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HELLSINGのキャラがルイズに召喚されました Part10

1 :マロン名無しさん:2008/11/24(月) 00:33:52 ID:???
HELLSINGのキャラがルイズに召喚されました part9
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1221540938/

あの作品のキャラがルイズに召喚されました Part188
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1227439481/

まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/
※左のメニューの【お預かり作品】に作品があります。



           我らはSS投下者の代理人
            保守のスレッド代行者
          ,___
        /゙      ` ̄ ̄`-,―ー,ハ、 _ ,--、 ,_
       l            |   ゙//:´::::|(二二,)
       ゙l \ヽ`ー―−- - |   ,iii,,ゝ:::::|(二二 )       我らが使命は
         |    _`、_ 。 。 。.|。 。,ii,l iノ ̄ヽ(゙~l`)     投下者に襲う規制を
        ゙l  i  ` ̄~`tーーl_,_:/:lヽ、___,/-´    そのレスの最後の一片までも
         ゙|  i  ー´~l::::::::::::::::://::::_,(二)        ―――保守する事―――
         l  i       |::::○ ::::○::::: | ,ー´
           l, i   イ ゙l::::::::::::::::::::::::::|i:::|ヘー、_
         く  i   i   |:::(二)ヽ::::::::::|i:::|lノ ゙゙  `ヽ
           ゙ゝ`i ノ ,i⌒i⌒i⌒l~ヽ i ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ー、
         <´ゝ- (二| ,i  l  i , |iiニ,__i ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ i ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
゙\   ,_,ー´ ̄ー ,/ /:゙ヽ,_,_,_,,ノ゙> |i:::|y  _,ー´ ̄/
  ヽ ヽ,   _-ー´,,ノ:::::::。,>`-ーー、,ゝ.|i:::|    i  ゙̄/
   |ー,く (,_,ー゙ ̄´ :::::::。゚::: )/ゝ::/ ゙̄/゙|i:::|   ,i ヽ_」
   ゙| ヾ\ \:::::::::::::::。゚:::::::::i//   / , .|i:::| \i  ,l/
    ヽイ-`ヽ ゙\;:::::::::゚。::::::::。\_,/゙。  .|i:::|   ヽ, l゙
\    \ヽ \ ゙\ :::::::゚。_。゚:::::::`\ 。 .|i:::| 丶  ,|ノ゙

2 :マロン名無しさん:2008/11/24(月) 00:46:16 ID:???
>>1
おつです!

3 :マロン名無しさん:2008/11/24(月) 07:27:53 ID:???
>>1

4 :マロン名無しさん:2008/11/24(月) 12:23:49 ID:???
>>1よくやった作戦は成功だ。

5 :マロン名無しさん:2008/11/24(月) 15:49:59 ID:/R7aN1wN
>>1乙です

6 :マロン名無しさん:2008/11/25(火) 03:28:37 ID:???
前スレも埋まったな。
姉妹スレは大変なことになってるが、頑張ろう。
>>1乙だ。

7 :マロン名無しさん:2008/11/25(火) 03:43:55 ID:???
>>1

8 :マロン名無しさん:2008/11/25(火) 18:46:53 ID:???
>>1

そういえばまとめwikiが変わるという話が向こうの運営議論で出てたけど・・・

9 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2008/11/25(火) 20:43:02 ID:???
なにやらまとめは変わる方向のようですね。



それはそれとして、とりあえず投下します。

10 :ゼロのロリカード:2008/11/25(火) 20:44:52 ID:???
 その日情報収集の為にアーカードが夜の街を歩いていると、様子がいつもと違っていた。
何人もの兵士が街中にいて、ただならぬ様相を呈している。なにやら誰か人物を探しているようであった。
誰を探しているのかは一向に聞き取れない。迂闊に名前を出してはいけない者なのか。

 名家の貴族でもいなくなったのか、などと思いつつアーカードが歩いていると路地の方から走ってくる音が聞こえた。
丁度曲がり角でぶつかりそうになるが、予め来るのがわかっていたので難なく避ける。
しかし走ってきた人影は、驚いたのか「あっ」と声を上げた。

「申し訳ありません、急いでいたもので」
「気にするな」
アーカードは現れた人物に向かって一言だけ言った。その女の声に何か引っ掛かりを感じたところで、女は続ける。
「あの、この辺りに『魅惑の妖精亭』というお店はありますか?」

 もう一度その声を聞き、覚えのあることにアーカードはピンときた。
「・・・・・・女王陛下?」
人影はハッと気付いたように、踵を返して走り出す。咄嗟にアーカードはその手を掴んだ。



 走り出したところでその腕を掴まれる。アンリエッタはしまったと思った。迂闊に聞くべきではなかった。
「人違いです、すいません!急用を思い出しまして、離して下さい!!」
まさか自分の声で気付かれるなんて、だけど目の前の"長身の男"は見たことがなかった。
しかし人前に出ることは少なくない。その声を覚えている、知っている者が平民にいてもおかしくなかった。

「なるほど、探していたのは・・・・・・女王だったか」
男は腕を掴んだまま口を開く。その手から逃れようとしてもビクともしない。
なんで兵士達が街中にいるのかも、男は気付いている。このままでは引き渡されてしまう。
 

11 :ゼロのロリカード:2008/11/25(火) 20:46:33 ID:???
(くっ・・・・・・こんなケアレスミスで・・ッッ!!」
アンリエッタは歯噛みした、策が台無しになると。しかし男の口から出てきたのは意外な言葉だった。
「アーカード」
「は?」
自分の掛け替えのない友人であるルイズの使い魔『アーカード』。何故その名前が突然出てきたのかアンリエッタは困惑する。


「ルイズ・ド・ラ・ヴァリエールが従僕、アーカード・シュヴァリエ・ド・ツェペシュです。ご安心を、アンリエッタ女王陛下」





「なるほど、姿形は関係ないのですか」
魅惑の妖精亭、ルイズとアーカードが寝泊りしている屋根裏部屋に二人はいた。
「情報収集はこちらの方が都合がいいのでね」
少女姿では集まるものも集まらない。無論適材適所ではあるが、情報収集に関しては基本的に青年モードの方が都合が良かった。

「何故お一人でこんな所まで」
「用事があるのです、あなたに」
棺桶に座ったアーカードは、「ふむ」と声を漏らす。わざわざ姿を隠してまでここに来る理由とは。

「何か不都合な情報でも・・・?」
「いえ違います、明日までで構わないのです。わたくしを護衛してくださいまし」
「護衛・・・アニエスでは不足なのですか?」
「アニエスはまた別の用があります、また宮廷の誰にも知られてはならないのです」

「それで私にお鉢が回ってきたと・・・・・・?」
「はい、若くして女王に即位した私の味方は・・・ほんの一握りです。ワルド子爵のような裏切り者も・・・・・・おりますゆえ」
アンリエッタは、少し悲しげな表情を浮かべ悲しげに呟く。
 

12 :ゼロのロリカード:2008/11/25(火) 20:48:23 ID:???
(我々が情報収集しているのだ、直々の偵察というのは考えにくい。ならば――――)
「・・・・・・囮か」
「はい、そうですね・・・そう、狐狩りです。私を餌にして、燻り出します」
アーカードは愉快に笑った。
「ククッ、おてんばなお嬢さんだ」

「アーカードさん、引き受けて下さいますか?」
アーカードは胸に手をやり答える。

「Yes, your Majesty.」



「アン、本当にこんな部屋でいいのか?」
「ええ、わくわくします。不謹慎かもしれませんが、これが市民にとって普通の生活なのですね」
アーカードとアンリエッタは厳戒態勢の街中をやり過ごし、安宿の部屋を取った。

「あの場に留まっていては、ルイズがいずれ戻ってきますからね。あの子をがっかりさせたくありませんから」
アーカードは何も言わなかった。アンリエッタにはアンリエッタなりの配慮があることに、とやかくは言うのは無粋。
情報収集で朝帰りはデフォルトなので、特にルイズに報告する必要性もなかった。

「ルイズはお元気?」
「最初はかなり駄々を捏ねていたが、今ではすっかり慣れている」
「そうですか」


 アンリエッタはベッドに座る。アンリエッタに促されてアーカードもその隣へと座った。
「我々の集めている情報は役に立っているのか?」
「えぇ、フィルターをかけずに届けられる情報は、とても役に立ってます」
 

13 :ゼロのロリカード:2008/11/25(火) 20:50:19 ID:???
 アンリエッタは表情を沈ませて続ける。
「もちろん内容はご存知の通り耳が痛いです、その一つ一つがプレッシャーとなって圧し掛かってきます。耳を塞ぐのは簡単です・・・・・・。
 ですが、私はそういった事も全て知りたいのです。聖女などと言われてますが、その裏、民の本音を私なりに受け止めていきたいのです」

 沈黙が流れる、しばらくするとアンリエッタが静かにゆっくりと口を開いた。

「・・・・・・愚痴を、少しよろしいですか?」
アーカードは少し逡巡した後に答える。

「・・・・・・、少々お待ちを」
そう言うとランプに照らされて伸びた影がアーカードを包み、その姿を変化させる。
少女姿になったアーカードは、首をコキコキと鳴らす。
「愚痴や相談事を聞く時は、こちらの方が都合がいい。気分的な問題だが、の」
そう言ってもう一度ベッドに座った。

「アーカードさんは、たしか異世界の吸血鬼・・・・・・でしたね」
「んむ」
「我々は戦争をするべきなのでしょうか」
アーカードの眉間に皺が寄る。
「民あっての国です。増税し窮乏を強いてまで戦争をするべきなのか、確実に勝つという保証ありません。犠牲も当然出ます。
 空にあるアルビオン大陸を攻めるのは、とても大変なことです。一度決意したことなのですが、民の声を聞いていると少し迷ってしまっていて・・・・・・」


(迷いか、まだ若輩だし仕方のないところもあるのか喃)
アーカードは腕を組む、端的に助言をすべきか否かを考えているとアンリエッタが口を開く。
「アーカードさんの世界でも・・・・・・その・・・戦争はありましたか?」
「・・・・・・そうだな、いつの時代も、どこの土地でも戦争が絶えることはない」
「そう、ですか」
アンリエッタは何かを考えている様子だった。
 

14 :ゼロのロリカード:2008/11/25(火) 20:52:29 ID:???
「このハルケギニアの世界は、宗教戦争がないだけマシだな。殆どが始祖ブリミルを信仰しているおかげでそういった紛争がない。
 私の元の世界では酷いものだったぞ。自爆テロで一般人も巻き添えになったり、宗教だけではなくそこに利権も絡んできたりな。
 大量破壊兵器がこの世界にはないようだから、それらを鑑みてもこっちは平和過ぎる。私が王だった頃と比べたとしても、てんで足りんよ」

「アーカードさん、王だったのですか?」
「んむ、戦争も相当数こなしたものだ。とある大国の、侵略戦争に対抗する為に。・・・・・・信じた神の為に、『祈り』の為に戦った。
 断固たる決意と、強固な意志、そして限りない信仰心。あらゆる犠牲も厭わず闘い、戦い抜き、勝つ為に出来ることは全て成した。
 兵力差は絶望的、さらには練度の差も圧倒的だった。だがゲリラ戦を基本戦術として、私は勝ちまくったよ。まさに獅子奮迅というやつだった。
 相手方の士気を下げる為に、奇襲は非常に効果的だ。さらに敵の大兵力ゆえの現地調達を逆手に取り、侵攻する村の食糧を予め焼き払い、水には毒を入れたりした。
 他にも捕らえた敵兵を串刺しにして林立させたりしてな。戦略レベルでも、あの手この手に掻き回したものだ。そして自国では英雄、他国からは悪魔と呼ばれ忌み嫌われた」


