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リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第11話
- 1 :名無し募集中。。。:2008/07/07(月) 21:11:51.19 0
- <一体、何処に行くって言うんだ
_, ,_
川*’ー’)<<胸の高鳴る方へ
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リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第10話
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テンプレ>>2-17ぐらいまで
- 63 :名無し募集中。。。:2008/07/08(火) 02:35:21.73 0
- 役割を果たしきれなかった…それでも保全作品を
* * * *
愛ちゃんから来たメールに思わず頬が緩んだ
いけないいけない。頬が緩むなんて簡単に口にしちゃ。
ほっぺをふにふにマッサージする。
「あっれぇ。みちしげさんじゃないスかぁ」
何してるんですか? 心底嬉しそうにその人影は近付いてくる
たぶん、今一番逢いたくない人物
「道重さん、美味しいケーキのお店見つけたんですよ!
一緒に行きましょう!!」
今まで喫茶店で働いてきた私に何を言うんだ、そう言い返そうとしてやめる
無駄だ。無駄無駄。
自分に出来るのはただ、この子に出会った不運を恨むことのみだ。
今日は楽しもう。
彼女―久住小春の世界に足を踏み入れたことを、そう、パラレル感覚で。
- 64 :名無し募集中。。。:2008/07/08(火) 02:36:15.15 0
-
* * * *
「じゃ、さゆ。いろいろ教えてやってな」
そう言ってリーダーに引き渡されたのは、どことなく冷たい目をした少女。
いろいろ教える…って言っても、その子はなんでもそつなくこなしちゃう
仮に少し気になることがあっても、注意が入ってるのか入ってないのかわからない
なんで私なんだろ…
あの子の方が戦闘で役に立つのに
なんで聞いてくれないんだろ
私がいろいろちゃんと出来ないから?
表面上は何も、問題の無い私達。
でも、きっと心の溝はみるみる広がっていった。
それと共に私の眉毛はストレスでどんどん無くなっていって…
まさか、促進の力を自分の眉に使うとは思ってなかった
重い気持ちは圧力となって、体外に呼気として吐き出された
さゆみは、みんなに相談した。
自分は教育係なんて不向きじゃないか、どうすればいいかって
それが、見えない圧力となって、小春ちゃんを苦しめていると、知らずに
- 65 :名無し募集中。。。:2008/07/08(火) 02:36:59.81 0
-
ある夜の出撃。
忘れもしない。その日、自分には疲れからくる油断があった。
気付いた時には、もう敵が目の前にいて…
回復の仕事を任された自分がしなければならないのは、回避なのに。
自分の前に躍り出たのは、小春ちゃん。私にはなくても、小春ちゃんなら十分に余裕があった。
それなのに彼女は電撃を帯びたその手を、直前で止めた。
誰の目に見ても明らか、それはわざとだった。
敵の刃が、彼女の体をなぞる。持ち主から、零れ、離れていく、赤い液体。
よろめく彼女を抱きとめて、気付く。彼女がうっすらと微笑んでいたことに。
怪我は軽いものだった。
自分が受けていたら、どうなっていたかは、わからなかったけど。
「小春。話がある」
ガキさんへの目配せの後、彼女を呼び出そうとする愛ちゃん。
このまま、任せてしまいたい。そうも思った。
でも、あの微笑み。あれを見たのは、自分だけ。
「愛ちゃん、さゆみに任せて下さい」
その言葉に一番驚いたのは、さゆみ自身だったけど…
- 66 :名無し募集中。。。:2008/07/08(火) 02:37:47.28 0
-
ソファに寝転がる小春ちゃんと、隙間に浅く腰掛けるさゆみ
地球上の酸素が重みを増したような、沈黙。その沈黙を破ったのは、小春ちゃんだった。
「すみません、道重さんの回復、一回体験してみたかったんです」
なんなの、それ。すごく身勝手。
それじゃまるで、さゆみの力への興味で…怪我したっていうの?
