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HELLSINGのキャラがルイズに召喚されました part11

1 :マロン名無しさん:2009/05/26(火) 00:38:08 ID:???
HELLSINGのキャラがルイズに召喚されました part10
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1227454432/

あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part231
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1242832653/

まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/
※左のメニューの【お預かり作品】に作品があります。



           我らはSS投下者の代理人
            保守のスレッド代行者
          ,___
        /゙      ` ̄ ̄`-,―ー,ハ、 _ ,--、 ,_
       l            |   ゙//:´::::|(二二,)
       ゙l \ヽ`ー―−- - |   ,iii,,ゝ:::::|(二二 )       我らが使命は
         |    _`、_ 。 。 。.|。 。,ii,l iノ ̄ヽ(゙~l`)     投下者に襲う規制を
        ゙l  i  ` ̄~`tーーl_,_:/:lヽ、___,/-´    そのレスの最後の一片までも
         ゙|  i  ー´~l::::::::::::::::://::::_,(二)        ―――保守する事―――
         l  i       |::::○ ::::○::::: | ,ー´
           l, i   イ ゙l::::::::::::::::::::::::::|i:::|ヘー、_
         く  i   i   |:::(二)ヽ::::::::::|i:::|lノ ゙゙  `ヽ
           ゙ゝ`i ノ ,i⌒i⌒i⌒l~ヽ i ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ー、
         <´ゝ- (二| ,i  l  i , |iiニ,__i ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ i ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
゙\   ,_,ー´ ̄ー ,/ /:゙ヽ,_,_,_,,ノ゙> |i:::|y  _,ー´ ̄/
  ヽ ヽ,   _-ー´,,ノ:::::::。,>`-ーー、,ゝ.|i:::|    i  ゙̄/
   |ー,く (,_,ー゙ ̄´ :::::::。゚::: )/ゝ::/ ゙̄/゙|i:::|   ,i ヽ_」
   ゙| ヾ\ \:::::::::::::::。゚:::::::::i//   / , .|i:::| \i  ,l/
    ヽイ-`ヽ ゙\;:::::::::゚。::::::::。\_,/゙。  .|i:::|   ヽ, l゙
\    \ヽ \ ゙\ :::::::゚。_。゚:::::::`\ 。 .|i:::| 丶  ,|ノ゙

2 :マロン名無しさん:2009/05/26(火) 01:18:47 ID:???
>>50



3 :マロン名無しさん:2009/05/26(火) 11:31:24 ID:???
早漏野郎が
>>1

4 :マロン名無しさん:2009/05/27(水) 15:44:55 ID:???
早い 早いよ

>>1

5 :マロン名無しさん:2009/05/28(木) 11:23:43 ID:???
い、>>1乙!

6 :マロン名無しさん:2009/05/30(土) 09:07:16 ID:???
>>1


7 :マロン名無しさん:2009/05/31(日) 03:26:03 ID:???
>>1
乙!
(滋賀の方言で保守という意味)

8 :マロン名無しさん:2009/06/01(月) 22:19:20 ID:???
滋賀スゲー

9 :マロン名無しさん:2009/06/04(木) 17:26:53 ID:???
ん?前スレ落ちた?

10 :マロン名無しさん:2009/06/04(木) 18:07:11 ID:???
ひぃおっかねぇ

11 :マロン名無しさん:2009/06/04(木) 21:58:41 ID:???
>>1

12 :マロン名無しさん:2009/06/04(木) 23:00:18 ID:???
ヤンの支援絵がwww

13 :マロン名無しさん:2009/06/04(木) 23:07:15 ID:???
ヘルシングの支援絵はどれもクオリティ高いよなあ

14 :マロン名無しさん:2009/06/05(金) 16:27:31 ID:???
愛されてるよな

15 :マロン名無しさん:2009/06/07(日) 00:09:51 ID:???
保守

16 :HELLOISEの中の人:2009/06/08(月) 02:53:39 ID:???
みなさんこんばんわ。相変わらず遅筆です。
そろそろ本編書きたい……
しかしいまだIFが終わらない。IFの中篇、投下します。
なお,次で終わらせて本編に戻る予定です。

17 :HELLOISE IF 後日談続き:2009/06/08(月) 02:54:32 ID:???
かつてタルブ村と呼ばれた場所――今は草一つ生えなくなってしまった荒野。
そして、片や背に待たせるは数百の軍勢。
片や身に漂わせるは濃厚な血と硝煙と死の匂い。
『旧友と秘密に再会する』というにはあまりにも殺風景なその場所、その時に、

彼らと彼女は、再び相見えた。



完全装備の軍団から一人、キュルケが徐に前に出る。
ついて来ようとする数騎を手で軽く制すると、彼女は目の前の少女に向けて口を開いた。

「久しぶりね――ルイズ」

相対するは桃色の少女。
変わらぬ容姿と変わってしまった眼差しを蓄えて、彼女はキュルケに応じる。

「ええ、本当に久しぶりね、キュルケ。
 五年ぶりかしら?」
「そうね、貴女がタルブ村ごといなくなってから、ちょうどそのくらいだわ」

タルブ村『ごと』いなくなった。
その意味を、ここにいる全員が知っている。

「ああ、そうなのね。もう懐かしい気さえしてくるわ。そりゃあんたの皺も増えるわけよね」
「言うじゃないの、また顔色悪くなったんじゃない?ちゃんと食べてる?」
「当ったり前じゃないの。むしろ人間だった頃より健啖家になった自信があるわ、わたし」

18 :HELLOISE IF 後日談続き:2009/06/08(月) 02:55:15 ID:???

あまりといえばあまりなブラックジョークを織り交ぜて会話する二人だが、その顔は明るい。
状況さえ忘れてしまえば、本当に仲の良い友人が旧交を暖めているようにも見えた。
だが、いつまでもそうしてはいられない。
少なくとも、キュルケにとっては。
彼女は『約束を果たしに』ここまで来たのだから。

「ねぇ、ルイズ」
「なぁに、キュルケ?」

まるで明日の天気の予想を聞くかのように。
そんな気軽さを以って、

「貴女は、あたしの敵になったのかしら?」

キュルケはそう問う。
そして桃色の少女もまた、

「ええ、そうね」

朗らかにそう答えたのだった。

19 :HELLOISE IF 後日談続き:2009/06/08(月) 02:55:58 ID:???


穏やかな声に反して、桃色の少女の行動は素早かった。
返事と同時に神速で以って踏み込み、キュルケの懐へと飛び込む。
キュルケの右手に杖を向けられるよりも先に、クロスカウンターの要領で左腕を振り上げ、

だが、キュルケは更にその先を行った。

「鋼糸――――!!!」

僅かな、しかし確かな動揺とともに少女が呟く。
左の手首から先を切り落とされていた。
そして少女がそれに気づき驚くその一瞬の間にも、キュルケは次の行動を積み上げている。
左手で鋼糸を操り、少女の全身を縛り上げると同時、袖から銃剣型の杖を取り出す。

「「なにがあった どうしてだ」なんて聞かないわよ。
 あたしは貴女との約束を果たす、果たさなきゃならない」

その台詞の中に仕込まれた魔術言語によって、『ブレイド』の呪文が発現する。
微かに悲しそうな顔をして、キュルケは踏み出した。

「さよならよ」

構えた杖は大上段。
炎を纏う魔剣と化した杖は、桃色の少女を真っ二つに断ち割った。
傷口から火の手が上がり、少女が燃え上がる――

20 :HELLOISE IF 後日談続き:2009/06/08(月) 02:56:49 ID:???
「……ッッ!!」

――と同時、少女の姿が掻き消えた。
そう、まるで今までここにいた少女は『風の悪戯』による幻だったかのように。
軍団が動揺し、キュルケが歯噛みした瞬間、少女の初期位置よりも僅かに後ろ、岩陰から声が飛んでくる。

「残念、今のが私だったら完全に終わってたのにね」
「……そうなのね、貴女、ワルドを吸ったわね?吸血鬼になったのね」
「ええそうよ、だからわたし、何も怖くないの。だって、愛されてるから」


そして――


「けれど、吸ったのはワルド様だけじゃないのよ?」

ぞる、ぞるっ。ぞりっ、べちゃ。

彼女の背後に影が現れる。
彼女の中から異形の軍勢が沸いて出る。
かつて平凡な村人達だったはずの、今はもう異形に成り果ててしまった軍勢。

誰かがぽつり、呟いた。

ドラキュリーナ
「悪魔……」

21 :HELLOISE IF 後日談続き:2009/06/08(月) 02:57:32 ID:???
そうして、人と、人で無いものとの生存競争が始まった。
歴史に残されることのないそれは、正しく血戦だった。

人で無いものが、荒野の中心に百余名。
それらは全て、かつて人であったものである。
そう、つまりは、かつてヴァリエールの三女として生きた少女と、タルブ村という小さな僻村の住人達だ。
彼女と、彼女と一体となった元人間達は、恐ろしい化け物として猛威を振るっていた。
口から、眼から、あらゆるところから血液を垂れ流し、おぞましい叫び声をあげて人を食らうグール。
そして、それを指揮する吸血鬼。
それが彼女らの正体だった。

対して人間達が、それを押しとどめるように数百名。
たったの数百の歩兵ではあるが、それでも見る人があれば驚いたことだろう。
ヴァリエールの家紋とツェルプストーの家紋、それにガリア王族の紋章が並び立っていたのだから。
中心に立つのは、いずれもルイズの友人達だ。
独自に発明した装備で固めた、自家の精鋭部隊を率いるキュルケ。
その隣に、近衛と共に立つシャルロット。
そして、全体の指揮を執り、杖を振るうギーシュ。
いずれ名高い天才達は、決定的に相手を打ち破ることは出来ずとも、
その采配と魔法を以って、強力な化け物の軍勢を足止めすることには成功している。
……けれども、彼らの顔はどこか悲しげだった。


「――僕らが食い止めている間に!
 キュルケとシャルロットは往ってくれ、あの子のところに!!」

そして危うい均衡を保っていた戦場は、ギーシュのその一言で動き出す。
キュルケとシャルロットは一瞬ギーシュを見つめ、二人同時に頷くと駆け出した。
キュルケの私兵とシャルロットの近衛が、グールたちの隙を衝いて内側へ、ルイズ目指して切り込む。
獅子の腹を食い破るような浸透戦術。
精鋭のみで構成されている集団だからこそ出来る業だ。

22 :HELLOISE IF 後日談続き:2009/06/08(月) 02:58:25 ID:???
しかし、その代償も大きい。
その分開いた穴をヴァリエールとギーシュの私兵が埋めるが、層が薄くなり、全体が押され気味になる。
グールと人間が同数、それも接近戦でぶつかっては、たとえメイジとて結果はほぼ見えている。
普通ならば下がって戦線を縮小するべきだが、――今回は、それでは意味が無い。
相手は打ち倒すべき、滅ぼすべき化け物なのだ。

「怯むな!後ろに守るべき民がいることを忘れるな!!」

一喝。
叫ぶと共に、ギーシュが本陣から躍り出た。
振るわれるのは捻じれた杖。
彼の二つ名の象徴。

「『錬金』……!」

コトバと共に、無数の螺旋が地面から突き出し、グールの多くを串刺しにする。
おお、と歓声が上がり、それはやがて喊声となる。
崩れかけた戦線が、もう一度構築されようとしていた。

「まだだ、僕の前を空けよ!我が螺旋が、明日へと続く道を拓く!!」

再度、捻じれた杖が振るわれる。
唱えられたのはゴーレムを生み出す呪文。
材料は、グールを串刺しにしている螺旋の全て。

「おぉッ……!!」


23 :HELLOISE IF 後日談続き:2009/06/08(月) 02:59:07 ID:???
ぎり、と歯を食いしばり、精神力の大半を使って、或るモノを生み出す。
それは、やはり彼の二つ名の象徴。
『螺旋』。
全ての生命の根源だ。
大きく、雄雄しく。
ゴーレムとして生み出されたのは、彼の眼前に浮く、巨大な螺旋。

――壁があるなら殴って壊す、道が無ければこの手で創る――

それは、彼の信念の体現。

「受け取れ、キュルケ、シャルロット!!」

その声と同時、回転しながら飛んでいった螺旋は、数多のグールを蹴散らしながら二人の吶喊する先へと進み。
遂に友への道をこじ開けた。

だが、今の大技で精神力の大半を費やしたギーシュは、自分が開けた道を往く力はない。
だからこのままここで戦線を維持し、内側のキュルケたちが道を往けるように敵をひきつける。
少し寂しいが、それでいい。
自分の思いは二人に託している。
否、三人とも、同じ思いであるとギーシュは信じている。
だから、ギーシュに迷いはない。

「後は任せたぞ……!」


24 :HELLOISE IF 後日談続き:2009/06/08(月) 03:00:45 ID:???
ギーシュの開けた道を、三ツの軍勢が往く。
一ツはキュルケの親衛隊。
一ツはシャルロットの近衛兵。
一ツはそれらに混じる志願者達。
その中には一人の年老いた伯爵の姿があった。

黒一色の軍勢が、地獄を駆け抜ける。
一人、また一人と削られ、墜とされ、散っていくが、
其が何だと、覚悟の上だと歯を食い縛り、
ただ一振りの剣として血と肉の盾を食い破る。
傍らを爆炎が彩るのは、キュルケの親衛隊の誰かが始祖の御許へと送られた証である。
そして、また一人。

「逝きます!」
「逝け!!」

散っていく一人ひとりには、必ずキュルケ自身が命を下す。
私のために、私の約束のために死ねと。
それが彼女の指揮者たる責任だった。

全身を食い破られた彼は、黒の外套の懐から一本の筒を取り出す。
それを軍勢の進行方向に向かって投げかけると、最後の力を振り絞って叫んだ。


25 :HELLOISE IF 後日談続き:2009/06/08(月) 03:01:39 ID:???
「『発火』!」

筒の正体は、自決用の装備――手製のダイナマイトだ。
これをはじめ、『発明王』コルベールとその妻キュルケによって開発された最新装備が、キュルケの親衛隊には配備されている。
声と同時に筒が火に包まれ、僅かな時を置いて轟音と熱風が辺りを包む。
辺りにグールの血肉が飛び散ったことだけは触覚によって分かるが、煙に包まれて周囲を窺うことはできない。
これにより、爆発による被害を免れたグールたちも足止めを受ける。
と、耐火加工された黒の外套を包むキュルケ親衛隊が爆心地近くから飛び出す。
爆発による動揺で、右手前方の守りが薄くなっていることを発見すると、迷い無く先頭の一人がそこへ突っ込む。
ここを抜ければ、もうすぐルイズに手が届く。


だが。

鈍い音とともに、空から女性が現れる。
身を包むメイド服に不釣合いな長い片刃の剣を持ち、キュルケたちの進路上に立ちふさがったのは――

「此処から先へは…ルイズ様のところへは往かせません!!」

かつてシエスタと呼ばれた、一人の少女だった。
人間たちの足が止まりかけるが、ある老人がそれよりも早く叫ぶ。

「ここは私に任せろ、私が彼女を足止めしている間に突破せよ!」

男の名は、ジュール・ド・モット。
つい、と前に出ると、彼はシエスタに杖を向けた。

「かつて私は君と君たちによって変わり、救われた。
 ならば――次は私の番だろう?」

26 :マロン名無しさん:2009/06/08(月) 03:03:17 ID:???
支援

27 :HELLOISE IF 後日談続き:2009/06/08(月) 03:03:56 ID:???
そう言われてはもう、誰にも遮る理由はなかった。
キュルケがモット伯の隣に並ぶ。

「法儀礼済みの聖水です。ただの水流よりも彼女に効果的でしょう。
 直にギーシュも来ます。……御武運を」
「ああ。そして君もな、ツェルプストー侯」

キュルケとモット伯は微かに頷き合うと、

「させません、といったはずです!」

踏み出す。キュルケはモット伯の脇を駆け抜ける。
シエスタが阻もうとするが、それには仁王立つモット伯が邪魔となる。
シエスタは、ち、と舌打ち一つ。
立ちふさがる老人を、シエスタは見ていない。
なぜなら彼女の受けた命令は「キュルケたち全員の足止めと殲滅」であり、それ以外ではないからである。
だから彼女は、老人を半ば意識的に無視することにする。
単純に、障害物として認識し、最低限の牽制で済ませる。

「邪魔ですよ…!」

岩盤を拳で打ち抜き、高速で以ってモット伯にぶつける。
単純だが、だからこそ人間には防ぎがたい。かわすにしろ受けるにしろ、1アクションは消費される。
自分はその隙にキュルケを追えばよいのだ。

だが、その意識の隙こそを、彼女は衝かれることになる。



28 :HELLOISE IF 後日談続き:2009/06/08(月) 03:04:50 ID:???
「ッな……!?」

結論から言えば。
モット伯は、岩盤による射撃を受け止めた。
そして――同時に、シエスタの歩も阻んだ。
単純極まりない、

「これは……地下水…ッ!!」

地下を流れる水流を励起して壁とする、力業を持って。

「『吸血鬼は流れる水を渡れない』。君は私に足止めされたのだ。
 さあ往くぞシエスタ君、彼女のミナ・ハーカー。
 私は、この老いぼれは、君を救いに此の地獄(リンボ)へと来たのだから」
「それができると仰るのであれば、やってみせていただきましょう、貴族様……!」


こうして、一つ一つ。

物語は終わりに近づく。

近づいていく。


29 :HELLOISE IF 後日談続き:2009/06/08(月) 03:06:17 ID:???
以上です。お目汚し失礼しました。
次で彼らが戦っている理由+決着です。

…終わるのかしら……?


P.S.お絵かき掲示板の存在をさっき知りました。
まだ見てる途中ですが,絵師ってすげぇ…。

30 :マロン名無しさん:2009/06/08(月) 03:21:11 ID:???
GJ!
最近ヘルシング系が元気いい気がする

31 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/08(月) 13:32:23 ID:???
連載おわったけど根強い人気だな

32 :マロン名無しさん:2009/06/08(月) 18:50:59 ID:???
むしろ終わったから書きやすいんじゃね?

33 :マロン名無しさん:2009/06/08(月) 20:42:05 ID:???
ヘルシング機関が無くなってからの旦那やセラスとか幅は広がったんじゃないかなと思う。
テファにセラス当てて胸革命コンビ作っちゃうとか


34 :マロン名無しさん:2009/06/09(火) 00:04:28 ID:???
お〜久々のHELLOISE乙です。

気長に待ってるよ〜。ヒラコーで慣れてるしねw

35 :マロン名無しさん:2009/06/09(火) 00:21:31 ID:???
なに待つさ 我々は一年待った
あと2ヶ月3ヶ月何のこともない

36 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/09(火) 10:43:44 ID:???
諦めを踏破するのもスレ住人の嗜みです

37 :マロン名無しさん:2009/06/09(火) 21:54:36 ID:???
ヘルルイズの人乙です
気長に待ちますよ。待たされるのはOVAで慣れてますし

38 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/06/10(水) 21:50:06 ID:???
投下します。
いよいよアルビオン軍七万編も終わりです、長かった・・・・・・。

39 :ゼロのロリカード-38:2009/06/10(水) 21:51:24 ID:???
「ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・」
一人の少年が、疲れから深呼吸を繰り返していた。

(クソッ・・・・・・、クソッ!!!また届かなかった・・・・・・僕の糸は・・・また・・また・・・・・・ッッ!!)
悔やんでも悔やみ切れない。少女の後ろ姿を見つめながら、歯噛みする。

「よう、ウォルター」
振り向いた少女が口を開く。

「最後の一人は・・・・・・おまえか」
ウォルターは目を細め、少女アーカードを見つめる。

「残念でした、少しばかり遅かったなあ」
嘲笑するように、アーカードは言う。


 ウォルターは空を仰ぐ。
「・・・・・・く・・・はは・・はは!!ははは・・・・・・ははッははははははははははは!!」
哄笑が黎明に木霊する。本ッ当に自分自身に嫌気が差す。
どこか悲しげなその笑いは、少しずつ小さくなり、そして乾いた笑いへとなっていく。
自分は道化師のように滑稽な、喜劇役者。いつだって・・・・・・主役にはなれない。

 ウォルターは一転して、ボーっと目の前のアーカードを見つめる。
コロコロと変わるウォルターの様子に、アーカードは眉を顰め怪訝な顔をした。
「・・・・・・気でも狂ったか?」

 アーカードの言葉にウォルターは少しだけ考えた後、自然な柔らかい笑みを浮かべて言った。
「なぁに、お前に会えたのが・・・・・・素直に嬉しい。そう、思っただけさ」
その言葉にアーカードは呆然と見つめる。
いよいよ以てボケ始めたのかこの餓鬼は。とすら少し思ってしまうほどに。
 

40 :ゼロのロリカード-38:2009/06/10(水) 21:51:55 ID:???
 一方でウォルターは実感する――――――自分が望んでいたこと。
前の世界でアーカードが消えた時に、その心に去来したもの。
 
 ウォルターは嘆息をつくと、自虐的に言葉を吐く。
「・・・・・・ひっどい末路さ。アーカードの言った通りだった。みっともないよねぇ」

 暫しの沈黙が続く。
ウォルターは感慨に耽り、アーカードは裏切り者とは特に話す気がないという感じだった。


 心を整理し、感情と折り合いをつけたウォルターは、語りかけるように口を開いた。
「"彼女"は・・・・・・"ミナ"は、燃やしといたよ」

 "ミナ・ハーカー"。
『ドラキュラ』が愛し、『ドラキュラ』が攫い、『ドラキュラ』がその全てを捧げようとした女性。
アーカード・・・・・・『ドラキュラ』が血を吸い、吸われた唯一の存在。
『全ての始まり』。

 ヘルシングに『ドラキュラ』が倒され、彼女は人に戻った。
だが、アーカードは死んでいない。彼女の中にはアーカードがいる。
彼女自身がどうなろうと、彼女の奥深くには存在する。
聖餅でも、聖水でも、十字架でも、どうにもできない、吸血鬼の血が。

 それゆえアーカードの『模倣』の為に、彼女はその墓をあばかれた。
そしてかわいそうな彼女は、ミレニアムに研究され、残骸にし尽くされた。
それを、解放した。ミナが辱められる事は・・・・・・もう無い。

 その事を、消えてしまったアーカードは知らない筈だ。
他の顛末はともかく、そのことだけは伝えておかないと・・・・・・そう打算なく思ったのだ。
 
 

41 :ゼロのロリカード-38:2009/06/10(水) 21:53:33 ID:???
「・・・・・・そうか、手間を取らせたな」
何のことはない、と言った風なアーカード。
しかし瞳には優しげな色、口には微かな笑みが見えた。

「構わないさ、僕が勝手にやったことだ。・・・・・・アーカード、僕はね。
 あの一夜一幕の茶番劇で、できるだけいい役が演じたかった。それだけなんだ。
 それがこの様だ。全てを賭け、全てを失った。こっちに来てもおんなじだ。
 いや、今回はBETすることさえ出来なかったな。いつだって僕は・・・・・・っっ!!」

 ウォルターは顔を下に向ける。
その噛んだ唇から、握った拳から、ポタポタと血が滴り落ちる。
そんなウォルターの様子を静観していたアーカードは、やれやれと言った感じで話し出す。

「ああ・・・・・・そうだな。糞餓鬼だ、お前は。どうしようもないガキ」
ウォルターに追い討ちをかけるように、アーカードは続ける。

「そうさ、お前などただの裏切り者だ、ただの。・・・・・・前にも言ったな?
 私は生まれてこのかた裏切り者は、一人だって許したことはありはしない。
 お前はそんなものなんだ。そんなものの余興に、児戯に、つきあう義理はない」

 そしてアーカードは一度だけ目を瞑り、ゆっくりと開く。
「・・・・・・が、その余興に、児戯に、茶番に、ガキの喧嘩に、少しだけ付き合ってやる」


 ウォルターは「えっ・・・・・・」と呆けた声を漏らし、顔をあげる。
アーカードを見つめたまま、次の言葉を考えあぐねていた
そんなウォルターを見兼ねたのか、アーカードはその理由を示してやる。

「なに、ただの気まぐれだ」

(お前の気まぐれが、ミナに安らぎを与えたくれたように・・・・・・な)
 

42 :ゼロのロリカード-38:2009/06/10(水) 21:53:59 ID:???
 当然アーカードはそんな思いを、決して口には出さない。
ウォルターが裏切り者である事に変わりはないし、調子に乗られても困る。

 恩を着せる為ではなく、純粋にミナを解放して、さらにその事を伝えてくれた。
その気持ちに報いてやろう、というわけではない。
感化されたわけでもない。
ただの気まぐれ。そう・・・・・・ただの気まぐれに過ぎない。


 知らず知らずウォルターの顔に笑みが浮かぶ。
「そんな嬉しそうな顔をされても、いつまた気が変わるかわからんぞ」

 アーカードはサディスティックに笑って、少しいじわるをする。
ウォルターはハッとして、緩んだ顔を引き締めた。

「礼は・・・・・・言わない、気まぐれというのなら。だから気が変わる前に――――」
気を取り直したウォルターは、糸を振り構える。

 しかしそれを、アーカードは手を出して制止した。
「零号開放はしない、する理由がないからな。飽くまで私の気まぐれだ。
 何でもかんでも、お前の都合に合わせる事もしない。己でどうにかしてみせろ・・・・・・あの、少佐のようにな。
 ・・・・・・それに、もう夜が明けた。腹も満たされたし、かなり眠い。我が主も待っているのでな、私は帰る」


「・・・・・・新しい、主人?」
踵を返すアーカードに向かって、ウォルターが問い掛ける。
アーカードは首だけ振り向かせた。

「お前にもいるだろう?使い魔として召喚されて・・・・・・恐らくはガリアか」
 

43 :ゼロのロリカード-38:2009/06/10(水) 21:55:45 ID:???
 デルフリンガー曰く、虚無の担い手はブリミルの直系子孫にのみ発現する。
トリステイン、アルビオン、ロマリアは既に揃っているから残りは自ずとガリアになる。
ウォルターは少し迷う。ガリアの事を言うべきか否か。

「何故お前までが、こんなアルビオンくんだりにいるのかは知らんがの」

 もうすぐにでも、この戦に参戦する事を言うべきか・・・・・・。
と言っても、既に戦争は殆ど終結している。
アルビオン軍七万はアーカードにより殲滅。レコン・キスタも自分が滅ぼした。
ガリアの立場として、後の諸国会議で敵の中枢を叩いた事を主張するだろう。
特段隠し立てしておく必要もない。と、ウォルターは話す事にした。


「・・・・・・僕は今、ガリアのとある人物の執事として働いてる。ちなみにもうすぐガリアの艦隊が来る」
「ほぅ」
「そしてその主人の命令で、レコン・キスタの連中をつい先刻殺してきた」
「なに・・・・・・?」

 アーカードは少し考える。
レコン・キスタが殺されたということは、クロムウェルも含まれている筈だ。
「ふむ・・・・・・首長のクロムウェルは、指輪をしてなかったか?」
「へっ?」

 ウォルターは言葉に詰まる。何故指輪の事を知っているのか。
と、アーカードは何かに気付いて、振り返る。

「む・・・・・・ウォルター、お前・・・指輪をしておるのう」
見ればウォルターの指に、リングが光っていた。
 

44 :ゼロのロリカード-38:2009/06/10(水) 21:56:34 ID:???
「ッッ・・・!?あ・・・・・・あぁ、その・・これは・・・・・・」
「アンドバリの指輪か?」
「ぬ・・・むぅ、そう・・・・・・だけど?」
誤魔化し切れないと直感したウォルターは、渋々認める。

「それは丁度良かった。とある約束での、それは元の持ち主に返さねばならんのだ」
アーカードは今すぐ渡せと言わんばかりに手の平を突き出し、有無を言わさぬ圧力をかける。
「ぐっ・・・・・・」


 ウォルターは葛藤する。
アンドバリの指輪で、連合軍を離反させた事はバレていないようだ。
仮にアンドバリの指輪によるものと知っていたとしても、恐らく自分がやった事だとは思うまい。

 しかしアーカードを零号開放させるのに、この指輪は必要だ。
零号開放をさせるには、軍団がいる。
時間的にも物量的にも、アーカード一人では如何ともし難い、急迫した状況を作る必要が有る。
・・・・・・かと言って、今ここで渡すのを渋れば疑われる。

 何故か元の持ち主の水の精霊と約束までしているようだし、理はあちらにある。
指貫グローブだからって、指輪をつけてるんじゃなかった。
と、後悔しても時既に遅し。後の祭りだった。

 ウォルターは観念し、指輪をはずして放り投げる。
「すまんの」
アーカードは指輪を受け取ると、ポケットにしまう。

(しょうがない・・・・・・か)
こうなったら、己が動かせる駒を全部使う。ジョゼフを焚きつけ、ガリア軍を動かす。
 

45 :ゼロのロリカード-38:2009/06/10(水) 21:57:18 ID:???
 アーカードの存在を教えれば、間違いなく乗り気になる筈だ。
そうだ、あの狂人ならきっと乗ってくる。
狂い方のベクトルは違えど、少佐のそれと似ているあの男なら。
そしてどうにか零号開放させて、今度こそアーカードと闘ってみせる。



「アーカード!」
ともすると息を切らして、ルイズがやってきた。
ウォルターを見るなり首を傾げ「誰?」と言う。

「ちょっとした知り合いさ」
と、アーカード。
それを聞いてルイズは「そう・・・・・・」と呟き、とりあえず納得した様子を見せる。
しかし何かを考えているのか、ウォルターを値踏みするように眺め始める。

(この子が・・・・・・)
ウォルターは目の前の桃色髪の少女が、アーカードの新たな主人だろうと推察する。
と言うか、それ以外の人間がこの場にいるとは思えない。

 ・・・・・・この少女が零号開放の命を下したのであれば、随分な胆力である。
『鉄の女』と形容できるインテグラとは、大分印象が違う。
尤も、インテグラも昔は少女らしい少女であったが・・・・・・。

 本質としての、人間の強さ。それがこの少女にもあるのだろう。
だからこそアーカードは仕えているのだろう。


(インテグラ・・・・・・お嬢様、か)
ウォルターは想いを馳せる。
アーサーの代から、・・・・・・生まれた時から仕えてきた主人に相応しき主人。
裏切った身としては未練は・・・・・・ない。しかしアーカードはどうなのだろうか。

46 :ゼロのロリカード-38:2009/06/10(水) 21:57:38 ID:???
 
「インテグラと・・・・・・セラスに、会いたくはないのかい?」
気が付くとウォルターはそんな問い掛けを口にしていた。
アーカードだけの、愛しい主と、恋しい下僕。
少佐の策に敗れ、世界から消え去り、そしてここにいる。不本意な別れだった事だろう。

「会いたくないわけなかろう。確実な方法を見つければ帰るさ・・・・・・」
そう言ってアーカードは笑みを浮かべ、ルイズの肩に手を置くと「いずれな」と付け加えた。
その一方で、ルイズは眉を八の字にして疑わしげにウォルターを見つめている。


 ルイズは考えていた。ちょっとした知り合いって、・・・・・・前の世界の知り合いなのかと。
でなければ、アーカードが話していた主人と下僕、インテグラとセラスの名が出るわけはない。

「・・・・・・もしかして、裏切った執事とかいう・・・?」
青年の特徴が、アーカードが話していた特徴と、どことなく一致している。

「・・・・・・ぁ・・・ああ、そうさ。はじめましてお嬢さん。アーカードの新しい主人だよね?」
ウォルターはルイズが頷くのを確認すると、さらに続ける。
「僕はウォルター、ウォルター・C・ドルネーズ。元ヘルシングゴミ処理係、まぁその・・・・・・裏切りの執事さ」

 深く礼をした後、少し苦々しく笑う。
裏切りと言えばその通りなのだが、なんだかばつが悪かった。

「あっ、これはご丁寧に。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールです。
 その、一応・・・・・・アーカードの主人をやってます。えっと・・・・・・よろしくお願いします」

 ルイズはウォルターに倣うように頭を下げる。そして顔を上げようとして、ある事に気付いた。
「ッッ!!?・・・・・・ちょっと待って、ということは虚無の担い手が四人揃ったってこと?」

 

47 :ゼロのロリカード-38:2009/06/10(水) 22:00:48 ID:???
 ハルケギニアとは違う、地球という世界の人間が召喚されるのは、虚無の担い手が召喚した際の共通項だ。
そしてシュレディンガーのような例外じゃない限り、被召喚者。

 ウォルターを合わせれば、使い魔は四人となる。
使い魔は原則として一人だから、召喚者も当然四人。
虚無の使い魔ウォルターを召喚した、虚無の担い手がいるということだ。

「そういうことになるな。・・・・・・こやつの主が虚無に目覚めているのかは知らんが」
「・・・・・・そういえばさっき、最後の一人とか言ってたのはそういうことか」
ウォルターは最初の方のアーカードの言葉を思い返す。

「あぁ・・・・・・しかも使い魔四人全員が、今このアルビオン大陸にいる。なんともまぁ偶然は重なるものだ」
「他には誰が?」
「アンデルセンとワンちゃん。ついでにシュレディンガーだ」

 アーカードはあっさりと答える。隠すほどの情報でもないということか。
それにしても、アンデルセンと大尉・・・・・・さらにアーカードを殺した元凶シュレディンガーとは。
色々と厄介な面子だ。と、ウォルターはそこで気付く。

「五人・・・・・・?」
「シュレディンガーは、召喚された時には既に私の中から分離していた。
 私の中にいたままでは、この私共々消えてしまうからの。明確な理由は私にもわからんが・・・・・・。
 恐らく召喚された際に、弾かれでもしたんだろう。死んだ者が召喚される世界、何が起こっても不思議はない」


「そう・・・・・・なのか」
ウォルターは呟くように言う。
とりあえず今のところ、アーカードが突然消える心配はないということか。
 

48 :ゼロのロリカード-38:2009/06/10(水) 22:01:04 ID:???
 零号開放させなくとも、どうにかしてシュレディンガーを喰わせればまた殺せるだろうか?
いや、少佐と同じ様な手で倒すのは不本意である。
そもそも、本来の"闘って勝ちたい"という目的からはずれる。
それに・・・・・・零号開放の隙を利用したとしても、同じ手は二度と喰らってはくれないだろう。

 やはりアーカードの命を残り一つにして、純粋に打ち倒す。それ以外にない。


「・・・・・・それで、お前の主人は誰だ?ガリア王か?」
黙り込んで思考しているウォルターに向かって、アーカードは問うた。
これまでの会話の内容から、一つ思い浮かんだ事があったからである。

 何故ガリア王と名指しで問うたのか。
直系の子孫と言えど、その数はかなり多い。
しかしウォルターにレコン・キスタの殲滅を直接命令する者など、相応の地位の者。
現段階でパッと思い付き、且つ確実なのは王家の血に連なる者。その筆頭がガリア王である。

「ん・・・・・・あぁ、その通りさ」
ウォルターはあっさりと答える。
既に予想がついているようだったし、別段隠す意味もないと感じたからである。


(タバサの仇・・・・・・か)
アーカードは心の中で呟く。それこそが、わざわざ主人を聞いた理由。

 タバサの任務の付き添いで、ギャンブル場へと行った時のこと。
タバサの昔馴染みであったというトーマスが、タバサの父親を殺したのは王政府だと言っていた。
同時に呼んだ名前が、"シャルロット"。
ガリアでシャルロットと言えば・・・・・・最初に思い浮かぶのは一人だけ。
"シャルロット・エレーヌ・オルレアン"。
現ガリア国王ジョゼフの弟であった、亡きオルレアン公シャルルの娘。
 

49 :ゼロのロリカード-38:2009/06/10(水) 22:01:59 ID:???
 現王ジョゼフに殺され、王位を簒奪されたと専らの噂。ひいては王政府に殺されたとも言える。
容姿や年齢、また名を変えて学院に通っていることから推察しても、ほぼ間違いない。

 何故憎むべき仇の手足となってまで、王政府に従い騎士として任務をこなしているのか。
アーカードはタバサの決意を知っている。そこから推察するのは至極簡単だった。
つまりは自己鍛錬と忠誠心を見せる為。
来るべき時まで己を鍛え続け、それまで相手に自分を信用させ・・・・・・最終的には寝首を掻く。


(似ているな・・・・・・)
そう、かつての自分と似ている。境遇は違えど、己の幼少時と似ている。
だからこそ、タバサの決意と行動の理由がよくわかるのだ。
敵国の人質となり、神を信じ、慰み者にされながら、復讐を胸に必死に学んだ自分と重なるのだ。

(尤も、タバサが信じているのは自分自身だろうが・・・・・・)

 神を信じ、神の為に、戦った私とは違う。
神を第一とし、復讐を二の次とするのではなく。
アニエスのように忠誠と復讐の二つに生きるのではなく。
復讐の一念のみで、日々を戦い続けている。

 かつての私のように、本質的には孤独の中で生きているタバサ。
敵の腹中で、その素振りを一切見せず、ひたすら己が刃を研ぎ続けているタバサ。
見事成し遂げるのか、或いは失意に沈むのか、少しばかり楽しみだ。


 

50 :ゼロのロリカード-38:2009/06/10(水) 22:02:21 ID:???
「さて・・・・・・これ以上仲良く話すこともあるまい」
他に気になる事項も無いアーカードは淡白にそう言うと、ルイズを促して歩き出す。

「・・・・・・アーカード!!」

 ウォルターは、振り返らず歩き続けるアーカードに向かって宣戦布告する。

「必ず倒す!!僕の全てを以てッッ!!!」

 アーカードは背を向けたまま、欠伸をおさえた手をひらひらと振る。
ルイズは会釈をして、アーカードと共に歩いて行った。


 ウォルターは大きく息を吸う。数秒止めて、ゆっくりと肺の中の空気を吐き出した。
夜は完全に明け、陽の光が目に染みる。
「これから忙しくなるかなあ」とウォルターは一人ごちると、緩慢に歩き始めた。

51 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/06/10(水) 22:03:00 ID:???
以上です。

ではまた。

52 :マロン名無しさん:2009/06/10(水) 22:08:26 ID:???


53 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/06/10(水) 22:08:58 ID:???
あっと、まとめてくれてる方、毎度のことながらありがとうございます。

ちなみに以降は、テンプレっぽいオリジナルな感じの展開で進んでいきます。

54 :マロン名無しさん:2009/06/11(木) 00:45:51 ID:???
乙!
ついに出揃った、という感じですな

しかしまぁ、ばつの悪い感じがなんともはやショルターw
でも冷静に考えたら四つの四の内一番使い間としての戦力が弱いのかも
そこらへんはジョゼフの裁量なんかな?
次回もたのしみにまってます

55 :マロン名無しさん:2009/06/13(土) 09:22:55 ID:???
うーん マンダム

56 :マロン名無しさん:2009/06/14(日) 14:27:30 ID:???
保守

57 :マロン名無しさん:2009/06/16(火) 15:23:37 ID:???
ルークとヤンってドイツの人なの?

58 :マロン名無しさん:2009/06/17(水) 21:26:28 ID:???
どうなのかねぇ

59 :マロン名無しさん:2009/06/19(金) 23:57:11 ID:???
保守

60 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/06/20(土) 21:52:33 ID:???
どうも、投下します。

61 :ゼロのロリカード-39:2009/06/20(土) 21:53:55 ID:???
 トリステイン、ゲルマニア、ガリアの各代表達が一同に会した諸国会議。
不可解な事や多少の波乱こそあれ、当初の予定通り二週間で無事収束した。

 アルビオン大陸からの退却を完了した、トリステイン・ゲルマニア連合軍。
その代わりにアルビオンを制圧したのは、突如参戦してきたガリアの艦隊であった。
つまり実質的に戦争を終わらせたのは、ガリアと言える。

 しかしガリアが欲したのは港のみ。あまりに不可解であり、真意が測れない。
とはいえ、トリステインとゲルマニアとしても、自国の領土が増えて困る事はない。
何か裏があるとは考えても、それ以上はわからない。
言及しても、のらりくらりと恍けた事しかジョゼフは答えない。
仕方が無いので、目先の利益をトリステインとゲルマニアは優先する。

 結果、首都ロンディニウムとその一帯の地域で王権同盟を結ぶ。
そして件の港を除いた残りの広大な土地を、トリステインとゲルマニアで分ける事となった。


 アンリエッタは諸国会議が始まる前に、ルイズとアーカードから事の次第を聞いていた。
突然の軍の離反から、退却までの経過。
退き口と言う切迫した状況で、殿軍を任ぜられた事。
ルイズの決断と零号開放の事。その、結果。

 一切を聞いたアンリエッタは後悔した。
いくらルイズが国の為に力を使いたい、と言ったとはいえ。
自分が参加する事で戦争を早く終結させ、犠牲をなるべく出さないようにしたい。と言ったとはいえ。
やはりルイズを戦争に参加させるべきではなかった、と。

 ・・・・・・虚無をアテにしていなかった、と言えば嘘になる。
戦局を左右しかねない人間兵器。なれば前線投入は常。
確かにアーカードと言う強力な使い魔がいる。
それでもルイズ自身が危険な目に遭う事は、可能性として充分に予想出来た筈なのに・・・・・・。
国の為に、勝つ為に、決断した・・・・・・結果だった。

62 :ゼロのロリカード-39:2009/06/20(土) 21:54:17 ID:???
 
 ルイズは表面上は気にしていない風を装っていた。
しかしつらい思いをしていない訳がない。
唯一無二の大切な親友を危険に晒し、また非常に悲しくつらい選択をさせてしまった。
 
 アンリエッタの心に澱のように溜まる罪悪感。
そして心を決める。
ルイズにこれ以上負担はかけない。自分がルイズを守るのだと。


 諸国会議では寝る間も惜しんで、国と友人の為に、己の身を削った。

 アルビオン軍七万の消失について、会議でアンリエッタは何も言わなかった。
聞いた限りでは目撃者がいない事。
アーカードの存在を言っても、到底信じられる筈がない事。
かと言って虚無魔法であると言えば、ルイズ達に怨恨を抱く者が現れるかも知れない。
七万を消滅させる兵器として危惧され、何か重大な危害が及ぶかも知れない。

 一人の少女を犠牲にしてまで、国を富ますのは憚られる。
七万殲滅を材料にすれば、圧倒的に有利な立場で交渉を運べたかも知れなかった。

 しかし平和に暮らせる筈の日常すら奪い取る可能性を考えれば、決して公には出来ない。
戦に勝っただけでも御の字である。それ以上求めるのは、ただの欲と言うものだ。
最大の功労者であるルイズを、さらにつらい立場に置くことなど誰が強要出来ると言うのか。

 少し前まではただの魔法学院の生徒だったルイズ。
彼女は重責を担い、重圧に耐え、その上で己の任務を果たしたのだ。

 トリステインの歴史上、誰よりも勲功を上げている少女に・・・・・・。
文句一つ言わず、愚痴の一つすら零さず、忠義を果たしてるルイズに。
慰労こそあれ、苦労はかけられない。
 

63 :ゼロのロリカード-39:2009/06/20(土) 21:55:13 ID:???
 

「・・・・・・私は、正しいのでしょうか、誤っているのでしょうか、アニエス」
強く生きると、亡きウェールズに誓った。それでもやはり・・・・・・こうして不安になる。
自分は決して完璧な人間ではない。己の判断が最善だったと驕るほど傲慢な人間でもない。
                                               ・ ・
「正誤の判断など・・・・・・ただ私は騎士でありますれば、私の仕えるべき主君はここにおられます。
 事の是非など・・・・・・私は常に陛下の振るう剣であり、陛下を守る盾です。例えこの身が既に人でなくとも」

 アニエスは淡々と、それでいてしっかりとした声でアンリエッタに言う。
アンリエッタは物憂げに何かを見つめているようだった。

「少々疲れておいでなのでしょう。会議も終わったことですし、休まれるのがよろしいかと」
「・・・・・・そうかもしれませんね」
確かに根を詰め過ぎた。
まともに休息を取らずに無理をした。精神もかなり疲弊している。
つい弱音を漏らしてしまうのも、その所為かも知れない。

 それともアニエスだからこそ、ついこうやって本音を話してしまうのだろうか。
吸血鬼となっても生きて忠義を尽くす騎士に、自分は絶対の信頼を置いている。

「・・・・・・アニエス、どうかこれからも私の力になって下さい。
 そして何か間違っていると思ったなら、主従など気にせず遠慮なく諫めて下さい」
アンリエッタはそんな言葉を、改めて口にした。

 アニエスはその心情を深く慮り、アンリエッタの目を見据え胸に手をやり答える。
「はい、陛下」




 

64 :ゼロのロリカード-39:2009/06/20(土) 21:56:35 ID:???
 ――――――帰る方法。
暇な時にそれなりに調べていた程度であった。

 膨大な過去を膨大な未来が粉砕するまでの、長い長い時間を浪費する為の暇潰し。
さしたる目的も持たず、そこそこに主人に仕え、いつの日か人間に打ち倒される時を待つ化物。

 人狼である大尉と同様、哀れな化物。あまたの不死の化物。
我らの多くは闘争を望む。血みどろの戦いを望む。嗚咽するように、渇望する。
戦闘戦斗を望むわけではない、死を望む絶叫。
闘争から闘争へ、何から何まで消えてなくなり、真っ平らになるまで、歩き、歩き、歩き続ける幽鬼。

 ――――――そう、在り続ける筈であった。

 幾年月を超えてきて、幾千幾万の人々の絶望を喰ってきた。
 バンパイア       ノスフェラトウ  ノーライフキング     ツェペシュ         ドラクル フリークス
 吸血鬼、ドラキュラ、不死者、死なずの君、伯爵、串刺し公、狂王、暴君、悪魔、化物。
                                   ミディアン
 夜の世界を統べる、不死身の化物。倣岸に、不遜に笑う夜族。


(不思議なものだな・・・・・・)
シュレディンガーをその身に取り込み消えた時は、素直に諦めた。
というよりは、解放された・・・・・・そんな心持ちだった。
既に死した生にさしたる執着もなく、ほんの少しだけ心残りがある程度で、それも仕方ない・・・・・・と。
いや、「このまま死ぬのも良し」とすら思ってしまった。

 しかしこの世界に来て、ルイズと出会ってその考えは変わった。
インテグラに負けず劣らず、心根の真っ直ぐな少女。
その真摯な瞳と、心からの言葉に、・・・・・・考えを変えられた。

 

65 :ゼロのロリカード-39:2009/06/20(土) 21:56:50 ID:???
 私は全てを失った。私には何もなかった。
城も、領地も、領民も、思い人の心も、私自身の心も。
死を望む、ひどく哀れな・・・・・・哀れな、弱々しく泣き伏せる童。

 だが、それでも得た。
かけがえのない主人を・・・・・・インテグラを、ルイズを。
愛する女達を得ることが出来た。

(フフッ・・・・・・)
アーカードは心の中で笑う。
ミナを愛した時もそうだ。――――――そして今も。
化物と成り果てても、人であった心を捨て去る事は出来ないのだ。
化物だと割り切ろうとしても、打ち倒される為ではなく、繋がりの為に人を求めるのだ。

 ――――――だから、帰る方法を探そう。
インテグラに、セラスに、もう一度会う為に。


「・・・・・・シュレディンガー」
アーカードはその名を呟く。

 確率世界を跳ね回り、自己観測することで存在を確定させる。
生死の概念が無い。生と死が同時に内包する存在。

(奴は地球とハルケギニアを、実際に行き来した事を言っていた・・・・・・)

「戻るのは大変」なような事を言っていたが、彼奴は確かに自由に世界間を移動出来るのだ。
――――――もしも、そのシュレディンガーの特性を御し切れたのなら・・・・・・。

(これほど有用なものは無い)
現状・・・・・・確実に向こうへ帰り、そしてこちらへと戻ってきている存在。
 

66 :ゼロのロリカード-39:2009/06/20(土) 21:57:04 ID:???
 つまりシュレディンガーの性質をモノにしたならば。
インテグラに会い、セラスに会った後も、またこちらへ来てルイズ達に会える。
なんとも今の自分の状況にピッタリで、おあつらえ向きな帰還方法。

 アーカードは自身の記憶を振り返る。蘇った情報を探る。
何故、自分は、消えたのか――――――そこにきっと・・・・・・答えがある。





「ふぅむ、何度聞いても俄かには信じ難いな・・・・・・」
ガリア王国の首都リュティス。
ヴェルサルテイル宮殿、グラン・トロワの玉座に座るガリア王ジョゼフ。
指には土のルビーが光り、アルビオンの港で見つけた四の秘宝の一つ『始祖のオルゴール』を手に持っている。

「嘘じゃないよ」
そこには三人の人物がいる。
     ・・・・・・・・
 その中で一番年若く見えるウォルターが、ジョゼフに向かって言った。
徹底的な人払いによって、そこでの会話が他に漏れることはない。

「嘘を言っている、とは思っていないがな。戦争を吹っ掛ける前に、その姿を一度見てみたいと思ったのだ。
 お前の話が本当であるなら、"エルフ"以上の"化物"なのではないか?その吸血鬼アーカードとやらは・・・・・・」

 ジョゼフはウォルターではなく、もう一人の方に目を向ける。
たった今、目の前にいる"化物"に。
一瞬女と見紛うような整った顔立ち。煌めく様に流麗な長髪。そして特徴的な尖った耳。
強力な先住魔法を扱う、恐るべき人類の敵。純粋なエルフ、『ネフテス』のビダーシャル。

 

67 :ゼロのロリカード-39:2009/06/20(土) 21:57:22 ID:???
「はぁ・・・・・・それじゃあ??」
また何か妙な命令をされるんだろうなと、察したウォルターが嘆息をつく。

「・・・・・・そうだな、虚無の担い手を集める」
ジョゼフが大きくその唇を歪める。
「ッッ・・・・・・!?なっ・・・貴様!!」
信じ難いその言葉に、ビダーシャルが思わず声を上げる。

 虚無の担い手を集めるという事は、即ちエルフにとって悪魔の力が目覚めると言う事。
既にビダーシャルはジョゼフが虚無の担い手である事は知っている。
後三人集めるだけで、悪魔の力は復活してしまうのだ。

 それをさせない為にジョゼフと交渉し、さらに自分も仕えている。
虚無の担い手を集めるなど、約束を違えることに他ならない。
その事を言おうとした瞬間、ジョゼフはふるふると首を振り、それを制した。

「案ずるな、そんな気は毛頭ない。常々思っていたのだ。四匹の竜を戦わせたらどうなるのか、とな」
それでもビダーシャルはジョゼフを睨み続ける。

「それともなんだ?集めただけで、その悪魔の力とやらは復活するとでも言うのか?」
「可能性は有る。それをみすみす容認するわけには――――――」
「ならば今すぐ俺を殺したらどうだ?」
ビダーシャルの目が細まる。本気で・・・・・・言っているのか?

「・・・・・・そうすれば新たな悪魔が復活する、今はそういう時代なのだ」
「ハハハッ!!ならば大人しく見ていればよい。なに、悪魔の力が復活したなら、この俺を含めて全員を殺せば済む話よ」

 ジョゼフのその瞳に嘘は無い。
ビダーシャルは目の前の男がただ狂っているだけなのだと悟ると、それ以上言うのをやめる。

 

68 :ゼロのロリカード-39:2009/06/20(土) 21:57:36 ID:???
「虚無の担い手を集めれば、アーカードもついでに誘き寄せることになる・・・・・・か」
アーカードが主人を攫われて動かない筈はない。
「そうだ、居場所を調べ上げ次第行ってもらうぞ。おれは気の長い方ではないからな」

「・・・・・・正直きついな、僕一人でどうにかなる相手じゃない」

 一人攫って来るだけでも、精々五分五分といったところだろう。
都合良く標的だけ発見できて、連れてこれるとは限らない。
アーカード、アンデルセン、大尉がそれぞれついているのなら、戦闘になった場合、勝ちの目は微妙なところ。
適当にあしらうにしても、ダメージは避けられないだろうし、二人目三人目になるにつれて、どんどんきつくなる。

「"アレ"を使えば良かろう」
「"アレ"?あ〜・・・・・・確かに"アレ"を使えば強引に掻っ攫えるかも知れないけど、まだ開発途中でしょ?」

 するとジョゼフはビダーシャルへと目を向ける。
その意図を察したビダーシャルは、淡々と報告するように話し出す。
「試作品は既に出来ている。それを踏まえた上で新たに改良し、完成形の目処も立っている。
 悪魔の力の所在が判明する頃には・・・・・・充分に実用稼動が可能な段階へと移っている筈だ」

「お前と同等以上の使い手ならば、テストケースには丁度よい相手だろう?
 それでも心許無いと言うのなら、そうだな・・・・・・我が姪にも手伝わせればよい」


 ビダーシャルはジョゼフに畏怖を覚える。
先ほどの虚無を一所に集める、ということについてのやり取りもそう。
自分の弟を殺し、その妻を狂わせ、その娘を手駒として、なんの感慨も無く利用する。

 別段恨みがあるわけでもなく、ただ何の感情もなく、そこにあるから使うといった感じ。
単なる思いつきだけで、どのようなことも躊躇無く実行する。
一般的な人間の本質とはまったく別種、大きく逸脱した異常性。
やはり自分はとんでもない人間と・・・・・・手を結んでしまったのではないかと・・・・・・。
ビダーシャルは畏怖していた。

69 :ゼロのロリカード-39:2009/06/20(土) 21:58:04 ID:???
 
 一方、ウォルターは溜息を吐くも、内心ではほくそ笑んでいた。
ジョゼフの異常性なんてどうでもいい。「アーカードと闘いたい」、その一念のみで動く。
他がどうなろうと知ったことじゃない。そんな境地はもう・・・・・・とうの昔に越えてきた。

 ジョゼフはウォルターの真意を薄々察しているようだ。それでも尚、乗ってきた。
朝食を食べようかどうしようかという程の感覚で、戦争するか否かを決める。

 間違いなく狂人。その精神はある種の化物に近く、心の中は虚無そのもの。
それを埋める為に、感情を奮わせたいが為に、どこまでも冷徹に、残酷になれる。
いや、本人の中にはそんな概念すらないのかも知れない。

(そうさ、奴は少佐と同じ・・・・・・)
手段の為ならば目的を選ばない、狂った大隊指揮官と同じなんだ。
どうしようもない程に狂った王様なんだ。
だからこそ――――――。
                       ・ ・
(・・・・・・僕は僕の目的の為に、全てを賭けられる)

70 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/06/20(土) 21:59:34 ID:???
以上です。
まとめてくれてる方いつもありがとうございます。
感想レスや支援絵も本当に活力になります。

それでは、また。

71 :マロン名無しさん:2009/06/21(日) 00:53:02 ID:???
乙です

72 :マロン名無しさん:2009/06/21(日) 03:07:00 ID:???
エルフとか出てくる辺りからゼロ魔知らないから
俺の中で完全オリジナルになってるw

73 :マロン名無しさん:2009/06/21(日) 23:47:46 ID:???


74 :マロン名無しさん:2009/06/23(火) 10:34:53 ID:???
夏が近づくこの時期、ロリカードはあんな格好で暑くないんだろうか

75 :マロン名無しさん:2009/06/23(火) 12:28:57 ID:???
全部脱ぐので大丈夫です

76 :マロン名無しさん:2009/06/23(火) 15:21:55 ID:???
そもそも服を着ているのか、服っぽい何かなのか分からないしな
何かというか体の一部か

77 :マロン名無しさん:2009/06/23(火) 15:35:36 ID:???
じゃあある意味では常に全裸と

78 :マロン名無しさん:2009/06/23(火) 15:41:59 ID:???
そうなりますよね

79 :マロン名無しさん:2009/06/23(火) 16:11:10 ID:???
銃で撃たれて穴だらけになってるはずなのにしっかり再生しているあたり…

80 :マロン名無しさん:2009/06/23(火) 16:45:08 ID:???
正直なところ、吸血鬼に暑いとか寒いとかそういう概念はあるのか

81 :マロン名無しさん:2009/06/23(火) 17:00:49 ID:wVEuFhH0
日の光は‘焼け爛れる様に’熱い・・・だっけか^^

82 :マロン名無しさん:2009/06/23(火) 19:32:03 ID:???
>>77
なんというかこう…ボディペイント的な

83 :マロン名無しさん:2009/06/23(火) 20:17:02 ID:???
ロリカード「コート握っちゃらめぇぇええ!」

こうですね分かりm

84 :マロン名無しさん:2009/06/23(火) 20:55:21 ID:???
じゃあ俺はズボンを…

85 :マロン名無しさん:2009/06/23(火) 21:40:25 ID:???
マスチモども多すぎるだろ……

86 :マロン名無しさん:2009/06/24(水) 03:23:50 ID:???
体が死体の状態に近いなら体温低いし汗もかかないんじゃなかろうか

87 :マロン名無しさん:2009/06/24(水) 09:04:46 ID:2ve4XdZ5
ここで掲載された作品は現在「あの作品のキャラがルイズに召喚されました@まとめwiki」に「お預かり作品」ってことで入ってます。
で、そこのお絵描き掲示板に、ここのSSのイラストが何点も投稿されてます。

ところが、「絵板でヘルシングとのクロスがあるのを知ったけど、SSが見つけられない」って人が結構多いみたいです。

で、避難所のまとめwiki運営スレで、「ここの作品も長編にまとめたら?」って話が出てたんですが。
今のままと、長編に統合して「お預かり作品」を明記するのと、どっちがいいと思いますか?
あるいは、他に案はありますか?

88 :マロン名無しさん:2009/06/24(水) 09:05:05 ID:???
上げてしまいました、すいません。

89 :マロン名無しさん:2009/06/24(水) 09:27:47 ID:???
見つけられない場合があるのなら、長編に統合してもいいんじゃないですかね?

ただその場合スレのURLとかはどうなるんだろう?
お預かり作品はお預かり作品として残しておいて、長編にも追加するってことになるのかな?

90 :マロン名無しさん:2009/06/24(水) 10:38:27 ID:???
向こうに投下してない作品を、向こうの作品と一緒に扱ってもらってもいいのか?とは思うかなぁ。
こっちの意向もともかく、向こうのスレに失礼ではないかってとこも問題な気が。

91 :マロン名無しさん:2009/06/24(水) 11:09:32 ID:???
>90
あちらでは
「こちらのスレの住人たちがOKならば長編に載せるのは便利なのでOK」
「お預かり作品だと言うことを目次で判るようにする必要はあるだろう」
という感じみたいです。~


92 :マロン名無しさん:2009/06/24(水) 12:49:57 ID:???
その話し合いは、どこで行われているんですか?
そちらのスレや避難所を覗いてみたのですが、見つけられませんでした。

93 :マロン名無しさん:2009/06/24(水) 19:30:01 ID:???
まとめwiki更新報告スレ 3にそれっぽいことは書いてあるかな

94 :マロン名無しさん:2009/06/24(水) 20:14:23 ID:???
ありがとうございます。

95 :マロン名無しさん:2009/06/24(水) 20:21:45 ID:???
990 :名無しさん:2009/06/21(日) 21:40:24 ID:LVq0YdyE
ゼロのロリカード-39

追加しました
絵板でどこにあるのかわからないという人がいたんですが長編の方にもリンク貼っとくべきでしょうか?

991 : ◆dc8F5CTVZE:2009/06/21(日) 23:57:14 ID:tAJlTqPw

>>990
個人的には長編の方のリンクがあると便利だと思いますが
お預かり品ですしHELLSINGスレの方で聞いてみてからにしてはいかがでしょうか?

993 :言い出しっぺ ◆pLTNYd6DxQ:2009/06/22(月) 17:01:08 ID:VMiOy1kc
>>990 お預かり作品を長編ページにも載せるなら、他のものも同様にして
各作品ごとの目次に預かり作品である旨を記しておく事になりますかね?


96 :マロン名無しさん:2009/06/26(金) 05:12:33 ID:???
結局統合すんの?

97 :マロン名無しさん:2009/06/26(金) 11:29:12 ID:???
書いてる人から答えが帰ってこないからな・・・

98 :HELLOUISEの中の人:2009/06/26(金) 20:24:46 ID:???
私個人としては、移動しても構わないと考えます。向こうのスレでそれがよいと言うならば、反対する理由はないです。
元よりご厚意でお預かり頂いている身分ですから、あちらのスレがよかれと思うようにして頂ければそれが幸い、という感じですね。

99 :87:2009/06/26(金) 20:30:14 ID:???
えー、書き込んだ者です。
こちらのスレとしては、「向こうがOKなら統合してもOK」ってことでいいって事ですか?
じゃあ、そう言うことで向こうに書き込んできます。

100 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/06/26(金) 22:03:02 ID:???
自分もいいと思います。

101 :スナゼロ ◆kdp8/y3/66 :2009/06/26(金) 22:06:48 ID:???
自分も異論はありません。

102 :マロン名無しさん:2009/06/27(土) 01:02:33 ID:???
今北産業

wikiの統合であって、スレ統合では無いでFA?

103 :マロン名無しさん:2009/06/27(土) 01:06:32 ID:???
うん

104 :マロン名無しさん:2009/06/30(火) 00:08:46 ID:???
投下マダカナー

105 :マロン名無しさん:2009/06/30(火) 07:13:45 ID:???
狂信者さん、カムバーーーーーーーーック!!

106 :マロン名無しさん:2009/07/01(水) 12:54:21 ID:???
カモーン

107 :マロン名無しさん:2009/07/01(水) 18:20:28 ID:???
フリーダム!

108 :マロン名無しさん:2009/07/01(水) 18:22:09 ID:???
蘭丸ちゃんにむしりそうらえって言われたいお

109 :マロン名無しさん:2009/07/01(水) 19:42:02 ID:???
むしむしむしむし

110 :マロン名無しさん:2009/07/03(金) 17:43:54 ID:???
なんだこれ

111 :マロン名無しさん:2009/07/03(金) 23:26:23 ID:???
人情紙吹雪マダー

112 :マロン名無しさん:2009/07/05(日) 14:32:06 ID:???
ヘイトザヘイター

113 :マロン名無しさん:2009/07/06(月) 14:49:18 ID:???
公式予告PVがゲッダンだったことを、何故誰も教えてくれなかったんだ!


見損ねたじゃねぇか……

114 :マロン名無しさん:2009/07/07(火) 08:55:50 ID:???
俺も見損ねた…

115 :マロン名無しさん:2009/07/08(水) 11:14:20 ID:???
OVAスレを見ておかないと

116 :マロン名無しさん:2009/07/09(木) 19:18:18 ID:???
ええい何だと言うのだ

117 :マロン名無しさん:2009/07/10(金) 19:03:37 ID:???
OVAの発売日っていつ?

118 :マロン名無しさん:2009/07/11(土) 01:02:39 ID:???
>>117
今月の24だったかと。
HPには、「見敵必殺 発延禁止」と書かれてある。
本当に発売延期が無さそうで、OVAスレ住人が不安になっている。

119 :マロン名無しさん:2009/07/13(月) 15:19:14 ID:???
逆に不安になるとかどんだけだよ

120 :マロン名無しさん:2009/07/13(月) 16:13:25 ID:???
よく教育されてるからな

121 :マロン名無しさん:2009/07/15(水) 09:12:32 ID:???
本当かー?本当に本当に発売延期じゃないのかー?

122 :マロン名無しさん:2009/07/16(木) 23:09:29 ID:???
本当です、すごく本当(本当)

123 :マロン名無しさん:2009/07/17(金) 10:21:55 ID:???
作品完成度を犠牲に発売日に間に合わせたのなら延期してくれ・・・

あと、ちょいと関係ないが某所にて、
大尉が恋姫無双の世界に召喚されてたSSがあったよ

124 :マロン名無しさん:2009/07/17(金) 16:49:09 ID:???
>>123
どこだいそこは?

125 :マロン名無しさん:2009/07/17(金) 17:30:19 ID:???
理想郷のだろ

126 :マロン名無しさん:2009/07/17(金) 20:44:25 ID:???
作品投下は今後もココでええのんか?