 神妙な面持ちアンリエッタは話を聞いている。
「皆戦った。百人のために一人が死に、千人のために十人死に、万人のために百人が死んだ。その果てに神が降りてくると信じて。
 皆死んだ。私のために、私の信じたもののために、私の楽園のために、私の神様のために、私の祈りのために、皆死んでしまった。
 負けて、王でなくなり、神の従僕ですらなくなり、もはや人ではなくなった。そして・・・・・・化け物と成り果てた。そんな私が講釈を垂れるのも、少々どうかと思うがの」

 アーカードは一拍置く、郷愁に浸りながらもゆっくりと続けた。
 

15 :ゼロのロリカード:2008/11/25(火) 20:55:06 ID:???
「上に立つ者は迷ってはいけない、断固たる意志を持て。ウェールズの分まで強く生きると誓ったのではないのか?私を失望させてくれるな」
「す・・・・・・すいません」
「どのような選択をしたとしても、それは吟味し悩み抜いた結果だろう。なればこそ女王、少なくとも私とルイズはいつだって貴方の味方だ」
「・・・・・・ありがとう、アーカードさん」
「尤も気紛れで戦争しようとか、まぁ私はそれでも構わんが。手段の為ならば目的を選ばないという様な戦争をするなら、また話は変わってくるがな」

 アンリエッタは首を傾げる。
「手段の為なら目的を選ばない・・・?」
「そういうどうしようもない連中も、確実に存在するのさ。敵を殺し、味方を殺し、守るべき民も、治めるべき国も、自分までも殺しつくしてもまだたりぬ」
アーカードは黒い笑みを浮かべた。 
「そんな私と同じ。全く以って度し難い、執念深い戦争狂がな」


 アンリエッタはアーカードの言ってる意味がよくわからないでいた。
するとポツポツと雨が降り始める、外からはぼやきが聞こえてくる。次第に雨足は強くなり、アンリエッタは口を開いた。
「戦争をすることで、人が死にます。私の命令一つで兵は死地へと向かい、残された者は悲しみます。私が殺すようなもの、殺したようなものです。
 赦しを請おうとは・・・・・・思いません。ですが私は・・・自分というものが、女王という立場というものがわからなくなります。戦争をする意味が、その意義を」

 アンリエッタは肩を震わせる。若くして女王になった者の苦悩がそこにあった。
「兵士というその道程を選んだのは自分、そして常に選び続けるのも自分自身だ。人間はいつか死ぬ、いずれ死ぬ、簡単に死ぬ、そして死んだらそこでお終いだ。
 だからこそ、諦めてはいけない。人であるからこそ、死を、諦めを、踏破しなくてはならない。いつ死ぬのも同じなら、いつだって死には抗ってなくてはならない」

 アーカードは強い口調で続けた。
「それに・・・戦争をすべきか否かなど、それは私が言うことではない。助言はするが進言をするつもりはない。上に立つ者の重圧も、自身で耐えねばならぬものだ」
しかしそこでアーカードは「一つだけ言うなら・・・」と付け加える。
 

16 :ゼロのロリカード:2008/11/25(火) 20:57:48 ID:???
「間違った方向へ進みたくないのなら、自分の判断に自信を持ちたいのならば、学べ。失敗から学ぶこともある、成功から学ぶこともある。
 勝つ為に、勝利以外の方法を見つける為、よりよい結果へと導く為に、学び続けろ、模索し続けろ、死ぬまで。人には可能性があるのだから・・・な」

「可能性・・・」
「何故私が圧倒的な戦力差と、大多数の予想を覆して常勝したのか・・・・・・、学んだからだ。
 信じる神に慈悲を乞わず、何者にも頼らず。尻穴を掘られながらも、必死に学んだからだ」

「掘っ・・・」
アンリエッタが思わずその言葉を繰り返そうとして、踏みとどまったその時、大きな声と足音が聞こえた。


 魅惑の妖精亭の屋根裏部屋のそれより酷い、金を取るのも痴がましいその宿屋は存外に喧騒を響かせる。
扉を次々に開ける音が聞こえて、ついにはアーカードとアンリエッタがいる部屋のドアノブをガチャガチャと動かしている。
中に人がいることを確認した来訪者は、すぐにドンドンと激しいノック音をさせる。
「直ちにここを開けろ!王軍巡邏のものだ!犯罪者が逃げていて順繰りに全ての宿を当たっているところだ!早急にここを開けろ!」

 アーカードとアンリエッタは互いに目を見合わせる。
女王捜索しているのは明らかである。悪天候ゆえに、どこかの宿にいると踏んでのことだろう。
(放っておくわけにもいかんか・・・・・・)
立ち上がったアーカードの手を、アンリエッタは引っ張り首を横に振る。
このままやり過ごしたほうがいいと、その目が訴えていた。しかし、その目算は甘かった。

「無理やりにでも開けさせてもらうぞ!」
そう言うとすぐに、一際大きな音が響いた。ドアノブが壊れ扉が開け放たれる。

「お姉ちゃん!怖い!!」
そう言ってアーカードはアンリエッタへと抱きつく。
ハッとしたアンリエッタは咄嗟に顔を下げて隠すように、アーカードの頭を撫でる。
 

17 :ゼロのロリカード:2008/11/25(火) 20:59:32 ID:???
 二人で姉妹の演技を続けつつ、小声で「よしよし」と撫で続ける。怖がる少女を見て兵士達は一瞬尻込みするが、すぐに気を取り直す。
「声を荒げてすまない、だが一応確認させてもらいたい」
怪訝な顔で見つめる兵士達をアーカードは横目で窺う。
(やり過ごすのは無理・・・・・・か)

「もし、そちらのお嬢さん。顔をよく見せていただけませんか?」
その瞬間アーカードは、アンリエッタに問いかける兵士を見る。


「問題ない」
アーカードはゆっくりと言葉を紡ぐ。
「は?」
「なにも、問題は、ない」
淡々と、真紅の双眸で相手を見据える。
「な・・・・・・にも・・・問題・・ない」
兵士が口にする、少女の瞳から逸らすことができない。無意識にその言葉を繰り返していた。

「何も問題はない」
「何も、問題、ありません」
憑かれたような目を浮かべ、兵士は踵を返す。
「どうしたピエール?」
扉側に立っていた兵士が言う。

「何も問題ない」
「お・・・ぉぉ、そ・・そうか」
虚ろな瞳と抑揚のない声、そんな異様な態度にもう一人の兵士は一瞬たじろぐが、すぐにピエールに促され出て行った。


「な・・・何をしたんですか、魔法ですか?」
アンリエッタが疑問符を浮かべて、アーカードに問う。
「エロ光線だ」
アーカードはそう一言だけ言って、アンリエッタは首を傾げていた。

18 :ゼロのロリカード:2008/11/25(火) 21:01:22 ID:???
 




「待って!待った!お待ちなさい!」
ルイズは雨の中、街を駆け回った所為で泥だらけであった。

 時を遡ること少し前、街中に漂う不穏な雰囲気に何かを感じたルイズは、仕事を切り上げて外へと出た。
街にいた兵士に女王直属の女官である事を告げて事情を聞くと、なんと姫さまがいなくなったと言う。
いてもたてもいられなくなったルイズは、雨にも拘らず街中を走り回った。
疲労も溜まり最初に馬を借りておけば良かったと気付いたルイズは、丁度見つけた者に向かって叫んでいた。

「ラ・ヴァリエール殿?」
「へっ?・・・・・・アニエス?」
なるほど、雨の中で見づらいがよく見ればそれはアニエスだった。
「アニエス、あなたいったいなにをしていたの!?姫さまは一体――――」
「陛下は無事だ」
「え?」
「説明しよう、とりあえずここにいつまでもいてはまずい」
ルイズは当然納得のいかない顔のまま、馬に乗りアニエスの後ろに跨った。



 高等法院長リッシュモンの屋敷から出てきたフードの男を追跡し、着いた先はとある酒場。
男はその二階の部屋へと入っていった。ねずみ捕り、レコンキスタの間者を探る為に姫さまは身を隠したらしい。

「なるほど、大体把握したわ」
「マントを脱いで酒場女のように、わたしにしなだれかかれ」
説明を終えた途端、淡々とアニエスは言った。ルイズはとりあえず言われた通りにする。

 

19 :ゼロのロリカード:2008/11/25(火) 21:03:43 ID:???
 暫くするとフードの男が出てきた。するとアニエスは、突然ルイズの体を引き寄せた。
その瞬間ルイズは咄嗟に反応した。自分の顔へと近付くアニエスの額を右手で押さえ、肩を左手で止める。
「んなっ・・・なにをッ!?」
ルイズはいきなりのことに狼狽えた声を出す。アニエスは無視してなおも引き寄せようとするも、ルイズは渾身の力でそれを拒む。

「ぐっ・・どういうつもりかしらないけど、アニエス。不意討ちでキスしようなんて、アーカードで慣れてるんだから!」
「ばっ・・・!」
『馬鹿』、と言おうしたのだろうか。しかし時既に遅し。
部屋から出てきたフードの男に怪訝な目で見られていた。男は踵を返し走り出す。

「ッチ・・・気付かれた」
アニエスは毒づくと、ルイズを突き飛ばし走り出す。
ルイズもそこでようやく気付いた。相手を欺く為の芝居だったのだと、それを自分がガードしてしまった為に台無しにしてしまったことを。

 せめてアニエスをアシストしなくてはと思い、ルイズも走り出す。
アニエスが扉に入るのが見えたと同時に、アニエスは反対に吹き飛ばされ、扉を破壊して向かいの部屋へと転がっていく。
次に二人の男が出てくる、フードの男が杖を持っているのが見えた。

 

20 :ゼロのロリカード:2008/11/25(火) 21:05:25 ID:???
 フードの男は向かいの部屋に向かって杖を向けている、アニエスへの追撃だろう。
後から出てきた商人風の男がルイズへと鋭い目を向けた。思わずルイズは一歩後退る。
その様子を見て、商人風の男はルイズを一般人だと思ったのか、アニエスがいる部屋の方へと視線を移す。

 その後のルイズの反応は素早かった。自分の所為でバレてしまい、今アニエスがピンチなのだ。
すぐに杖を取り出しルーンを唱える。男二人が気付いてこちらを向いたその瞬間、エクスプロージョンが炸裂した。
目を眩ませるだけの小さな爆発、しかし眼前で起きた爆発に男二人は次の反応が遅れる。

 ルイズは続いて詠唱する、二度目のエクスプロージョンがフードの男の杖を吹き飛ばし弾いた。
その時商人風の男がいち早く回復し、杖を取り出してこちらに向け詠唱をしていた。
(うそッ・・・!?)