さゆみが、どんな気持ちで回復してるか。どんな気持ちでこの力を使ってるか。
「っ…!」
気付けば、小春ちゃんの上に乗って襟元を掴んで引き寄せていた。自分には到底似合わない行為。
やっぱりこの子のことなんか、全然わからない。わかりたくもない。
へらへらへら…それは許せる。でも、これだけは許せない。
命を軽がるしく扱う人間は許せない。それが自分の命でも、人のものでも。
「痛いです、道重さん。」
出来うる限り睨みつける。出来うる限り、力をこめる。
「ええと…小春、道重さんに回復してもらったら、もう少し近づけるかと思ってました」
やめとけば良かったですね。痛かったですし。ははは…
その言葉に、さゆみのなかの怒りが消えていくのがわかる。
「道重さん、私のこと嫌いなのかなって。」
あ、小春、誰かが自分をキライならキライで良かったんですよ、今まで。
でもあの時、道重さんがピンチなの見て、迷わず体が動いた。
そんな自分が嬉しかった。そしたらどうしても、試したくなった。
- 67 :名無し募集中。。。:2008/07/08(火) 02:39:39.47 0
-
「道重さん、小春回復してくれるのかなって」
命、命は大事です。痛いのも負けるのもホントに嫌い。
けど、なんでだろう。どうしても、試したくなったんです。
「小春、思ってたより道重さんが好きみたいで。近付きたくて」
馬鹿なことしました。みんなに心配かけました。
道重さんにも…嫌われました。やーこんなの言い訳ですよね。ははは…
端正な顔立ちに張り付いた笑顔―どうしてそんな顔をする?
自分はこう結論付けてた、心の無い、自由人だから。けど、ホントは真逆。
心があるから、この笑顔で、心をを傷つけるものから、隠そうとした。
孤独を知らないんじゃない。痛みがわからないんじゃない。
わかるから、わかり過ぎるから、笑顔の仮面を貼り付けてた。
「アホやろ、小春ちゃん!そんな気の引き方しか、わからんの?」
「アホじゃないで…な、なんで、道重さんが泣くんですか?」
思い起こす、教育係をした数ヶ月間
ただ、自分に必死で、仮面の下の大切なものが何も見えていなかった
さゆみ、全部、小春ちゃんのせいにしてた。
「これは涙じゃない……」
頬をなぞるそれが、小春ちゃんの仮面を消せば良いと思った。
さゆみの彼女への偏見という名の棘を、そぎ落とせば良いと思った。
もう一度始めさせて、小春ちゃん さゆみは、教育係失格なの
- 68 :名無し募集中。。。:2008/07/08(火) 02:40:15.28 0
-
「道重さん、聞いてますかー?」
ここのパパンケーキおいしー!なんて叫ぶ彼女を上手いことあしらいながら、
さゆみはガラスに映る自分たちを見つめる
あの日から、自分は教育係をやめた。
さゆみ、そういうのやっぱ向いてないみたいだから
その代わり、ある役職を貰った
「道重さんは、小春の友達一号なんですからねー。自信もって下さいね」
結構暗い台詞なのに、彼女が言うとなんだか楽しい。
しかしなんでこんな偉そうなんだ。
「はいはい。さゆみ明日一限からだから、もう帰るね」
友達の事情は汲むべきなんだよ、小春ちゃん
教育係でなく、人生の先輩としてのアドバイス。
友達としてきっちり割り勘して店を出た。
私は先輩としておごる。小春ちゃんは社会人としておごる。
ふたつが打ち消しあったと考えても面白い。
小春もこの後撮影なんで帰ります。
何気なくそう言われて、気付かないフリをしてエールを送った
なぁんや、小春ちゃん。
撮影の合間に、さゆみがリゾナントから帰る頃を見計らって出てきたんやね
- 69 :名無し募集中。。。:2008/07/08(火) 02:40:51.17 0
-
自由人のくせして、こういうところはかわいすぎる。
太ったとか、話つまんないとか、毛穴見せろだのいろいろ腹も立つんだけど、
小春ちゃんなりにさゆみに近付こうとしてくれてるんだよね
最初、近付き方を間違えて傷つけあった私達
でも、あの体験があったから、いまのさゆみたちの関係がある
教育係なんて言って、実はさゆみの方が成長した気がする
相変わらず小春ちゃんは何考えてるのかわからない。
最初より、もっと酷い部分もある。
でもそれでもいい。
繋がりたい、その気持ちがあるのはわかってて
その気持ちだけで、自分たちは繋がってるって確信できる。
何度だって、やり直せるんだ。
見えなくなった小春ちゃんの背中を
仲間のいる月に託して、
私はやっと帰路についた。
その距離がいくら離れても、私達は繋がっている。
何よりも強く。
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