127 :マロン名無しさん:2009/07/17(金) 20:50:31 ID:???
いいザマス、とてもとてもいいザマス

128 :マロン名無しさん:2009/07/18(土) 18:28:03 ID:???
大尉って結局一回も喋らなかったけどもしかして声でないとか?
それとも俺が知らないだけで話してる?外伝とかで

129 :マロン名無しさん:2009/07/18(土) 19:43:09 ID:???
砂漠の用心棒だとしゃべるんだがねぇ

130 :マロン名無しさん:2009/07/18(土) 21:07:55 ID:???
声は出るんじゃない?セラスに殺された時に大笑いみたいなのはしてるし。

131 :マロン名無しさん:2009/07/18(土) 22:44:18 ID:???
以下略で麗しく喋ってるよ

132 :マロン名無しさん:2009/07/19(日) 01:12:30 ID:???
あれは別じゃねーの?
すごく駄目人間になってじゃねーかw
カバー裏じゃ駄目人間だけど。

133 :マロン名無しさん:2009/07/19(日) 03:57:37 ID:???
きっと公私混同しないタイプなんだよ

134 :マロン名無しさん:2009/07/19(日) 11:43:14 ID:???
HELLOISEダー
ゼロリカマダー
スナゼロマダー
虚無と狂信者マダー
人情紙吹雪マダー

135 :ルイズとヤンの人情紙吹雪6:2009/07/19(日) 15:10:29 ID:???
お久しぶりです
随分と入稿が遅れたw
投下します

136 :ルイズとヤンの人情紙吹雪6:2009/07/19(日) 15:11:34 ID:???
学院長オールド・オスマン。
学院の最高責任者であり、トリステイン王国でも屈指のメイジ。
彼の教え子は王国内外に多く存在しており、その影響力は侮れない。
100歳とか300歳とか言われているが定かではない。
そのオスマンのくつろぐ学院長室のドアがけたたましくノックされる。
「騒々しいですよ。 学院長室の扉を不躾に叩くとは……。 何事ですか」
学院長秘書、ミス・ロングビルが扉をノックする者を咎めるように問う。
「申し訳ありません。 ですが学院長に急ぎ取り次いで頂きたい! あ、コルベールです!」
ロングビルはチラリとオスマンを見る。
頷くオスマン。
ガチャリと音をたてて扉が開かれると、そこには見事に禿げ上がった頭部を持つ男がいた。
「や、やぁどうもミス・ロングビル! そ、その今日も相変わらずお、おおおおおお綺麗でいらっしゃって、えーと 良い天気ですね! あはは」
頭を光らせながらぎこちない笑顔を向けるコルベールに、ロングビルは端正な顔を怪訝そうに歪め言葉を返す。
「…………どうも。 ではこちらへどうぞ」
余りにも冷たく無関心な態度に、コルベールのテンションはダダ下がりだった。
すっかりしょぼくれてしまったコルベールがソファーに腰掛けると、おもむろにオスマンが口を開く。
「……まぁそんなに気を落とすなコルベール君。 ただでさえ少ない髪の毛がさらに減ってしまうぞ。 で、何の用かね?」
「氏も一言余計です……実は……」
コルベールはロングビルを一瞥し、オスマンの瞳に訴えかける。
「ふむ、ミス・ロングビル すまんがこの前頼んでおいた資料を全部持ってきてくれんかね?」
「え!? あ、あの量を今、全部ですか!?」
ロングビルは切れ長の瞳を見開き、口の端を引きつらせる。
「うむ すまんなぁ 急がんでいいと言ったが、やっぱり急いでくれ」
オスマンがにっこり微笑んむ。
ロングビルはわかりました、と短く答え少しばかりゲンナリした様子で退出していった。
「…コルベール君。 これで話せるかの?」
オスマンの言葉にコルベールは軽く頭を下げる。

137 :ルイズとヤンの人情紙吹雪6:2009/07/19(日) 15:12:34 ID:???
「ありがとうございます。 実はミス・ヴァリエールの召喚した使い魔の事なのですが…」
「おぉ ミス・ヴァリエールの使い魔か。 召喚されたのは平民だが成功して良かった。 彼女も努力が報われたと言うものだ」
オスマンはにっこり微笑みながら話す。
「はい。 それでその使い魔に現れたルーンが特殊な形状だったのです! 調査した結果……なんとあのガンダールブのルーンと同一のモノでした!!」
コルベールのテンションはすっかり回復し、今や鼻息荒く興奮している。
「ガンダールブって…『あの』ガンダールブか?」
「はい!!」
コルベールの精神の高揚に反してオスマンの心は以前、静かなままだった。
「……えーーー? 本当かのーーー? ガンダールブって凄いレアなんじゃぞ? 6000年前に出たっきりじゃぞ? ホイホイでるもんじゃないぞ?」
その言葉にムッと来たコルベールは証拠を突きつける。
「これをご覧下さい! こちらは私が写した彼の左手のルーンです。 そしてこちらは格式高い信頼に値する資料の物。 同じでしょう!!」
バンッと机に置かれた紙と本に目を通すオスマン。
「あ 本当じゃの」
「ね! 本当でしょう!?」
勝ち誇った顔をするコルベールの顔とは対象に、オスマンの顔は渋くなる。
「………本当なら本当で、とんでもなく面倒なことになるの……」
オスマンの発言に一瞬頭を捻ったコルベールであったが、その真意にすぐさま気付いた。
「……ミス・ヴァリエールが……虚無の使い手、ということでしょうか…?」
コルベールの顔も陰る。
ガンダールブとその主、虚無の使い手。
王国が放って置くはずが無い。
近年、王国と諸外国の友好関係は良いものではない。
トリステインの国力の衰退も手伝って、情勢はハッキリ言って悪い。
今このタイミングで、その二人が現れたなどと王国に知られたら間違いなく担ぎ上げられ動乱の渦中に放り込まれる。
まだ幼い自分の教え子が、大人の都合に振り回される姿などオスマンとコルベールは見たくなかった。
「分からぬ……それに、その使い魔がガンダールブと決まったわけでもあるまい? 暫くは様子見じゃ だがこのことは他言無用ぞ」
「はい……」

138 :ルイズとヤンの人情紙吹雪6:2009/07/19(日) 15:13:26 ID:???
学院長室に暗く、重苦しい空気が立ち込めた。
 
 
 
ルイズとヤンは食堂にいた。
ヤンが合流してから、驚くべき速度で掃除が終わったため、なんとか昼食に間に合うことが出来た。
今回からは、ちゃんとヤンの分の椅子も用意されていた。
ルイズの「あ、あんたがどうしてもって言うから今回から同じ食事でいいわ。 でも勘違いし(ry とのお言葉を頂いて、賄い料理からVer.upした。
周りの貴族たちは「ブリミルなんたらかんたら」とブツブツ祈っていたが、ヤンにとっては関係の無いことだ。
物凄い勢いで胃もたれしそうな豪勢な料理に手を付けていく。
その姿を見て、人知れずライバル心を燃やす青髪の少女がいたとかいないとか。
「ちょ、ちょっと! まだお祈りがすんでないでしょ!? 慌てなくても誰も盗らないわよ! は、恥ずかしい真似しないで!」
ルイズは慌てて制止するが、やはりヤンはどこ吹く風。
「うるへーー 食えるとき食っとかなきゃよォ。 第一こんな『普通』の料理じゃ俺の食欲は完全には満足しねーーの。 こんなんで我慢してやってんだから
逆に褒めてもらいてー。 しっかしウメェなぁ やっぱブルジョワジィは違うぜぇ」
喋べり終わると、すぐさま料理を口の中に放り込む。
「普通の料理って……アンタそんなに良い生活してたようには見えないけど、貴族の料理が『普通』なの?」
「もっしゃもっしゃ… 俺から見りゃ貴族だろーが んぐ 平民だろーが もぐもぐ 変わんねー」
すぺぺっとヤンの口からルイズに向かって、残骸が飛んでくる。
「ちょ、ちょっと口に物があるうちに喋るの止めなさいよッ! アンタって本当にマナーがなってないわね!!
だいたい貴族と平民が一緒ってどういうk 「なんてことをしてくれたんだ!!」
ルイズがヤンに食って掛かろうとした時、食堂中に怒鳴り声が響いた。
ルイズとヤンは一瞬お互いを見やった後、怒鳴り声の中心と思われる場所に視線を移す。
「君が小瓶を拾ったお陰で、二人の麗しいレディの心が傷付けられた! だいたい状況を察して話を合わすぐらいの機転も利かないのかね!!
まったく平民というのはつくづく使えん連中だな! 一体どう責任を取るつもりだ!」
金髪の少年が、黒髪のメイドを怒鳴りつけていた。

139 :ルイズとヤンの人情紙吹雪6:2009/07/19(日) 15:14:30 ID:???
黒髪のメイドは平謝りだ。
この世界でメイジである貴族に逆らう術を、平民は持たない。
中には『メイジ殺し』と呼ばれる、特殊なスキルを身に付けた者もいるにはいるが、それは稀だ。
平民はどんな理不尽であろうと貴族に頭を垂れる。
それが『決まり』とも言えた。
「も、申し訳ありません! 申し訳ありません! どうかお許し下さい! 私めが愚かなばかりに…! ど、どうか…!」
黒髪の少女の必死に嘆願する。
ヤンはこの少女の声に聞き覚えがあった。
シエスタだ。
なんということだ。
他のヤツなら心底どうでもいいことだったが、シエスタならば話は別だ。
なぜならシエスタは、ヤンの中では既に愛人兼食料に決定していたからだ。
ヤンもこの世界についての知識を多少なりとも手に入れていた。
そこから推測するに、シエスタは何らかの折檻を受ける可能性が非常に高い。
そしてそれはシエスタの肌に傷を付けたり、ひょっとしたら金髪貴族小僧に手篭めにされてしまうようなことかもしれない。
ヤンは自分のモノが他人に傷付けられたり盗られたりするのは嫌いだった。
寛大な心なんて基本的に無い。
だからヤンの思考は実にストレートに「自分のモノに手を出そうとする、あのパッキンのガキをぶちのめす」という結論に達していた。
「ちょっとヤン! どこ行くのよ!」
突然、席を立ったヤン。
ひょっとしたら、あの騒動に首を突っ込む気かもしれない。
そう思ってルイズはヤンを引き止めようとしたが、ヤンは結構なスピードで騒動の中心に向かってしまった。
人込みをすいすいと縫うように突き進む。
すぐさま中心に到着し金髪の貴族とシエスタの間に割って入る。
「おいおいおい ガキ! 『これ』は俺の女なんだよ イチャモン付けてんじゃネェーーーーーーー」
金髪の少年、ギーシュ・ド・グラモンは突然の闖入者に驚いていた。
シエスタも色々な意味で驚いていた。
「ヤ、ヤンさん! え、ええぇと……お、俺の女とは一体どういう……あ、あの…その…ひょ、ひょ、ひょっとして……あ、あうぅ〜」
シエスタは突然の援護と、ビックリ発言に顔を真っ赤にして混乱していた。
ギーシュもようやく驚きから立ち直って、ヤンに対する。

140 :ルイズとヤンの人情紙吹雪6:2009/07/19(日) 15:16:09 ID:???
「な、なんだね君は?」
「僕様チャンの名前はヤン・バレンタイン とてもカッコよくて頼れるお兄さんでぇーす。 そしてこのシエスタちゃんとはラブラブな仲なんですぅ」
「え、えェェぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「な、なななななななんですってぇーーーーーーーーーッ!!!」
真後ろでシエスタが、遠くの方からルイズの絶叫が聞こえてくる。
「なんだが騒がしいね… まぁいい。 で、君がその平民の恋人だとして何だというんだね? 彼女の代わりに罰でも受けてくれるのかな?
まぁ僕としても女性よりも男の方が叱責しやすくて助かるよ アハハハハハハ!」
ギーシュは髪を掻き揚げながら余裕の表情を崩さない。
相手がちょっと怖そうなお兄さんであろうが、平民である限り自分の優位は覆らないと確信しているらしい。
「罰を受けるぅ? 俺がぁ? なんでそんなモン受けなきゃなんねーの?」
耳をほじりながらぶっきらぼうに答える。
ほじり出した耳カスをギーシュの顔めがけてフッと吹き飛ばす。
ギーシュのこめかみに深い皺が刻まれる。
「……さっき僕のことをガキと言ったね……おまけに貴族の面体に耳カスを……フ、フフフフ…いいだろう。
恋人の存在が彼女に悪影響を及ばしているみたいだ。 真に調教が必要だったのは君だ。 貴族に対する礼儀と言うものを教えてやる!」
決闘だ! ギーシュは続けてそう叫ぼうとしたが、できなかった。
なぜならその瞬間、彼の体は宙を舞っていたからだ。
顔面が歪み、前歯は折れ、鼻はひしゃげ鼻血が大量に撒き散らされる。
そしてそのまま後方のテーブルに叩きつけられた。
ヤンの蹴りが顔面に直撃し吹っ飛ばされたのだ。
無知であることは時に何よりも残酷で非情な結末を導き出すことになる。
ギーシュ少年はまだ幼く、自分が井の中の蛙であることを理解していなかった。
まさか貴族相手にいきなり手を出す平民がこの世にいるなんて。
食堂を不思議な静寂が包む。
誰一人として状況を理解できたものがいなかった。
いつの間にか近寄ってきていたルイズにもキュルケにも、ヤンの背後に隠れていたシエスタにも
遠巻きに注視していたタバサにでさえ、ヤンの動きも状況も瞬時には理解できなかった。

141 :ルイズとヤンの人情紙吹雪6:2009/07/19(日) 15:17:37 ID:???
「あ〜〜〜〜ん? 手加減したゼェ? 蹴り一発でダウンってこたぁネーだろ? オレを調教すンだろ?」
ヤンはポケットに両手を突っ込みながら、倒れたギーシュに無造作に近づく。
「ぐ、うぅ…う、う……ぐ」
顔面を押さえて痛みに苦しむギーシュ。
鼻血と鼻水と涎で汚れている。
倒れるギーシュの脇腹めがけヤンの蹴りが再び放たれる。
ドゴッ
「ぐぇッ!!!」
カエルのような声を出して更に数メイルすっ飛ぶ。
ようやく観衆達が状況を理解し始める。
そして見る見るうちに皆の顔は青ざめていくのだった。
「立ちな」
ヤンはギーシュを見下し言い放つ。
ギーシュは鼻血と鼻水と涎と涙で汚した顔で、ヤンを見上げる。
「う、うぅぅうぅ、ヒュー、ヒュー、げほ ぐ…う…う、うぅぅ……う……ぼ、ぼぼぼ僕にこんなことをして、た、た只で済むと思っているのかッ! 
ぼ、ぼ、ぼ僕はグラモン伯爵家の四男だぞ! ち、父は元帥だぞ! 貴族なんだぞ!」
「はぁ〜〜〜〜〜〜〜? ひゃはあははははあははあははははははは! 知るかバ〜〜〜〜カ」
ヤンは愉快そうに嗤うとギーシュの頭を踏み潰すためにゆっくり足を上げた。
しかしそこで思わぬ邪魔が入った。
「や、やめなさいヤン!!」
ルイズが叫びながらヤンに抱きつき制止する。
ガヅン!
抱きつかれた拍子に足元が狂い、ヤンの足裏はギーシュの頭をかすり床を砕いた。
「ひっ!」
ギーシュは頭を抱えすっかり萎縮してしまっていた。
「おーい何すんだよ 外れちまったじゃねーか」
久々に楽しくなってきていたのに。
弱い者を嬲る時はいつだって最高だ。
そんな楽しいひと時を邪魔したルイズを、軽い口調とは裏腹に冷たい目で見つめる。
「そ、それ以上やったら死んじゃうじゃない! そんなことになったらアンタ大変なことになるわよ!!」
ヤンの迫力にも負けず、しっかり目を見て食い下がるルイズ。

142 :ルイズとヤンの人情紙吹雪6:2009/07/19(日) 15:18:39 ID:???
「大変なことぉ〜?」
さっぱり見当も付かない、という顔をしてルイズを見つめる。
「そうよ! アンタが今蹴ってるのはギーシュっていう貴族なの! 名門グラモン家の四男でソイツを死なせちゃったらもうここにはいられないわよ!
お尋ね者になっちゃうんだから!!」
いつになく必死なルイズ。
当然であろう。バカで短気でそのくせ強いヤンをこのままにしておいては間違いなく賞金首だ。
そしてヤンの主であるルイズは勿論、ひいては実家であるヴァリエール家にも累が及ぶかもしれない。
何より、自分の初めての魔法成功の成果であるヤンを失うなんて考えられなかった。
「……あーーそいつは大変だなーーーーーー」
ヤンは賞金首になるとかそんなコトをまったく恐れていなかった。
むしろ、お尋ね者になるのもいいかもしれない。
お尋ね者になれば『餌』が向こうから来てくれるのだ。
今まで聞いた話しや、現在自分の足元に転がっているガキから推察するに、魔法というものは万能の攻撃手段という訳ではないらしい。
魔法を使用するためには何らかの「タメ」が必要なようだ。
即座に使えるのなら、このガキが反撃を試みているだろう。
自分の蹴りも防がれなかった。
今、魔法が使える貴族様は無様に床に這いつくばっている。
自分の超スピードと怪力の前には、どうやら貴族も只の豚と一緒のようだ。
なんだ、ただの雑魚じゃん。
フツーに皆殺しできるな、これ。
あ、そうだ。そうしよう。うん。
男はみんな殺して、女はみんな犯してから殺して、グールの群れでも率いて王様にでもなっちゃおうかなー。
ああ。いいんじゃねぇの、それ。おもしろそーだな♪
ヤンがそんなこと考え始めた時、突然視界を白い光が覆った。
「!?」
(な、なんだ!? 『魔法』か!? 何かやられたのか!?)
やっぱ魔法って結構ヤバそーなのかな? 大人しくしてりゃあ良かったかなー?
ヤンが早速、後悔し始めた時、視界を覆う光が晴れる。
一人の男が姿を現す。
「よぉ 愚弟(グッティー) 元気か? おにいたまだよ」
足元のガキを踏み殺そうとしていたはずのヤンは、今自分が怪しげな空間に居ることに気が付いた。

143 :ルイズとヤンの人情紙吹雪6:2009/07/19(日) 15:20:01 ID:???
周りの衆人観衆もルイズもシエスタも、足元のギーシュもいない。
前も夢で見たような気がする景色だ。
「あ? 兄ちゃん!? 驚かすんじゃねーよ! 心臓に悪いだろうがテメェー!」
「おい なんという言い草だ 兄に向かって…。 …まぁいい ところで今日は文句があるぞ。 この前俺が言ったことは覚えているか?」
「はぁ? ……えーーーーと その あーーーー ん? んーーーーーーー お? あ! 俺はガンダールブだからルイズを守れって言ってた、あれか?」
「それだ……一応覚えていたようだな……ならば今の状況は理解できるか? ん? このままいけばルイズ様の立場が極めて悪くなると予想できるか?」
「……ケッ なにがルイズ『様』だ ハァ〜〜〜 兄貴があんなツルペタ女に『様』付けたぁなー。 ルイズが何だってんだよ?
兄貴がそこまで気に掛けてやるような『価値』があンのかよ?」
「今はまだ言えん。 とにかくあの方は我々バレンタイン兄弟にとって非常に大切な存在なのだ 大切にしろ」
「またそれかよ! なんで言えネーんだよ!」
「アホか 物事には順序とかフラグ立てとかあんだよ こんな初っ端に言ったら感動とか台無しだろうが ボケが」
「そんなもん知るかボケ 殺すぞコラ だいたいエラソーにしてっけど俺の左手だろうが テメーは。 兄貴面してんじゃねー ゲス ウンコ」
「あーーー ふーーん そういうこと言うんだ 兄に対して チンカス」
「うるせーハゲ ぶっ殺すぞ」
「ふざけんなテメー大体何で召喚されたのがオメーなんだよカス! 俺の方が知的でカッケーよ!」
「テメーは本編で復活したからいいだろうがボケ!俺だってどうせならこんな左手じゃなくてミギーの方が良かったわ!」
「ショタジジイに操られた挙句、瞬殺されたわ! それにミギーはHELLSINGですらねー!」
「うるせーーーーーー!」
ズガッ
ヤンの目潰しがキレイにルークに決まる。
「ギャーー!」
ゴロゴロゴロゴロ
ムクリ
「テメェー食らえやぁ!」
ヤンに飛び掛りマウントになるルーク。
「月光蝶!月光蝶!月光蝶!月光蝶!」
怪しげな単語を口にしヤンを殴り続ける。
「ブォーーーーッ ぎゃーーーッ ブォーーーーッ ぎゃーーーッ ちょッ! 助けッ!」
…………。
……。
…。

144 :ルイズとヤンの人情紙吹雪6:2009/07/19(日) 15:21:47 ID:???
一連の騒動が済んだ後は、辺りは血の海になっていた。
だが二人は何事も無かったかのようにケロッと立っている。
「というわけでルイズ様LOVEでいけ。 暴れるの禁止だから。」
「まーたそれか! 他に言うことねーのかよ ウンコ兄貴 ウンコ野郎!」
「うるせーーッ! さっさと戻れ! クセーんだよ!」
ドガ
「ぶはッ!」
ルークがヤンの顔面を殴りつけた。
その拍子に再び視界が白い光に包まれた。
次の瞬間、ヤンの視界は元に戻っていた。
すなわちアルヴィーズの食堂で、騒動の真っ最中の状況である。
ヤンは何が何だか分からなかった。
皆殺しにしようと思ったら視界が真っ白けになって兄、ルーク・バレンタインが出てきた。
で適当にくっちゃべっていたら、また視界が真っ白になって『ここ』に戻ってきた。
…………。
どうみてもドラッグ決めてラリラリの薬中患者だ。
しかもトリップしている時間は現実には一瞬にも満たないようだ。
(…薬も無しにラリれんのか ガンダールブってのはスゲーなーーーーー)
見当違いなことに感心する。
ルイズが必死な表情で、自分にしがみ付いていた。
(そういえば何で抱きつかれてんだ? 顔必死だな)
「あーーーっと…… で、何だっけ?」
ヤンが間抜けな表情で間抜けな質問をする。
「だ、だからこのままじゃお尋ね者よって言ってるの! もうやめてあげて!」
後ろではシエスタが相変わらず蒼い顔をしてことの成り行きを見守っていた。
足元を見ると相変わらず金髪のガキが頭を抱えて怯えていた。
(そーだったそーだった! 思い出したよ バッチグー! しかし、こーゆーの見てるとホント嬲り殺してーーーよなーーー
でもなーー ここでコイツ殺っちまうとなーー 後で兄貴とかウルセーだろーしな。 ここは兄貴とルイズ『様』の顔立ててやるか……)
「はいはいOKOK! やめますよぉ やめらりゃあいいンだろ? あーあ ったくよーー」
ヤンは拗ねた様に言い捨てると、ブラブラと食堂出口へ向かう。
「ちょ、ちょっとどこ行くのよ! 待ちなさいよ!」

145 :マロン名無しさん:2009/07/19(日) 15:52:03 ID:???
sienn

146 :マロン名無しさん:2009/07/19(日) 15:57:24 ID:???
と思ったら終わってるのか?
さるさん?

147 :マロン名無しさん:2009/07/19(日) 16:01:51 ID:???
4時回ったから投下されるならそろそろ

148 :ルイズとヤンの人情紙吹雪6:2009/07/19(日) 16:28:35 ID:???
ルイズは慌ててヤンを追いかける。
「あ! ヤ、ヤンさん!」
その後をシエスタも追う。
そのまま三人は食堂から姿を消してしまった。
ギーシュは医務室に担ぎ込まれたが、そこはルイズの爆破を受けた怪我人で一杯であった為、彼は痛みに長時間苦しまねばならなかった。
当事者達を失ったために騒動は鎮静化したが、その場に居合わせた全ての貴族にヤンは恐怖を植え付けることに成功してしまっていた。
もっとも全てと言っても二人の貴族を除いてだが。
この事件でキュルケは、今まで周りに居なかったタイプであるヤンの苛烈な野性味に更に絡め獲られてしまい、彼への想いをより強固で一途なものに
昇華してしまっていた。
またその友人であるタバサもヤンの人間離れしすぎたスピードとパワーとそして余りに常識外れの行動に、変わらぬ警戒心を抱きつつも大きな興味を
抱くことになった。 あの力があれば……、という思いが働いていた。
 
「ヤン! どこ行くのよ! ま、待ちなさい!」
ルイズはヤンを追って必死に駆ける。
既に姿は遥か遠い。
食堂を出た瞬間に超スピードで跳んだのだ。
「ヤンさーんッ! 待って下さーい!」
ルイズの後ろから、胸を揺らしながらを彼女を抜きさるシエスタ。
その様子を、特に揺れる胸を見た瞬間ルイズは立ち止まり、黒髪の少女に怒鳴る。
「ちょ、ちょっと止まりなさい! な、なんでアンタまでヤンを追いかけてるのよ! あれは私の使い魔なのよ! あなたは追う必要ないでしょ!」
いつもは貴族に対して怯えるだけであったシエスタは、ヤンの恋人発言や圧倒的な実力に勇気付けられ、普段の彼女からは思いもよらぬ行動に出る。
シエスタは立ち止まると、振り返り反論してきた。
「私はヤンさんに助けて頂いたんです。 そのヤンさんを追うのは当然じゃないですか。 それにヤンさんは使い魔と言えども人ですよ!? 
それを『あれ』呼ばわりなんて酷過ぎます! あなた、ヤンさんの主のミス・ヴァリエールですよね? 噂通り非道い方みたいですね!」
なかなかに辛辣な言葉を並べてくる。
「な、なんですって! ヒドイって何よヒドイって! どんな噂を聞いたか知らないけど、アナタの知ったこっちゃないでしょ!?

149 :ルイズとヤンの人情紙吹雪6:2009/07/19(日) 16:29:48 ID:???
私はアイツの御主人様なのよ! どんな扱いをしようが貴族の私の勝手でしょ! 平民のアナタがとやかく言うことでは無いわ!!」
ルイズは、まさか平民のメイド如きにここまで言われるとは思っていなかった。
本当は余り好きでは無かったが、自分が貴族であることを高らかに掲げた。
「言う権利なら……あります!」
シエスタは豊かなモノを揺らしながら胸をムンッと張る。
『貴族』を出してもシエスタは一歩も引き下がらない。
確実に勝てるジョーカーを出したというのに勝てなかった。
「え!? な、なんでよ! どんな権利があるのよ!?」
ルイズの目論見は完全に崩れてしまった。
「私は……私はヤンさんと…そ、その……その………ラ、ラブラブなんですからッ!!!!」
「!!!!?」
ズガドーン
ルイズの目の前は真っ白になった。
「さ、さっきのミスタ・グラモンが言っていた通りわ、私はヤンさんの恋人(になるつもり)なんですから!! 言う権利はあります!!」
グ、グラァ〜〜
ルイズの足元がふらつく。
グッ ズシャァ
しかし倒れまいと、必死に耐えた。
「な、ななななななななな何言ってるの!? ヤ、ヤンのこここここここここ恋人ですって!!? 証拠見せなさいよ証拠を!!!?」
シエスタを睨むルイズの目には、うっすら涙が溜まっていた。
「ヤ、ヤンさんは私に言ってくれました! 『シエスタはおっぱいが大きくて綺麗で素敵だね』って!!! それに! コレはキスマークです!!」
バッ
そう言って首の赤い斑点を見せる。

150 :ルイズとヤンの人情紙吹雪6:2009/07/19(日) 16:32:53 ID:???
ただの虫刺されの痕を。
「!!!!!!!!!?」
デデーン
シエスタは、色々と思い切り捏造してみた。
顔を真っ赤にして、やった本人が一番照れている。
それとは対照に、言われたルイズの顔からは血の気が失せていた。
グラァ〜〜〜〜〜
ヤンが…シエスタの胸を見たって…?
そう…言いたいの…?
首にキスマーク?
そういう……関係……?
おっぱいが大きくて素敵……。
おっぱいが……。
私には……おっぱいが………ない……。
ドサ
ルイズは倒された。

151 :ルイズとヤンの人情紙吹雪6:2009/07/19(日) 16:36:46 ID:???
以上です
いつまで経っても猿をくらう成長しない作者ですw
支援までして貰ったというのに…
しかし予告のゲッタンといい
バレンタインの男汁兄弟はみんなに愛されていると感じる…
みんなの愛に相応しい文章が書けるようになりたい

152 :マロン名無しさん:2009/07/19(日) 16:40:50 ID:???
うひゃ〜!ヤン来てたのか〜
欲望丸出しの僕様ちゃんぶりに痺れるわ〜

153 :マロン名無しさん:2009/07/20(月) 12:09:21 ID:???
決闘にも行かず即蹴り回すとはw

154 :マロン名無しさん:2009/07/20(月) 18:43:03 ID:???
ヤンとルークはスムーズに脳内再生されるなぁw

155 :マロン名無しさん:2009/07/20(月) 20:11:32 ID:???
オスマンにも若干あのテンションが混じってたのに吹いたw

156 :マロン名無しさん:2009/07/22(水) 15:37:35 ID:???
HELLSINGメンバーが召喚されたのが原作前だと
無数の銃剣を錬金し使う聖堂のギーシュ
貴族としての心構えと責任を持つ鉄の処女ルイズ
魔法をまともに当てられないが組織運営、戦略眼がある風上のマリコルヌ

才人が決闘で死ぬな…

157 :マロン名無しさん:2009/07/22(水) 16:40:28 ID:???
多分その場合、決闘イベントが起きないんじゃないか?
もしくは「いけません、暴力を振るっていいのは(ry」でぶん殴られるw

158 :マロン名無しさん:2009/07/23(木) 01:56:24 ID:???
>>156
鬼子と言われ閑職へ回されるも聖地回復を目指すクロムウェルとか?

159 :マロン名無しさん:2009/07/23(木) 05:13:18 ID:???
>>156
それ憑依合体してんの?

160 :マロン名無しさん:2009/07/24(金) 17:40:04 ID:???
オーバーソウル

161 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/07/24(金) 21:51:17 ID:???
お久し振りです、投下します。

162 :ゼロのロリカード-40:2009/07/24(金) 21:52:25 ID:???
「君が北花壇騎士七号だね?」
トリステインのとある酒場で、タバサはその人物と会う。例の如く任務の通達。
しかしガリアに召還されず、トリステインで任務を受けることなど今までに無かった。

 人は普段と違う時、少なからず邪推してしまうもの。
それはタバサも例外ではなく、騎士になってからはより顕著であった。
疑心と考察を常とする。
情報の鵜呑みは己の危険に直結し、何事もまず疑ってかかる。
今までそうやってきたからこそ、こうして生き残ってこれたことに通じる。
いつ如何なる時も頭を回転させる、思考停止はそのまま死に繋がるのだ。

「初めまして、僕はウォルター。シャルロットもといタバサ。なるほど、髪色とかジョゼフの面影も・・・・・・」
他愛なく発したウォルターのその言葉に、タバサの心が氷のように冷え切る。
知らず憎悪と殺気の入り混じったオーラが滲み出した。

「っと、怖い怖い・・・・・・それじゃ早速任務の話をしよう」
不愉快を通り越して危害を加えかねない雰囲気を察するも、ウォルターは軽口を叩くように任務を言い渡す。

 タバサは静かにゆっくりと、音を立てずに深呼吸する。
昂ぶった心を落ち着けていく。ここでこの男に、敵愾心を見せても意味は無い。


「ルイズ・ド・ラ・ヴァリエールを知っているかい?君も通っているトリステイン学院にいるんだけど・・・・・・」
突如出された友人の名に、タバサの目が細まる。
不穏な空気を感じる。わざわざガリアではなく、こっちで任務を言い渡す理由。
・・・・・・が、とりあえず最後まで聞いてみないと。という思いが、タバサを頷かせた。

「オーケィ、知ってるなら手間が省けて助かるよ。そのルイズの使い魔アーカードを排除・・・・・・は無理だから。
 少しの間だけ、ルイズから引き離してくれるだけでいい。方法は君に任せるよ、無論長いに越したことはない」
 

163 :ゼロのロリカード-40:2009/07/24(金) 21:53:41 ID:???
「・・・・・・何故?」
普段なら任務内容について、その裏の意図を読むことこそあれ、わざわざ質問することは無い。
しかし今回の任務は友人に・・・・・・自分にとっても大切なことに関わる。
危害が加わるようであれば、騎士の位と見せかけの忠誠を捨てることすら辞さない覚悟である。

「それは君が知る必要の無いこと。でもまぁ教えてあげるよ。ルイズは伝説の系統、『虚無』の担い手なんだ。
 それでジョゼフが『虚無』同士を戦わせたいと言っていてね、その為にルイズを攫う時間が欲しい。
 その時にアーカードが傍にいると、何かと厄介極まり無いから、足止めをして欲しい・・・・・・というわけ」

 それを聞いて、タバサは一度だけ自問する。
否、考えるまでもない。こんな任務は――――――。


 と、タバサの拒否の回答を知ってか知らずか。
ウォルターは出鼻を挫く、これ以上ない絶妙なタイミングで口を開いた。
・・・・・・聞いてもいない、この任務の成功報酬の事を。

「この任務を終えた暁には、君の母親の治療薬を渡すそうだよ」
タバサの眼鏡の奥の、青く透き通った瞳が見開かれる。
復讐を終えたら・・・・・・残りの生涯全てを費やしてでも、探そうと思っていた治療薬。
水魔法の毒に侵された母を治せる・・・・・・?優しかった母が帰ってくる・・・・・・?

「それじゃよろしく」
ウォルターはタバサの表情を見て取ると、半眼で笑みを浮かべる。
詳細が書かれた任務状を置くと、さっさと酒場から出て行ってしまった。
タバサの答えを・・・・・・待たずに。

 
 ――――――タバサはその場で呆然と考えるしかなかった。
 

164 :ゼロのロリカード-40:2009/07/24(金) 21:54:10 ID:???
 油断させる為に、今は任務を受けたフリをして、ルイズとアーカードにその事を伝える。
それを終えたら早急に母を保護して、一旦身を隠して機を窺い待つ・・・・・・そう考えていた。
シュヴァリエでは無くなり、北花壇騎士もお役御免。ガリアとは完全に決別する事になるだろう。
当然復讐の完遂は多少遠回りになるし、難しくもなるだろう・・・・・・それでも問題は無かった。
友を裏切り敵に売るくらいなら、その程度の苦難は覚悟できる。

 しかし――――――。
治療薬・・・・・・今までやれる限りの手を尽くしたが、どうしようもなかった。
手掛かり一つ無く、全く以てお手上げ状態であった。
メイジが作り得るそれとは似て非なる、心を狂わせる水の病。
何か特殊な調合法、例えば先住などで作られた毒だったら・・・・・・?

 だけど今なら・・・・・・手を伸ばせば、念願の治療薬に手が届く。
もしこの機会を逃したら、二度と手に入らないかも知れない。
ジョセフが飲ませた毒。本来なら自分が飲む筈だった毒。私を庇って母が飲んだ毒。
もし今ここで、ガリアとの関係を断ってしまえば・・・・・・二度とこんなチャンスは・・・・・・。


 ジョゼフ、あの男は卑怯で愚劣だが・・・・・・嘘はつかない。
私の代わりに毒を飲んだ母との約束を守っているからこそ、私は今こうして生きている。
あの男は狂っているからこそ、誰よりも正直でもあるのだ。

 いや・・・・・・そもそも、私達に興味が無いのだ。
だから生殺与奪を握っていても放置している。その気になれば好きに出来るものを。
そう、任務内容から考えてもわかる。その報酬から考えてもわかる。
今のあの男は興味は『虚無』なのだ。

 もし私が任務をこなし、母を治し、以降逆らうことなく、母と静かに暮らす。
それならばあの男の興味が向くことはない。
 

165 :ゼロのロリカード-40:2009/07/24(金) 21:54:29 ID:???
 人が歩いている時、路傍の小石に目が向くだろうか?
進行方向に転がっていれば、もしかしたら蹴ることもあるだろう。
しかし道の脇で他の石と紛れていたなら、わざわざ意を向けられることは無い。
今あの男は有象無象の小石ではなく、『虚無』と言う光る原石を集めようとしているから尚更である。

 ――――――この任務の先には、母との慎ましく平和な生活が待っている。
父はいないけれど、あの懐かしき日々の一端が・・・・・・戻るかも知れないのだ。


 タバサの脳裏に一人の女性の顔が浮かぶ。
『タバサ』・・・・・・いや、『シャルロット』に狩りと復讐を教えてくれた人。

 化物に家族を殺され、その化物への復讐にその身を捧げた、強き女性。
今の『私』があるのは、全て彼女のおかげ。自分の命も、今の生き方も、心の在り方も。

 今はその亡き彼女に聞きたかった。
自分は一体どうすればいいのか聞きたかった。
それほどまでに追い詰められる選択肢。

 かつては長かった髪と共に、とっくに切って捨てた筈の、少女の弱き部分が浮き上がる。
タバサの瞳が潤む、答えの出ない二者択一に。

(ねぇジル・・・・・・あなたならどうする?両親が殺されて、仇のキメラドラゴンがのうのうと生きていたとしても)

 タバサ自分の手の平を見つめる。
震える小さなその手は、酷く儚く見えた。
日に晒されて溶ける淡雪のように。

(妹が・・・・・・両親が死んでいても、あなたの大切だった妹が生きていたのなら・・・・・・)
震える手の平を、グッと握る。
ギュッと目を閉じると、溜まっていた涙粒が頬を伝った。
 

166 :ゼロのロリカード-40:2009/07/24(金) 21:54:51 ID:???
(あなたは・・・・・・違う・・生き方を・・・選んでいたのかな・・・・・・)





(さって・・・・・・どう、転ぶものか)
あの様子だと、確率としては半々と言ったところか。
(まぁこっちには"アレ"があるし、分断されなくてもその時はその時だ)

 攻撃力、速度、範囲、耐久力、どれも一級品。
アーカードを相手にしても申し分ない、強力な兵器。
そこに己の戦力も加われば、強引に掻っ攫うのもそう難しい事じゃない。

 事実、――――――相手で成功した。
――――――と違って、トリステイン国内の学院で暴れるわけだから、帰路に少し不安要素があるくらい。

(まっ、なんとかなるだろう)
楽観的にウォルターは考える。
アーカードと本当の意味で闘える日は、そう遠くないとほくそ笑んだ。





「いい月夜だ、こういう日は血が滾る。・・・・・・闘争するに相応しい、おあつらえ向きの夜だ」

 タバサに呼び出されたアーカードは、双月を眺めながら、そう口にした。
タバサは感情の窺いづらい瞳で、アーカードから視線を捉えて離さない。
 

167 :ゼロのロリカード-40:2009/07/24(金) 21:55:04 ID:???
「ピリピリしているな」
アーカードはわざわざ口に出した。
少し組手をしたいとか、そういった雰囲気ではないことを・・・・・・察したからである。
明らかに殺意が入り混じった闘気。

 アーカードは不死身だから、試合とはいえ気兼ねなく殺せる。といった殺意ではない。
相手の存在を否定する殺意。相手を生かしておかないという殺意である。
故にアーカードはタバサの真意を測るべく訊ねる。

「・・・・・・何があった?」
まだ人であった頃の・・・・・・幼少期の自分に似ているタバサ。
何か協力出来る事があれば、力になってやるのも吝かではない。
悩みがあるのなら相談に乗ってやりたい、という気持ちに偽りは無い。


 されどタバサは長杖を構える。
いよいよ以てはっきりとわかる形で、殺気をぶつけてきた。
鬼気迫る表情で、睨みつけてくる。
(果し合いか・・・・・・)

 青き瞳に映る決意の色。全身から立ち昇る覚悟の形。
「これは任務。私は貴方を足止めする。その間に・・・・・・ルイズが、貴方の主人が攫われる」

 タバサは己に下された任務の説明した。
――――――タバサの出した答え。
今まで互いに積み上げたものを崩すのだ。その信頼を裏切るのだ。

 だからこそ、せめて偽らず、真正面から向かい合う。
それが相手と、己の心とに折り合いをつけられる、最大限の譲歩。

(ふ〜む・・・・・・)
 

168 :ゼロのロリカード-40:2009/07/24(金) 21:55:22 ID:???
 アーカードはタバサの瞳を覗き込む。エロ光線をかけるわけではない。
最初にルイズと出会った時の様に、相手の心の一端に触れ推し量るように見つめる。

「なにか・・・・・・引けぬ理由があるのだな」
そう言うと、アーカードはデルフリンガーをスラっと抜き放つ。

(まっ・・・・・・ルイズはもうガキではない。多少の苦難は自力で何とかするだろう)



 タバサとアーカードは互いに動かない。
アーカードは不動にして一切の隙がなく、タバサは攻めあぐねていた。
このまま動かなければ、足止めの任は容易く達成されるだろうか・・・・・・などと考える。
否、そんな甘いものではない。いつまでアーカードが動かずにいるかもわからない。

 向こうに攻められ、そのペースに巻き込まれれば敗北は必至。
根源的に身体能力が桁違いな上に、加えて不死身なのだ。

 本来ならばすぐにでも攻めなくてはならない。
苛烈に攻め立て、相手に手を打たせない事で初めて、唯一勝つ見込みが出てくる。
心臓を貫き、再生している間もひたすら攻め続ける。
精神力の尽きるまで、魔法を叩き込み続ける。

 肉体も魔法も自分より遥かに上回っていた、ミノタウロスのラルカスにも勝てたのだ。
勝ち目はゼロではない。死中に活有り、そうやって幾度も死線を越えてきた。

 アーカードの放つプレッシャーを耐え、タバサは詠唱を始める。
静かに・・・・・・唇の動きを見せず・・・・・・悟られぬように、紡ぐ。
タバサの戦闘スタイルが生み出した、タバサ特有の詠唱方法。
それでもアーカードは微妙に気付いていたようだった。
が、その上で待っていてくれるならば構わない。
 

169 :ゼロのロリカード-40:2009/07/24(金) 21:55:45 ID:???
 間合いに隙がなくとも、アーカードの心には余裕がある。
その余裕こそが、己が付け入る事が可能な隙となる。
わざわざ晒してくれるというのなら、それを利用しない手はない。


 『アイス・ストーム』。
氷の粒が入り混じった旋風が、一瞬にしてアーカードを包み込んだ。
視界が閉ざされるが、「何のことは無い」とデルフリンガーで吸収する。

(・・・・・・前は、この後に波状攻撃を喰らって死んだのだったな)
アーカードはラグドリアン湖畔での戦いを思い出す。
だが今はキュルケはいない、得意のコンビネーションを発揮することは無理である。

(次に放たれる魔法は・・・・・・)
『ウィンディ・アイシクル』か、それとも『ジャベリン』か。
やはり以前のように、逃げ場を与えない無数の氷の矢か。
受け攻めをいくつか予想する。

 と、その刹那だった。
一本のジャベリンが氷嵐の壁を無視するように貫通してきて、アーカードを襲う。
尤も戦術の一つとして、その程度の攻撃は予想を大きく越えるものではなかった。
難なくデルフリンガーで薙ぎ、弾き、切断し、砕いた。

 しかしそれだけにとどまらなかった。氷嵐に混じって、伸びる一本の杖。
『ブレイド』と併せた鋭い刃の属性を持った杖の先端が、そこにあった。
(ッッ・・・・・・!?)
それは既にデルフリンガーを振り薙いだ、無防備なアーカードの体を容赦無く貫く。

 

170 :ゼロのロリカード-40:2009/07/24(金) 21:55:56 ID:???
 タバサはジャベリンを放ち、氷槍の真後ろから続くように走っていた。
自分が放ったアイス・ストームに刻まれながら、それでも尚、前へ前へと進んだ。
そしてジャベリンを薙ぎ払った瞬間の、その刹那のタイミングを狙いアーカードの虚を突いた。
アーカードがその場から動かないと確信した上で、狙い違わず心臓目掛けて杖を刺し込んだ。
ほんの少しでも、早ければジャベリンごと杖は薙ぎ払われ、遅ければ返す刀で両断されていただろう。

 最初から無傷で倒そうなんて、甘いことは考えていない。
いや・・・・・・アーカードの攻撃を喰らえば、己の肉体なんて簡単に肉塊に変わってしまう。
だからこそ、肌を切り刻まれるくらいで済むなら安いものだった。

 肉を貫いた感触がタバサの手に伝わる。・・・・・・後は、再生する度に殺し続けるだけ。
念の為に貫いた箇所から切り上げて、上半身を真っ二つにしようとした。
その分僅かでも、再生する時間が増えればそれに越したことはないと。
・・・・・・しかし、杖はピクリとも動かなかった。
氷嵐が消えて、姿が確認出来た時、その理由が判明した。

 杖はアーカードの心臓ではなく、左の肩口を貫いていた。完全に虚を突いた筈だった。
が、それでも尚アーカードは極限の反応速度で心臓を避けていた。
右手でブレイドのかかった杖を掴み、押さえ込んでいた。

 タバサと目が合ったアーカードはギラッと笑う。
「惜しかったな。だが生憎と今の私は、殺されて命を消費する愚をしないと・・・・・・決めていてな」

 アルビオンでの戦が終わった後に、考えた末に出した、アーカードの一つの決意。
無論、タバサにはそれを窺い知る事は出来ない。
それよりも絶対に決めねばならなかった一手を防がれた事に、ショックを隠し切れないでいた。


 アーカードは体から強引に杖を引き抜くと同時に、タバサを押し出すように吹っ飛ばす。
吸血鬼の力に抗える筈もなく、タバサは無様に地面を転がる。
マズいと体勢を整えたところで、自分の手に杖が握られていない事に気付く。
 

171 :ゼロのロリカード-40:2009/07/24(金) 21:56:10 ID:???
 杖はアーカードの手にあった。
それもそうだ、吸血鬼の握力に勝てるわけがない。
そして杖を持たない自分が、アーカードと対峙すること。それが意味するのは"死"のみである。
杖の無い状態で打てる手は一つもない。魔法だけが、小柄な少女が唯一対抗出来る要素。

 しかし次にアーカードが取った行動に、タバサは己が目を疑った。
自分に・・・・・・杖を、投げて、よこしたのだった。
綺麗な放物線を描き、杖は寸分違わずタバサの手に納まろうと落ちてくる。
わけもわからないまま、タバサは反射的に杖を掴む。


 まだ闘えると感じたタバサは、すぐさま思考を切り替え、攻撃に転じようとアーカードを睨む。
――――――が、いなかった。アーカードが立っていた筈の場所には何も無い。
タバサが睨みつけたのは虚空のみ。
呆気に取られているのも束の間、背後に悪寒を感じてタバサは振り返った。

 ――――――甘かった。
杖を放り投げたのは罠だったのだ。
一瞬気を取られたその隙に、アーカードは移動していた。

 杖が無ければ、自分がアーカードに勝つ術はない。
アーカードからすれば、別に杖を渡さなくとも、簡単に縊り殺せる筈。
そうだ。それでも杖を渡した理由とは――――――要するに、チャンスをくれたのだ。
 
 杖を投げられても冷静に。アーカードから視線を逸らさず。
その上で杖を掴み、すぐに魔法を詠唱して放っていれば間に合っていただろう。


 タバサは死を覚悟する。最早詠唱は間に合わない。
月の光で煌めく、デルフリンガーの刃を走らせるだけで自分は造作もなく死ぬ。
だが・・・・・・それも仕方ない。いや・・・・・・これは報いだ。
友を裏切った絶対応報。

172 :ゼロのロリカード-40:2009/07/24(金) 21:56:34 ID:???
 
 タバサは目を瞑る。
攻撃に対して反射的に目を閉じたわけではない。
アーカードならば、安らかに逝かせてくれると、そう思ったから目を閉じた。

 タバサの小さな体が衝撃で浮いた。そのまま、またも地面に転がる。
しかし・・・・・・死んではいない。自分は死んではいなかった。
その代わりに、右頬がジンジンして、凄く熱かった。

 飛んできたのは無慈悲な白刃ではなく、平手だった。
アーカードはデルフリンガーではなく、空いた右手の甲でタバサの右頬を打ったのだった。

 相当な手加減してくれたのだろうが、そこはやはり吸血鬼の一撃。
頬が痛むに止まらず、頭がグラグラする。捻られた首がズキズキする。
地面を転がる時に受身も取れなかったので、呼吸もきつく、内臓に痛みを感じる。
意識を繋ぎ止めておくのも、やっとなくらいな状態。
それでも、次にアーカードが発した言葉はよく耳に通った。

「死を覚悟するな、受け入れるな。タバサ、お前には何を置いても果たすべき目的があった筈だ」


 それ以上は何も言わない。それだけをアーカードは言った。
そしてアーカードは、タバサを無視して歩き出す。
 

173 :ゼロのロリカード-40:2009/07/24(金) 21:56:40 ID:???
(ほんに我ながら丸くなったものだ・・・・・・)

 鉄火を以て闘争を始める者に、人間も非人間もない。
タバサはアーカードを、殺し、打ち倒し、朽ち果てさせる為にきた。
当然、殺され、打ち倒され、朽ち果てさせられる覚悟もあった。
それが全て。それが闘争の契約。

 それでもアーカードは殺さなかった。
気まぐれではなく、余興でもなく、酔狂でもなく、一時の戯れでもなく。
そのどれとも違う。情をもって生かした。咎めずに許した。
こっちの世界に来る前の自分からすれば、到底考えられない心境の変化だった。


 タバサは思う、ああ・・・・・・やはり敵わない。
必死に押し殺し、隠していたのに・・・・・・全てお見通しなのかな。

 タバサは地面に杖を立てて、必死に立ち上がりアーカードに続いて歩く。
闘う前から決めていた事。――――――私の出した答え。

 これまで互いに積み上げたものを崩す。その信頼を裏切る。
故に、偽らず、真正面から向かい合う。

 そして――――――私が負けて・・・・・・もしその上で生きていたのなら。
こんな醜い私を許してくれたのならば。

 私は今ある全てを捨て、そして・・・・・・その全て含めた全てを手に入れる。
例えその道程がどれほどつらかろうとも――――――。

 ――――――決然たる意志で、諦めを拒絶し、人道を踏破してみせると。

174 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/07/24(金) 21:57:12 ID:???
以上で終わりです、ではまた。

175 :マロン名無しさん:2009/07/24(金) 22:13:43 ID:U6SOnpbU
乙です
ショルターの容赦無さにゲップがでそう

176 :マロン名無しさん:2009/07/25(土) 00:08:19 ID:???
投下乙
アーカードほんと丸くなったな
ウォルターは殺す気まんまんだったのに
そしてデルフが活躍したはずなのに空気とはこれいかに

177 :マロン名無しさん:2009/07/25(土) 01:00:16 ID:???
7万人ぬっ殺せて満足してるんじゃねw

178 :マロン名無しさん:2009/07/25(土) 14:29:19 ID:???
俺もロリカードの平手打ちくらいたいお

179 :マロン名無しさん:2009/07/25(土) 14:33:22 ID:???
首が捻じ切れますがかまいませんねッ?

180 :マロン名無しさん:2009/07/25(土) 15:02:06 ID:???
それより顔の下半分が吹き飛びそうな気が…

181 :マロン名無しさん:2009/07/25(土) 20:25:22 ID:???
ウィリス空間なら大丈夫でウィリス

182 :マロン名無しさん:2009/07/25(土) 21:21:14 ID:???
ウィリス空間ならロリカードにイタズラしても大丈夫なはず!!

183 :マロン名無しさん:2009/07/25(土) 21:52:30 ID:???
ウィリス空間でロリカードにあんなことやこんなことをしたい…
いや、寧ろロリカードにあんなことやこんなことをされたい…

184 :マロン名無しさん:2009/07/26(日) 09:01:31 ID:???
ウィリス空間だとロリカードかと思ったらジャッカルの精だったりしますがかまいませんね

185 :マロン名無しさん:2009/07/26(日) 09:14:31 ID:???
じゃあリアル空間でもいいや、あの白スーツを脱がす

186 :マロン名無しさん:2009/07/26(日) 12:54:53 ID:???
>>185は犬の餌になりました。

187 :マロン名無しさん:2009/07/27(月) 15:14:29 ID:???
スーツまでとは言わん、あの帽子をとって頭をポフポフしたい

188 :マロン名無しさん:2009/07/27(月) 15:28:57 ID:???
ロリカードがサービス精神を過剰に発揮して大人体型に変身して誘惑するも
急にさめるお前らの姿が見える

189 :マロン名無しさん:2009/07/27(月) 15:31:54 ID:???
当たり前だろうが!!

190 :マロン名無しさん:2009/07/27(月) 17:48:21 ID:???
もし作中でそんなことしてたら、少佐やドクもやる気を無くしただろうな。

191 :マロン名無しさん:2009/07/27(月) 19:07:37 ID:???
一番やる気をなくすのはウォルターだろ。

192 :マロン名無しさん:2009/07/27(月) 19:58:22 ID:???
ウォルターだろうなぁ。

むしろ少佐やドクはなんでもイケそうな感じ。

193 :マロン名無しさん:2009/07/27(月) 20:37:56 ID:???
でもロリカードが大人体型になってさらにおにんにんを生やすと?

194 :マロン名無しさん:2009/07/27(月) 21:14:42 ID:???
狂ってるよ貴様ら

ああそうだ おまえ達はまともじゃない

195 :マロン名無しさん:2009/07/28(火) 01:25:50 ID:???
ふうん 君が狂気を口にするかね?
>>194

196 :マロン名無しさん:2009/07/28(火) 21:44:15 ID:???
いかれている?
何を今更
10スレ程いうのが遅いぞ

197 :マロン名無しさん:2009/07/29(水) 17:30:00 ID:???
なんつーか「ロリカードを愛でる会」と化してるしな、ここ

198 :マロン名無しさん:2009/07/29(水) 17:37:47 ID:???
じゃぁたまにはルイズを愛でようか

199 :マロン名無しさん:2009/07/29(水) 21:19:38 ID:???
アイマスに男の娘も出たし、俺はシュレ(女装)を愛でるか。

200 :マロン名無しさん:2009/07/29(水) 21:54:37 ID:???
遅くなったけどヤンの人乙です。
OVAの予告オマケ動画見た後だから余計吹くw
めちゃくちゃ自然に高木ヴォイスで脳内変換されるぜ。

ロリカードの人、乙です。
旦那丸くなったなぁ。
これも一つの萌え要素か?

201 :マロン名無しさん:2009/07/30(木) 15:03:50 ID:???
>>199
どんな格好をさせるかが問題だ

202 :マロン名無しさん:2009/07/30(木) 15:16:15 ID:???
太ももだ、太ももは必要だよ
絶対に

203 :マロン名無しさん:2009/07/30(木) 15:20:00 ID:???
露出は多いけど、エロくないというのが、ショタの素晴らしさだからな。
色気はないけど、エロくないというロリとは微妙に違うのだ。

204 :マロン名無しさん:2009/07/30(木) 16:03:42 ID:???
このスレ、紳士の溜まり場になってきた

205 :マロン名無しさん:2009/07/30(木) 16:06:02 ID:???
大分前からだと思います

206 :マロン名無しさん:2009/07/30(木) 17:54:59 ID:???
何を今更

207 :マロン名無しさん:2009/07/30(木) 17:58:42 ID:???
>>204
>>196

208 :マロン名無しさん:2009/07/30(木) 21:27:03 ID:???
「このロリコンどもめ!」
ttp://kita.kitaa.net/10/s/10mai244422.jpg

209 :マロン名無しさん:2009/07/30(木) 21:35:21 ID:???
赤・・・だと

210 :マロン名無しさん:2009/07/30(木) 21:38:51 ID:???
着てみたくなったんだな

211 :マロン名無しさん:2009/07/30(木) 22:37:39 ID:???
>>208
グラッツェ

212 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/08/01(土) 21:53:03 ID:???
ちは〜ッス毎度どうもゼロリカです、では投下します。

213 :ゼロのロリカード-41:2009/08/01(土) 21:54:06 ID:???
「・・・・・・重畳」
ウォルターはトリステイン魔法学院の遥か上空で呟いた。
タバサから、任務受諾と決行日付及び時間の連絡があり、こうしてやって来た。
多少の下見と下調べをしていたとは言え、ここまでスムーズに来れるとは・・・・・・。

(未だに戦勝気分でボケてんのかな?)
無断でトリステイン国内に侵入し"これ"を運んでいる以上、ラッキーではある。
余計な戦闘をしなくていいのは、素直に助かる。

 領内侵入の都合上、夜というのは固定であった。
昼間じゃ簡単に見つかってしまう。あまり派手にやり過ぎると、任務にも支障が出る。
アーカードが最も力を発揮する夜は、正直お断りだったが・・・・・・しょうがない。

 ウォルターは魔法学院を鳥瞰する。
タバサはちゃんと任務を遂行しているだろうか。
任務を受けたと見せ掛けて実は裏切っている、という可能性も無きにしも非ず。

 尤も"これ"があるのなら、例えそんなことになっても大丈夫だろう。
それならそれで、"これ"のいい実験ケースになる。
――――――を相手にしても大丈夫だったし、夜のアーカードも多分イケるだろう。


 ウォルターは視線を移すと、無数のガーゴイルに吊り上げられた"それ"を見つめる。
改めて思う、自分に刻まれた『ミョズニトニルン』のルーンは凄い。
(まるでロボットだもんなぁ・・・・・・)
"それ"に限らず、あらゆる魔道具を意のままに操る凶悪な能力。

 この世界に溢れる魔道具は非常に便利なものが多い。
そしてこの"ヨルムンガント"のような兵器も作れる。
地球の現代科学が上回るのも相当数あるけれども、同時に代替出来ない物も多い。
 

214 :ゼロのロリカード-41:2009/08/01(土) 21:54:28 ID:???
(特に自律人形系なんかは真似出来ないね)
ガーゴイルやスキルニルのような、精巧な人型の精度は目を見張るものがある。
他にも特殊な魔法効果を持つ魔道具が色々あるし、対応力はピカイチだ。

 とってもすごく便利な力だ。
魔道具をふんだんに使えば、アーカードに勝てる可能性はグンと上がる。
が、やはり自分の力だけで勝ちたいという願望があるので、対決の時は自粛するが・・・・・・。

(でも向こうも何かしらのルーンが刻まれてるんだよねぇ・・・・・・)
『ガンダールヴ』だとか、『ヴィンダールヴ』だとか。
自分同様、何かしらのルーンが刻まれている筈。

 尤も、向こうがその力を使ってくるのなら、その時はこっちも使うだけだ。


(・・・・・・にしても、こんなに警備薄くていいもんかね)
心配する義理もないし、こちらにとっても好都合なのだが。
学院は一度襲われた筈だ、クロムウェルが雇った部隊に。
だのにも拘らず、こんなにもあっさり行けるとは些か・・・・・・いや、あまりに拍子抜けである。
尤も時間も大分経っているし、別に戦時中というわけでもないからそれも仕方ないのかも知れない。

(流石にロマリアは、こうまで楽勝にはいかないよなぁ・・・・・・)
アルビオンの森のハーフエルフや、トリステインの魔法学院の一生徒とは比べ物にならない。
ロマリア教皇ともなれば、居る場所もその警備も尋常ではないだろう。
こんな"デカブツ"が、ロマリア領内に侵入するのを易々と許すとは思えない。

「さてっと・・・・・・」
上空でぼーっとしていても仕方が無い。とりあえずは一人で降りて確認する。
"これ"を一度降ろせば、また回収するのが面倒だし、相応に大きな騒ぎになる。

 

215 :ゼロのロリカード-41:2009/08/01(土) 21:54:46 ID:???
(それに・・・・・・)
『虚無』にだけは注意するようにと、ビダーシャルは言っていた。
強力な先住魔法に対しても、虚無だけは対抗出来るらしかった。

 だから闘わずに済むならそれに越したことはない。
虚無の担い手たるルイズと、アーカードを同時に相手するリスクを負うことはない。
アーカードとは、ルイズを攫ってから然るべき場所で闘えばいい。

 浮遊感を味わいながら、ウォルターは一直線に落ちていく。
結構な加速度がついたところで、難なく学院の塔に糸を引っ掛け急制動を掛けた。

(えっと確か・・・・・・)
予め調べ聞いていたルイズの部屋の位置を確認する。
都合良く部屋の窓は開いていた。ウォルターはそれが自分を誘い込む罠かどうかを考える。

 学院には他の大勢の人の気配で溢れていた。張り詰めている様子は全くない。
周囲の被害を無視して暴れるとは思えないので、部屋で待ち構えていることはなさそうである。

(杞憂だったかな・・・・・・タバサは任務をしっかり果たしてるのかも)

 ウォルターはそう確信すると、ルイズの部屋へと躊躇する事無く飛び込んだ。



「久し振り、ミス・ヴァリエール」
「・・・・・・ウォルター・・・さん?」

 窓からの突然の来訪者は、アルビオンで会った青年であった。
アーカードの世界の住人、ガリア王の使い魔で執事。

 地上から自分の部屋まで何メイルあるのか。
高さなど関係ないかのように忍び込んできたのだった。

216 :ゼロのロリカード-41:2009/08/01(土) 21:55:12 ID:???
 
 ウォルターは軽く部屋を見渡し、アーカードの不在を確認したところで口を開く。
「突然の訪問、失礼。少し話したい事があるんだけどいいかな?」
「でもアーカードは今いないわよ?」

 アーカードは「所用がある」とか言って、少し前に外へ出て行ったのだった。
何故だか、デルフリンガーを持っていったのが・・・・・・ちょっと気になったが。

「あぁ、君と話したかったんだ。だから大丈夫。それにアーカードはいない方が都合がいい」


 ルイズは首を傾げる。
アーカードはいない方が都合が良いということは・・・・・・。
つまるところ、私だけに話したいって事がある、ということか。

「アーカードには聞かれたくないことなの?」
「ん?・・・・・・う〜ん、まぁそうだね。他人には見られたくないし、聞かれたくないかな」
ますます疑問符が浮かぶ。会って間もないのに、秘密の話とは・・・・・・。

「とりあえず外で話そっか、とても綺麗な・・・・・・いい月夜だし」



 ウォルターに促され、窓から外へと出るハメになった。
ルイズをお姫様抱っこする形で、ウォルターは悠々と華麗に着地する。
少し気恥ずかしかったが・・・・・・まぁよしとする。

「ルイズでいいわよ」
「僕も、ウォルターでいいよ」
ルイズもウォルターも、何となく他人行儀なのが合わないと感じた。
ウォルターが歩き出し、ルイズもそれに続く。二人は月夜の空を並んで歩く。

217 :ゼロのロリカード-41:2009/08/01(土) 21:55:28 ID:???
 
 
(・・・・・・順調だなぁ)
アーカードは不在。タバサが上手く誘導してくれているのだろう。

 時間的な余裕を前にして、ウォルターは少しだけルイズと話をしたくなった。
アーカードの認める、アーカードの新たな主人。
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールと。

「それにしても・・・・・・いきなり部屋にやって来るなんて、どうかと思うわよ」
「あぁ、ごめん。ちょっと訳有りでさ」
「訳有り?まさか・・・・・・不法入国とかじゃないわよね?」
「大丈夫大丈夫」

(なんせバレたところで力尽くで捻じ伏せられるからね・・・・・・)

 一見して他愛のない会話が続く。
少ししてウォルターは立ち止まり、夜空を見上げる。
ルイズもそれにつられて、同じように雲一つない夜空を見上げた。

「ほんと今夜はいい月夜だねぇ・・・・・・」
「そうね」
「僕の世界じゃ、月は一つしか無いんだ」
「そうらしいわね・・・・・・アーカードも言ってたわ」
それから二人は黙って、浮かぶ双月を見つめる。


 暫くして、ウォルターは視線をルイズへと移す。
それに気付いたルイズも、ウォルターと視線を交わし合う。

「ルイズ、僕はね・・・・・・アーカードと闘いたいんだ」
「・・・・・・うん」

218 :ゼロのロリカード-41:2009/08/01(土) 21:55:42 ID:???
 
 アルビオンでウォルターが叫んだ、アーカードへの宣戦布告。
勿論それは、傍にいたルイズも一緒に聞いていた。

「でないとね、前へ進めないんだ僕は・・・・・・。あいつに勝つまで、前に進めない」
ウォルターは続ける。ルイズは口を挟まず、静かにそれを聞く。

「所詮この世は、修羅の巷の一夜の夢だ。一睡、一酔、死神の一夢の残骸。
 だから裏切った。身も心も死神になった。命を・・・・・・全てを、賭けた。そして負けた。
 本当ならその後に死んだ筈だった。でも何の因果か、今はこっちでこうして生きている。
 だから僕は・・・・・・また全てを賭けようと思う。そうしないと一歩も進めないから。
 ねぇ、ルイズ。君は・・・・・・命よりも大事なもの、己の命すら賭けられるものはあるかい?」

 ウォルターは軽い雰囲気で言ったが、ルイズはその裏にある真剣な想いを敏感に汲み取る。
だからこそ茶化したりはしない。はぐらかしたり、誤魔化すようなこともしない。
その問いに関して、本気で考え、全力で答える。


「矜持よ」

 貴族としてのプライド。私が私である事の誇り。

「昔・・・・・・私は私が嫌いだった。落ちこぼれで、何をやっても失敗ばかりで・・・・・・。
 努力しても努力しても、一向に魔法は上達しない。重圧に苛まれる毎日だった。
 小さい頃から、自己嫌悪をしない日なんて無かった。何もかもを疎んだわ。
 けれど今は違う。私は私を好きになれた。今は私が私である事に、確固たる自信がある。
 それを踏みにじられる事は、私という存在の否定。私の命を踏みにじられる事と同義なの」

 真っ直ぐ嘘の無い視線と、その言葉に、ウォルターは目を瞑ると穏やかな笑みを浮かべた。
 

219 :ゼロのロリカード-41:2009/08/01(土) 21:55:54 ID:???
「いい答えだ」
アーカードに相応しき主。気高き人間の姿がここにある。
ウォルターの顔から、浮かんていた笑みが消える。
(遠慮はいらないね・・・・・・)
この少女は――――――間違いなくアーカードの主だ。

「・・・・・・ルイズ、僕は今から君を攫う」
「へっ?」
ウォルターはルイズを見つめながら近付いていく。


 てっきりルイズは身構えるかと思いきや、その反応は全く違ったものだった。

「えっと・・・・・・あの・・・・・・ち・・・ちょっと待って、ウォルター。その・・・気持ちはありがたいのだけど・・・・・。
 でも・・・ほらっ私達はまだ会って間もないし・・・・・・。いやいや、時間なんて関係ないって事はわかってる!!
 けど・・・・・・物事には順序ってモノがあるでしょ・・・、そういうのはお互いをよく知ってからだと思うの。
 後から知ればいい、って人もいるけど・・・・・・私は違くて・・・何て言ったらいいのかな、育んでこその愛だと思うの。
 ・・・・・・あっ!別にあなたを気に入らないとか、そういうわけじゃないから!!そこは勘違いしないでね。
 それにその・・・・・・贔屓目無しに、あなたはかっこいいとも・・思うし。いきなり押し掛けてきた情熱も買うわ。
 強引なのが嫌いってわけじゃないのよ、私としても時にはそうやって迫られたいって思うこともあるし・・・・・・。
 でもね、私ってちょっとそういうのにトラウマって言うか・・・・・・前にも似たような事があって――――――」
 
「ッッ!?ちょっとストップ!!」

 声のトーンを上げ下げして。
身振り手振りで説明するかのように両手を振って。
見当違いの事を少しずつ流暢になりながら。
早口で捲くし立てるようにペラペラと喋り止まらないルイズ。

 ウォルターは暫しの間、その全く予想だにしなかったリアクションに呆気に取られていた。
が、我に返ってその内容を察するとすぐさまそれを制した。
何をどう勘違いしたのか、ルイズはウォルターが懸想していると思い込んでいるようだった。

220 :ゼロのロリカード-41:2009/08/01(土) 21:56:13 ID:???
 

「・・・・・・え?わかってくれた?」
「何か齟齬があったかなぁ・・・・・・。別に僕は君に見惚れたわけでも、プロポーズしたわけでもないよ」

 二人の間に、気まずい沈黙が流れる。
「えっと・・・・・・」
ルイズの顔が、たちまち茹だったタコように真っ赤に染まる。

「〜〜〜〜〜ッッッ!!!」
ルイズは声にならない声を上げる。早とちりし過ぎた。
いきなり見つめられて、変に距離を詰められて。ワルドを思い出してしまった。
そんなワルドと言う前例から、ウォルターの言葉を曲解してしまった。
私だけに話したいこと・・・・・・。アーカードがいないのが都合が良いこと・・・・・・。
部屋に来た時にウォルターが言っていたその二点を背景に、おかしな解釈をしてしまった。
一人で勝手に妄想して、暴走して、酷く恥ずかしい思い違いをしてしまっていた。


「んっ・・・・・・と、ごめんなさい。今のは忘れてくれるとありがたい・・・・・・です」
急にしおらしくなったルイズはそう言った。
「クスッ」と小さく笑うウォルターの顔を見るのが恥ずかしくなり、ルイズは顔を下に向ける。

(馬鹿だ私・・・・・・本っっっ当に恥ずかしい・・・・・・)

 そこでルイズははたと気付いて、顔を上げる。
「??じゃぁ・・・・・・攫うってどういう意味?」

 ルイズがそう訊ねた瞬間、シュルシュルと糸が絡まり動けなくなる。
「こういうこと」
「なっ・・・・・・!!?」
ウォルターの手から伸びた糸がルイズを雁字搦めにしていた。
 

221 :ゼロのロリカード-41:2009/08/01(土) 21:56:43 ID:???
「僕も手段を選んでられないんでね、悪いけどアーカードと戦う為に利用させてもらう」

 その言葉に、ルイズはすぐに思考を切り替える。
「・・・・・・敵と認識していいのね、ウォルター」
ルイズの問いに、ウォルターは「あぁ」と頷いた。


 次いでウォルターの額のルーンが光ると、二体のガーゴイルが空から現れる。
ルイズは糸に巻かれれながらも、器用に太股のベルトにさしてあった杖を引き抜いていた。

 悠長にエクスプロージョンを詠唱している暇はない。真下の土を錬金する。
失敗魔法が、自分と糸とウォルターとを巻き込んで爆発を起こした。
ルイズは煤けながらも、必死に糸を振り解こうと体を動かす。
しかし糸は思いのほか頑丈で、微塵にも切れる気配が無い。

 ウォルターは怯むこともなく、ゴホンと咳払いを一回だけすると腕を振り上げた。
ルイズはそのまま空中へと勢いよく投げ出され、糸から開放される。
しかし次の瞬間には、二体のガーゴイルにそれぞれ両腕を掴まれた。
さらにウォルターは糸を解く時に、ルイズの杖だけを器用に奪い取っていた。

「残念」
ウォルターはそのまま杖を地面へと捨てる。


「くっ・・・・・・」
ルイズはガーゴイルの手から逃れようと暴れる。
杖がないから魔法で吹き飛ばすことは出来ない。
高度的にこのまま落ちればタダでは済まないだろう。
杖があったとしても、『浮遊』や『飛行』の使えない自分には危険な高さ。
だがそれでも、このまま捕まるよりはマシだった。
 

222 :ゼロのロリカード-41:2009/08/01(土) 21:56:51 ID:???
「ただの女の子の力で、振り解けるものじゃないよ。杖もないメイジに出来ることはない」
それでもルイズはどうにかこうにかしようと暴れ続ける。

 躯のバネを利用し、ガーゴイルに蹴りを入れようするも当たらない。
サーベルは部屋に置いてきてしまった。
尤も、あったとしても腕を掴まれてる状態では、どうしようもない。

「大人しくしてもらえると、こっちとしてもありがたいんだけどなあ。
 変に怪我でもされたら困るし、そんなことになったら後々アーカードが恐いしね。
 ルイズ、今の君に出来ることは何もない。・・・・・・だからさっさと諦めてくれないかな」

 その言葉に、ルイズはウォルターを睨みつける。

「言った筈よ、私にとって大切なものは『矜持』だと!!諦めればそれは私じゃなくなるのよ!!」

 諦めを踏破する・・・・・・か。
つくづくアーカードの主人だなとウォルターは笑う。


「さすがは我が主、それでこそ仕えるに値する」

 静かな夜に響き通る芯の通ったその声に、ウォルターは振り向く。
微笑みかける、幼い少女の姿がそこにあった。
それに呼応するかのように、ウォルターの顔にも同じように笑みが浮かぶ。

 アーカード、人間の様な化物。最凶の吸血鬼が、そこにいた。

223 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/08/01(土) 21:58:34 ID:???
以上です。今回は小粒です。次回はバリバリバトル展開です。

それとまとめてくれてる方いつもありがとうございます。

んでは、また。

224 :マロン名無しさん:2009/08/01(土) 22:12:56 ID:???
乙!

225 :マロン名無しさん:2009/08/01(土) 22:28:04 ID:???
乙、それにしても懲りないねぇ

226 :マロン名無しさん:2009/08/01(土) 22:39:58 ID:???
乙!次回が楽しみな終わりだ

227 :マロン名無しさん:2009/08/01(土) 22:56:06 ID:I3ECr5ml


228 :マロン名無しさん:2009/08/01(土) 23:43:36 ID:???
乙。

229 :マロン名無しさん:2009/08/02(日) 02:10:24 ID:???

次回が楽しみだ。とてもとても楽しみだ!

230 :マロン名無しさん:2009/08/02(日) 13:11:56 ID:???
普通にロリカードの声が譲治声で変換される。
OVAだとロリカード登場は8巻か9巻位になりそう

231 :マロン名無しさん:2009/08/02(日) 14:30:44 ID:???
ジョージ声のロリなんだろうなぁ
股ぐらがいきり立つ

232 :マロン名無しさん:2009/08/03(月) 14:26:10 ID:???
このスレの住人は
よく訓練されてますね

233 :マロン名無しさん:2009/08/04(火) 18:50:27 ID:???
ロリカードは女の子の声じゃないと嫌です

234 :マロン名無しさん:2009/08/04(火) 18:54:28 ID:???
そりゃ可愛い声がいいけど、でもジョージの声もおまけで欲しいです

235 :マロン名無しさん:2009/08/04(火) 20:20:42 ID:???
でもぴったりな少女声つけるって難しくね?
悪っぽい台詞、「小生意気なロリ」みたいになったら台無しだし、かと言ってオバサン臭くなっても嫌だし

236 :マロン名無しさん:2009/08/04(火) 21:20:40 ID:???
音声切り替え方式で金朋と譲治入れときゃいいじゃないか。

237 :マロン名無しさん:2009/08/05(水) 12:29:03 ID:???
基本が小生意気なロリで所々にジョージの声を混ぜればどうだろう。

238 :マロン名無しさん:2009/08/05(水) 12:46:13 ID:IK6xxSD/
  |l、{   j} /,,ィ//|     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ     | あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
  |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |     < 『アリアンから1万で古都行こうと
  fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人.    |  思ったらレの入り口にいた』
 ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ   | 催眠術だとか超スピードだとか
  ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉.   | そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
   ハ !ニ⊇ '/:}  V:::::ヽ. │ もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
  /:::丶'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ \____________________ 

239 :マロン名無しさん:2009/08/05(水) 22:53:26 ID:???
なんの話だ。

ロリカードに合う声優ね。
確かにあんま思い浮かばないかも。
狂った感が出てて、女声で。あとあんま声が高いのはイメージと違うような。
そうなるとホント少ない気がする。
ひぐらしの「嘘だ!!」の人なんてどうだ?
ちょっと声が高すぎる気もするが。

240 :マロン名無しさん:2009/08/05(水) 23:12:03 ID:???
渡辺久美子

241 :マロン名無しさん:2009/08/05(水) 23:50:16 ID:???
お前こそ何の話だ。誰も星幽談義なんて求めてないよ

242 :sage:2009/08/05(水) 23:56:23 ID:wCZgGnUc
>240
カテジナさんね、ガンダム悪女ランキングにトップ10ですな。

劇中のロリカードは男言葉でよく喋るから、クール系は除外。
ヤンデレもちょっと違うかも?悪女にしては性格が体育会系だからなあ…?
わりと低めで、飄々とあしらう姉御イメージありますから、田中敦子さんとどーでしょう?
うたわれのカルラにキャスターの嘲りと素子さんの冷静さを足して凶悪にしたら近いかも。

後は残酷・残忍・戦闘狂で容赦無しな女キャラって所でしょうか?中々思いつかんなあ・







243 :マロン名無しさん:2009/08/06(木) 01:34:55 ID:???
もうヒラコーがやればいいんじゃね?

244 :マロン名無しさん:2009/08/06(木) 02:17:56 ID:???
ロリカードの声優も気になるが、全盛期ウォルターとショルターの声優も気になる。
老年期はエヴァの冬月副指令で御馴染の清川元夢氏ですが、基本的におっさんor爺さん担当ですからねえ。
青年期はまだしも少年はあまりにミスマッチ。 瀧本富士子

個人的には青年期はクール系男声優(緑川光とか)、少年期は不良少年系女性声優(渡辺明乃とか)イメージしてますけど、
私がイメージした少年キャラは、アニメになると何故か男性声優になることが多いんだ…orz

245 :マロン名無しさん:2009/08/06(木) 04:09:15 ID:???
ウォルターはなんとなく小林ゆうのイメージ。
クソ生意気な感じとか。




あと狂気演技は素でできる強み。

246 :マロン名無しさん:2009/08/06(木) 05:27:36 ID:???
もう全部ヒラコーで良いんじゃね?

247 :マロン名無しさん:2009/08/06(木) 08:32:44 ID:???
んなこと書いてると、DVDの映像?特典になるぞ
声優はおろかBGMやSEに至るまで一人n役をこなして出来る、『最終鬼畜全部ヒラコー』

248 :マロン名無しさん:2009/08/06(木) 12:24:21 ID:???
ことあるごとに「あとオッパイ」言うのですね。

249 :マロン名無しさん:2009/08/06(木) 13:35:00 ID:???
>>244
今月号の以下略的に杉田さんとかどうよ。

>>248
あと「ですぜ」って付けてキャラを全部フジタにされちまうな。

250 :マロン名無しさん:2009/08/06(木) 17:13:05 ID:???
>>247
BGMやSEも、道具は使わずやって欲しいなw

251 :マロン名無しさん:2009/08/07(金) 20:54:51 ID:???
ギャフン

252 :マロン名無しさん:2009/08/08(土) 01:52:16 ID:???
ロリカードは普通に譲治ボイスだろ。俺はそれで脳内変換してるんだが


253 :マロン名無しさん:2009/08/08(土) 01:52:52 ID:???
どうでもいいから押し付けんな

254 :マロン名無しさん:2009/08/08(土) 04:36:04 ID:???
譲治のロリカードも捨てがたいが敢えて選ぶなら、という話だろうな
個人的意見だが、シーマ様の中の人辺りではどうであろうか?