 しくじった、商人風の男もメイジだった。詠唱は向こうの方が早く、ルイズは間に合いそうもない。
ルイズは反射的に目を瞑り、腕を顔の前に出して防御する。次に聞こえてきたのは男の魔法開放の声ではなく、銃声だった。


 目を開けると商人風の男の手から杖がなくなっていて、かわりに血がボタボタと床を濡らしていた。
そして部屋から飛び出してきたアニエスが、未だ回復してないフードの男の足をかけて転ばせる。
次に商人風の男を引きずり倒した。抜いた剣を商人の首筋に突きつけ、倒れているフードの男の鎖骨を踏み抜く。

 骨が砕ける嫌な音と、絶叫が響き渡る。フードの男は完全に我を失い、商人風の男はそれでも尚アニエスを睨みつけている。
アニエスは冷ややかな眼差しで、静かに言った。
「選べ。生か、誇りか」

21 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2008/11/25(火) 21:07:39 ID:???
以上です、次回に続きます。
ではまた。

22 :マロン名無しさん:2008/11/25(火) 21:18:41 ID:???
乙です! エロ光線吹いたww

23 :マロン名無しさん:2008/11/25(火) 23:55:38 ID:???
やっぱ掘られたのがそうとう堪えたらしいなw

24 :マロン名無しさん:2008/11/25(火) 23:55:54 ID:???
へぇ…なかなか妄想を掻き立てられるシチュじゃないの…

25 :マロン名無しさん:2008/11/26(水) 00:33:18 ID:???
アニキャラ総合の方荒れまくりだなぁ。

作者さん方がどう思ってようが、Wikiじゃあ結局荒らしが強いのな。

26 :マロン名無しさん:2008/11/26(水) 00:59:10 ID:???
いいじゃん、ここはここでマイペースで行こうよ。
各作者さんがコンスタントに楽しませてくれるからこのスレは居心地がいいよ。
ゼロリカ殿、毎度GJ、乙です。

27 :マロン名無しさん:2008/11/27(木) 02:26:56 ID:???
遅ればせながら、ゼロリカさん乙です。
それと、何か耳の痛いレスが……w

28 :マロン名無しさん:2008/11/27(木) 04:53:56 ID:???
ゼロリカさん乙です。
もう一話からずっと見てるぜ。
>>25
攻めるほうが強いと言う言葉があるが
万物に通用する気がするよ。チクショーめ。

29 :マロン名無しさん:2008/11/27(木) 09:35:04 ID:???
ロリカードに対し果敢に攻めるルイズなわけですね

30 :マロン名無しさん:2008/11/27(木) 20:07:20 ID:???
>>29
そいつは素敵だ

31 :マロン名無しさん:2008/11/28(金) 17:48:40 ID:???
ロリカード様のガールハント

32 :マロン名無しさん:2008/11/28(金) 22:04:49 ID:???
猟銃でズブリと串刺しにして、おいしくいただいてしまうわけですね

33 :マロン名無しさん:2008/11/28(金) 22:23:54 ID:???
各作品のルイズ
・狂信者ルイズ
アンデルセンやサイトを模範にして、暴走傾向もあるが貴族として精神的に大きく成長。
・ロリカードルイズ
模索しながら独自に成長だから三歩進んで二歩下がるゆっくりとした成長。
・砂ゼロ
一部甘い所もあるが、始めから完成形に近い。

今の所の成長度は
砂ゼロ>狂信者>ロリカ
自分で考えながらの成長だからロリカが最終的に一番伸びるかも。

34 :マロン名無しさん:2008/11/29(土) 04:28:10 ID:???
砂ゼロのルイズは魔法的に強いより物理的(格闘)に強いイメージが。

35 :マロン名無しさん:2008/11/29(土) 21:35:31 ID:???
>>32
大当り!!(ポーン

36 :マロン名無しさん:2008/11/30(日) 22:25:26 ID:???
ロリカードちゃんって欲情すんの?

37 :マロン名無しさん:2008/11/30(日) 23:49:52 ID:???
たぶん若旦那×若ウォルターとかで欲情するよ

38 :マロン名無しさん:2008/12/01(月) 14:17:57 ID:???
ロリカード様はエロエロだよ

39 :マロン名無しさん:2008/12/01(月) 19:08:29 ID:???
エロリカードちゃん!

40 :マロン名無しさん:2008/12/01(月) 20:04:50 ID:???
あひゃあ!もう我慢出来ねぇ!!

41 :マロン名無しさん:2008/12/01(月) 20:20:11 ID:9GcBqSTF
冬コミでロリカ攻めショルター受けの同人誌をミレニアムが販売するのですか。

42 :マロン名無しさん:2008/12/01(月) 21:14:34 ID:???
俺は「逆の方が萌える」と大声で主張する

43 :マロン名無しさん:2008/12/01(月) 21:25:42 ID:???
>>42
鋼線であんな事やこんな事をするわけですねわかります


あれ?あんな所に黒い犬がががががg

44 :マロン名無しさん:2008/12/02(火) 08:08:19 ID:???
…尿道封鎖(ボソッ

45 :マロン名無しさん:2008/12/02(火) 12:51:46 ID:???
>>41
内容の九割九分は少佐の演説ですね
わかります

46 :マロン名無しさん:2008/12/02(火) 13:46:12 ID:???
なるほど…
コミケはミレニアムの資金源のひとつだったのか!

47 :マロン名無しさん:2008/12/02(火) 23:57:54 ID:???
ロリカードちゃんの恥体は想像できない…が、多分素晴らしい物なんだろう

48 :マロン名無しさん:2008/12/03(水) 06:38:40 ID:???
>>46
明智たちと旧知の仲っぽいから困るよな……ドイツ人なのに

49 :マロン名無しさん:2008/12/03(水) 12:20:27 ID:???
キモいって言われて首絞めながらオナる同人は出ないもんか

50 :マロン名無しさん:2008/12/03(水) 17:44:39 ID:???
ロリカード様は同人誌どころかエロ絵すら見たことない

二次創作でも鉄壁なのかあのスーツは

51 :マロン名無しさん:2008/12/03(水) 23:19:53 ID:???
倫理面で一番ぶっ飛んでそうなのは准尉
これは恐らく異論のないところだろう

52 :マロン名無しさん:2008/12/03(水) 23:38:02 ID:???
シュレはむしろ高級志向と言うか
余程気に入った人間にしか近付かないし近づけないという印象が

53 :マロン名無しさん:2008/12/03(水) 23:43:23 ID:???
少佐「売り上げ記録を作るぞ」
演説する少佐とコミケ前に鬨の声を上げる大隊の面々ですか。

ミレニアムの売り子は
ブルマ着用の体操着シュレ
ドクの施術で幼女化し涙目のメイド服ロリップ
ジャージ姿のゾーリン姐さん
トランプ芸で周囲の目を引く伊達男
寝そべる狼版大尉
ですね。

54 :マロン名無しさん:2008/12/03(水) 23:50:26 ID:???
ガテン系中尉に上官命令で女装させられて
不機嫌ってレベルじゃないやけくそ状態で売り子に打ち込むシュレに
八つ当たり半分で「もっと媚びてください」「まだ行けるでしょ、中尉」等の要求を押し付けられ涙目リップ

55 :マロン名無しさん:2008/12/04(木) 00:19:41 ID:???
シュレは情報収集だけじゃなく
それこそ工作全部任せた方が輝くタイプだと思うんだけどな
メッセンジャーでなくシェレンベルクみたいに
裏工作を立案段階から実行までやるシュレが見たかったよ

56 :マロン名無しさん:2008/12/04(木) 05:58:20 ID:???
ロリカードのwiki23更新
お預かりの本スレのpart9のままだったんで10に更新

あとロリカの>>13

(迷いか、まだ若輩だし仕方のないところもあるのか喃)

喃これって何かの変換だっけ?
それともこのままでいいの?
教えてエロイ人

57 :マロン名無しさん:2008/12/04(木) 06:03:55 ID:???
出来ておる喃…藤木は…
やってくれた喃! 伊良子!
はかった喃、はかってくれた喃

じゃね?「のう」と読む

58 :マロン名無しさん:2008/12/04(木) 06:23:21 ID:???
教えてくれたのはありがたいが
吹いたwwwww

んじゃこのままでおkみたいだね

59 :マロン名無しさん:2008/12/04(木) 22:39:29 ID:???
冬コミにて
少佐「体育教員と教え子か」
ジャージゾーリン「まあ、そんな所です(部下に止められなければアレ(体操着(ブルマ))は私が着ていた…くっ)」
ブルマシュレ(やってくれた喃! ゾーリンの部下!ゾーリンに着せると売り上げが落ちるのは解る。でもなんで僕なんだ!!)
メイドロリップ「インテグラ攻め髭カード受けの新刊出ました(何で私がこんな格好を…シクシク)」
シュレ「声が足りませんよ中尉、売り子と言うのはこうやるのですよ」
ロリップ「えっ」
シュレ「インテグラ×セラス本ありまーーーす!!今なら抽選10名様にこの少女(ロリップ)のキスが当たりマーース」
無言で行列を作る大隊の面々とオタたち。
大隊隊員1「中尉安心してください。貴女の純潔はこの私が守ります(ハァハァ)」
隊員2「お前は並ばないのか?」
隊員3「俺はシュレディンガー准尉派だから」
ロリップ&シュレ「・・・(駄目だこいつ等、早く何とかしないと)」

60 :マロン名無しさん:2008/12/05(金) 09:53:22 ID:???
>>49
ちょ、今月号w

61 :マロン名無しさん:2008/12/05(金) 20:33:43 ID:???
>>41
既にある件について

62 :マロン名無しさん:2008/12/05(金) 21:04:11 ID:???
>>61
本当かー本当に本当かー

63 :マロン名無しさん:2008/12/05(金) 21:43:45 ID:???
>>62
一応BL扱いになってるから見つけれんだけだと思。

64 :マロン名無しさん:2008/12/06(土) 23:09:24 ID:???
ショルター受け、ロリカ攻めの同人マジであったのか。サークルは?

65 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2008/12/07(日) 02:29:26 ID:???
どうも、流れぶった切りますが投下します。

>>56
まとめありがとうございます。
解釈は>>57で大丈夫です。

66 :ゼロのロリカード:2008/12/07(日) 02:32:01 ID:???
 夜が明ける。劇場前でルイズはじっと待っていた。
睡眠不足と疲労で今すぐにでも眠りたかったが、姫さまの無事な姿を確認するまでは、という意思がそれを支えていた。

 暫くして、アンリエッタとアーカードの姿が見える。ルイズは立ち上がり、足がもつれて転びそうになりながらも走り出す。
「姫さま!」
「あぁ、ルイズ!」
そう言ってアンリエッタはルイズを抱きしめる。
「ごめんなさい、貴方に何も言わずアーカードさんをお借りしていました。黙っていたことは許してちょうだい。
 その・・・あなたには知られたくない任務だったのです。アニエスと一緒にいると聞いて本当に驚いたわ。
 ルイズ、やっぱりあなたと私はどこにいても駆けつけてしまう、そんな星の下に、運命にあるのかもしれませんね」

「用意万端、整いましてございます」
アニエスが膝をついて口を開く。アンリエッタは目を瞑り、何かを決心したように大きく頷いた。

「行くぞ、ルイズ」
「へっ?なんで?私もお供に――――」
「我々の仕事はここまでだ」
そう言うとアーカードはアンリエッタへと一瞥をくれる。アンリエッタもそれに答えるように頷いた。

「ルイズ、気持ちは嬉しいのだけれどこれは私自身が決着をつけなければならないことなのです」
決意を秘めたその目を見て、ルイズは渋々引き下がる。
「・・・・・・わかりました、姫さま。くれぐれもお気をつけて」



 魅惑の妖精亭に帰る為に、ルイズとアーカードは歩き出した。
「アーカード、アンタ姫さまに変なことしなかったでしょうね」
「変なこととは?」
アーカードに聞き返され、ルイズは俯いて言い淀む。
「そ・・・その・・・・・・、前わ・・私にしたようなこと・・・とか」
 

67 :ゼロのロリカード:2008/12/07(日) 02:35:05 ID:???
「フッ、さすがの私も手を出していい相手と悪い相手くらい弁えている」
ルイズは立ち止まって、半眼でアーカードを見つめた。
「主人である私はいいってわけ」
「はっはっは、主も満更でもなかったくせに」
アーカードは歩きながら愉快に笑い、ルイズは耳まで真っ赤になる。

「こっ・・・この、バカ吸血鬼!」
エクスプロージョンをぶつけてやろうかと杖を構え唱えようとするも、立ち眩みが起きた。
その後に大きな溜息を吐く。どうせアーカードに爆発ぶつけたって意味がない。
それに昨夜二発もエクスプロージョンを使ってしまった。
いずれまた姫さまの役に立つ時の為にも、魔力はできるだけ温存しておいた方がいい。


 そもそもこのやり取りはいつものこと、躍起になってもしょうがない。
少しは大人にならなくちゃ、ルイズ。涼しい顔してあしらえる、大人の女性になるんだ。
ルイズがあれこれ考えていると、いきなりアーカードが立ち止まった。

「・・・・・・どうしたの?アーカード」
「さて、主は戻るといい」
ルイズは首を傾げる。

「なんで?まだアーカードは何か用があるの?」
アーカードはフッと笑って答えた。
「んっ・・・・・・ピーピング」

 そう言うとアーカードが地面に、否、自分の影に沈んでいく。
ルイズが止める間もなく、姿は影も形も掻き消えてしまっていた。
暫しの間立ち尽くした後、ルイズは踵を返して劇場へと走り出した。




68 :ゼロのロリカード:2008/12/07(日) 02:36:53 ID:???
 

