…



717 :名無し募集中。。。:2008/07/16(水) 02:27:31.50 0

「愛ちゃん、怒っとー?」
あーしが動かんかったからか、れいなが散らばった写真を全て集めて心配そうに覗き込む。
怒ってえんよ、そう言いながら、軽く頭を撫でる。
ほんの少し、彼女に投影させながら。


「愛ちゃん、なんか可愛い子やね」

照れ隠しにれいなに手渡された写真に、思わず目を見開く

彼女と…その隣に二人の女の子
慌てて写真を裏返すと、他の写真には無い、メモがしてあった


 私の初めての友達です
 この間、初めて喧嘩しました 初めて仲直りしました
 苦しかった。怖かった。もう嫌にもなりました
 でも、この子達と出会えて良かったって喧嘩する前より思えるようになった
 愛さん、命をありがとう 外は苦しくって、楽しい世界です


伝わってた…ううん、伝わって無くても、良い。

あーしとこの子は今、同じ感情を共有してる。



718 :名無し募集中。。。:2008/07/16(水) 02:28:24.15 0


人は、世界は、共鳴する。
生きるから共鳴して、共鳴することによって、生きる。
欠けてほしくない、どんな小さなピースでも

それがどんなに大きなことと言われても、タワゴトだ、理想だと罵られても、
自分くらい青臭くても良いと思った。




麗奈ちゃん、良かったね。今度、紹介してな。

あーしにもおるんやで、
生きる意味と生きる価値を教えてくれた、仲間が。


返事を書こう。精一杯の言葉で。
溢れる想いは、言の葉に託そう。


手紙の最後に付け加える言葉、
『近くにお越しの際は、どうぞ喫茶リゾナントへ。』




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