255 :マロン名無しさん:2009/08/08(土) 08:32:08 ID:???
まぁ何が来たって萌えられるし踏まれたい

256 :マロン名無しさん:2009/08/08(土) 08:46:51 ID:???
吸血鬼だしロリ婆だしエヴァンジェリンでいいんじゃないの
アニメ見たことないからどんな声か知らんが。

257 :マロン名無しさん:2009/08/08(土) 12:22:49 ID:???
作者の独断で平野綾が…
コメンタリーも作者と平野綾

258 :マロン名無しさん:2009/08/08(土) 12:36:19 ID:???
平野耕太(CV:平野綾)

259 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/08/08(土) 21:55:46 ID:???
どうも、投下します。


260 :ゼロのロリカード-42:2009/08/08(土) 21:56:55 ID:???
「さすがは我が主、それでこそ仕えるに値する」

 聞き覚えのあるその声に、ウォルターは弾かれたように振り向く。
見れば、邪悪な笑みのアーカードが歩いてきていた。

 と、その後ろから続くタバサが詠唱をし、杖を振る。
ウィンディ・アイシクルの矢が二本、ルイズを捕えているガーゴイル二体を正確に貫いた。
機能を停止したガーゴイルの腕から逃れたルイズは、地面へと落下していく。

 ウォルターは舌打ちをして、落ちるルイズを糸で確保しようとする。
しかしウォルターの糸がルイズ触れることはなかった。

 アーカードが放ったジャッカルの弾丸を、止めなければならなかったからである。
瞬間的に糸を編み込み、盾を形成する必要があった為に、ルイズを確保する事は不可能であった。
ルイズはタバサのかけたレビテーションで、無事地面へと降り立つ。

(あーーー、時間掛け過ぎたなぁ・・・・・・)
最初はアーカードがいなかった事を考えると・・・・・・。
途中までは足止めをしていたが、何かしらの理由でタバサは心変わりをしたという事だろうか。
まぁそんなことは最早どうでもいい。考えるだけ無駄というもの。
――――――こうなれば力尽くで奪うだけだ。


 ウォルターの額に刻まれたルーンが一層輝く。
神の頭脳『ミョズニトニルン』。知恵のかたまり神の本。
あらゆる知識を溜め込みて、あらゆる魔道具を自在に使いこなす。

「貴様が来ていたとは、ウォルター。ふむ・・・・・・少し浅慮だったな、全く危ないところだった」
さすがにウォルターを相手にしては、ルイズ一人では持て余す。
大丈夫だろうと高を括っていたのは、何気にヤバかったと言わざるを得ない。
 

261 :ゼロのロリカード-42:2009/08/08(土) 21:59:37 ID:???
「ルイズを人質に、私に零号を開放させるつもりだったか?」
「いや、違うよ。多少の打算も無かったとは言わないけど・・・・・・、主人の命令でさ。
 訳あって虚無の担い手を集めてるんだ。既に一人確保している。ルイズも頂いていくよ」

 そう言うとウォルターはニッと笑う。
糸を天高く伸ばし、グッと握ると・・・・・・そのまま引っ張られ、空へと上昇していく。


 ウォルターの姿を追うように、アーカードは夜空を見上げた。
双月を食い潰すかのように、"巨大なシルエット"が浮かび上がる。
そしてその周囲には、10メイルほどはありそうな空飛ぶ人形が四体。
羽を広げた姿は、左右で30メイルはあろうかというガーゴイルが四体。

 しかしそんなものよりも、四体のガーゴイルがそれぞれ吊るし上げている"それ"を凝視する。
適当な高度で"それ"は投下され、その巨大さとは裏腹に、恐ろしく静かに地面に降り立った。
軽い衝撃と、土埃を少しだけ散らし、緩慢に立ち上がる。

 落ちていた己の杖を拾って合流したルイズは、呆然と"それ"を見つめ、そして畏怖した。
誰よりもそういった物に見慣れているタバサも、かつて火竜と相対した時のように恐怖する。
大抵の事に動じないアーカードですら、驚きの色を隠せなかった。

 そこに在るのは、堅固な鎧を纏った騎士風の巨大な人型。
10メイルの巨大ガーゴイルすらも小さく見える、さらに巨大な怪物。


「・・・・・・さてと、それじゃ闘ろうか」
"それ"の肩に乗ったウォルターは、さながら「遊びましょう」といった感じの口調。

 アーカードはすぐさまジャッカルを構えると、弾丸を全弾撃ち込んだ。
しかし鎧が薄っすらと光るのが確認出来たところで、弾丸は全て虚しく弾かれる。
間髪入れずタバサがジャベリンを叩き込むも、粉々に砕け散った。
 

262 :ゼロのロリカード-42:2009/08/08(土) 21:59:52 ID:???
 次いで砕けた氷の破片を縫うように、アーカードはバネ仕掛けの人形のように跳んでいた。
ジャッカルが効かないなら、生身で攻撃をぶち込むまで。
しかし渾身の拳を巨大な剣士人形の胴体に叩き込むも、逆にアーカードの拳が破壊された。

 予想外の結果にアーカードは破壊された拳を見つめる。直後に糸の攻撃を視界に捉えた。
アーカードはそのままさらに蹴りを入れると、その反動で元の位置まで戻って回避する。
拳はおろか、蹴りでも剣士人形には傷一つついていない。
通常、アーカードの攻撃ならば、鉄鎧程度など簡単に破壊出来るにも拘らず。


「無駄だよ、この"ヨルムンガント"には先住の『カウンター』が掛かっている」
ウォルターは手にしたばかりの玩具を自慢するように、わざわざ解説をする。
ヨルムンガントと呼ばれた巨大な剣士人形は、非常に滑らか且つ緩やかに。
正に人間の様な動きで、大剣を抜く。

「ルイズ!!エクスプロージョンだ!!!」
アーカードの背中のデルフリンガーが突然叫んだ。
ルイズはその言葉に即座に反応して、エクスプロージョンを唱え始める。

 その様子を見て取ると、ウォルターもマズいと感じたのか、ルイズを糸で襲った。
しかし襲い掛かる糸の全てを、アーカードは強引に掴んで止める。

「・・・・・・そりゃそうだよねえ」
ウォルターは呟く。主人に対する攻撃を止めないわけがない。
アーカードは掴んだ糸を引っ張り、ウォルターを引き落とそうとする。
しかし糸の鋭さはそれを許さなかった。アーカードの手は無残に切り落とされる。

 だがその間にエクスプロージョンの詠唱は完成し、ヨルムンガントへと放たれた。
尤もウォルターは焦らない、それも想定の範囲内。冷静に対処するのみ。
 

263 :ゼロのロリカード-42:2009/08/08(土) 22:00:08 ID:???
 質量を無視するような、軽やかな動きでヨルムンガントはバク宙しながら飛び退る。
その光景は非現実的としか言いようがなく。
エクスプロージョンはあっさりと、虚空のみを爆発させた。


「なっ・・・・・・!?」
ルイズの口から驚愕の声が漏れた。
まさか避けられるなんて思っていなかった。

 アーカードは、ウォルターに切断された手を再生しながら思う。
回避行動を取ったことから、虚無魔法は通用する可能性が有るだろうことはわかった。
しかし、ルイズが使える虚無で唯一の攻撃魔法であるエクスプロージョンが・・・・・・当たらない。
その恐るべきスピードを目の当たりにして、アーカードだけでなく全員に焦燥が生まれる。

「ふぅ・・・・・・いつの間に人形使いに転職したのだ?」
再生を終えたアーカードは焦りを見せないよう、世間話をするかのようにウォルターに問う。

「いやあ、『ミョズニトニルン』のルーンのおかげだよ。魔道具を好きなだけ操れる、便利なものさ」

 なんともまぁ厄介なルーンを手に入れたものだと思っていると、デルフリンガーが囁くように耳打ちする。
「まずいぜ、相棒。エクスプロージョンすら避けられるんじゃあ、どうしようもねえ。
 『カウンター』ってのは、あらゆる攻撃を跳ね返すエルフの先住魔法だ。それに加えてあの動き・・・・・・」

 デルフリンガーのその説明にアーカードが策を考えようとする。
しかし次の瞬間、ヨルムンガントが手に持った大剣を振りかぶった。
一瞬の間すら置かず、一気に振り下ろす。


 アーカードは咄嗟に跳躍する。
狙いは自分に対してだったが、あんなものが己ごと地面に叩きつけられたら、その周囲も危険だ。
全身のバネでパワーを捻り出す凶悪な蹴りが、縦に襲う大剣を何とか横に逸らす。
軌道を逸らされた剣は大気を裂き、突風のように空気が渦巻く。

264 :ゼロのロリカード-42:2009/08/08(土) 22:00:24 ID:???
 
「ヒュ〜♪」
ウォルターから思わず口笛が漏れる。
「流石だねぇ、アーカード。でも・・・・・・僕も操作するばかりじゃつまらないんでね」

 ヨルムンガントの横薙ぎがアーカードを、ウォルターの糸がルイズへと襲い掛かる。
アーカードは大剣を蹴り上げ、タバサがフライでルイズと共に躱して何とか事なきを得た。
しかし・・・・・・このままでは間違いなくジリ貧だった。

 アーカードは思索を巡らせる。
拘束制御術式321号を開放すれば、破壊出来るだろうか。
若しくは、魔道具と言えど所詮は無機物。英空母の時のようにヨルムンガントを乗っ取り操作するか。
いや、ウォルターが機動制御をしている以上、こちらの支配下に置くことは出来ないかも知れない。
そもそも開放する間の多少なりと出来る隙を、ウォルターが見逃すわけがない。
今はこちらが完全に待ちに徹し、即座に対応出来る状態だから辛うじて保っているだけ。

 故にタバサも、無理にルイズを連れて逃げるような真似はしない。
わかっているからだ。そんな事をすれば、矛先が完全にルイズへと向くことに。
ウォルターがヨルムンガントという圧倒的戦力を保有し、且つ対峙しているからこその拮抗状態。

 優位を楽しんでいるのだ。絶対的な立場にいるからこそ、焦らない。
もしルイズが逃走の素振りを見せれば、捕獲を優先するだろう。
強引に来られたら、どんな危害が及ぶかわからない。最悪死ぬ可能性すらある。

 タバサは滲み出る汗を拭くこともせず、ひたすら集中していた。
既にアイス・ストームにジャベリンを二発。
ウィンディ・アイシクルに、自分の怪我を治した治癒魔法。
加えてフライで精神力をかなり消費している。
ルイズを抱えた上で、さらなるフライで逃げ切るのは不可能に近い。

 故に今は来た攻撃にのみ対応して、退避するのが正しい選択。
しかし現状打破が見込めない以上は・・・・・・。

265 :ゼロのロリカード-42:2009/08/08(土) 22:00:38 ID:???
 
 
 既に周囲は大変な騒ぎになっていた。
野次馬も集まり始め、距離を取っているものの、学院と生徒にいつ被害が及ぶかわからない。

(援軍は・・・・・・期待しても仕方ないな)
吸血鬼となったアニエスでもいれば色々と変わってくるが、ここは学院。
ジャッカルの弾を、タバサの氷槍を、拳も蹴りも全く効かないのだ。
ウォルターとヨルムンガントの前では、有象無象が何人いようと戦力にならない。
キュルケやコルベールですら、戦力としては心許ない。

 その時、聞き慣れぬ詠唱が聞こえた。タバサではなく、ルイズの声。
それはエクスプロージョンでもイリュージョンでもない、第三の魔法。
ルイズはエクスプロージョンが通用しないとわかると、次の手を考えていた。
手は綺麗に、心は熱く、頭は冷静に。追い詰められた今の状況を打破する一手。
今の自分に出来ること、必要に迫られた時、己のするべきこと――――――。

「あっ・・・・・・始祖の祈祷書」
ウォルターがルイズが手に持っている物を確認し呟いた。
そうだった、ジョゼフに回収してくるように言われていた事を思い出す。

 四つの指輪と四つの秘宝。水のルビーと始祖の祈祷書が、たった今目の前にある。
(まぁルイズごと攫えば、一緒に手に入れられるか。それよりも・・・・・・)

 新たな魔法を唱えようとしているということ。
何が出てくるかわからない以上、迂闊に喰らうわけにはいかない。
先住を扱うエルフが恐れる、悪魔の力、『虚無』。
如何に『反射』をかけたヨルムンガントと言えど、どうなるかは未知数。

 虚無呪文はたとえ詠唱途中でも、不十分ながら効果が発動することは知っている。
ウォルターはヨルムンガントを操り、いつでも回避できる体勢を取った。

266 :ゼロのロリカード-42:2009/08/08(土) 22:00:51 ID:???
 
 
「くっ・・・・・・」
詠唱を完成させたルイズだが、また避けられるのではと、魔法を放つのを一旦止める。
アーカードはどんな状況にも対応し動けるように、感覚を研ぎ澄ませる。
タバサはルイズを守る事だけに専念する。フライでいつでも回避出来るようにと。

 『解除』、ディスペル・マジック。
あらゆる魔法効果を打ち消す、虚無魔法。
これでカウンターを解除出来れば、アーカードの攻撃も通用する筈。

 ルイズは静かに機を待つ。
そこに在るのは『勝つ為の行動』という計算世界のみ。
痺れを切らしたウォルターとヨルムンガントが動き出す、その出掛かりを潰す。

 緊張が走り、全員が張り詰めているその時。
デルフリンガーが何かを思い出したようにルイズに向かって叫んだ。
「俺に『解除』をかけろ!」

 ルイズは一瞬眉を顰めるものの、すぐにディスペルをデルフリンガーへとかける。
アーカードもすぐに反応し、デルフリンガーを抜いていた。
ウォルターは動かない。『誰が叫んだのか』を認識出来なかったので動くに動けなかった。


 ディスペルをかけられたデルフリンガーの、刀身が鈍く光り始める。

「相棒、これなら『カウンター』を切り裂いて攻撃が通る。だがあの鎧はかなり分厚い。
 多分ってか間違いなく、相棒のパワーで叩きつけられたら俺が折れる。だから――――――」

「みなまで言わずとも・・・・・・」
デルフリンガーの意図を察し、アーカードは深く腰を落として構えを取る。
 

267 :ゼロのロリカード-42:2009/08/08(土) 22:01:05 ID:???
 そしてウォルターとヨルムンガントが動く前に、『縮地』により一瞬にして距離を詰めた。

「島原抜刀流・・・・・・鍾馗」 
間合いに入った刹那には、既に攻撃は終わっていた。
アーカードの中にある命の一人、高木由美江。その技を借り受ける。

 一瞬にしてヨルムンガントの腕は斬り落とされ、握っていた大剣と共に地面へと落ちる。
「なッ!?」
ウォルターは狼狽する。カウンターが掛かっている筈なのに・・・・・・。
あんな長剣一本で、鎧に覆われた腕を造作もなく斬って落とすなんて。
ヨルムンガントを綺麗に切り裂く以上、大振りになるだろう、長剣ならば尚のこと。
にも拘らず軌跡がまるで見えなかった。恐ろしいほどまでの抜き打ちの速度だった。

「島原抜刀流・・・・・・秋水」
ウォルターの糸を掻い潜り、アーカードはさらに斬撃を重ねる。
時にヨルムンガントの巨体を踏み台に、縦横無尽に動き回り、残った四肢を切断する。


 足を失ったヨルムンガントは崩れ落ち、ウォルターも地に降り立つしかなかった。
「クソッ・・・・・・何故だ・・・・・・」
ウォルターは毒づくしかない。
先程までは戦闘の流れを支配していた、相手をコントロールする側に立っていた。
しかし、ルイズの虚無を起点に一気に逆転されてしまった。

「ルイズの魔法のおかげでな、今この剣はカウンターとやらをも切り裂く」
「なん・・・だと・・・?」

 つまりはアーカードの持つ長剣に限って、カウンターは無効化されるわけだ。
しかしそれでも疑問が残る。あんな剣如きで、鋼鉄の鎧を突破するなど・・・・・・。

「バラバラにされたのが不思議か?なれば残骸をよく見てみるといい」
そう言われ、ウォルターはヨルムンガントを横目に見る。

268 :ゼロのロリカード-42:2009/08/08(土) 22:01:19 ID:???
 
「・・・・・・介者剣法。目、喉、脇、右胴合わせ、篭手裏、右帯部、草摺下、腿裏、脛、足先。
 まぁこれは日本の甲冑の場合だが・・・・・・基本は同じ。要は関節の隙間を狙うだけ。造作もない」

 なるほど、言われてみれば確かに関節から綺麗に分断され、バラバラにされていた。
 チェック
「王手だ、ウォルター。闘うか逃げるか位は選ばせてやろう。まっ、逃げても殺すがな」
「はぁ・・・・・・まさか、ヨルムンガントが破壊されるとはねぇ」

 ウォルターが発した声色には、焦燥も狼狽も窺えない。
切り札でもあるのか、それとも諦観か。


「闘争か、逃走か・・・・・・」
ウォルターがふっと笑ってかぶりを振ると、その額が輝いた。
「両方かな」
その言葉と同時に、上空にいた三体の巨大ガーゴイルが、アーカード目掛けて襲い掛かる。

「無駄な足掻きを・・・・・・」
どれだけ大きかろうが、ただのガーゴイルならば障害にすらならない。
仮にカウンターが掛かっていたとしても、ディスペルの付加効果はまだ続いている。
アーカードはあっという間に三体の巨大ガーゴイルを斬り下ろした。

「ほんの少しで良かったんだ。そう・・ほんの少しの時間だけ・・・僕が自由になれば・・・・・・」
ウォルターがブツブツと呟くように喋り出す。
「おかげで、準備は整った」
いつの間にかウォルターは、ヨルムンガントの残骸の上に立っていた。


「我ながら名案だ、ちょっときついけどね」
ウォルターの手からは無数の糸が伸びていた。
その一本一本がヨルムンガントの残骸に複雑に絡み付いている。

269 :ゼロのロリカード-42:2009/08/08(土) 22:01:28 ID:???
 
「・・・・・・相手が勝ち誇ったとき、そいつはすでに敗北している」

 ウォルターはそう告げると、同時にあやとりをするかの如く手を素早く動かす。
そのままさらに、大きく後ろへ退きながらウォルターは思い切り糸を引っ張った。

 するとバラバラになっていた筈の、ヨルムンガントの四肢が繋がり立ち上がる。
アーカードが気付いた時には遅かった。
動かなくなったヨルムンガントは、ウォルターの糸によって無理やりマリオネットにされていた。

 ウォルターが体ごと豪快に腕を振ると、それに合わせてヨルムンガントは両手を振り上げる。
そのままアーカード目掛けて両拳を叩き落とし、土埃が辺りを包み込む。

(チッ・・・・・・視界が・・・・・・!?)
なんとか躱したものの、さらにヨルムンガントはその場で荒れ狂う。
25メイルに及ぶその巨体は、ただ暴走させるだけで充分だった。
視界の確保出来ないままアーカードは殴り飛ばされ、壁に叩きつけられる。

 ――――――そして全てが終わっていた。


 四体の内残った一体の巨大ガーゴイルの手にはルイズが掴まれ、その背にはウォルターがいた。
「あー・・・・・・しんど」
その言葉の後、ヨルムンガントは文字通り、糸の切れたマリオネットの様に崩れ落ちる。

 ルークや黒犬獣を操った時とは訳が違う。
風石のおかげで軽やかに移動するヨルムンガントとは言え、その重量は相当なもの。
ちょっと動かすだけでも、正直指が千切れそうだった。
 

270 :ゼロのロリカード-42:2009/08/08(土) 22:01:41 ID:???
 だが結果的に上手くいった。ちょっと血が出ているけれど、指も無事。
ヨルムンガントはこのまま破棄するしかないが・・・・・・仕方ない。
所詮は一度壊れた玩具。データも十分に取れた。
それに製造ラインは出来ているから、一体オシャカにしたところでさほど気にすることはない。
始祖の祈祷書と水のルビーも確保したし、及第点だ。

 と、気付けばルイズをその軌道上から避けるように、無数の氷の矢が空中に浮いていた。
氷の矢が放たれるよりも一瞬早く、ウォルターは事も無げに糸を振る。
それだけでタバサの放ったウィンディ・アイシクルを全て切断した。
これ以上攻撃されても面倒なので、ガーゴイルはグングンと高度を上げていく。

 次いでアーカードが矢の様に飛んで来るのが見えた。
しかし呆気無くウォルターの糸に掴まって、細切れにされる。

 ウォルターの糸は、中〜遠距離で特に力を発揮する。
近距離も不得意ではないし、使いこなすのは難しい反面、相当に強力な武器である。
ほぼ真っ直ぐ突っ込んで来る飛行体を切断するのは、さほど難しいことではなかった。
多少のフェイントを入れられたところで、何も問題はない。


「アーカード!!」
切断された従僕の姿に、ガーゴイルの手から必死に逃れようと暴れていたルイズが思わず叫ぶ。
「ルイズに手を出せば・・・・・・後悔させてやる」
地に墜ちながらアーカードは、首だけで声を発してウォルターに警告する。

「怖いなぁ・・・・・・、僕は手を出さないし善処はするけどさ。果たしてジョゼフがどうするか・・・・・・。
 まっ今回は僕の勝ちってことで、潔く認めて欲しいな。・・・・・・アーハンブラ城で、待ってるよ」

 零号を開放させる為に、ガリア領のはずれにあるアーハンブラ城は最適だった。
なにせアーカードが零号開放しても、ガリア国内への影響は薄い。
思う存分戦える数少ない場所であった。
 

271 :ゼロのロリカード-42:2009/08/08(土) 22:01:51 ID:???
 ガーゴイルはさらに高度を上げていき、最早追いつくことは適わない。

「糞餓鬼が・・・・・・」
アーカードは吐き捨てる。・・・・・・確かに、今回は負けだ。
一本取られたとかじゃない。ルイズが攫われた以上、完全な敗北。



 地に激突する頃には、既に再生が終わっていた。
地面を粉砕しながら着地すると、タバサが走って来るのが見える。

「気にするな」
タバサが口を開こうとするのを見て、先に制した。
何を言いたいのかは・・・・・・大体わかる。

「・・・・・・それでも、私の所為」
「私が迂闊だっただけだ。いや・・・・・・ウォルターが一枚も二枚も上手だった」

 ヨルムンガントという強力な駒を、トリステインまで運び、周到な準備で以て襲った。
最初にとっとと攫わなかったのは疑問だが、とにかく戦闘になっても実に厄介極まりなかった。

(アーハンブラ城か・・・・・・)

 必ず助け出す・・・・・・何を置いても必ず――――――。

 それが、拘束制御術式零号開放をする事になろうとも――――――。

272 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/08/08(土) 22:02:30 ID:???
終わりです、まとめありがとうございます、ではまた。

273 :マロン名無しさん:2009/08/08(土) 22:21:58 ID:???
乙です

274 :マロン名無しさん:2009/08/09(日) 01:08:23 ID:???


275 :マロン名無しさん:2009/08/09(日) 21:58:49 ID:???
ウォルター=ジョースター(第二部)乙!

276 :マロン名無しさん:2009/08/10(月) 20:04:46 ID:???
ロリカードの反撃に期待

277 :マロン名無しさん:2009/08/10(月) 23:26:46 ID:???
攻城戦ktkr!

278 :マロン名無しさん:2009/08/12(水) 19:44:28 ID:???
ロリカードの状態でも三号二号一号開放すると拘束服姿になんのかな

体のラインが見えるので、そうだったらいいのに

279 :マロン名無しさん:2009/08/14(金) 08:27:43 ID:???
ダブダブな拘束衣を纏ったロリカードを妄想した

280 :マロン名無しさん:2009/08/14(金) 08:45:02 ID:???
裸Yシャツみたいな(ry

281 :マロン名無しさん:2009/08/14(金) 10:30:49 ID:???
ピッチリしてる方がいいです

282 :マロン名無しさん:2009/08/14(金) 11:14:36 ID:???
というかダブダブの拘束具って意味あるのかw

283 :マロン名無しさん:2009/08/14(金) 16:37:40 ID:???
手錠とか首輪とかで拘束したい

284 :マロン名無しさん:2009/08/14(金) 16:42:00 ID:???
拘束されたいの間違いだろ

285 :マロン名無しさん:2009/08/14(金) 18:41:07 ID:???
気丈なロリを拘束してみたいと思わんのか?

286 :マロン名無しさん:2009/08/14(金) 19:31:47 ID:???
ロリカードの泣き顔を拝みたい、意外と泣き虫さんだしイケるんじゃね?

287 :マロン名無しさん:2009/08/14(金) 22:01:11 ID:???
よしよしってしたくなるな

288 :マロン名無しさん:2009/08/14(金) 23:38:56 ID:???
ロリカードは幼女との事ですが、外見年齢どれくらいだ?10歳くらい?

289 :マロン名無しさん:2009/08/15(土) 01:00:25 ID:???
貫禄が滲み出すぎて判断不能

290 :マロン名無しさん:2009/08/15(土) 12:50:41 ID:???
>>286
後ろをヤラれた時のトラウマを呼び起こせばあるいは…

291 :マロン名無しさん:2009/08/16(日) 19:04:02 ID:???
それ以上の説明は不可能となっている

292 :マロン名無しさん:2009/08/17(月) 14:13:41 ID:???
妙な事ばかり言ってるとロリカードにしばかれるぞ

293 :マロン名無しさん:2009/08/17(月) 15:01:43 ID:???
それもご褒美にしかならないのからな……

294 :髭カード:2009/08/17(月) 22:01:44 ID:???
お前らは犬の餌だ

295 :マロン名無しさん:2009/08/17(月) 22:05:04 ID:???
犬の餌望む所、中でちゅっちゅしてやる

296 :マロン名無しさん:2009/08/17(月) 22:28:22 ID:???
中にいるのはバレンタインの兄の方だぞ。

297 :マロン名無しさん:2009/08/17(月) 22:57:14 ID:???
アーカードって多重人格っぽい

298 :マロン名無しさん:2009/08/18(火) 07:58:16 ID:???
OVAのゾーリンが美味しそうで堪りません

299 :マロン名無しさん:2009/08/18(火) 12:29:26 ID:???
紅葉卸ですね。わかります

300 :マロン名無しさん:2009/08/19(水) 00:53:34 ID:???
お鍋の準備できたよ〜

301 :マロン名無しさん:2009/08/19(水) 20:26:05 ID:???
ひゃあたまんねぇ

302 :マロン名無しさん:2009/08/20(木) 08:57:43 ID:???
なにこの訓練された住人共w

303 :マロン名無しさん:2009/08/21(金) 09:56:18 ID:???
ただのインスタントとは違う

304 :マロン名無しさん:2009/08/22(土) 10:33:15 ID:???
オスマンの使い魔が大尉だったら
ロングビルに張り付きパンチラや入浴シーンを盗撮する紳士(窃盗はNG)になるとか
破壊の杖イベント
窃盗に入ろうとしたフーケの杖を奪う大尉
フーケ(コイツいつの間に・・・)
大尉(宝物庫と杖を指差し首を振る)
フーケ「つまり、全てお見通しだったわけか・・・降参さ、破壊の杖は諦めるよ(居なくなってから予備の杖で)」
大尉(フーケの予備の杖も掏って立ち去る)
フーケ「余計な、邪魔が入ったけど・・・って、予備もない!?」

305 :マロン名無しさん:2009/08/22(土) 11:38:25 ID:???
大尉はいつもスマートだな

306 :マロン名無しさん:2009/08/22(土) 14:56:18 ID:???
大尉は紳士やでしかし

307 :マロン名無しさん:2009/08/22(土) 18:02:43 ID:???
片手が義手銃の鬱フラグブレイカーな大尉

308 :マロン名無しさん:2009/08/22(土) 23:53:42 ID:???
それコブラや

309 :マロン名無しさん:2009/08/23(日) 10:33:34 ID:???
是非とも少佐の腕をそうして頂きたい

310 :マロン名無しさん:2009/08/23(日) 12:16:07 ID:???
当たらん

311 :マロン名無しさん:2009/08/23(日) 14:11:54 ID:???
相変わらず射撃が下手過ぎです。

312 :マロン名無しさん:2009/08/23(日) 19:01:24 ID:???
ちなみに弾丸は葛で出来てます

313 :マロン名無しさん:2009/08/23(日) 19:14:36 ID:???
本物は危ないからネ

314 :マロン名無しさん:2009/08/23(日) 19:16:26 ID:???
葛を撃ち出す技術ってすげーな、超科学やんな

315 :マロン名無しさん:2009/08/23(日) 23:23:44 ID:???
ドイツの科学力は世界一ィィィ!

316 :マロン名無しさん:2009/08/24(月) 20:50:04 ID:???
さすがドイツ

317 :マロン名無しさん:2009/08/25(火) 19:38:12 ID:???
吸血鬼とか作りだしそうだし納得だよね

318 :マロン名無しさん:2009/08/25(火) 22:07:38 ID:???
ドイツじゃあしょうがないな

319 :マロン名無しさん:2009/08/25(火) 22:10:29 ID:???
そうそう、吸血鬼チップ埋め込んだりとか

320 :マロン名無しさん:2009/08/26(水) 07:35:22 ID:???
猫耳ショタ作ったり紅葉おろし作ったりな

321 :マロン名無しさん:2009/08/26(水) 15:46:31 ID:???
後者はイギリスの府警さんだね!

322 :マロン名無しさん:2009/08/26(水) 20:15:36 ID:???
しかし婦警ってのはいい物だなぁ

323 :マロン名無しさん:2009/08/26(水) 22:02:17 ID:???
突然すいません
いまシュレディンガーを召喚するSSを
うっかり書き始めてるんですけど

このスレでSSを投稿する時に
「あの作品のキャラがルイズに召喚されました」スレの
テンプレ以外で何か注意したほうがいい事ってありますか?


324 :マロン名無しさん:2009/08/26(水) 22:24:24 ID:???
本スレと同じで割とフリーダムスレなのでなんでもおkです。

ただ露骨過ぎるエロ描写とかは、まとめWikiの規定に反するので、まとめWikiに登録したい場合は控えた方がいいかも。
それと専ブラ使ってるからわかると思うけど、2048バイトで行数が32行なのでそこらへんは注意。

アニキャラ板のおよそ半分くらいなので、その分だけさるさん喰らいやすいので一回の投下量も注意が必要。
くらいかなぁ。

全裸に正座してお待ちしてます。

325 :マロン名無しさん:2009/08/26(水) 22:24:47 ID:???
>>323
連投規制対策
00分をまたぐように投下するといいとか

326 :マロン名無しさん:2009/08/26(水) 22:48:06 ID:???
>>324
>>325
レスどうもです。
やべーうっかり60行レイアウトで書いてた。
構成見直します。

327 :マロン名無しさん:2009/08/29(土) 08:48:11 ID:???
割とフリーダム?

328 :マロン名無しさん:2009/08/29(土) 09:50:04 ID:???
以下略並みにはフリーダム

329 :マロン名無しさん:2009/08/29(土) 16:29:55 ID:???
じゃあスゲェフリーダムってことだな

330 :マロン名無しさん:2009/08/30(日) 20:55:55 ID:???
ども、323です。
シュレディンガー召喚のSSの取っ掛かりが書き上がったので
投下してみます。

331 :確率世界のヴァリエール:2009/08/30(日) 20:57:04 ID:???
確率世界のヴァリエール - Cats in a Box - 第一話

永遠にひとしいまどろみの中で、また、繰り返す。
他者と己との境目の無い世界、暗赤色の肉の檻の中で。
(少佐のうそつき、、、)
ヴァルハラで会おうと言ったのに。
みんなで殺したり殺されたりしようと言ったのに。
言ってくれたのに。

あの人は、望みどおりの死を迎えることができたのだろうか。
死ぬためだけに歩き続けた、人でなしの戦争狂<ウォーモンガー>。
あの人は、この世の地獄の何もかもを引き連れて
修羅の地獄へと下ることができたのだろうか。
ヴァルハラへと。

じわり、と視野が赤く染まってゆく。
ああ、彼が、また暴れているのか。
あの狂王が。

全存在を賭して少佐と戦い、そして敗れた
少佐と同類、戦争狂の人でなし。
この「死の河」のあるじ。
神を愛するあまりに神を憎み、
人に憧れるあまりに人に殺されることを望んだ
あの哀れな不死の王<ノーライフキング>が。

現世に在ることを許されず。地獄へ下ることも叶わずに。
今やただの虚数の塊、
この「死の河」ごと、虚無そのものと成り果てて、なお。

おのれが仕えるべき、主の下へと。


332 :確率世界のヴァリエール:2009/08/30(日) 20:58:39 ID:???
その時。
不意に、視界がまばゆく輝き始めた。
その光に照らされて、思考の霧が晴れてゆく。

(、、、鏡、、?)

すべてがただ赤黒いこの世界で、神々しく輝く光の渦。
すべてが曖昧だったこの「死の河」の中で
その光は、自分だけをはっきりと照らし出した。

思わず。
その光へと手を伸ばす。
今やきっぱりと、この境目の無い世界から分かたれた
自らの手を差し伸ばす。


そして。

世界は反転した。



333 :確率世界のヴァリエール:2009/08/30(日) 21:00:05 ID:???
(ここ、は、、、?)
まばゆい光に目が慣れてくる。草原、青空。遠く連なる山脈。
「外、に、、出れた?」
見知らぬ石造りの建物、見知らぬ服装の子供たち。
どこだろう? どこでもいい!

「うわ、やたっ、スゴイや、外だっっ!!」
外だ! 外だ!! 外の世界だ!!
喜びに全身の毛が逆立っていく。
両手と一緒に耳を高々と上げて伸びをする。

「喜んでる所悪いんだけど、あんた、、、誰?」

振り返ると、同じくらいの背丈の少女がこちらを睨んでいる。
薄桃色の髪が風に流れる。

「ルイズ、『サモン・サーヴァント』で平民を呼び出してどうするの?」
「さすがはゼロのルイズだ!」
「この歩く爆発オチ!」
「うるさい! ちょ、ちょっと間違っただけよ! って、耳?」

ピコピコと頭の上で揺れるその猫の耳に気づいたとたん、
それまで後ろで陽気にヤジを飛ばしていた少年たちがざわざわとトーンを落とす。
「平民、、、じゃない、、、? 亜人なの?あんた」
不思議そうな声で桃髪の少女が問いかける。

「お姉さん、だあれ?」
「訊いてるのはこっちでしょ!
 まあ良いわ、よっくお聞きなさい。
 私は使い魔であるあんたを呼び出したあんたのご主人様、
 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ!」


334 :確率世界のヴァリエール:2009/08/30(日) 21:01:41 ID:???
先ほどのいらだった表情とはうって変わって
右手の小さな杖をひゅんと払い、胸を張り得意顔で名乗りを上げる。
「呼び出した、って、君が僕を助け出してくれたの?」
「? え、ええ。まあそうよ。 感謝なさい!」
「すごいやルイズ!ありがとう!!」
叫んで目の前の少女に抱きつく。
公衆の面前で押し倒されて目を白黒させながらも
胸元で嬉しそううにピコピコ動く猫耳頭を押しのけようともがく。

「ナッニッ、いきなり呼び捨てにしてんのよ!
 ご主人様って呼びなさいこのバカ猫!
 って、い、う、かっ、抱きつくなあぁ!!」

「ハァハァ、大体あんたどっから来たのよ。東方とか?」
「え?うーん。『死の河』?」
「な、何よ、その怖そうな地名」
露骨に嫌な顔をして体を遠ざける。
「いや、地名じゃなくて、そーいう吸血鬼」
「きゅ、、?!」
「少佐の作戦でね、僕の血をわざと吸わせてそいつを倒したんだ。
 そんでー、そのかわり僕も『死の河』に取り込まれちゃってたんだ」
「ハァ? 全っ然ワケ解んない。
 大体誰よ、その『ショウサ』って」

「あ、そうだ!少佐!」
多分もうこの世界にはいないだろう、彼の望みどうりに。
でも。 会いに行こう。
不意にそう思い立ち、
『跳』んだ。

============================== 


335 :確率世界のヴァリエール:2009/08/30(日) 21:03:11 ID:???
鎚の音が眼下に響く。 再生の鎚の音が。
晴れ渡る空の下、そびえたつ時計台<ビッグベン>の屋根の上、
そこかしこから響く、その平和の音を聞く。

ロンドン塔。 ロンドン橋。 タワーブリッジ。
ウェストミンスター寺院。 セントポール大聖堂。
大英博物館。 大英図書館。 スコットランドヤード。
ピカデリー。 ソーホー。 シティー。 サザーク。

昔のままに復元されたもの。 新しく生まれ変わったもの。
そして、今まさに生まれ出でようとしているもの。
かつて自分たちが一つ残らず瓦礫に変えたその街をテコテコ歩く。

トラファルガー広場の前で、不意に立ち止まる。
ネルソンの替わりにそこに立っていたのは
凛々しく剣を掲げた小太りの男。
銅像となってなお、ひげを蓄えたその顔は
祖国を守る為、鋭い眼光で上空の敵を見据えている。

碑文にはこうある。
「すごく格好良い英雄  悪いナチスをやっつけて
 すごく格好良く    ここに眠る」

「お、なんだ、坊主。 ペンウッド卿の像を見に来たか?」
資材を担いだ労働者風の男に声をかけられる。

「その変なかぶりもんは取っとけよ、バチが当たらあ。
 このお方はなあ、飛行船事件の英雄よ。
 このロンドンを守るため、
 腹に爆弾巻きつけて敵陣に突っ込んだって言うぜ?
 お前さんも良っく拝んどきな。」


336 :確率世界のヴァリエール:2009/08/30(日) 21:06:29 ID:???
「ぷ、ぷふふ、あははは!!」
思わず笑い出す。おなかを抱えて。

涙を拭きながら遠くを見やる。
「僕たちの『戦争』って、
 いったい何だったんだろうね、少佐」

============================== 

「へえ、ここは無事だったんだー」
がらんどうの薄闇に大きく響く足音を聞きながら
懐かしく体を包む甘やかな香りをゆっくりと吸い込む。

鉄の匂い。 油の匂い。 火薬の匂い。 血の匂い。

ジャブローの密林の奥深くに隠された、我らが夢の棲家。
そして我らが夢のあと。

「豹の巣」<パンテルシャンツェ>

飛行船格納庫はかつての主を失いカラになったままの構内を晒し、
物言わぬままに突然の来訪者を受け入れている。
もう二度と開く事は無い可動式天井を見上げる。

格納庫を離れ兵舎へ。
蜘蛛の巣の様に張り巡らされた地下道を歩く。
食堂を通り過ぎて武器庫へ。

「わは。」
思わず声を上げる。
懐かしい顔ぶれがそこにはあった。


337 :確率世界のヴァリエール:2009/08/30(日) 21:08:45 ID:???
ラインメタル FG42 自動小銃、
ハーネル StG44 突撃銃、
MP40 “シュマイザー” 短機関銃。
山積みにされた7.92mm弾の弾薬箱、
床に散らばったままの9mm弾、
ケースに入れられ並ぶM24型柄付手榴弾、
無造作に立てかけられたHAS パンツァーファウスト。

厚く積もった埃をなぞる。
彼らも置いていかれてしまったのか。
皆、行ってしまったというのに。

会議室を抜けて通路の突き当たり。
何度も何度も通ったその扉を開ける。
いや、きちんと「扉を開けて」入ったのは初めてかも知れない。

磨き上げられた机、革の張ったチェア、嗅ぎ慣れた匂い。
そして、机の後ろに掲げられた、呪われた我らの「旗」。
この見慣れた光景にも、等しく時間は流れていた。
優しく目を細め、微笑む。

ようやく、あらためて、理解をする。
全てはもう終わってしまったのだ、と。
あの時間は、きっともう、戻らない。
あの人は、本当に何もかもを引き連れて、行ってしまったのだ。

鉤十時の腕章を外し、そっと机の上に置き、
小さくつぶやく。
「さよなら、少佐。」

============================== 


338 :確率世界のヴァリエール:2009/08/30(日) 21:13:09 ID:???
(明日になったら、退学届けを出そう)
枕に顔をうずめたまま、少女はぼんやりと決意する。

この世に生まれ落ちて初めて成功した魔法、
彼女がメイジであるただ一つの証。
幾百幾千の失敗にもくじける事のなかった心は
たった一度の成功の証が目の前から消え失せた時、
熱したグラスに冷水を注いだかの如くに
いともた易く砕け散った。

あれならば、いつもの様に爆発するだけのほうがましだった。

召喚した使い魔がその場から掻き消えた後に
級友はいつもの如くにはやし立てたが、
少女がひざから崩れ落ち声も無く涙を流すに至り、
いたたまれぬ空気に耐えかねて
一人二人とその場を去っていった。
その涙ももはや枯れ果てた。

(ミスタ・コルベールは、明日もう一度
 追試をしてくれると言ってくれたけど)
これ以上、家名に泥を塗るわけにもいかない。
砕けた心に最後に残されたのは貴族としての義務感のみだった。

「ごめんなさい、母さま」
水分を無くし、かさつく唇で詫びる。

がたん、と、背後で音がする。
(誰か、冷やかしにでも来たのかしら)
そちらを見もせず、ベッドに横たわったままで無感動に思う。


339 :マロン名無しさん:2009/08/30(日) 21:14:03 ID:???
これは支援

340 :確率世界のヴァリエール:2009/08/30(日) 21:14:41 ID:???
「あ。いたいた!」

がばっ!
陽気な声に思わず飛び起きる。
この声は。人をバカにしたような声。
振り向くと、月明かりに照らされて
一人の少年が立っていた。

自分と同じくらいの背格好に月光に輝く金色の髪。
軍服風の半そでシャツと半ズボン、手袋にネクタイ。
切れ長の目に小生意気そうな口元。
そして何より、頭に生えた猫の耳。

「あ、あ、あんた?!」
「何?ルイズ」
のん気に返事を返す。

脳内が轟々と音を立てて渦を巻く。
なんで? 何でこいつがここに?
失敗したはずなのに? 失敗じゃなかった?
消えたんじゃなかったの?
干からび切ったはずの心に、混乱とともに
何かがなだれ込んでくる。

「あれ?ルイズ。
 泣いてるの?」
ひょいと顔を覗き込まれる。

「な!? そ、そんな訳無いでしょ!!」


341 :確率世界のヴァリエール:2009/08/30(日) 21:16:34 ID:???
枕を顔面に叩き込んであわてて顔を背ける。
「レディの顔を覗き込むなんて失礼でしょ!」

次第に状況を把握するとともに、猛烈に腹が立ってくる。
今までどこをほっつき歩いてたの!?
何でまた自分のことを呼び捨てにしてるの!?
大体――

「大体、何で今頃戻って来てんのよ!!」
「いてて。
 何で、って、僕はルイズの使い魔になったんでしょ?」
「へ?」
「へ?って、違うの?」
耳をパタ付かせて小首をかしげる。

回収した枕を胸に抱く。
「ち、違わないわよ、違うわけ無いでしょ!
 でも、、そうよ。
 私まだあんたの名前も聞いてないじゃない。
 私に自己紹介させときながら。
 あんた、、名前は?」

待ってましたとばかりに胸を張る。
ぽむと胸に手を置き、自慢顔で目をつぶる。

「えっへん。
 良くぞ聞いてくれました。
 僕の名前は シュレディンガー !
 
 よろしくね、ご主人サマっ。」


342 :マロン名無しさん:2009/08/30(日) 21:17:17 ID:???
熱狂的に支援

343 :確率世界のヴァリエール:2009/08/30(日) 21:20:25 ID:???
以上です。

支援どもです。

344 :マロン名無しさん:2009/08/30(日) 21:21:11 ID:???
いいね、雰囲気あるね。

ペンウッド像は色々どうかと思ったがwww

345 :マロン名無しさん:2009/08/30(日) 23:57:55 ID:???
良くやった鉄十字勲章物だ




そしてペンウッドwいけないルナ先生の碑文を盗るなww

346 :マロン名無しさん:2009/08/31(月) 02:08:58 ID:???
これはすばらしい

すばらしいものだ

347 :マロン名無しさん:2009/08/31(月) 18:17:13 ID:???
英国の守護神w

348 :確率世界のヴァリエール:2009/08/31(月) 19:50:55 ID:???
感想を下さった方、Wikiにまとめてくださった方
読んでくださった方、どうもありがとう御座います。

第二話、55分から投下させていただきます。

349 :確率世界のヴァリエール:2009/08/31(月) 19:54:13 ID:???
鼻も高々に廊下を歩く。

ふっふっふ。知らず笑いがこみ上げる。
みなもそりゃ使い魔は呼べたでしょうけど、
しょせんはけだもの、畜生よ畜生。
でも、私が呼んだのは何たって猫耳の亜人よ。
こんな子を喚べるメイジなんてのはちょっといないわ!

昨日の醜態も睡眠不足も何のその、若い心は回復も早かった。
物珍しげにきょろきょろと挙動不審な使い魔を従えて
足取りも軽やかに食堂へ向かう。

げ。
「あらー、おはよう。泣き虫ルイズちゃん。
 ご機嫌はもう直ったのかな?
 残念だわー、泣き顔も可愛かったのに」


確率世界のヴァリエール
- Cats in a Box - 第二話


赤毛のウシチチ女が嫌味ったらしく声をかけてくる。
昨日喚び出してたなんたら言うトカゲも一緒だ。

「ふん、後ろのあたしの使い魔が見えないの?
 昨日のはアレよ、ちょ、ちょっとかわいい所を
 見せてあげただけよ!
 キュルケ、あんたの使い魔も中々スゴそうだけど、
 この子には敵いっこないわ。」
ふふん、と鼻を上げる。


350 :確率世界のヴァリエール:2009/08/31(月) 19:55:44 ID:???
「あらー、この子?」
後ろを振り返って、しゃがみ込む。
「ま、スゴそうだー、なんてありがとね、ルイズ。
 『メイジの実力を見るには使い魔を見よ』、なーんて言うけど、
 この子ってばあたしにぴったりでしょ? 火のメイジにサラマンダーなんて。
 ねー、フレイム?」
キュルケは自分の後ろに付き従うトラ程もある大トカゲの首を撫でさする。
のんきな顔をもたげ、目をつぶってきゅるきゅると鳴く。尻尾にともる火がゆれる。
喜んでいるようだ。キュルケもニコニコと笑う。
「で、私にはその子を紹介してくれないの?」

「わー、お姉さん、オッパイ大きいねー。
 僕の名前はシュレディンガー!
 よろしくね、お姉さん。」
すぱぁんっ!
後頭部を勢い良くはたく。
「こんな奴に挨拶なんてしなくていいのよ、この猫畜生!」

「あらー、使い魔に手を上げるなんて
 こまったご主人様ねー。ねえ?」
猫耳頭を胸に抱いて優しくなでる。
「ねー?」
シュレディンガーも胸に顔を埋めたまま上を見上げて同意する。

「なっにっを、手なずけられてんのよ!
 ほらっ、行くわよ!」
襟首をむんずと捕まれズルズルと引きずられる。
後ろ向きに引きずられながらパタパタと手を振る。

「キュルケ、まったねー。」


351 :確率世界のヴァリエール:2009/08/31(月) 19:57:39 ID:???
「おやおや、ルイズ。
 聞いてた通り使い魔は戻ってきた様だね。そりゃあ良かった。
 しかし、まあったく君は非常識なやつだな、使い魔を食堂に入れるなんて。
 そんなだからゼロのルイズなんて呼ばれるんだ。」

食堂に入るなり、またこれだ。
なまっちろい顔のキザな男が困り顔で呼びかける。
ウキウキ気分を害す事この上ない。

「まったく、どいつもこいつも。
 ギーシュ! 後ろのこの子が見えないの?
 私の召喚魔法は成功したの!成功させたの!!
 魔法を成功させたんだから、もうゼロなんて呼ばせないわ。
 「ゼロ」なんて汚名は今日を限りに返上よ!

 、、、って、そのモグラ!
 あ、あんただって食堂に使い魔を連れてるじゃない!」

「やれやれ、ルイズ。
 この子は使い魔なんかじゃあなくって僕の親友だよ。
 なあ? 僕の可愛いヴェルダンデ。」
ヒクヒクと鼻を動かす大モグラにうっとりと顔を寄せる。
「魔法が使えないからゼロなんじゃあない。
 そういう風に常識が無いからゼロと呼ばれているんだよ。
 んー、でも、ゼロの汚名を返上されたら今度からは君をなんと呼ぼう?
 ああ、泣き虫ルイズってのはどうだい?
 いつも怒っている君の涙も、、、中々にステキだったよ?」
ウインクを飛ばす。

「うぐっ。」
ど、どいつもこいつも口の減らない奴ばっかり。


352 :確率世界のヴァリエール:2009/08/31(月) 19:59:08 ID:???
「そんな可愛い姿を見せてくれた君にプレゼントだ」
赤い石の嵌ったブローチをテーブルの上に載せて、そっとこちらに向ける。

「な、何よそれ?」
「ステキだろう? 昨日ヴェルダンデが土の中から見つけてくれた
 ルビーの原石を、僕が錬金で細工したのさ。
 土のメイジであるこの僕にとって、このヴェルダンデは最高の友人だよ。
 そうは思わないかい? ルイズ」

「そ、そういうのは彼女のモンモランシーにでもあげなさいよ!」
「おやおや、振られてしまったようだ、慰めてくれるかい? ヴェルダンデ」
大げさな身振りと悲しげな顔でで大モグラを撫でる。
「で、君の使い魔クンにはどんなチカラがあるのかな?」

う。
そういえば、昨日からいろいろありすぎて
シュレディンガーにはそんなことを聞いてもいない。
「そ、そーいうのは秘密よ!」
「なあんだ、残念」

そこへ、ハゲたおっさんが食堂に入ってくる。
もう少し髪の毛があれば少しはましな顔立ちなのに。
本当に残念なおっさんだわ。
「ああっ、ルイズ。
 ハゲだ、ハゲが居るよー!」
宝物を見つけたかの様に猫耳頭が指をさす。
すぱぁんっ!
快音を響かせ後頭部をはたく。

「おはよう御座います。ミスタ・コルベール。
 昨日はご迷惑をおかけいたしました。」


353 :確率世界のヴァリエール:2009/08/31(月) 20:04:15 ID:???
「い、いやあ。おはよう、ミス・ヴァリエール。
 噂どおり使い魔は戻っていたようだね。それは何よりだ」
「昨日は恥ずかしい所をお見せしてしまいまして
 まことに申し訳ありませんでしたわ」
「いやいや、あれだって君の魔法への真摯さゆえだ。
 学問に真摯であるのは良い事だよ。
 で、あちらが君の使い魔だね?」

ルイズの後ろで大モグラと本気でじゃれあう猫耳頭を見やる。
一緒に振り返る。何やってんのよコラ。
「え、ええ、そうですわ。
 いらっしゃいな、シュレディンガー」

呼ばれてトトトっ、とかけてくる。
「はーい、僕がこの怒りっぽいご主人様の使い魔、
 シュレディンガーです。
 よろしく、 えと、は、ハゲ、べ、、?」
すぱぁんっ!
「コルベールよ! コ・ル・ベ・エ・ル!!
 「ハ」も「ゲ」も入ってないでしょこのバカ猫!」
「あ、あのー、ミス・ヴァリエール?」
「あら、いやですわ。 ミスタ・コルベール。
 うちの使い魔が粗相をしまして。」
「もう、ルイズってばすぐぶつんだもん。」
すぱぁんっ!

「いやあ、あ、あはは。
 それで、ミス・ヴァリエール。
 コントラクト・サーヴァントはもう済ませたのかな?」
「あ。」
、、、忘れてた。


354 :確率世界のヴァリエール:2009/08/31(月) 20:05:45 ID:???
 
昨日と同じく晴れ渡る青空の下、校外の草原でルイズは級友に見守られていた。
まだ日も高くない草原に春先のさわやかな風が吹き抜けるが、
ルイズはひとり、知らず生唾を飲み込む。

(大丈夫、昨日だって結局は成功したんだから大丈夫、、、)

今までに無い緊張だった。
失敗して当たり前、今思えば一種諦めの気持ちさえあった。昨日までは。
しかし成功の喜びを知った今、心は失敗を恐れていた。

(大丈夫、大丈夫、大丈夫!)
心を決めて目を見開く。
ぺたりと内股で座り込んでニコニコと小首をかしげる顔がある。
頭からは「?」マークを出して猫耳をパタつかせている。
(はあ。気が抜けるわ、実際。)

「それではみなさん、今日の授業は昨日の続きからです。
 春の使い魔召喚の儀式、その締めくくりを
 ミス・ヴァリエールに行ってもらいます。
 召喚の儀式に用いられる呪文は二つ。
 そう。 そうですね。
 召喚のための『サモン・サーヴァント』。 そして、
 契約のための『コントラクト・サーヴァント』ですね。
 そもそも、使い魔とは、、、、」

コルベールが昨日も語った講義を車座に囲む生徒たちにおこなっている。
今からただ一人魔法を行使するために、精神を集中させるルイズ。
その時間を持たせてやるための彼なりの配慮だったが、
長々としたその講釈は、彼女を刑の執行を待つ囚人の心持ちにさせていた。


355 :確率世界のヴァリエール:2009/08/31(月) 20:07:20 ID:???
すでにその状況に飽きて、あたりをきょろきょろと見回していた使い魔が
突然耳をピンっと立てて叫ぶ。

「わ! ルイズ! ルイズ! あれ見て! 
 月がふたつあるよ?!」

コルベールが困ったように微笑みながらふりかえる。
辺りからはくすくす笑いが漏れる。

「し、失礼しましたっ」
使い魔の首根っこをつかみ、ぐいっと頭を寄せる。
(もう、恥ずかしい! 静かにしときなさいよ!)
(だってルイズ、月が、、)
(月がふたつなんて当たり前でしょ!)
ヒソヒソと問答を繰り返す。

(すごいや、どうなってんだろあれ。)
ルイズに叱られ口を閉ざしても、火の付いた好奇心は消えない。

「、、、では、お待たせしたね、ミス・ヴァリエール」
コルベールがルイズに語りかける。

(ってゆうか、ここってホントにどこなんだろ?)

「は、はいっ。 では。
 我が名はルイズ・フランソワーズ、、、」
ルイズが詠唱を始める。

(雲が邪魔だな、もっと近くで見たいな、、)

「五つの力を司るペンタゴン、、、」


356 :確率世界のヴァリエール:2009/08/31(月) 20:09:04 ID:???
(もっとちかくに、、)

「この者に祝福を与え、我の使い魔と、なせ。」

(あの雲の上に、、、)

契約の、口づけ。
そして。

ルイズの世界は、反転した。


============================== 


ごうごうと風が耳を切る。

「え?」

地面が青く透き通る。

「え゛?」

空のかなたの雲の先に、緑の大地が浮かび、
風が体に渦を巻く。

「ええ゛ーーっっ?!」

ちがう。違う。理解が追いつく。
ルイズは現状を把握した。
ルイズは、さかさまに、空の上に、雲の上に居た。


357 :確率世界のヴァリエール:2009/08/31(月) 20:10:29 ID:???
「あれ、ルイズ?」

風きり音の向こうから、のんきな声が届く。
「何でルイズもここにいんの?」
「は? え? なななn何があアa、、!」
「えー、なに?聞こえないー。」

(おおお落ち着いてルイズ素数を数えるのよって素数って何よ!)

「すごいやルイズ!
 もしかして君も『跳』べるの?!」
「はあ?! 何! 聞こえない!!
 なななポブッ!!」
雲の固まりに抱き合ったままに突っ込んだ。


残された生徒たちは混乱の中に居た。
「おいおい、また消えたぞ?!」
「って、今度はルイズも一緒か?!」
「み、みなさん、とにかく落ち着いて!」
コルベールが落ち着き無く叫ぶ。

「うっわ、どーなってんのよコレ。
 ん? なに?
 上がどうかした?」
自分の袖を引く眼鏡をかけた少女に釣られて、キュルケは上空を見やる。

「あれ。」
空を指さし一言つぶやくと眼鏡の少女は指をかぎに曲げて唇につける。
指笛が辺りに鳴り響くと、翼持つ影が鮮やかに彼女を攫った。


358 :確率世界のヴァリエール:2009/08/31(月) 20:12:08 ID:???
大きな爪に抱え込まれたままに滑空するその翼を両手でつかむと、
くるりと逆上がりをして翼の上に飛び移る。
親しげに顔を近づける飛竜の耳元で
「あの二人。」とだけ話しかけ、雲の合間を指さす。
そして、少し考えてから
「食べちゃだめ。」と付け加えた。

「わかったのね姉さま!」
飛竜は体に似合わぬ幼い声で返事をすると、
二度、三度と羽ばたいて太陽めがけ上昇した。


「おちる落ちる落ちてるってばあぁああっー!!」
むなしい絶叫が響き渡る。
「って、え、え? あれ? シュレディンガー!?」
辺りを見渡す。 どこに行った? どこにも居ない。
「どどどどこいったの? シュレ!」
手足をばたつかせてもがく。

その時、上空から猛スピードで人影が近づく。
「え? え? ああ、あんたは?」
「静かに。」
落下しつつルイズに近づくと一言つぶやいて彼女を
両手で抱きしめる。
ふわり、と二人の落下速度がゆるやかに減速する。
「こ、これって、『レビテーション』!?」
ゆっくりと下降する二人を飛竜がその背中に迎え入れる。

「たたたt助かったわ、え、ええと」
「タバサ。」
「タバサ、あ、ありがと」


359 :確率世界のヴァリエール:2009/08/31(月) 20:14:22 ID:???
「うん、ありがとー! タバサ」

聞き慣れた間の抜けた声に振り返る。
「あ、あんたいつから?!」
「え? さっき。」
シュレディンガーがのほほんと返事を返す。
「あ、ダメなのね! そこはお姉さまの特等席なのね!」

ごす。
無言で杖を伸ばしてタバサが飛竜の頭を小突く。
きゅい、と悲鳴が上がる。
「ご、ごめんなさいなのねお姉さま。
 シルフィードってば、約束したのにうっかり忘れてたのね」
「タ、タバサ?この飛竜喋れ」
「内緒。」
「で、でもあ」
「内緒。」
「こ」
「内緒。」
「、、わかったわ」


歓声がルイズを迎え入れる。
「やるじゃないのルイズ!
 今までのあなたじゃないとは思ってたけど、
 まさか失敗のバリエーションを変えて来るなんて!
 私の負けだわ。完敗よ。」
キュルケの言葉に他の皆も拍手交じりに喝采をあげる。

周りのヤジを無視してコルベールに歩み寄り、告げる。
「もう一度、やります!」


360 :確率世界のヴァリエール:2009/08/31(月) 20:16:06 ID:???
そして。 契約の口付けと同時に
ルイズの世界は、二度目の反転を迎えた。

============================== 

「なんでまたああぁーー!!」
さかさまに落ちながらも、運命の理不尽な仕打ちに絶叫する。

「やっぱりだ、すごいやルイズ!」
「ええ?
 やっぱりって、な何がっ?!」
二度目で少しは慣れたのか、一度目よりは言葉が耳に入る。
「だからー、コンスト何とかでキスしたでしょお?
 さっきもそうだったから、もしかしたらって思ったんだ。
 そしたらホラ!

 一緒に『跳』べた!!」
 
抱き合ったまま、風を切って落ちるまま、
シュレディンガーは子供のように喜ぶ。

「て、え?
 じゃあさっきのは、あんたがやってたの?!」
「うん!」
ニコニコと返事をする。
「すごいやルイズ! 魔法使いってスゴいや!!」
「スゴイのはわかったから、ま、まずは下に戻って!」
「え? あー、はいはい」

「むぐ?」
無理やりに、今日三度目のキスをした。


361 :確率世界のヴァリエール:2009/08/31(月) 20:18:02 ID:???
============================== 

「そんな力がこの使い魔君に?
 それは凄い! いや、実に興味深い。
 そんな魔法は聞いたことも無いな。いや、伝承にあったか?
 おお、そうだ、契約のルーンを見せてくれるかな?
 体のどこかに刻まれたはずだ」
騒然となった生徒たちを放ったままで
コルベールが興奮した面持ちでまくしたてる。

「んー。 魔法じゃなくって、体質かなあ?」
「体質?」
「そ。 僕はどこにでもいてどこにもいない。
 だからどこにでも居れるんだ」
コルベールの質問に胸を張り自慢げに答える。

「でもすごいや!
 今まで僕と一緒に『跳べる』人なんて見たことも無いよ。
 すごいんだね、魔法使いって!」
「ほお、そうなのかね?
 契約の魔法はメイジと使い魔との心を結ぶためにある。
 それが関係しているのかもしれないねえ。」


「ふっふっふ」
ルイズが不敵に笑う。
「キュルケ、ギーシュ!
 見た? コレがこの子の持つチカラよ! 驚きなさい!」
「えー、ルイズもさっき気づいたばっかのクセにー」
すぱぁんっ!
快音が青空にこだました。


362 :確率世界のヴァリエール:2009/08/31(月) 20:27:57 ID:???
以上です。

シュレ一人であちこち飛び回っても
ストーリーが回りそうに無いので
「コンストラクト・サーヴァントを再現している間は
 (つまりキスしている間は)メイジは使い魔と能力を共有できる」
というオリジナル設定を入れています。
本編との矛盾は多分無いとは思いますが、、どうでしょう。

363 :マロン名無しさん:2009/08/31(月) 21:18:17 ID:???
つまりスキュラを召喚した生徒は口付けしてる最中触手プレイができるということですね

364 :マロン名無しさん:2009/09/01(火) 15:16:40 ID:???
普通に触れてるだけでも良いんじゃね? とか言ってみたりw
あとは、ルーンでも触ってるとか?
いちいちキスさせたいのなら止めないけどw


365 :マロン名無しさん:2009/09/01(火) 15:20:57 ID:???
うらやましいぞシュレの野郎

366 :マロン名無しさん:2009/09/01(火) 16:34:22 ID:???
シュレの人GJでしたー
しかし、シュレディンガーがイメージした場所にルイズも一緒に行けるのか、そうなるとHELLSINGの世界にルイズを連れて来たり
出来るんだな……。
色々と面白い事になりそうだよね。(コミケに行ったり)
作者の人には頑張って続けて欲しい

367 :マロン名無しさん:2009/09/01(火) 17:47:24 ID:???
この後話がどう転がっていくやら予想がつかないが
非常に面白い>シュレ
続き期待します

368 :確率世界の中の人:2009/09/01(火) 21:23:14 ID:???
呼んでくださってありがとうございます。
アクションものは先達がたくさんいらっしゃいますので
しばらくはコメディ風味で進められたらと思います。

>>364
>いちいちキスさせたいのなら止めないけどw
させたいですw
というか、させまくる予定ですよ

369 :確率世界の中の人:2009/09/01(火) 21:24:44 ID:???
呼んで、じゃなくて読んで、だ、、、
五時にも木を漬けて頑張ります

370 :マロン名無しさん:2009/09/02(水) 04:04:51 ID:???
>>369
なに、この作者可愛い

色んな意味で応援するぜ

371 :マロン名無しさん:2009/09/02(水) 04:24:32 ID:???
騙りとかは出ないとは思うけど、一応トリップつけとけば?

372 :マロン名無しさん:2009/09/02(水) 05:25:18 ID:???
その誤字はわざとだろw

>>368
そうじゃなかったらそんな設定にしないよなw

373 :マロン名無しさん:2009/09/03(木) 16:17:15 ID:???
天と地がさかさま

374 :マロン名無しさん:2009/09/03(木) 16:45:20 ID:???
なぁ、おい。そのSS置いてげよおおおお

375 :マロン名無しさん:2009/09/03(木) 21:15:05 ID:???
ルイズが召喚してシュレをアーカードから分離させたから、
最終回にロリ旦那はヘルシング本部に戻って来れたんだ。

376 :マロン名無しさん:2009/09/04(金) 08:00:53 ID:???
>>374
日本語しゃべってるから勘弁してあげてください

377 :マロン名無しさん:2009/09/05(土) 01:15:14 ID:???
>>375
実はどっかで召喚されてたりして。
旦那は他の虚無の連中とあわせても面白そうだな。
まあその場合はルイズやタバサが涙目になるが

378 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/09/05(土) 22:49:33 ID:???
久々に新作が来ましたね、展開が読めないのが非常に楽しみです。


んじゃ、投下します。

379 :ゼロのロリカード-43:2009/09/05(土) 22:51:07 ID:???
 突如平和な魔法学院で起こった襲撃事件。
ただでさえ、メンヌヴィルが率いたメイジ集団に続く、二度目の学院への襲撃。
例えそれを考えずとも、当然ながら大事にならない筈はなく。
とりあえずアーカードは王宮へと赴き、事件のあらましをかいつまんでだけ話す。

「そん・・・・・・な・・・」
ルイズが攫われた。
その事実を目の前にして、アンリエッタの顔が蒼白になる。
そして・・・・・・同時に圧し掛かる選択。
己の取るべき道――――――友を助けるか、それとも国の安全を考えるのか。

「気に病むことはない」
アーカードはそう言うも、アンリエッタの顔は険しくなる一方である。
見通しが甘かったのか?否、こんなことになるなんて誰にも予想なんて出来なかった。
ガリアが・・・・・・このような凶行を行うなど。
「・・・・・・それに、今から助けに行くしの」
「なっ!?しかしそれは・・・・・・」

 ――――――アーハンブラ城は、エルフが暮らす砂漠の国境にある城である。
元々はエルフが建てた城であり、砂漠の小高い上に建てられたその城は、今は廃城となっている。
当然ガリア領であり、奪還する為にそこへ侵入するということは、意趣返しに他ならない。
つまりはガリアとの戦争を意味することになるだろう。

 疲弊した今の国力でガリアと戦うこと、それは何を意味するのか。
最悪トリステインという国が滅びること。国力が万全な状態でも彼我の戦力差は圧倒的。
国を守る為に、友人を――――――見捨てる?それが王の取るべき道なのか?
アンリエッタは自問し葛藤する。

 

380 :ゼロのロリカード-43:2009/09/05(土) 22:52:01 ID:???
「迷うことなどない。選ぶ道は一つだ」
アンリエッタの葛藤を、見透かしたかのようにアーカードは言った。
その言葉は、どこか威圧するかのような声色だった。

「助けに行くしかない・・・・・・と?」
「そうだ」
「しかしそうなれば・・・・・・ガリアとの戦争は、間違いなく避けられません」
「フッ・・・・・・馬鹿な」
アンリエッタの言葉に、アーカードは嘲笑する。

「口が過ぎます。いくらマスターでも、我が主君を侮辱するような態度は慎んで頂きたい」
横に控えたアニエスが、アーカードの不敬な振る舞いに対してそう告げる。
そんなアニエスの忠犬っぷりに、アーカードは心底愉快そうに笑う。
一皮剥けるまでビクついていたセラスと違い、最初から物怖じしないというのも新鮮であった。

「これは失礼。・・・・・・何を悠長な事を言っているのかと思って喃」
アンリエッタは静かに耳を傾け、次の言葉を待つ。

「これはもう戦争だ。戦など疾うに始まっているのだよ、女王」
自国領に戦力を持ち込み、害意を以て争った。
さらに主人を攫われたアーカードにとってはもう、これは絶対に避けられぬべき戦。
そして・・・・・・数多くの戦争を体験してきたアーカードだからこそ、同時に感じているものがあった。
これから起こり得る、戦争の匂いというものを。


 アンリエッタは改めてそう言われて絶句する。
戦力を以てトリステイン国内を侵犯し、学院を襲い、ルイズを誘拐した。
確かに・・・・・・戦争と言っても差し支えはない状況。
刺激するのを恐れて静観を決め込んだとして、国家間の大戦争にならないと誰が言えようか。
 

381 :ゼロのロリカード-43:2009/09/05(土) 22:54:29 ID:???
 諸国会議の時、ガリア王ジョゼフからは得体の知れない何かを感じた。
貪欲な獣が人の皮を被っているかのような、何か途方も無く恐ろしいものを感じた。
そうだ、既に後手に回っているのだ。
相手に先手を打たせてしまっている。そして今は自分の手番。
それをパスをしてしまえば、相手にまた一手許す事になる。

「・・・・・・わかりました」
「ふむ、わかってくれたか」
「えぇ・・・・・・正式に抗議を致します。ガリアと、あのジョゼフ王と、私自ら交渉しましょう」
今のまま戦ったところで、トリステインが勝つ事は不可能である。
強国ガリアとまともに戦争をして、勝つ方法など存在しない。

 アーカードの溜息が耳に入る。わざと聞こえる声で漏らしたのがわかった。
度重なる考えの相違に辟易している、と言った感じである。
アーカードの気持ちは理解できる、痛いほどに感じ入る。
親友であるルイズが攫われて、平静な気持ちでいられる筈もない。
されどその上で、アンリエッタは毅然として問う。
「・・・・・・不服ですか?」
「不服だな」
「他に何か方法があると言うのですか?我が国は、強大な国力を持つガリアに対抗する術はありません。
 アルビオンとの戦争の時とは比較になりません。勿論、ルイズは私が命に代えても取り戻すつもりです」

 それがせめてもの自分に出来ること、最悪国を治めるのは別の誰かでも良い。
それでもルイズだけは、己が身を代わりにしてでも助け出す。


「なに、私がガリアを全て飲み込めばそれで済む」
アーカードはさも簡単なことと言った風に、その案を提示した。
小国トリステインが大国ガリアに勝つ方法を。戦略とは決して言えないその方法を。
確かに話に聞いただけであるが、アーカードの拘束制御術式零号開放ならば・・・・・・可能なのだろう。
しかし――――――。
 

382 :マロン名無しさん:2009/09/05(土) 22:55:55 ID:???
ゼロリカキタ支援

383 :ゼロのロリカード-43:2009/09/05(土) 22:58:05 ID:???
「それは・・・・・・なりません。それではガリアの兵も民も、無用に殺すことになるでしょう」
「戦場に立つのだ、それくらいは覚悟をしてもらわんと」
「あの王が元凶なのでしょう?兵達はその真意を知らぬまま、貴方に殺される事になります。
 兵達に非はありません、命令に従うだけです。そしてその家族は、耐え難い悲しみに襲われるでしょう」

 アンリエッタは少しだけウェールズのことを思い出す。
愛すべき者が死ぬことの辛さは身を以て知っている。
自分は死んだウェールズと、ほんの一時の間でも話せたから良かった。
己の心の折り合いをつけることが出来たから・・・・・・。
しかし皆が皆、そうして心の整理をつけることはできないのだ。

 一方でアーカードは心の中だけで嘆息をつく。
アンリエッタが王らしい風格を持つのは、素直に喜ぶべきことだった。
気高い人間であること、人としての美徳、それを持ち得る人間は例外なく美しい。
が、意見を違えるとなると、これはなかなかに困ったもの。
そしてアンリエッタの言う事にも理はある。
と、アニエスが何か考え付いたように口を開いた。

「ガリア王だけを殺せば良いのでは?確かあの国には未だ、亡きオルレアン公派がいると聞きます。
 予めその者達とコンタクトを取り利用すれば、ガリア王を暗殺した後も治めることは出来ましょう」

「現状、ガリア王だけを殺すことは不可能だ。何故私が、ルイズが攫われるのをみすみす許したと思っている。
 それに何よりも時間が足りない、正直今こうして会話している時間すら惜しい。悠長に準備している時間はない。
 恐らくルイズならば、こういった筋は通すだろうと、仕方ないから報告だけはしに来たがの。だが・・・・・・それだけだ。
 はっきり言ってしまえば、無駄な問答をする気もない。・・・・・・私に命令出来るのは、私が認めた主であるルイズだけだ」

 ウォルターが善処すると言った以上、ルイズに危害が加わらないように動くだろう。
故に早々に危険は及ばないかも知れない、が・・・・・・保障はない。
いつまで安全でいられるかもわからない。時間が経過すればするほど危険である。
ただでさえアーハンブラ城まで距離がある。シルフィードを飛ばしたとて相応の時間が掛かる。

 

384 :ゼロのロリカード-43:2009/09/05(土) 22:58:44 ID:???
「まっ・・・・・・そういうわけでの、私は私で好きにさせてもらう」
アーカードの言葉が、想いが、アンリエッタの心に突き刺さる。
国の為ならば、親友の為ならば、死ぬことも厭わない自分と心根は一緒なのだ。
しかしそれを思って尚、ここは王としての責務が勝る。

「・・・・・・それならば、私は貴方を止めねばなりません」
アンリエッタは覚悟を秘めた双眸で、アーカードを見据えた。
その言葉に呼応するように、アニエスが剣を抜く。
アーカードが命の恩人であろうと、主従の関係であろうと、ここはアンリエッタへの忠義が勝る。

「・・・・・・いくつか、貸しがあった筈だな」
力尽くで征くのは容易い、しかしそれは少し気が引けた。
かと言って説き伏せるのも面倒だと、それを口にした。

「だから、あなたの行動に目を瞑れと・・・・・・?」
「んむ」とアーカードは頷く。
アンリエッタは眉を顰める。確かにアーカードには恩義がある。
アンリエッタ自身が、自分の一生を懸けても返し切れないだろうと。
それほどまでに思っているほどの、大きな借りが。

「私は女王です、個人的な恩と国の大事を天秤に掛けることは出来ません」

 貸しを理由に容認しないとわかると、アーカードはアプローチを変える。
判明している事項を一つ一つ提示し、まともに説得しようとしたら時間が掛かる。
故に・・・・・・強い言葉で脅迫し、畳み掛けて思考力を奪うことにした。
「交渉が通じる相手だと思うのか?」
「・・・・・・正直、わかりません。ですが私はこの身を、己が命を懸けてどうにかして見せます」

 アンリエッタの強き言葉。嘘ではないと誰もが感じるだろう。
しかし言葉だけだ。保証などある筈は無し、何よりも悪手。
さらに面倒で追い詰められた状況になるやも知れぬ、その無謀な案を聞くわけにはいかない。
 

385 :ゼロのロリカード-43:2009/09/05(土) 22:59:27 ID:???
 