 高等法院長リッシュモンは、心の中でほくそ笑んでいた。女王と言っても所詮小娘、まだまだ甘い。
劇場から自分の屋敷まで続く地下通路を、アルビオンへの亡命とその後どうするかを考えながら進み続ける。

 魔法の灯りに照らされ、人影が見えた。
「聞きたいことがある」
その者が銃を構える、よく見るとそれは昨夜自分の屋敷にきた女騎士だった。

「どけ、まだ死にたくはなかろう。この距離では銃弾なぞ当たらん」
リッシュモンは杖を構えてそう言うも、女騎士アニエスは無視して続ける。

「ダングルテール。貴様は20年前、冤罪で反乱をでっちあげ、ロマリアの異端諮問"新教徒狩り"を名目に我が故郷を滅ぼした、そうだな」
「なるほど、あの村の生き残りか。そこまで知っているのなら、わざわざ確認せずともわかるだろう」
アニエスはただ一つのブレもなく、作業機械のように続ける。

「いくらもらった」
「いちいち覚えておらんよ」
「実行した部隊はなんと言う」
「質問攻めか?・・・・・・フンッ、まぁいい。たしか『魔法研究所実験小隊』と言ったな。汚れ仕事を専門に扱う連中だ。
 当時かなり優秀な隊長がいたらしく、瞬く間に焼き滅ぼしたそうだ。是非ともその光景を、この目で見たかったものだよ」

 リッシュモンは下卑た笑みを浮かべて言った。
「・・・・・・そうか」
アニエスは呟くと銃を手から離す。銃は軽い音を立てて地面に落ちた。

「どういうつもりだ・・・?」
リッシュモンはその光景に目を疑った、まさかここにきて諦めとでもいうのか?
警戒する、そもそもこの抜け道が知られているのだから仲間がいてもなんらおかしくはない。
むしろ多数の兵士が配置されていて当然である。

 

69 :ゼロのロリカード:2008/12/07(日) 02:39:28 ID:???
 リッシュモンが周囲に注意を払ったその刹那、アニエスは振りかぶって右手に隠し持っていた袋を投げつける。
虚を突かれるもリッシュモンは目前に迫りくる袋を無視し、投げられたそれよりも早く呪文を解放する。

 杖の先から放たれた巨大な火球が袋を飲み込んだ瞬間、大きな破裂音が狭い通路に響き渡った。
袋の中身は火薬。それが火球によって急激に燃焼し爆発、リッシュモンを巻き込んだ。
アニエスは瞬時に駆け出し、爆風をものともせず距離を詰める。
残った炎をマントと中に仕込んだ水袋で威力を減退させ、一気に懐に入り込んだ。

 杖を持ったリッシュモンの右肘から先を、抜き放った剣で斬り上げはね飛ばす。
そのままアニエスは右拳を顔面に叩き込んだ。リッシュモンは為す術もなく倒れ呻き声をあげる。

「ぐぅう・・・・・・ぅぅ・・」
アニエスはリッシュモンの肩を足で押さえ付け、身動きを奪い見下ろす。
「私は貴様を、酷く責めぬいて殺してやってもいい。わが故郷のことを考えれば、釣りの上に特典がつく」
最早そこには怨恨も憐憫もなかった。
生殺与奪の権を、既に自分が握っていると確信した上での、死に掛けた虫でも見ているかのような瞳。

「だが、私は貴様と違って下衆ではない。だからお前が死ぬのをただ眺めることとしよう。
 その出血量ではそう長くは保たない。お前がこの世を去るそのほんのひとときの間を、わが故郷の人々の鎮魂へ当てる」


「こ・・・小娘が・・・・・・平民・・が・・・」
リッシュモンは絞り出すように何度も悪態をついていたが、それもすぐに終わった。

 死んだのを確認したアニエスは、大きく息を吐いてからゆっくりと目を瞑った。
気が抜けた途端、一気に疲れが吹き出て火傷の痛みが体を襲う。
「うっ・・・・・・」

「大丈夫か?」
「・・・ッ!?誰だ!!」
「私だ、わ・た・し」
声が響く。聞き覚えのある声にアニエスは思わず問うた。

70 :マロン名無しさん:2008/12/07(日) 02:42:33 ID:???
うほっ ktkr

71 :ゼロのロリカード:2008/12/07(日) 02:44:01 ID:???
 
「・・・・・・アーカード殿?」
「ピンポ〜ン、大正解」
そう言って、アーカードはいきなり壁から出てくる。

「なっ・・・・・・!?!?」
「やっほ〜、手を貸そうか?」
アニエスは目をパチクリさせながらも、すぐに冷静になる。
「これしきのこと、大丈夫だ。それよりも、なるほど・・・・・・吸血鬼、化け物だと聞いてはいたが・・・。
 たった今目の前で、壁抜けなんて破天荒なことをやられると、信じざるをえないな。異世界の吸血鬼、か」

「ははっ、信じていなかったのか?」
「そういうわけではない・・・が、実際にこの目で見るのとはまた違うということだ」


 アーカードは軽い笑みを浮かべてアニエスを見つめている。
「しかし・・・こんな狭い地下通路で火薬を使うとは、危険だとは考えなかったのか?」
「強度は、事前に調べていた」
「最初に炎の魔法を使うと踏んでいたのか?」
「彼奴の得意な系統は把握済みだ。それでも火か風、半々の賭けではあったが」

 少しの間静寂が流れる。しばらくしてアニエスが口を開いた。
「・・・・・・ところで、覗きの趣味がおありなのか?アーカード殿」
「乗りかかった船、というやつだ」
「わが故郷の話も聞いていたな」
「無論」

 アニエスは嘆息をつく。 
「まぁ・・・・・・いい、別段隠し立てするほどのことでもない」
「ふむ、そうか」
 

72 :ゼロのロリカード:2008/12/07(日) 02:48:23 ID:???
 手を出さなかった、一切の邪魔をしなかったのは、アーカードなりの配慮だろう。
黙っていればバレなかったのに、わざわざ心配して出てきてくれたのもただの親切心。怒る理由は、ない。


「鎧をはずせ、剣その他もまとめて持っていってやろう」
アニエスは遠慮しようと思うも、思ったより身体にダメージがある。
だから素直にお言葉に甘えることにした。
「かたじけない」

「・・・・・・死体は?」
なにやら物欲しそうな目で、見つめるアーカードがそこにいた。
「裏切り者とはいえ、貴族。きちんと葬ってやらないといかぬだろう」
「ちぇっ」

 アーカードは不満そうに舌を鳴らした。





「アーカード!アンタなにやってたのよ!」
外へ出ると、アンリエッタとルイズと数人のメイジがやってきた。
メイジ達はアンリエッタに命じられていたのか、すぐにアニエスの治療を開始する。

「大丈夫ですか?アニエス」
「ありがとうございます、陛下。傷の方は・・・大したことはありません」

「ここに置いておくぞ」
そう言うとアーカードはドサドサと、持っていた鎧やら剣やらを置き始める。
「アーカードさん・・・・・・アニエス・・・」
 

73 :ゼロのロリカード:2008/12/07(日) 02:51:42 ID:???
 アンリエッタはアーカードを見てから、アニエスへ目を向ける。それだけで言いたいことはなんとなくわかった。
アンリエッタはルイズから、アーカードが消えたことを聞いていた。
アーカードが余計な茶々を入れたりして、アニエスの復讐のチャンスを、不意にしてしまったのではないかと。

「問題ありません、アーカード殿には世話になりました」
その言葉にアンリエッタは安堵の表情を浮かべる、そして改めてアーカードに視線を向けた。
「そうですか、ありがとうアーカードさん」

「なに、荷物を運んだだけだ」
「何か余計なことはしてないでしょうね」
ルイズがアーカードに問い質す。アーカードが「余計なこととは?」と聞き返し、他愛ない言葉の応酬が始まる。


 そんな二人の微笑ましい姿を見ながらアンリエッタは口を開いた。
「ルイズ、アーカードさん」
名前を呼ばれ、二人はアンリエッタへと振り向く。

「今この場を以て任務は終了にいたします」
「えっ・・・?ぁ・・はい、姫さま。もうよろしいのですか?」
アンリエッタはにこやかに笑う。

「えぇ、とても役に立ちました。今まで大変だったでしょう、本当にありがとうルイズ」
「いえ、決してそんな・・・。また何かあった時はいつでもお命じになって下さい。身命を賭して、粉骨砕身誠心誠意お仕えいたします」
「・・・・・・報酬はなしか」

 アーカードがポツリと言う。瞬間ルイズが物凄い剣幕で声をあげた。
「何言ってんのよ!アンタは私の使い魔なんだから、無償労働は当たり前でしょ!」
「情報収集の件は、既に準備金も含めて前金として貰っているからいいとして。尤もそれはルイズがカジノで――――」
「あーーー!あーーーー!!あーーーーー!!!」
 

74 :ゼロのロリカード:2008/12/07(日) 02:54:27 ID:???
 ルイズはアーカードが自分の失態を口にしようとしているのを、叫び声をあげて制する。
「まぁその情報収集の件はいい。だが昨夜の護衛は単なる私と女王陛下、個人間の頼み頼まれ事。そこに使い魔や主従といった事柄は関係ない」
「むっ・・・・・・で・・でも・・・」
「構いませんよ、ルイズ。アーカードさん、私にできることならなんでも仰って下さい」

 アーカードは満足げに頷く。
「んむ、じゃあ血を少々飲ませて欲しい。即物的な報酬には興味ないからの」
「馬鹿!よりにもよってアンタ、姫さまにッッ!!」


 アーカードはギャーギャー喚くルイズの後ろに回り込んで、手で口元を塞ぐ。
モガモガ言って精一杯暴れ、拘束を解こうとしているようだがいるが気にしない。
「血を・・・・・・ですか、少々怖いですね」
「なに、痛くはない。むしろ気持ちいいくらいだ」

 アンリエッタは苦笑いを浮かべる。
「あの・・それよりもアーカードさん、ルイズが・・・・・・」
「んっ・・・?」
ルイズに目を向けると、いつの間にか暴れるのをやめていた。
鼻も一緒に塞いでいた所為で呼吸困難、酸欠に陥っているようだった。

「おっと」
慌てて手を離すと、ルイズは何度も深呼吸して酸素を肺に取り入れた。
「殺す気!?」
「大丈夫、あのまま意識を失ってもすぐには死なない。その時は人工呼吸でもしてやったさ」
「ぬぐぐぐ・・・・・・」

 ルイズは恨めしげにアーカードを睨む。あー言えばこう言う、本当に屁理屈と揚げ足取りばかり。
ちっとも主人の言うことなんて聞きはしない。と言っても、上下関係をはっきりさせるような方法もない。
「ふぅ・・・・・・しょうがないな。じゃあルイズ、お前のでも構わん」
「はぁっ!?」
ルイズが素っ頓狂な声をあげる。

75 :ゼロのロリカード:2008/12/07(日) 02:57:39 ID:???
 
「そんなに反対するなら、代わりにお前の血を吸わせてくれればいい。私はどちらでも構わん」
「なんでよ!そもそもちょっとやそっとの血で、どうにかなるもんでもないでしょ!!」
「安物のワインを樽で飲むのと、上質のワインを一杯飲むのとじゃ訳が違う」
「とにかく駄目!・・・・・・そう、これは命令!!命令よ!!!」


 アーカードは大きく溜息を吐く。
「はぁ・・・、じゃあ主からのキスで我慢しよう。狂おしいほど情熱的な接吻をしてくれればそれでいい」
「んなッ・・・!?・・がっ・・・・・・」
ルイズは勢い余って絶句する。姫さまの前で何を言い出すのをかと。
アーカードへの罵倒か、姫さまへのフォローかぐるぐると頭の中を回転する。
すると治療を終えて近づいてきたアニエスが、そんな心中など露知らず口を開いた。

「キスくらい良いではありませぬか、ラ・ヴァリエール殿」
「アニエス!?」
「昨夜仰っていたではないですか、アーカード殿とよくキスをすると」

 アニエスは何食わぬ顔をしてそう言い、ルイズはいきなりの追撃の言葉にポカーンとしていた。
アーカードは少し驚いた顔をした後ニヤリと笑い、アンリエッタは手を口に当てて目を丸くしていた。

「むっ・・・・・・ちょっと語弊があったかな」
アニエスがそう呟く。眉間に皺を寄せ、昨夜の言葉を思い出そうとしていた。
が、しかしルイズには最早聞こえていなかった。
「ッ・・・!!?ちっちち、違います姫さま!!誤解です!」
身振り手振りのオーバーリアクションで、アンリエッタに詰め寄りなんとか弁解しようと試みる。

76 :ゼロのロリカード:2008/12/07(日) 03:00:12 ID:???
 
「ルイズ・・・・・・、その・・・人それぞれですから。気にしないで」
ニコリと乾いた笑みを浮かべ、アンリエッタはルイズにトドメの言葉を放つ。
ルイズはガクリと肩を落とし、その場にへたり込む。

「大丈夫、安心してルイズ。あなたがどんな性癖を持っていても、私たちはいつまでも大切なお友達です・・・・・・」
「かふっ・・・」
「ん〜む・・・・・・」
「はっはっはっはっはっは」

 ルイズは心の奥底で慟哭を上げ、アンリエッタは必死にルイズに対してフォローするも悉く裏目に出る。
アニエスは首を傾げ、アーカードはただただ愉快そうに笑っていた。

77 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2008/12/07(日) 03:02:56 ID:???
おしまい。
支援どうもでした。
ではまた。

78 :マロン名無しさん:2008/12/07(日) 03:06:37 ID:???
アニエス(CV:小山 茉美)フイタwwwww

79 :マロン名無しさん:2008/12/07(日) 12:00:21 ID:???
今回はブラックラグーンか


80 :マロン名無しさん:2008/12/07(日) 16:05:09 ID:???
ロリカードの人、乙です!

アニエス、リッシュモンの最期に対して原作とは違う態度でしたね
とどめを刺さずに死を見届けるのが、慈悲なのか残虐なのかは意見が分かれそう

一方でルイズの方はシリアスとは無関係w
カジノでの使い込みはそりゃバレるとマズいよね〜
ロリカードにとってルイズをおちょくるカードの一つになったかな、これは?w
あとルイズが特殊性癖の持ち主扱いされてるのは笑ったwww


81 :マロン名無しさん:2008/12/07(日) 19:58:51 ID:???
ロリカード面白いな!

82 :マロン名無しさん:2008/12/08(月) 00:58:53 ID:???
ロリカの人乙!
アニSの完成度たけー、このアニSさんならワルドにも勝てそう。
あのアンアンが急成長、ルイズが一人置いて行かれている感じ。
ロリカとルイズはキュルケとタバサの関係みたいになっていますね。
>>80
止めを刺さなかったのは彼女なりの慈悲だったに一票。

83 :マロン名無しさん:2008/12/08(月) 07:28:34 ID:???
>>82
止めをささなかったのはパロネタ

84 :マロン名無しさん:2008/12/08(月) 10:19:26 ID:???
そんなパロあったっけ?
双子?

85 :マロン名無しさん:2008/12/08(月) 19:33:48 ID:???
多分、チャカ

86 :マロン名無しさん:2008/12/08(月) 19:40:30 ID:???
双子。

87 :マロン名無しさん:2008/12/09(火) 20:48:46 ID:???
キャラが処女じゃないからといって、漫画を破って燃やすのはもはや病気

88 :マロン名無しさん:2008/12/09(火) 21:26:56 ID:???
その点ヘルシングは安全だな
なんたって主要女性キャラほぼ100ぱー・・・

あれっ?なんか眼鏡をかけた妙齢のじょせ(ry

89 :マロン名無しさん:2008/12/09(火) 21:28:48 ID:???
ゾーリン中尉も・・・・・・ゴクリッ

90 :マロン名無しさん:2008/12/09(火) 21:35:53 ID:???
吸血鬼の『繁殖』は、『処女』または『童貞』が吸血鬼に血を吸われる事によって行われる。
つまり、あの作品に登場する吸血鬼はほぼ間違いなく……

91 :マロン名無しさん:2008/12/09(火) 21:43:06 ID:???
ヴェアヴォルフの連中は除外されるんじゃね?







と、言ってみるけどそしたらリップたんが・・・


92 :マロン名無しさん:2008/12/09(火) 21:53:19 ID:???
ロリカードちゃんだって非処女、でも後ろだから問題無いよね!

前の方も…だとしても、再生するから問題無し

93 :マロン名無しさん:2008/12/09(火) 22:08:29 ID:???
>>90
1巻のジェシカは非処女の可能性高い

94 :マロン名無しさん:2008/12/09(火) 22:19:35 ID:???
吸血鬼には人間を遥かに凌駕する再生能力がありますが――吸血鬼になった後に『した』場合、再生能力は働くのでしょうか。
下手に追求するとHELLSING機関に狙われることになるので流してくださって結構です。

95 :マロン名無しさん:2008/12/09(火) 23:14:56 ID:???
再生させる必要がないから再生しないのじゃないか。

96 :マロン名無しさん:2008/12/10(水) 13:56:02 ID:???
狂信者作者さん続き待ってます

97 :マロン名無しさん:2008/12/10(水) 19:53:23 ID:???
ゼロの伯爵はどうなったんかな〜

98 :マロン名無しさん:2008/12/10(水) 23:13:00 ID:???
狂信者のサイトがもしセラスの使途になっていたら・・・

99 :マロン名無しさん:2008/12/11(木) 07:37:20 ID:???
リップ中尉は露助辺りに…

100 :マロン名無しさん:2008/12/11(木) 18:00:53 ID:???
大尉が少佐よりリップを優先して救出に向かっていそうだからたぶん無事。
死に易そうな順は
リップ>ドク(少佐の計画の要なので最優先で救出)>少佐(死に難そうなので後回し)>ゾーリン(放っておいても勝手に来る)
っぽい。

101 :マロン名無しさん:2008/12/12(金) 19:51:31 ID:???
タフだな

102 :マロン名無しさん:2008/12/13(土) 21:03:46 ID:???
おまえらゾーリンをなんだと思ってるんだ

103 :マロン名無しさん:2008/12/13(土) 21:22:12 ID:???
もみじおろし

104 :マロン名無しさん:2008/12/14(日) 00:40:43 ID:???
筋肉

105 :マロン名無しさん:2008/12/14(日) 08:45:23 ID:???
エルメェス

106 :マロン名無しさん:2008/12/14(日) 09:40:12 ID:???
兄貴

107 :マロン名無しさん:2008/12/14(日) 11:51:58 ID:???
脳裏に『ボロゾーリン』なる単語が浮かんだ

108 :マロン名無しさん:2008/12/14(日) 13:17:40 ID:???
>>107それって、ビビリップより酷くないか。でもセラス戦を見ると同じ感想。

109 :マロン名無しさん:2008/12/14(日) 14:48:40 ID:???
ぞーりんも小さい頃はシュレの2pカラーみたいな外見だったんじゃないかと

110 :マロン名無しさん:2008/12/14(日) 15:24:47 ID:???
逆に考えると、シュレがせいty

111 :マロン名無しさん:2008/12/14(日) 17:42:39 ID:???
ぐはっ(吐血)、あのシュレがまさか・・・ブツブツ

112 :マロン名無しさん:2008/12/15(月) 17:04:17 ID:???
そんなにゾーリンが好きか

113 :マロン名無しさん:2008/12/15(月) 19:12:39 ID:???
ツヨシしっかりしなさいでかーちゃんの若いころとのギャップを思い出すな。

114 :マロン名無しさん:2008/12/16(火) 00:49:35 ID:???
まあ筋肉落として髪伸ばせば…
顔立ち自体は綺麗だと思うよぞーりん

115 :マロン名無しさん:2008/12/16(火) 19:39:38 ID:???
刺青…

116 :マロン名無しさん:2008/12/16(火) 21:46:45 ID:???
刺青も筋肉もそのままでいいから、髪伸ばすだけでもだいぶ変わると思うの。
ゾーリンの姐さんは。

117 :マロン名無しさん:2008/12/16(火) 23:30:33 ID:???
いや男装の麗人で

118 :マロン名無しさん:2008/12/16(火) 23:32:35 ID:???
theガッツ

119 :マロン名無しさん:2008/12/17(水) 00:36:37 ID:???
>>115
某露助の大尉殿を思い出した。カッコイイじゃないか顔隠れてても。

120 :マロン名無しさん:2008/12/18(木) 04:26:34 ID:???
ttp://www21.tok2.com/home/tokorozawa/faq/faq42b.jpg

121 :マロン名無しさん:2008/12/18(木) 09:22:24 ID:???
>>120
たけのこの里、多すぎwww

122 :マロン名無しさん:2008/12/18(木) 17:02:07 ID:???
>>120
トンガリコーンとチョコボールは初めてみたとき思ったなあwww

123 :マロン名無しさん:2008/12/19(金) 11:11:02 ID:???
丸太騎士団

124 :マロン名無しさん:2008/12/19(金) 13:24:10 ID:???
つまり和尚がたくさんですね

125 :マロン名無しさん:2008/12/19(金) 19:31:07 ID:???
すまぬ

126 :マロン名無しさん:2008/12/19(金) 22:50:50 ID:???
和尚がツー

127 :マロン名無しさん:2008/12/20(土) 13:55:45 ID:???
もし、ペンウッド卿(もしくはリップ中隊の隊員の誰か)がタバサに召喚されていたら。

128 :マロン名無しさん:2008/12/20(土) 14:33:03 ID:???
タバサを背に乗せて空を翔るペンウッド卿か

129 :マロン名無しさん:2008/12/20(土) 15:20:18 ID:???
トリステイン無双ですね、わかります

130 :マロン名無しさん:2008/12/20(土) 21:38:38 ID:???
>>128
両手を拡げて空を飛んでるペンウッド卿想像してワロタ

131 :マロン名無しさん:2008/12/20(土) 23:05:30 ID:???
>>130
当然崩し絵の方でだな。
                 I can fly