「リスク管理はきちんとせねばならん。その強き志は買うが、確証を得られないのでは納得いかぬな」
アーカードは矢継ぎ早に言葉を紡ぐ。焦燥感を煽る為に。
「そうさの・・・・・・少しだけ最悪のケースを語ろうか。現在の状況から考えられる一つの可能性を。
 哀れ、交渉をしにいった勇敢な女王は殺され、国のトップを失ったトリステインはそう時を経ずして崩壊。
 さらに攫われたルイズが水魔法で操られ・・・・・・かつてタルブで見た、『エクスプロージョン』がトリステインを包む」

 ――――――タルブで見たあの奇跡の光。艦隊を一瞬にして沈めたあの虚無魔法の標的にされる。

「悪意ある虚無魔法が国を襲う。ガリア王ジョゼフの虚無も加わり、戦争の体裁も整えられぬまま国は滅びる」

 ――――――二つの虚無の前に、国は為す術なく滅びる。

「それと、ヨルムンガントと言う巨大な剣士人形。卓越した騎士のように動き回る、ゴーレムのような人型。
 それが街を、人を虫けらの如く潰すだろう。狂った王様は、何の罪もない者達を殺すことも・・・・・・まるで躊躇わぬだろう。
 ついでに先住の『反射』で、虚無以外のあらゆる攻撃が通用しない。つまり虚無を抑えられている今、止めることは出来ん」

 ――――――ガリアの属国になるだけならまだ良い。統治者こそ変われど民の安全は保たれる。
しかし・・・・・・それすらも保たれないと、虐殺されると、アーカードは言う。

「アレはこの私でも倒せぬ。さらに操るのは私と同等クラスの使い手。抵抗するだけ無駄と言うものだな。
 ちなみに『反射』はエルフの先住魔法だそうだ。ガリアにはエルフの協力者までいるのかも知れん喃・・・・・・」

 ――――――アーカードですら倒せぬ兵器。
そして・・・・・・エルフの協力者?

「奴らがその気になるだけで、トリスタニアは破壊され、聡明で気高き女王、貴方も殺される。
 一国を簡単に滅ぼせる力が、時間を掛ければ世界をも滅ぼしかねない力が・・・・・・彼奴らにはある」
 

386 :ゼロのロリカード-43:2009/09/05(土) 23:00:49 ID:???
 アンリエッタは黙ってアーカードの言葉を聞いていた。
否、聞くことしか許されなかった。それほどまでに衝撃的な内容。
アーカードとしては、時間の浪費と、面倒だから、と言う理由から端折っていたのかも知れない。
飽くまで推測の域を出ないものの、最悪のケースとして認識しておかねばならぬ全容。
こうまで聞かされては嫌でも想像してしまう。
アンリエッタの脳裏に浮かぶトリステインの終焉。
反論のしようもない。アンリエッタは自身の喉が渇くのを感じ、言葉が出なかった。

「ここで攻めずして、どうするか。連中がその気になっていない、今が好機なわけだ」
アンリエッタは目を閉じて考える。そして、一つだけ訊ねた。
「今、攻めれば・・・・・・勝てるのですか?」
「私の決意は、貴方が命を懸けると言ったそれと変わらない。アンリエッタ女王陛下」

 アーカードはアンリエッタの表情を見て確信し、ほくそ笑む。
少し誇張気味な言い回しだったが、思ったより上手くいった。
勿論そんなことは悟られぬよう、取り繕って言う。

「安心せい、九分九厘ガリア王はルイズと共にいる筈。今ならば、最小限の犠牲で勝てる戦よ」


 ――――――ウォルターはルイズを人質にとり、私をアーハンブラ城まで誘き寄せようとしている。
主人であるジョゼフの「虚無を集める」という命令に便乗し、私と闘うことにしたのだろう。
いずれにせよガリア王ジョゼフは、同じ虚無の担い手であるルイズと会おうとする可能性は非常に高い。
尤も、ルイズと会うにしても・・・・・・アーハンブラ城であるとは限らない――――――。

(だが・・・・・・ウォルターは私と闘いたがっている)

 「アーハンブラ城で待っている」とわざわざ言ったこと、つまりそこで戦う算段。
さらにルイズの安全について、ウォルターは「善処する」と言った。
なればウォルターは、ルイズから離れるような真似はすまい。
故にガリア王がアーハンブラ城へ来るよう、手を回すに違いない。
 

387 :マロン名無しさん:2009/09/05(土) 23:01:28 ID:???
支援

388 :ゼロのロリカード-43:2009/09/05(土) 23:02:17 ID:???
 所詮は気まぐれ。だからこそ「少佐のように零号開放させてみろ」とウォルターに言った。
故に命令であることも含めた上で、ルイズを攫うという強硬策に出た気持ちもわからないでもない。
だが同時にルイズはウォルターにとってもアキレス腱となる。
もしルイズが死んでしまえば、永遠に私と戦うことは叶わない。
よくよく考えれば、ルイズを扱うリスクについてウォルターは誰よりも考え、重々に承知している筈だ。
もしかしたらルイズに傷の一つでもつけることすら、恐れるかも知れない。

 心理戦と駆け引きはアーカードにとっても望むべくものであった。
人間の頃、幼少期から人の顔色を窺うことは常であった。
読み違えることが、直接命の喪失に繋がる危険も数あった。
故にそうした機微には誰よりも鋭く、同時に駆け引きも学んでいた。
さらにそこから積み重ねた自身の500年以上の経験。
そして三百万を越える記憶と思考を内に有していて、読み合いならお手の物である。
ウォルターの些細な言葉の節々からも、感情から思考パターンまでその心の内を読み取る。

 ガリア王がアーハンブラ城へ赴かず、ルイズと会わないのであればそれも良し。
ウォルターが直接危害を加えるとは思えないので、ルイズの安全については問題ない。
それならそれで、とりあえずはルイズを助け出し、ガリア王は後々に殺せば済む。

 ・・・・・・裏切り者であったウォルターの言を、信じるのは自分でも正直どうかと思う。
と思いつつも、ウォルターに対して妙な信頼をしている側面があるのもまた事実であった。
それに、相手の思考と合理性をいくら考えたとしても。心理を読むことに自信があっても。
詰まるところ、それらは全て推測の域は出ない。絶対的な確証足りえることはない。
故に・・・・・・当然それを基に、希望的観測で以て戦略を組み立てるのは危険な部分が多くある。
しかし・・・・・・ルイズの安全は、攫われた時点で既に自分の手からは離れている。
仮にアーハンブラ城にいなかったとしても、どこにいるかはわからない。
ガリア首都であるとも限らないし、どこか別の可能性だってある。
つまるところ、選択肢は一つしかないのだ。

 アーハンブラ城へ赴き、零号を開放し、その上で勝利し、そして救出する。

 

389 :ゼロのロリカード-43:2009/09/05(土) 23:02:52 ID:???
 アンリエッタはさらに考え、そしてようやく決断をした。
「・・・・・・わかりました。・・・・・・アニエス」
「はっ!」
アンリエッタに呼ばれ、アニエスは返事をする。
何となく察しはついていた。
「あなたなら力になれるでしょう、ルイズをお願いします」
「了解しました。では・・・・・・マスター」

 アニエスは剣を鞘に納めると、アーカードを見る。
「あぁ、構わん。足手纏いにはなるなよ」
アーカードは鷹揚に頷いた。

「・・・・・・ルイズを、お願いします」
アンリエッタはその言葉を繰り返した。
震える手を抑えるのが見える。
王として振舞っていても、やはりその心情は、全てを捨ててでも助けたいと思っているのだ。
アーカードは聞く者全てを信頼させるような、雄雄しい口調で答えた。

「無論だ」

390 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/09/05(土) 23:04:53 ID:???
以上です。
支援どうもでした。
まとめの方もいつもありがとうございます。

んでは、また。

391 :マロン名無しさん:2009/09/05(土) 23:12:28 ID:???
乙です!

392 :マロン名無しさん:2009/09/06(日) 09:26:12 ID:???
乙!

393 :マロン名無しさん:2009/09/06(日) 16:33:13 ID:???
いよいよ対決のお膳立てが

394 :マロン名無しさん:2009/09/06(日) 20:28:03 ID:???
乙!

アニエスの成長に期待

395 :確率世界 ◆VMp3BjBuLA :2009/09/06(日) 20:46:51 ID:???
ゼロリカさん北! コレで勝つる!

こちらの第三話も50分あたりから投下させていただきます。

396 :確率世界のヴァリエール-3:2009/09/06(日) 20:50:33 ID:???
意識を集中する。

コツはつかめている。 そういうものだったのだ、魔法とは。
最初の成功こそがカギだったのだ。
子供の頃、初めて口笛を吹けた様に。 指を鳴らせた様に。
そして、そう。 雛鳥が空へ舞い上がるように。
肝心なのは、イメージだったのだ。
たとえば、目の前の石を真鍮に錬金するイメージ。
心が澄み渡っていく。 今なら何でもできそうな気がする。

「イル・アース・デル!!」

「ルイズちゃあん〜? 何か言う事があるんじゃなくって〜?」
いち早く机の下に隠れて被害を最小限にしたキュルケが
瓦礫を押しのけススを払いながら立ち上がる。
当のルイズは腕組みをしたまま難しい顔で立ち尽くす。
隣で目を回して倒れている使い魔には目もくれない。
「ん〜。もうちょっっと、なのよねー。」
「、、、教室を全壊するまでに?」


確率世界のヴァリエール
- Cats in a Box - 第三話


「明日、服を買いに行くわよ!」
服を脱ぎ散らかしながら勢いよくベッドに倒れこむ。
今日一日教室の掃除、というよりは復旧でくたくただった。
「あんたこっち来てから着たきりスズメでしょ。」
むしゃくしゃした時には買い物をするに限る。
そう考えながらもルイズはもう眠りの中にいた。
 

397 :確率世界のヴァリエール-3:2009/09/06(日) 20:51:27 ID:???
「ルイズ、おはよー。 おはよーってば、ご主人様!」
「んゆ、、、うっさいわね〜。
 今日は虚無の曜日なんだから、昼まで寝ゆの、、」
ねむねむと目をこする。

「もう、だらしないなぁ〜。
 僕はもう洗濯を終わらせたってのに。」
シュレディンガーがカーテンを開けると、朝の光がルイズを包む。
素肌に薄手のキャミソールのみをまとった体のラインが陽に透ける。
スラリとしたウエスト、スラリとしたヒップライン。
そしてスラリとしたバスト。 実に無やましい。

眩しさに目が慣れて、、、一気に目が覚める。
「あ、おきた! どお、似合う〜?」
猫耳頭がくるりとグレーのプリーツスカートをひるがえす。

「あ、な? ああ゛? あんた何着てんのよ!!」
「だってー、着たきりスズメは恥ずかしいって言ってたでしょお?
 僕の服はルイズのと一緒に洗濯しちゃったし」

すっきりと伸びた足に濃紺のオーバーニーを通し、白のブラウスに
フリルの付いたピンクのロングカーディガンを重ねている。
「ちょ、それ! この前買ったばっかの春物! 返しなさいよ!」
「んじゃね〜」
============================== 
がごす。
「うっふっふ、、」
テーブルの足に鼻っ柱をぶつけたまま低く笑う。
一人きりになった部屋の中、鼻血もぬぐわずゆっくりと立ち上がる。

「ご主人様を無礼(ナメ)るなんて、良ぃ〜い度胸だわ!!」
 

398 :確率世界のヴァリエール-3:2009/09/06(日) 20:53:04 ID:???
「なぁーにやってんのよ朝っぱらから。 うるっさいわねー」
スケスケの真っ赤なベビードールに黒いショーツだけのキュルケがドアを開ける。

「あんたには関係ないわよ露出狂」
「パンツも履かないあんたに言われたかないわね」
「部屋の中でどんなカッコしようがあたしの勝手でしょ。
 うー、あのバカ猫!」
「あらやだ、あんたシュレちゃんと喧嘩?
 あの子あたしにおはようのキスしてどっかいっちゃったわよ?
 あー、確か食堂行くとか何とか」

「はああ゛?!
 ぁんなカッコでどこ行ってんのよあの猫耳頭!!」

キュルケを押しのけるなりドアを開けて廊下を駆けていく。
「え、あ、ちょっと、ルイズ?!」
猛然と走り去っていく後姿を見送り、立ち尽くす。
「、、、服は?」


ギーシュは窮地の真っ只中に居た。
休日の「アルヴィーズの食堂」、目の前には阿修羅が二人。
恋人のモンモランシーと、新しい恋人のケティ。
「ま、まあまあ落ち着いて二人とも。 きれいな顔が台無しだよ?」
そしてその横にはおろおろと涙目で平謝りに謝るメイド。
「も、申し訳ありませんでした!
 わたしが目配せに気付かなかったばっかりに!」
 

399 :確率世界のヴァリエール-3:2009/09/06(日) 20:55:18 ID:???
ああ、この子も可愛いな。 懲りずにギーシュはそんな事を思う。
「あっはっは。 いやいや、良いんだよ」
「そうよ、そんな事はどうだって、良・い・の!」
モンモランシーがメイドを押しのけ凄む。
「ギーシュ様、どういう事かきちんと説明して下さい!」
ケティも身を乗り出す。 マズイ、非常にマズイ。

「あ、いたいた。 ねえ、ギ〜シュ〜!」
遠くから可愛らしい声が響く。 今度は誰だ? 四面楚歌か?
いや、地獄に仏にしてみせる! そう決意して笑顔で振り向く。
「いやあ、どうしたんだい? 何か用かな?」
目の前には学院の制服に身を包んだ少女が一人。
フリルの付いたピンクのカーディガンが良く似合う。
そして頭にはピコピコと猫耳。 猫耳?!
「どおどお? 似合う似合う?」
シュレディンガーが楽しそうにくるくると回る。

「ギ、ギーシュ様! 私たちの他にもまだこんな娘が?!」
ケティが涙目で叫ぶ。
「い、いやいや、違うんだよケティ。
 この子はミス・ヴァリエールの使い魔くんで。
 っていうか君、男の子だろ!」
「え? え、え? 男の子? なんですか??」

「え〜?
 ボクはそんな事ひとっことも言ってないけどナ〜。

 確 か め て み る ぅ ? 」

上目遣いにスカートの裾をつまみ上げ、絶対領域を見せ付ける。
 

400 :確率世界のヴァリエール-3:2009/09/06(日) 20:56:47 ID:???
「な、何をバカな事を言ってるんだ君は!
 そ、そんな事する訳、う、する訳ないだろう」
「ありゃ、残念。
 そうそう。 実はお願いがあるんだ」
胸の前でぱん、と手を合わせる。
「ほう、僕にどんな用かな?」
思考停止したままの二人を置いて話に乗る。

「これ!」「むぐっ?!」
うっちゅう〜〜。

「え?あ、わわわ!」
「ななな、何してんのよあんたたち!!」
自分の恋人がいきなり現れた猫耳の男の子?に
首根っこをつかまれキスされ押し倒されている。
止まっていた頭が動き出し、別の角度でフリーズする。

「ギギ、ギーシュ様、なななんて破廉恥な!
 え、でもこの子も男の子で?
 男? 女? 男男女男女♂♂? はにゃ〜」
ケティが目を回してその場に倒れこむ。

「ちょ、な、なにしてんのよ猫耳!
 ギーシュから離れなさいよ!」
モンモランシーが掴もうとしたその時、猫耳頭の姿が消える。
下になっていたギーシュは同じく目を回し、
なぜか幸せそうな顔で気を失っている。

「うーん、ギーシュも駄目かー。 じゃあ次はっ」
突然の後ろからの声にモンモランシーは振り返り、
「んむっ?!」 押し倒された。
 

401 :確率世界のヴァリエール-3:2009/09/06(日) 20:58:07 ID:???
嵐が過ぎ去った食堂で、モンモランシーは呆然と座り込む。
ギーシュとケティ、ついでにシエスタも複雑な表情で倒れたままだ。
「な、なんだったのよあのネコ頭。
 いきなりキスして回るなんて。
 大体なんであんなカッコしてんのよ。
 男の子なのに女の子の格好して、ギーシュに、、」
思い出してもじもじと頬を赤らめる。

「男の子なのにギーシュに襲い掛かるなんて!
 ああ、駄目よそういうのは。 それは駄目よ。
 大体ギーシュの方がリードしてくれるイメージなのに。
 そうよ、ギーシュがあの猫耳に迫るんならもうちょっと何とか。
 嫌がりながらもまんざらでもない感じの猫耳をギーシュが、、
 いやいや、そういう事じゃなくって!
 って、わっ!!」
突然の気配に振り返ると、タバサが椅子に座ったまま本を読んでいる。

「い、いつからいたのタバサ。
 、、、もしかして、聞いてた?」
「キモい。」
「え、あの、ちが!」
「ギーシュ攻めなんて信じられない。」
「、、、はあ?!」


「ま、あんたの無やましいカラダを
 朝っぱらから拝めた男どもは眼福だわねー」
「う゛う゛ぅ、
 どれもこれも全部あのバカ猫のせいだわ、、、」
制服に着替え、肩を落として廊下を歩くルイズをキュルケが慰める。
 

402 :確率世界のヴァリエール-3:2009/09/06(日) 20:59:21 ID:???
「まあまあ、減るもんじゃなし。 って、あらやだ」
「、、、何よ?」
かがみ込んでルイズの胸元をじっと見つめ、
顔を上げて深刻な面持ちでルイズを見すえる。

「減った?」
「減らないわよ!!
 あんたの無駄口と一緒よ!」

中庭に出たとたん、たむろしていた男子生徒たちがルイズを見つける。
「あ、おい。 みんな見てみろよ。
 おーい、今度はちゃんとパンツはいたか? 胸がゼロのルごばっ!!」
ファイヤーボールで吹き飛ばした相手を気にも止めず、キュルケが呼びかける。
「ねえちょっとあんたたちー。 ルイズの使い魔見なかったー?」
「うわっ、は、はいっ! ミス・ツェルプストー!
 と、図書室で、猫耳が、とか、さっき女子が言ってた、ました、、」
「あっそ、ありがとー、ええと」
「ママ、マリコルヌ、です」
「あっそ、ありがとー、おデブちゃん」

「だってさ。 どーする? ルイズ」
「どーするもこーするもないわ。
 いくわよ、キュルケ!!」
のっしのっしと歩き出す。


学院長室では、コルベールが挨拶もそこそこに学院長に切り出していた。
「で、ミス・ヴァリエールの召喚した使い魔についてなんですが」
「ほうほう、あのネコくんかね、さっそく私の部屋にも遊びに来たよ」
オールド・オスマンが好々爺然と目を細める。
 

403 :マロン名無しさん:2009/09/06(日) 21:00:27 ID:???
支援

404 :確率世界のヴァリエール-3:2009/09/06(日) 21:02:22 ID:???
「そ、そうですか、でしたら話は早い。
 実は彼のルーンについてなんですが、、、」
言いかけた時、突然ドアが開く。
「おや、どうしたね? ミス・ロングビル」
「大変です、オールド・オスマン。 
 そのミス・ヴァリエールの使い魔なんですが。」
「あのネコくんがどうかしたかの?」

「女装して学院内を飛び回り生徒および教員に無差別に接吻をして回っています。」 


「ありゃー、すっごい事になってるわねー」
図書室に着くなり、キュルケがため息をつく。
目を回している者や呆然と中を見ている者の中で
いい年をした太目の女性教師が、
「だめよ、私もうおばさんなのに、あのネコちゃんってば、、、」
などと、火照った顔つきで陶然とつぶやいている。

「ああ、ミス・ヴァリエール。 こちらに居ましたか。
 至急学院長室に来て下さい。 理由は判っていますね」
ルイズが振り向くと、ミス・ロングビルが鋼の表情でそこに立っている。
「あーあ、ルイズ。 ご愁傷様。」
「ぐっ、わ、判りました。
 この責任は、、」

「の゛わ゛ーーーーーっっ!!!」

突然廊下の向こうから皺がれた悲鳴が響く。
「え、え? あっちって? ががが学院長室?!」
「しまった、学院長!」
「あっちゃー、知ーらない」
 

405 :確率世界のヴァリエール-3:2009/09/06(日) 21:04:58 ID:???
三人が駆け付けた時、オールド・オスマンは仰向けになり
何かを抱え込むように両手を上に向けていた。
「大丈夫ですか? 学院長!」
ロングビルが声をかける。
「お゛、、、」
怒気をはらんだ声に思わずルイズは身を縮ませる。
怒られる! いや、停学? いや、もしかして、、、
オールド・オスマンが叫ぶ。


「おちんちんランド上等ぉ!!」


「ミス・ヴァリエール。行き先に心当たりは?」
ロングビルがひげ面を蹴りながら問いかける。
「判りません。 でも、人の多い所とか?」
ルイズがひげ面を踏みにじり答える。
「じゃ、広場にでも行ってみましょ」
キュルケがひげ面を踏みつけて学院長室の外へ向かう。


ヴェストリ広場も惨々たる有様だった。
「ふう。
 で、シュレちゃんにこんな事させて何企んでるの?」
「企んでなんかないわよ!
 大体、何でこんな事やって回ってんのよあのバカ猫!」
「言い合っていても仕方がないわ。
 ミス・ヴァリエール、ミス・ツェルプストー。
 手分けして探しましょう。」
 

406 :確率世界のヴァリエール-3:2009/09/06(日) 21:06:27 ID:???
「シュレー! シュレディンガー!
 どこにいんのよ、返事しなさーい!
 ああもう!」
くたくたと座りこみ、学院の外壁にもたれかかる。
「ふう、もう、どこに行ったのよあのバカ猫、、、」
ため息をついて空を見上げる。
「あ。 おーい、ルイズー」
外壁の上から手を振る猫耳頭が見えた。

「何やってんのよあんた!」
降りてきたシュレディンガーを怒鳴りつける。
「ああ、あれ? ルイズ以外の魔法使いとでも
 一緒に跳べるかどうか確かめてたんだ。
 でもやっぱり駄目みたい。」
やれやれと肩をすくめる。
ひくり、とルイズの額に青筋が浮かぶ。
「へ、へー。 新しいご主人様探しってワケ?
 ま、まあそうよね。
 こんな魔法も使えないご主人様なんてあんたもイヤよね。
 止めないからどこでも好きな人のとこに行けば?」

驚いた顔をしたシュレディンガーが、すぐに笑い出す。
「あははっ、嬉しいなー。
 ルイズってば、やきもち妬いてくれるんだ」
「な、何言ってんのよ! 昨日の失敗で判ったでしょ!!
 どうせ! どうせあんただって私の事んむっ?!!」

============================== 

三度の空の上。 不思議と恐怖は無かった。
うっすらと溜まっていた涙が空に散っていく。
 

407 :確率世界のヴァリエール-3:2009/09/06(日) 21:08:45 ID:???
「他のどんな魔法が使えなくったって」

抱き合った体を離して、シュレディンガーが空を舞う。
「僕を『死の河』から助けてくれたのは他の誰でもない、ルイズだよ。
 他のどんな魔法使いでもない。 この世界で、たったひとり。」
微笑んで顔を寄せる。

「でも、でもあたし!」
片方だけつながった、か細い絆に力を込める。
シュレディンガーはかぶりをふる。
「キュルケと最初に会った時を覚えてる?
 『メイジの実力を見るには使い魔を見よ』って言ってたでしょ?
 これからは、いつでも、なんどでも、どこへだって、
 ルイズが望む場所に連れて行ってあげる!
 そんな魔法を使える人、他にいる?」
「い、いないかも」
「でしょ?
 じゃあルイズも、これからは世界でたったひとり!
 たったひとりの魔法使いで、
 たったひとりの僕のご主人様!」

風が二人を吹き抜ける。
悩みや迷いを払い飛ばすように。
「ふう。」
ため息と一緒に、心のもやも空に消える。

「じゃあ、そういう事にしといてあげるわ」
そう言ってルイズは自分の使い魔に口付けた。
 
==============================
 

408 :確率世界のヴァリエール-3:2009/09/06(日) 21:10:18 ID:???
「学院長。今回のミス・ヴァリエールが発見しました
 簡易コントラクト・サーヴァントによる
 メイジの使い魔への支配的能力共有現象についてですが」
「おお、ミス・ロングビル。 報告がまとまったかね?」
オールド・オスマンが自らの使い魔である白ネズミの頭を撫でる。

「有志を募り検証致しましたところ、現象の発生自体は
 追確認できましたが、有用な能力共有のケースはありませんでした」
「まあ、あんな都合のいい能力はそうそう無いじゃろうからな」
「それと、生徒間でも使い魔との能力共有が流行っているようですが」
「使い魔と仲が良いのは結構な事じゃな。 それで?」
「はい。能力共有で被害が少々。
 後ろ髪が燃え出したものが一名。
 土を掘ろうとして爪を傷めたものが一名。
 そのまま噴水に飛び込んだものが一名。
 その他、眩暈や幻覚を訴えたものが若干名。
 ところで学院長。何をなさっておいでで?」
使い魔に口付けをしているオスマンを怪訝そうな目で見る。

「おお、このモートソグニルはずいぶんと物覚えの良い子でな。
 この子が今朝何を覗いて、じゃなくて、
 今日は何色をはいてたか、でもない。
 そう、この子が何を食べていたかを、な。
 使い魔の体調管理もメイジの仕事じゃからの」
「ああ、それでしたら。
 その子さっき廊下でゴキブリ食べてましたわ」

盛大に吹いたという。


409 :確率世界 ◆VMp3BjBuLA :2009/09/06(日) 21:15:47 ID:???
以上です。
テンポを上げる為にゼロ魔SSでおなじみのシーンは
描写をざっくり省略していますので
保管しつつ読んで頂ければ非常に助かります。

410 :マロン名無しさん:2009/09/06(日) 21:29:22 ID:???
わぁい

411 :マロン名無しさん:2009/09/06(日) 21:32:00 ID:???
わぁい

412 :確率世界 ◆VMp3BjBuLA :2009/09/06(日) 21:32:52 ID:???
「補完」しつつ、です、、、
支援どうもでした。

413 :マロン名無しさん:2009/09/06(日) 21:39:46 ID:???
今回趣味爆発すぎる…
いいぞ、もっと一心不乱にやってくれたまえ

414 :マロン名無しさん:2009/09/06(日) 23:28:27 ID:???
シュレは初めて見たときもしかしたら女の子?とか思ったものだ

415 :マロン名無しさん:2009/09/06(日) 23:30:22 ID:???
むしろ、両方になれると思ってたな。

416 :マロン名無しさん:2009/09/06(日) 23:33:07 ID:???
俺は今でも両方なれると信じてる



というか、信じたい・・・・・・

417 :マロン名無しさん:2009/09/07(月) 04:16:01 ID:???
SSって男ばっかなイメージあるから男じゃね?って一瞬思ったが、リップバーンと刺青姐さんが普通にいたな。
個人的意見としては、あんなに可愛い子が女の子の筈が(ry

418 :マロン名無しさん:2009/09/07(月) 07:32:44 ID:???
無やましいって・・・・・つけるべきかもね
誤字じゃないことを示すために

419 :確率世界 ◆VMp3BjBuLA :2009/09/07(月) 07:41:24 ID:???
読んで下さってありがとうございます。
作中ではみんながシュレを男の子と思っている風に
描写してますが、個人的には
「パンツを下ろして観測したら確定するよ」派です。

「無やましい」は、いつもの誤字です。
誤字という事で。 ルイズの名誉の為にも。

420 :マロン名無しさん:2009/09/07(月) 17:51:46 ID:???
とりあえず、おちんちんランド開園!!!

421 :マロン名無しさん:2009/09/07(月) 18:28:53 ID:???
わぁい

422 :マロン名無しさん:2009/09/07(月) 18:41:39 ID:???
シュレの人!あんたセンス最高だわ!

423 :マロン名無しさん:2009/09/08(火) 22:14:44 ID:???
OVA観てないんだけどシュレってどんな感じ?
女性声優で少年声?

424 :マロン名無しさん:2009/09/09(水) 01:57:13 ID:???
そのとおり

まさにそれ

425 :マロン名無しさん:2009/09/09(水) 13:33:09 ID:???
>>423
やたらと女装が似合いそうなショタ声

426 :マロン名無しさん:2009/09/09(水) 13:34:53 ID:???
綾崎・はーまいおn(ry

427 :マロン名無しさん:2009/09/10(木) 08:06:09 ID:???
まぁ外見は漫画より少年よりだけどな

428 :マロン名無しさん:2009/09/12(土) 19:37:41 ID:???
hosyu

429 :マロン名無しさん:2009/09/13(日) 12:09:26 ID:???
シュレはなんて性的なんだろう

430 :マロン名無しさん:2009/09/13(日) 19:09:39 ID:???
猫耳

431 :シュレの人 ◆VMp3BjBuLA :2009/09/13(日) 20:12:50 ID:???
どうも、シュレの人です

確率世界のヴァリエール第四話、20:40辺りから投下させて頂きます

432 :確率世界のヴァリエール-4:2009/09/13(日) 20:41:12 ID:???
深夜のヴェストリ広場。 灯された杖の明かりをたよりに、
二人の少女が自らの書いた小説を交換し、読みふけっている。
少女の一人、モンモランシーがにやけた顔でタバサにたずねる。
「どう?どう? 今度のはちょっと良いでしょ」
「キモい。 ギーシュ攻めなんて信じられない。」
「あんたのコルベール受けよりマシよバカ!」

不毛な論争を繰り広げる二人に、足音が近づく。
「あら、獣姦娘が来たわ」
「ひどいですわ、モンモランシーお姉さま」
書き上げたばかりの著作を自慢げに差し出しながら、
ケティが口を尖らせて抗議する。
「私のヴェルダンデ攻めは、ギーシュ様への愛なんです!」

病状は深刻だ。


確率世界のヴァリエール
- Cats in a Box - 第四話


「ルイズー、ま〜た学院長に呼ばれたって?
 今度はなーにやらかしたのよ」
「今度は何にもやってないわよ!
 てか、何で付いて来てんのよ、キュルケ」
「見物」

言い合いながら朝の廊下を歩く二人の後ろを
フレイムにまたがったシュレディンガーが付いてくる。
まだ寝足りないのか、フレイムの歩みにあわせて
猫耳頭が舟をこぐ。
 

433 :シュレの人 ◆VMp3BjBuLA :2009/09/13(日) 20:42:51 ID:???
「し、失礼します!」
ルイズが学院長室のドアを開けると、
見慣れた顔ぶれが応接用のソファに座っていた。
タバサ、モンモランシー、ケティ、それにギーシュもいる。

「あら、おはよ。 あんたも呼ばれたの? ルイズ。
 また何かやっちゃった?」
「何もやってないって言ってるでしょ!
 まったくどいつもこいつも顔見るなり、、、
 てゆかモンモランシー、そっちこそ何やったのよ」
「あたし達はアレよ。 事件の目撃者ってヤツ?
 こっちは付き添い」
「や。」
ギーシュが前髪を掻き上げつつ手を振る。

「はぁ? 何の?」
「それを今から説明します。」
振り返ると、眼鏡を光らせたロングビルがファイルを抱え立っている。
「おお、来てくれたか、ミス・ヴァリエール。
 それにシュレ坊や、よしよし。 それでは始めようかの」
ロングビルの後ろから入ってきたオスマンが
「シュレ坊」の頭を撫でながら皆に切り出す。
「ミス・ロングビル、例のものを」


『破壊の杖、確かに領収いたしました。 土くれのフーケ』


ロングビルがテーブルの上に置いたカードにはこうあった。
「え? これって、、、」
「宝物庫にあったものじゃ、ミス・ヴァリエール。」
 

434 :確率世界のヴァリエール-4 :2009/09/13(日) 20:44:51 ID:???
「あなたたち三人が昨晩見たものはやはりフーケのゴーレムでした」
ロングビルがソファに座った三人の少女に告げる。
「あらやだ、フーケってあれ? 今ウワサの貴族専門の盗賊ってヤツ?」
キュルケが好奇心で目を輝かせながらロングビルに尋ねる。
「そう、そのフーケです。
 そのフーケが昨晩学院の宝物庫を襲い、破壊の杖を盗んでいったのです。
 手口はゴーレムを使って壁を壊すというもので、こちらの三人はその目撃者。
 宝物庫の壁は教員達により修復済みですが、言うまでもなく口外無用です。
 それで、学院長。 なぜこの二人をお呼びに?」
「いやいや、用事があるのはこの子に、じゃ」
シュレディンガーの頭の上に手を置く。

ロングビルが「あ。」と、思わず声を漏らす。
「い、いえ、あの、でもあのー、学院長?
 あの件はミスタ・コルベールたち教員にお願いしようかと」
「じゃが君の見つけたフーケの隠れ家は、けっこう遠いんじゃろ?
 そんなまどろっこしいことをせずとも、この子らならすぐじゃ」
「し、しかし、あ、そ、そうです!
 フーケが待ち構えているかも知れません!
 いえ、きっと罠です、危険です!」
「それならばすぐに戻ってくればよい。
 なんにせよフーケを捕らえるのは王宮の仕事。
 彼らの面子をわざわざ潰す事もあるまい。
 こちらは盗まれた物さえ戻ればそれで良い。
 ミス・ヴァリエール、引き受けてくれるかの?」

「はい! 喜んで!」
訪れた名誉回復の機会にルイズは奮い立つ。 
「で、あんたたち、三人でそんな夜中に何やってたの?」
「秘密。」
 


435 :マロン名無しさん:2009/09/13(日) 20:45:53 ID:???
私怨

436 :確率世界のヴァリエール-4 :2009/09/13(日) 20:46:18 ID:???
==============================
五分後。
「だからいったでしょお? もう、いきあたりばったりなんだもん」
「炭焼き小屋があんなにあるなんて聞いてないわよ!
 すみません、ミス・ロングビル。 あのー、地図、いいですか?」
==============================
さらに五分後。
「ありました!」
大きな黒いケースを抱え戻ってくる。
「おお、これじゃこれじゃ。 良くやってくれたの、二人とも」
オスマンが戻ってきたシュレディンガーの頭をなでる。

「へー、これ?
 学院長、せっかくだし中見ても良いですか?」
キュルケが箱を覗き込む。
「おお、そうじゃな。 念のため中身を確認しようかの。」
オスマンがケースを開ける。

そこには、40サントはあろうかという黒い鉄塊が収められていた。
「これって、、銃? でも、、、」
ルイズも銃をみたことは何度かある。
しかし、ケースに収められた「これ」は、そのどれとも異なっていた。
素人目にも判る加工精度、銃身に纏い付いた禍々しさ、何よりその巨大さ。
とても人間が扱えるとは思えない。
「じーさす、、くりす、と?」
スライドに刻まれた刻印を読んでみる。

「Jesus Christ is in Heaven now」
突然にシュレディンガーの声が響く。
「対化物戦闘用13mm拳銃『ジャッカル』
 全長39cm、重量16kg、装弾数6発、専用弾13mm炸裂鉄鋼弾」
 

437 :確率世界のヴァリエール-4 :2009/09/13(日) 20:48:44 ID:???
「シュレディンガー、、?」
さっきまでと異なる使い魔の雰囲気に思わず息を呑む。
「こっちに呼ばれた時、ルイズに話したでしょ?
 僕の、僕らの敵だった吸血鬼、『死の河』。
 コレはそいつの持ち物さ」

「ほう、シュレ坊や、コレを知っとるのか」
オスマンが驚きの声を出す。
「ヒゲじいちゃん。 これってどうしたの?」
「王宮からの預かり物でな。 詳しくは知らん。」
「てゆーか学院長。 コレって本当に銃なの?」
キュルケがケースに手をかけ、銃を取り出す。
両手で抱え込み持ち上げるのがやっとの様子で、
構えることも、ましてや撃つ事もできそうに無い。

「うっわー、すご。 シュレちゃん、『死の河』って言ったっけ?
 そいつ本当に化物なのね。 こんなの扱えるなんて。」
「そもそもコレ本当に撃てるの? うそ臭いわねー」
モンモランシーが怪訝そうな顔で銃をながめる。
「そういう事なら僕に任せてくれないかい?」
「はあ? ギーシュ、あんたじゃ持ち上げるのもやっとでしょ」
「僕が撃つとは言って無いさ」
「ああ。」
シュレディンガーを除く皆が納得する。


ヴェストリ広場。
ギーシュがバラの花の付いた杖を振る。
八枚の花びらのうち二枚が散りこぼれ、青銅のゴーレムが現れる。
「おー。」
シュレディンガーが感嘆の声を上げる。
 

438 :確率世界のヴァリエール-4 :2009/09/13(日) 20:50:14 ID:???
一体が銃を構え、もう一体が壁際に立つ。
「この子を的にするのはいささか気が進まないが」
ギーシュの作り出したゴーレムは女性の形をしていた。
「じゃ、いくよ。
 、、、、あれ?」
「あ、セーフティ?」

シュレディンガーがギーシュにトコトコと近づく。
「弾(アモ)を弾装(マガジン)に入れてー、
 遊底(スライド)を引いてー、安全装置(セーフティ)を外してー。
 あと最後にー、耳をふさいで」

落雷の如き轟音が鳴り響く。
「おおー!!」
中空の胸部を易々と粉砕し、ゴーレムの背後の壁が大きく砕ける。
ジャッカルを構えていた方のゴーレムを振り返る。
「おぉー、、」
両肩がもげて吹き飛んでいた。

「破壊力は大したものですが、これでは実用には向きませんね」
ロングビルが壊れた壁を修復しながら散らばったゴーレムを見やる。
「じゃな。
 ミス・ロングビル、宝物庫に戻して置いてくれるかの」
「かしこまりました。」
ロングビルがジャッカルをケースに収める。

そのロングビルの様子をタバサは見つめていた。
帰ろうとするキュルケの袖を引く。
「ん? どしたの?」
「ちょっと。」
 
 

439 :マロン名無しさん:2009/09/13(日) 20:51:41 ID:???
支援

440 :確率世界のヴァリエール-4 :2009/09/13(日) 20:53:53 ID:???
学院のすぐそば、森の入り口。
ロングビルが止めてある馬車に乗り込む。

「ま、運用法も判ったし、
 結果オーライってとこね」
ジャッカルの入ったケースを荷台に放り込み、
置いてあったフードをはおって眼鏡を投げ捨てる。
==============================
「そこまでよ、ミス・ロングビル!」
突然の声に振り向く。
そこにはルイズとその使い魔が立っていた。

「とうとう尻尾を見せたわね!」
「な、何の話でしょうか? ミス・ヴァリエール」
「隠したって無駄よ。
 変なフードを着て眼鏡を外してはいるけど、
 そんな変装、私はお見通しよ。
 今私の名前を言ったのが何よりの証拠だわ!」
「え? いやこれ、変装じゃなくて」
微妙な齟齬にロングビルが困り笑いをする。
「言い訳無用!
 朝のあなたの態度、何だかあやしかったわ!
 それに壁を修復してみせたでしょ、
 あなたが土くれのフーケと同じ土のメイジって証ね!
 それにフーケの隠れ家を見つけた手際の良さ。
 何だか都合が良すぎるわ! つまり!」

ひゅんっ!
風切り音も勇ましく、ロングビルに杖を突き付ける。
「土くれのフーケが現れたなんてでっちあげ!
 あなたがこの事件の犯人よ、ミス・ロングビル!!」
 

441 :マロン名無しさん:2009/09/13(日) 20:55:51 ID:???
半分正解www

442 :確率世界のヴァリエール-4 :2009/09/13(日) 20:56:46 ID:???
「、、、えーと、」
「いや、違うってルイズ。
 タバサの推理はそうじゃなくってー」
「え〜? 大体こんなだったでしょ。」
「だからロングビルがフーケをでっち上げたんじゃなくってー。
 ロングビルの正体がフーケなんだ、って言ってたでしょお。
 でしょ? フーケ」
「ええ、まあ、一応」
「ホラ」
「え〜?」
いまいち納得のいかない表情でルイズがロングビルに向き直る。

ひゅんっ!
風切り音も勇ましく、ロングビルに杖を突き付ける。
「じゃあ、そんな感じで!!」

「、、、お前の主人、バカでしょ」
「あ、わかる?」
「な?! 二人して何言っちゃってんのよ!
 バカって方がアレよ、ええと、アレよ!
 ああもうこっちはいいわ、シュレ。
 私が食い止めとくから一分でみんなを呼んでくるのよ!
 はやーく!!」

「一分ねえ、、」
あきれた様子でロングビル=フーケが吐き捨てる。
詠唱とともにゴリゴリと土が盛り上がり、30メイルはあろうかという
巨大な土くれのゴーレムが形作られていく。
「あんたをすり潰すには充分だわね、おチビちゃん」
ルイズがシュレディンガーに向き直る。
「じゅじゅじゅ十秒で!」
 

443 :確率世界のヴァリエール-4 :2009/09/13(日) 20:59:04 ID:???
慌てふためくルイズの上を大きな影がよぎる。
「あ、あれって?!」
「シルフィード!」

ゴーレムと二人との間に三人が降り立つ。
「タバサ、キュルケ、それにギーシュ!」
喜ぶルイズの声を背中に聞きながら、キュルケが名乗りを上げる。
「正義の味方、参上ってところね。
 どうやって見つけようかと思ってたけど、良かったわー。
 あんたがこんな大きな目印を作ってくれる様なおバカさんで」
「そうよ、バーカバーカ!」
「はいはい、あんたが何かバカにされたのは判ったから、
 おとなしく後ろで見てなさい、ルイズちゃん」
「ちょ、来るなりなんでのけ者扱いなのよ、私は貴族なのよ!」
キュルケを睨みつける。

「魔法が使える者を、貴族と呼ぶんじゃないわ。
 敵に後ろを見せない者を、貴族と呼ぶのよ!」

「そりゃあ違うね」
「違う。」
「違うに決まってんでしょ、バッカじゃない?」
三人がいっせいに突っ込む。

「逃げないなんて犬でもできるわ。
 己の敵を魔法で打ち倒す者を、貴族というのよ!」
キュルケがゴーレムを見上げ、獰猛な笑みを浮かべる。
「だから貴族に「なる」までは、ルイズ、君は「見学」だ」
ギーシュが振り返りもせず、肩越しにバラの杖を振る。
「シルフィード。」
タバサがフーケを睨んだまま、ルイズを指さす。
 

444 :マロン名無しさん:2009/09/13(日) 21:01:09 ID:???
どんなクロス小説でもそうそう削られない&変わらない台詞に
3人がかりで突っ込みがwww

445 :確率世界のヴァリエール-4 :2009/09/13(日) 21:03:38 ID:???
「ちょ? 何? 放しなさいよ!」
がっちりと爪で掴まれた体がふわりと中に浮く。
「お姉さまたちの邪魔しちゃダメなのね」
二人ともシルフィードに森の木陰まで連れて行かれる。
「何でよ! よってたかってあたしを邪魔者あつかいして!」
「まーまー、みんなだってルイズの為を思って」

「判ってるわよそんな事!!」

にじむ涙を必死に堪える。
「そんな心配されなきゃいけない、、、
 自分に腹が立つって言ってんのよ!!」
びっくりした顔のシュレディンガーの口もとが、すぐににんまりとゆるむ。
「、、、何よ、あんたまでバカにしてんの?」
「いやー、良いご主人様をもって幸せだなー、って」
「、、、な、なによそれ」


ギーシュがバラの杖を振る。
六枚のうち四枚の花びらが地面に触れると、剣と盾を持つ青銅のゴーレム達が現れる。
「ほう、格上相手に力の温存とは、大した余裕じゃない」
フーケがゴーレムの肩の上で笑う。
「笑ってる暇なんて、無いんじゃない、のっ!」
キュルケの放ったファイヤーボールをゴーレムの腕で受け止める。
「ラグーズ・ウォータル・イス・イーサ・ウィンデ!」
タバサが氷の矢を放つ。 が、それもゴーレムの腕の一振りで吹き飛ばす。
「こんもんかい?」
足に斬りかかるゴーレムの一体が、薙ぎ払われた拳で解体される。
「ひとーつ!」
「ありゃま、大した質量だ」
ギーシュがのん気につぶやく。
 

446 :確率世界のヴァリエール-4 :2009/09/13(日) 21:06:58 ID:???
「ふたつ! みっつ!」
魔法を放つ二人を援護する為に巨大なゴーレムの足元で
素早い動きでかく乱するが、いかんせんスケールが違いすぎる。
残り一体となったギーシュのゴーレムをゆっくりと追い詰める。
「あっけないねえ、これでよっつ!!」

拳を振るったゴーレムの足元が突然に陥没し、巨体が片ひざを突く。
「よしよし、よく間に合ったねえ」
フーケが振り返ると、ギーシュのそばに巨大なモグラが顔を出している。
そして、その横にはゴーレムが二体。 手には四連装式クロスボウ。
「メイジ狙いはいくさの常道」
ギーシュが全ての花びらの散った杖を振るうと同時に、放弦の音が響く。

ドッドドドドドドドッ!!

「わぉ、やるわね」
キュルケが素直に驚く。
「いや」
苦く笑う。 ギーシュのゴーレムが放った八本の矢はすべて
土くれのゴーレムから伸びた土壁に刺さっていた。
「中々やるけど、、所詮はガキね」
土壁の向こうからフーケが立ち上がる。

ギーシュが短く息を吐く。
「よし、じゃあプランBでいこう」
「ええ?あんの? そんなもん」
「じゃあ、頼んだよ淑女達(レディス)」
ギーシュが花びらのなくなった杖を掲げる。

「イル・アース・デル!!」
 

447 :確率世界のヴァリエール-4 :2009/09/13(日) 21:09:38 ID:???
錬金の詠唱とともに精神力を使い果たしたギーシュが
杖を掲げたキメ顔のままで気を失い倒れこむ。

「はんっ、何を、、?」
土壁に刺さったクロスボウの矢に刻まれた
ルーンが輝き、ざらり、と黒い粉に変わっていく。
硝石と硫黄、黒炭の匂い、、火薬!!
フーケが気付いたその時、タバサの魔法が巻き上げた火薬に
キュルケのファイヤーボールが炸裂した。

ゴォンッッッ!!!

ファイヤーボールの上位魔法、フレイムボールさえしのぐ大爆発が
甲高い反響音を響き渡らせる。

「どうよ!!」
「駄目。」
爆煙が晴れていく。
フーケのローブや髪の毛は焼け焦げていたが、
致命傷には至っていない。
風のメイジであるタバサは、フーケが爆発を
エアハンマーで相殺した事を見抜いていた。
「さあてよくもまあ
 やりもやってくれたねえ!!」
凶悪な笑みを浮かべたフーケを乗せて、ゴーレムがゆっくりと立ち上がる。
「あーらら、マズそ」
キュルケが引きつり笑う。

その時。
爆発音とともにゴーレムが再び片ひざを突いた。
「やったわっ?!」
 

448 :確率世界のヴァリエール-4 :2009/09/13(日) 21:10:56 ID:???
ルイズの声がゴーレムの足元から響く。
ルイズの魔法失敗の爆発により、ゴーレムの右足は
ひざから下が吹き飛んでいた。
「馬鹿ッルイズ、近すぎる!!」

「舐めるんじゃないよっ、チビが!!」
ゴーレムがその巨大な拳を振り上げ、ルイズへと振り下ろす。
「ルイズ、あぶない!」

どんっ。

突然現れたシュレディンガーに突き飛ばされて
ごろりと転がり一回転してぺたりと座り込む。
「な、なにすんの! 、、、よ、、」
ルイズの目の前、シュレディンガーの居た場所には
巨大な拳が視界を塞いでいた。

「え?、、、え?」
現実感の無い程に巨大な拳を呆然と眺める。
「、、、シュレ、ディンガー?」
巨大な土くれの塊がゆっくりと持ち上がる。
「、、、うそ。」
頭の中が空白で埋まり、すべてが消音(ミュート)された世界で
土くれと地面の間から現れた赤黒いペーストが、湿った音を立てる。


にちっ。


「いやああああぁぁ!!!」
ルイズの叫びが、森に響いた。
 

449 :確率世界のヴァリエール-4 :2009/09/13(日) 21:13:43 ID:???
「ちっ」
フーケが苦々しく舌打ちをする。
頭に昇っていた血が引いていく。 最初は適当にあしらう筈だった。
だが、自分の操るゴーレムから伝わる感触が足の裏に届く。

「シュレ! シュレぇ!」
目の前の赤黒くつぶれた塊を見つめ、ルイズは半狂乱で泣き叫ぶ。
「うるっさいなー、もう」
突然の声に振り返ると、猫耳頭が口を曲げてこっちを見ている。
「え?」
前を向き直るとそこには何も無い。
「え?」

「うそでしょ? 確かにさっき、、、」
足元に再び現れたシュレディンガーを見下ろし、フーケがつぶやく。
「あいつ、、、化け物か?」
フーケの背中を冷たいものがつたう。
「ひっどいなあ〜、バケモノだなんて」
「ひっ」
間の抜けた声に振り返る。

「そっちだってー、ボクを殺したクセにさあ」

猫目の瞳孔が大きく開き、虚無が笑う。
「うわっっ」
思わず飛び退いたフーケの足元に足場はなかった。
咄嗟にレビテーションを唱えようとする。
がごす。
「「「あ。」」」
宙に張り出した自分のゴーレムの腕で後頭部を強打し、
ぐるりと一回転した後、フーケはぼとりと地面に落ちた。
 

450 :確率世界のヴァリエール-4 :2009/09/13(日) 21:15:18 ID:???
「あ、生きてる生きてる」
「どーする? これ」
「縛っちゃおか」
寄り集まって気を失っているフーケの顔を覗き込む。


「そりゃ。とう。」ギュリギュリギュリ
「ミッションコンプ!!」
縛ったフーケに足を乗せ、さわやかな笑顔でガッツポーズを決める。
「ちょ、ルイズ!
 なーにあんた一人の手柄みたいな顔してんのよ!」
「何よ、フーケ見つけたのはあたしでしょ」
「見つけたのはシュレちゃんでしょうが!」

「良い子。」
なでりなでり。
タバサがシュレディンガーの頭をなでる。

「大体キュルケ、あんただって役に立ってないじゃない」
「はあ?! あの大爆発を見なかったのルイズ?!」
「あんなもんほぼギーシュの仕込じゃない。
 あんたなんて火薬に火ぃつけただけでしょ!
 アレなら私だってできるッツーの!」
「あんたのしょっぼい爆発で火なんか付くわけ無いでしょ!」
「何がしょぼいのよ!
 ゴーレムの足もいだの見てたでしょ!」
「それでシュレちゃんに助けられてりゃ世話ぁ無いわね!」

ギーシュが目覚めるまで二人の罵り合いは続いた。
 
 

451 :確率世界のヴァリエール-4 :2009/09/13(日) 21:17:48 ID:???
「いやいや、よくぞフーケを捕らえてくれたの、礼を言うぞ」

オスマンがシュレディンガーをなでながら、誇らしげな顔の皆を見渡す。
「しかし、みなが無事で何よりですが、
 何も君達だけでやらなくても良かったのではないかね?」
コルベールが心配した顔で問いかける。

「ま、ご心配ありがとうございます。
 でも、タバサの推理はあくまで仮説、確証が有りませんでしたので。
 いたずらに先生方に動揺を与えては、と思いまして。
 で、その後はまあ、その場のノリですわ」
キュルケがコルベールに微笑む。

「しかし驚いたのう。
 あのミス・ロングビルがフー」
「あーっ!」
オスマンの言葉をシュレディンガーの声がさえぎる。

「あれ、、、あれれ。 おろろろろ」
シュレディンガーが手袋を脱ぎ、手の裏表を眺め、
シャツをまくり、へそを丸出しにして体のあちこちを覗きこんだ後、
震えながら上目遣いに自分の主人を見る。
「ルイズー、ゴメんなさい。
 ルーンなくしちゃいましたー」

「はあ? あんたもー、何やってんのよ」
シュレディンガーの手を掴んで裏表を見回し、
シャツを引っぺがして体のあちこちを探し回る。
「ああもうソコ座んなさいなシュレディンガー。
 また付けたげるから」
シュレディンガーを椅子に座らせて呪文を唱え、キスをする。
 

452 :確率世界のヴァリエール-4 :2009/09/13(日) 21:19:06 ID:???
「おおー。」
自分の手の甲に再び刻まれたルーンを眺め、満足げな声を上げる。
「ほら、今度は無くさないのよ」
猫耳頭をぺチンと叩く。

「何よそのデタラメさ。
 あんたこないだから「魔法が成功した〜」って言い張ってたけどさ、
 それどー見ても失敗してるでしょ」
キュルケが呆れる。
「おお、そうですオールド・オスマン。
 彼のこのルーンについてなのですが」
コルベールが急に興奮した面持ちになり、テーブルに資料を広げる。
「前にお話しようと思っていたんですが、コレを見てください。
 このシュレディンガー君に刻まれたルーン。
 それとこの始祖ブリミルの使い魔のルーンを見てください。
 ほら、これ。 まったく同じルーンです!」
部屋の皆が、テーブルの上の本とシュレディンガーの手を交互に眺める。

「ほう、おめでとう。 ミス・ヴァリエール」
ギーシュがさしてめでたそうでもなくルイズを祝福する。
「は? 何言ってんのよギーシュ」
「君は自分の系統をずっと探していたんだろう?
 見つかったじゃあないか。 君の系統は、「虚無」だ」
「はああ?!」
「ぶっははは!
 すっごいじゃないルイズ! おめでとー!
 今までバカにして御免なさいねー、ルイズちゃん。
 学友に「虚無」が居たなんて、アタシすっごい光栄だわ!」
「な、何言ってんのキュルケ、そんなわけ無いでしょ!」
「おめでとう。」
「タ、タバサ? あんたまで!」
 

453 :マロン名無しさん:2009/09/13(日) 21:20:09 ID:???
支援

454 :確率世界のヴァリエール-4 :2009/09/13(日) 21:20:37 ID:???
「すごいわー、ルイズ。 見直したわー。
 あ、じゃあいっつものあの爆発も失敗じゃなくってー、
 「虚無の魔法」だったのね! なるほど!」
「ち、違うって言ってるでしょ。
 私がそんなワケ判んない系統な訳無いじゃない!」
「お、おめでとう御座いますー」
拍手をするモンモランシーにつられて
「虚無」自体が何なのか判らないケティも続く。

「こりゃあ「泣き虫ルイズ」は返上だねえ」
「そうねぇギーシュ。 これからは「虚無のルイズ」ね。
 おめでとー! 虚無のルイズちゃん!」
「違うって言ってるでしょキュルケ!
 ふっざけないでよ!!」
自分を囲んで祝福の拍手を送る学友達にルイズが叫ぶ。


「私はゼーッタイ! 「虚無」なんかじゃないんだから!!」


455 :確率世界のヴァリエール-4 :2009/09/13(日) 21:24:19 ID:???
以上です。
今回は長くなりすぎましたが、無事投稿できました。
支援どうもありがとう御座いました。

しかしなぜいつも誤字は投下した直後に見つかるのか。

>>445
下の方のフーケの台詞
「こんもんかい?」 →「こんなもんかい?」

です、、、

456 :マロン名無しさん:2009/09/14(月) 00:07:09 ID:???
GJ!!
最後の方エヴァ最終回かと思ったwww

457 :マロン名無しさん:2009/09/14(月) 01:13:05 ID:???
GJ!!
タバサと握手したい。カップリング論争的な意味で。

458 :マロン名無しさん:2009/09/14(月) 02:52:09 ID:???
ギーシュから戦争屋の匂いがするw
つか虚無の扱い軽いなぁおい

459 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/09/14(月) 20:49:12 ID:???
シュレさのつ。

んでは投下します。

460 :ゼロのロリカード-44:2009/09/14(月) 20:50:18 ID:???
「何も読めんな・・・・・・」
ジョゼフはやや落胆したような声で呟いた。
土のルビーをその指に、始祖の祈祷書をその手に。
何度か祈祷書をパラパラとめくるものの、文字が光り浮かび上がる気配は一向に無い。
「俺にとってまだ必要な時ではない、と言うことか・・・・・・」
尤もジョゼフとしては読めないなら読めないで、それも構わなかった。
今覚えている呪文だけでも、充分過ぎる。新たな魔法を覚えなくても特に不都合はない。
「これで四の指輪と四の秘宝の内、五つが我が手にある・・・・・・か」
指輪が二つ、秘宝が三つ。と言っても、集めたからどうだというものでもない。
少しだけ興味が湧いたから、なんとなく収集している程度に過ぎない。

 ジョゼフは、人質である少女達に目を向ける。後ろ手に縛られ、身動きが取れない二人の少女。
「・・・・・・全く。片方はおよそ闘争に向く性格ではなく、もう片方は杖を落として持っていないとはな」
自分を含めて虚無同士戦わせ、戦おうと思っていた。
しかし虚無を使えないのではと、最早興味は半ば失せていた。

「正直ギリギリだったからね」
ウォルターは、悪びれる様子もなく言い訳をする。
ルイズを攫ってきた経緯は、既に報告済みであった。
タバサの裏切りから、虚無魔法により強化された剣でヨルムンガントを破壊された事まで。

 ――――――しかし、杖を落としたという報告は嘘であった。
ルイズは一度拾った杖を、混戦の中でも絶対に手放さなかった。
杖のないメイジが、どれほど無力で役立たずであるかをわかっているから。
例え片手を犠牲にしようと、両足を犠牲にしようと、杖だけは手放さない。
ルイズにはそれくらいの覚悟があった。

 実際には、杖は落としたのではなく――――――ウォルターに奪われただけであった。

「まあよい、まだロマリアが残っているしな。どの道、あのような小娘共に最初から期待はしておらん。
 それよりも・・・・・・ヨルムンガントの改良が必要だな。虚無で壊れているようでは、話にならんぞ?」
 

461 :ゼロのロリカード-44:2009/09/14(月) 20:50:44 ID:???
「わかっている。事が終わって戻り次第、早急に改良を進めよう」


 ルイズは考える。
杖を奪ったのは――――――最初は、呪文を唱えさせない為・・・・・・だと思っていた。
自分を捕えているガーゴイルを魔法で破壊されない為に、ウォルターが杖を奪うのは当然のこと。
しかし・・・・・・今も杖を持っているウォルターが、それを報告しないのがいまいち解せない。
ジョゼフは虚無の担い手と戦いたがっている。杖を渡してくれれば、自分はジョゼフと戦える。
そのジョゼフの意思を無視し、ウォルターが杖を渡さない理由・・・・・・導き出される帰結。

 つまり・・・・・・アーカードに零号開放をさせる為なのだ。
私という人質がなくなれば、アーカードは零号開放する必要はなくなる。
自慢の不死性で持久戦に持ち込み、ゆっくりと全てを殺していけばいいのだ。
だからこそウォルターは杖を奪い、私とガリア王ジョゼフと戦わせないようにした。
ジョゼフの強さはわからない・・・・・・が、私が死ぬにしてもジョゼフが死ぬにしても。
ウォルターにとって面白くない、望ましくない状況に陥るから杖を渡さないのだろう。

 故にルイズは杖のことを言わない。少なくとも、今はまだその時ではない。
まだ・・・・・・付け入る隙があるかも知れない。置かれた状況が絶望的となるまでは行動は起こさない。
ジョゼフと対決するのは――――――最後の手段だ。

 とりあえず、ウォルターからは敵意を感じない。
杖を奪われた時も、「悪いようにはしない」と言われた。
あの夜の会話からも、ウォルターはアーカードと心底闘いたいだけなのだと感じ入った。

 だから・・・・・・今はまだ、ウォルターの言葉を信用しておこうと思う。


 

462 :ゼロのロリカード-44:2009/09/14(月) 20:51:17 ID:???
 ウォルターは考える。
――――――自分は今、ルイズの杖を奪い、持っている。
しかしそれをジョゼフに報告はしないし、勿論渡すこともしない。
もし渡してしまえばジョゼフは虚無同士で戦いたがり、ルイズに杖を返すだろう。
ルイズの気性からしても・・・・・・もう一人の担い手とは違い、十中八九勝負を受けるに違いない。

 そうなれば勝つのは間違いなくジョゼフ。それだけジョゼフの虚無は強力だ。
ルイズに勝ち目はない。そして負ければ怪我は免れない、最悪死ぬことも有り得る。
そうなれば己の目的遂行に於いて、非常に困る事態となりかねない。
ルイズに危害が及べば、アーカードの気まぐれなど簡単に吹き飛ぶだろう。
なんとか零号開放させても、アーカードが自分とタイマンしてくれなければ意味がない。
死の河が敵を飲み込むその間に、適当にはぐらかされ、逃げられたらどうしようもない。
ルイズを完全な人質として扱い、闘わなければ殺すと言うこともやれないことはない。
だがそのようにして、強制的にアーカードと対決するのは・・・・・・最後の手段だ。
それにアーカードが、ルイズを助ける為ならば自分の命を懸けることすら辞さない心持ちなのかもわからない。

 そして・・・・・・少女ながらもアーカードの主人であるルイズに、少なからず畏敬の念を感じる。
インテグラと似ていて、それでいて別の・・・・・・人間としての強さ、その魅力を感じる。
あの夜の会話で、真剣に話を聞き、答えてくれたルイズに、多少なりと好意を感じている。

(・・・・・・悪いようにはしたくない)

 とは言え、そんな真意までペラペラと喋る程、自分はお人好しでもない。
情報が少ない中、疑問に思うことが数あろうに。
それでもルイズが杖のことを言わないところを見るに、なかなか聡明な少女だ。
己の置かれた状況を的確に認識し、決して取り乱さず、冷静に判断をしている。
先の闘争でもそうだった。・・・・・・もう一人の怯えてるだけのとは大違い。
 

463 :ゼロのロリカード-44:2009/09/14(月) 20:52:05 ID:???
(ホント・・・・・・アーカードがムキになるのもわかる気がする)
ウォルターは胸中で呟く。
鉄の女として完成されたインテグラとは違い、まだ発展途上。
だがインテグラと同じように、大成するだろうその器。
アーカードでなくとも・・・・・・、その将来に楽しみを覚えるというものだった。

 だから・・・・・・今はまだ、結果としてルイズに危害が加わるような真似はしない。



「・・・・・・そういえば、元素の兄弟はいないの?」
ウォルターはふと気付いて訊ねた。

 ガリア首都リュティスのヴェルサルテイル宮殿には、いくつもの花壇が存在する。
同時にガリアの騎士団は、それぞれ花壇の名にちなんだ名称を持つのである。
しかし・・・・・・北側には花壇が存在せず、表向きは存在しないという騎士団があった。
タバサも所属していた裏の仕事を一手に担う連中、『北花壇警護騎士団』。
殆どが所属している者同士の顔も名前も知らず、様々な厄介事・面倒事を請け負う実力派の騎士達。
その中でも珍しく、四人組の兄弟で仕事をこなす者達がいた。

「虚無の担い手の所在を、長期間調べさせていたからな。いい加減休みが欲しいそうだ」
ダミアン、ジャック、ドゥドゥー、ジャネットの四兄弟。
ウォルターの強さに比べれば、大多数のメイジはまるで相手になりはしない。
が、彼らは卓越した北花壇騎士団の面々の中でも、さらに随一の実力を持っていた。
四人組としても、個人としても。ハルケギニアでは数少ない、戦力として頼りに出来る連中。
元素の兄弟がいたのなら、色々と役に立つのだが・・・・・・いないのであれば仕方がない。
 

464 :ゼロのロリカード-44:2009/09/14(月) 20:52:33 ID:???
「ヨルムンガントは?」
「一体だけだが既に手配はしてある。そう時間は掛からずに届けられる筈だ」
ウォルターの質問に、ビダーシャルが答える。
トリステインから戻る途中に予め連絡を入れていた。
零号開放させるのに、今のところ集結しているガリア兵だけでは心許ない。
打てる手は全て打っておいた方がいい、当然ながらヨルムンガントがあって越したことはなかった。

「また破壊されたりせんだろうな」
ヨルムンガントは目下生産中。
一体破壊された今、現在稼動可能なのは今から届けられる一体のみであった。
それまで破壊されるのはあまり面白くない。
「虚無はこっちにあるし、大丈夫だと思うけど――――――」



(ヨルムンガントが・・・・・・もう一体!?)
ルイズの胸中が驚愕に染まる。
ウォルター、ジョゼフ、そしてエルフのビダーシャルは、対アーカードの打ち合わせをし始める。
もはや自分達は眼中に無いのか。お構い無しに話をし続けている。
ルイズは耳を澄まして、会話の内容を聞く。

 ――――――なるほど、要するにアーカードに零号開放させることを目的としているわけだ。
ウォルターがそうしたいのは、予想ついていた。
アーカードを倒す為に、拘束制御術式の零号開放は必須事項であるからだ。
が、ガリア王ジョゼフまで――――死の河を――――この世の地獄を見たがっているとは。

(・・・・・・エルフ)
ルイズは心の中で呟いた。ハルケギニアの人間にとって、最も恐るべき敵。
テファと違ってハーフエルフではない、純粋なエルフ。
会話を見聞きするに、エルフはあまり乗り気ではない様子であった。
が、それにしても人間と組むエルフなんて・・・・・・。通常考えられる事態ではない。
 

465 :ゼロのロリカード-44:2009/09/14(月) 20:53:06 ID:???
 ルイズはエルフを見つめる。ルイズの体が俄かに震えた。
実際に、戦ったわけでもない。その強力な先住魔法を、目の当たりにしたわけでもない。
それでも・・・・・・わかる。肌が敏感に感じ取る。心が理解する。
仇敵の秘めたる力に、メイジとして、虚無の担い手として、畏怖を覚える。

 そんなエルフにヨルムンガント、そしてウォルターの実力は言わずもがな。
さらに虚無の担い手であるジョゼフも・・・・・・恐らく戦力に数えられるだろう。
運ばれる途中で、空から見たアーハンブラ城とその周辺を思い出す。
ガリア艦隊は無いようだったが、布陣されている兵の数は、外にいただけでも相当数。
間違いなく・・・・・・アーカードが零号を解放せざるを得ない環境が作り出されている。
敵方が圧倒的物量を有し、同様に物量をぶつけねば効率の悪い状況。
且つ、私と言う人質がいる所為で悠長に殲滅する暇もない、時間的に差し迫った状況。

(アーカードが・・・・・・死ぬ?)
命を全て吐き出した状態のアーカードは、心臓を貫かれれば死ぬ。
そしてウォルターは、その殺せる状態のアーカードと闘うことを望んでいる。
虚無がなければ、反射の掛かったヨルムンガントを破壊する方法は無い。
もしウォルターとヨルムンガントとの波状攻撃を受ければ・・・・・・。
アーカードはきっと退かない。私を助ける為に。
退却しようとしたとしても、私に危害を加えると脅されたら・・・・・・アーカードは――――――。


(いえ・・・・・・アーカードなら、・・・・・・大丈夫)
信じるしかない。アーカードなら勝つ。
私が信じる私の使い魔なら、アーカードなら。
自分を助けてくれる。こんな奴らに負けるわけがない。
(でも・・・・・・出来るなら・・・・・・) 
私を助けに来なくても構わない。
アーカードが死ぬ可能性を考えるなら・・・・・・。
・・・・・・それに、ガリアとの戦争にもなりかねないのだ。
アーカードが助けに来るのは、様々な要素を鑑みるに好ましくない。
 

466 :ゼロのロリカード-44:2009/09/14(月) 20:55:08 ID:???
 そう、助けに来なくてもいい。
(それならそれで、自力で何とかして見せるから・・・・・・)

 ルイズはギュッと唇を結び、拳を強く・・・・・・血が滲みそうなほどに握り締めた。





 シルフィードを飛ばして学院へと戻る。
アーカード、タバサ、アニエスはそれぞれ軽やかに中庭へと降り立った。

「タバサッ!!アーカードッ!!」
すると待ち構えてたように走ってきた、燃える様な赤髪の女。
キュルケと、さらにコルベールが走って来た。
「ルイズが攫われたんですってね」
「・・・・・・オスマンから聞いたのか」
学院内で起こった事件。
ヨルムンガントの残骸の後始末も含め、責任者であるオスマンには王宮へ行く前に報告していた。
キュルケはコルベールと共にオスマンに問い質し、そしてこうして待っていたのだった。

「そっちの人は?」
キュルケの言葉にアニエスはフードを取る。
普段日差しがある時は、アニエスはフードを被っていた。
まだ他者の血を飲んでいない、真の意味で吸血鬼となっていないアニエスにとって、日差しは体を蝕むもの。
それ故に日中に出歩く時は、フードを被るのが常であった。
 

467 :ゼロのロリカード-44:2009/09/14(月) 20:55:25 ID:???
「アニエスくん・・・・・・」
「・・・・・・変に気遣われても煩わしい、普通にしていろ」
顔を見て気付いたコルベールの対応に、アニエスはそう言うとフードを被り直す。
既に復讐の件については決着がついている。今更あーだこーだ言及するつもりもない。
「あ・・・あぁ・・・・・・」
コルベールは申し訳無さそうに頷いた。


「・・・・・・助けに行くんでしょ?」
キュルケの言葉に、誰も答えない。その態度をキュルケは無言の肯定と察する。
「私も行くわ」
「・・・・・・足手纏いはいらん」
はっきりとアーカードは告げた。
「言ってくれるわね。お言葉ですけど、私とタバサのコンビネーションは身を以て知ってる筈よ?
 それにルイズは友達よ、助けに行かない理由はないわ。それにタバサのお母様だって助けなくちゃいけないでしょ」

 キュルケの言葉に、アーカードはタバサへと視線を向ける。
タバサは己の母親のことは何一つ言っていなかった。
自分の中だけで決着をつけるべきことであり、わざわざ言う必要はない・・・・・・ということか。
視線に気付いたタバサは、小さく答える。
「母もアーハンブラ城にいる、だから問題ない」
「そうか。それならばついでに救出できるの」
母がアーハンブラ城へ連れて行かれたこと。
その旨が書かれた手紙が、トリスタニアに行く前にタバサのもとに届けられていた。
ルイズを助けに行くと同時に、母親も助け出せる。
都合が良いのか悪いのか、その安否がわからない以上は何とも言えないが。


 アーカードは再度キュルケへと目を向け、理由を指し示す。
「確かにコンビネーションは素晴らしいが・・・・・・キュルケ、お前の実力はタバサにすら遥かに劣る」
「そうね、否定しないわ。でも連携するんだし問題ない、むしろ補って余りあると思うけど?」
キュルケの主張に対し、アーカードはかぶりを振って否定する。

468 :ゼロのロリカード-44:2009/09/14(月) 21:00:14 ID:???
 