132 :マロン名無しさん:2008/12/21(日) 01:05:56 ID:???
むしろタイタニックな感じで

133 :マロン名無しさん:2008/12/21(日) 02:27:02 ID:???
>>132
ルイズの腕力じゃベンウッド卿を支えきれんだろw

134 :マロン名無しさん:2008/12/21(日) 02:39:23 ID:???
>>133
いや、タイタニックてそっちかよ!
内勤で足腰弱ったオッサンが手ぇ広げてても絵にならんぞ。

135 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2008/12/21(日) 22:40:51 ID:???
ども、投下します。

本当なら金曜にしようと思ってたんですが、地域限定のホスト規制で延期・・・。
その少し前は全国規制だったり、ホント困ります。
投下途中で万が一音沙汰がなくなったら、規制かも知れませんw

そういう時は、あのゼロ避難所の代理投下スレなどは利用してもいいのかな。

136 :ゼロのロリカード:2008/12/21(日) 22:42:20 ID:???
 学院を出て早馬を飛ばし、ラ・ヴァリエールの土地に到着する頃には、既に夜になっていた。
アンリエッタ女王陛下からの任務も、無事終了。夏休みももうすぐ終わる頃、ルイズは実家へと帰ることにしたのである。
道中休みながらきつつも、学院からラ・ヴァリエールの領地までは相当な距離であり、乗っていた馬が潰れるのも当然であった。

 故にその日の夜は領地内の旅籠に宿泊し、次の日の早朝から新たな馬で行くことにした。
乗ってきた馬を預けると、とある宿屋へと案内される。中へ入ると、ルイズにとって嬉しい迎えがきていた。

「・・・!?ちいねえさま!!?」
「おかえりなさい、わたしの小さいルイズ。会いたかったわ」
そう言って、同じ髪の色をした麗しき姉妹は抱き合う。
「あぁ・・・私もです、ちいねえさま。でも・・・・・・何故ここに?」
「文で帰郷の旨を伝えたでしょう?だから馬車で迎えにきたのよ」


 きゃっきゃうふふしてじゃれ合う姉妹を、やや冷めた目で見つめる金髪の女性が口を開く。
「遅い」
その言葉に姉と抱き合ったまま、ルイズは声のした先に視線を向ける。
「エレオノール・・・・・・姉さま・・」
「あら、なにその残念そうな顔は?ちびルイズ」
エレオノールは半眼でルイズを睨み付ける。その目にルイズは体が反射的にビクついた。

「・・・・・・いえ、お久しぶりです。会えて嬉しいです・・・、エレオノール姉さま」
「カトレアとは随分と違う対応の差ね・・・・・・、まぁいいわ」
そう言うとエレオノールは、一拍溜めて大きく息を吸う。

「帰ってくるのが遅い!」
ルイズはぎゅっと目を瞑り、片目を開けて恐々と弁明する。
「で・・でも・・・頑張って馬を飛ばしてきたのに・・・・・・」
「そういうことじゃない!夏休みに入ったらすぐに帰ってくる予定だったでしょ!!
 自分勝手に帰郷を遅らせたことを言ってるの!!!そのおかげで―――」
 

137 :ゼロのロリカード:2008/12/21(日) 22:44:31 ID:???
 エレオノールは思わず口走りそうになったことに気づき、ゴホンと一つ咳払いをする。
「その間、何度も文を送ったのになんの連絡もよこさずに・・・。きっちり説明してもらいましょうか」
「うぅ・・・・・・それは・・書いた通り、姫さまからのお願いで・・・・・・」
「嘘おっしゃいッ!!」
ルイズはエレオノールの剣幕に思わず両目を瞑り、カトレアの豊満な胸に顔を埋める。
カトレアはそんなルイズの頭を、ニコニコと微笑ましく笑いながら一回撫でた。

「ふふっ、エレオノール姉さまはね、あなたの夏休みに予定を合わせていたのよ。
 なのにルイズったら突然拒否したりして、今になっていきなり帰ってきたでしょ?
 エレオノール姉さまはアカデミーに勤めているから、そっちの方を調整するのが大変だったのよ。
 それでもこうやってあなたがここに来るまで、昼からここでわたしと一緒に待っていてくれたのよ」

「カトレア!余計な事は言わなくていいわ」
「エレオノール姉さま・・・・・・」
ルイズはエレオノールの方へと向き直る。
「安心なさいちびルイズ、別に大した労力は使っていないから。あなたを待っていたのもたまたま。私が来るのが少し早かっただけ」


 エレオノールの言葉にルイズはムッと唇を尖らせる。
その時、ここまでずっとナチュラルスルーされていたアーカードが呟いた。

「・・・・・・アカデミー」
その言葉に三姉妹の視線が集まる。
「まあ、まあ、まあ、まあまあ、あなたルイズの恋人ね?」
と、カトレア。
「ッッッ・・・!?ちち、違いますちいねえさま!!ただの使い魔よ!恋人なんかじゃないわ、そもそも女だし!」
「あらそうね、ごめんなさい。わたし、すぐに間違えるのよ。それでお名前は?」
「アーカード・シュヴァリエ・ド・ツェペシュです、以後お見知りおきを」
 

138 :マロン名無しさん:2008/12/21(日) 22:44:35 ID:???
夕焼けが煌めく水平線。二人は船の先端に立ち、柵に脚をかけギリギリまで身を乗り出す。
彼は目を瞑りながら、両手を水平に広げる。腰にはちゃんと彼女の手が添えられていた。

『開けてごらん…』

優しく呟かれ彼は目を開ける。

『うわぁ…きれい』

広がる視界は全て夕焼けにそまっている海原。きらきらと反射し絶景を彷彿させる。
風が身をかけ、心地良い。

『まるで空を飛んでるみたい…』
『気持ちいいだろう?』


書いてて気持ち悪くなってきた
ちょっとトイレに(ry

139 :マロン名無しさん:2008/12/21(日) 22:46:18 ID:???
うわーいやっちゃったorz

吊ってくる支援

140 :ゼロのロリカード:2008/12/21(日) 22:46:43 ID:???
 アーカードの自己紹介に、カトレアとエレオノールはそれぞれ違った反応を見せる。
「まあ、シュヴァリエ。すごいのね、アーカードさん。私はカトレアよ、よろしくね」
「あら、おちびルイズの侍女じゃなかったの。まぁ剣を背負ってるからちょっと変だとは思ったけれど。
 私は長女のエレオノールよ。・・・・・・しかし人間を使い魔なんて、いつまで経ってもあなたは―――」

 エレオノールの小言が始まりそうなところで、自己紹介を終えたアーカードは再度口をひらいた。
「アカデミーに勤めていると?エレオノール殿」
「ん・・・えぇ、そうだけど?」
「では20年前の『魔法研究所実験小隊』、ダングルテールの事件をご存知か?」

 エレオノールは右手を顎にそえ、暫し考える。
「あぁ・・・少し聞いたことあるわ、疫病がどうとか。あと副長が乱心して、その後に隊長までいなくなったとか・・・・・・」
「疫病・・・・・・、他にはなにか?」
「ん〜〜〜・・・その隊長が凄く優秀だったらしく、たしか・・・・・・『炎蛇』って二つ名だったとか」

 瞬間、アーカードは顔をしかめる。ルイズは疑問符を浮かべた。
「『炎蛇』・・・って、コルベール先生?」
「先生?今は学院の教師をやっているの?」
「えぇ・・・、コルベール先生はうちの教師よ。・・・・・・それで、それがどうかしたの?アーカード」
「いや・・・・・・どうもしない」

 アーカードはそれきり黙り、何かを考えているようだった。
ルイズとエレオノールは二人して首を傾げ、カトレアが手をパンと鳴らす。
「それじゃ、みんなでご飯にしましょう」


 三姉妹とアーカードはテーブルを囲み、運ばれてきた料理を口にする。
「ちいねえさま、今夜は一緒に寝てもいい?」
カトレアは優しい笑顔を浮かべる。
「えぇ、いいわよ。一緒に寝ましょうルイズ」
「ありがとう、ちいねえさま」
「二人で寝るのはいいけど、寝坊しないように。明日は朝一で馬車で向かうのだから」

141 :マロン名無しさん:2008/12/21(日) 22:48:06 ID:???
あるるかん支援

142 :ゼロのロリカード:2008/12/21(日) 22:48:19 ID:???
 
 エレオノールが釘を刺し、その後も他愛ない会話が続いていく。
(団欒か・・・・・・久しく、とても久しく忘れていたな。・・・・・・んむ、悪くない)
アーカードはフッと笑みを浮かべ、束の間の賑わいを楽しんだ。





 ラ・ヴァリエール公爵邸。
屋敷ではなく城であり、ラ・ヴァリエール家がトリステインでも五指に入るという大貴族であるということが認識させられる。
到着したのは昼頃で、既に食事の準備が出来ているとのこと。到着すると、すぐにダイニングルームへと通される。
そこにはラ・ヴァリエール公爵と公爵夫人が既におり、挨拶と自己紹介とを済ませると食事が始まった。

 一介のシュヴァリエでルイズの使い魔でしかないアーカードが、その席に座ることは当然許されることはない。
かつて王だったアーカードも、その点は弁えている。ルイズの後ろに控え、やや気怠そうにその光景を眺めていた。


 粛々とした食事が続く中、口を開いたのはラ・ヴァリエール公爵であった。
「・・・・・・まったく!あの鳥の骨めッ!!」
苛々しげに言い放つ。
「・・・一体なにがあったのですか?」
機嫌の悪いのがありありとわかる父に、エレオノールは問う。
「つい今朝方、アルビオンへの侵攻作戦が決まり、それについての文が届いたのだよ。
 正式に通達するのはまだ先だが、予め遠征の為の軍備を整えておくようにとのことだ。
 あの枢機卿もとい鳥の骨のこと、まだお若い陛下をたらしこんだに違いない!」

(ほぅ・・・・・・決心したか、アンリエッタ女王陛下。実に、楽しみだ)
顔には出さず、アーカードは内心で笑う。アンリエッタの決断と戦争の愉悦に。
 

143 :ゼロのロリカード:2008/12/21(日) 22:50:14 ID:???
「それで、どうするのですか?」
公爵夫人が食事の手を止め、公爵に聞く。
「軍備などするわけなかろう!私は既に軍務を退き、世継ぎもおらぬ。このような戦争など、非常に遺憾だ」
 
「と・・・父さまは戦争に反対なのですか?」
ルイズがおそるおそる質問する。
「当然だ、今回の戦は間違っている。よいかね、ルイズ。攻める軍は守る側に比べて約三倍の戦力が必要なのだよ。
 それでもなお、アルビオンを攻めるならば熾烈を極めるだろう。だからこそわれわれは包囲するべきなのだ。
 アルビオン大陸を封鎖し、向こうが根負けするのを待てばよい。攻めて失敗したらなんとする?勝ったとしても犠牲は大きい」

 父の論と静かな剣幕にルイズは黙り込み、公爵はそのまま続ける。
「しかも学院の教師や生徒までも、仕官不足から募るという。数だけ揃えればいいというわけではない。
 このような戦、私は断じて承諾するわけにはいかん。ルイズ、お前もくれぐれもその事を頭に留めておきなさい」


 ルイズは俯く。そして自分の心に問うた。結論は、既に出ている。
「わたしは姫さまの、・・・・・・アンリエッタ女王陛下の力になりたい」
「・・・・・・それはつまり、戦に参加したいということかね?ルイズ」
公爵は威厳のある声で言った。ルイズはその迫力に一瞬気圧されるも、目を瞑って自分の意思を再度確認する。

「・・・・・・はい、そうです父さま。戦に参加することも、辞さない覚悟です」
芯の強い、決意の込められた、ルイズの瞳を見て公爵の目が鋭くなる。その瞬間、エレオノールが口を挟んだ。
「ルイズ!よりにもよってあなた!!戦場がどんなところだか知っているの!?」
「知ってるわ!タルブでの戦だって、姫さまと一緒に参加してたもの!!私は姫さまの信頼に答えたい、私が選んだ私の道なのッ!!!」

 力強いルイズのその言葉に、家族全員が目を丸くした。自分達が知っているルイズとはまるで違う、その姿に。
「タルブの戦に参加してたですって!?あなた勝手にそんなことを!!あなたはいつまで経っても心配ばかりかけて!
 大体、女王陛下があなたの何を信頼するって言うの!?『ゼロ』のあなたに!!」
 

144 :ゼロのロリカード:2008/12/21(日) 22:52:23 ID:???
「あなたたち、少し落ち着きなさい」
ルイズがキッとエレオノールを睨み、食って掛かろうとした瞬間、公爵婦人がそれを制止する。
ルイズとエレオノールは、一旦落ち着き席に座りなおしたところで、公爵が口を開く。
「・・・・・・お前が行って・・・どうするのだ、ルイズ。それとも、得意な系統にでも目覚めたのかね?」
「えっ・・・・・・その・・・『火』、です」

 家族といえども『虚無』のことは言えない。
爆発もある意味『火』だろうということで、ルイズは咄嗟に口走った。
しかし愛する父に嘘をついたという事実が、ルイズの心を締め付ける。


「『火』・・・か。おじいさまと同じ系統だね、ならば戦に惹かれるのも仕方ない。
 勝手にタルブでの戦に参加した事は、無事に帰ってきたから不問にする。
 だがしかし、これ以上戦争に参加することなど認めぬ。断じて認めぬ、これは命令だルイズ」

「そんな・・・ッ!?」
「陛下には、わしから上申する。戦には絶対に行かせぬ、このままここに残るのだ。どうせ学院も仕官募集で、まともな授業もできん。
 この度の戦が終わるまでは、決して城からは出さん。そうだな、ついでに婿を取るといい。お前は少し、自暴自棄になっているのだよ。
 あの・・・・・・ワルドの裏切りの一件でな。そうすれば心も落ち着く。戦に参加するなどと、馬鹿な事も言わなくなるだろう」

 ルイズは絶望する、父の目は本気だ。
いつ終わるともしれない戦争の間、ずっと城に軟禁された上に婿までとる?冗談じゃない。

「ルイズ、わがままもいい加減になさい」
抗議しようと立ち上がった瞬間、公爵夫人が冷ややかに言った。

「そうよ!大人しく父さまの言うことを聞きなさい」
「・・・・・・ルイズ、わたしも戦に参加するのは反対だわ。あなたにもしものことがあったらわたし・・・・・・」
エレオノールがそれに続き、カトレアは悲しげな表情でその本音をルイズに言う。
ルイズは悲しくなる、自分はいつまで経っても家族にとっては子供扱いなのだ。

 

145 :ゼロのロリカード:2008/12/21(日) 22:54:15 ID:???
「・・・・・・少し、横暴なのではないかな?ラ・ヴァリエール卿」
「なに?」
そう言い放ったのは、ルイズの後ろに控えた少女。使い魔であり従僕であるアーカードであった。

「親がなくとも子は育つ。貴方がた家族が思っているより、我が主ルイズは成長をしている・・ということだ」
「・・・・・・言ってくれるな、確かアーカードくんと言ったかね。シュヴァリエ、それも使い魔の分際で」
アーカードの不遜な態度に、公爵は顔を歪める。しかし、アーカードは気にせず続けた。

「まともに魔法が使えない。その所為で家族から呆れられ、学院の生徒からは侮蔑され、嘲笑され、罵倒されてきた。
 家柄、その重圧、自己嫌悪、様々なものがルイズを苛んできた。だがしかし、それでもルイズは曲がらなかった。
 自分の出来る精一杯を、努力を、研鑽をしてきた。・・・・・・んむ、さすがは公爵、公爵夫人。貴方達二人のご息女だ」

 アーカードはその場から動かず、ゆったりと語り続ける。 
「無論・・・家族を心配し守ろうとする、その心根は素晴らしい。言い方はきつくとも、その根幹にある想いは本物だろう。
 だがルイズは真っ直ぐ生きている。貴方達の知らないところで、必死に頑張っている。諦めを拒絶し、人道を踏破している。
 家族といえど、それを妨害する権利などない。そして私はルイズの、『ゼロ』の使い魔だ。主の意志を尊重するのは、これ道理」


「アーカード・・・・・・」
ルイズは少女を見つめる。自分の意思を尊重してくれる使い魔。自分の良き理解者を。
「なるほど、我々の知らないルイズの側面。それをアーカードくん、君は知っていると?」
公爵の言葉に、アーカードはうんうんと頷く。ルイズは父へと向き直り、真摯な表情で見据えた。

「ふむ・・・・・・、確かに我々はルイズの成長を知らない。いつの間にか、系統に目覚めていたことすら知らないくらいに。
 だがねアーカードくん。たとえどんなに成長しても、どんなに立派になろうとも、我が子はいつまでも我が子なのだよ。
 愛娘を危険な戦場へと行かせるなど、到底納得できることではない。娘の命は、親の・・家族の情は、何者にも勝るッッッ!!!」

ドンッ!!!

とでも効果音が見え、聞こえてくるような・・・ラ・ヴァリエール公爵の言葉が部屋に響き渡った。
 

146 :ゼロのロリカード:2008/12/21(日) 22:56:41 ID:???
「ふふっ・・・・・・だとさ?ルイズ」
アーカードは暖かな笑みを浮かべ、ルイズに近づきポンッと頭に手を置く。
口に出されて初めて感じた、父の想い。忌憚ないその言葉に、ルイズは胸が熱くなるのを感じた。

(でも・・・・・・それでも・・・わたしは・・)
「父さまが私を愛し、心配してくれてるのはわかりました。でも私は姫さまの力になりたいんです!!」
ルイズとラ・ヴァリエール公爵は、互いに一歩も退かず視線を合わせ続ける。

 公爵も、公爵夫人も、エレオノールも、カトレアも、家族全員がルイズの態度、その成長に驚いていた。
姉に逆らい、父に逆らい、家族の想いを知った上で尚、進もうとする娘。そんな妹の姿に、一種の感動すら覚える。

 飯を喰らい、気を喰らい、喜びを喰らい、哀しみを喰らい、愛を喰らい、嘲りを喰らい・・・・・・。
繰り返すうち、取るに足らぬハズだった脆弱なる子猫はいつしか、父の視線をもまともに受け止める獅子へと進化を遂げ。
更なる変貌を諦めず、更なる熟成を諦めず、やがてアーカードの主に相応しい、偉大なメイジとしての完成を見る。


 一体どれほどの時間が経過したのだろうか。ルイズと公爵の均衡は破れない。
最早語るべき言葉はない。ルイズの想いと公爵の想い、そのぶつかり合いであった。

「戦は危険、だから行かせたくない。なれば―――」
いい加減に飽きて、持て余したアーカードが横槍を入れる。
「戦争をしても死なない、きちんと生き抜く。それだけの強さがあれば問題なかろう」
「・・・・・・つまり、ルイズの実力を我々がその目で見て判断しろと?」
「いやいや、我が主の手をわざわざ煩わせる必要はない」

 アーカードは腕を組み唇の端を上げた。
「メイジの実力を測るには使い魔を見ろ、と言うらしいな」
公爵を見据えていたアーカードは、その隣へと視線を移した。
「私では、お眼鏡に適いませんかな?」
 

147 :ゼロのロリカード:2008/12/21(日) 22:58:25 ID:???
 アーカードが視線を合わせたのは・・・・・・公爵夫人であった。
「ラ・ヴァリエール公爵夫人カリーヌ・デジレもとい、先代マンティコア隊長『烈風』カリン殿」
アーカードは軽〜く、殺意を叩き付ける。すると公爵夫人の目が鋭くなり、ダイニングルームに緊張が走った。

「私はレアな幻獣などではないゆえ、見ただけでは判断しかねるだろう。だから実力をお見せしましょう。
 トリステイン史上でも、指折りの伝説が相手ならば不足はないと思いますが、どうですかな?一つお手合わせを」

 見えない威圧感が部屋中を余さず包み込む。無言の圧力がチリチリと音を立てている気がした。
戦々恐々とした空気の中、口を挟む者はいない。このプレッシャーの中で動けるのは、アーカードとカリーヌだけであった。
「強者は強者を知る。現役を退いて長いようですが、その瞳が衰えていないのは一目でわかります」
カリーヌは目を瞑った。自分がどうするべきか否かを考える。


「・・・・・・いいでしょう、たまには運動するのも悪くありません。わたくしもルイズが大事ですから・・・手加減はしませんよ」
カリーヌはにこやかに笑みを浮かべる。少し楽しみなのも、本音であった。
「ははっ、それでこそ我が主ルイズの母君」

 承諾の言葉を得られ緊張が解けた瞬間、使用人たちは堰を切ったように部屋から逃げ出す。
冷や汗の止まらないラ・ヴァリエール公爵は、制止しようとするも、既に時機が過ぎていることに気付く。
が、それでも妻の全盛期を知る彼は、カリーヌを止めようと口を開く。

「ま・・・待て、待つんだカリー―――」
「あなた、立会人お願いね」
有無を言わせぬ、向けられた者に寒気を感じさせるその笑顔。
そして淡々と、耳に通るその言葉に遮られ、公爵は目を瞑って祈るように諦めた。

「そうそう、私はメイジではないゆえ、魔法を吸収するマジックアイテム。この大剣を使うがよろしいか?」
「わたくしも現役時代の装備で戦いますから、一向に構いませんよ。すぐに準備をしてきますから、少々お待ちになってね」

 アーカードとカリーヌは互いに微笑み合い、他の4人は何かを通り越したのか、揃って薄ら笑いを浮かべていた。

 

148 :ゼロのロリカード:2008/12/21(日) 23:00:18 ID:???



 台風一過よろしく、否、それよりも酷い惨状であった。
人が作った物は、その全てが見る影もなく崩壊し、そこに存在していた筈の森林も、根こそぎ消え去っていた。
アーカードも、『烈風』カリンも、これ以上ないくらいに楽しげに戦い、陽が落ちる頃まで、時を忘れて闘った。

「夢の様だ、人間とは夢の様だ!実に・・・・・・実に楽しい闘争だった」
「・・・そうですね、わたくしもついつい張り切り過ぎました。現役時代を含めても、わたくしとここまで渡り合う者はいませんでしたよ」
烈風カリンは鉄仮面をはずし、答える。

「はっはっは、いやいやそれはカリン殿が加減をしていただいたおかげですよ」
「そういうアナタも、まだ何かを隠しているようでしたが?」
「ククク」「フフフ」と、アーカードとカリンは黒い笑いを浮かべ合う。


「それにしても・・・・・・ルイズはとても優秀な使い魔を召喚したようですね、・・・貴方になら十二分に任せられるでしょう」
「我が主も、私に負けないくらい凄いぞ」
「そういうのは、結構です。確かに成長はしているようですが・・・・・・まだまだなのは見ればわかります」

(タルブであげた戦果は私以上なんだがな・・・・・・)
アーカードはデルフリンガーを地面に突き刺し、頭を掻く。そうは思っても仔細を言うわけにはいかない。

「さしあたって、貴方が使い魔として・・・その盾としてあの子の守るならば、戦場でも問題はありません」
「我が主の命令次第だな、常にルイズに追従して守っているわけではないからの」
「ならば、あの子が一人でも問題ないよう鍛えてあげてくださいな、それはもうビシバシと」
「ふむ、心得た。既にやっているメニューを三倍くらいに―――――」

 

149 :ゼロのロリカード:2008/12/21(日) 23:01:46 ID:???
 遠くから不穏な会話が聞こえて、ルイズは思わず眉を顰める。
一方でラ・ヴァリエール公爵は呆然としていた。エレオノールとカトレアも、母の強さを目の当たりにし同じく呆然としている。

 しかしルイズだけは、少し違っていた。モチベーションが上がっている。自分の素質に対しての期待が高まり、しかめっ面も輝いてくる。
直に見た母の強さ、そして父の武勇。もしかすると、自分はかなりイケるのでは?などと思う。
伝説である『虚無』をその系統とし、強力な使い魔アーカードをその従僕とする。
(もしかしなくても、私って凄い・・・・・・??)