「言い方が悪かったな、連携がどうこうと言うわけでない」
「じゃあ・・・・・・どういうことよ」
「仲間思いは結構なことだがな。聞くがキュルケ、お前はいざという時にタバサを見捨てられるか?」
「・・・・・・そんなこと、できるわけないでしょ」
キュルケは質問の真意が分からないまま、眉を顰めつつ否定した。
「だろうな、それはタバサも同じだ。故にお前の存在が足枷になる」
アーカードは淡々と通告する。
タバサも反駁することなく、静かにそれを聞いていた。

「短期決戦での連携は買うがな、長期戦にならんとも限らない。魔力の切れた足手纏い二人を同時には守れん。
 となれば、自分の始末は自分でつけられる吸血鬼のアニエスを除けば、当然連れて行けるのは一人だけだ。
 まだアニエスは他者を守る程の余裕はない。そしてタバサよりも経験不足で弱いお前を守るのは、負担が大きくなる。
 シルフィードで向かうこと、戦力としてのカウント、そしてタバサ自身の因縁と・・・・・・その為すべきこと」

 アーカードは一拍置いて、射抜くようにキュルケを見つめた。
「その、いずれも・・・・・・お前に勝る」
キュルケは反論しようと思うが、口篭る。・・・・・・確かに、タバサと比べれば私は弱い。
戦闘経験は言うに及ばず、同じトライアングルメイジでもその魔法の威力も精度も段違い。
そして・・・・・・時に、友愛が足を引っ張ることになりかねないことも認識した。

 キュルケは一度だけ嘆息をつくと、観念したように口を開く。
燃ゆる強き瞳で、アーカードの紅瞳を見据える。
「・・・・・・わかったわ。そのかわり――――――」
「んむ、必ず皆で帰って来る」

 アーカードの言葉に、キュルケは安堵の息を漏らす。
変に意固地になられても困るし、はっきり言わないと納得しないだろうと、半ば取り繕った言葉だった。
実際にはルイズやタバサの母の安否は知れないし、誰一人帰って来れない可能性も0ではない。
とは言え・・・・・・その言葉を、決して嘘にはしない気負いはある。

 

469 :ゼロのロリカード-44:2009/09/14(月) 21:00:29 ID:???
 ――――――その時だった。

 空気が一変し、凍りつく。
急激に周囲の気温が下がるような錯覚に、誰もが囚われた。
           ・・・・
 アーカードは――――その人物が歩いてくる方向へと――――振り向く。
そしてその人物と同様に、アーカードは嬉々として殺意を剥き出しにした。
本来いる筈のない・・・・・・その人物が放つそれと、アーカードが放つそれ。
二つが衝突し、混ざり合い、空間を埋め尽くす程の圧迫感となる。
体中に鋭い針を・・・・・・何千本何万本も突き刺される、そんなような感覚に襲われる。

 アーカードは、思わぬ宿敵との再会に――――――酷く凶暴な笑みを・・・・・・浮かべていた。

470 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/09/14(月) 21:01:59 ID:???
以上です、ではまた。

471 :マロン名無しさん:2009/09/14(月) 22:23:09 ID:P/zwUbqz
まさかのタッグ来るのか?

472 :マロン名無しさん:2009/09/14(月) 22:41:29 ID:???
ゼロリカさん超オツ!

どこからとも無く若本ボイスが聞こえてきそうな
超展開ですか?!w

473 :マロン名無しさん:2009/09/14(月) 23:08:38 ID:???
対峙してるのが旦那ではなく
ロリカードって所がかわいいw

474 :マロン名無しさん:2009/09/14(月) 23:22:05 ID:???
白くてちっちゃくてかわいいロリカードが大好きです

475 :マロン名無しさん:2009/09/14(月) 23:34:26 ID:???
天然でアホの子な小悪魔シュレたんも良いが
凶悪でたぎってる大悪魔ロリカードも最高だ!

476 :マロン名無しさん:2009/09/14(月) 23:35:11 ID:???
ゼロリカの人乙です
もしかしてアーカードとアンデルセンの共闘フラグ?

477 :マロン名無しさん:2009/09/15(火) 01:05:39 ID:oprMau1S
結局本編じゃ一度も共闘はなかったからなあの二人、さすがにショルターでもこの二人同時は無謀だよなあ…



478 :学籍番号:774 氏名:2009/09/15(火) 01:43:12 ID:???
共闘・・・だと・・・?

燃える展開だぜ

479 :マロン名無しさん:2009/09/16(水) 07:30:36 ID:???
これはショルターとアンデルセンのレース(賞品アーカードの命)になるのでは。

480 :マロン名無しさん:2009/09/16(水) 21:24:39 ID:???
さすがに二人がかりだと勝てんぜ?多分

481 :マロン名無しさん:2009/09/17(木) 08:34:29 ID:???
三つ巴になるよ
"流れ弾"を飛ばす旦那、手が滑る神父、手元が狂う執事みたいな感じで

482 :マロン名無しさん:2009/09/17(木) 17:11:26 ID:???
それだと若返るウォルターが不利だな

483 :マロン名無しさん:2009/09/18(金) 19:28:59 ID:???
ショタなウォルターって外見年齢何歳くらい?

484 :マロン名無しさん:2009/09/18(金) 19:34:52 ID:???
15くらいじゃない?

485 :マロン名無しさん:2009/09/19(土) 01:25:22 ID:???
ショタに分類されるのかその年齢でも

486 :マロン名無しさん:2009/09/19(土) 14:25:01 ID:???
15歳と言われて思い浮かべる外見の相違じゃない?
ショルターを見たことがなくて質問したなら、ウォルターでググって
爺さんでも青年でも無いのにウォルターっぽい格好してたらそれだろうから
興味があるなら一度見てみると良いかも

487 :マロン名無しさん:2009/09/20(日) 10:43:47 ID:???
15と言えば高校生もあり得る年齢……
青年体と比べると、あの顔立ちはむしろ小学生にみえる。
でも同じ外見の50年前編の言動や表情見るに、それ以下の歳にも思えないんだよな。
成長期が遅かったタイプかな

488 :マロン名無しさん:2009/09/20(日) 19:07:11 ID:???
まっ旦那から見りゃウォルターも少佐もインテグラも女王もみんなショタでありロリ
年齢差的に

489 :マロン名無しさん:2009/09/21(月) 17:46:09 ID:???
旦那は(1431年生)、原作終了時で568歳。

490 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/09/21(月) 21:47:38 ID:???
どうもこんばんは、投下します。

491 :ゼロのロリカード-45:2009/09/21(月) 21:49:56 ID:???
 アーカードと、――――――そしてアンデルセン。
常人ならば心臓すら止まりそうな・・・・・・。
その殺気の満ち満ちた空間で動けるのは――――――原因となっている、二人だけであった。
底冷えするような空気の中、キュルケやタバサは当然。コルベールも、アニエスですら動けなかった。
アーカードは困惑の色こそ浮かんだが、宿敵の姿にそんな瑣末なことは頭の中から霞のように消えていた。

 アンデルセンは大股に歩を進め、アーカードへと近付いていく。
互いの間合いに入り、今にも壮絶で凄惨な殺し合いが始まりそうなその雰囲気。
・・・・・・しかし、そんな一触即発の状況は一方的に解かれた。

 アンデルセンが・・・・・・いきなりそれを抑え込んだのである。
アーカードはそこでようやく、思い出したかのように困惑する。
何故トリステインに、それも学院にアンデルセンがいるのか。
そしてなによりも、ここに来て何故・・・・・・殺意を抑えたのか。

「はぁ・・・・・・全く、勘弁しておくれよアンデルセン神父」
アーカードが何故かを問おうとした直前。
弛緩した空気に言葉を発したのは、アンデルセンの後方にいる人物だった。
フードを被った人物――――声からすれば女性――――が近付いて来る。

 女のフードはアニエスのように日差しを防ぐ為ではなく、顔を隠す為のそれである。
フードの奥の瞳が、その場にいる者達を見渡す。
「やっぱりいないね・・・・・・」
女は深い溜息を吐いた後にそう言った。
「二度とアンタとは会いたくなかったんだけどねぇ、まっしょうがないさね」
そう言うと、女はフードを取って顔を見せる。そこには・・・・・・見知った顔がいた。
かつて学院に勤め、破壊の杖を奪い、アーカードに敗れた盗賊。
 

492 :ゼロのロリカード-45:2009/09/21(月) 21:51:18 ID:???
「『土くれ』のフーケ・・・・・・!?」
「ミス・ロングビルッ!?」
キュルケとコルベールは声を上げ、タバサは無言で杖をフーケへと向け身構える。
アーカードはその瞳に、ただ疑問だけを浮かべていた。
フーケはタバサの反応に両手を上げ、敵意が無いことを示す。
「そう構えないでおくれ。別にお礼参りに来たとか、そういうわけじゃない。
 その説は世話になったけどねぇ・・・・・・それはそれ。今は別の用があって来たんだよ」

「どうだか」
と、キュルケ。タバサは抑揚のない冷たい瞳で、フーケを睨んだまま動かない。


 すると、フーケは「やれやれ」と言って杖を出す。
一瞬緊張が走るものの、フーケはそれを躊躇なく地面へと放り捨てた。
フーケは再度両手を上げて、目まで瞑って敵意が無いことを示す。
「これでいいかい?話だけでも聞いて欲しいんだけどねぇ。それからでも遅くないだろ?」

「・・・・・・ティファニア、か」
片瞳だけ開き、アーカードがその名を口にする。
かつてアルビオンで会った、アンデルセンを召喚したハーフエルフの少女の名前。

 アンデルセンが学院くんだりまで足を運び、しかも一度は出した殺意を抑えたという事実。
今にも殺し合いが始まってもおかしくない状況で、そのような行動を取る理由はそれしか考えられない。
ガリア王ジョゼフは虚無の担い手を集めている。当然ルイズだけでなく、ティファニアも例外ではない。
一度捕まり脱走したらしいフーケが、何故ここにいるのかまでは不明であったが・・・・・・。

「そうさ、わたしの可愛い妹が攫われちまってね」
「妹?」
「わたしにとっちゃ妹みたいな存在ってことさ。娘とも言えるね、つまりは大切な家族。
 シェフィールド・・・・・・いや、本当の名はウォルターと言ってたか、あんの小僧。ったく、まんまとハメられたよ。
 神父から話は聞いた。アンタんとこの主人、あの小娘も虚無の担い手なんだってね。
 もしかしたらと思ったけど、・・・・・・遅かったみたいだねぇ。先回りしてとっ捕まえようと思ってたんだけど」

493 :ゼロのロリカード-45:2009/09/21(月) 21:52:43 ID:???
 
 そう言うとフーケは、聞いてもいないティファニアが攫われた時の話をし始めた。





「やっぱり男手があると楽だねぇ」
フーケもとい――――マチルダ・オブ・サウスゴータ――――は、少し呆けるように言った。
元はアルビオンのシティ・オブ・サウスゴータと、その一帯の領地を支配していた貴族。
王室に逆らった所為で没落し、その後は盗賊に身をやつし、トリステイン魔法学院で秘書をやっていたこともある。
そして破壊の杖を盗み出したものの、吸血鬼アーカードに打ちのめされ、捕まった。
その後、脱走の手引きを受け、アルビオンで仕事をし、紆余曲折を経て今に至る。
そんなマチルダが、何故ここウエストウッド村でのんびりしていると言うと・・・・・・。
心休まる我が家へと帰って来た、ただそれだけであった。

「うん!とっても助かってるわ」
ティファニアが屈託のない笑顔を浮かべる。
マチルダとアンデルセンにジャック、ジム、エマ、サム、サマンサ。
かけがえのない家族が村に揃っていて、これ以上ない幸せを感じていた。

 ――――――ティファニアの父親は、かつてのアルビオン王の弟。
サウスゴータを含むさらに広い一帯の大公であり、アルビオン王家の財宝を管理する財務監督官でもあった。
母親はその妾でエルフ。人間とエルフは本来相容れぬ存在だが、それでもティファニアの両親は愛し合っていた。
当然そんな母とティファニアは、二重の意味で日陰の生活を強いられたが、それでも幸せだった。

 しかしその幸せな日々は突然に崩れ去った。
エルフである母の存在が露見すると、厳格な王はそれを決して許さなかった。
ティファニアと母の二人は、父親の家来だった者の家に一時避難することになるその家来の娘がマチルダであった。
そして最終的に父親は投獄され、母親は殺された。
 

494 :ゼロのロリカード-45:2009/09/21(月) 21:54:58 ID:???
 ティファニアとマチルダはそんな頃からの付き合い。
父の家来だったその人はティファニアの命の恩人であり、娘のマチルダは姉代わりであった。
マチルダからすれば、ティファニアは妹であり、子供達の里親も同じである。
そして今は親をなくした孤児達を引き取り、小さな村で平穏に暮らしている。
ウエストウッド村はマチルダにとって・・・・・・唯一心を落ち着けることが出来る、自分の家なのだ。


 トリステイン・ゲルマニア連合軍とアルビオンの戦争は終結し、久し振りに村へと足を運んだ。
また食い扶持を探さねばならないものの、今はこの平穏な生活を楽しむのも悪くない。
ある程度の蓄えはあるし、新しいターゲットを定めるまではゆっくりすることにした。

「やっぱりサモン・サーヴァントをして正解だったろう?
 あの時はまさか、人間が召喚されるとは思わなかったけどねぇ」

 ティファニアは一瞬言葉に詰まる。何故人間が召喚されたのか。
既にティファニアは、アンデルセンの出自を知ってしまっている。
何故人間が召喚されたのか、それは自分が虚無の担い手だからだ。ルイズ達と会い、話した時のことを思い出す。
ハルケギニアとは別の、違う世界の住人であるアンデルセン。
元の世界では既に死しており、今はこの世界にいる。
アンデルセンは気にしてない様子であったが、こちらの都合だけで喚んでしまったことには変わりない。
そのなんとない後ろめたさが、少しだけテファの胸中に影を落とす。

 もう大分前の話になるか、ふとした時にマチルダが召喚を提案した。
召喚動物がどんなものでも、役に立たないということはないからだった。
食費の嵩む幻獣だとしても、村の用心棒代わりになればそれはそれで問題なかった。

 そして召喚した結果、人間であるアンデルセンが召喚された。
人間が召喚されることなど、過去の例にも聞いたことない。
それでも一応召喚した者として契約を結ぼうとしたが、キスを交わす際にそれは止められてしまった。
「そういうことは無闇にするものではありません」と。
結局そのままティファニアとアンデルセンは契約しないまま、今もこうして過ごしている。
 

495 :ゼロのロリカード-45:2009/09/21(月) 21:56:02 ID:???
 ティファニアはマチルダの問いに柔らかく頷いた。
利己的に召喚してしまった罪悪感は多少残るものの、アンデルセン神父は自分の意思でここにいてくれている。
アンデルセンから暖かい情を感じるのは確かだし、言葉でも「大丈夫」と否定してくれた。
アーカードと相対した時の変容は怖かったが、それ以外は皆の父親代わりとして普通に過ごしている。


「・・・・・・にしても、アンデルセン神父。なんか雰囲気変わったかい?」
なんとなく、本当になんとなくなのだが、マチルダはそんな気がしてアンデルセンに問う。
吹けば飛んでしまいそうな僅かな機微。それでもマチルダは感じ取っていた。
それは戦いに身を置く者だからこそ気付く、本当にささやかな変化であった。
「いいえ、そんなことはありませんよ」
アンデルセンは柔和に否定する。その返答に、特に不自然なところは感じなかい。
マチルダは、「そうかい」と自分の勘違いかと頷き納得する。
(なんだかこう少し・・・・・・獣臭、みたいなものを感じたんだけどねぇ)

「いつまでゆっくりしていけるのです?」
アンデルセンは温和な表情で聞いた。
「特に決めてないね、しばらくはのんびりしてく予定さ」
「ホントッ?マチルダ姉さん」
「ああ、本当さ」
ティファニアは「そうなんだぁ」と、心底安心したような笑顔で顔を満たす。

「ふふっそんなに喜ぶことかい?」
「もちろん!やっぱり家族は一緒が嬉しいもの」
ティファニアの吐露した素直な気持ちに、マチルダはなんだかムズ痒く感じた。
金を稼いで家族を養っていく為とはいえ、長く家を空ける日が多かった。
ティファニアはアンデルセンが召喚されるまで、誰に甘えることもなく頑張り続けた。
その所為で・・・・・・寂しい思いをさせてしまった。
 

496 :ゼロのロリカード-45:2009/09/21(月) 21:57:23 ID:???
 大切な物がまんまと盗み出された貴族の、慌てふためく顔を見るのが愉快だった。
下調べや仕込みに時間は掛かるけれど、一回で得られる報酬も大きく、実益も兼ねた貴族専門の盗賊。
仕事のことは当然皆に隠している。だがその所為で、余計な心配をかけているのもまた事実であった。
それにそこそこ長く続けていた所為か、自分も大分年齢を重ねてしまっていた。
いい加減いつまでも、やんちゃをしているというのも・・・・・・。

(・・・・・・良い頃合かも、知れないねぇ・・・・・・)
ティファニアや子供達にも、外の世界を見てもらいたい。
足を洗い、皆で引っ越し、真っ当に働き、いい男を見つけて結婚する、なんてのも悪くない。


 マチルダがそんな儚い将来のヴィジョンを思い描いている。
と、突然扉が勢いよく開け放たれた。
「エマ・・・?ジム・・・?そんなに急いでどうしたの?」
ティファニアが首を傾げて訊ねた。
「大変なの!」
「よーへーだって!!村長を呼べって!!」
息を切らせたエマとジムが、必死に叫ぶ。

(よーへー・・・・・・、傭兵?)
目を鋭くしたマチルダが椅子から立ち上がる。
するとアンデルセンが手を出して制し、首を左右に振った。
「私が行きましょう」
顔こそ笑顔であったが、眼鏡の奥の瞳は笑っていないことに気付く・・・・・・が。
「・・・・・・あぁ、任せたよ」

 マチルダは座り直す。さしずめ戦争が終わって盗賊業に戻った荒くれ者ってとこだろう。
その程度の連中なら自分と神父、どちらが行っても簡単に治められる。
神父は自分を気遣ってくれているのだ。久し振りに戻ったわたしに、ゆっくり休んでいろと。
だからその心遣いに甘え、自分はのんびりすることにした。
 

497 :ゼロのロリカード-45:2009/09/21(月) 21:59:14 ID:???
「こっちだ!!」
ジムがアンデルセンを先導し、二人は外へと出て行った。


 不安げな表情を浮かべるエマとティファニアに、マチルダは優しく語り掛ける。
「神父なら大丈夫だよ、安心おし」

 アンデルセンが召喚されまだ間もない頃、只者ではないと軽く手合わせをしたことがあった。
だからアンデルセンの実力は知っている。ゴーレムを作る暇すらなく、負けてしまった。
仮にゴーレムを出せたとしても、全く以て勝てる気がしなかった。
あぁ、そうだ・・・・・。今思えばあの化物、アーカードと戦ったような感じだ。
アンデルセンは、そういう同種の空気を纏っている。

 衰えを感じさせぬ鍛え抜かれた肉体と、長い時間を掛けて洗練された技術。
盗賊紛いの傭兵が何人いようと、仮にメイジが混ざっていようと何も問題はない。

 ティファニアはしがみつくエマの不安を取り除くように、頭を優しく撫でながら聞く。
「他のみんなは?」
「お家にいる」
それならば・・・・・・安心だろう。何も不安がる必要はない・・・・・・筈。
なのだが、ティファニアは自身が抱く不安を払拭できなかった。

 アンデルセンに万が一が起こる不安?
それともアーカードと邂逅した時のように、悪鬼のごとく変貌する不安?
子供たちに何かあるかも知れないという不安?
そのどれでもない。
言い知れぬ漠然とした嫌な予感だけが、何故かティファニアの心の中に在った。




 

498 :ゼロのロリカード-45:2009/09/21(月) 22:01:48 ID:???
「あんたもしかして・・・・・・アンデルセンって名前かい?」
一人の傭兵の言葉に、アンデルセンの眉が俄かに動く。
ジムと他の子達は既にまとめて一所に避難させた。心配することは何一つない。
子供を人質に取らなかったのは、小さな村一つにそこまでする必要性が無いと考えたからだろう。

 しかしいきなり自分の名を呼ばれたことは不可解極まった。
目の前にいる傭兵の数は十数人ほど。
いずれも顔は知らない。なのに何故、己の名が知られているのか。
(・・・・・・まぁいい)
アンデルセンはクイッと眼鏡を指であげると、恫喝する。

「見逃してやるから今すぐ消え失せろ。そして二度と近付くな」

 はっきり言ってしまえば、異教徒が兆人死のうが、何人死のうが、知ったことではない。
自分にとってかけがえのない大切な者達以外は・・・・・・どうでもいい。
殺すことも厭わないが、ティファニアや子供達を思えばこそ、それは躊躇われた。
闘争とは無縁のこの静かな村を、血で汚したくはない。血生臭い行為をするのはなるべく控えたい。

 それがアンデルセンがこの世界で選んだ生き方。
子供達が心身共に健やかに育つこと。
子供達が平穏な生活を送れるよう守ること。
子供達が泣くようなことが無いように努めること。
もう二度と――――――マクスウェルのような子は生み出さない。
それが、アレクサンド・アンデルセンの願いであり・・・・・・誓いであった。

 敬虔を通り越し狂信的で、暴力的なカトリックであったアンデルセン。
生まれながらの嵐、神罰という名の銃剣、脅威、一つの炸薬、恐ろしい暴風。
そんなアンデルセンは・・・・・・もうこの村にはいない。
もしも鬼になる時があるとするならば・・・・・・。
宿敵であるアーカードを打ち倒す時だけであろう。

499 :ゼロのロリカード-45:2009/09/21(月) 22:03:07 ID:???
 

「生憎だがこっちも雇われた身分。はいそうですか、ってわけにはいかない」
アンデルセンに少し気圧されるも、傭兵達はそれぞれ武器を構える。
「・・・・・・雇われただと?」
「っと、思わず口が滑っちまったな。ま・・・・・・言うわけねえだろ、常識的に考えて」

 彼らの中に多少なりと実力者がいれば、退くという選択肢が挙がったことだろう。
強者がいたならば、任務を放棄し、雇い主のことを話し、見逃してもらうという選択肢が挙がった筈だ。
しかしアンデルセンとの圧倒的な戦力差の所為で、実力をいまいち計り切れなかったのだった。
ネズミなら象を認識できよう・・・・・・しかし、蟻に象を認識することはできないのだ。

500 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/09/21(月) 22:19:57 ID:???
以上です。まとめてくれてる方、いつもありがとうございます。

久々に後書き語り。
はっきり言っちゃうと、共闘です。零号開放を書き終え、完全燃焼!
ってなくらいの気持ちになって、モチベーションが下がり始めた時に、
その先のプロットも最終回辺りの話しか考えておらず、
どうしようかと考えていて色々プロット組んでる内に、
浮かんだストーリー案で、やりたいと思ったのがやはりタッグ。

正直アンデルセンの気性を考えると、絶対にありえない!ってな感じもしますし、やるかどうか非常に悩みました。
だけどライバルとの共闘は、やっぱり最高に燃えます。
原作にもないので、もし組んだらどうなるんだろうと妄想した人もきっと一杯いると思います。
それに原作でのアンデルセンの死に際の台詞などを見ながら、その心情を深く考えていると、こういうのも有りだなと思いました。

絶滅主義者の面と、我が子を想うような父性の面。
マクスウェルの死とハルケギニアでのテファ達との平和な日々で、後者の色が特に強くなった神父です。

それではまた。

501 :マロン名無しさん:2009/09/21(月) 22:38:08 ID:???
テファ救出後にアーカードを殺る訳ですか。
ウォルターもアンデルセンとアーカードの双方を同時に相手にする愚は避けるはず。
テファが救出できればアンデルセンはアーカードを殺し切る千載一遇のチャンスを逃しはしない。
アンデルセンの性格上、テファと認識の無いルイズは宿敵の主、生きようが死のうが所か寧ろ殺すと言った感じ。
宿敵を裏切る事に罪の認識も何も無いでしょう。
テファをマチルダに連れて行かせれば、即座にアーカードと殺し合いを始めそう。


502 :マロン名無しさん:2009/09/22(火) 02:50:51 ID:???
さすがにウォルターも宿敵同士共闘するとは思ってないだろうから
二人で攻めて来たら驚くだろうなw

503 :マロン名無しさん:2009/09/22(火) 16:12:43 ID:???
ルイズとアンデルセンがエンカウントしたら
「ゲェハハハハハ」と笑ってくれるハズ

504 :マロン名無しさん:2009/09/22(火) 17:05:18 ID:???
何その即死イベント

505 :マロン名無しさん:2009/09/22(火) 21:14:34 ID:???
ルイズが神父の居る所で「来い、闘ってやる」位の台詞を吐けばいけるかも。
ひょっとしたら旦那の「股ぐらがいきり立つ」も聞けるかも。

506 :マロン名無しさん:2009/09/22(火) 22:19:39 ID:???
でもロリカードには股間にいきり立つ物が無い…
「私のナニはびしょ濡れだ!」とか言うの?

507 :マロン名無しさん:2009/09/22(火) 22:28:38 ID:???
姿形は関係ない=生やせる

508 :マロン名無しさん:2009/09/22(火) 22:35:08 ID:???
いきり立つ――か。
男性の陰茎は、女性の陰核の相同器官である。つまり、ソレがいきり立つのであって……?

509 :マロン名無しさん:2009/09/22(火) 23:50:42 ID:???
ロリカードに卑猥な言葉を言わせたいと、君は?

510 :マロン名無しさん:2009/09/23(水) 10:09:18 ID:???
卑猥な言葉を言うロリカード各人の対応は
・羞恥に赤面するルイズ
・そう言う任務も受けて耐性があるシャルロット
・傭兵でその手の内容に詳しいアニエス
・平気になった事に感傷的になるマチルダ
・実はおぼこでルイズ並に赤面するキュルケ
・股座がいきり立つマルコメ
・強いショックを受けるギーシュ
か。

511 :マロン名無しさん:2009/09/23(水) 12:16:44 ID:???
なんか性にオープンそうだよね<ロリカード
せっかく女の子なんだから恥じらいとか持ってたらよかったのに

512 :マロン名無しさん:2009/09/23(水) 13:16:54 ID:???
女の子らしいロリカードなんてロリカードじゃないやい

513 :シュレの人 ◆VMp3BjBuLA :2009/09/23(水) 19:17:26 ID:???
どうも、シュレの人です

確率世界のヴァリエール第五話、19:40あたりから
投下させていただきます


514 :マロン名無しさん:2009/09/23(水) 19:33:41 ID:???
恥じらい持ったロリカードなんて旦那がふざけてるとしか思えない

515 :確率世界のヴァリエール-5:2009/09/23(水) 19:44:27 ID:???
シュレディンガーの朝は早い。

日の出前には同じベッドで寝ているルイズを起こさぬ様に
ゆっくりと起きだし、すばやく身支度と毛並みを整えると
同じくもう起きている他の使い魔達と中庭で遊ぶ。
ひとしきり遊び終えた後は早起きのオスマンの部屋に向かい、
お菓子をねだる。 今日はチョコレートクッキーのようだ。

食べ終わるとシエスタにルイズの洗濯物を洗ってもらい、
寝起きの悪いルイズを起こす。
食堂までルイズを届けた後はベッドで二度寝し、
皆が朝食をとり終えた頃、遅めの朝食を求めて
朝の忙しさからひと段落着いた厨房へと向かう。

「よう、来たか「我らが猫」! この食いすけめ!
 どうだ、「我らがミルク」はうまいか?」
「うん、おいし!
 マルトーさん、今日はボクお魚が食べたいナー」
「マルトーさん、その何にでも「我らが」を
 付けるクセはやめて下さい」
シエスタがなぜか頬を赤らめる。

「所でマルトーさん、アレなに?」
厨房の端に山と積まれた籠を指差す。
「あれか? 明日には「我らが姫様」がいらっしゃるからな。
 心配するな、一番旨い部分はお前に取っといてやるから」


確率世界のヴァリエール
- Cats in a Box - 第五話
 
 

516 :確率世界のヴァリエール-5:2009/09/23(水) 19:46:46 ID:???
「あ、あの、ミス・ヴァリエールでいらっしゃいますか?」

一日の授業を終えて夕食をとるルイズとその使い魔の前に
目を輝かせた女生徒二人が緊張した面持ちで立っている。
「伝説の「虚無」の系統を使われるとか!
 あの、よろしければ、握手をして頂けますか?!」
ルイズが仏頂面で握手をすると、感謝もそこそこに
黄色い声を上げて仲間の元へと走っていく。

「ぷっくく。 すっごいわねー、ルイズ。
 モッテモテじゃな〜い。 さすがは虚無ね」
隣に座るキュルケがにやけ顔で冷やかす。
虚無を始祖「も」使っていた珍しい系統、程度にしか知識を
持たない下級生から握手を求められるのは、これで三度目だった。

「虚無じゃないっつってるでしょ」
チキンを頬張りつつキュルケをじろりとにらむ。
「あんたのせいであれから良い迷惑だわ」
キュルケの向こうでモンモランシーといちゃつくギーシュが返す。
「なになに、虚無の力を恥じることは無いよ、ルイズ。
 そう思えば魔法の覚えが遅いのも納得がいくと言うものさ」
「シュレちゃんのルーンが消えたりとかもね、ぷぷ」
モンモランシーが口に手を当てながら付け加える。

「虚無じゃないにしても滅っ茶苦茶でしょー、アレ。
 コルベール先生も主人のメイジが死にでもしない限り
 使い魔のルーンは消えるもんじゃないって言ってたわよ?」
モンモランシーが発した「死」という単語に、
反射的にあの音が脳内で再生される。

( に ち っ 。 )
 

517 :確率世界のヴァリエール-5:2009/09/23(水) 19:48:14 ID:???
「うひゃっ」
思わず耳を塞ぐ。
「? どしたの?」
「な、何でもないわよ」
(見間違い見間違い、アレは見間違い)
心の中で唱えながら、かぶりを振る。
あれからどうにも寝付きが悪い。

「で、あんたら何やってんの?」
キュルケが尋ねたのは、いちゃつく二人が
それぞれの使い魔を連れていたからだった。
「なんで、って明日は使い魔のお披露目会じゃあないか」
「で、その練習ってワケ?
 そんなのテキトーでいいじゃない」
「そりゃゲルマニアから来たアンタにゃどうでも良いかも
 知んないけどね、アンリエッタ姫殿下がお見えになるのよ?」
「うそ?!」
ルイズが身を乗り出して聞き返す。

「嘘も何も、オールド・オスマンが授業中入ってきて
 言ってたじゃない。 ゲルマニア訪問のお帰りから
 急にこちらに立ち寄られる事になったって。
 はっはーん、また寝てた?」
モンモランシーに返事も返さず、七面鳥のソテーと格闘する
シュレディンガーの腕を腕を掴んで立ち上がる。
「シュレ、特訓よ!!」

==============================

「う〜ん、今いちインパクトが無いのよね〜」
自分の部屋でルイズが腕を組む。
 

518 :確率世界のヴァリエール-5:2009/09/23(水) 19:49:46 ID:???
「え〜?」
シュレディンガーが不満げな声を上げる。
「あんたの能力って、やってる事はすごいけど
 ハタから見ると、消えて出て、だけなのよね。
 ビジュアル的なインパクトが欲しいわ」
椅子に腰掛けワインをあおる。

「インパクトかー、
 何か取ってきたり?」
「例えば?」
「お姫様が来るんならー、
 お姫様のカンムリとか?」
「ぶふうっ!」
飲んでいたワインを噴き出す。

「そんなことしたらその場でお手打ちよお手打ち!
 ああもうワインこぼれちゃったじゃない。」
ワインを拭いた布をシュレディンガーに投げつける。
「シュレ、新しいワイン取ってきて。
 こういうアイデアが必要な時には
 アルコール入れて脳ミソ回すのが一番よ。」

==============================

「たっだいまー」
「何よ、遅かったわね。
 、、、何そのケース」
「お披露目会の事シエスタに話したら
 貸してくれたんだー」
「シエスタ?
 ああ、食堂のメイドだっけ?」
 

519 :確率世界のヴァリエール-5:2009/09/23(水) 19:50:58 ID:???
ケースをルイズに渡すと、シュレディンガーは
いそいそと二つのグラスを用意する。
「って何よこれ!」
ケースの中に入っていた衣装をみてルイズが驚く。
ルイズが広げて見せたそれは、カットも大胆な黒のビスチェだった。
ご丁寧に同じピンクのフリルの付いた黒のストッキングも入っている。
「従姉妹からもらった勝負服だって」
「コレ着ろっての? 却下よ却下」
「え〜? せっかく貸してくれたのになー」
シュレディンガーがグラスのお酒をちびりとなめる。
「あら、これワインじゃ無いじゃない」

「えへへー、すっごい良い匂いでしょ」
小さな実が沢山漬け込まれた酒瓶を自慢げにかざす。
「そう? ちょっと薬臭くない?」
ルイズが怪訝そうな顔でグラスに口をつける。
「あら? 意外とイケるわね」
「でしょでしょ?」
「って、そんな事はどうでも良いのよ。
 何か良いアイデア無いの?」
グラスをあおると、うーむと目をつぶって考え込む。

「ルイズルイズ〜!」
「何? 何か思いついた?」
飲みかけたグラスを置いてシュレディンガーに向き直る。
「ジャ〜ン!」
「ぶふうっ!」
飲んでいたお酒を噴き出す。

「 な ん で ア ン タ が 着 て ん の よ !!」
 

520 :確率世界のヴァリエール-5:2009/09/23(水) 19:52:31 ID:???
ルイズの目の前にはビスチェとストッキングを身にまとい
悩ましげにしなをつくる猫耳の使い魔がいた。

「だって〜、
 ご主人様が着ないって言うんなら〜、
 僕が着るしか〜、無いじゃない?」
「何でそうなんのよ!!
 って、、あんた、酔ってない?」
グラスの半分も空けていないシュレディンガーの顔は
明らかに上気して、視線も定まっていない。
「酔って無いよ〜?」
ぐびりとグラスの残りを飲み干す。
「飲むなっつうの!」

ハタと気付いたルイズの額に、たらりと冷や汗が流れる。
前にもあったシチュエーションだ。
しかも今度は酔っ払いモードだ。
このケダモノを野に放つわけにはいかない。

「い、意外と可愛いわねー。
 やっぱり私も着てみたいから貸してくれる?
 ホラ、良い子だから」
こわばった笑顔でシュレディンガーににじり寄る。
「でしょ〜? えへへ〜。
 でもでもご主人様ってば、
 ボクとおんなじ位ムネ無いし〜、
 カップが余っちゃうかも〜。
 やっぱりシエスタって胸大きいよね〜?」
隙間の開いたカップと胸元の間に人差し指を差し込んで
クルクルと指を遊ばせる。
 

521 :確率世界のヴァリエール-5:2009/09/23(水) 19:54:59 ID:???
みしりと額に青筋が浮き出るのをこらえ、
ルイズが笑顔を作る。
「む、胸の大きさはどうでもいいのよー?
 キュルケみたいに大きい方がバカっぽいし。
 じゃなくって、シュレが良く似合うから私も着てみたいのよ。
 いいから早く脱ぎなさい」 

「ホントに似合ってる〜?
 やったぁ! うっれしいな〜!」
猫耳をピコつかせニコニコとその場で回りだす。
「じゃあみんなにも見せてこよ〜っと」
「ちょまっ?!」
============================== 
がごす。
「うっふっふ、、」
テーブルの足に鼻っ柱をぶつけたまま低く笑う。
一人きりになった部屋の中、鼻血もぬぐわずゆっくりと立ち上がる。
「今度という今度は許さないわ、あんのバカ猫!!」

ドアを開けてキュルケが覗き込む。
「ま〜たなにやってんのよ?」


「おい、ここにあった酒ビンどうした?!」
コック長のマルトー親父がおタマを持ったまま他のコックに尋ねる。
「ええと、さっきシュレさんが持って行ってましたけど?」
明日の食事会の為のテーブルクロスを抱え込んだまま
シエスタが答える。
「おいおい、明日の為に買ってきた調理用のマタタビ酒だぞ?
 まったくあの食いすけめ。」
 
 

522 :確率世界のヴァリエール-5:2009/09/23(水) 19:57:13 ID:???
夕食も終わったアルヴィーズの食堂。
だが、明日の使い魔のお披露目会のアイデアを練る為、
ギーシュたちをはじめとする一部の生徒達は
自分の部屋に戻らずまだたむろを続けていた。
「そうそう、そうやってバラを咥えてポーズ。
 よしよし、良い子だヴェルダンデ」
ギーシュがバラを咥えてほお擦りしてくる大モグラをなでる。
反対の席に座るケティが陶然とした顔でその光景を見ている。

「よだれ。」
ケティの横のタバサが本から目を放さず突っ込む。
「はっ、す、すいません。
 でもみなさん遅くまで大変ですね」
「そうよー、ケティ。 一生一度の晴れ舞台なんだから。
 あんたも来年大変よー?
 せいぜい頑張ってステキな使い魔を呼ぶ事ね」
そういって掌に載せた使い魔、カエルのロビンにキスをする。
「は、はい、モンモランシーお姉様。
 私もシュレちゃんみたいな可愛い使い魔呼べるように
 が、頑張ります」
「ホント? 可愛い〜?」

その声に四人が振り返る。
「、、、!」
四人が声もなく固まる。
黒いビスチェにストッキングをまとったシュレディンガーが
上気した顔で嬉しそうに微笑んでいる。
「ええと、ネコ君?
 君のー、その格好、、、は?」
「シエスタに借りたんだ〜。
 どう?ギ〜シュ〜。 可愛い?」
 

523 :確率世界のヴァリエール-5:2009/09/23(水) 19:58:26 ID:???
「いや、あの、、
 酔ってるだろ君」
「でもでも、シエスタってばおっぱい大きいから〜、
 胸のとこが余っちゃっうんだよね〜」
服と胸の隙間に人差し指を差し入れ、パコパコと
上下にカップを倒し、薄い胸をあらわにする。

「タバサお姉さま、鼻血、、」
ケティがタバサに耳打ちする。
タバサが血のしたたった本を置き、ハンカチで鼻をぬぐう。
それを見たモンモランシーが自分の鼻を確かめる。

「どうかな〜? ギ〜シュ?
 やっぱり似合わないかナ〜?」
シュレディンガーが後ろに組んだ手をモジモジと
動かしながら、寂しげな顔でギーシュを上目遣いに見る。
「い、いやいや、、
 似合ってると、思う、よ?」

「やったあ!
 ギ〜シュ、だ〜い好き!!」「むぐっ?!」
うっちゅう〜〜。

「、、、!」
三人が無言のままハンカチで鼻をぬぐった。


「だああ! 遅かった!
 って、何やってんのよ、あんたら!
 見てないで止めなさいよ!」
ルイズの声に放心していた三人が我に返る。
 

524 :確率世界のヴァリエール-5:2009/09/23(水) 20:01:17 ID:???
「あ〜らら、見事に出来上がってるわねー」
シュレディンガーを見たキュルケがあきれ返る。

「あ〜、ルイズとキュルケだ〜、お〜い」
幸せそうな顔で目を回すギーシュにまたがったまま
シュレディンガーがニコニコと手を振る。
「お〜いじゃないわよ!!」
「まーま、ルイズ。
 怒鳴ったってどうしようもないでしょ。」
キュルケが手に持った酒ビンの蓋を開ける。 

「おいでー、シュレちゃん。
 お姉さんがキスしたげるから」
キュルケが微笑みながら手招きをする。
「わぁい」
シュレディンガーが駆け寄る。
キュルケが酒ビンを傾け口に含むとしゃがみ込む。

ぷちゅうう〜〜。 っぽん。

唇を離したシュレディンガーの顔がみるみる紅潮し、
頭から湯気を出してふにゃりと倒れ込む。
「シュレ? あんた何飲ませてんのよ!」
「ウォッカ」
「ウォ、?! 、、、はぁ、まあ良いわ。
 ほらシュレ、帰るわよ」
ぐいと顔を持ち上げるとキスをして、その場から消えた。
==============================
「あーら、そっちは乗りこなしてるのねえ」
キュルケがウォッカをぐびりとあおった。
 
 

525 :確率世界のヴァリエール-5:2009/09/23(水) 20:03:22 ID:???
明けて、次の日。

「寝過ごした!!」
目が覚めたルイズが思わず叫ぶ。
疲れて寝て起きたら昼だった。
窓を開け中庭を覗くと組まれた舞台の前には生徒が集まり、
舞台の脇にはアンリエッタ姫の姿も見える。

「何で起こさないのよ!!」
ベッドを見ると、自分の使い魔はまだ眠っている。
とりあえずベッドから蹴り落とし大急ぎで制服を着る。
シュレディンガーの方は、いつの間にやらいつもの服を着ている。
「ん〜、あだまいだい〜」
やっと起き出した猫耳頭をわし掴むと、
「ほら、行くわよ!」
無理やりにキスをした。

==============================

「って、なんで舞台上に上げてんのよ!」
突然の登場に笑いの起こる生徒達を無視して
横にいるシュレディンガーの頭をはたく。
「ホラ、降りるわよ!」
使い魔の手を引いて舞台から降りようとした時、
ルイズは場の雰囲気が変わっていく事に気付いた。
横のシュレディンガーを見る。
キラキラと瞳を輝かせて自分を見あげている。
「ミ、ミス・ヴァリエール? その頭、、、」
司会進行役なのか、舞台上にいたコルベールが
おずおずと声をかけてくる。
「わ、寝グセ?!」
 

526 :確率世界のヴァリエール-5:2009/09/23(水) 20:06:26 ID:???
思わず頭に手をやる。
何かが手に触れた。 いや、ちがう。
頭にある「何か」に「手で触れらた」感触があった。
嫌な予感しかしない。

ざわり、と、会場が動く。
「、、耳だ、、」
男子生徒の誰かがつぶやく。
「ネコミミだ、、」
ウイルスのように潜伏していた感情が会場に広がる。
「ネコミミの、ルイズ、だ、、」
その感情は、シュレディンガーがこの学院に現れた時から、
ゆっくりと、しかし確実に、男子生徒の間に感染していった。
だが、その感情を表に出すことは、あまりにはばかられた。
「猫耳のルイズ、、!」
だが、今、目の前にあるソレは、たしかに、確実に、
その感情を表現するにふさわしい者の上にあった。

「萌え」が、爆発した。

地響きの如く湧き上がる「ネッコミミ!!」コールに反応すら出来ず、
ルイズは突如自分に生えた猫耳を掴んで叫ぶ。
「なんじゃこりゃあぁ!!」


お披露目会の後のパーティもそこそこに
自分の部屋に帰ったルイズはため息をついた。
「はあぁ、もう。 今日ほど最悪な日は無いわ。」
頭に生えたネコミミはそのままだ。
くたびれた様子でもそもそと服を脱ぎだす。
猫耳のまま共同浴場に行く勇気はさすがに無い。
 

527 :確率世界のヴァリエール-5:2009/09/23(水) 20:07:50 ID:???
「ルイズー、お湯持ってきたよー。」
ポットを抱えたシュレディンガーが
部屋の中央に置かれたタライに湯を張る。

下着を脱ぎつつシュレディンガーを見る。
「ちょっとシュレ、もしかして私にシッポとか
 生えて無いでしょうね?
 触って確かめる勇気が無いわ」
「ん〜? 大丈夫みたい。
 てゆーか僕にもシッポは無いし。ホラね?
 心配し過ぎだってー、ルイズ。
 ちょっと混ざっただけでしょお?
 そのうち戻るよ、多分。
 まーボクはそのままの方が良いケドー」
「冗談じゃ無いわよ。 ふう、キモチ。
 って、動きにくいわねさすがに。
 シュレ、背中洗って。
 部屋に泡飛ばしちゃ駄目よ」
「ハイハイご主人様」

「泡を飛ばすなっつったでしょ!」
「だってせまいんだもん!」
上半身裸で泡まみれのシュレディンガーが反論する。
「あーもー、タオル取ってきてタオル。
 あとお湯追加ね」
「ハイハイルイズ様」
==============================
ポットを抱えたままシュレディンガーが消えると、
ひざを立ててズルズルとたらいの中に肩までつかり、
自分に生えた猫耳をつまんでみる。
「どーしたもんだかニャ〜」
 

528 :確率世界のヴァリエール-5:2009/09/23(水) 20:09:33 ID:???
「なーにが「ニャ〜」よ」
びくりと固まり、赤面しつつドアにもたれたキュルケをにらむ。
「な、なにをお風呂のぞいてんのよ! 非常識ね!」
「部屋ん中でお風呂入るあんたよりは常識あるわよ」
「で、何か用?」
無意識に猫耳を隠す。
「いや〜、お風呂に誘おうか、って、
 シュレちゃんは?」
「お湯取りに行ったけど?
 ってヤダ、キュルケ、鼻血でてる!
 はっは〜ん、さてはこの私の悩ましいカラダに
 悩殺されちゃった?」
手を頭の後ろに組み、無やましいカラダをくねらせる。

「キュルケ?」
小首をかしげたルイズの猫耳がピコリと動く。
「どしたの? 顔赤いわよ?」
キュルケの額にルイズが手を当てる。
二人の顔が近づく。

何かが切れる音がした。

キュルケがルイズの両腕をつかみ、ベッドに押し倒す。
「な、ちょ、キュルケ! やだ、冗談だってば?!」
「冗談じゃあ無いわ。」
低くつぶやく。
「なに怒ってんのよキュルケ?!
 め、目が怖いってば」
自分をベッドに押し倒し、真上からのしかかる級友の目は
まるで石川賢の様に渦を巻いていた。
 

529 :マロン名無しさん:2009/09/23(水) 20:12:12 ID:???
ぬっこ〜、ぬこ♪
ぬこルイズ支援!!
シュレはカオスの伝道師だな、これだとガリアに召喚されているのは表紙裏の三人の誰か?

530 :確率世界のヴァリエール-5:2009/09/23(水) 20:12:53 ID:???
「あたしがどんだけ今まで我慢してきたと思ってるのよ。
 ゲルマニアでどんだけ学校を替わったと思ってんのよ。
 あたしも必死に変わろうとしたわよ。
 自分は女なんだからって、何度も自分に言い聞かせて、
 何人もの男と寝て、愛せる男を見つけようと努力したわよ」
「キュ、、キュルケ?」
「でも、でも何でなのよ。
 せっかくあんたとは友達になれると思ってたのに。
 なってくれると信じてたのに。
 なんで、あんたは、、、
 そんなに、、、
 そんなに、、、

 可 愛 い の よ ? ! ! 」

「はああ?! な、なに言ってんのよ?!」
「何であんたはそんなに無防備なのよ?!
 タバサだってもうちょっと警戒心持ってるわよ。
 しかもなによこのネコミミは!
 誘ってんの?!」
キュルケがシャンプーの残る猫耳をやわらかくはむ。
「ひゃんっ!
 なnな、なに、、噛むなあ!!」
「ああ、なんて可愛い声。
 股ぐらがいきり立つわ、ルイズ」

予想外の展開にルイズが泣き笑いの顔でキュルケを見上げる。
「じょ、じょじょ、冗談でしょ?」
「理性の残ってるうちに謝っておくわ、ルイズ。 ごめんね。
 い た だ き ま す 」
「ッッキャアー!!!」
 

531 :マロン名無しさん:2009/09/23(水) 20:14:04 ID:???
キュルケが壊れた。

532 :確率世界のヴァリエール-5:2009/09/23(水) 20:17:13 ID:???
==============================
「あ。」
ベッド上の二人が横を見ると、ポットとタオルを抱えた
シュレディンガーが立っていた。
「しゅしゅshシュレ、、! た、たs」
「ありゃま、お邪魔かな? 散歩してくるね〜、んじゃ」
「グッジョブよシュレちゃん」
ルイズの腕をがっちり掴んだままでキュルケがサムアップする。
==============================
「あんのバカ猫ーーー!!!」

ガタン!

ベッドの横の窓が音を立てる。
「シュレっ?!」
ルイズがすがる思いで窓の外を見る。
真っ赤に茹で上がり目を回した顔がそこにはあった。

「あ、あ、あの、、、
 お、お取り込み中、、、です、かっ、、、?
 えーと、、あの、ルイズっ、、フラっ、、、
 失
 礼
 し
 ま
 し
 た〜、、、」
冠をかぶった頭が湯気を立てながらズルズルと窓の下へとさがっていく。


「ひっひひ、姫殿下〜〜〜?!」


533 :マロン名無しさん:2009/09/23(水) 20:18:15 ID:???
ふむ、両刀のキュルケは……ありやな。

534 :シュレの人 ◆VMp3BjBuLA :2009/09/23(水) 20:19:33 ID:???
異常です。

支援ありがとう御座いました。
まとめて下さってる方もありがとう御座います。

鼻血祭りです。

次回はもう少しまじめな話になる予定です。
原作の展開的に。

535 :マロン名無しさん:2009/09/23(水) 20:21:12 ID:???
キュルケの股にいきり立つ物は無いだろ・・・
でも、カオス乙

536 :マロン名無しさん:2009/09/23(水) 20:42:43 ID:???
ネッコミミ!ネッコミミ!


それともかく
頬を赤らめるシエスタ、そして「我らがミルク」………これはまさか…………

537 :マロン名無しさん:2009/09/23(水) 21:00:21 ID:???
>>533
女の子が好きで、男を好きになろうと頑張ったけどやっぱりダメだった
だとしたら、両刀では無いんじゃないだろうか

538 :マロン名無しさん:2009/09/24(木) 15:15:10 ID:???
>>534
>異常です。

誤字に思えないから困る。GJでした!

539 :マロン名無しさん:2009/09/25(金) 12:23:02 ID:???
ビスチェ装備シュレ、ネコミミルイズ、そしてガチ百合キュルケ…一言だけ言わせてください。
 あ な た が 神 だ

540 :マロン名無しさん:2009/09/26(土) 00:33:10 ID:???
まとめで読んできたけど、確率世界の人のは常に表紙裏状態なんかね。
(・∀・)イイヨイイヨー

541 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/09/26(土) 21:47:56 ID:???
どうも、投下しまっす。

542 :ゼロのロリカード-46:2009/09/26(土) 21:49:08 ID:???
 当然ながら、戦闘は呆気ないほどに終わった。
銃剣を使うまでもなく・・・・・・無手で佇むアンデルセン、周囲には倒れ伏す傭兵達。
顎を砕かれた男、肋骨が折れ肺に刺さる男、内臓が破裂しかけてる男、両腕が逆方向に折れ曲がっている男。
怪我一つなく、仮にあったとしても再生するアンデルセンとは、対照的な様相を呈していた。

「誰に雇われた?何が目的だ?」
アンデルセンはリーダー格らしい男の襟を掴んで持ち上げ、問い詰める。
男は「ひっ」と怯えた声を上げると、すぐに堰を切ったように喋りだす。
アンデルセンの恐怖が、心の髄まで染み込んでいた。
「も・・・・・・目的は知らねえ!」
アンデルセンは一切の嘘を見逃さず、且つ嘘をつかせぬよう、睨み付ける。

「本当なんだ!!い・・・・・・依頼人もよくわからねえ、ただあんたを足止めするように言われただけなんだ!」
傭兵は完全に萎縮していたが、それでも絞り出すように訴えた。
とにかく自分の命を長らえさせたい。死にたくない。その一心で。
(足止めだと・・・・・・?)

 ――――――その、丁度その瞬間だった。
凄まじいまでの大きな衝撃音と、土砂崩れするような音が響き渡る。
アンデルセンは男を放り捨て、弾かれたように振り向く。
音のした方向へと――――――自分がやって来た方向へと。
そして己が目を疑うよりも先に、アンデルセンは大地を踏み駆け出した。

 背の高い木々の合間に見える、無骨で巨大な塊。
森の景観を破壊する鉄の人型。
傭兵を相手にしていたとはいえ・・・・・・全く気付かなかった。
あれほど巨大なモノが、気配無く、音も無く、出現していたのだ。

(足止め・・・・・・つまり狙いはッ!!?)
アンデルセンは歯をギリと鳴らした。
 

543 :ゼロのロリカード-46:2009/09/26(土) 21:51:27 ID:???


「そんな・・・・・・わたしのゴーレムが・・・・・・」
あっという間だった。アンデルセンがいなくなり少し経った頃。
              ・ ・ ・ ・ ・
 いきなり家の屋根がはずされた。
鍋の蓋でも取るかのように、自分達がいた家の上半分がなくなっていた。
見上げれば一つ目の巨人。まるで人間が佇むかのように、圧倒的存在感を醸し出す。
片手には取り外された屋根を引っ掴んでいて、吟味するかのように家の中を覗き込んでいた。
あまりの非現実的な光景に、マチルダはすぐに思考が働かなかった。
ようやく気付いて意識を戻した時、既に後手に回っていた。

 目を凝らさないと見えないほどの細い糸が、ティファニアを捕らえると、瞬く間に巨人の肩へと運ばれた。
マチルダはエマを連れると、『フライ』で扉からではなく、無くなった天井部分から外へと避難する。
離脱後にエマに隠れるように言うと、すぐさまゴーレムを作り出す。
土が盛り上がり、巨人に負けず劣らずの大きさのゴーレムが生成された。
そしてすぐにティファニアを奪還しようと、動こうとしたその刹那。
――――――突如として、マチルダは浮遊感を味わった。

 一瞬で距離を詰めた巨人がその右ストレートで以て、マチルダの土ゴーレムを一撃で壊破したのである。
至近距離で巻き起こった轟音で耳がイカれそうになり、余波で体が吹っ飛ぶ。
ギリギリでレビテーションをかけ、なんとか着地するものの衝撃を完全になくすことは無理であった。
衝撃に咳き込みながら痛む体に鞭を打ち、顔を上げて巨人を見る・・・・・・改めて思考が凍結した。
上半身が砕かれて地面に倒れたマチルダのゴーレムは、コントロールを完全に失い、自壊して土へと戻る。

 マチルダの思考が少しずつ回復してくる。
自分のゴーレムより一回り小さくスリムなそれは、25メイルはあるだろうか。
だがその巨大なモノの、尋常ならざる速度は・・・・・・普通のゴーレムの比ではない。
鎧を纏っているにも拘わらず、本当に一瞬で間合いをゼロにしてきたのだった。

 

544 :ゼロのロリカード-46:2009/09/26(土) 21:51:58 ID:???
 悪夢を具現したような巨人に絶望した時、マチルダは知った顔を視界に捉えた。
巨人の肩に悠然と立ち、糸を垂らしているその男と目が合う。
ぐったりとして失神しているようだったティファニアを、片手で支えているその男。

 マチルダは記憶の中からその人物の名前を検索する。
ごく最近に会い知った・・・・・・その男の名を。
「!?・・・・・・シェフィールドォッ!!!」
その男に、シティオブサウスゴータの水源を案内した。
その男は、アンドバリの指輪を使って、連合軍を寝返らせた。
自分はその仕事を最後に、戦争から手を引いた。
その男とは、それっきり会っていない。しかし今ここにその青年がいた。

「久し振り、マチルダ・オブ・サウスゴータ。その説は世話になったね。
 何でここにいるのかはわからないけど・・・・・・まっいっか。
 そうそうちなみに、シェフィールドと言う偽名は捨てたから」

 名を捨てただの、くだらないお喋りに興味はない。
マチルダは真意を知るべく問い詰める。
「ティファニアを離しな!!こんなことをして、一体何が目的なんだい!!」
さらにマチルダは杖を構える。
鉄巨人相手にどこまで通用するかはわからない、けれどそれが己の出来る精一杯の抵抗。

「虚無の担い手たる彼女を僕の主人が欲していてね、だから頂いていく」
「なっ・・・・・・」
マチルダが「ふざけるな」と言おうとした瞬間、無数の銃剣が飛んだ。
ウォルターは自分に襲い掛かる銃剣の軌道を糸で逸らすと、笑みを浮かべた。
「あっぶないねェ〜」
巨人もといヨルムンガントに命中した銃剣は、掛けられたカウンターによって跳ね返る。

 

545 :ゼロのロリカード-46:2009/09/26(土) 21:53:15 ID:???
 アンデルセンはその手応えに眉を顰める。
硬化テクタイト複合の強化ガラスすら、軽々と突き貫き通して破壊する銃剣の投擲を。
ただ単に鉄の塊を着込んだデカブツの表面に、痕一つついてないことに驚愕する。
「全く、人質に当たったらどうするんだか」
勿論アンデルセンほどの人物であれば、投擲をはずすことないことなどわかっている。
が、ウォルターは挑発を込めてそう言うと、次いで少女を支えていた手を放す。
気絶しているティファニアは、悲鳴をあげることなくヨルムンガントの上から落ちた。
「ッ!!」
「なっ!?」

 アンデルセンとマチルダはまともに声を出す間もなかった。
ウォルターは落下するティファニアを、左手で操る糸で肌に傷一つなく引き上げる。
そしてその行動によって生じさせた僅かな隙を見逃さずに突く。
瞬時に右手から伸びた糸が、アンデルセンへと絡みついた。
咄嗟に反応して逃れようとするが、左腕が間に合わずに切断される。
出血と共に、アンデルセンの口から呻きを漏らす。
無力化とまではいかずとも、戦力を削ぎ落としたと見てとったウォルターは追い討ちすることもなく、語りだす。

 ヴァチカン                           ユ  ダ
「法皇庁の保有していた唯一にして最強の戦力。『イスカリオテ』の名を持つ、存在しないはずの特務局第13課。
 悪魔退治、異教弾圧、異端殲滅のプロフェッショナルにして、化物専門の戦闘屋。対『化物』の切り札。
 『聖堂騎士』、『殺し屋』、『銃剣』、『首斬判事』、『再生者』、『天使の塵』、数々のアダ名を持つ絶滅主義者」

 アンデルセンの顔が大きく歪む。それは切断された左腕の痛みの為ではない。
こちらの世界では知り得る筈のない、己の情報を持っている存在に、警戒心を強めた。
「会うのは初めて・・・・・・ではないんだなコレが。ロンドン王立軍事博物館で、言葉こそ交わしてないけど会ってる」

 
 ロンドン――――――ということは、ハルケギニアの世界ではなく地球。
しかも王立博物館と言えば、行ったのはただの一度だけ。HELLSINGとの会合の時・・・・・・。
アンデルセンは己の記憶を探る。しかし目の前の少年を見た記憶はない。
勿論そのことを察してか、ウォルターは続けた。

546 :ゼロのロリカード-46:2009/09/26(土) 21:54:35 ID:???
 
「・・・・・・と言っても、僕の容姿は変わっているし。あの時はアーカードしか目に入ってなかったろう。
 だから改めて自己紹介しよう。元ヘルシングゴミ処理係、ウォルター・C・ドルネーズ。アダ名は『死神』。
 かつては貴方と同じ・・・・・・対化物戦力の中で最強の人間だった。訳あって若返ってるけどね。改めてよろしく」

「ヘルシング・・・・・・」
アーカードの所属する、インテグラとセラスを有する最強の対吸血鬼特務機関。
イスカリオテの怨敵。イスカリオテの宿敵。

「まっ・・・・・・僕はヘルシングを裏切り、アーカードに喧嘩を売って、無残に負けて、こんな様だけどね。
 今はしがない雇われ執事さ。アーカードと闘い、アーカードを斃す為に、僕は僕の出来ることをする。
 アンデルセン、貴方とは理由が違う。が、貴方と同じように・・・・・・僕はアーカードを倒さなくちゃいけないんだ」

 アンデルセンにとって化物を倒すことは、成すべき"義務"だ。
戦いの喜びの為などではなく、人間だけが化物を"倒す"事を目的とする。
だけど、自分の目的は・・・・・・意地みたいなもの。
アーカードと喧嘩したいだけ。そして勝ちたかっただけ。
                        ・ ・ ・ ・
 アーカードと戦わずに送った人生も、それなりには楽しかった。
ヘルシング家に執事として仕え、インテグラの成長を見守るのも悪くなかった。
年々老いていく自分と何とか折り合いをつけながら、それすらも楽しもうとした。
だが・・・・・・いつだって何かが足りなかった。心にポッカリと何か大きな穴が空いたままだった。
アーカードが地下に封印されていた間は、虚無感だけが胸中を支配した。
アーカードが解放されてからは、老いて力が無くなっていたことに歯噛みした。
そして、奴らの――――最後の大隊の――――あの少佐の甘言に乗った。
いや・・・・・・乗ったのではなく、利用した。
それまでの・・・・・・心地良かった世界を裏切り、反逆した。

(・・・・・・他人から見れば、酷くくだらない理由だと思うかも知れない・・・・・・けれど・・・・・・)
それでも自分にとっては、何物よりも優先されることなのだ。
たったそれだけのことの為に、半生を悔やみ続けたのだから。

547 :ゼロのロリカード-46:2009/09/26(土) 21:55:48 ID:???
 

 アンデルセンはウォルターに視線を置いたまま、切り落とされたされた左腕を拾おうとする。
ウォルターはそれを阻止しようとすることもなく、ただ上から見下ろし眺めていた。
アンデルセンは左腕を拾い上げると、血液が流れる切断面へと合わせる。
片腕がないまま勝てる相手ではない。少年ながらもその強さはひしひしと感じている。
再生はすぐさま始まるものの、それなりの時間を要するのは明らかだった。
それをウォルターもわかっているから、特に止めようともしない。

「僕と話すことはない・・・・・・と言った感じかな?」
ウォルターの笑みに対し、アンデルセンは尚も睨み続ける。
ただの敵に交わす言葉などないのも事実。
しかし、ティファニアを取り戻す為にも再生が終わるまでの時間を稼ぐ。
「・・・・・・何が目的だ」
「この子を攫うのは主人の命令だけどね・・・・・・、とりあえず僕は僕の目的の為に動いている。
 アンデルセン、いずれ貴方ともサシで闘り合いたいとも思うけどね。でもやっぱりアーカードが先かなぁ」

「・・・・・・打ち倒してどうするつもりだ」
「どうもしないさ。傍から見ればくっだらない餓鬼の喧嘩だよ」
話を長引かせようとするも、もう続かなかった。
ウォルターはアンデルセンの顔色を見て判断したのか、撤退の気を見せる。

「さて、目的は既に達した。別に長居する理由もないし、再生が終わるまで話に付き合ってあげる義理もない。
 アーカードと戦う為にやらなくちゃいけないことはまだまだあるし、僕はこれで御然らばさせてもらうよ」

 ウォルターはそう告げるとヨルムンガントを操る。
「待て」と言う暇もなく、ヨルムンガントは足を折り曲げしゃがむと大きく跳躍した。
見た目から類推される質量からは、到底不可能であろうその動き、その高さ。
一瞬にして、既に追撃が出来る距離ではなかった。

 そしてヨルムンガントは四体の巨大ガーゴイルに吊るされると、そのまま消えて行った。

548 :ゼロのロリカード-46:2009/09/26(土) 21:57:22 ID:???
 




「・・・・・・と、言うわけさ」
その後、フーケとアンデルセンは互いの情報を統合した。
ウォルターが言っていた、虚無の担い手を集めているという情報。
アーカード、大尉、シュレディンガーらと、一堂に会したときの話。
そこから、同じように他の虚無の担い手も狙われるだろうと踏んだ。
そして他の子供達は一旦知人に預け、ルイズとアーカードのいる学院へとやってきたというわけである。
ロマリア教皇に取り次げる筈もなく、元々フーケが学院にいたことを考えても、選択肢は一つであった。

 フーケから事情を聞いたアーカードも、大まかな情報を話す。
「――――アーハンブラ城、そこにティファニアがいるんだね」
「恐らくだが・・・・・・の」
「当然助けに行くんだろう?わたしらも同行するよ」

 アーカードはアンデルセンを見やる。
だがアンデルセンは一切目を合わせようとはしない。
もう一度目を合わせた時、アーカードへの殺意を抑えられる自信がないのか。

「アンタと神父にどんな確執があるかは知ったこっちゃないし、わたしとアンタらにも因縁はある。
 ・・・・・・けれど、ここは共同戦線のほうが都合が良いだろう?あれさ、敵の敵は味方ってやつさ。
 互いのことは一旦目を瞑る!!決着をつけるのは、別に助け出してからでも遅くない、違うかい?」

 押しの強いフーケの言葉。
アーカードとアンデルセンの衝突を見た後でも、気圧されることない口調。
フーケがティファニアを、どれだけ大切に想っているのかが窺い知れた。

 

549 :ゼロのロリカード-46:2009/09/26(土) 21:57:48 ID:???
(アンデルセンと組む・・・・・・か)
元いた前の世界では絶対に有り得ないことである。
元々アーカードとしては、協力するのは別に苦ではない。
アンデルセンは化物を絶滅することを当然とし、殺すことそれ自体を目的としている。
が、アーカードは強い人間が好きなだけで、特にアンデルセンを討ち滅ぼす理由はない。
化物は人間に倒される。その摂理に従い、打ち倒されるべく闘争を望んでいるに過ぎない。
無論・・・・・・決着をつけたい気持ちはあるが、今はそれよりも為すべきことがある。
それをアンデルセンもわかっているから、殺意を抑え込んでいるのだ。
そしてアンデルセンという強力な戦力、切り札が加われば救出する可能性は高くなる。

(敢えて断り、アンデルセン達を囮にする・・・と・・・・・・)
どうなるかアーカードは考える。
シルフィードという移動手段がなければ、アンデルセン達が到着するのは大分後だろう。
一刻すら惜しいこの状況で、それは好ましくない。
何よりもアンデルセンから歩み寄る形だ。変に断って意固地になられても困る。
むしろ策を練る上で、大幅に選択肢が増える。
ここで手を組んだ場合のデメリットは、アンデルセンが自分を打ち倒しに掛かるかもというリスクだが。
それを余りあって共闘のメリットの方がが大きい。断る理由はなかった。

「でもね〜おばさん、あなたじゃ足手纏いでなくて?」
キュルケが皮肉った。自分は一緒に行けないという恨みも込めて。
「おばッ・・・・・・こんの小娘・・・・・・ッッ!!」
「いや、問題なかろう。こやつを無理に助けようとは思わんしな」
アーカードのその言葉に、タバサもすかさず頷いた。キュルケは口唇を尖らせる。
確かにフーケに命の危険が迫っても、アーカードもタバサも間違いなく気にも留めない。

「ハンッ!!助けられるほどわたしゃヤワじゃないよ」
「アンタが思ってるのとは意味が違うんだけどね〜」
いちいち説明するのも面倒なので、キュルケは適当にあしらう。

550 :ゼロのロリカード-46:2009/09/26(土) 21:59:05 ID:???
 
「さて、時間も惜しい。すぐにでも発とう」
そう言うとアーカードは一足飛びで寮塔へと跳躍する。
塔の壁面を、さながら平地を歩くように登ってルイズの部屋へ入った。


 タバサ、アニエス、アンデルセン、フーケがシルフィードに乗る。
最後に棺桶を片手で持ち上げたアーカードも乗り込む。
既に相当な重量となり、あと3人も乗せるのかと憂鬱になりながらも、シルフィードは飛ぶ。

「心配せずに待ってるからねーーーっっ!!!」
キュルケは空一杯に響き渡るくらいに叫ぶ。
返事の声はなかったが、キュルケは安心した微笑みを浮かべていた。

551 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/09/26(土) 22:01:59 ID:???
以上です、ではまた。

552 :マロン名無しさん:2009/09/27(日) 21:22:17 ID:???
乙!
次回、アンデルセン(テファ救出後)vsアーカード(零号開放)vsショタウォルターの三つ巴の戦いですか。

553 :マロン名無しさん:2009/09/28(月) 12:37:31 ID:???
乙!


554 :マロン名無しさん:2009/09/30(水) 14:42:49 ID:???
楽しみだなぁ

555 :マロン名無しさん:2009/10/01(木) 22:21:57 ID:???
アンデルセンがジョゼフの使い魔だったら

556 :マロン名無しさん:2009/10/02(金) 04:16:51 ID:???
二人仲良くブリミル教をぶっ壊してるんじゃない?

557 :マロン名無しさん:2009/10/02(金) 15:52:14 ID:???
それだ!!

558 :マロン名無しさん:2009/10/02(金) 20:58:19 ID:???
山守義雄がルイズ
上泉信綱(岩明均の。)がテファ
オスマンさんがジョゼフ
ナポレオン(全能)がヴィットーリオ

のそれぞれ使い魔だったら

559 :マロン名無しさん:2009/10/02(金) 21:29:00 ID:???
バカヤローで終

560 :マロン名無しさん:2009/10/04(日) 19:42:16 ID:???
もうねみんな葛まみれになればいいね

561 :マロン名無しさん:2009/10/04(日) 20:29:09 ID:???
猫耳ルイズ(使い魔:シュレディンガー)
キュルケ(使い魔:アーカード(キュルケ処女var))
タバサ(使い魔:大尉)
ギーシュ(使い魔:ルーク=バレンタイン(噛ませ犬主従))
オスマン(使い魔:セラス)
ジョゼフ(使い魔:ドク)
ヴィットーリオ(使い魔:アンデルセン)
テファ(使い魔:老ウォルター)
だったら・・・
権力も何も無い状態の老ウォルターはアーカードに勝負を挑むか。

562 :マロン名無しさん:2009/10/04(日) 20:31:29 ID:???
ドクがいるなら、頼んで若返らせてもらい挑むんじゃね

563 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/10/04(日) 22:54:00 ID:???
どうも、投下します。

564 :ゼロのロリカード-47:2009/10/04(日) 22:54:38 ID:???
 アーカードは棺桶の中ででひたすら眠り続けた為、アンデルセンと衝突することもなく。
特にトラブルも無いまま、時に休みながらも飛行し続ける。
そしてシルフィードがアーハンブラ城を視界に捉えたのは、丁度陽射し強い昼時であった。
一旦、小高い丘の麓の宿場町からガリア軍の布陣を確認し、作戦を立てる。
町で情報を収集した上で推察するに、敵軍兵士の数はおよそ連隊か旅団規模と言ったところ。

 空に布陣する艦隊はない。
表立った戦争でもないから、艦隊を動かすのは難しかったのか。
或いはエルフの土地が近い為に、刺激しないよう布陣していないのか。
理由は定かではない。哨戒が見当たらないのも不可解であった。
だがどのような理由にせよチャンスであることに、違いはなかった。
シルフィードがいるおかげで、空中から直接アーハンブラ城に乗り込める。
高高度から攻めれば、魔法による哨戒にも引っ掛からない。
完全な不意を突ける分、零号開放するよりもリスクは少なく確実だった。

 情報収集と作戦立案が終わる頃には、既に黄昏時になっていた。
いざ乗り込んで奇襲をかけるべく、シルフィードは五人と棺桶を乗せて飛行する。


 アーカードは精神を集中する。
(ふ〜む・・・・・・)
主のピンチに使い魔の視覚が共有されることがある。
かなり前のことだが、アルビオンでワルドにルイズが迫られた時に見えたことがあったのだった。
丁度ウェールズが、ワルドに胸を貫かれる辺りから視覚が共有されたのである。
それ故にルイズの危急に間に合った節もあった。

 もし今、ルイズの視界を得られたのなら、居る位置を探す際の重要な情報となる。
敵戦力や配置がわかるだけで、作戦成功率はグッと高まる。
そのことから、同様にアンデルセンも集中していた。
ルイズにせよティファニアにせよ、その視覚が共有されれば楽になる。
もし別々の場所に囚わているのであれば、尚の事であった。
 

565 :ゼロのロリカード-47:2009/10/04(日) 22:55:12 ID:???
 しかし二人共その視界には一向に見えない。
それは主人である二人に危機が迫っていないからなのか。
それとも主人と使い魔を繋ぐ筈のルーンが、二人には刻まれていないからなのか。
出来得ることであるならば、前者であって欲しいと願っていた。
もし仮にアーハンブラ城にいないのなら・・・・・・城にいる者を締め上げ、新たに聞き出す。
そして万が一、既に二人の命が無かったとしたら・・・・・・ガリアを滅ぼすだけであった。



 アーカードとアンデルセンは、ひたすら神経を研ぎ澄ませ続ける。
――――――その所為で、一歩、遅れた。
自分達に迫り来る"殺意"に。襲い掛かる"糸"に。
気付いた時には、それを咄嗟に防ぐという行動しか残されていなかった。
アーカードとアンデルセンは他の者に被害がいかないよう、それぞれ糸を掴む。
しかし勢い余って二人はそのままシルフィードから落下する。

 突然の攻撃に驚いたシルフィードがとった回避行動で、さらに全員が振り落とされる。
棺桶も背中から落ちて、シルフィードはそのまま離脱するしかなかった。
シルフィードは作戦を立てていた時のことを思い出す。
ガリア国内から全員が脱出する為にも、自分だけは絶対に傷ついてはいけない。
たった今の襲撃は、アーカードとアンデルセンが何とかしてくれたものの、自分だけではどうしようもない。
全員を空中で拾っても、あの糸のようなものがある限りこのまま飛行を継続するのは困難。
故にこそ自分は、一刻も早くこの場を離れることが優先される。
作戦成功した時に、いつでも、すぐに、全員を回収できるように・・・・・・。


 浮遊感を味わいながら、アーカードとアンデルセンは揃って舌打ちをした。
さらにアーカードは心の中で毒づく。
艦隊がいなかった理由――――――それは必要ないからだったのだ。
ウォルター一人で、十二分に制空圏を取れるのだ。
 

566 :ゼロのロリカード-47:2009/10/04(日) 22:55:41 ID:???
 だが自分もアンデルセンも神経を集中させていたとは言え、周囲にも気を張っていた。
吸血鬼となり、視力が強化されたアニエスも周囲を見張っていた。
(なのに何故、ウォルターは我々に気付けた・・・・・・?)
しかして時既に遅し、そんなことは最早考えても詮無いことだった。

 アーハンブラ城に直で乗り込めなかったのはまだいい。
だがアンデルセンの存在を知られてしまったのが、何よりも痛かった。
本来であるならば、相手方にとって警戒すべき駒は自分だけ。
当初考えていた作戦は、零号開放で敵軍を引き付け、その隙にアンデルセンが救出するというもの。

 空中艦隊が布陣してないこと、哨戒を担っているガーゴイルや使い魔も見当たらなかった。
それ故に直接乗り込むことを選択したのだが、完全に裏目に出てしまった。
アンデルセンという隠し札は露呈し、警戒も確実に高まる。
このまま地面に降り立ち、零号開放をしたとしても策としては既に死んでいる。

 アーカードは迷う。今この場で、ウォルターを殺しておくべきか否か。
否、倒せるとは限らない。ウォルターが持つ力、ミョズニトニルンは侮れない。
殺すにしても、時間が掛かりすぎる。・・・・・・今は、捨て置くしかない。
それに――――――こうなった以上、次の作戦遂行の為には誰一人として欠けてはならなかった。
零号開放して自分だけが残るという選択肢も最早ない。
そもそも開放したところで、ルイズが戻る確約があるわけでもない。
故にこそ、零号開放は交渉材料として残しておく。
それに・・・・・・アンデルセンが、自分への殺意を抑えられなくなったら困る。
零号開放の瞬間を狙われでもしたら、策がどうのというレベルですらなくなる。

(ルイズに何かあった時は・・・・・・)
まぁ殺すことはないだろうが・・・・・・手足の2,3本でも千切られていたら、いっそ吸血鬼にしてもいいか。
人間としての強さを持つルイズを吸血鬼にするのはあまり気が進まないが、それはそれで面白いかも知れない。
(はてさて、どう転ぶものやら・・・・・・)


 

567 :ゼロのロリカード-47:2009/10/04(日) 22:56:14 ID:???
 『遠見』の魔法による哨戒網に掛かったので、すぐに空へと上がり強襲した。
自分がミョズニトニルンとガーゴイルで、何日も寝ずに哨戒し続けるのはきつ過ぎる。
なるべく体調は万全を期していたいし、城攻めしてくるアーカードに対して空中艦隊なぞ置いても殆ど無意味。
空中にいるアーカードを堕とすには、自分の糸が最も確実。
故にアーカードが攻めてくる可能性が高い夜中は自分が、昼間はメイジが哨戒する分担であった。

 ――――――本来『遠見』の魔法は、見張り続けねばならない哨戒任務には向いていない。
四六時中魔法を使い続けるには、絶対的にメイジの魔力も足らない。
それを補ったのは、元素の兄弟がトリステインのアカデミーで入手してきた、とあるポーションであった。
虚無の担い手を探す情報収集任務の時に、手に入れたという特殊な効果を持った魔法薬。
副作用として感情を必要以上に高めてしまうが、同時に魔力を増幅させるという。
とりあえず適当なメイジで試験的に使って欲しかったらしく、魔法薬を預けていったのだった。

 結果はなかなかのもの。遠見は高高度までも的確に捉える射程となり、持続力も素晴らしかった。
ポーションの副作用は個人差あるようで、廃人も同然になるものもいれば、ギリギリで崩壊を免れる者もいた。
さらに精神が破壊された者も、別の手で回復させることができた。
それはティファニアが持っていた、先住の水の指輪の強力な治癒効果である。
ティファニアから奪い、ミョズニトニルンである自分ならば容易に扱えた。
おかげで廃人同然になったメイジも、使い捨てることなく任務を継続させることが出来た。


(あっぶねェ〜・・・・・・)
ウォルターは堕ちゆく面々を見つめながら、胸中で呟く。
攻撃する瞬間に気付いたが、まさかアンデルセンまでいるとは思わなかった。
アーカードとアンデルセンが共闘するなんて、二人を知っている者からすればありえない。
さらにマチルダもいた上にタバサと・・・・・・もう一人、フードを被った謎の人物の五人。
フードの人物は、最低でもトライアングルメイジクラスの実力者であるのは間違いないだろう。
 

568 :ゼロのロリカード-47:2009/10/04(日) 22:56:36 ID:???
(にしても二人にとって、それほどまでにルイズとティファニアが大事・・・・・・なのかね)
出会えば殺し合わねばならぬ業、と言えるほどの因縁を持った宿敵同士。
そんな二人が争わず、しかも共に乗り込んできた、今のところ考えられる理由はそれしかない。
そもアンデルセンらにはアーハンブラ城のことは教えてないから、ここにやって来るとすら思わなかった。

 順当に考えれば――――――奇襲のつもりだったのだろうか。
(零号開放をせずに、城に乗り込んで来ようとしたってことは・・・・・・)
アーカードは開放を渋っているのか?
それとも、ルイズの安否を確認するまではしないつもりなのか。
命が一個になったらアンデルセンが殺しに掛かるから、封印しているのか。
もし地面に降り立っても零号を開放しなければ――――――。


(最終手段は・・・・・・使いたくないなぁ)
開放しないとルイズを殺すと脅す。だがそれをやれば心象が最悪になるだろう。
開き直られでもすれば、それは非常に困る。
(それに零号開放させたとして、もしもアンデルセンに先を越されたら・・・・・・)
悔やんでも悔やみ切れない。
アンデルセンにお膳立てした形で、自分が馬鹿を見るだけじゃないか。
ウォルターは葛藤する。交渉するか?ルイズという切り札を使うか?

「う〜ん・・・・・・」
思わず声が漏れる。
(本当の本当に最終的には、トリステインに攻め込めばいいんだろうけど・・・・・・)
ガリアとトリステインの戦力差は歴然。戦争をすればその結果は火を見るよりも明らかである。
国を守るにはアーカードという切り札を切る必要があるだろう。その時を狙う――――――。

 そうだ、別に今が最後のチャンスってわけじゃない。
その気になれば、まだまだ機会は十分に作れることは可能なのだ。今ここで焦る必要性はない。
(・・・・・・まっとりあえず、ヨルムンガントをけしかけて様子を見るとするか)
ウォルターは決断すると・・・・・・右手の親指に血を滲ませ、左手をポケットに突っ込んだ。
 

569 :ゼロのロリカード-47:2009/10/04(日) 22:57:07 ID:???


 突如空から降って現れた、五人の人間と棺桶に、ガリア軍は困惑した。
しかもその内の三人はレビテーションすら使わなかった。
豪快な音と共に土埃を巻き上げ、地面を陥没させ着地したというのに平然と立っていたのだ。
棺桶も破損することなく、地面に突き刺さり立っていて、異様過ぎる状況。
「このまま突っ切るぞ〜」
黒い長髪の少女が声を上げ走った。
その言葉に呼応するように、他の四人もそれぞれ走り出す。

 ガリア軍は、ようやくそこで異分子を排除する為に動き出した。
完熟訓練と称して集められた大部隊。
常に完全武装でありながら、今までやってきたのは陣形の確認などばかり。
さらにアーハンブラ城とその周辺に紛れ込んだ者は、容赦なく攻撃せよという不可解な命令も下っていた。
非常に良く訓練されたガリア兵士は、すぐに指揮官の号令に従い、五人の異分子を囲むように布陣し始めた。

 アーカードとアンデルセンが先駆けとなり、敵陣を中央突破する。
少女姿のアーカードは、いつの間にか青年の姿をとっていた。
ヘルシング教授に倣い着ている、赤色のコート。
つばの広い赤い帽子と、サングラスは身につけていない。
少女形態の時よりは短くなったものの、長めの髪の毛を無造作に。
両の手には、カスール改造銃とジャッカル。

 しかし、アンデルセンを殺す為の銃は・・・・・・アンデルセンには向けられてはいない。
そして、化物を倒すアンデルセンの銃剣も・・・・・・アーカードには向けられてはいない。
互いが互いを滅ぼす為の武器は、一つの目的の為に、別の標的を狙う。
アーカードの二挺拳銃とアンデルセンの双銃剣。
微塵の躊躇無く、一片の後悔無く、一切の容赦無く。
ガリア軍兵士達を思うさま蹂躙し、鏖殺し、薙ぎ倒していく。

 

570 :ゼロのロリカード-47:2009/10/04(日) 22:58:04 ID:???
 ――――――アニエスは近付き攻撃してくる兵士を、的確に斬り裂いていく。
吸血鬼のスペックを有したアニエスを、止められる人間はいない。
血がこびりつき、鋭さを失った刃でも、吸血鬼の膂力で強引に斬り伏せ、刺突で貫いていく。
女だてらに剣士として磨いた技術と、吸血鬼の能力が合わさったアニエスに敵はいない。

 アニエスは思う。
吸血鬼になって、思うさま暴れるのは・・・・・・これが初めてであった。
まだ夕暮れの日があるおかげで、完全に力を出し切れてるとは言い難い。
それでも自分でも怖くなるくらいのその強さに、少しだけ身震いした。
吸血鬼になって、そこそこ時間も経つ。
未だに血液を飲むのは憚られたが、棺桶で眠るのには慣れてしまった自分がいた。

 敵を殺す度に、前方にいるアーカードとアンデルセンを何度も横目に捉える。
自分が強くなって、初めてわかる戦力差というものがあった。
やはりマスターであるアーカードは、血を飲まない己と違って完全な吸血鬼であり、さらにはその年季も違う。
はっきり言って強さは比べ物にならない。夜でなくともまるで関係ないような強さを見せている。

 そしてそれよりも驚くべきは、アンデルセンという男。
アーカードに負けず劣らずの強さを見せている。
聞けば純人間であり、化物退治がその職務の一つらしい。
シルフィードの上で一度だけ睨まれた。その時に内に隠された強さを垣間見て、知らず全身が震え上がった。

 どれほどの研鑽や鍛錬を積み重ねればああなるのか。
そもそも同じ人間でも、別世界であるだけで、こうも搭載されているものが違うのか。
これから闘う敵の一人、ウォルターとかいう男も似たような強さを持っていると言う。
自分は吸血鬼であるものの、それ以上に化物だらけなのが向こうの世界のようだった。


 ――――――アニエスを中心に配し、守られるような形でタバサとフーケは走っていた。
魔力を温存しておく為に、最低限の魔法のみで矢や魔法に対して防御する。
近付く敵は前衛のアニエスが全て斬り倒し、間接攻撃は後衛のメイジ組が対処する。
 

571 :ゼロのロリカード-47:2009/10/04(日) 22:59:11 ID:???
 そして殿を務めるのは――――――棺桶であった。
無数の手足を生やして、傍若無人に暴れ回る。
あらゆる攻撃をものともせずに、片端から敵をぶちのめしていく様は、非常にシュールな画であった。

 アーカードとアンデルセンは互いに背中合わせになるような形をとっていた。
廻転するようにガリア兵を粉砕し、その路を開いていく。
まるで長年連れ添った夫婦の如く、ピッタリと息の合った連携。
正確にはアーカードがアンデルセンに合わせている。
その為にアーカードは少女から青年へと姿を変えた。その方が背格好的にも、都合が良かった。

 宿敵であるが故に相手の呼吸がわかる。
救出するという目的の為に、最も効率の良い方法を実行している。
こんなような・・・・・・協力して敵陣を突破していくような日が来ようとは、夢にも思わなかった。
アーカードはそう嫌でもなかったが、アンデルセンにとって本来ならば虫酸が走るほどの行為。
だが・・・・・・アンデルセン自身、それほど悪い気はしていなかった。自分でも・・・・・・驚くほどに。

 ――――――アーカードとアンデルセン、二人が生み出す暴力は圧倒的過ぎた。
ガリア軍には恐慌が拡がり、まともな応戦も少なくなってきている。
頭では駄目だとわかっていても、本能が死を回避し、敵前逃亡という選択をさせていた。


 軍としての形すら保てなくなった集団は、烏合の衆と化し・・・・・・。
アーハンブラ城が立つ小高い丘を、あっという間に難なく登り切る。
いよいよ以て入城するという矢先、城の敷地内から跳躍して現れる影があった。
音も静かに着地したのは、天を突く巨人。
落ちかけた夕暮れとのギャップが、より一層の不気味さを醸し出していた。

「ヨルムンガント・・・・・・」
アーカードは確認するかのように呟く。やはり・・・・・・まだストックがあった。
とりあえず一体だけのようだったが、虚無がない以上は脅威以外の何者でもない。
案の定、肩には悠々と立つウォルターの姿。
 

572 :ゼロのロリカード-47:2009/10/04(日) 23:00:30 ID:???
 アーカードは、どう対処したものかと思考を巡らせる。
拘束制御術式321号を開放して、力押しでもするか。
開放するまでのタイムラグは、アンデルセンが何とかしてくれることだろう。
若しくは、操っているウォルターだけをぶちのめすか。
片方がヨルムンガントを、片方がウォルターを相手にする。
やってやれないことはない筈。

 と、アンデルセンが命令ではなく告げるように口を開いた。

「合わせろ」

 その――――――・・・・・・たった一言だけ。だがそれだけで全てを察した。
以心伝心とはこのことか。アーカードは一瞬驚いた表情を見せ、次いで微笑を浮かべる。

 瞬間――――――無数の銃弾と銃剣が、横殴りする暴風雨の如く、ウォルターへと一斉に降り掛かった。
ウォルターは全霊で糸を編みこみ、何重もの盾でそれを防ぐ。

 その間隙を縫うように、アーカードとアンデルセンは全くの同時に跳んでいた。
今より放たれる攻撃こそ、真の連携。
その位置も、そのタイミングも、ほんの少しでもズレれば・・・・・・ヨルムンガントには通じまい。
しかして寸分違わず完璧な攻撃であるならば。
例え反射が掛かっていようとも。鉄の厚みがどれだけあろうとも。
どんな物だろうとも、突破する。そう確信出来た。何一つ憂いはない。

 

573 :ゼロのロリカード-47:2009/10/04(日) 23:00:51 ID:???
 アーカードが右腕を弓のように引き絞る。
アンデルセンが左腕を弓のように引き絞る。
二人の腕がビキビキと軋むような唸りを上げる。
内包する力の全てを溜め込み、一点に集約する。

 狙うはヨルムンガントの心臓部分。
アーカードの貫手と、アンデルセンの銃剣が。
刹那のズレも無く、ヨルムンガントへと――――――突き立てられた。
その鉄鎧の表面部分に、反射の光が一瞬だけ輝く。

 何物よりも鋭き、"二つの刃"の重なり。

 螺旋を描くかのように、一つの大きな衝撃となった"刺突"。

 その"窮極の矛"は。

 放たれた――――――聖槍ロンギヌスもかくやというその"一撃"は。

 先住の反射を、鋼鉄の鎧を、その躯を、突き貫く。

 そして巨大な穴を、その心臓部分に穿った。

 アーカードとアンデルセン。
最凶の宿敵同士が組み、放つ"それ"に、貫けぬモノなど存在しない。


 

574 :ゼロのロリカード-47:2009/10/04(日) 23:01:34 ID:???
 ウォルターは絶句した。
虚無なしに反射が破られるなど、ありえないと。
落ちゆく陽に追従するかのように、機能を停止したヨルムンガントが倒れゆく。

 そして――――――気付いた時には、ウォルターの目前に拳が迫っていた。
破壊し倒れるつつあるヨルムンガントを足場に、アーカードは距離を詰めていた。
防御しようにも回避しようにも、時既に遅し。
アーカードの拳がウォルターに炸裂する。
顔面が粉砕され、首から上が消し飛んだかのような錯覚を覚えた時。
――――――ウォルターは既に、息絶えていた。

 目下の障害を退け、アーカードは少女姿へと変わる。
そして絶命したウォルターを一瞥した。
「・・・・・・ふむ、今ので死んだか」
感じた手応えに少し違和感を感じるも、一応は殺す気で放った攻撃。
しかも完全に無警戒の顔面に叩き込んだのだ、死んだとしても別段不思議はない。

 再生せずに死んだということは・・・・・・ウォルターは吸血鬼ではなく人間、ということか。
聖釘を刺して茨と化したアンデルセンが、人間のままこちらへと召喚されたように。
ウォルターの本質が吸血鬼ではなく人間に近かった為に、人間として召喚されたのか。
それとも無理な施術で吸血鬼になった所為で、そのまま召喚されなかったのか。
理由は・・・・・・わからない。
そもそも召喚されること、それ自体がおかしいので深く考えてもしょうがない。

 

575 :ゼロのロリカード-47:2009/10/04(日) 23:02:20 ID:???
 それに・・・・・・既に死した者について、考えるのも無駄であった。
ウォルターには気の毒だが、運が悪かったと思って諦めてもらうしかない。
(尤も・・・・・・既に死んでいるから諦めるも糞もない、か)

 いずれにせよ、最大の脅威は消えた。
これでもう、ヨルムンガントにさらなるストックがあったとしても、大した脅威にはなりえない。
あれほどのデカブツを操るのは、ミョズニトニルンの効果あってのものだろう。
仮に使えても、ウォルターなしのヨルムンガント単体であるならば、力押しでも何とかなる。

(残念だったな、ウォルター君。まっ、裏切り者の末路などこんなものだ)
アーカードは死体に語りかけるように、心中で呟く。

 人は死ねばゴミになる、ゴミに弔いは必要ない。

(・・・・・・お前が言った言葉だったな、ウォルター。ばか踊りも今日で仕舞いだ)
少佐のように、零号開放を引き出すには至らなかった。
それに・・・・・・ルイズを攫った時点で、こういう結果になることも予想出来た筈。

 そして今の自分は、自ら進んで他者を喰らい、その身の内に取り込むことはしない。
――――――故に、ウォルターを喰ってはやらないし、このまま野晒しである。
長いようで短いような付き合いだった気がする。だが不思議と何の感慨も湧かなかった。
「さてと・・・・・・」
ここまで来れば、あとは考えていた作戦の一つを実行するのみ。

 アーカードは背後を振り向く。
追いついてきたタバサ達と合流し、一向は夜闇に包まれつつあるアーハンブラ城へと歩を進めた。

576 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/10/04(日) 23:03:17 ID:???
以上です、まとめてくれてる方いつもありがとうございます。

ではまた。

577 :マロン名無しさん:2009/10/05(月) 00:54:49 ID:???
ウォルター君あっさりしすぎてびっくりだ

578 :マロン名無しさん:2009/10/05(月) 01:02:00 ID:???
乙。
ウォル・・・ター・・・?


579 :マロン名無しさん:2009/10/05(月) 05:22:15 ID:???


人間死ぬ時はあっさり死ぬもんだな

580 :マロン名無しさん:2009/10/05(月) 08:33:57 ID:???
強い!強い!絶対強い!僕らのロリーカード!

581 :マロン名無しさん:2009/10/05(月) 09:43:00 ID:???
スキルなんとかじゃね?

582 :マロン名無しさん:2009/10/05(月) 10:59:15 ID:???
煮る?

583 :マロン名無しさん:2009/10/05(月) 16:17:49 ID:???
親指の血…

584 :マロン名無しさん:2009/10/05(月) 20:01:19 ID:???
ふぅ危ない グローブが無ければ即死だった

585 :シュレの人 ◆VMp3BjBuLA :2009/10/05(月) 22:52:50 ID:???
どうも、シュレの人です
確率世界のヴァリエール 第六話 投下します。

586 :確率世界のヴァリエール-6:2009/10/05(月) 22:54:14 ID:???
 彼(女)はカオスの伝導体
 彼(女)は世界の特異点

 確率世界の彼(女)の中で
 虚無〈ゼロ〉と無限は等価となり
 眠れる分岐が目を覚ます


確率世界のヴァリエール
 - Cats awaking the Box! - 第六話


テーブルを挟んで椅子に腰掛けた少女が二人。
両手をくねらせ猫耳を立てて、ルイズが喜色満面に声を上げる。
「こんな下賎な場所へお越し頂けるなんて、姫殿下!
 このルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール、
 光栄の極みに御座いますわ!!」
「そんな、ルイズ・フランソワーズ。
 そんな堅苦しい行儀はやめてちょうだい。
 それはそうと、、、」
アンリエッタが部屋のすみをちらりと見る。

「もったいないお言葉ですわ! 姫殿下!」
「昔馴染みの懐かしいルイズ、ルイズ・フランソワーズ。
 あなたまでそんなよそよそしい態度をとらないで。
 で、ええと、、、」
「感激ですわ! 私を覚えてくださっていたなんて!」
「あ、あの、あちらのお二人は、、」

ルイズが部屋のすみの二人を指差し睨みつける。
「せーざっっ!!」
 

587 :確率世界のヴァリエール-6:2009/10/05(月) 22:55:23 ID:???
部屋のすみにはキュルケとシュレディンガーが、
頭の上にこぶをこさえてぺたりと並んで座っている。

「なーによ。 ちょっとからかっただけじゃない」
先ほどのサカリの付いたメスライオンの様な表情はどこへやら、
しれっとした顔で言い放つ。
「安心なさいなルイズ。
 あんたみたいなオコチャマは好みじゃ無いし、
 殿方もちゃんと好きだから」
「殿方「も」ぉお?!!」
ルイズが聞き返すのへ答えず、ぷい、とそっぽを向く。

「なんでボクまで、、」
涙目で頭のこぶをさするシュレディンガーを怒鳴りつける。
「何でじゃ無いでしょ何でじゃ!
 助けなさいよあーいう時は!!」
アンリエッタに向き直ると、にっこりと顔を作る。

「アレは隣部屋に生息する淫乱赤毛牛と
 馬鹿で生意気な私の飼い猫です。
 お気になさいませんよう、姫さま」
さわやかな笑顔で紹介する。

「で?
 そちらの姫さま、なーんかお悩みみたいだけど?」
「お黙んなさいよウシ女!
 姫さまに悩みなんかあるわけ無いでしょう!!」
「い、いえ、実はその、ルイズ。」
「、、え?」
アンリエッタが、胸の内の悩みをぽつりぽつりと語りだした。
 
 

588 :確率世界のヴァリエール-6:2009/10/05(月) 22:56:34 ID:???
「そーいうことならお任せ下さい、姫さま!
 不肖、このルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
 姫殿下の憂いの種たるその手紙、
 無事取り戻してご覧に入れますわ!!」
「な、何を言っているの、ルイズ!
 私は宮廷の中では漏らすことすら叶わぬこの悩みを、
 ただあなたに聞いてもらいたかっただけなの!!
 戦時下のアルビオンへ赴くなど、そんな危険なこと、、
 頼めるわけがありませんわ!」
「この身をご心配頂けるなんて、感謝の極みに御座います!
 でも、ご安心ください、姫さま。
 私、こーいうの、得意なんです!!」

アンリエッタがポロリと涙をこぼす。
「この私の力になってくれるというの? ルイズ、、」
「もちろんですわ、姫さま!」
ルイズがアンリエッタの手をとる。

「友情を確認しあってるところ悪いんだけど、、、
 その話、あたしも聞いてよかったの?
 あたしー、一応ゲルマニア貴族なんだけど」
「え?」「あ。」
手を取り合う二人が固まる。
「ご心配なく姫さま。
 後顧の憂いは今すぐこの場で永久に! 取り除きます!!」
ルイズが椅子を振りかぶる。
「ちょ、冗談よ冗談だって!
 人の恋路に口出す野暮天なんて
 ツェルプストーにはいないわよ!」
キュルケが顔を引きつらせ両手をぶんぶんと振った。
 
 

589 :確率世界のヴァリエール-6:2009/10/05(月) 22:57:54 ID:???
アンリエッタが机でしたためた手紙をルイズに手渡す。
「ウェールズ皇太子にお会いしたら、この手紙を渡して下さい。
 すぐに件の手紙を返して下さるでしょう。
 それから、これは母君から頂いた『水のルビー』です。
 せめてものお守りに、、」
アンリエッタから手紙と指輪を受け取る。
「明日にでも馬車と手形を仕立てさせます。」

ルイズがにっこりとお辞儀を返す。
「いいえ、それには及びませんわ、姫さま。
 言いましたでしょう?
 こーいうの、得意なんです。
 そうそう、キュルケ。
 私がいない間に姫さまに手ぇ出したら
 頃スわよ!!」
キュルケを睨みつける。
「あのねぇ、、、
 あたしだってそんな命知らずじゃ無いわよ。
 安心して行ってらっしゃいな。
 長引いたら明日の授業は代返しとくから」
キュルケがため息をつく。

「冗談よ。
 さ、行くわよ、シュレディンガー!」
「了解っ!」
自分の使い魔の猫耳頭を抱え込む。
「では。
 朝には戻りますわ、姫さま!」
にっこりとそう言うと、ルイズは使い魔と唇を重ね、『跳ん』だ。
 
==============================
 

590 :確率世界のヴァリエール-6:2009/10/05(月) 22:59:41 ID:???
「きゃ!
 な、何を、、、え?」
突然の行為にアンリエッタが思わず目を伏せ、目を開けると
そこに二人の姿はなかった。
「え?、、、へ?」
「あら、ご存じなかったんですか? 姫さま。
 これがあのシュレちゃんのチカラですわ。
 今頃二人はもうアルビオンですよ。」

「あの使い魔さんの、、チカラ?」
「そう、あの子はどこにでもいてどこにもいない。
 だから、どこにだって行けるんです。」
「え、、? それはまた、、なんという、、、」
「ま、真剣に考えるだけ無駄ですわ。」

その時、コンコンとガラスをノックする音がする。
「ぅわお、いい男」
窓を開け覗き込んだ顔に、キュルケが思わず声を上げる。
「あのー、、姫殿下。 たわしはどうすれば、、、」
「あら。 ごめんなさい、ワルド。
 部屋に戻って待っていて頂戴。 朝には戻るわ。」
「は、はあ、、、。 かしこまりました。」
髭を蓄えた男前が窓を閉めて夜に消える。

キュルケがベッドに腰かける。
「ふう。
 夜は長ごう御座いますわ、姫さま。
 宜しければ、小さな頃のルイズとの思い出でも、、
 お聞かせ願えますか?」
暗い面持ちで隣に座る姫君に、キュルケは優しく微笑んだ。
 
 

591 :確率世界のヴァリエール-6:2009/10/05(月) 23:04:08 ID:???
浮遊大陸アルビオン。
宵闇に包まれようとする白の大陸、そのはるか上空。
そこにルイズ達は居た。

「うわー! すごい!
 ラピュタは本当にあったんだ!」
「ラ、、?!
 アルビオンよアルビオン。
 えーと、暗くてよく分っかん無いわね」
降下しながら空中に浮かぶ大陸を目を凝らして見下ろす二人を
突如として閃光が照らし出し、数瞬遅れて爆音が空を震わせる。

「ルイズ、あれ!!」
大陸と空との境界、せり出した岬の突端にそびえる城の一角が
煌々と燃えている。
「うそ?! あれってニューカッスル城じゃない!」
目指す手紙の所有者、アルビオンのウェールズ王子が居ると
思われるニューカッスル城は、今まさに艦砲攻撃を受けていた。
「え?アレって船? 戦艦?
 ルイズ、戦艦が浮いてる!」
「じょーだんじゃ無いわ、行くわよ!!」

==============================

二人が口付けて跳んだ先は、およそ城の中とは思えぬ巨大な洞穴の中だった。
直後、轟音が洞窟を揺らし、岩の破片をそこらじゅうに降らせる。
「ちょ、何よここ、ホントにニューカッスル城の中なの?!」
「そうとも、で、君らは誰だ?」
振り返ると、そこに居たのは篝火に照らされた凛々とした金髪の青年だった。
「こやつら、何者だ!」 「猫耳の亜人? 貴族派の間諜か?!」
杖を掲げた兵士達が二人を取り囲む。
 

592 :確率世界のヴァリエール-6:2009/10/05(月) 23:07:15 ID:???
「ち、違います、私達は貴族派なんかじゃありません!
 その、トリステインの大使です!」
「ふざけた事を、、取り押さえろ!」
「まあ待て。 トリステインの大使といったな」
金髪の青年が進み出る。
「その大使殿がこんな所に何の用だ?」
「その、、アンリエッタ姫よりウェールズ皇太子殿下へ、
 こ、この手紙を!」
手紙を取り出そうとした時、ポケットから指輪がこぼれ
青年の足元へと転げ落ちる。
「あっ、、! 姫様の指輪!」

青年がつま先に触れたその指輪を拾い上げる。
「これは、、! トリステインの『水のルビー』、、」
その時、青年の指にはめられた指輪と拾い上げた指輪の石が共鳴し、
虹色の光を振りまいた。

「水と風は、虹を作る。 王家の間にかかる虹だ。
 皆、杖を下げよ。
 このお二方はまごう事なきトリステイン大使であられる」
周りの兵士が杖を引き、二人に礼を取る。
青年は居住まいをただし、威風堂々、名乗った。
「ニューカッスルへようこそ、猫耳の大使殿。
 私がアルビオン王国皇太子、ウェールズ・テューダーだ」


手渡した手紙を一読し、件の手紙の返却を快諾したウェールズに付き従い
二人は砲撃の止んだ城内の階段を上っていく。
(ルイズー、その手紙って何が書いてあるんだろ?)
シュレディンガーが歩きながらこそこそと耳打ちする。
(しっ!)
 

593 :確率世界のヴァリエール-6:2009/10/05(月) 23:08:52 ID:???
前を行くウェールズをちらりと見つつ、猫耳に口を寄せる。
(あんたってニブいわねー。
 姫様の口調で気付かなかったの?
 ラブレターよラブレター。
 姫様がゲルマニアにお輿入れしようって時に
 そんなものが見つかっちゃったら一大事でしょ?)
(へー。
 でも元カレに「ラブレター返してー」なんて、
 可愛い顔してあのお姫様もキツいねー)
(なに言ってんの!
 それだけ王家の責任ってのは重いものなのよ!
 それに、、それだけじゃないわ。
 書いてらっしゃる時にチラッと見えちゃったんだけど、
 殿下へトリステインへの亡命を、、!)

「さあ着いた、この部屋だ」
扉の前で立ち止まったウェールズの声にかしこまる。
質素な部屋の机の中にしまわれた小箱を取り出す。
「宝物でね」
幾度も読み返されたのだろう、ぼろぼろになった手紙を
最後に一読した後、ルイズに差し出す。
「さ、確かにお返しいたしますよ、大使殿」
うやうやしく頭を下げ、王子より手紙を押し戴く。

「明日の朝、非戦闘員を乗せた最後の便が港を出る。
 大使殿はその船に乗って姫の下へお帰りなさい」
「え、、、?
 最、、後?」
「そう。
 明日の正午に攻城を開始すると、叛徒共が伝えてきた。
 城の中に残る兵共々、王家の誇りを存分に示すつもりだ」
 

594 :確率世界のヴァリエール-6:2009/10/05(月) 23:11:11 ID:???
「そんな、、、
 王軍に、、勝ち目は、無いのですか?」
「此方は三百、彼方は五万。 万に一つも無かろうさ。
 私に出来ることは、王家の務めを果たす事だけだ」
ルイズを見つめ、にこやかに微笑む。

ルイズの中で、現実が急に色あせていく。
皇太子は、この人は、明日の戦いの中で死ぬつもりなのだ。
あの手紙には、確かに亡命を勧める一文が添えてあったはずだ。
しかし、それをおくびにも出さず、己が務めに殉じようとしている。
どうして、恋人の切なる願いより、死を選ぶのか。
己が愛する人より大切なものなど、この世にあるのだろうか。

あるのだろう。
そしてそれこそが、貴族の務め、王家の務め、なのだろう。
優しく見つめる皇太子の瞳の中に、確固たる意思が見える。
己が憧れる真の貴族の姿が、そこにはあった。

あふれ出ようとする全ての感情と、言葉と、涙とを飲み込み、
歯を喰いしばり、面を上げて笑顔を返す。


「御武運を、お祈りいたします。 殿下」
「お心遣い、痛み入る。 大使殿」


最後の晩餐会。
絶望的な決戦を明日に控えた城内。
それでも兵達は皆、晴れやかな顔をしていた。
「猫耳の大使殿、このワインをお試しなされ! 上等なものですぞ!」
「いやいや、それよりこの鳥の蜂蜜焼きを! 頬が落ちますぞ!」
 

595 :確率世界のヴァリエール-6:2009/10/05(月) 23:14:03 ID:???
かわるがわるルイズをもてなす貴族達に、にこやかに答える。
シュレディンガーは年老いた貴族が語る武勇伝を
目を輝かせて聞き入っていた。

やがて老王が立ち上がり、二人の大使への謝辞と
兵への労いが述べられると、共に立ち上がっていた貴族達から
「アルビオン万歳!」の大合唱が沸き起こる。

そこに居並ぶ誰も彼もが、曇り無き決意を顕わにしていた。


老王が去り、なお続く晩餐会で。
ルイズはテラスで一人、夜風に煽られていた。
「あ、ここに居たんだー」
声に振り返ると、猫耳の使い魔がそこにいた。
「どしたの? 不機嫌そ。」
「どうもしないわよ」
不機嫌さを隠しもせずにそっぽを向く。

「すごいねー。
 雲と一緒にふわふわ浮いてるなんて。
 この大陸も、船も」
身を乗り出し、眼下を見下ろす。
宙に浮かぶ白の大陸の、切り立った岬の突端に築かれたニューカッスル城。
その端に構えられたテラスの下には、雲しか見えない。
「ここのみんなも意固地にならないでさー、
 この雲みたいに亡命でも何でも、
 どこにでも行っちゃえば良いのに」
のん気につぶやくシュレディンガーの胸ぐらを掴み、
歯を喰いしばり、ルイズは激しい剣幕で使い魔を睨みつける。
 

596 :確率世界のヴァリエール-6:2009/10/05(月) 23:16:20 ID:???
「あんたは、、、!
 あんたには、判んないわよ!!
 彼らは、誇りを捨てた叛徒どもを相手に、
 貴族の務めを全うしようしているの!」
「そーかなー?」
眉を上げ涼しい顔で返す。
「国と領地と領民を守ってこその貴族でしょお?
 死んで守れるものなんて、ひとっつもないよ?」
「貴族の誇りを守れるわ!」
「だから死ぬの?
 それがルイズの思う「貴族の務め」?」
「そうよ!
 彼らこそ、、彼らこそ、本当の貴族だわ!!」
知らず、絶叫する。


「だったらルイズ。
 、、、どうして、泣いてるの?」


その言葉で初めて、ルイズは自分の頬を伝うものに気付いた。
唇を震わせ、シュレディンガーを見つめ、胸に顔をうずめる。
小さく震えるルイズの頭をシュレディンガーが優しく抱く。
「シュレ、、、
 あの人たちに、今日、はじめて会ったばかりなのに、、
 私、、、わたし、、
 私、あの人たちを、死なせたくない、、」
シュレディンガーは涙に濡れた頬にそっと手をそえると、
その唇にやわらかく口づけた。

==============================
 

597 :確率世界のヴァリエール-6:2009/10/05(月) 23:22:05 ID:???
突風が髪を巻き上げる。
今までいたテラスのさらに上、中空に張り出した
見張りの塔の、狭く急な円錐形の屋根の上に二人はいた。
「わわっ?!」
バランスを崩し、あわてて屋根の中央の避雷針を掴む。

「ルイズ、見える?」
隣で同じく避雷針を掴んだシュレディンガーが、
もう片方の手で遥か彼方を指し示す。
いくつもの山々の向こうに、天を照らす光りが見えた。

「あの港町に、さっきこの城を砲撃していた船、貴族派の旗艦
 『レキシントン』号をはじめとした戦艦三隻が寄港してる。
 王と王子を生け捕りにして「公平な」裁判にかけるのは諦めたみたい。
 明日正午に殲滅戦をしかけてくるってさ。」
ルイズがつばを飲みこみ、彼方の光を見つめる。

「けれど。」
シュレディンガーが向き直る。
「僕ならルイズをあそこへ連れて行ける。
 誰にも気付かれず、誰の目にも留まらず」
ゆっくりとルイズの目を見る。

「そして。」
猫がうすく笑う。
「ルイズには『破壊の魔法』がある。
 モチロン戦艦を沈めるのは難しいだろうけど、
 動力炉や機関部を、燃料庫や火薬庫を
 壊して回る事は出来る、かもしれない」
「、、、!」
ルイズの瞳に光が戻る。
 

598 :確率世界のヴァリエール-6:2009/10/05(月) 23:24:13 ID:???
「そうすれば彼らを助ける事が出来る、かもしれない」
「そうよ、それだわ!
 私、皇太子を、、彼らを助ける!!」
ルイズが叫ぶ。

「でも。」
緩やかに、その輪郭が夜に滲む。
闇が、さえずる。

「本当に、それで良いの?
 本当に?
 本当に?

 確かに彼らを助ける事は出来るかもしれない。
 でも、あとたった三百人が死ぬだけで終わるはずだった
 この戦争は、もっともっと続くことになるだろうね。
 三百どころじゃあない、もっと死ぬよ、もっと死ぬ。
 そしてその中には、君自身も居るかもしれない。

 僕はカオスの伝導体、僕は世界の特異点。
 僕の中で、虚無〈ゼロ〉と無限は等価となって
 眠れる分岐が目を覚ます。

 僕は君に約束したよね。
 いつでも、なんどでも、どこへだって、
 君が望む場所に連れて行ってあげる、って。
 でも、僕自身はただの力、ただの君の使い魔だ。
 この力を使うのは、君の意思だ。 
 さあどうする? ご主人様。

 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。」
 

599 :マロン名無しさん:2009/10/05(月) 23:27:53 ID:???
なんだこのネコ耳カッコいいぞ…!
そしてワルド(笑)

600 :確率世界のヴァリエール-6:2009/10/05(月) 23:29:18 ID:???
いつしかそこには、いつもと同じ姿をした、
しかし、ルイズの見知らぬ使い魔が居た。
その闇が、目を見開き、口元を歪ませ、問いかける。
その力を、「この世界」に使うのか、と。

確かに、この力を使えばどこにでも行ける。
戦艦の中へも、宝物庫へも、敵国の王の寝室でさえも。
この力を「この世界」へ使うとは、そういうことなのだ。
だが自分に、世界の運命を変える権利などあるのか。
だが自分に、人の命を奪う権利などあるのか。
否、そんな権利など、誰にも無い。 神にも悪魔にも、私にも。
あるのは権利ではない、運命を変える覚悟、命を奪う覚悟、ただそれだけだ。
その覚悟が、、、自分に、あるか。

顔を上げ、息を吐き、目を開く。

「私をなめないで! 使い魔のくせに!!
 私は言ったわ、「彼らを助ける」と!
 「助かれば」でも「助けたい」でも無い、
 「彼らを助ける」と言ったの!
 それは何も変わらない、変わらないわ!

 彼らが死ぬのがこの世界の定めというのなら、
 そんな定めは、私が変えてみせる!
 変えられた運命が私を殺すと言うのなら、


 そんな運命ごと、 変 え て や る ! ! 」


手を離して屋根を蹴り、己が身を夜空に投げた。
 

601 :確率世界のヴァリエール-6:2009/10/05(月) 23:33:07 ID:???
もはや心に曇りは無い。
満天の星に包まれ、両手を広げ、遠く足元に浮かぶ
ニューカッスル城を、アルビオン大陸を見上げる。

「はははっ!
 了解っ!
 やっぱり君はすごいや、ルイズ!!」

いつの間にかそばに来ていたシュレディンガーが
満面の笑みを浮かべている。
その手を繋ぎ、夜空を滑る。
「そう、それが第一歩だよ、ご主人様。
 ではご案内いたしましょう、ミス・ヴァリエール。

 目覚めた分岐のその先へ!」

その夜、一人の少女と一匹の使い魔は
自らの運命と契約の口付けを交わした。

==============================
 
その日の未明、アルビオン貴族派の旗艦『レキシントン』号は
正体不明の襲撃者により動力部を大きく損傷、
動力源の「風石」の大半と火薬の半分を失逸した。
また、伴船二隻は動力部の機能停止により係留樹より墜落、大破した。
これによりニューカッスル攻城戦は実行されず、
転機を掴んだ王党派は地下へ潜伏、ゲリラ戦に転ずる。
王党派による「大反攻」が、開始された。



 

602 :確率世界のヴァリエール-6:2009/10/06(火) 00:00:58 ID:???
オマケ
==============================
「ふう、何とか朝には戻れたわね。
 あら、キュルケ。 姫さまはお休み?」
「そ、そーなのよ。 た、旅の疲れ、とかかな!
 アンったら疲れて寝ちゃって。 ねえ?」
「はぁ?! アンだあ〜〜っ?!
 姫さまをなんて呼び方してんのよ!!」
ベッドで毛布をかぶっていたアンリエッタが顔を出す。
「ち、違うのよ、ルイズ!
 キュルケとは待ってる間に、お話をして仲良くなったの!!
 ご、ごめんなさいな、ルイズ。 こんな格好で。
 ええと、あの、、そう! 長旅の疲れ? で!」

シュレディンガーがこわばった笑顔で、しっとりとした布切れを拾い上げる。
「えっと、ルイズー? こんなん見付けちった、あははー、、」
「そ、それ私のショーツッ、、!」
アンリエッタが赤面し手を伸ばした拍子に、毛布で隠していた乳房がこぼれる。
「あ、、、、」

ルイズの猫耳が、ゆっくりと、逆立っていく。
「、、、キュルケ? 、、、姫さま?
 あなたさまの初恋のお相手の命を救うため、、、
 こっちは命がけで、お務めを果たしてきたってのに、、、
 ばっ、、!


 フッ! ザッ! けっ、ん、なぁ〜〜っっ!!!」


ルイズの怒りが白み始めた空を震わせた、とか。
 

603 :シュレの人 ◆VMp3BjBuLA :2009/10/06(火) 00:04:36 ID:???
キュルケ最強伝説開幕、そして閉幕。

以上です。
支援どうもです。
いつもまとめて下さる方にも感謝を。

、、そうか、あいつが噂のさるさんか。

軍事関係の知識ゼロなのに
こんな展開にしてどうしましょう。

次はまたコメディ寄りで。

604 :マロン名無しさん:2009/10/06(火) 00:51:36 ID:???
アンアンのオパーイハァハァ乙

605 :マロン名無しさん:2009/10/06(火) 08:38:06 ID:???
シュレの人乙!
いやいやシュレの力のもっとも有効な使い方でしたぞ!


606 :マロン名無しさん:2009/10/07(水) 16:34:39 ID:???
何回キスされてんだか

607 :マロン名無しさん:2009/10/07(水) 17:52:22 ID:???
シュレ相手なら何度でもおk

608 :マロン名無しさん:2009/10/07(水) 18:02:44 ID:???
そっちかい!

609 :マロン名無しさん:2009/10/07(水) 22:52:11 ID:???
ルイズにインテグラの台詞吐かせてもどうしても軽い印象持っちゃうな

610 :マロン名無しさん:2009/10/07(水) 23:09:51 ID:???
鉄の女が相手じゃねえ

611 :マロン名無しさん:2009/10/10(土) 12:36:24 ID:???
インテグラも急にインテグラになったわけじゃないし、ルイズはこれから10年後だろ。
セレビッチのキュルケ色々な意味で強いですね。

612 :マロン名無しさん:2009/10/10(土) 13:04:22 ID:???
鉄の女になるルイズ…ゴクリ

613 :マロン名無しさん:2009/10/10(土) 23:16:04 ID:???
インテグラの台詞を違和感なく言えるのは、バラライカ姐さんとかか。

614 :マロン名無しさん:2009/10/11(日) 07:14:42 ID:???
カリン様とか自分でやるだろうしな……

615 :マロン名無しさん:2009/10/11(日) 11:36:38 ID:???
まありょーこさんとくぎみーだしね。
逆にルイズのセリフを言うインテグラとかは旦那がギャップ萌えしそう。

616 :マロン名無しさん:2009/10/11(日) 12:01:17 ID:???
旦那はインテグラなら箸を転がしても喜びそう。

617 :マロン名無しさん:2009/10/11(日) 16:38:27 ID:???
逆にシュレは合ってると言うか化けの皮が剥がれたと言うか
違和感ないな

618 :マロン名無しさん:2009/10/12(月) 23:43:44 ID:???
シュレは小悪魔系だからな
ふざけてた次に急にまじめにエグいこと言いそうだし

619 :マロン名無しさん:2009/10/13(火) 00:37:11 ID:???
>>590
ところで、たわしはどうするんだ?
Wikiの方で修正すべきか否か。
これはこれで面白いので放置もアリかと思いはするが。

しかし大変良い百合成分ですな。確率世界。

620 :シュレの人 ◆VMp3BjBuLA :2009/10/13(火) 03:06:32 ID:???
>>619
なんつうベタな誤字、、、
修正ねがいます、、、できれば、、、

621 :マロン名無しさん:2009/10/13(火) 03:25:19 ID:???
>>620
てわけで直させて貰いました。
内容がお笑いを含むモノだと判断付かないもんでこっそりってわけにも。

は、ともかく乙&続き楽しみにしてまつ。

622 :シュレの人 ◆VMp3BjBuLA :2009/10/13(火) 03:47:44 ID:???
お手数おかけしてスミマセン、、、感謝です。
狙って誤字ネタ織り込んでるSSなだけに
倍恥ずかすぃ、、、

623 :マロン名無しさん:2009/10/13(火) 21:50:48 ID:???
ジョゼフが大尉を召喚していたら
迷惑そうな狼大尉「・・・」
シャルル「くっ、悔しいが僕の完敗だ!!(モフモフ)昔から兄さんは僕のッッッ(モフモフ)」
ジョゼフ「シャルル・・・」

タバサ「あれ以来、父上は変わってしまった・・・」
才人「そ、そうか・・・(何処を突っ込めば良いんだ?)」
ルイズ(偽名で留学したのは、伯父さんとその使い魔に掛かりっきりのお父さんに対する当て付け?)

624 :マロン名無しさん:2009/10/13(火) 22:51:18 ID:???
どうみてもカバー裏です。本当にありがとうございましt……
バレンタイン兄弟ならぬガリア兄弟ということで、巻末か!?

625 :マロン名無しさん:2009/10/14(水) 00:49:00 ID:???
シャルルとジョセフの人情紙風船と申すか

626 :マロン名無しさん:2009/10/14(水) 08:49:36 ID:???
ジョゼフはワンワンに食べられてシャルルは燃えちゃうの?

627 :マロン名無しさん:2009/10/14(水) 13:49:56 ID:???
よくわかんないけどアンアンがゾーリン姐さんの腹筋にハァハァしておぬぇさまぁ〜!!とか言って飛びかかるところまで想像できた

628 :マロン名無しさん:2009/10/14(水) 14:30:28 ID:???
ちんこもがれるぞー!
シュレの人のキュルケにはガチでちんこ生えてそう
うっかり性欲に負けてアンアン食っちゃうあたり

629 :マロン名無しさん:2009/10/14(水) 22:50:38 ID:???
心に生えるちんこと

630 :マロン名無しさん:2009/10/15(木) 00:16:45 ID:???
ああ、塩野とW伊藤が現有してるアレか。

631 :マロン名無しさん:2009/10/15(木) 08:01:35 ID:???
シュレディンガー中尉は、その名の通り『シュレディンガーの猫』を体現した存在である。
ゆえに中尉に関する自称は全て『確認するまで未定』であるので、観測者が求める結果になる可能性、場合によっては観測者が観測した結果が事実になる。いやさ観測者が望んだ物が結果になる可能性さえ有りうるのだ。
……ヒラコーテイスト全開な秘密満載かもしれない。両方付いているとか。

632 :マロン名無しさん:2009/10/15(木) 13:30:27 ID:???
× 片方
△ 両方付いてる
○ 大きく分けると3パターンを臨機応変に出来る

633 :マロン名無しさん:2009/10/15(木) 17:45:11 ID:???
脱がすたびについてたりついてなかったりするシュレディンガーと申したか

634 :マロン名無しさん:2009/10/15(木) 18:05:10 ID:???
脱がせた人物が想い描いた通りになる
ただハインケルは公式ふたなり

635 :マロン名無しさん:2009/10/15(木) 18:05:32 ID:???
>大きく分けると3パターンを臨機応変に出来る
この仕様はルナ先生と合体したセラスが実装済みです
いっそ「なにもついてない」ってのはどうだろう

636 :マロン名無しさん:2009/10/15(木) 18:20:27 ID:???
シュレは妖精さんだったんだ!

637 :マロン名無しさん:2009/10/15(木) 18:23:24 ID:???
へんたいどものすくつはここですか

638 :マロン名無しさん:2009/10/15(木) 19:20:30 ID:???
いいえ、変態という名の紳士のサロンです

639 :マロン名無しさん:2009/10/15(木) 21:47:45 ID:???
ここは社交場。非紳士に口なし

640 :マロン名無しさん:2009/10/15(木) 23:15:30 ID:???
シュレは観測者によって大きさ、生えているかどうかが変わるに賭ける。

シュレを召喚したのが
ルイズ=シュレはカオスの伝道師となり萌えと混沌を周囲に撒き散らす
テファ=シュレは完全に孤児院の飼い猫と化す
ジョゼフ=早い段階でシュレに自分の弱さとシャルルの真意を突き付けられ良い(ラスボス的な)意味で覚醒する
ヴィットーリオ=少佐ほどの忠誠は沸かず、楽しめなくなったら契約を破棄して姿を消す
タバサ=分離してもらった分は働くがそれだけ

641 :マロン名無しさん:2009/10/16(金) 08:31:36 ID:???
>>640
キュルケ=おっぱい!おっぱい!
マルコメ=贅肉!贅肉!

642 :マロン名無しさん:2009/10/16(金) 16:12:29 ID:???
>>631
シュレディンガーは准尉じゃね?

643 :マロン名無しさん:2009/10/16(金) 19:15:25 ID:???
中尉だとさようならしなくちゃいけないな
魔弾は魔弾でひどいチートだけど。音速誘導弾とかもうね。当たっても弾が砕けないから戦場を飛び回り続けるし

644 :マロン名無しさん:2009/10/16(金) 19:18:43 ID:???
吸血鬼の視力でかなり遠くまで見渡せる+能力でどこまでも飛んでく弾丸とかマジチート

645 :マロン名無しさん:2009/10/17(土) 07:00:09 ID:???
それを口で止めちゃう旦那はもっとチート


646 :マロン名無しさん:2009/10/17(土) 07:49:37 ID:???
短機関銃で顔面とか吹き飛ぶのに、本気出すと魔弾すら止める

歯が丈夫なんだか丈夫じゃないんだか

647 :マロン名無しさん:2009/10/17(土) 11:21:13 ID:???
腹筋に力を入れる様な物だろう

648 :マロン名無しさん:2009/10/17(土) 12:26:00 ID:???
ちゅうか心臓以外は死の河みたいに全部血で出来てるのを
旦那の根性で人間の形に保ってるんじゃないの?
血の粘土をこねこねしてある時は青年、ある時はロリ、みたいに

649 :マロン名無しさん:2009/10/17(土) 22:06:37 ID:???
知らんよ……

650 :マロン名無しさん:2009/10/18(日) 11:54:21 ID:???
吸血鬼本体はぶよぶよの血の塊だって学級ぶんこにかいてありました!

651 :マロン名無しさん:2009/10/18(日) 15:27:54 ID:???
シュレが原作で吸血している所を見たことが無いのだけど、シュレって吸血鬼なのか。
それとも大尉と同じ獣人?

652 :マロン名無しさん:2009/10/18(日) 16:16:53 ID:???
研究の副産物。ぶっちゃけヴェオウルフの連中は吸血鬼やライカンスロープとは少し違う連中ばかりだよね

653 :マロン名無しさん:2009/10/18(日) 16:34:22 ID:???
アーカードの中には黒犬バスカヴィルが居た。と言う事はミナ・ハーカーの中にもそれらに関する情報があったかもしれない。
そしてドクの教本を考えると……吸血鬼とは似て非なる存在が生み出される可能性も捨てきれないか。

654 :マロン名無しさん:2009/10/18(日) 17:12:53 ID:???
>>652
研究の副産物かどうかも不明だろ

個人的には天然人狼の大尉と一緒で、少佐がどっかから拾ってきたと思ってる
能力がチートの極みだしな

655 :マロン名無しさん:2009/10/18(日) 17:51:30 ID:???
原作の後書きか何かに狼男って書いてなかった?
何かで見て「猫耳なのに!?」って思った記憶があるんだが

656 :マロン名無しさん:2009/10/18(日) 17:51:44 ID:???
何気に魔物使いだな

657 :マロン名無しさん:2009/10/18(日) 20:59:36 ID:???
ジョゼフの使い魔がドク
テファの使い魔がウォルター(老)
ルイズの使い魔がアンデルセン
キュルケの使い魔がアーカード
シャルルの使い魔がセラス

機材不足からウォルターの依頼を断るドク
アーカードと勝負をするためフーケと組んで異世界の品を掻き集めるウォルター
野菜王、穀物王、畜産王と呼ばれるジョゼフ
ジョゼフの名声が不動の物になり、娘と妻を捨てガリアを出奔するシャルル
シャルルの使い魔がセラスだったので、父はウシチチ女吸血鬼に誑かされたと吸血鬼に憎悪を燃やすシャルロット
になったら。

658 :マロン名無しさん:2009/10/18(日) 21:03:47 ID:???
カオス過ぎるわ

659 :マロン名無しさん:2009/10/18(日) 22:57:23 ID:???
面白くなりそうな気配も微塵もない

660 :マロン名無しさん:2009/10/19(月) 14:22:11 ID:???
全部、ゾーリンの幻覚攻撃だから問題無い

661 :シュレの人 ◆VMp3BjBuLA :2009/10/19(月) 22:44:38 ID:???
どうも、変態です。
22:50あたりから

確率世界のヴァリエール-7

投下いたします。

662 :確率世界のヴァリエール-7:2009/10/19(月) 22:48:15 ID:???
「土下座」

土下座(どげざ)とは、土の上に直に坐り、平伏して座礼を行うこと。
日本の礼式のひとつで、極度に尊崇高貴な対象に恭儉の意を示したり、
深い謝罪、お願いの意を表す場合に行われる。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
「土下座」の項より引用
http://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E5%9C%9F%E4%B8%8B%E5%BA%A7&oldid=28443311


確率世界のヴァリエール
 - Cats in a Box - 第七話


「真に申し訳御座いませんでしたっ、姫殿下!!
 気が動転していたとはいえ、姫殿下にあの様な無礼な物言いを!
 それに勝手に大使を名乗ったり勝手な振る舞いをしたり、、
 どうか、どうかお許しください!!」
額を床にこすり付けるルイズにアンリエッタはうろたえる。
「や、やめて頂だいな、ルイズ。
 あなたに感謝こそすれ、あなたが謝る事など何一つありませんわ!」

「そう、君は何も間違ったことはしてはいないよ。」
窓からの声にルイズが顔を上げる。
「え? え? ワルド、、様?!」
「はっはっは、久しぶりだね、僕の可愛いルイズ」

「ええと、あの、ワルド? 、、、い、いつから、、そこに?」
アンリエッタが赤面しつつ尋ねるのへ、ワルドは黙ってそっぽを向いた。
 
 

663 :確率世界のヴァリエール-7:2009/10/19(月) 22:50:34 ID:???
絶望の涙に暮れるアンリエッタをキュルケが部屋の外へ引きずり出すと、
ワルドはルイズに朝食後に学院長室を訪れるよう告げて部屋を後にした。

しばしの仮眠から目覚めると、ルイズの猫耳は消えていた。
「やたっ!!」
喜びの声を上げて自分の頭をなでさする。
「ちぇー」
シュレディンガーが不満の声を上げるが気にしない。

朝食を取り、学院長室に向かう。
==============================
「ちょ、部屋の前に行けって言ったでしょ!
 何でいきなり中入っちゃうのよ!」
「えへへ、ついクセで」

「なるほど、どこにでも行ける能力、というのは本当のようだな」
二人の目の前には白髪頭の痩せこけた、しかし威厳のある男が立っていた。
「ほう、カリーヌ殿に面差しがよく似ておられる。
 お初にお目にかかる、ミス・ヴァリエール」
「こ、こちらこそ初めまして、マザリーニ枢機卿」
トリステインの重臣へのいきなりの面会に緊張しながらも挨拶を返す。

「私をご存知か、それは光栄。
 で、オールド・オスマン。
 彼女のこの能力をどの程度の人間が存じているので?」
「そりゃこの学院におる者みんなじゃ」
「はあぁ?! 何を考えている! 彼女のこの力が国防上
 どれほどの意味を持つかも判らんほど老いぼれたかジジイ?!」
「おヌシこそ昨日何があったか忘れるほどボケたか?
 おヌシとて数十年前、おヌシに仕える定めとなった哀れな使い魔を
 この学院で衆人の眼前に晒したじゃろが」
 

664 :確率世界のヴァリエール-7:2009/10/19(月) 22:54:19 ID:???
使い魔のお披露目会に同席していなかったマザリーニはガリガリと頭をかく。
「だからといって馬鹿正直に晒す奴があるものか!
 ああ、もうよい、今からでも情報統制を、、」
「バッカじゃねえのおヌシ。
 トリステイン内外の王族や大貴族の子息令嬢が集まっとるんじゃぞココ。
 そんなもんできる訳がなかろうに。
 そんなことより早う本題に入らんかい、鳥の骨め」
「むぐ! くそう、判ったわ! この老いぼれめ」
ため息をつき皆に向き直る。

ルイズもあらためて学院長室を見回す。
まだ不満げなマザリーニの横にはアンリエッタとワルド。
そして髭をなでニヤつくオスマンの横にはキュルケが居た。
「ちょ、何でアンタもいんのよ」
「あたしに聞かないでよ」
「中途半端に知るのが一番危険ですのでな。
 ミス・ツェルプストーにもすべてを知って頂く」
マザリーニがジロリと二人をねめつける。

「では、本題に入る前に。
 このマザリーニ、殿下にお詫びをせねばならぬ事が御座います。
 承知のとおりアルビオンは内乱のただ中に御座います。
 貴族派の阿呆どもは打倒王政、ハルケギニア統一を旗印に掲げており
 内乱終わらばその矛先がわが国へ伸びるは必定。
 しかしながら今現在はあくまで内乱、先手を打とうにも
 こちらから攻め入らば内政干渉を口実に他国がわが国へ侵攻、
 野火の如くにその戦火はハルケギニアを覆いましょう。
 しかるにこのマザリーニ、その他の手を講じておりました。
 殿下にご尽力頂きましたゲルマニアとの同盟もその一つ。
 そして今ひとつが、アルビオン貴族派への内偵に御座います。」
 

665 :確率世界のヴァリエール-7:2009/10/19(月) 22:57:06 ID:???
「内偵、と言うと、スパイ?」
「で、御座いますな、殿下。
 して、その内偵者の一人が、このワルド子爵に御座います」
「ええっ?!」
驚きの声を上げるアンリエッタへ、ワルドが深々と礼をする。
「職務の性質上止む無しとは言え、殿下に伏せていた事を
 このワルド、お詫び致します。」

「い、いえ、良いんです。 それよりマザリーニ」
「は。 ではここからは子爵より説明を」
「かしこまりました」
受けたワルドが一歩前に進み出る。

「さて。
 枢機卿も仰いました通り、打倒王政とハルケギニア統一が
 彼らアルビオン貴族派の掲げる旗印です。
 しかしそれはあくまで表向きのもの。
 彼らの真の目的は始祖ブリミルの裔たる四王家に伝わる
 『始祖の秘宝』、そして、聖地の奪還」
「始祖の秘宝? それに、聖地の奪還、、ですか?」
「その通り、ルイズ。 君が土くれのフーケから
 取り返してくれた「コレ」を覚えているかい?」
ワルドが黒塗りのケースを中央のテーブルに置く。

「それって、、『破壊の杖』!」
「そう。 実はコレは私が彼らから秘密裏に盗み出したものだ。
 この『破壊の杖』を初めとして、聖地の付近では
 現在の技術では作り得ぬ様な様々な武器や道具が見つかっている。
 ロマリアでは『場違いな工芸品』と呼ばれているそうだが。
 彼らによれば聖地には別の世界への門があり、これらの品は
 そこからの『漂流物(ドリフターズ)』だと言う」
 

666 :確率世界のヴァリエール-7:2009/10/19(月) 22:58:37 ID:???
ワルドがケースを開け、禍々しい空気をまとう黒い銃を取り出す。
「その異界への門を開くための鍵、それこそが『始祖の秘宝』。
 我らの世界では成し得ぬ技術、持ち得ぬ武力。
 それを手にする事が出来れば、ハルケギニア大陸全土、、
 いや、全世界を手にする事も夢ではない、、、」
「それが、、、」
アンリエッタが息を呑む。
「そうです、殿下。 アルビオン貴族派の陰に潜み、
 この世界の覇を狙う狂気の集団。

 『レコン・キスタ』

 それこそが、我らの真の敵の名です」

「なんとまあ。 おっとろしい事もあったもんじゃ。
 しかし、その銃が異界からの漂流物ということは」
「そーよ学院長、その銃ってシュレちゃんの故郷のなんでしょ?
 ってことはー、聖地と繋がってるその異界って」
部屋の皆がいっせいにシュレディンガーを見る。

「何よシュレ! あんた東方から来たんじゃなかったの?!」
「あっれぇー? ルイズには言ってなかったっけ?」
「聞いて無いわよ!!」

「ちょ、ちょっと待ち給えミス・ヴァリエール!
 使い魔の、シュレディンガー君と言ったかな。
 君が、その異界から来たというのは本当かね?」
マザリーニが驚いた顔で詰め寄る。
「ええ。まあ。」
「これはまた、なんという。」
天を仰ぎ、ため息をつく。 
 

667 :マロン名無しさん:2009/10/19(月) 22:59:12 ID:???
ドリフト支援

668 :確率世界のヴァリエール-7:2009/10/19(月) 22:59:33 ID:???
「で、わしらの敵の何たるかは判ったがの、
 それをどうするつもりじゃ、マザリーニ」
「異界への感慨にふける間も無しか。
 ロマンのかけらもないジジイめ」
現実に戻され、悪態をつく。

「まずはミス・ヴァリエール。
 今後は今日の様な軽挙妄動はお控え願う」
「そんな、マザリーニ!
 ルイズはウェールズのためを思い命を懸けて!」
「左様で御座いましょう。
 が、殿下。 それでは国を危くいたします。
 ワルド子爵。
 これより王宮に戻り、不安定になった国境警備の為の
 巡回および不明勢力への攻撃権限を持つ部隊を設立する。
 が、それはタテマエだ。
 予算の8割は『ゼロ機関』の創設資金とする。
 上はわしだけ。
 人選は任せる、階級なしの実力主義だ。
 これを対レコン・キスタの工作部隊とする。」
「はっ!」

「ミス・ヴァリエール、勿論貴女にも参加してもらう。
 今後はアルビオンの為、ウェールズ皇太子の為では無い、
 トリステインの為、姫殿下の為に命を懸けて頂く。
 宜しいか?」
「は、はいっ!!」
奮い立ち、返事を返す。
「結構。
 オールド・オスマン、彼女の身辺の情報管理は任せるぞ」
「おヌシに言われずとも生徒の身を安んじるはワシの務めじゃ」
 

669 :確率世界のヴァリエール-7:2009/10/19(月) 23:04:36 ID:???
「それと、ミス・ツェルプストー」
「判っておりますわ、枢機卿。
 聞いてみれば対岸の火事とも行かぬ様子、
 それに乗りかかった船ですわ。
 出来うる限りの協力はさせて頂きます」
「有難い」

「しかしワシは心配じゃのう。
 シュレ坊よ、この鳥の骨に変な事をされそうになったら
 キチンとこの爺に言うんじゃぞ?」
オスマンがシュレディンガーの頭をなでる。
((お前が言うな!!))
ルイズとキュルケは笑顔のまま心の中で突っ込んだ。

「で、何から始めるつもりじゃ? マザリーニ」
「そう急くな、爺。 もう仕込みは済んでおるわ。
 子爵、首尾は?」
ワルドに向き直る。
「は。 枢機卿の命どおり、チェルノボーグ監獄にいた
 土くれのフーケを脱獄させ、レコン・キスタへと
 渡りを付けておきました」

「ええっ! フーケを?!」
驚くルイズをよそにオスマンがニヤリと口を歪ませる。
「成る程の。
 内乱のままではこちらから手出しは出来ん。
 しかし、トリステインに恨みを持つ者が
 あちらから仕掛けてくれば話は別、か。
 しかも内乱の只中であれば、挟撃も出来ようて。
 火の無いところに火薬を仕込む。
 おヌシ、学生時代から変わらず陰険じゃのう」
 

670 :確率世界のヴァリエール-7:2009/10/19(月) 23:07:21 ID:???
「ぬかせ、人聞きの悪い。 火なら轟々と燃えておるわ。
 ワシはただ火中に栗を投げ入れたに過ぎん」
クックック。 と、二人が悪役然とした顔で笑い合う。

ルイズが思わず考え込む。
(フツーの大人はこの組織に居ないのかしら)
いません。

マザリーニが懐を探る。
「そうそう、ミス・ヴァリエール。
 これが君への初任務だ、『エージェント・ゼロ』。
 この手紙をアルビオンへ届けてくれ給え」
トリステイン王家の花押の入った封筒を差し出す。
「皇太子は君に「王家の務めを果たす」と言ったそうだね。
 ならば、果たして貰おうではないか。
 例え卑怯者の汚名を着る事になろうともな」
「マザリーニ? それはどういう、、」
「つまりはですな、殿下。
 王族に死に際を選ぶ権利なぞ無い、と言う事で御座いますよ。
 アンリエッタ殿下も肝に銘じて置かれるが宜しい。

 泥をすすり、石に噛り付いてでも生き延びる。
 それこそが「王家の務め」で御座います。」


==============================
 
 

671 :確率世界のヴァリエール-7:2009/10/19(月) 23:09:46 ID:???
「はあ、とんでもない事になっちゃったわねー」
その日の晩、ルイズは自室の窓から星空を見上げていた。

マザリーニからの手紙を一読した後の、ウェールズの表情を思いだす。
ほんの一瞬だけ垣間見せた、絶望と憎悪の入り混じった表情。
あれは、何へ、誰へ向けてのものなのか。
「死」という約束を自分から奪った、私へのものなのだろうか。
判らない。 ただ、一生忘れることは出来ないだろう。
その後、皇太子はいつもの凛々とした表情に戻り、
トリステインとの同盟と、地下への潜伏を確約した。

ルイズの中に、逝くあての無い罪悪感がだけ残った。

「判って無いなー、ルイズってば。
 君が世界をとんでもない事に「した」んだよ」
ルイズの横でシュレディンガーが二つの月を見上げる。

罪悪感と言えば。
「ねえ、シュレディンガー」
仕方が無いとはいえ、この使い魔も自分が無理やりに喚び寄せたのだ。
月が一つしかないという、聖地の向こうにある「異世界」から。
「あんた、もしかしてさ。 自分の世界に、、戻りたい?」
「ん〜? 今は別に。
 なあに? ルイズ。 僕の世界へ行ってみたいの?」
「へ?」
「よーし! じゃあ、案内しちゃお!!」
突然のキスに、世界が揺れた。
 
 
==============================
 
 

672 :マロン名無しさん:2009/10/19(月) 23:11:14 ID:???
これってURLも含めちゃっていいのかな?

673 :確率世界のヴァリエール-7:2009/10/19(月) 23:13:23 ID:???
「へー、こっちはお昼なんだ」
眩しい光に目が眩む。 ごう、と風が髪を巻き上げる。

天を突かんばかりに立ち並ぶ、キラキラと陽光を反射する幾百の銀の塔。
地平へ続く巨人の塔の、そのあまりに広大な景色に距離感を失う。
ルイズ達はその中でもひときわ高い塔の頂上付近にいる様だった。
おそるおそる、数百メイル下の地上を見下ろす。
シュレディンガーが手を広げ笑う。
「ハルケギニアのお姫様、ニューヨークへようこそ!」


「ななななにこれ何これ何コレ!!」
上から見下ろしたときに見えていた無数の点は、やはり人だった。
興奮と驚愕を隠そうともせずに、人ごみの中を歩く。
先ほどまで自分達がいた塔を見上げる。
あまりの高さに脳の芯が冷えていく様だ。
「シュレ、これって?!」
「これはエンパイア・ステート・ビル。
 この街のランドーマークだよ」
見上げた視界を翼の生えた白い何かが轟音と共に横切る。
「あれは?! シュレ!」
「あれは飛行機。 ボーイングかな?」
「あれは?! あれは?!」
「あれは車。 わお、カマロだ!」
「人が写ってるあれは?! おっきい!」
「あれはモニター。 あは、ミコラス・ケイジ!」
見えるもの全てをシュレディンガーに尋ねつつ、
顔を輝かせ手を繋いで通りを走る。

「すごい、すごい、すごい!!」
 

674 :確率世界のヴァリエール-7:2009/10/19(月) 23:14:55 ID:???
「ねえ、シュレ! あの人が履いてるのって?!」
作業服の様な生地だが、刺繍が入ったその青色のズボンは
スリムでいかにも格好良さげだ。
スカートの女性もいるが、道を行く若い女性の結構な数が
腰周りの素肌も露わなその服を身に着けている。
「あれはジーンズ。
 へえ、ローライズがまた流行ってるんだ」
シュレディンガーがルイズを覗き込む。
「ルイズも着る?」
照れながらこくこくとうなずく。


「えへへー」
ちらりとのぞくおへそに少しはにかみながらも、
白色のギャザーの着いたタンクトップにローライズジーンズ、
黒のリボン付きローヒールで街を歩く。
「やだ、おいし」
マスタードの利いた肉汁たっぷりのホットドックを
シュレディンガーと半分こしながら、それをペプシで流し込む。

「あ、あれ!」
シュレディンガーが指差す先には巨大な絵が貼ってある。
「007だ! わ、新作やってるんだ!」
「ダブルオーセブン? 何それ」
「映画だよ!
 ええと、観れば判るよ!!」
シュレディンガーに手を引かれ、絵の下にある入り口から
少し薄暗い建物の中に入る。

数十分後、ルイズはダニエル・クレイグを応援する声と共に
手に持ったキャラメルポップコーンを握り潰していた。
 

675 :確率世界のヴァリエール-7:2009/10/19(月) 23:16:44 ID:???
映画が終わって通路に出てくるなりルイズが叫ぶ。
「すすすすごいわすごいわコレってナニ?!
 他にもあるの? 他にもやってる! 他にも観たい!!」

数十分後、ルイズはキャメロン・ディアスを襲う悲劇に
手に持ったジンジャーエールと共に悲嘆の涙を床にこぼした。

「偉いわ、、偉いわ、彼女はよくやったわ、、
 努力は報われるべきなのよ!」
涙と鼻水で顔をくしゃくしゃにしながら
ルイズはえぐえぐとハッピーエンドに感涙する。

「他は?他は? まだ観たい〜!!」
「もう、また今度!」
未練がましくシュレディンガーに引きずられ、表通りに出る。
衝撃で揺さぶられた脳が、地面をたわんで見せる。
「わ、もうこんな時間?」
外灯に照らされた街の上には、夕映えの空が広がっている。
「うわー、、! 綺麗、、、」
ルイズは視界を埋め尽くすイルミネーションを見上げる。
「夜景もいいけどー、これもまた今度ね」
そう言いつつキスをした。

==============================
 
きりりと冷えた空気がルイズを包む。
「ここは? って、うわっ!!」
大きな車輪のついた針金細工にまたがった人々が
二人の周りを猛スピードで通り抜ける。
「これが北京名物の自転車通勤ラッシュだよ!
 さ、中華中華〜!」
 

676 :マロン名無しさん:2009/10/19(月) 23:17:31 ID:???
>>672
引用:Wikipedia 「土下座」

とかでいいと思うが

677 :確率世界のヴァリエール-7:2009/10/19(月) 23:20:23 ID:???
屋台の小えびのたっぷり入った朝がゆと北京ダック風のチキンに
舌つづみを打ち、小籠包で二人そろって口の裏を火傷した。

==============================

その後二人は万里の長城に感嘆し、
タイガーバウムガーデンで驚嘆し、
ディズニーランドの夜景を堪能し、
エアーズロックからの眺望に涙し、
エベレストの頂で鼻風邪を引いた。

==============================

「ひぐしゅ!!
 そりゃ確かにもっと見晴らしのいい所って言ったけど、
 ものには限度ってもんがあるでしょ!」
「だから今度はあったかい所に来たでしょー? もう」
「ふわー、今度もまたずいぶんと賑やかな所ねえ。
 ここは何ていうの? 何か北京に似てるけど」
「トーキョー! さあ、おスシ!」

スシローできゃあきゃあと20貫を平らげ、外に出ても
トビッコとえんがわの美味しさについて熱く語るルイズの目に
先ほどスクリーンごしに応援した映画俳優が飛び込んだ。
「ボンド! ほらシュレ、ボンドがいる!」
「ふえー、ポータブルDVDプレイヤーかあ。 すごい時代だなあ。
 ほら、ルイズ。 このDVDっての一枚に映画が一本入っててー、
 画面はちっちゃいけど、これでどこでも映画を観れるの。
 へー、新作の封切りにあわせて昔のやってんだー。」
「シュシュシュシュレ、あの、あれって?」
「ああ、あの奥の棚の? うん、全部DVDだね」
 

678 :確率世界のヴァリエール-7:2009/10/19(月) 23:23:24 ID:???
あまりの感動にぐらりと傾き、体勢を立て直してから
もじもじとシュレディンガーを観る。
「シュレ、あのね、、あのね、、」
「欲しいの?」
真剣にこくこくとうなずく。


入り口のカゴを引っつかみ歓声を上げて店の奥へ突撃した
ルイズを目で追うと、シュレディンガーは感慨深げに街を見上げる。
(懐かしいな、、少佐と来たのも、もうずいぶんと昔なんだろうな)
ルイズと出会ってから忘れかけていた、甘い感傷にしばし浸る。
彼の趣味に付き合ってよくこの街へ来た。
この国の言葉もカタコトながらその時に覚えた。
彼が世界の全てを滅ぼしたとしても、なぜかこの街だけは残っている、
そんな気がする不思議な街だった。


「うわ、ラスト・バタリオンじゃん!」
後ろから急にかけられたその言葉に、思わず身をちぢこませる。
振り返ると、二人の若者が携帯電話を自分に向けている。
「ナアニ?」
おそるおそる尋ねる。
「スッゲ、ネコミミ! 動いてるしw
 あー、ガイジンさん? キャンニュースピーチジャパニーズ?」
「うわー、クオリティー高けーw
 えーと、写メオーケー?
 それってアレでしょ?
 ラスト・バタリオンのコスプレでしょ?」
若者が指し示したその先には、赤と黒の飛行船を挟んでにらみ合う
英国空軍のフライトジャケットを着て髭を蓄えたトム・クルーズと
ナチス士官服にツーブロックに剃り上げたキアヌ・リーブスの姿があった。
 

679 :確率世界のヴァリエール-7:2009/10/19(月) 23:25:53 ID:???
「ぶぶうっ?!」
思わず吹きだす。
「おー! もうやるんだ、ラスト・バタリオン。
 そーいや人権団体がどーたらってどうなったん?」
「何かドキュメント風やめてバリバリフィクションらしーよ。
 ナチス側は凶悪な改造人間勢ぞろいでー、
 イギリス側は吸血鬼だの狼男だの古い怪物が味方してんの」
「ナチスの科学力は世界一ィ!! ってやつ?w」
「それそれw
 んで、興行収入も半分くらいロンドン復興資金にすんだって」
「うはw、さすがジョークの国イギリス」
「でもさー、このトム・クルーズのペンウッド卿さー、
 本人つべで観たけどスゲーデブだったよw」
「みたみたw 美化しすぎだろハリウッドw」


写メを撮り終えた若者二人と別れ、もう一度映画のポスターをみる。
自分の力なぞはるかに及ばない、この世界の持つ「どうでも良さ」を
思い知らされ、知らずにやけ笑いがほおに浮かぶ。

「おまたせー! って何よ、にやけちゃって。
 知り合いにでも合った?」
「あはは、知り合いっていえば知り合いかな?」
ふてぶてしくトム・クルーズを見下ろすキアヌ・リーブスに目をやる。
「ふふ、やっぱり別人だったみたい。
 っていうかルイズ、何その山! そんなに買うの?!」
「えー、いーじゃない!
 てゆうか、向こうは何時くらいなんだろ?」
「もう朝方じゃない?」
「うぇ?! うそっ! 帰るわよ、シュレ!」
 

680 :確率世界のヴァリエール-7:2009/10/19(月) 23:27:39 ID:???
空を見上げ、大きく息を吸い込み、自分の主人を振り返る。
繋いだ手に力を込め、にっこりと微笑む。


「うん! 帰ろ、ルイズ。 『僕たちの』世界に。」


==============================
 
 


681 :マロン名無しさん:2009/10/19(月) 23:46:00 ID:???
今回はこれで終了?

682 :シュレの人 ◆VMp3BjBuLA :2009/10/20(火) 00:00:53 ID:???
以上です。
読んで下さる方、支援下さる方、まとめて下さる方、さるさんに感謝。
タバサが描いた同人誌をコミケに並べるためのステップその1です。
嘘です。

>>672
まとめの方でしょうか?
「そういうネタ」ですので
出来ればURL入りでお願いします。

あと、>>671中段
>ルイズの中に、逝くあての無い罪悪感がだけ残った。

>ルイズの中に、逝くあての無い罪悪感だけが残った。
の、修正も出来ればお願いします、、

683 :マロン名無しさん:2009/10/20(火) 00:38:05 ID:???
GJ!
やっぱり行ってたか少佐www


684 :マロン名無しさん:2009/10/20(火) 10:04:07 ID:???
お金はどうしたんだろう? どっかで換金?

エキュ金貨1枚辺りで数百ドル程度には換金出来そうだから、まぁ割と贅沢は出来そうだけど。
DVDは持って帰っても電池が無くなって見れなくなるオチに1000ペリカ。

・・・いや、いつでも調達出来るのかな? かなりコスト的に問題あるけど。

685 :マロン名無しさん:2009/10/20(火) 14:20:00 ID:???
その気になれば瞬間移動で無銭飲食など余(ry

686 :マロン名無しさん:2009/10/20(火) 14:57:44 ID:???
実は最後の大隊の金庫番だったんだよ!

687 :マロン名無しさん:2009/10/20(火) 16:52:34 ID:???
もうなんかルイズって魔法使えないこと以外優秀なんだから
異世界で暮らした方が幸せなんじゃないかって思ってしまう。

688 :マロン名無しさん:2009/10/20(火) 17:24:09 ID:jv1zKr7L
相変わらず好き勝手やってて面白いな。作者さん、超ガンガレ。つーか、ずっと気になってたんだが『……』を『、、、、、、』って書くのはなんで?

689 :マロン名無しさん:2009/10/20(火) 17:35:09 ID:???
そういうスタイルなんちゃうん?

690 :シュレの人 ◆VMp3BjBuLA :2009/10/20(火) 17:56:36 ID:???
読んでくれてどうもです、お金はご想像にお任せで。
ミレニアムの隠れ家のいくつかがまだ手付かずで残ってるのかも。

三点リーダについてはどうも機能的過ぎて意味が限定されるので
あまり好みではないです。
たとえば「待って」ってセリフなんかでも

「待って」
「待って。」
「待って、」
「待って、、」
「待って、、、」
「待って、、、、、、」

ずいぶんとニュアンスが違うので。
ニュアンスを自在に使い分けれれば、と思います。

691 :マロン名無しさん:2009/10/20(火) 22:06:54 ID:???
そういえば、電池は電池でも燃料電池なら純度の高いアルコール用意するだけで電源確保出来るな。
太陽電池パネルと蓄電池という手もあるが。

電気のない土地で電気を使う事の困難さよ。一度体験してみたら解るがありゃあキツい。

692 :マロン名無しさん:2009/10/20(火) 22:19:18 ID:???
なるほどねー変わった手法だから仕様か素か気になってたんだ。確率世界面白いし、作者さん応援している。これからも頑張ってくださいな。

693 :マロン名無しさん:2009/10/21(水) 15:23:44 ID:???
>>690
、と…で意味合いが変わるとは思えんw
強いて挙げれば、作者がb

694 :マロン名無しさん:2009/10/21(水) 16:50:22 ID:???
作者がシュレとBまでいったと申すか

695 :マロン名無しさん:2009/10/21(水) 17:42:57 ID:???
比べてみれば分かるが、印象は変わってくるぞ。

「待って、」
「待って…」

「待って、、」
「待って……」

「待って、、、」
「待って………」

「待って、、、、、、」
「待って………………」

三点リーダの変わりに読点を使うと、ゆとり臭が凄い。

696 :マロン名無しさん:2009/10/21(水) 18:05:05 ID:???
シュレの人
きれいなワルドと、独断専行が出来る非常な時も優秀なマザリーニ乙。

697 :マロン名無しさん:2009/10/21(水) 19:37:27 ID:???
なぜかマザリーニの声が攻殻の荒巻で再生される

698 :マロン名無しさん:2009/10/21(水) 20:26:00 ID:???
こういうことか

        _,,..,,,,,,_
       ./ ,' 3  `ヽーっ 「なるほど、どこにでも行ける能力、というのは本当のようだな」
       l   ⊃  ⌒_つ 二人の目の前には白髪頭の痩せこけた、しかし威厳のある男が寝ていた。
        `''ー---‐'''''"

699 :マロン名無しさん:2009/10/22(木) 14:22:57 ID:???
スカルチノフじゃねーかw

>>684>>691
一人産業革命ことコルベール先生が原作で
「電力なくなったバッテリー」→練金→「電力満タンバッテリー」
なんて魔法を使ったことを考えると、電池でも同じこと出来て不思議じゃない。
ゼロ魔の魔法って時々チート入るよなぁ…

700 :マロン名無しさん:2009/10/22(木) 18:42:22 ID:???
イメージが出来て正確に投射する魔法技能があれば大体の事は出来る。
魔の方法に偽り無しがゼロ魔の魔法だし。

701 :マロン名無しさん:2009/10/22(木) 21:10:19 ID:???
じゃあ頭髪も!?

702 :マロン名無しさん:2009/10/22(木) 22:24:59 ID:???
前回さらっと流して読んでしまったが、
彼の趣味に付き合ってって辺り、
こっちの少佐は表紙裏準拠すかwwww

703 :マロン名無しさん:2009/10/24(土) 13:27:15 ID:???
本編でもリモコンにガンダムとか言う機能付けてもらってる人だし

704 :マロン名無しさん:2009/10/24(土) 14:18:36 ID:???
翻訳されたアニメや漫画を暇潰しに見ててハマったんだろうなぁ
腐った上官に付き合いつつ武器の手入れと訓練だけで半世紀も穴蔵に居るなんて辛いし

705 :マロン名無しさん:2009/10/24(土) 16:05:03 ID:???
ジョゼフに召喚されてたら最高だったろうな
ヨルムンガンダムとか作っちゃったりね

706 :マロン名無しさん:2009/10/24(土) 19:42:23 ID:???
>>705
そんなSSどっかになかったっけ?
組合わせ的に強力なカードではありそーだよね。

707 :マロン名無しさん:2009/10/24(土) 22:54:50 ID:???
キュルケ辺りが攫われて、角を付けられたり三倍のスピードで行動できるようにされちゃうんだろうなあ……

708 :マロン名無しさん:2009/10/25(日) 04:22:04 ID:???
(股間に)角がつきます

709 :マロン名無しさん:2009/10/25(日) 10:01:54 ID:???
常人の三倍なんですか

710 :マロン名無しさん:2009/10/25(日) 10:52:50 ID:???
それに限っては早いのは嫌われるぞ

711 :マロン名無しさん:2009/10/25(日) 12:04:57 ID:???
坊やだからさ

712 :マロン名無しさん:2009/10/25(日) 20:28:21 ID:???
シュレ乙

少佐のアニメ好きはたぶん
初めは冷戦時代から兵器開発に必要な電子機器の裏購入手段として
電気街の秋葉原にドクと一緒に行っていたんだろうけど
秋葉原の変化と共に毒されていたと仮説を立ててみる


713 :マロン名無しさん:2009/10/25(日) 22:59:30 ID:???
セラスのフィギュアを魔改造してたよね
ってか少佐とかメインキャラクターの人形作ってそうだ

714 :マロン名無しさん:2009/10/26(月) 08:01:24 ID:???
ロリカードやインテグラやアンデルセンなんか作ってムフフフフフフしてるんだな

715 :マロン名無しさん:2009/10/26(月) 13:57:55 ID:???
ロリカードってヘルシング機関に性的な意味で魔改造されてそうっスね

716 :シュレの人 ◆VMp3BjBuLA :2009/10/26(月) 15:11:55 ID:???
すみません、ちょっと確認。
「♪」

音符の記号、表示されてます?

717 :シュレの人 ◆VMp3BjBuLA :2009/10/26(月) 15:13:32 ID:???
出来てるかな?
今夜20:00頃から、確率世界のヴァリエール第八話投下します〜。

718 :マロン名無しさん:2009/10/26(月) 15:13:35 ID:???
されてるよー♥

719 :マロン名無しさん:2009/10/26(月) 15:27:38 ID:???
>>715
あんなにかわいいのはその為か

720 :マロン名無しさん:2009/10/26(月) 15:53:09 ID:???
アーサーの趣味だな、間違いない

721 :マロン名無しさん:2009/10/26(月) 15:54:50 ID:???
>>715
それもだが、少年時代の旦那も色々とされてそうだと思ってしまった。
性的な意味で。


722 :マロン名無しさん:2009/10/26(月) 16:24:09 ID:???
弟が美男だったんだっけ?
……幼少期は兄弟丼とか(ry

723 :マロン名無しさん:2009/10/26(月) 16:24:37 ID:???
>>716-717
sageにスペース混じってるからageちゃってますよん

724 :シュレの人 ◆VMp3BjBuLA :2009/10/26(月) 16:34:05 ID:???
>>723
げ、失礼しました。

725 :マロン名無しさん:2009/10/26(月) 16:49:22 ID:???
ロリカードはドMなのに、なんでどいつもこいつも攻める絵しか描かんのだ

そんなにロリカードのS分を味わいたいのか

726 :マロン名無しさん:2009/10/26(月) 16:51:15 ID:???
SM両方やろ

727 :マロン名無しさん:2009/10/26(月) 18:16:47 ID:???
>>725
ロリカードの喘ぎ顔より、ロリカードの足コキの方が需要があるって事だ、残念ながら

728 :マロン名無しさん:2009/10/26(月) 18:33:35 ID:???
おまえら今日もステキに変態だな

729 :マロン名無しさん:2009/10/26(月) 19:04:33 ID:???
>>722
そう確かオスマンの王様の愛人してた筈

730 :マロン名無しさん:2009/10/26(月) 19:52:31 ID:???
投稿する人には専ブラをお勧めしたい

731 :シュレの人 ◆VMp3BjBuLA :2009/10/26(月) 20:11:36 ID:???
どうも、シュレの人です

確率世界のヴァリエール 第八話 始まります

732 :確率世界のヴァリエール-8:2009/10/26(月) 20:13:19 ID:???
「聞いたか? また戦艦が沈められたってさ」
「もう7隻目だろ? アルビオンの貴族派どもも大変だな」
朝のアルヴィーズの食堂。 未来の政治家達が楽しげに語り合っている。
貴族にとって戦争と醜聞はこの上ない娯楽。 対岸の火事となれば尚更だ。
「しかし王党派も現金なもんだよな、一時はニューカッスルを枕に
 一族郎党覚悟を決めたと思ってたけど」
「それくらいの生き意地の汚さがなけりゃ、王族なんぞ務まるまいさ」
「王さえ居れば国は成り立つ。 朕は国家なり、ってやつか」

笑いあうひよこ達をよそにルイズはシュレディンガーのタイを整えている。
「一人だからって粗相しないのよ?」
「信頼無いなあー、大丈夫だって」
「あらシュレちゃん、今日もおでかけ?」
「うんキュルケ、いって来るね!」
「この前みたくルーン無くしたりしないのよ?」
「うるさいなあもうルイズは。 大丈夫!」
念を押す様言うと、「右手」の手袋をはずして光り輝くルーンを見せる。
「んじゃ、夕食には戻るね〜」
==============================
「ふう、ホントに大丈夫かしら」

席を立つ二人に事情通気取りのひよこが自慢げに話しかける。
「ああ、ルイズにキュルケ、君達は知ってるかい?
 アルビオン貴族派の船を沈めて回ってる謎のメイジ。

 その名も、 『虚無の魔女』 の話を」


確率世界のヴァリエール
Cats in a Box - 第八話
 
 

733 :確率世界のヴァリエール-7:2009/10/26(月) 20:15:58 ID:???
アルビオン大陸の中央に広がる森林地帯。
その中でもひときわ高い大木の梢にシュレディンガーは居た。
「さて、今日はこの辺りでも攻めてみますか」
晴れ渡る空、気持ちのいい朝の風が頬をなでる。
ポケットから地図を広げ、おやつ用に持って来ていた
ビスケットを思わずぽりぽりとかじる。
「ええと、こっちはー?」
幹に片手で掴まり、身を乗り出したシュレディンガーの頭が
突然、バカンッ! と爆ぜ飛んだ。

バサバサと音を立てて落ちてきた死体を見下ろして、
白いスーツ姿の男は甘くて渋い子安ボイスで小首をかしげた。
「ん? どこかで見たよう、な」


「ひっどいなあ、ルークったら!!
 ひっさしぶりに再会した身内の頭を挨拶もなしに吹っ飛ばすなんて!」
シュレディンガーがぷりぷりと怒りながら獣道を歩く。
「すまんな。 ここいらに住むオーク鬼とやらの仲間かと思った。
 ま、頭を吹っ飛ばしたのがお前で良かった」
「ちょ、何ソレー!」
前を行く男に食ってかかる。

森を歩くというのに真っ白いスーツに真っ白いコート、腰元で括られた
長い金髪を揺らしながら、木漏れ日を避けて森の中を優雅に歩く。
「で、お前はこんな所で何をしてるんだ?」
「僕? 僕はご主人様がこの国で戦争をすることになってね、その斥候」
「はっ、こんな異世界くんだりまでやって来てもまだ戦争、戦争か。
 やっぱりお前は少佐殿のお気に入りだっただけの事はある。
 お前も少佐殿と同じ、どうしようもない戦争狂(ウォーモンガー)だな」
 

734 :確率世界のヴァリエール-8:2009/10/26(月) 20:19:46 ID:???
「そう言うルークは何やってんのさ」
「俺か? 俺はな、さっき言ったろ」
スーツの内から取り出した銃をシュレディンガーに構える。

ドンッッ。

シュレディンガーの後ろで豚の頭をした怪物がどさりと倒れる。
「単なる狩りだ」
硝煙を吐くソードオフ加工のM1ガーランドの銃口で眼鏡を上げた。

「ひどいやルーク、こんなブサイクを僕と間違えたって?」
2メイルを超す巨体を見下ろし、不満げにぼやく。
「やかましい所なんぞソックリだ」
奇声を上げて二人を囲むオーク鬼の群れを見回し、
ルークは懐からもう一丁、M1ガーランドを取り出した。

まるで舞を舞うが如く軽やかに腕を振るうたびに、
両手に持った自動小銃がオーク鬼の頭を次々と射抜いていく。
「ふう、こんなものか?」
十を超える死体に囲まれた二人に地響きが伝わってくる。
メキメキと音を立てて倒れる木々の向こうから現れたのは、
身の丈5メイルを優に超す3匹の巨人だった。
「うっはあー、ラスボス登場!」

打ち込まれる銃弾をものともせず雄たけびを上げるトロール鬼に、
ルークは呆れ顔で銃をしまう。
「ライフル弾なんぞ足止めにもならんか。 やれやれ、素晴らしいね」
真っ白いスーツの一点に、黒いしみが浮かぶ。
じわりと広がったそのしみは、輪郭をゆがませゆっくりと膨れ上がる。
「あーっ、ソレ! ズッルいんだ〜!」
シュレディンガーがクスクスと笑った。
 

735 :確率世界のヴァリエール-8:2009/10/26(月) 20:22:49 ID:???
「ふん、「こちら側」に来る時に引きちぎってやった。
 俺はこいつの腹の中にずっと居たんだぞ?
 これくらいはあって当然の役得、だ!」
ルークの体からあふれ出てガチガチと牙を噛み鳴らす黒く巨大な塊は、
矢の様に解き放たれるなりトロール鬼の胸から上を食いちぎり、
臓物を森の下生えにぶちまけた。
「全部は喰うなよ、黒犬獣(ブラックドッグ)バスカヴィル。
 私の「領民」にも加えておきたいんでな」
片手にナイフを構えたルークの姿がにじみ、かき消えた。


再びの静寂に包まれた森の中、死体と臓物の中に立つルークの足元から
闇よりも濃く黒い影が意思持つ触手のように広がっていく。
「はは、誰かさんみた〜い」
高みの見物を決め込んでいたシュレディンガーが枝の上から笑う。
オーク鬼の、トロール鬼の血が、臓物が、ゆっくりと影に呑まれていく。
「そうだとも。
 『あの方』と始めてお会いした時の事を思いだすと、恥じ入らんばかりだ。
 今なら判る。 私をまがい物と知った時の、『あの方』の絶望と憤りがな。
 『死の河』と一つになって、やっと私は吸血鬼の何たるかを知った」

何もかもが影に呑まれ、その影もルークの中に消えてなくなる。
「今ならば、ククッ! 『あの方』にも少しは満足頂けるだろうさ」
ルークが牙を見せてぎちりと笑った。


木漏れ日の中、二人並んで川のほとりを歩く。
川を挟んだ森の外には麦畑が広がる。
「ルーク様〜!」
橋を渡る二人に一人の娘が駆け寄って来る。
 

736 :マロン名無しさん:2009/10/26(月) 20:27:12 ID:???
ルークバレンタイン復活ッッ
ルークバレンタイン復活ッッ
ルークバレンタイン復活ッッ
ルークバレンタイン復活ッッ



737 :確率世界のヴァリエール-8:2009/10/26(月) 20:28:05 ID:???
「ルーク様、これを。 畑で取れた初物です」
おずおずと籠に山ほど入ったトマトを差し出す。
「ありがとう。 テファが喜ぶ」
その答えに少し表情を曇らせながらも、意を決した様に向き直る。
「あ、あの! ルーク様さえ良ければ私の血を、、
 私、殿方ともまだ、ごにょごにょ、、ですし、」
「それは駄目だといったろう? だが、気持ちだけは貰っておこう」
娘の額に口付けると、顔を茹で上がらせてへたり込む娘を置いて
籠を持ち道を行く。

道を行くたびに農作業をする娘達が手を止め、黄色い声を上げる。
「へ〜、モッテモテじゃない」
「何度か今日の様な化物退治をしているうちにな。
 人間なんてのは現金なものさ」
「そればっかりじゃなさそうだけど〜?」
娘の幾人かは、明らかな嫉妬の目をシュレディンガーに向けていた。

村落に近づいた頃、腰の曲がった老人が声をかけてきた。
「おお、ルーク殿! いかがでございましたじゃろか?」
「おおかた貴族派の脱走兵だろう。 当分は心配あるまいさ」
「さようでございますか!
 これで村の衆も枕を高くして眠れましょう!
 本当に、本当にお礼のしようもございませぬ事じゃ!」
「気にするな、村長。 こちらも随分と世話になっている」
村長がなおも礼を述べようとした時、畑の中から一人の女性が顔を出した。
流れるような金髪に切れ長の耳を持つその女性が、嬉しげに声をかける。
「ルークさん、帰っていらしたんですか!」
「ウエストウッドの子供達も一緒か。

 ただいま、ティファニア」
 
 

738 :確率世界のヴァリエール-7:2009/10/26(月) 20:37:22 ID:???
「へー、いいなあルークってば。
 こーんな美人のエルフさんがご主人様なんて」
先ほどの村からさらに離れた森の中、ウエストウッドの孤児院で
子供達と一緒に昼食のテーブルを囲む。
「言ったろう? 別に使い魔の契約は結んで無い。
 一日数滴の血と引き換えに用心棒をやっているだけだ」
話を聞かずにシュレディンガーが愚痴る。
「それに引き換えボクのご主人様なんてさ〜、
 短気でわがままで甘えん坊で皮肉屋で、そりゃ困ったもんだよ」
「何だそりゃ。 自己紹介のつもりか?」
ルークに軽くいなされて、子供達とティファニアがくすくすと笑った。

食事を終え、庭のカウチでティファニアの入れたミルクティーをすする。
ティファニアは洗濯物を干し、子供達は遠くで遊んでいる。
「にしても随分とキャラ変わったんじゃない? ルーク」
「お前や少佐殿と一緒にするな。
 俺は元々フェミニストの平和主義者だ、快楽殺人者じゃあ無い。
 俺が興味があるのは自分の持つこの「力」、ただそれだけだ」
ぬけぬけと言い放つ。
「それにな、ティファニアの血は美味い。 今までの誰とも比べ物にもならん程な。
 金の卵を産む鶏の腹を裂くなんぞ、阿呆のやることだ」
「おっぱいも大きいしねー」
「それは別にどうでもいい」
本当にどうでもよさそうにミルクティーに口を付ける。
「えー。 じゃあルークってばこっちの方なの?」
シュレディンガーが半ズボンの裾をちらりとめくると
ごぼり、とルークのミルクティーがあふれた。

立ち上がったルークの元へ、先ほどの村娘が走り寄って来た。
「た、大変です、ルーク様! 村が、、村が!!」
 
 

739 :確率世界のヴァリエール-8:2009/10/26(月) 20:41:20 ID:???
森のはずれの丘の上から、村から立ち昇る幾筋もの煙が見える。
「ルークさん、あれ!」
ティファニアが指差した先、村の中央にある広場には
貴族派の傭兵と思われる一団が陣取り、村人を集め座らせていた。
「ふん、この国も随分とガラが悪くなったものだ」
丘を降りようとするルークを、シュレディンガーが引き止める。
「ちょい待ち! アレってー、」
手をかざして目を凝らした先には、一人の黒ずくめの女性がいた。
「あの方は確か、数日前に村に来たシスターです!」
ティファニアの声に、シュレディンガーはにんまりと笑う。
「もうちょっとだけさ、様子を見てみない?」


「お、おやめください!」
聖職者風の衣装をまとい、眼鏡をかけた黒髪の女性が
座らされた村人の前に立ち、兵隊達の前に進み出る。
手には長く大きな布包みを抱え込んでいる。
「あ、あなた達もお困りなのでしょうが、
 暴力は何も生み出しません!」
怯えながらも、きっぱりと言い放つ。

「ほう、有難いね。 こんな所で説法が聞けるとは」
周りの男たちがげらげらと笑う。
「お、お許しくだされ、兵隊さま方!
 こちらは旅のお方で、何もご存知で無いんですじゃ!」
村長がよたよたと進み出て、女性をかばう。
「わしらが何をしたというのです!
 税も納め、男衆の徴兵にも応じ、貴族派のかたがたに
 歯向かうようなまねは、何一つ行っておりませんじゃ!
 なぜ、村の家に火を放つようなむごい真似をなさるのか!」
涙ながらに訴える老人を、隊長風の男が蹴り飛ばす。
 

740 :確率世界のヴァリエール-8:2009/10/26(月) 20:47:34 ID:???
「村長さん!」
老人に駆け寄る女性を無視し、男は辺りを見回す。
「王党派の連中を匿っている、との通報があってな」
「な、何を馬鹿なことを!
 国王様がおられるのはずっと北のニューカッスルのはずじゃ!」
「ジジイの癖に随分と情勢に詳しいな。 こりゃあますます怪しいぜ。
 おい、残りの家にも火を放って、王党派どもをあぶり出せ!」
「そ、そんな!」

「やめて、やめてください!」
なおも立ちふさがろうとする女性の髪を鷲掴み顔を向ける。
「おいシスター様よ、どこの田舎宗教かはしらねえが、、、
 ここじゃ異端は火あぶりだぜ? お前もそうされてえのか?」
『ああもう、面倒くせえなあ、由美子。
 とっとと相棒に替わってこのゴロツキどもをブチのめしちまえよ』
突然のガチャついた声に隊長が女性の顔面を殴り飛ばす。
「今言ったやつは誰だ! まあいい、どのみち王党派を匿う連中への
 見せしめに、村を二つ三つ焼いておけとのお達しだ。
 年寄りどもは全員殺せ! 女どもは犯して殺せ!
 誰一人として生かして逃すなよ!」
歓声を上げる兵達をよそに、隊長は渋い顔で木箱に腰を下ろす。
「腐れ仕事はいっつも俺たちの役回りだ、正規軍の糞ったれめ」

倒れて気を失った女性の抱え込んだ布包みから、カチカチと声が鳴る。
『あーあ、虎の尾っぽぉ踏みやがった』
 
 
「きゃああ!!」
「オイ、暴れんじゃねえ、殺されから犯されてえか!」
乱暴に村娘を引っ張るその手が千切れ飛ぶ。
「え?」 混乱しつぶやく首がゴロリと転がり落ちる。
 

741 :確率世界のヴァリエール-8:2009/10/26(月) 20:51:57 ID:???
『おいおい、俺の出番は無しかよ、相棒』
左手でぼやく布包みを無視し、女性は右手の日本刀の血を払う。
「相棒って呼ぶなって言ったろ、なまくら。
 アタシをそう呼んでいいのは一人だけだ」
頭を傾けてゴキリ、と首の関節を鳴らす。

「な、て、てめえ! さっきの女か?!」
隊長がガタリと箱から立ち上がり剣を抜く。
その声に聖職者服を着た女性は、歯を見せて笑いながら振り向く。
「我らが唯一絶対の神の教えを、田舎宗教だと?
 ほざくなよ、糞異世界の糞異教徒の糞外道共奴が!!

 神罰だ! くれてやるっ!!!」

血を撒き散らしながら倒れる首なし死体を気にも留めず、
仁王立ちのまま周りの傭兵達をゆっくりと見下ろし、唇を舐める。
「さあて。 お次はだれが地獄に落ちる?」

「この、アマァ!」
背後から飛んできた火球を左手の布包みで背中越しに受ける。
「何ぃ? ま、魔法が、消された?!」
『悪ぃね、ウチの相棒は熱いのが苦手でね』
女の背中でカチカチと声が響く。
布が燃え散り、中から身の丈ほどもある幅広い片刃の剣が出てくる。
長剣を掴んだ「左手」の甲が、低い唸りを上げまばゆい輝きを放つ。
 
「冥土の土産だ、見せてやる。」
両手に血刀を下げたシスターが禍々しく嘲笑う。

「島原抜刀流、 秋 水 !!!」
 

742 :確率世界のヴァリエール-8:2009/10/26(月) 21:03:59 ID:???
死を撒き散らす刃の竜巻に巻き込まれ、手が、足が、首が千切れ飛ぶ。
『へへ、まったくもってお前ぇさんにゃおでれーた!
 感情の高ぶりがガンダールヴの力の源とはいうがなあ、相棒。
 手前ぇの主人を殴り飛ばして出奔した使い魔てーのも初めてなら、
 ここまでガンダールヴの力を引き出せる奴もお前ぇさんが初めてだ!』
「いちいち嫌なことを思い出させるんじゃねーよ。
 あん時居たのが由美子じゃなけりゃ、あのヒヒ爺ィ! ブチ殺してやれたのに。
 大体アンタやっぱ邪魔だわ、二刀流なんて動きにくいし」
『冷てーこと言うなよ相棒』
「相棒って呼ぶなっつてるでしょ、このなまくら」
臓物と血溜まりの中でのん気に言い合う。

「何だこいつら、、何だこいつらァ!」
腰を抜かしてへたり込む傭兵に、女がゆっくりと近づく。
「アンタには二つの選択肢がある。」
無慈悲な顔で見下ろしながら、右手の日本刀を男に突きつける。
「こいつで縦真っ二つになるか、、、」
「わ、分かった! もう二度とこの村には」
「このなまくらで横真っ二つになるかよ。」
「〜〜!!」
必死に立ち上がり、逃げようとする男にうっとりと微笑みかける。
「あ〜ら贅沢。 両方、だなんて」
 
綺麗に四分割された男の破片に囲まれ、臓物まみれの顔で
自分を見上げる老人に、シスターは優しく手を差し伸べる。
「大丈夫ですか? お怪我はありませんか、村長さん」
老人が必死の形相で後ずさる。
「ひいぃぃっ〜〜!
 来るな、来るなぁ! お願い、来ないでぇ〜!
 マジすみませんっ! 命だけは、命だけはぁ〜!!」
 
 

743 :確率世界のヴァリエール-8:2009/10/26(月) 21:08:02 ID:???
隠れて見ていた傭兵が、カチカチと歯を鳴らす。
「な、何モンなんだあの女! 、、、本隊に戻って、報告を」
「どこへ行こうというのかね?」
振り返った男の額に銃口が突きつけられた。
「どこへも逃げられはせんよ」

銃声に女性が振り返ると、そこには真っ白いスーツの男が立っていた。
「やっと思い出したよ。 ヴァチカンの殺し屋集団、イスカリオテの狂えるシスター。
 『バーサーカー』、高木由美江。 こんな所で会えるとは光栄だ」
「アタシもアンタを知ってるよ。 裏の世界じゃ有名だ、人でなしのヴァレンタイン兄弟。
 ヘルシングにトっ込んで返り討ちにされたって聞いてたけど、
 こんな所に居たとはねぇ。 ルーク・バレンタイン!」
ゆっくりと二人が近づいていく。
「で、どうする?」
双銃と双剣を構えた、白と黒とが対峙した。

由美江が哂う。
「ハハッ、眼前に化物を放置して!
 何がイスカリオテか! 何がバチカンかァ!!」
ルークが応える。
「そうでなくてはな、そうであろうとも。
 さあ殺ろうぜ、ジューダスプリースト!!」 

「おやめくだされ、シスター!」
「や、やめて、ルークさん!」


「 ハ ァ 〜 イ ♪ 」
 
 
二人の間に魔法陣が現れて、陰気な声が陽気に響いた。
 

744 :確率世界のヴァリエール-8:2009/10/26(月) 21:12:36 ID:???
「死霊を呼び出してコキ使おうとしても見つからんと思ったら、
 こーーんな所におったのかね、高木由美江クン」
黒ずくめの男がずるりと魔法陣から這い出した。
「あ、貴方は確か、日本支部の間久部(マクベ)神父?!」

右眉から頬にかけて大きな傷のある陰気な顔をした神父姿の男は、
一筋垂れた前髪の奥の目をにやりと歪ませドス黒く微笑んだ。
「お久しぶりだねー、10年ぶり?
 けどね、もう神父じゃーない、司教なんだよ由美江クン?
 君んとこの上司だったマックスウェル君がおっ死ンでいい迷惑だ。
 今じゃ私は君の上役、イスカリオテの機関長、なんだよ?」
やれやれとため息をつく。
「せっかく超レアな聖遺物をいじくり回してステッキーな研究を
 教会の金で思う存分ゲップが出るほどやれてたっていうのに。
 それもこれもコロっとおっ死ンだマッックスウェル君の所為だ。
 で。 人手不足解消を、と思ったんだが」
間久部神父は周りの惨状を見回す。
「どこかねここは?」

「誰だ貴様は?」
突然現れた男の長口上に痺れを切らしたルークが不用意に近づく。

スパァンッ!

ルークの頭を無造作にワシ掴むと、ガッチリと目を見つめる。
ミ゛ワ゛ミ゛ワ゛ミ゛ワ゛ミ゛ワ゛ミ゛ワ゛ミ゛ワ゛ミ゛ワ゛ミ゛ワ゛
「 今ネッ トーッテモ大事なおハナシしてるんだからァ
  静かにシテないと駄目ッツッたら駄目デショ ネッ 」

ルークがうつろな目で口をパクパクと動かす。
「ハイ アザラクサマハ スバラシイ 先生(ティーテャー)デス」
 

745 :確率世界のヴァリエール-8:2009/10/26(月) 21:16:50 ID:???
「っきゃーっ!」  
ティファニアが悲鳴を上げてルークを奪い返す。
「なッナニうちのルークさん洗脳してるんですかぁっ!!」
「で。 ナニがあったのかね? 耳の長いお嬢さん」


「なるほどなるほど」
一通りの話を聞き終えた間久部が神妙にうなづく。
「もう、もうわしらはお終いじゃあ」
落ち着きを取り戻した村長が、がっくりと肩を落とす。
「いやいや、そんな事は有りませんよ? ご老人。
 悩めるもの、迷えるものの救いを求める手を
 我らが神が振り払うことなど有り得ません。
 ましてや、私や、このシスター高木はね」
絶望の底にある村人達ににっこりと微笑む。

「祈りなさい。さらば、救いの御手は伸ばされましょう」

「おお、おお」
老人がぽろぽろと涙を落とす。
「ちょちょ、ちょっと待ってよ、機関長。
 私を連れ帰るんじゃなかったの?」
由美江が小声で間久部に詰め寄る。
「何を言っとるんだ、君はバカかね? バチカンのバカチンかね?
 アッチではもう君はおっ死ンどるんだよ。
 そんなもん連れ帰ったら黒魔術じゃないか。 火あぶりだ。
 マッッックスウェル君の所為でこちとら肩身が狭いんだよ?
 それにね」

二人をすがる様に見つめる村人たちを見渡す。
「君がこの世界に来た事も、主のお導きだとは、、思わないかね?」
 

746 :確率世界のヴァリエール-8:2009/10/26(月) 21:19:59 ID:???
「機関長、、、」
「君はおそらく遣わされたのだよ、彼らを、この世界を救うために。
 それこそが君の、カトリックの「果たすべき務め」だ」
そっと由美江の肩に手を置く。
「果たすべき、、、務め」
ティファニアの呟きを耳ざとく聴き付け、笑いかける。
「そう「果たすべき務め」、神の与え給うた使命だ。
 そしてそれは君にもあるはずだよ、耳の長いお嬢さん」
「マクベ、さん、、」

「フン、そんなに簡単にいくものか。
 この世界の「ブリミル教」は、中々に強大だぞ?
 この村ごと焼かれて終わりだろう」
ふらつく頭を抑えながらルークが横ヤリを入れるのへ、
「それなら何とかできるかもしれないなあ〜!」
話を見守っていたシュレディンガーが入ってくる。
「まあ、そこのお二人しだいだけど」
ルークと由美江を交互に見返す。
「そ、それはどういう事ですじゃ?!」
詰め寄る村長へ手をかざす。
「ちょっと待ってて」

==============================

「ジャ〜ン、こういう事!」
シュレディンガーが持って来た書類には、アルビオン王ジェームズ1世の
署名と共に、信仰の自由と村の独立自治を認める旨が記されてあった。
「あ、貴方様はいったい、、、」
驚く村長へ、自慢げに胸を張る。
「僕? えっへっへー、僕はねー。
 トリステイン王国のアルビオン特別大使補佐官、シュレディンガー!」
 

747 :確率世界のヴァリエール-8:2009/10/26(月) 21:22:47 ID:???
目を丸くする一同をよそに、ルークと由美江に顔を向ける。
「条件は、王党派として貴族派の反乱鎮圧に二人が協力する事」
王党派、と聞いて顔を曇らせるティファニアへ、
村長や他の村人達が地面に額をこすらせる。
「厚かましい願いとは思っておりますじゃ。
 ティファニア殿が王宮へ何ぞ遺恨があるのも存じておりますじゃ!
 しかし、しかし、何卒ワシらをお助け下さらんか!
 お願いですじゃ、ティファニア殿、ルーク殿!!」
見つめるティファニアを、ルークが見つめ返す。
「私は単なる用心棒だ。 決めるのはお前だ、テファ」

ティファニアが意を決し、村人に向き直る。
「王への遺恨はあります、それを忘れられるかどうかも判りません、、、
 しかし、皆さんを見捨てることなんて、私には出来ません!」
「おお、ティファニア殿、、ティファニア殿、、
 何と、何とお礼を申せば良いか」
老人の手を取り、首を振り、微笑む。
「お礼なんて。
 皆さんはエルフであるこの私を、村人の一人の様に
 受け入れて下さいました。 それで十分です」

ティファニアがゆっくりと立ち上がり、自分に笑顔を向ける四人を、
ルークを、由美江を、間久部を、そしてシュレディンガーを見回す。
「ま、オーク鬼どもも狩り飽きていた所だ」
「フンッ、化物どもと呉越同舟たぁね」
「まーそう言うな由美江クン、立ってる者は化物でも使え、だ」
『そうだぜ相棒、はぐれモン同士楽しくいこーや』
「えへへ〜、これで中々良い勝負になりそうじゃない?」

シュレディンガーはにんまりと、遥か南の空へ目をやった。
 
 

748 :マロン名無しさん:2009/10/26(月) 21:25:33 ID:???
字楽先生の暗黒魔術炸裂

749 :確率世界のヴァリエール-8:2009/10/26(月) 21:27:19 ID:???
蜀台の炎が形作る影が、石で囲われた部屋の壁に蛇のようにうねる。
黴の匂い、煤の匂い、そして石畳に滴る血の匂い。
部屋の中央には椅子の上で後手に縛られ麻袋を被せられた男が一人。
手首から先にも袋が被されてはいたが、床に滴るほどに血が滲んでいた。

その前には3人の人影。
一人は真っ黒な頭巾をかぶった尋問官。
もう一人はカールした金髪に丸い球帽をかぶった聖職者風の男。
その男が、傍らに立つ白ずくめのスーツを着た黒髪の少女に話しかける。
「シェフィールド殿、この者が例の目撃者です」
十をいくらかも過ぎぬようなその少女への畏怖を隠そうともせず、
緊張した面持ちで尋問官へあごをしゃくる。
「話せ。」
短く言うと、尋問官は椅子の男に被された麻袋を取る。
出てきた男の顔はまだ三十そこそこのようだったが、
それまでに受けた「尋問」のため、それより十は老けて見えた。
片目を覆うようにぐるりと包帯が巻かれ、そこにも血が滲んでいる。

「わ、私はただの整備士でございます!
 あの船に工作をしたなど、断じて、断じてそのような事は!!」
「わかっておるとも」
血の泡を飛ばし弁解する男へ、少女が優しく語り掛ける。
血で汚れた男の顔にそっと手を置く。
「おまえが見たというものを、この私に教えてはくれんかの?」
自分に微笑みかける少女へ、男は歯の折れた口でおずおずと語りだす。
 
「私が、レキシントン号で最後の点検をしていた時のことです。
 突然の爆発音に動力室へ駆けつけた私の前に、アレが、いたのです。
 アレは、あなた様と同じくらいの幼い娘の姿形をしてはおりましたが、、、
 炎に照らされたその髪は燃えるように真っ赤で、私を背中越しに
 振り返ったその瞳も真紅そのものでした。 そして、、、」
 

750 :確率世界のヴァリエール-8:2009/10/26(月) 21:30:50 ID:???
うつろに前を見つめたまま、男が息を呑む。
「そして、その頭の上には、、おお、恐ろしい、、、
 太く短くささくれ立った二本のツノが生えておりました!
 アレは古い話に伝え聞く、始祖ブリミルの加護を捨て、
 悪魔と契約を交わした邪なるメイジ、『魔女』に違いありません!
 きっと追い詰められた王党派の連中は、悪魔と手を結んだのです!

 そしてその『魔女』めは、私を一瞥するなり
 向こうを向くとそのまま消えてしまったのです。
 まるで初めから、『虚無』そのものででもあったかのように!
 あのような魔法、見たことも聞いたこともありません!
 あれは、、信じてくださいまし!
 あれは、『魔女』にございます!
 あれは、『虚無』の『魔女』の仕業にございます!」
 
「信じる、信じるとも」
目の前の少女がにっこりと笑う。
「じゃがの、もうちっと詳しく知りたいんじゃ。 だからの」
両手を男の頬に添えて、少女は口を大きく開く。
びっしりと乱杭歯の並ぶ、地獄のように真っ赤な口を。

「洗いざらいしゃべってもらおう、おまえの命に」

途切れ途切れの断末魔の声に、球帽の男は思わず顔をそむける。
ごとり、と床に落ちた干乾びた死体が、ずぶずぶと影の中に沈んでいく。
「ツノ、、、?  いや、これは」
もはや床には死体どころか血の一滴も残ってはいない。
真っ白い闇のような、少女の形をしたモノが球帽の男へ微笑みかける。
「クロムウェルや、私も逢うてみたいのう。

 その、 『虚無の魔女』 とやらに」


751 :確率世界のヴァリエール-8:2009/10/26(月) 21:34:45 ID:???
以上です。

残りのドリフ3人+呼ばれて無いのにアザラクティーチャー勢ぞろいです。
予定なかったのに書いてる途中で出てきました、字楽先生。

硬くなりがちだった話を字楽先生に救われました。

752 :マロン名無しさん:2009/10/26(月) 21:45:47 ID:???
ルーク・バレンタイン復活!ルーク・バレンタイン復活ッ!ルーク・バレンタイン復活ッッ!
乙です。色々面白い面々が出てきて今後が楽しみっす。
どうでもいいけど、これでアーカードが拘束制御術式使うと字面上なんだかややこしいことになるのな。


753 :マロン名無しさん:2009/10/26(月) 22:30:22 ID:???
模造品から劣化アーカードへと進化した綺麗なルークだと…!


754 :マロン名無しさん:2009/10/26(月) 22:40:12 ID:???
ルークってこんなキャラだっけか?

755 :マロン名無しさん:2009/10/26(月) 22:40:46 ID:???
子安さんって確かTV版の時にアーカードのオーディション受けてたけど
ルークに回されたんだっけ

756 :マロン名無しさん:2009/10/26(月) 22:48:53 ID:???
なんというか、呼ばれる=ドリフってのが定着しつつあるな

757 :マロン名無しさん:2009/10/26(月) 23:16:57 ID:???
ルークには子安補正がかかってる!

758 :マロン名無しさん:2009/10/26(月) 23:27:32 ID:???
旦那からワンワンを持っていっちゃうのは凄いわ

759 :マロン名無しさん:2009/10/26(月) 23:45:16 ID:???
ワンちゃんがやられたとき支配権が切り替わったとかそんなこと言ってたけど
ルークの方が支配力が高かったらワンちゃんの代わりにルークが飛び出してきたりしたのだろうか

760 :マロン名無しさん:2009/10/26(月) 23:54:44 ID:???
単純にワンちゃん優位の支配率がワンちゃんが死んだことによってアーカードに移ったものの、
丁度良くアーカードが零号開放中だったから、出て来ちゃっただけじゃね?

761 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 00:10:35 ID:???
インタビュー的には
ルークはアーカードに食われたわけじゃなく犬ちゃんに食われたわけであり
あの流れでアーカードの支配力が弱くなったので出て来ちゃったそうだ

うん・・・よくわからんね
もしかしたら3424867人の命をも無理やり抑え込む支配力を持ったアーカードよりも
ルークの支配力が上回れば犬とアーカードごと乗っ取れるかもわからんw

762 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 00:34:00 ID:???
まあこの作品的にはお兄たま召喚のドサクサに紛れて掠め取ったってとこかね。
自分はシュレ離脱の影響が大きいんじゃね?って思うけど
描写的にはシュレ召喚が最初っぽいが、それぞれのドリフ召喚時期が不明だからそのあたりは想像するしかないわな。

763 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 01:13:11 ID:???
原作のラストだと兄ちゃんってワンコと合体したまま殺されたから、
あのケンタウロスみたいな姿で死の河の中にいたんじゃない?

あの姿で呼び出されたとしたらティファニアもビビっただろーなw

764 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 03:00:50 ID:???
それよりもなによりもシェフィポジションがもしかしたら原作でラスボスなのに主人公張ったあの方かもしれないということが問題だ

765 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 03:05:14 ID:???
天政会初代会長の山守義雄

766 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 03:06:21 ID:???
クエスチョンマークを忘れてしまった……
これは天啓だな、そんなもん付ける必要ねぇぜよ!っていう

767 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 03:55:05 ID:???
>>751
三点リーダの代わりに読点を使うのなんとかなりませんか?

768 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 08:12:49 ID:???
書き方は人それぞれ文句言っちゃ駄〜目!


769 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 10:33:13 ID:???
字楽先生のギャグマンガ補正が強力すぎる

770 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 11:01:44 ID:???
しかしシュレの予言通りに人がポコポコ死に始めたなあ
この村は助かったけどよそじゃ燃やされた所もあるだろうし
鬱展開にならなきゃいいが

771 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 12:26:11 ID:???
>>767
なんでそんなに気になるんだ、、、

772 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 12:27:49 ID:???
ゆとり臭いからじゃね

773 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 15:10:01 ID:???
脳内変換くらいできんのか

774 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 15:53:48 ID:???
ヤンヤンはどうしているのかね

775 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 16:46:45 ID:???
作者の言うような違いを…と、で感じる人がいるのかも疑問だけどなw

776 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 16:50:09 ID:???
スナゼロさんは来ないのかなー
6月の終わりに投下予定だったが既に……

777 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 16:51:08 ID:???
二行目はプレッシャーになるだけじゃないかしら……

778 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 17:17:43 ID:???
>>754
ルークはもともと強くなりたい・強い奴と戦いたい・それ以外はどうでもいい
ってキャラだから違和感ないなあ
それより旦那が本当に旦那だったらそっちの方が違和感あるわ

779 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 17:22:40 ID:???
強くなりたいなら、片っぱしからメイジを襲って「領民」に加えた方が良さそうだけどな
どうせこのルークは『死の河』できちゃうんでしょ?

780 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 17:43:50 ID:???
>>778
黒歴史版の旦那っぽいと思ったわ

781 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 17:44:52 ID:???
ルークは強くなりたいキャラとは微妙に違う気がする

782 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 17:53:32 ID:???
>>780
黒歴史版の旦那ってどんな感じ?やっぱりどことなくオサレなの?

783 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 18:10:02 ID:???
ルークにしろ旦那にしろ違和感バリバリでTV版を見てるみたいな気分にさせられそう

784 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 18:12:54 ID:???
黒歴史版って神父とかどうなったっけ?
旦那がオリキャラのダルシムと闘ってる時って何してた?

785 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 18:16:56 ID:???
TV版はほうれい線がすごく目立つ


786 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 18:35:55 ID:eASACz2i
確立世界の人ってETer?
武器的な意味で

787 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 19:40:04 ID:???
少なくともシュレが驚く程度には性格変わってるんだよな兄ちゃん
少佐やヤンと切れてたのとティファニアと一緒にいたせいか?
おっぱいパワーか?

788 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 20:00:48 ID:???
どう考えても作者パワーです

789 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 20:11:40 ID:???
>>779
基本的にメイジ=貴族なんだし
そんな事してりゃすぐに追っ手かかってしまいだろ

790 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 20:23:40 ID:???
バレようが無いと思うけどなあ……

791 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 20:36:36 ID:???
>>779
拘束制御術式がヘルシング家の改造手術によるものだとしたら、改造されてないルークに「死の河」は多分出来ないんじゃね?
そもそもルークの元々の性格ってどんなんだっけ?

792 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 20:41:40 ID:???
別に改造手術によるものじゃないんで

793 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 20:43:51 ID:???
>>791
どんな性格か分かるほど描写されてないような……

794 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 20:44:50 ID:???
>>791
領民のワンちゃんを使ってる時点で出来ると言ってるようなもんじゃね?

795 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 20:58:07 ID:???
片っぱしから村を襲うことで、さながら亀の甲羅を踏み続けるイタリア男の如く残機を稼ぎ
計画を練りに練って貴族を襲うことで、特に例えは見つからないが着実に戦力を増やす

強くなりたいだけならこれの方が良くね?
つーか、レコンキスタとかに混じって戦場で頂きまくれば良いんじゃね?
食べ放題で、領民が増えるよ!! やったねルークちゃん!

796 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 21:04:54 ID:???
>>791
まあそもそもだ、真性の吸血鬼ならまだしもドクの改造吸血鬼じゃ(ry

797 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 21:19:45 ID:???
でもバスカヴィルにいうこと聞かせたり、足元からズズズっとやって食ったりしてるからなあ……

798 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 21:23:18 ID:???
まあそういう設定改変なんだからいいんじゃね

どうあっても原作設定絶対っつーんならアレだけどね

799 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 21:32:22 ID:???
連続で投下あったのかと思ったら、お前らどんだけあんちゃん好きなんだよw

800 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 21:43:21 ID:???
>>795
そんなガツガツしてるルークは嫌だ

801 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 23:07:31 ID:???
あんちゃんがトップブリーダーになった

802 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 23:12:00 ID:???
犬泥棒か、犬に対して下剋上した感じのようなw

803 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 23:33:51 ID:???
つーかルークの性格改変についてはティファニアに惚れちゃいました、で
全部片付く話じゃないの?
そうとしか読めないんだが。

804 :マロン名無しさん:2009/10/27(火) 23:51:02 ID:???
>>783
ちょっと待て、お前TV版見てないだろ
旦那はともかくTV版ルークは原作ほぼまんまだぞ
ヘルシング邸襲撃もミレニアム設定が無いだけで追加エピ無い分OVAより原作準拠だし
当時のヘルスレやアニメスレでもこの話は評判良かったしヒラコーですらHPだかで褒めてた

805 :マロン名無しさん:2009/10/28(水) 00:18:43 ID:???
問題は淫獄ニートやら怪しげな電子チップやらが出始めてからだ……

806 :マロン名無しさん:2009/10/28(水) 00:41:15 ID:???
>>804
TV版を見ているようってのはTV版の二人って意味じゃなくて、
HELLSINGのTV版=黒歴史を見ているようってことが言いたかった。

807 :マロン名無しさん:2009/10/28(水) 02:38:14 ID:???
そういやTV版やった時ってヘルシング本部襲撃位迄しか原作が行って無かったんだっけ

808 :マロン名無しさん:2009/10/28(水) 03:41:14 ID:???
結局、旦那も呼ばれちまってるってわけかー。
しかし、旦那とジョゼフって気ぃ合うんですかね?

809 :マロン名無しさん:2009/10/28(水) 03:58:57 ID:???
そこで玉座に坐るイザベラ様ですよ

810 :マロン名無しさん:2009/10/28(水) 09:27:43 ID:???
>>807
リップ戦の辺りまで。TV版の予告にはきっちり少佐が出てくるのに
結局は無かったことにされたのも叩かれた原因の一つだな。

811 :マロン名無しさん:2009/10/28(水) 10:39:52 ID:???
>>808
どうだろね。ただアーカードも生前から狂王やってたしね。
面白い組み合わせだと思うよ?

812 :マロン名無しさん:2009/10/28(水) 11:30:16 ID:???
>>806
そもそも設定からして漫画版厳守じゃ無いでしょ
旦那をあのお方って呼んでるのはOVA要素だろうし
裏の世界で有名人ってのはTV版だろうし

813 :マロン名無しさん:2009/10/28(水) 16:08:59 ID:???
旦那は狂王だけど、ジョゼフのそれとは質が違うだろう。

アンデルセンにも負けない、絶対的な神への信仰心によるものだし。

814 :マロン名無しさん:2009/10/28(水) 17:04:51 ID:???
>>795
「仕事はクールにやるもんだろう。」
ってかそれほどの領民にルークは耐え切れるのだろうか、って問題もありそう。

815 :マロン名無しさん:2009/10/28(水) 17:54:25 ID:???
>>812
そもそもの意味が分からんけど、酷い改変だなってことよ

816 :マロン名無しさん:2009/10/28(水) 18:09:16 ID:???
そういうのは思うだけにして書かないようにしような

817 :マロン名無しさん:2009/10/28(水) 18:11:45 ID:???
>>814
強くなるのに必要な仕事だけやってる>>795の方がクールな気もする。
耐えられない分は殺せば良いだろうしさ。

818 :マロン名無しさん:2009/10/28(水) 18:13:31 ID:???
そもそもキスしたらシュレと一緒に移動できるようなトンデモSSで何を言ってるんだい?

            __,.-----.,___
          r'~:::::_,,,_:::::::::::::::ヽ
          |:::r'~  ~"""''-、::|                 ┌───────────┐
          |;;| ,へ、  ,.ヘ、.|::|                 │こんな はなしに まじに │
         r'レ'  .・ .::::::. ・  .'y^i                │なっちゃって どうするの │
         ゝ'、   '、___,'.  ,;'-'                 └───────────┘
           '、  ----  .,;'                                 、
            ';、     .,;'                                .!~二~7
              ̄ ̄ ̄                                  _7^[_,i

819 :マロン名無しさん:2009/10/28(水) 18:23:55 ID:???
そこは物語を構成する根本部分だから、キャラ改変とは違う気がするけどね。

>>817
最初から耐えられるように、予め仲良くしておいた奴を事故を装って殺して、表向き善意で取り込みました〜。
みたいなのが、一番クールだと思う。
そうすれば恨みつらみを聞かなくて済むし、セラスの中のルナ隊長みたく進んで協力してくれるし、話し相手にもなってくれる。

820 :マロン名無しさん:2009/10/28(水) 18:23:57 ID:???
シュレSSを読んでふと思ったんだけど、復興中のイギリスってどんな感じだろうな
チャリティーに熱心なスーパースター達が寄付をしまくったり、どさくさ紛れに悪さしている連中がいるんだろうか。

そしてインテグラ様が死んじゃったら、セラスと旦那はどうするんだろう?

821 :マロン名無しさん:2009/10/28(水) 18:26:40 ID:???
>そしてインテグラ様が死んじゃったら、セラスと旦那はどうするんだろう?

揃って、孫ウッドのとこにお世話になります^^
そして永劫続くペンウッド家の受難w

822 :マロン名無しさん:2009/10/28(水) 18:30:58 ID:???
>>819
まぁ、何がクールってのは人それぞれ違うという結論にしかならんのだろうな。
個人的には恨みつらみを聞かされることがあるのかが疑問でもあるしw
しかし、そのやり方じゃ1人しか食えないし、どさまぎに食うのも嫌がられてやりにくくならんか?

いけないルナ先生の場合は、セラスがそうしたいから好き勝手出来ているんじゃないかと思うし、
旦那から勝手に出てくる奴がいないのは、旦那がパネェからとも思うしなあ……

823 :マロン名無しさん:2009/10/28(水) 18:34:50 ID:???
>>819
まぁ、何がクールかってのは人それぞれ違うという結論にしかならんのだろうね。
しかし、そのやり方じゃ1人しか食えないし、どさまぎに食うのも嫌がられてやりにくくならんか?

恨みつらみを聞かされるってのもどうなんだろうな。
いけないルナ先生の場合は、セラスがそうしたいから好き勝手出来ているんじゃないかと思うし、
旦那から勝手に出てくる奴がいないのは、旦那がパネェからとも思うしなあ……。

824 :マロン名無しさん:2009/10/28(水) 18:36:26 ID:???
ぎゃあ! 書き込んだの忘れて弄ってた!
スマン、もしレスしてくれるなら>>822じゃなくて>>823で頼む

825 :マロン名無しさん:2009/10/28(水) 18:53:38 ID:???
>>821
家で好き勝手やられるのは嫌だろうけど、一応はオーダーとか出せちゃうわけだし、
次代になれば当主は旦那に鍛えられちゃうだろうから、財布のままの方が辛いんじゃねw
ということで、ペンウッド以外の円卓で持ち回りとかw

826 :マロン名無しさん:2009/10/28(水) 19:12:00 ID:???
>>815
ティファニアに召喚されて一緒に暮らす内に惚れちゃって性格がちょいと丸くなりました、ってのが
ひどい改変とは俺にはとても思えんが、「私のルークはティファニアに恋なんかしない!」ってこと?

827 :マロン名無しさん:2009/10/28(水) 19:30:36 ID:???
一緒に暮らす内にの時点で無理があると思わないのが不思議だわ
気持ち悪い決めつけするなよ

828 :マロン名無しさん:2009/10/28(水) 19:36:02 ID:???
地獄のような戦場で殺されたと思ったら
緑豊かすぎる田舎に居ておっぱい曰くあなたを召喚しましただろ
感謝とかどうとかは別にしてしばらくゆっくりしたいとか考えるんじゃないの

829 :マロン名無しさん:2009/10/28(水) 19:46:27 ID:???
>>825
役割分担は大事だよね
いつどれだけの無茶な要求をしてくるから分からないヘルシング機関の財布をやれる財力を保ったってのは凄いんじゃないか?
化け物を飼う家と、そこが使う武装やらの無茶な財源を確保する家は別の方が良さそう

830 :マロン名無しさん:2009/10/28(水) 19:54:54 ID:???
>>828
同意。
何か格好良く出てきた割にサクッとやられた兄やんがどうなるかは、描写が少な過ぎて何とも言えないと思うけど、
あんな状況から解放されて【ザ・癒し】な空間を用意されたらゆっくりしたいと考えるのは極々普通の流れだし、
兄やんは旦那たちみたいな化け物なノリでも神父たちみたいな狂信的なノリでもない、
普通のチンピラ兄弟なイメージだから、パイオツカイデーな癒し系のチャンネーにコロッと落されて、
貢ぎに貢いで借金を苦に身売りしてヘルシング機関の傭兵部隊に参加していても不思議ではないイメージ

とは言え、>>826になった奴が未だに力がどーとか言うかも矛盾を感じないでもないという諸行無常(言いたかっただけ

831 :マロン名無しさん:2009/10/28(水) 20:57:25 ID:???
このスレでルイズが召喚したのって、旦那、神父、ヤンの三人?
大尉でモフモフしたり、ウォルター爺さんに鍛えられたり、ドクで食に革命を起こしたりして欲しいわ。

832 :マロン名無しさん:2009/10/28(水) 21:02:14 ID:???
個人的にはマクスウェルに出てきてもらってあっけなく死んでほしい

833 :マロン名無しさん:2009/10/28(水) 21:31:55 ID:???
死んでほしいてw
そのままのマクスウェルなら、レコンキスタで調子に乗ってるのが目に浮かぶけどさw
ゲルマニアで成り上がるのは無理かな?

834 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/10/28(水) 21:56:07 ID:???
ばんは、投下します。

835 :ゼロのロリカード-48:2009/10/28(水) 21:57:15 ID:???
 アーハンブラ城内部はさながら迷路のようであった。
廃城であるが故に通れない箇所もいくつかあり、城内にいる兵士も少なくない。
そこを探索していくのは、決して容易なことではなかった。
ウォルターが死んだ以上、ルイズ達が生かされる猶予も一抹の保証すらもなくなった。
人質の所在を知っている兵士をようやく見つけ、エロ光線で操り案内させる。
アーカードとタバサが大きめの広間へと出ると、そこにはルイズとティファニアを含めた五人の人物がいた。

「待ってたよ」
「・・・・・・ウォルター」
つい先刻殺した筈の男が、特に何事もなさそうにそこにいた。

 アーカードの疑問に先回りするように、ウォルターは説明する。
「あれはスキルニルと言ってね、血を吸った者の姿形を再現する古代のお人形さ。
 尤も所詮はコピー商品、オリジナルの力を十分に発揮するには至らなかったかな。
 普通の人間なら完璧に近い再現率なんだけど、そこはねほら・・・・・・僕は強いからさ」

「左様か」
アーカードは「なるほど呆気なかったわけだ」と納得する。
と、不意に隣にいるタバサの凄絶な空気に気付く。
ジョゼフを前にして、タバサの内なる激情が膨れ上がっていたのだった。
アーカードはウォルターらの後ろにいる、ルイズとティファニアに目を向ける。
猿轡を噛まされ喋れないようであったが、視線を交わすだけでおおよその状態は把握できた。
特に目立った怪我もなく、目にも光がある。多少の疲労の色こそ見えるが、健康体のようである。

「貴様がアーカードか。虚無なしでヨルムンガントを破壊したことといい・・・・・・。
 話に聞いていただけで、半信半疑であったが・・・・・・本物の化物のようなのだなあ」
 

836 :ゼロのロリカード-48:2009/10/28(水) 21:57:34 ID:???
「ガリア王ジョゼフ・・・・・・と?」
アーカードはジョゼフに視線を向け、それからもう一人に目を移す。
「"ネフテス"のビダーシャルだ」
アーカードの疑問符に対して、ビダーシャルが帽子を取って自己紹介をした。
隠すつもりがないのか、特徴的な耳が露になり、彼の者がエルフであることを示している。
ヨルムンガントに反射を掛けたのも、このビダーシャルと言う男なのだろう。
 

「ぁあ・・・・・・こうして相対しているだけで、俄かにだが込み上げて来るモノを感じる」
心の底から・・・・・・本当に嬉しそうに、これ以上ないほど楽しそうにジョゼフは笑った。
恐怖。ビダーシャルと初めて会い、その力の一端を見た時と少し似ている。
似ているがその質は違った。虚無の担い手として感じた、宿敵に対する畏怖ではない。
人間本来が持ち得る、生きとし生ける者全てが感じ取るであろう原初の本能。
捕食者と被捕食者、搾取する側とされる側。絶対的強者を前にした弱者のそれ。

「本当に素晴らしい。生まれ落ちてこれまで、ようやく生の実感というものが湧いてきた気がするぞ」
「御託はいら――――」
アーカードの言葉を遮るように、タバサは数歩踏み出でる。
間に立ったタバサの、狂おしいほどに暗い感情が渦巻く冷眼。

 そこでようやくジョゼフは、意識外にいたタバサ――――。
それまで視界に入っていながらも、まるで見ていなかったタバサへと――――目を合わせた。
「シャルロットか、我が姪・・・・・・俺を殺すか?」
ジョゼフは猛禽の如き表情を浮かべ、タバサは無言で睨み続ける。
「良い・・・・・・、良き目だ。お前はシャルルの・・・・・・父と母の、良きところを受け継いでいるな」

 いけしゃあしゃあと父母を語り喋るジョゼフに、タバサの怒りが頂点に達する。
気付けばウィンディ・アイシクルを放っていた。
その氷矢の数は、普段のタバサが放てる限界をゆうに超えていた。
怒りによって引き上げられた魔力が、その感情が、タバサに足せる系統の数が増えたことを教えてくれた。
トライアングルからスクウェアへと変化した、タバサの強力無比な氷矢はその速度をも逸する。
 

837 :ゼロのロリカード-48:2009/10/28(水) 21:58:01 ID:???
 しかし氷の矢はジョゼフの手前でピタリと止まり、そしてそのまま床へと落ちた。
「カウンターだな」
アーカードの背中のデルフリンガーが囁くように言う。
「・・・・・・カウンターか」
アーカードはそれを敢えて聞こえるように言い、涼しげな顔をしているビダーシャルを見る。

「・・・・・・その通りだ、お前達の攻撃一切通ることはない」
人質を奪われないよう、大気に壁を張るように『反射』を掛けていた。
鼠一匹通る隙間もなく、目に見えない巨大な反射の壁は何物も通さない。
が、ビダーシャルは平静を装うものの・・・・・・内心は違っていた。
つい先刻、ヨルムンガントに掛けた反射が力尽くで破られたという事実に、少なからず動揺があった。
確かに反射のキャパシティを超えれば、理論上攻撃は通る。
だがそれを実際に可能にしてしまう圧倒的攻撃力など、想像だにしなかった。

 先住魔法は系統魔法と違い、精霊と契約するという性質を持つ。
故に攻撃よりもむしろ、拠点防御でこそその真価を発揮する。
であれば、機動兵器であるヨルムンガントに反射を掛けるのは、本来発揮される効果よりも薄い。

 今現在展開している反射は、ビダーシャルが城中の精霊と契約した強力なものであった。
ヨルムンガントの反射を突破する攻撃力でも、通さない自負はある。
が、当然ビダーシャルは反射の精度の違いを、わざわざ相手に教えるような真似はしない。
そのような慢心だの余裕だのは一切見せない。
ヨルムンガントの反射を破ったことで、反射の効果を甘く見た相手を空転させる狙いもあった。
それほどまでに、警戒心を強める恐ろしき相手。
何よりも実際に目にして、それが間違いでないと確信に値する敵であると認識していた。


 と、ジョゼフは反射の範囲から進み出る。
ビダーシャルは目を細めるが、もはやジョゼフの奇行に対して進言するのは無駄だと悟っていた。
そして・・・・・・ジョゼフにとって、反射などなくても問題ないことも同時に承知していた。
 

838 :ゼロのロリカード-48:2009/10/28(水) 21:58:49 ID:???
 ジョゼフはそのまま歩みを進めると、落ちた氷の矢を踏みつけ音を立てて破壊する。
「シャルロット、まずはお前と戦おう。俺にはその義務・・・・・・が、あるしな」
そう告げると、ジョゼフは「さぁ来い」と言わんばかりに両手を広げる。

「開放していないアーカードとは闘いたくないんだけどなぁ・・・・・・」
ウォルターはそう言うと、次いで追従する。
アーカードにジョゼフとタバサの戦闘を邪魔させない為にも、その間は時間を稼がねばならない。
「なに、すぐ終わる」
そんなジョゼフの舐めきった態度に、タバサはギリッと歯を鳴らした。

 心を殺意が塗り潰す。さらに感情が、これ以上ないくらいに渦巻く。
次の瞬間には、ジョゼフの周囲を余すことなく氷の矢が囲んでいた。
部屋中の水分を枯渇させながらさらに氷の矢は増え、空隙を埋め尽くす。

 ウォルターはそんな状態のジョゼフに見向きすらせず、アーカードと対峙する。

 そしてタバサは感情なく杖を振った。それで決着。逃げ場はない。
数十本に及ぶ氷の矢は、間違いなくジョゼフを串刺しにする――――――。



「・・・・・・アンデルセン達は?」
「いい加減、私への殺意を抑えるのが限界らしい・・・・・・それに元々はここまで運ぶだけの関係、既に別れた」
すぐには闘わない、ウォルターからすれば命が無数にあるアーカードと戦っても益がない。

「一見して無事なようだが・・・・・・ルイズに手出しはしていないだろうな?」
「そりゃ、危害を加えたらまともに戦ってくれないと思ったからね、彼女達は五体満足だよ」
ジョゼフはまずタバサを殺すつもりであり、その間邪魔をさせないよう時間を稼げばそれでいい。
 
「もうここまで来ちゃったら・・・・・・零号開放は無理かな?」
「当然だろう。尤もアンデルセンがいなければ・・・・・・開放していただろうがの」
アーカードも、タバサとジョゼフの因縁の闘争に手を出すつもりはなかった。

839 :ゼロのロリカード-48:2009/10/28(水) 21:59:39 ID:???
 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
 二人共、時間を稼ぎたいという思惑は一致していた。
「まったくイレギュラーにも程がある・・・・・・まさかアンデルセンが一緒にやって来るとはね」
「その点に関しては私もかなり驚いた。まっ・・・・・・共闘も悪い気分ではなかったな」
「驚きの発言だこと。随分なお気に入りっぷり、思わず嫉妬したくなるよ」
「戯け、そりゃあ貴様みたいな糞餓鬼とは違う」


 アーカードは無手のまま歩き出す。
「さっ・・・・・・もう問答はよかろう。悪い子には仕置きが必要だしの」

 緩慢ながらも無造作に距離を詰めてくるアーカードに、ウォルターも戦闘態勢をとる。
ウォルターの手から伸びる糸は、空気を裂く音を立てて縦横無尽にアーカードを牽制する。
ただでさえ細いそれは、高速で動かせば吸血鬼の眼でも完全に見切るのは難しい。
伸ばせば長さは100m以上に及び、無数の糸は互いが互いを妨害することなく、それぞれ違った軌跡を描く。

 その動きは時に清流のように、時に濁流のように、流れるように敵に絡みつき、切断する。
胸ポケットから煙草の箱を取るような繊細な動作から、鉄をも軽々と両断する鋭さまで自在な調整。
編み込めば堅牢な盾にもなり、糸を埋め込めばマリオネットのように動かすことも出来る。
クロスレンジからアウトレンジまで距離を選ばず。こと応用力に於いても、無類の強さを発揮する。


 勢いのついた糸がアーカードへと、驟雨の如く降り掛かる。
全身を細切れにするべく襲い掛かる糸を捉え、アーカードは両手で掴み取った。
糸に伝わる力の流れを見切れれば、掴んだ手が切断されることはない。
とは言えそれは一瞬のみ。ウォルターが糸を操作する以上は、流れは常に変わりゆく。

 勢いの殺した糸をすぐに離し、間合いを詰める。
アーカードは身を屈めながら、さらに襲い掛からんとする糸を掻い潜る。
ウォルターの足元まで到達すると、下段にフェイントがかった蹴りを入れた。
フェイントと言えど、隙あらば膝ごと叩き折ろうかと思うほどの勢いのついた蹴り。
 

840 :ゼロのロリカード-48:2009/10/28(水) 21:59:57 ID:???
 ウォルターは下段蹴りに反応し、ステップを踏む。
すると直後に蹴りの軌道が変わり、低空から顎先目掛けて真っ直ぐ狙って放たれた。
バックステップしながらの、上半身だけを動かすスウェイバック。
紙一重で二撃目も躱すも、ボッと空気を焦がしたかのような耳障りな音が通過した。
耳の横間近に風圧が巻き起こり、嫌な汗が滲みでるのを感じる。

 しかしそこからさらに蹴りの軌道が変化した。
顔横の虚空を蹴り抜いた足が、ウォルターのテンプル目掛けて追い討ちの蹴りが薙がれる。
ウォルターは咄嗟に勢いよく背を仰け反らせながら、片手を地につけてバック転をした。
足が床につくと同時に床を蹴って飛び退りながら、アーカードへと攻撃を加える。
しかしそれはアーカードの頬皮膚を掠める程度にしか留まらなかった。

 アーカードが右手を左肩に置き、コキコキと首を鳴らす。
「ッおっと・・・・・・」
ウォルターの鼻先から血が出る。三段変化の蹴りの最後の薙ぎが掠っていたのだった。
再びあけられた距離、そこから互いの間合いを測りながら、アーカードの出方を窺いつつ、左袖で鼻血を拭う。
(ふぅ・・・・・・)
そしてウォルターは気を張ったまま、胸中で一息ついて心身を落ち着ける。

 今の自分はただの人間。急造吸血鬼でもなければ、当然アンデルセンのような再生能力もない。
アーカードの攻撃をまともに喰らえば、無論大ダメージは必至。
ティファニアの先住の水の指輪があるものの、悠長に使って治す暇もない。
(だけど・・・・・・)
チリチリと身を焼くような懐かしい緊張感。
一瞬の判断ミスが致命傷になりかねない、綱渡りのようなギリギリの命のやり取り。

 HELLSINGのゴミ処理係として、若い時分から化物共と戦ってきた。
引退して長いが、かつての経験が教えてくれる。化物との戦い方が、その感覚が戻ってくる。
『死神』と呼ばれたあの頃の自分が。
闘争することに狂喜を見出し、その衝動を抑えられない自分が。
 

841 :ゼロのロリカード-48:2009/10/28(水) 22:00:49 ID:???
 ウォルターの顔に知らず笑みが浮かぶ。
その様子を見たアーカードも、つられて口唇の端が上がった。



 ウィンディ・アイシクルは確かにジョゼフ貫く――――――筈であった。
「ああ・・・・・・シャルロット。お前はこんなにも俺を想い、殺そうとしてくれる」
タバサは背後の声に対し、瞬時に振り向き態勢をとる。
振り向く前に見たのは――――氷の矢が虚空を貫き、互いに衝突し――――粉々になりキラキラと輝く様。

「ッ!?」
ジョゼフの姿を見て、タバサは驚愕の声を飲み込み、すぐに飛び退き距離を取る。
「だがなあ、俺には何の感慨もない。お前の父を殺し、母を狂わせた時となんら変わらないのだ」
ジョゼフは何事も無かったかのように、饒舌に語り続ける。

 一方でタバサの脳内は混乱していた。
氷の矢は――――――ジョゼフを中心として、逃げ場など無く全方位に、確かに展開していた。
最初の時のように、『カウンター』で弾かれた様子もなかった。
あの状況から、傷一つ無く、一瞬で離脱し、しかも自分に全く認識されることなく、背後に回ったのだ。
(そんなこと・・・・・・不可能)

 しかし思考停止に陥るよりも早く、タバサの積み上げた経験が、術理を暴くべく頭を巡らせた。
遍在?否、虚無の担い手たるジョゼフは、系統魔法を使えない。ルイズの例から見てもそうだ。
スキルニル?否、その場合は人形が確実に串刺しになる筈。でもジョゼフは完全に掻き消えてここにいる。
虚無?瞬間転移か或いは・・・・・・時を止めた?だが詠唱していた様子はなかった。杖すら振っていない。
先住?ビダーシャルと言ったか、あのエルフが何かした可能性。しかし先住魔法と言えど、詠唱は必要とする。
だが・・・・・・『反射』のように効果が持続するものもあるし、それに先住魔法は自分の知識の範疇を超えている。
 

842 :ゼロのロリカード-48:2009/10/28(水) 22:01:36 ID:???
 タバサはこれ以上考えても無駄であると悟る。
術理を解き明かして攻め潰すよりも、それにどう対処し守るかを考え始める。
ジョゼフを殺さねばならないのに、守勢に回るのは遺憾であった。
しかし、それも仕方ない。確実に殺す為に、今は回避と防御に専念し相手を探る。
冷たい激情に委ねるのではなく、本来の自分の戦闘スタイルを思い出す。

「・・・・・・不思議そうな顔をしているな?」
タバサの微妙な表情の変化に気付いたジョゼフが、そう言った。
「考えあぐねているようだな。しかしそれでいて集中力を切らさず、すぐにでも対応できるように備えている。
 洗練された・・・・・・非常に優秀な戦士だ。だが迷いはいかん、先刻までの殺意に溢れていたお前が薄れているぞ」

 ジョゼフは忠告するように言い、さらに続ける。
「・・・・・・この俺がどうやってあの状況から脱したかで、迷い悩んでいるのだろう?
 このまま激情の薄れたお前と戦ってもつまらんからな・・・・・・、だから教えてやろう。
 至極、簡単なことだ。俺は極々普通にお前の放った氷の矢をどけ、ここまで歩いてきたに過ぎん」

 タバサの頭がぐるぐると回る。
それは、つまり・・・・・・時を止めたとでも言うのか。詠唱も無しに・・・・・・?

「『加速』と言ってな、俺の虚無だ。俺にはな・・・・・・お前達が止まっているように見える。
 そう・・・・・・俺だけが違う世界にいるようだ。・・・・・・まるで、世界に取り残されたような感覚だ。
 しかしそれでも『加速』と言う。全くブリミルは俺を急かしているのか・・・・・・皮肉なものだ」

 タバサの目が見開かれる。
わざわざ自分からネタをバラしてくれるとはありがたい。嘘をついている様子もない。
つまりは・・・・・・思考加速も付随した、時を止めたかのような超高速移動。
人智を越えてはいる、しかしその術理がわかれば対処できないものでもない!!

 

843 :ゼロのロリカード-48:2009/10/28(水) 22:02:04 ID:???
「だから・・・・・・俺はな、シャルロット。この身が朽ちるまで生き急ぐことにした」
タバサはジョゼフが喋っている間に、声を小さく唇を読まれないよう詠唱する。
詠唱を終えたタバサが杖を振ると、巨大なアイス・ストームがジョゼフの周囲に展開し始めた。

(転移じゃないのなら・・・・・・)
そうだ、飽くまで高速移動であるなら、無数のウィンディ・アイシクルよりも高密度で囲めばいい。

「・・・・・・なるほど、考えたな。このまま狭まれば、程なくして俺は切り刻まれるやも知れん。
 先程の氷矢と違い、隙間も無いから『加速』で退避することも出来ん。触れることも適わぬ」

 しかしジョゼフの声色に焦りはない。
大量の魔力が込められ、スクウェアの威力を持ったトライアングルスペルが。
吹き上がる氷嵐が、ジョゼフを襲わんと・・・・・・大気を震わせうねりを上げて狭まっていく。
ジョゼフは悠々と杖を取り出し、ルーンを唱え始めた。
だが・・・・・・氷嵐が吹き荒れる所為で、タバサの耳には届かない。

 氷嵐が狭まり、ジョゼフを切り刻まんとするその瞬間。タバサの目前で爆発が起こった。
ジョゼフと、氷嵐を間にはさんでタバサとの直線上、その丁度中間で『エクスプロージョン』が炸裂したのだった。
氷嵐は『爆発』の余波で消し飛ぶ。
そしてタバサの小さな躯は・・・・・・呆気なく吹き飛び、気絶した。

 皮膚が爆ぜ、服は血に染まり、内臓器官にも大きなダメージを残し、最早虫の息。
それでもジョゼフは、己が手で直接タバサにトドメを刺さんと『加速』を使って近付く。
ゆっくりとした動作でナイフを取り出し、しゃがみ込んでタバサを見下ろした。
それは憐憫か、ジョゼフはようやく感情が少しだけ入り混じった瞳を浮かべる。

「さらばだ、シャルロット」
ジョゼフは別れの言葉を告げると、振り上げたナイフを首筋に向かって振り下ろした――――――。

844 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/10/28(水) 22:04:54 ID:???
以上で終了です。
毎回まとめの方ありがとうございます。

本スレでも話題になってますが、ヒラコーブログが消えて……何やら一悶着あったみたい?
ドリフやHELLSING外伝の行方が気になるところです。

ではまた、近い内に。

845 :マロン名無しさん:2009/10/28(水) 22:56:38 ID:???
ゼロリカさん乙です

ヒラコー、いつもの発作だと良いが、編集がらみか…

846 :マロン名無しさん:2009/10/28(水) 23:29:15 ID:???

やっぱ速さは力だな
ベタな展開としてはタバサを誰かが助けるというところだが……

847 :マロン名無しさん:2009/10/28(水) 23:31:47 ID:???
ついに俺の出番か

848 :マロン名無しさん:2009/10/28(水) 23:54:43 ID:???
お前は秘密兵器だから、まだまだ出番じゃない

849 :マロン名無しさん:2009/10/29(木) 00:08:46 ID:???
ろりおつ。

加速ってどんなもんなんだ。ロリカードでも手が出せん程早いのだろうか。

850 :マロン名無しさん:2009/10/29(木) 01:07:49 ID:???
速さに定評のあるルークさんvs加速ジョゼフと聞いて

851 :マロン名無しさん:2009/10/29(木) 17:59:07 ID:???
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org315357.png
拾い物ですが一服の清涼剤になるといいな、と思います

852 :マロン名無しさん:2009/10/29(木) 19:01:07 ID:???
ごっつぁんです


853 :マロン名無しさん:2009/10/29(木) 21:01:32 ID:???
何故いつも私が編集しないとwikiに載らないのか

人がいないわけでも無いのに、、、

854 :マロン名無しさん:2009/10/29(木) 22:12:05 ID:???
>>853
はいはい、いつもご苦労様です。

855 :マロン名無しさん:2009/10/29(木) 23:22:06 ID:???
かまって欲しいわけじゃなくて好きならやれよって事が言いたかっただけ

856 :マロン名無しさん:2009/10/29(木) 23:35:21 ID:???
>>851
剥きたい

857 :マロン名無しさん:2009/10/30(金) 00:05:39 ID:???
じゃあ最初からそう言えば良い話だろ?
いちいちそんな報告なんかやらんでいいよ。

858 :マロン名無しさん:2009/10/30(金) 00:09:56 ID:???
まぁええやんか。

話変えるけど、ヘルシングで公式人気投票やってたらどうなったかな。
最終回後を想定したとして。

859 :マロン名無しさん:2009/10/30(金) 00:26:39 ID:???
ネット投票なら山もかルークが1位になりそう
ハガキならアンデルセンあたり?

860 :マロン名無しさん:2009/10/30(金) 07:48:22 ID:???
シュレ「僕には熱いパトスが集まりそうな気がするなぁ」


861 :マロン名無しさん:2009/10/30(金) 09:06:02 ID:???
シュレSSのせいで俺の中でシュレはすっかり女装キャラ
どうしてくれる

862 :マロン名無しさん:2009/10/30(金) 19:33:58 ID:???
視野が広がって良い事じゃないか(ブロッケンブラッドを差し出しながら)

863 :マロン名無しさん:2009/10/31(土) 01:25:15 ID:???
ブロッケンブラッド……?
ベルリンの赤い雨か!

864 :マロン名無しさん:2009/10/31(土) 08:27:47 ID:???
いいえ
女装と男の娘に命をかけるアホ漫画です

865 :マロン名無しさん:2009/10/31(土) 16:59:38 ID:???
……ちんぽ舐めていいよか!

866 :マロン名無しさん:2009/10/31(土) 18:35:51 ID:???
それアニマル

867 :マロン名無しさん:2009/10/31(土) 18:38:20 ID:???
アニマルってヤングアニマルはあんのに少年アニマルはないのな

868 :マロン名無しさん:2009/11/01(日) 08:00:49 ID:???
少年はチャンピオンだからな

869 :マロン名無しさん:2009/11/01(日) 14:51:26 ID:???
ヤングチャンピオン涙目w

870 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/11/01(日) 22:48:50 ID:???
どうも、では投下します。

871 :ゼロのロリカード-49:2009/11/01(日) 22:49:40 ID:???
「さらばだ、シャルロット」
ジョゼフはナイフを振り下ろす――――――。
タバサの首筋にナイフが突き立てられようとする刹那、ジョゼフは悪寒を感じた。

「ジョゼフッ!!」
同時に聞こえたウォルターの声と、己に向けられていた殺意に識域下で反応する。
『加速』によって瞬間的に距離を大きく取ると、先程まで自分がいた位置に銃弾が通ったのだった。

「あっぶねえ・・・・・・」
ジョゼフが避けたことに、ウォルターは安堵の息を吐く。
既にアーカードの銃はジョゼフには向けられていない。銃口は既に虚空を揺蕩っていた。
何故ならば――――――アーカードの体躯が、変容し始めていたからであった。
少女の姿は黒き影に染まり、肉が、骨が、ぐちゃぐちゃに変形し、シルエットを保たなくなる。

 つい先刻までは普通に戦っていた。
が、タバサの危機に応じてジョゼフに攻撃を加えると、同時にリミッターを解除したのだった。
「う・・・うわー、おっかねえ・・・・・・」
目の前の異形を注視して、ウォルターが率直な感想が漏れる。
「ほお・・・・・・まさに化物だな」
アーカードを見たジョゼフも、そんな言葉を漏らした。
少女姿の威圧感だけでは、いまいち実感が湧かなかった。
だが、今は違う。不定形に揺れ動く化物のそれを見て、ようやく視覚的にも認識することが出来た。

 

872 :ゼロのロリカード-49:2009/11/01(日) 22:50:01 ID:???
 幼い少女の姿で、微笑みかけるわけでもなく。
精悍な男の姿で、倣岸に不遜に佇むわけでもなく。
歴戦の戦人の姿で、感傷たっぷりにひざまずくわけでもなく。
拘束制御術式、第参号、第弐号、第壱号を開放し、異形の化物と化したアーカード。
最早ジョゼフの興味は死に掛けのタバサではなく、完全に眼前の吸血鬼へと向いていた。

 無数の見開かれる目、眼、瞳。
数え切れぬほどに蠢き、複雑に絡み合う百足。
体躯を木に見立て、枝が生えるように揺れる巨腕。
そして不気味に唸り、時に咆哮を震わせる二匹の黒犬獣。
黒い影が空間を支配し、死の気配が部屋中に充満する。


「ビダーシャル!」
ウォルターはエルフの名を呼んだ。
321号を完全に開放をしたアーカードは、ジョゼフと二人掛かりでも危険極まりない。
玩具を前にした子供のように笑うジョゼフが満足するまでは――――――。
非常に骨が折れるが、とりあえず死なせないように闘い続けなければならない。
その為に、ビダーシャルの助力があるだけでも幾分か楽になる。

 そして・・・・・・林立する黒き巨大な影腕が動いた。
ウォルターは思い切り後方に跳びながら、ギリギリで絡めた糸で切り刻む。
ジョゼフは加速で以て、追尾する巨腕を躱し続ける。
ビダーシャルは部屋全体に広げていた反射の範囲を、自分へと集中させて防ぐ。
防御に徹っせざるを得ない所為で、攻撃をする暇はない。

「フフッフフハハハハハッ!!げに恐ろしく、そして素晴らしい!」
ジョゼフは哄笑する。
「ったく、ざけんなよ。付き合わされるこっちの身にもなれっての!!」
ジョゼフの様子を見て、ウォルターは半眼で舌打ちし叫ぶ。
ビダーシャルもウォルターの悪態に心の中で同意する。
しかしジョゼフは聞く耳を持たず、戦闘を停止するつもりは毛頭ない。

873 :ゼロのロリカード-49:2009/11/01(日) 22:51:28 ID:???
 
 俄かに残っていたシルエットが、少女を形作る。
「ん〜む・・・・・・速い、凄い。やるのう、おぬしら。実に美事也」
ウォルターの実力は概ねわかっている。
だが、ジョゼフとビダーシャルの実力も相当なものだった。
虚無と先住、その強さは流石の一言である。
回避に特化した『加速』、防御に特化した『反射』。
猛攻を加えつつも、未だに捉えきれないでいた。


「・・・・・・が、終わりだ」
呟くアーカードの小さい声を、ジョゼフ、ウォルター、ビダーシャル。
三人が聞いた――――――その時だった。
一度だけ床が・・・・・・城全体が揺れるような錯覚を、ウォルター達は覚えた。
否、それは錯覚ではなかった。

      ・ ・
 最初にそれを理解したのは、ビダーシャルであった。
時間稼ぎのみならず、誘導までされていたことにも、瞬間的に悟り気付く。
       ・ ・ ・ ・ ・ ・
 すぐさま奪い返そうと、カウンターの割合を全て自分に振ってアーカードの攻撃を防ぐ。
同時に、新たな先住魔法で城を形作っている石材を操った。
石は泥のように溶解し、次いで粘土のように新たな形を作る。
                    ・ ・
 形成された大きな石の手は、階下へと伸びる。
が、それは投擲された銃剣によって脆くも粉砕された。

 そこでようやく、ウォルターも変化した状況に気付いた。
しかしアーカードはさらにギアを上げ、苛烈に攻め立てウォルターの行動を縛る。
ビダーシャルには影巨腕だけでなく、二匹の黒犬獣バスカヴィルの顎門が迫る。
反射のおかげで押し留められるものの、そのまま押し潰され喰われるやも知れぬ圧力も同時に感じる。
そんな感情が頭の中を過った所為で攻撃の手が止まり、それ以上防御以外の自由が許されなかった。

874 :ゼロのロリカード-49:2009/11/01(日) 22:52:38 ID:???
 
 尤も加速を使えるジョゼフだけは、唯一アーカードの攻撃をいなして動くことが出来た。
が、ジョゼフはアーカードしか眼中になく、異変に対して全く気に留めなかった。


  ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
 床が抜けて階下に落ちたルイズとティファニア。――――――作戦は成功した。

 アンデルセンは、憎悪や嫌悪感からアーカードと別れたわけではなかった。
救出という唯一にして絶対の至上命題の為に、今なお協力している最中であった。

 二組に分けた救出チーム。主戦力たるアーカードとアンデルセンをそれぞれ筆頭に。
錬金を使えるタバサとフーケが、それぞれ別々に分かれる。
さらにアーカードと念話で交信できるアニエスを、アンデルセン組に組み込む。

 チームはそれぞれ二手に分かれて念話で情報を交換し合い、ルイズとティファニア及びタバサの母親を探す。
ルイズとティファニアを先に発見した方は、囮になって時間を稼ぎつつ念話ですぐに位置を知らせる。
残った一方は急行し、安全且つ的確に救出する為に錬金で床或いは天井を抜いて救出する。
それぞれの役割、誰が欠けても成り立たぬ作戦。二チームだからこそ突ける敵方の隙。
以上が救出作戦の概要であった。

 ルイズとティファニアはフーケに連れられ、アンデルセンに守られながら、早々に外へと飛び降り脱出する。
そして一陣の風が横切ったかと思えば、瀕死のタバサを丁寧に抱え、アニエスはそのまま部屋から飛び出した。
アーカードが予めタバサも回収するよう、念話で伝えておいた故の・・・・・・完璧に統制された連携。
タバサの母親も既に見つけて、救出していることも念話で伝えらている。
これで、達成すべき事項は全てクリアされた。


 アーカードはもう足止めの必要はないと、攻撃の手を止める。
少女のシルエットがよりはっきりとしてきて、背後には大きく黒い血色の影が蠢く。
「・・・・・・見事な手際だな」
既に終結した状況を見て、ようやっと全てを理解したジョゼフが感心する。

875 :ゼロのロリカード-49:2009/11/01(日) 22:53:14 ID:???
 
「ふむ、このまま貴様らを殺してしまってもいいが・・・・・・さて」
アーカードが首を傾げながら、ジョゼフらを眺める。
アンリエッタに、戦争を起こさせないよう努めると言ってしまった手前。
タバサには悪いが、ジョゼフを含めて全員を殺しておくに越したことは無い。
今ここで後始末をしてしまえば、それで全て片がつく。
「んむ。やはり三人仲良く十万億土を踏み・・・・・・もとい、地獄へと下ってもらおうか」

 ウォルターは心の中で舌打つ。
このまま闘う場合、長引けば長引くほどアーカードにとって有利になる。
既に日は完全に落ちている。夜に正面から不意も打たずに、吸血鬼に戦いを仕掛けるのは愚者だ。
夜が暗く落ち、黒く染まり、闇が深まれば深まるほどに、彼の者の支配も強く濃くなる。

 何よりも零号開放をしていないアーカードを殺し切るには、何万、何十万、何百万と心臓を貫かねばならない。
しかも321号開放中で無形とも言えるアーカードは無敵に近く、一度殺すのすら困難を極める。
そしてさらには・・・・・・、三人が無事に逃げられる可能性すら正直低い。

 個別に狙われた場合、自分とビダーシャルが逃げるには非常に難しいものがある。
唯一、加速で確実な離脱が可能であろうジョゼフは、闘争意欲に溢れている。
加速は極めて強力な虚無魔法ではあるが、無敵ではない。
零号開放させる手段は完全になくなり、闘うのも逃げるのもジリ貧である。
悟ったウォルターは、闘争でも遁走でもなく第三の手を使う。即ち『交渉』。

「さぁさ、首置いてけ」
アーカードのシルエットが、再度溶けながら背後の影と同化し始める。
「ちょっと待った」
ウォルターはアーカードを制止し、ポケットから杖と指輪を取り出した。
崩れかかる体から腕を伸ばし、アーカードは投げ渡されたそれらをキャッチする。

「ルイズの杖と、ティファニアの指輪だ。タバサの傷は深刻、だろう?
 その指輪なら死んでなければ重体でも治せる。・・・・・・急がないと間に合わなくなるよ」
 

876 :ゼロのロリカード-49:2009/11/01(日) 22:53:35 ID:???
 先住の水の魔法が込められた指輪。ティファニアの母の形見。
ティファニアを捕まえた時にジョゼフが奪った物で、ミョズニトニルンである自分が預かった。
その強力な治癒効果ならば、重体のタバサを治すのもそんなに難しくはないだろう。
魔力を上げるポーションで廃人となったメイジすらも、簡単に治せたのだ。

 ジョゼフもビダーシャルも、まだまだ利用価値がある。
己の目的の為にも、ここで死んでもらうわけにはいかない。
当然自分も死ぬわけにはいかない。

「ふむ、これで・・・・・・お前達を見逃せと?」
「悪くない取引だと思うけど?・・・・・・アーカード、君はあの子を気に掛けてたみたいだしね」
タバサがトドメを刺されそうになった時に、ジョゼフに銃を撃って阻止した。
それはアーカードがタバサを死なせないよう、横槍を入れた行為に他ならない。
指輪で治すにせよ、仮に吸血鬼にするにせよ、このままモタモタしてれば間に合わないだろう。
それらを見越した上での提示。


 アーカードは目を細める。
ウォルターが交渉に於いて、その場凌ぎの嘘をつくほど俗呆けしているとも思わない。
特に何かを偽ろうとしている感じもしない。
タバサの傷はパッと見であったが、確かに深刻であった。
土系統のトライアングルに過ぎないフーケの水魔法では、正直あれほどの傷を治癒するのには心許ない。

 自分と似通った面がありながら、まだ未熟なところこそあれ、強い人間であるタバサを吸血鬼に。
セラスやアニエスのように眷属に。自分と同じように、化物にしてしまうのは酷くつまらない。
そもタバサは意識がなく、己が意志で道程を選択させることすら出来ない。
 

877 :ゼロのロリカード-49:2009/11/01(日) 22:53:53 ID:???
 なればこそ、重傷すらも治すと言うティファニアの指輪というのは願ってもない。
ティファニアの指輪ということは、ティファニアであるならば扱えるということであろう。
「あいわかった。まぁよかろう、どの道このまま決着をつけてもつまらんしな」
長く考えていては、助かるものも助からない。決断は早い方が良い。
それに・・・・・・折角の戦争だ、やはり楽しまなくては損というもの。
丸くなったとは言っても、己の本質は化物であり、全く以て度し難い戦争狂であることに違いはないのだ。

 アーカードはそれ以上何も言わず、杖と指輪をしまいながらくるりと背を向ける。
少女は無数の蝙蝠へと変わり――――――霧散するようにアーハンブラ城をあとにした。



 アーカードが消え、充満していた空気が元に戻ったところで、ジョゼフが口を開く。
「杖を・・・・・・隠していたのか」
失くしたと言っていた筈の、ルイズの杖をウォルターが隠していたことを言及する口調。
しかしウォルターは、特に反省するような態度もなく答える。

「主人を楽しませるのも執事の務め。ルイズは大成する、間違いない。僕は良く似た人間を知っている。
 だから今は・・・・・・その芽を摘み取ることのないよう、気を回したに過ぎない。
 ってのは嘘じゃないけど建前で、まぁぶっちゃけちゃうとさ・・・・・・ルイズに危害を加えられたら困る。
 アーカードが零号を開放した時に、僕と闘ってくれなくなったら困るからね。
 だから要すると、杖は僕の目的の為に、僕の判断で隠した。僕の勝手な意思でね」

 ウォルターは気持ちやや警告するような物言いで続ける。

「それと・・・・・・僕らの関係は、ギブアンドテイクであることをお忘れなく。
 アーカードを見つけたことで、僕はあいつを倒すと言う目的が出来た。何物にも譲れない目的さ。
 今も執事として仕えているのは、必要だと思うから。不要と判断したなら遠慮なく去るつもりだし。
 もしも目的の障害と為り得るのであれば、僕は容赦なくそれを取り除くよ。
 ・・・・・・さて、以上を踏まえて僕を解雇する?ペナルティでも課す?厄介者だと殺す?」
 

878 :ゼロのロリカード-49:2009/11/01(日) 22:54:09 ID:???
 ジョゼフは微塵にも悪びれないウォルターの減らず口を笑う。
「ふはっははははははっ!!いや・・・・・・構わぬさ、最初から咎めるつもりもない」
「そうかい。じゃあこれからも良好な関係を続けられそうかな」


 笑い合うジョゼフとウォルターを、ビダーシャルは狂人を見る目で眺めていた。
そして思い返す。先ほど相見えていた、ドス黒い邪悪をそのまま顕現させたような存在。
エルフ種族と同じく先住魔法を扱う吸血鬼とは全く違う・・・・・・別種の吸血鬼アーカード。

 それなりに長く生きてきたが、あれほどまでの化物はついぞ見たことはなかった。
(悪魔の力よりも・・・・・・恐ろしい悪魔かも知れんな・・・・・・)
ある種『虚無』よりも畏怖すべき怪物。
ウォルターの話では、さらに死した者を飲み込み、領民とし軍勢にする死の河というものがあるらしい。
今回はそれを引き出す目的もあったようだが、結局それは為らず見れなかった。が――――――。

(見ずに済んで良かったのだろう・・・・・・)
元々エルフは争いを忌避する。同胞のみならず、他の生物が死ぬことも好ましく思わない。
だがジョゼフと契約した以上は――――――ウォルターを含め、彼らが望む争いに付き合わねばならない。
さらに戦火を拡大させかねない手助けすらしている。だがそれも、悪魔の力を復活させない為に必要なこと。
ビダーシャルは眼を瞑ると、諦観を込めた溜息をついた。


(ふぅ・・・・・・)
ウォルターは胸中で嘆息をつく。
結局・・・・・・零号開放はされず終いで、ルイズも奪還されてしまった。
(少し慎重になり過ぎたな・・・・・・)
アーカードの機嫌を損ねない為に、気を遣い過ぎた。
故にルイズと言うカードの切り方を誤ってしまった。
 

879 :ゼロのロリカード-49:2009/11/01(日) 22:54:27 ID:???
 本来第一であった目的は、ジョゼフの気まぐれな虚無集め。
第二目的はヨルムンガントのテストであり、そんな命令に便乗する形で零号開放を目論んだ。
アーカードのことや零号開放について、ジョゼフ達に説明をしてはいたものの要領を得ず。
結局大した準備も出来ず、軍備も整わず、行き当たりばったりな面が多かった。
そして何よりも、アンデルセンという不確定要素が紛れ込んできたのが、完全に予想外。
ましてアーカードと協力するなんて、確実に思慮の外だった。

(それに正直・・・・・・)
改めて真正面から戦って認識させられたことがある。自分の力は・・・・・・全盛期には程遠い。
外見的にも、丁度ワルシャワでアーカードと共に戦った時くらいだし、強さもその頃の程度である。

 ミョズニトニルンの力で誤魔化していたが、個の強さではアンデルセンや大尉にも及ばない。
アーカードとのタイマンでも、遊ばれていた感が強かった。
今のままでは、アーカードに零号開放をさせたところで、己が実力だけで殺し切ることは出来ない。
そして仮にミョズニトニルンの力を使い勝ったところで、不完全燃焼で終わるのは目に見えている。


(どうせ召喚されるなら、もっと年食った強い時期が良かったな・・・・・・)
尤も死んだ筈の自分が召喚され、またこうしてチャンスが与えられているだけ御の字というものである。
これ以上、文句も愚痴も贅沢も言える筈もなかった。

「さって、これからどうする?」
「これから・・・・・・か・・・」
ジョゼフは顎鬚をさすりながら考える。
素晴らしい"化物"だった。虚無であった心が、ほんの幾許かであったが満たされる気分だった。
だが、零号開放とやらは適わなかった。"あれ"が引き起こす地獄というものも是非見たかった。
"アーカード"の存在が、聞きしに勝る恐ろしさだったが故に、非常に悔やまれる。
間違いなくさらに心が震えてくれたことだろう。
 

880 :ゼロのロリカード-49:2009/11/01(日) 22:54:53 ID:???
 ――――――なれば、することは一つ。
しかし・・・・・・トリステイン一国には戦力過剰。

(そうだな・・・・・・常々気に入らないロマリアも、この際ついでだ)
どうせ見るなら、極みに極まった地獄に限る。
ふと見れば、ウォルターの何か思惑を含んだかのような笑み。
考えていることは・・・・・・同じのようだった。
地獄を見るに手っ取り早く最適な方法。

「いいだろう・・・・・・ならば戦争だ」





 シルフィードは安心した様子で夜空を飛んでいた。
タバサの容態は非常に危険なものだったが、指輪に宿る先住の水魔法のおかげで一命を取りとめた。
意識はすぐには戻らないものの、とりあえず後遺症や命の危険もないということだった。
タバサの母も無事助け出していて、万事上手くいったと言ってよい。

 幼生であるシルフィードは八人と棺桶を乗せて、長時間飛行することは出来ない。
道中休みながらも、国境を越えて学院へと戻った。

 アンデルセンは、またいずれ決着をつける旨をアーカードに告げる。
知人に預けていて今もテファのことを心配しているであろう、他の子達を安心させる為もあってか。
フーケとティファニアと共に、早々にアルビオンへと帰っていった。
 
 アンリエッタ女王陛下への報告は、アニエスが一人ですると言い、その心遣いに甘えることにした。
ルイズは束の間の平穏だろうことは薄々感じてはいたものの、今はただ休むことにした。
 

881 :ゼロのロリカード-49:2009/11/01(日) 22:55:02 ID:???
 アーハンブラ城での扱いは丁重な方だったが、それでも肉体的にも精神的にもかなり疲弊していた。
シルフィードの上ではまともに休める筈もなく、体力の消耗を抑えるのが精一杯。
さらにアーカードとアンデルセンの、言葉に形容出来ない殺伐とした空気にも辟易した。
とにかく自分のベッドでゆっくり寝れることに感謝する。
睡眠一つにこれほど幸福を感じたのは・・・・・・魅惑の妖精亭の任務を終えた時以来だ。
色々と考えるのはとりあえず後回しにして、今は泥のように、ルイズは眠った。



 ――――――ルイズが寝ている間も、アーカードは黙々と"作業"を続けていた。
棺桶で寝ながら、自由な時間の大半を、その"作業"の為に、使い続ける。
いつ終わるとも知れぬ"作業"。それでもアーカードは苦にしない。

 終わりは見えないが、目的の為におこなっていること。
己が課したルールに沿い、己の決めた信念に従いやっていること。
それに・・・・・・面倒な"作業"ではあるが――――――。
――――――アーカードにとっては、娯楽を兼ねたものでもあった。

882 :マロン名無しさん:2009/11/01(日) 22:59:07 ID:???
ゼロリカ来てた!支援

883 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/11/01(日) 23:10:11 ID:???
以上です。支援どうもでした。まとめもありがとうございます。
ようやっと書き溜め分が尽きたので、次の投下はかなり後になってしまうかも知れません。

振り返ると、最初の投下は2007年の10月4日。2年も経過していて驚きです。
こうして続けてこられたのも、偏にヘルシングという作品の魅力。ゼロ魔のクロスSSの楽しさ。
そして何よりも皆さんの感想レスや支援絵などの、大きなご支援が励みになってきました。

ここまで地道に積み重ねてきて、次回からいよいよ最終章に入ります。最後までお付き合い頂ければ幸いです。
尚、プロットこそありますが辻褄合わせや原作との兼ね合いがあり、書くのは時間が掛かりそうです。
何よりゼロ魔の原作の方が進んでくれないと、手がつけられないところがあるので困りモノ……。
ですので、気長に待っていて下さればありがたいです。

それではまた。


>>849
ゼロ魔原作を見る限りですと、恐らくヘルシング勢でも加速中の手出しは不可能だと思います。

城の中で多数の兵士に囲まれた状態から、加速して一瞬で窓から外に出ていたりするので、
空気摩擦や自身の運動エネルギーなどを無視する、物理法則を超越した魔法です。
それこそ時を止める能力に近いものだと解釈してます。

>>853
いつも本当にありがとうございます。

884 :マロン名無しさん:2009/11/01(日) 23:21:33 ID:???
流石は戦巧者のアーカードか、ウォルターも何か吹っ切れてきてるし次回が楽しみです

885 :マロン名無しさん:2009/11/03(火) 10:58:18 ID:???
ゼロリカさん乙です
いよいよ全面戦争かー
思えば遠くへ来たもんだ

886 :マロン名無しさん:2009/11/04(水) 21:45:41 ID:???
ゼロリカ愛してる

887 :マロン名無しさん:2009/11/05(木) 15:35:02 ID:???
ロリカードがかわいすぎて生きてくのが辛い

888 :マロン名無しさん:2009/11/07(土) 10:18:09 ID:???
取り込まれればよくね?

889 :マロン名無しさん:2009/11/07(土) 10:47:09 ID:???
軟弱な日本人では良くて犬の餌だな

890 :マロン名無しさん:2009/11/07(土) 13:06:55 ID:???
アーカードの中って楽しそう

891 :マロン名無しさん:2009/11/07(土) 21:17:17 ID:???
様々な時代の様々な人種が取り込まれてるわけだし、核戦争後も真っ青な世界かもわからんよ
だからこそ、解放された時にある者は鬱憤を晴らすべく暴れまわり、ある者は自分より弱い者を作ろうと暴れまわる

892 :マロン名無しさん:2009/11/07(土) 21:50:28 ID:???
モヒカンがバイクを乗り回してsenkaしてそうだな
……もしかしてドリフの世界って旦那の中じゃあ

893 :マロン名無しさん:2009/11/07(土) 22:02:32 ID:???
旦那の脳内会議を思い出した、取り込んだ奴等に色々説教されてるの

894 :マロン名無しさん:2009/11/08(日) 20:34:59 ID:???
最後は飴の掴み取り大会だっけ?

>>892
皆で仲良く「志村ー!後ろー!」とか言ってれば問題も起きないな
解放時に暴れまくるのは「早く終わらせて続き見るぞー!」だな

895 :マロン名無しさん:2009/11/09(月) 00:18:38 ID:???
首おいてげぇええ な仲本工事とか怖いな

896 :マロン名無しさん:2009/11/09(月) 02:24:09 ID:???
ペルソナやるために、psp買ったの?

897 :896:2009/11/09(月) 02:40:55 ID:???
誤爆しました

898 :マロン名無しさん:2009/11/09(月) 04:56:00 ID:???
>>895
ドリフターズを指揮して敵を殲滅するいかりやさんも怖い
普段からメンバーに的確な訓練を詰ませ、いざ実践となれば自らも戦闘に立って戦い
敵を倒して終わりかと思ったら「次いってみよう!」だもん

899 :マロン名無しさん:2009/11/09(月) 08:33:21 ID:???
失敗したら「だめだこりゃ」ですね、わかります。

900 :マロン名無しさん:2009/11/09(月) 20:38:29 ID:???
レアキャラになんとかチュウがいるそうですね

901 :マロン名無しさん:2009/11/10(火) 23:46:43 ID:???
カミナリさ〜ま

902 :マロン名無しさん:2009/11/12(木) 12:06:15 ID:???
東村山

903 :マロン名無しさん:2009/11/12(木) 14:02:58 ID:???
狂信者さん、来ないね
せめて生存報告を・・・

904 :マロン名無しさん:2009/11/13(金) 12:05:15 ID:???
規制に巻き込まれてんじゃね?

905 :マロン名無しさん:2009/11/13(金) 17:52:26 ID:???
狂信者の人、半年以上投下ないでしょ
リアルで忙しいんじゃないかな?
タブル戦直前で止まってるから早く続きが読みたいのは自分も同じなんだけどね

906 :マロン名無しさん:2009/11/14(土) 13:57:22 ID:???
ヤンの人はこないのかしら

907 :マロン名無しさん:2009/11/14(土) 17:10:02 ID:???
一瞬ミラクルの人かと思った

908 :シュレの人 ◆VMp3BjBuLA :2009/11/14(土) 20:33:19 ID:???
お久しぶりです、シュレの人です

20:50頃から確率世界のヴァリエール第九話投下させていただきます

909 :確率世界のヴァリエール-9:2009/11/14(土) 20:48:38 ID:???
「騎士様、お待たせいたしました」
花屋の娘がにこやかに小さな薔薇の花束を差し出した。
ジュリア。 イシス。 ラブリーピンク。
健気に咲いたピンクの花たちに彼女の髪を思い出す。
「きっとお喜びになりますよ」
「そうだと良いが。 しばらく放ったらかしだったものでね」
そう言うとワルドは花屋の娘につられて笑った。
 
花束を抱えながら考える。
(やはり指輪の方が良かったか? 仮にもフィアンセなんだし。
 いや、再会していきなりは重すぎか。 それに、今日はこれもあるしな)
アンリエッタからの預かり物、懐の「始祖の祈祷書」に手を置く。 
(ここはじっくりと時間をかけて昔の距離を取り戻すのが
 最重要課題だ。 それにしても、あんなに、、、)
心の中で感涙にむせび拳を握る。
(あんなに成長しないでいてくれたとは!!
 あの時に思い余って手を出さなくて本当に良かった。
 ナイス俺! ナイス判断! ナイス合法ロリ!!
 いや、いかんいかんぞ、落ち着け俺、落ち着けジャン・ジャック。
 お前は世界をこの手に掴む男なんだ! そう、マニアもうらやむ、、、)
花屋の前で両手を広げ天を仰ぐ。
「禁断の世界を!」

 ※この物語はフィクションです。日本の法律では、同意があっても
  13歳未満の者と性行為をすれば強姦罪に問われ、18歳未満の者
  と性行為をすれば都道府県の淫行処罰条例に該当します。


確率世界のヴァリエール
Cats out of a Box - 第九話
 
 

910 :確率世界のヴァリエール-9:2009/11/14(土) 20:50:32 ID:???
「どどど何処よここっ!?」

ルイズは周りを見回した。
何も見えない。 目が開いているのかすら定かでない。
まるで突然に盲いたかの様な、明るくも暗くも無い灰色の世界。
そこに自分と使い魔との輪郭だけがおぼろげに浮かんでいる。 否。
そう感じたものを見えていると思い込んでいるだけなのかもしれない。
宙に浮いているのか、どこかに立っているのか、それすら判らない。
ただ、つないだ左手だけが、現実感を保っている。

光も無い。 闇も無い。
時間も距離も、天地すら無い。
確率世界の箱の外。 ここは。
「ここは、『虚無の地平』だ、、、」

「虚無の、地平ぃ!?」
「うん、ドクはそう呼んでたよ。 向こうでも何度か来ちゃった事があるんだ。
 あちこち飛び回ってると、ごくたまーに、ここに出ちゃうんだよねー。
 あ、ドクってのは少佐と同じで、向こうの世界の知り合いね。
 ドクが言うには、ここは世界の外なんだろうって。
 指定座標の範囲の外。 テクスチャの向こう側。 何処でも無い場所。
 『存在することを許されなかったもの』たちの逝き着く果てだって。」

(あ、私だ)

シュレディンガーの言葉に、懐かしい感情が不意に蘇る。
懐かしい恐怖、そして懐かしい孤独。 絶望の先触れたち。
彼が召喚されるまでは、彼の替わりに毎夜の枕を共にした、古い顔馴染み。
ずくり、とルイズの胸がうずく。
ちがう、もうこんな感情は必要ない。
ぶんぶんとかぶりを振ってそれらを頭の中から追い払う。
 

911 :確率世界のヴァリエール-9:2009/11/14(土) 20:51:46 ID:???
「ソレってつまりはあんたが『跳ぶ』のに失敗しちゃったって事?
 何やってんのよもう! 
 今日はワルド様が魔法の稽古を付けに学院まで来て下さる日なのに!」
「へー、ワルドとそんな事やってんの?」
「当ったり前よ! ワルド様みたく、こう、格好良く風のスペルを!」
「え? 使えるようになったの!?」
「なれるように努力してんの!」
「なーんだ」
「何だとはなに、よ、、、」
突然感じた圧迫感に、ルイズは自分の頭の上を見上げる。
「なに、これ、、、」

そこにあったのは、船だった。
認知可能な空間を覆い尽くすほどの膨大な質量に、ルイズは距離感を失う。
いや、そもそもここには距離などありはしないのか。
その途方も無い存在感に飲み込まれそうになる意識を何とか立て直すと、
その船以外にもさまざまな漂流物があった事に気が付いた。
大小の円盤。 1 : 4 : 9比の四角柱。 様々な人型の何か。 ひび割れた偏四角多面体。
「シュレ、これって、、、」
「うん、たぶんね。
 ルイズ、この前観てたスターウォーズの中にワープってあったでしょ?
 あれは作り事のお話だけど、あれと似たようなものだと思う。
 ここに漂ってるのは、『ここでは無いどこか』に行こうとして行けず、
 『ここ』でも『そこ』でもない、この『世界の外』に来ちゃったものたちなんだよ。
 あるいは、行こうとしたんじゃなく、初めから誰かに追放されたのか」

様々な世界、様々な時間、様々な座標からこの『虚無の地平』に流れ着いた漂流物たち。
存在の空洞が心を蝕む。 いや、共感しているのか? この漂流物たちに。
世界に存在を許される場所など無かった、あの日の自分が。
甘やかな負の感情がどろりと心を包み始める。
ゆっくり、ゆっくりと。
 

912 :確率世界のヴァリエール-9:2009/11/14(土) 20:53:22 ID:???
「シュレ、もう帰ろ? ここ、何だか怖い」
自分の隣の灰色の影に震える声をかけた。
「うん、そだね。
 な〜んか嫌な気配もするし」

==============================

目の前に見慣れた自室の光景が戻る。
「ぶはぁ〜」
ルイズはため息をつきながら自分のベッドに倒れこんだ。
「うあ゛あ゛〜、気持ち悪かった」
「だいじょぶ? ルイズ」
シュレディンガーが水差しからグラスに水を注いでルイズに渡す。
震える両手でグラスを掴むと、喉を鳴らして水を飲む。
「あー、まだ手足がじんじんする。 頭も。
 今度からちゃんとしなさいよね。
 あんな所行くのもう二度と御免だわ」
「ハイハイ。
 今日は魔法の稽古お休みする?」
「あ! そうだったわ!
 休むわけ無いでしょ、広場行って来る!!」
ガバッと起き上がり慌しく部屋を出て行くルイズを見送る。
「いってらっしゃ〜い」

外を見ると日が暮れかけている。 少し早いが今日の任務はもう終わり。
さてどうしようかと考えていると部屋のドアが開いた。
「ん? どしたの、ルイズ。 何か忘れ物?」

こわばった顔でルイズが答えた。
「あなた…誰?」
 
 

913 :確率世界のヴァリエール-9:2009/11/14(土) 20:56:22 ID:???
ルイズがワルドと待ち合わせの約束をした広場。
学院のはずれにあり訪れる生徒もめったに居はしなかったが、
そのぶん魔法の特訓にはうってつけの場所だ。
ルイズは息を切らしながら周りを見渡したが、ワルドの姿は無い。
遅れ過ぎたか? と思ったが約束の時間をいくらも過ぎては居ない。
「やだ。 ワルド様帰っちゃったなんて事無いわよね?
 でも、グリフォンもいないし、、、」

不安げにきょろきょろと辺りを見回すルイズの背後から声がした。
「ああ、いたいた。 ルイズ」

笑顔で振り向いたルイズの顔が引きつった。
「あんた、、、誰?」
 
 
シュレディンガーは困惑していた。
「え? 何言ってんの、ルイズ」
きょとんとした顔で近づくシュレディンガーにルイズが杖を抜く。
「近寄らないで!
 猫耳の…亜人? 何者なの!? あなた」
「え〜? 冗談にしてもソレは無いんじゃないの〜?
 自分の使い魔に向かってさー」
「私の使い魔? 冗談はやめて。
 私の使い魔はサイト一人よ」
「サイト?」
「そうよ、ヒラガ・サイト。
 もしかして、さっきすれ違った私そっくりな女もあなたの仲間?
 何を企んでるか知らないけど、正直に言った方が身のためよ!」
杖を突きつけるルイズにシュレディンガーは首をかしげる。
「アレー? コレってもしかして、、、」
 
 

914 :確率世界のヴァリエール-9:2009/11/14(土) 20:58:12 ID:???
「はあ? パラ、何?」
シュレディンガーの説明に杖を突きつけたままルイズが問い返す。
「だーかーら、パラレルワールド。
 どうも話を聞いてるとルイズが使い魔召喚した時の分岐なのかな?
 つまり僕ともうひとりのルイズは、こっちとは別の世界から来たの。
 その、ヒラガ・サイト?を呼んだんじゃなくて、僕を呼んだ世界から」
「そんなの信じられるわけ無いでしょ!」

「うん、言ってる僕も半信半疑。 でもそうとしか考えらんないしなー。
 あ、じゃあ、使い魔じゃ無いと知らないような事いったら信じる?
 えーとねー、ルイズは夜寝てる時にー、よく 【自主検閲】 する、とか」
「はああ!? ななな何言ってんのよアンタ!!」
「あとはねー、 【自主検閲】 にホクロが二つ並んでる、とかー。
  【自主検閲】 が結構好き、とか?」
「ななななな何であんたがそんな事知ってんのよ!?
 ササ、サイトにも秘密にしてるのに!!」
「信じた?」
「ししし信じるも何も」
「んー、じゃあ!」

顔を真っ赤にしてうろたえるルイズに飛びつき、キスをする。

==============================

「おお〜? 『跳べ』た!」
学院を遥かに見下ろす雲の上で、ルイズは逆さまになりながら絶叫した。
「きゃぁああああぁぁぁ〜〜〜〜っっ??!!」
その横でシュレディンガーが笑う。
「あはは、新鮮新鮮」
 
 


915 :確率世界のヴァリエール-9:2009/11/14(土) 21:00:01 ID:???
==============================
 
 
「まあとりあえず、あんたの話は信じるわ」
学院の屋根の上。 夕日を眺めながらルイズはため息をつく。
「もし私に何か危害を加えようって言うんだったら、
 今の力で何処でも好きな所にさらっていけた筈だし」
「ありがと。
 でも魔法って不思議だねー。
 別の世界のルイズだから契約も別なのかと思ったけど」
そう言いながら手袋を外して右手のルーンを眺める。

「あら、あんたのルーンって右手なの?
 文字も違うみたいだし」
「うん。 ぶぃ、ヴィンダールヴって言ったかな?
 サイトは違うの?」
「サイトは左手よ、ガンダールヴなの。
 どんな武器も使いこなせちゃうのよ? 凄いでしょ。
 その力で何度も私を助けてくれたの」
ニコニコと自分の使い魔のことを語る。

「ふーん、サイトの事好きなんだ? ルイズ」
「ななな何言ってんのよあんなヤツ!
 あああ、あれは単なる私の使い魔であって、すす、好きとか!」
くすくすとシュレディンガーが笑う。
「ふふ、良かった。
 こっちの世界でもルイズが使い魔と仲良しで」
「そそそうね、まあ、仲は、悪くは、無いわね…
 そっちはどうなのよ」
「もちろん仲良し!」
 

916 :確率世界のヴァリエール-9:2009/11/14(土) 21:03:12 ID:???
夕日を浴びてゆっくりと伸びをする。
「色々あったけどね。
 こっちは平和そうで良かった」
「こっちの世界も色々あったわよ。
 アルビオンのウェールズ皇太子が無くなったり、
 ワルドが裏切り者だったり、
 レコン・キスタが攻めてきたり。
 言っとくけど今だって戦時下なのよ?
 そっちは?」
「こっちも似たようなもんかなー。
 さて」

立ち上がったシュレディンガーの右手がルイズの目にとまる。
「シュレディンガー? それ…」
「ん?」
右手のルーンがパチパチと静かに放電し、その指先は透けていた。
「何それ……、それもあんたの力なの?」
「いや、、、これは、、」
その時、階下からの悲鳴が二人に届いた。
「この声って……、キュルケ!?」

==============================

「どうしたの? キュルケ!」
キュルケの部屋に飛び込んだ二人が目にしたのは、
慌てふためくキュルケと、二本足で立ち上がったサラマンダーだった。
「フフ、フレイムがいきなり…」
『まあま、驚かんとここへ座んなさいな、キュルケ様』
トカゲの口で流暢にしゃべりながらフレイムがぺたぺたと器用に歩く。
『前々から言いたかったんよ、キュルケ様。
 あんたには貞操観念っちゅうもんが無さ過ぎる』
 

917 :確率世界のヴァリエール-9:2009/11/14(土) 21:04:23 ID:???
「こっちの世界の使い魔ってみんなこうなの?」
たずねるシュレディンガーへ、ルイズは無言でかぶりを振る。
「ななな…」
キュルケがあわあわと声をあげた時、シュレディンガーの右手が
再びパリパリと放電し光を放った。

「きゃ〜〜っ!」
廊下の向こうで悲鳴が響く。
「わ、私のロビンがー!?」
『ソバカス、縦ロールと揃って、なぜメガネをかけんのだ!!』

「どうしたんだいヴェルダンデ!?」
『宝石うめえ』

「ぎゃー、ぼ、僕のクヴァーシルがー!」
『お前洗ってない犬の臭いがすんだよ』

『大変なのねお姉さま!
 使い魔のみんなが人間の言葉を喋っているのね!?』
「わあたいへん、しるふぃーどまでしゃべってるー」

「な、何コレ? 何が起こってるの!?」
巻き起こる悲鳴と怒号にルイズまでもおろおろと周りを見回す。
「コレって、、、」
シュレディンガーが自分の右手で放電を続けるルーンを見つめる。
「暴走、してるんだ、、、」
よく見ると、指先どころか手首の先まで透けて見えてきている。
「うわっ、どんどん透けてきてるや。
 コレってやっぱりアレだよねー、
 パラレルもののSFなんかによくあるやつ」
自分の手を眺めながらシュレディンガーが苦笑いする。
 

918 :確率世界のヴァリエール-9:2009/11/14(土) 21:07:54 ID:???
「いたぁ!! シュレ〜っ!!!」
聞き覚えのある叫び声が廊下を突進してくる。
「ななな何か変よシュレ!
 タバサはヘンな本読んでないし、
 ギーシュがモンモランシーの尻に敷かれてるし、
 変な服着た男が私の使い魔だって言い張るし!!」
「嫌だ、シュレディンガー。
 あんたの世界の私って、こんなにやかましいの?」
怪訝そうな顔をしながらルイズがルイズをにらむ。
「え? あ? わ、私がいる!?
 なな、、何よコレ!! どどどどーいう、、、」
後からルイズを追いかけてきたパーカー姿の少年が叫ぶ。
「な、何だよこれ? ルイズが二人!?」
「ああもう、うるさーい!!」
パニックを起こすルイズ達をルイズが怒鳴りつけた。


「はあ? パラ、何?」
シュレディンガーの説明に頭から?マークを出してルイズが問い返す。
「だーかーら、パラレルワールド。
 ルイズ、あ、僕の世界の方のルイズね。
 えーとえーと、あ、この前『ザ・ワン』観てたでしょ」
「ジェット・リー!! ニーハオ!」
「そうそれ!
 つまりあれとおんなじって事。
 この世界は僕たちの世界と似てるけどちょっと違う世界。
 多分ルイズが使い魔召喚をした所が分岐点になってて、
 サイトが呼ばれたのがこっちの世界、
 僕が呼ばれたのが僕らの世界なんだ、きっと」
(まあそれにしちゃ色々違うみたいだけど、、、)
それに関しては混乱を避けるため、あえて口にしない。
 

919 :確率世界のヴァリエール-9:2009/11/14(土) 21:12:22 ID:???
キュルケがこめかみを揉みながら顔をしかめる。
「何となくは判ったけど。 判んないけど判ったって事で。
 で、使い魔たちが喋りだしたのはどういう事なの?」
「それは、このルーンが暴走してるんだと思う」
「シュレ、その手!?」
シュレディンガーが差し出した右腕はすでにひじの辺りまでが
透き通っており、手の甲があったと思われる空間に
ルーンだけが放電しながら浮かんでいた。

「何ソレ!? 大丈夫なのシュレ!」
「そー言うルイズだって、ほら」
シュレディンガーに釣られて皆が足元に目をやる。
シュレディンガーの世界のルイズだけ、すねから下が透けていた。
「ちょ! な! 何よコレ!!」
「多分この世界が、僕らを『無かったこと』にしようとしてるんだ」
「無かった事ぉ!?」
「そう。
 この世界に来てすぐ、僕はこのルーンに関わる力の使い方をした。
 こっちの世界のルイズと『跳んだ』んだ」
「はぁ? 何やってんのよシュレ!」
「んでー、力は上手く働いたんだけど、それで混乱が発生したんだろーね。
 多分この世界のどこかにもヴィンダールヴはいるはずでしょ?
 でも僕がこのルーンを介した力の使い方をしちゃったから、
 この世界にヴィンダールヴが二人いることになっちゃった。
 で、こっちの世界のルイズにも僕の力をつかっちゃったから、
 ルイズも二人いることになっちゃった。
 結果、ヴィンダールヴの力は暴走。 困っちゃった『この世界』は
 一個しかないはずなのに二個になっちゃったもののうち、
 後から来たほうを『無かった事』にしようとしてるんだ」
「そそそ、それってつまり、、、」
「そ。 僕とルイズ」
 

920 :確率世界のヴァリエール-9:2009/11/14(土) 21:15:50 ID:???
「ななな何やっちゃってくれてんのよ!!
 マズいわヤバいわジョーダンじゃないわ!
 それってどうなんのよ!?」
「後もう少しするとこの世界は綺麗さっぱり元通り」
「私たちは!?」
「ここには居られないからどこでも無い場所に行く」
「げ。 それってさっきの」
「『虚無の地平』」
「どどどどーすんのよ!
 あんな所にまた行くなんて真っ平よ!」
「簡単簡単。
 僕らが元の世界に帰れば良いだけだよ」
「あーそっか、そりゃそうね。
 そういうことは早く言いなさいよ」
向こうの世界のルイズが安堵のため息をつく。


「ふう。 せっかく会えたのに残念だけど……、
 引き止める訳にも、また会いましょうって訳にもいかなそうね」
サイトの横でこちらの世界のルイズが寂しげに微笑む。
「うん。 でもありがと、ルイズ。
 サイトとお幸せにねー」
「ななな何言ってんのよシュレディンガー!
 ここここのバカ犬はただの使い魔で…!」
「あははっ。
 そんじゃ、バイバーイ」
見送る皆に手を振ると、シュレディンガーは自分の主人に口付けた。


==============================
 
 

921 :確率世界のヴァリエール-9:2009/11/14(土) 21:24:56 ID:???
目の前に見慣れた自室の光景が戻る。
「ぶはぁ〜」
ルイズはため息をつきながら自分のベッドに倒れこんだ。
「ありゃー、もうすっかり日が暮れてるねー。
 うわ、外見てルイズ。 すっごい霧!」
「何か判んないけど疲れ果てたわ。
 そーいや向こうの私と随分仲よさげだったわね」
「えー何?
 自分自身に嫉妬ってちょっとナルシストなんじゃなーい?」
「なーに言っちゃってんのよこのバカ猫。
 さ、お風呂でも、、、」
廊下へのドアを開けたルイズが固まる。

「、、、あ、あんた誰?」
「アナタノ使イ魔DEATH」
ルイズの目の前には筋骨隆々の大男が立っていた。
手には血まみれの大鉈、黒ずんだ皮製の腰巻、肩の上には真っ赤で巨大な三角錐。
その後ろにはマネキンのような質感の顔の無いナース達が並び、
血だまりの上で暗黒舞踏を舞い踊る。

突然大音量のサイレンが鳴り響き、壁がめりめりと燃え散って
その中から赤さびた鉄骨の骨組みが顔を出す。
いつの間にかテーブルに置かれたラジオはガリガリとノイズを撒き散らす。
建物のあちこちから悲鳴と絶叫と断末魔と狂ったような笑い声が響く。
大男が部屋の中に入ってこようとして頭をぶつけた。
ごきん 「ア痛」

「ちょ、ルルル、ルイズ!?」
「ここ違う! ここも違う!! ここでもナーイ!!!」

==============================
 

922 :確率世界のヴァリエール-9:2009/11/14(土) 21:26:12 ID:???
目の前に見慣れた自室の光景が戻る。
「ぶはぁ〜」
ルイズはため息をつきながら自分のベッドに倒れこもうとして止めた。
ベッドの上に緑色にぬらぬらと輝くご立派なモノが反り返っていたからだ。
「おおルイズ、戻ったか」

「ギャーッ、ルイズの使い魔がご立派様にー!!」「シバブー!」
「つつつ次いくわよシュレ!!」
==============================
「ギャーッ、右手がドリルのゴーレムがー!!」「ウミウシ超好き」
「次! 次ッ!!」
==============================
「ギャーッ、オブリ門からデイドラ王子が次々と!!」「バイアズーラ!」
「何処だここー!!」
==============================
「ギャーッ、ルイズのコスが真っ黒な蜘蛛スーツに!!」「G○FTだけはガチ」
「お前誰だー!!」
==============================
「ギャーッ、ルイズの使い魔が黒塗りのトランザムにー!!」「やあマイケル」
「シエスタがエロいー!!」
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「ギァワーッ!」
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「ムホー!」
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「え?」「あ?」
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「お?」
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「」
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923 :マロン名無しさん:2009/11/14(土) 21:27:57 ID:???
支援

924 :確率世界のヴァリエール-9:2009/11/14(土) 21:28:19 ID:???
目の前に見慣れた自室の光景が戻る。
「ぶはぁーっ! ぶはぁーっ!」
ルイズは息を切らしながらも警戒しつつ辺りを見回す。
「こ、こぉ、今度はどうよ?」

ドアノブが回りびくりと固まる二人の前に、赤いベビードール姿の
キュルケが顔を出す。
「なーにやってんのよルイズ、ドタバタと。
 あらシュレちゃんもおかえり。 今日はもう終わり?」
「やたっ! ルイズ! やっと戻ってこれたみたい!」
「いや、シュレ。 喜ぶのはまだ早いわ。
 念には念をよ」
ルイズがブラウスのボタンをプチプチと外し、
シャツをたくし上げて薄い胸を露わにする。
「ほっ!」
「ル、ルイズ!?
 やっと覚悟を決めてくれたのねっ!!」
「イルアースデルッ!」

「うう、酷いわルイズ、、、 乙女心をもてあそぶなんて」
ドリフの爆発ヘアーになったキュルケが床の上で涙に暮れる。
「アンタのは乙女心じゃなくて漢女心でしょ」
冷たく言い放つとルイズはそのままベッドに倒れこむ。
「はぁ〜、もうクタクタだわ。
 お風呂も明日でいいわ。 寝る! お休み!」
そのまま寝息を立て始めたルイズを見ながら、
キュルケとシュレディンガーは困り顔で微笑みあった。



「、、、遅いな、ルイズ、、、」
広場に立ち尽くすワルドの抱えた花束を、夜風が散らした。

925 :シュレの人 ◆VMp3BjBuLA :2009/11/14(土) 21:33:40 ID:???
以上です。

支援くださる方、
まとめてくださる方
読んでくださる方、
感想をくださる方、
いつも有難うございます。

オチはおっぱい。 略してちっぱいです。

926 :マロン名無しさん:2009/11/14(土) 23:08:26 ID:???
ナイト2000のとご立派なマーラー様とGIFTしかわからなかったYO!

キュルケとワルドが大変可哀相wwwww

927 :マロン名無しさん:2009/11/15(日) 20:03:42 ID:atsoqIZK
ご立派しかわかんなかったw しかし今回神展開すぎるwww

928 :マロン名無しさん:2009/11/15(日) 21:17:48 ID:???

そんなにキスばっかしてたら唇が腫れるぞ、と思わなくもない

929 :マロン名無しさん:2009/11/16(月) 01:41:24 ID:???
成長しないでいてくれたんではなくて成長できなかったってのが正しいんだろうけど、
このワルドから見てルイズは最高の女の子なんだろうねぇ。うん、最低だwww

930 :マロン名無しさん:2009/11/16(月) 21:24:20 ID:???
一体何十回キスしとんのかと

931 :マロン名無しさん:2009/11/17(火) 09:12:22 ID:???
レッドピラミッドシングさん召喚しちゃった世界では
サイレントヒルよろしく魔女狩りとかあってんのかね

932 :マロン名無しさん:2009/11/18(水) 04:11:07 ID:???
タバサの棒読み台詞が良い感じ

933 :マロン名無しさん:2009/11/18(水) 14:04:50 ID:???
>>932
あれではバレバレなんでねぇのと思わなくも無いwwww

筋骨隆々の大男=?
ご立派さま=魔王マーラ
右手がドリル=?
オブリ門=オブリビオン
黒スーツ=GIFT(スパイダーマッ)
黒塗りのトランザム=ナイト2000 (K.I.T.T)

2つほどが分からん・・・ 特に2番目に飛んだ暗黒世界はあれ何? 状態。

934 :マロン名無しさん:2009/11/18(水) 14:30:44 ID:???
サイレントヒル2のレッドピラミッドシングとバイオショックのビッグダディだろう

935 :マロン名無しさん:2009/11/18(水) 14:37:07 ID:???
サイレントヒルのSSはさすがにないが、その他のは一応対応したSSがまとめにあるね

936 :マロン名無しさん:2009/11/18(水) 15:34:34 ID:???
まとめでナイトライダー読んできた
確かにシエスタがエロい

937 :マロン名無しさん:2009/11/18(水) 18:28:40 ID:???
>>935
まとめに小ネタだけどサイレントヒルのSSもあるぞ

938 :マロン名無しさん:2009/11/20(金) 19:40:19 ID:???
妻知らね?

939 :マロン名無しさん:2009/11/20(金) 19:59:34 ID:???
失せろ殺人鬼

940 :マロン名無しさん:2009/11/22(日) 16:24:35 ID:???
ファンタジィオーナー三人組を召喚すればいいんじゃないかニャー

941 :マロン名無しさん:2009/11/24(火) 18:49:11 ID:???
あんなん呼び出したって役に立ちゃしねえよw

942 :マロン名無しさん:2009/11/26(木) 18:09:08 ID:???
装備は葛

943 :マロン名無しさん:2009/11/27(金) 00:01:52 ID:???
あったまるわー

944 :マロン名無しさん:2009/11/27(金) 00:07:24 ID:???
クズだ すごいクズだ

945 :マロン名無しさん:2009/11/27(金) 03:03:05 ID:???
>>941
イケメン店長よりはマシなはず…

946 :マロン名無しさん:2009/11/27(金) 07:32:58 ID:???
プルンプルン

947 :マロン名無しさん:2009/11/27(金) 22:51:49 ID:???
PS3アタックで裏切り者もKOっすよ

948 :マロン名無しさん:2009/11/27(金) 23:07:36 ID:???
相変わらずのフリーダムだなお前ら

949 :マロン名無しさん:2009/11/27(金) 23:54:12 ID:???
何をいまさら

950 :マロン名無しさん:2009/11/27(金) 23:59:37 ID:???
残り容量も少ないし、980くらいに次スレ立ててあとは雑談か?

951 :マロン名無しさん:2009/11/28(土) 23:43:20 ID:???
千住さんって強そうよね

952 :マロン名無しさん:2009/11/29(日) 14:33:03 ID:???
半端にスレ残してもSS投下しにくいだろうし埋めるか
ガンマニアの阪東さんでも召喚して。

ギーシュ貞操の危機

953 :マロン名無しさん:2009/11/29(日) 14:56:00 ID:???
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1259474099/
建てたし

954 :マロン名無しさん:2009/11/29(日) 15:01:48 ID:???
早漏だな

とはいえ、投下時に容量足らなくてゴタゴタするしたらあれだからしょうがないか

955 :埋め:2009/11/29(日) 15:07:07 ID:???


  /         \  / l l   l  ‖│ l | l_⊥-┼| l  トy-、 l |   l l /         ヽ
  |   ワ    | /, | |   |  || | l l∠-‐ニ!lTl| l   |/,=、ヽ l |l  l |′     ひ あ
  |   ン    | /│ l |  |   |レ|,ィ彡tテl⌒リ!l ! l  | {ニ、} } l |l l l |     ょ
  |    ワ     | | l | |`>ト<、 {/{爪__ノ_ノ 川  | i |  / /l l | l│‖     っ
  ヽ.   ン     |│ l lVヘiY代ミ、   ´ ̄   i l l  l l | ト-イl l l│l |l l|l、     と
   ,ゝ      / ヽト、∧ lヽゞーソ,       ! l |  l i l l リ l l│l lリ!|ハ、    し
 /       /   ヽ、 ヽリハ´ k、‐ _ ____,l l |  l l l l /_l⊥!-亠‐'¬ト、   て
/        <         ,ハl ハ  、rく_ン‐宀ィ| l l  l i レ'´      __, ニフ´       /
   ワ     l     ///l l ヽ、 \{   ノ/ l |  l l |  ,.ニ‐  ̄ __ /          r‐′
    |     │    / ' / ! i i l\ `三'´ ,l l  l l / /   ,∠-/          ヽ
    |    /  ,/ // /  l l l  l>、__. ィ/ l  ! l,/'´   /-‐ /    か .な 犬   !
    l    >´ ////  i i l /レ了´/l l  l/   ∠ - ‐ l     な い 語   |
   ン   /  ///, '/   / l l l 厂l/ / //   /´   __ |     ? と  じ   |
\___/ //// /,  '/ // l//   / /'     / -‐  ̄   l     キ 駄 ゃ  │
      // ∠ -‐ 7, // // /'´   / /    /    -‐   \  ミ  目     l
    //, く    _// // ///    / /   ∠−  ̄         ∠ 、          /
  ,/// /\,/// // //′    //ニニン′             \_    __/
/// / __/  j/ // //      //  /                    ̄厂

956 :マロン名無しさん:2009/11/29(日) 16:21:25 ID:???
            _ ,,,...,,,__,/ _._
          ,;-'"    ((`'"_=-
        ,;'  ∠        ̄`~ヽ、
       /   ∠      '" ̄~_`_\
      /  / // //,    ヽ、ヽヾ
     /  /// / /ナメ/, ヾ、ヽ ヾヾ
   /// .r^`{|l /ァ-;-, {l | }_}_ ヾ、 〉
   // / .ヽ`| | .|.ヾ;ノ , l l/-、リl| } l/  埋めます
  ////  y^ ヽ{ ~ ̄  、ヾシ/,l/}/
    '///,‐'.-. ,,ヽ、    ' /~' '
      〉~; : ; : ; :~;`‐. ..,,_~ /
     /: ; ヾ :ヾー;-:-;-:‐; :~`ゝ
    /~`'‐ :.,;_:_: : : : :_; ; ; ;ゞヽ ,,-‐、
    〈::::::::_,,..,,_ ヾ,:~:ヾヽ、   ` 、   ヽ、 , ‐、
    {:::::,'"   ~ヾ: ; : ; .ヽ     ヽ i^i l/  '}
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    ヽ,ヽ:::::::ヽ::、  ゝ; : ; : ; l:::::::ノ/    ノ
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957 :マロン名無しさん:2009/11/29(日) 17:42:43 ID:???
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958 :マロン名無しさん:2009/11/29(日) 22:05:12 ID:???
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959 :マロン名無しさん:2009/11/29(日) 22:11:01 ID:???
                               なぎはらえー     |:|\\:::::||.:.||::::://|    /イ
                                              |:l\\\||.:.|l///|  .///
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                / ̄ ̄ ̄ ̄ 7 / / ./  / /   l l l lハ  |:|//:::::||.:.||:::::\\l    /
  ト、     ,.    ̄ ̄Τ 弋tァ―   `ー /  l从 |メ|_l  l_.l斗l |ヽ V |:| ̄ ̄ ̄ ̄ フ  ̄ ̄    |                  イ
  ヽ \__∠ -――く  __       .Z¨¨\   N ヒj ∨ ヒソj .l ヽ\|       / /     |                / !
   ヽ  ∠____vvV____ヽ   <   ≧__/ ゝ、t‐┐ ノ .|┐  . \   / /         \           /   l
.    \\_____ivvvvvvvv|   V.    (  (  /Tえハフ{  V   ‐一 '´ /     __. -―=-`      /  / l  l
       \!      |   / 入_.V/|      >-ヘ  \:::∨::∧  ∨ ∠二 -‐ .二二 -‐ ' ´ /        /   / l.  l
 __  |\       l/V  _{_____/x|    (_|::::__ノ   }ィ介ーヘ  /  ,.-‐ ' ´           /       ____  ̄ ̄フ ∧  l
  )-ヘ j ̄} /|        /___/xx|       _Σ___/| | |V::::ノ/ ∠___           {     /      `<  /  \|
  {  V  /`7.         /___./xXハ    ( |:::::::::::::::::ハ   >' ____ 二二二二二二>   /   __    〈
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