 強き母の姿が自分の理想とする姿と重なる。
カトレアのような美しく豊満な肉体で、エレオノールのように気高くあり、父のような強い想いと、母のように華麗で強くあるそんな姿。
アーカードの主人に恥じぬ、パーフェクトなルイズ・ド・ラ・ヴァリエールを妄想する。

 そう、今は昔とは違う。どれだけ学んでも、どれだけ練習しても一向に上達しなかった魔法。
ひょんな事から『虚無』に目覚め、努力すればするだけ得られるようになった"成長"という名の甘い果実。
本当に少しずつでも、日々進歩していく自分の力に酔い痴れる。
ひいてはそれが敬愛する姫さまの力になるという事実が、さらなる陶酔感をもたらす。

 鍛錬こそすれ、あまり自身の強さに実感が湧かない今日。
しかし今まで同様、諦めず研鑽を積み続けるならばきっと自分の理想に近づける。
今自分の周りに、その根拠たる家族と使い魔がいるのだ。

(理想に近づける・・・?いや、その理想になってみせるッ・・・!)
ルイズの中に、また一つ決意が固まった。


 そんなルイズがその決意を言葉にし、アーカードがそれに感心。
後、地獄を見ることになったのは・・・・・・また別の、もう少し先の話である。

150 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2008/12/21(日) 23:03:18 ID:???
以上で終了です、支援どうもでした。


>>138
なんというタイミングw

イメージしてワロタわw

151 :マロン名無しさん:2008/12/22(月) 01:41:14 ID:???
いつもながら素晴らしいです

152 :マロン名無しさん:2008/12/22(月) 02:27:31 ID:???
今度番外でカリーヌとの闘争をkwsk

153 :マロン名無しさん:2008/12/23(火) 12:56:53 ID:???
いつもGJ

154 :マロン名無しさん:2008/12/23(火) 17:56:05 ID:???
ロリカの人乙です。
本当バキが好きなのねw

155 :マロン名無しさん:2008/12/23(火) 19:37:14 ID:???
ゼロリカ殿いつもながらGJです。
旦那はやっぱり普通に闘ったんでしょうね。
クロムウェル開放したら勝負にならないでしょうし。

156 :狂信者 ◆BLbeX1AAMU :2008/12/23(火) 22:58:55 ID:???
お待ち頂いた方々、遅れてしまい本当に申し訳ありませんでした。
27話目投下2330より

157 :虚無と狂信者:2008/12/23(火) 23:29:25 ID:???
 シエスタは衛士に連れられ廊下を歩いていた。自然と溜息が漏れる。
 その右手に視線を移す。少女のものとは思えないほど、無骨で、傷だらけの手だ。
 こんな風にするまで、どれ程の鍛練をしてきただろう。どれ程の時間を費やしただろう。
 そして、それほど賭けて積み上げた技術も、何の意味も為さない。
 ここから逃げることも拒否することも、愛する人の元に向かうことも。
 何もできはしないのだ。
「護身……か……」
 己の身を護ることが武の本質とするならば、この結果は間違いなくそれに近いだろう。
 金は得られ、大切な人は守られる。
 けれど、どうしても悲しかった。

 ふと、曽祖父の言葉が思い出される。
「シエスタ、おぬし程の才があればわかるだろう。武を極めたものにとって実際に戦うなど下の下、
もし、武の真髄に近づくならば、危うきには近寄れぬ。
なあに、おぬし程の才があれば、すぐに 見える さ」

「結局わからないままだったね、ひいおじいちゃん」
 けれどこれで良かったかもしれない。いつまでも修行などできるものでは無いのだから。

 突然、シエスタの足に力が入らなくなった。
 衛士が怪訝な顔をする。シエスタはバツの悪そうに笑った。
 さらに立ち上がろうとし、
 またもやこけた。
「何をしている?」
 衛士はシエスタに問い、彼女は乾いた笑いをし、歩き出す。
 数歩程歩いた所で、彼女は思考を巡らせた。
 そして一つ、重い息を吐き出す。
「とんだところで……護身完成という訳ですか」
 シエスタの眼前には、巨大な門が彼女を行かせぬよう聳え立っていた。

158 :虚無と狂信者:2008/12/23(火) 23:31:26 ID:???
 無論他人からは見えることは無い。
 彼女の心が生み出した幻影である。
 
 普通ならばここで進めなくなる所であるが、シエスタはその門を潜り抜けた。
 自らが生み出したそれが雲散霧消する。
 幻影の壁が消え失せる。
「一体……何が……」
 たかが妾になる位で、そんな危険な事が及ぶはずは無い。
(一体何をされるんでしょう)
 扉を開く、そこにいたのは件のモット伯と。
 金髪の女性だった。


「…………………………………3P?」
「?」

(いやああああ〜〜〜、そんな! 初めてなのに! 絶対私はサイトさんとキャッキャウフフ
ラブラブチュッチュな感じにしたかったのに〜〜〜〜)
 このメイド、自重しない。
 頭を振って床にガンガンぶつける少女にモットとアニエスは微妙な目を向ける。
「そんな! 女性となんて! あ! でもメイド服着たサイトさんなら! きゃ〜〜〜」
 妄想は心の中から口を伝って飛び出し始めた。
「お〜い、君……ヤダバ!」
 モットが勇気を出して肩を叩くも彼女の裏拳を喰らい、地面に水平に吹っ飛んだ。
 しばらくシエスタはじたばたと床を転げ回っている。
「おい、君、話を始めていいかな?」
 アニエスは立ち上がり、先程から自重しないメイドに近づいてくる。
「あ、でも確かに似合いそう! よーし今度ミス・ヴァリエールを焚きつけて……」
「……」
 無視である。というか届いていない。アニエスは溜息を一つした。
 そして、ほんの少しだけ、笑った。

159 :虚無と狂信者:2008/12/23(火) 23:34:56 ID:???
 その瞬間。
 シエスタは跳ね上がり、
 瞬時にアニエスに対峙した。
 モットと衛士達はその動きに呆気に取られる。

 しばらくの、どれ程か分からないが、静寂の後にアニエスは呟いた。
「合格だな」
 アニエスはまるで人懐っこい笑みを浮かべ、席へと戻って行く。
「まあ座れ、茶でも飲んで行くといい」
「あの、ここ私の邸た……」
「それでは……」
 シエスタは促された席に座る。
 モット伯が泣いている気がしないでもない。
 シエスタの前に紅茶が差し出されてから、アニエスは話を切り出した。
「私はアニエス。姫陛下直属の騎士だ。といってもまあ、平民の剣士で構成された一小隊の主でしかないが……。
ここ最近起きている吸血鬼事件、噂位は聞いたことがあるだろう?」
 シエスタの手がピクりと震える。アニエスは構わず続ける。
「いや、君はもっと深い所まで知っているな? タルブの村のシエスタ殿?」
「……何が目的ですか?」
「まあ、端的に言うとな……」

「君が欲しい」

「変な意味にとるな」
「と、とりませんよ」
 シエスタのピンクの脳は見事に変な意味にとっていた。

160 :虚無と狂信者:2008/12/23(火) 23:36:45 ID:???
「姫殿下の御意向でな……近々、対吸血鬼戦用の実行部隊が創設される」
 アニエスは淡々と話始めた。
「そこで、我々としては優秀な人材が欲しいのだ。無論報酬は出す。今の給金の三倍は出そう」
 シエスタは俯いたまま、考えながら口を開く。
「何故、このような回りくどい方法で呼んだんですか?」
 アニエスはその問に自嘲気味に応える。
「私は貴族ではない。いや、メイジですらない。
そんな私がこそこそ動くのを快く思わない者も多い。
さらに、こんなでも宮廷仕えの師団長が学院務めのメイドに会いに来たとなっては
そちらもいい迷惑だろう?」
 シエスタはその答えに頷いた後、また次の質問をする。
「もし断ったら?」
 アニエスは鼻で笑った後に掌を上げる。
「どうもしないさ。君が望むならそのまま魔法学院で働けばいい。
無論この件は他言無用だが……」
 シエスタはアニエスの瞳を真っ直ぐに見据える。嘘は無い。

 途端、彼女は安堵の溜息を洩らす。
 また元通りあの場所に戻れるのだ。
 しかし、どうしてももう一つ明らかにせねばならないことがある。

「先程、あなたは『私の迷惑だから』態々こんな方法で私を読んだと言いました。
しかし、本当にそれだけですか?」
 シエスタは真っ直ぐにアニエスを向く。しばらくそのまま見つめ合う二人の女性。
 その何とも言えない息の詰まる空気にモット伯の頬にも何やら伝うものがある。
「……裏切り者だよ」
 アニエスは口を開く。その顔には明確な怒りがある。
「永遠の命などという誘惑に耐えられなくなった人間がいるのさ。
宮中にも、何処にもな」
 アニエスは吐き捨て、拳を握りしめる。
「どこにでもいるさ。貴賤問わず、政界財界軍部宗教etc.
……蛆虫どもめ」

161 :虚無と狂信者:2008/12/23(火) 23:38:11 ID:???
 最後に、辛辣な言葉を吐き出し、しばらく沈黙が漂う。
「だから必要なのだ。誰とも信頼の置けぬこの状況で、吸血鬼共を打ち倒す
そんな機関がな」
 アニエスはそう言い終えた後、黙ってシエスタを向く。
「協力してくれないか」

 シエスタは自分の手を見る。
 今までこの手で幾度と無く刀を振るって来た。
 そしていつのまにか、己の手にはとてつもない技が身に付いている。
 それを振るってみたい気持ちもどこかにある。
 しかし。

「すいません。私は……」
 口を開き欠けたところで、その耳が、あの音を捉える。
 アニエスは横を向いていた。

「どうやら来たな。蛆虫共」

 シエスタとアニエスが扉の方を向く。
 モット伯は二人の様子に不審に思う。
 数瞬たって、何か音が聞こえてくる。
 それが悲鳴だと彼が気付いた時、扉が乱暴に開かれた。

162 :虚無と狂信者:2008/12/23(火) 23:40:17 ID:???
 入って来たのは五名程の兵士達。
 皆トリステインの紋章が付けられた軍服を身に纏っている。
「何だ貴様ら!」
「こういうことですよ。モット伯」
 リーダー格らしい男が歯を見せる。
 そこにはあきらかに人のものでは無い鋭く尖った歯が並んでいた。
 モットの顔が驚愕で歪む。
「素晴らしい、吸血鬼とは素晴らしい」
 そして男が杖を振り上げる。不意に、アニエスが呟いた。
「誰の差し金だ?」
「これはこれは、女の衛士如きが何故貴族の部屋に? お邪魔したか?」
「いや。それより、お前らを吸血鬼にした連中はだれだ?」
「知る必要は無い」
 男は杖の先から炎を燃え上がらせる。
「死ね」
 その瞬間、何かが宙を舞った。

 男達はその物体に視線を完全に集中した。

 その巨大な物が、この部屋で最も巨大な家具である机だと気づいた時には、遅かった。

 男達は呆気に取られ、注意が上方に向いていた。

 次には、男が床に力無く倒れていた。

163 :虚無と狂信者:2008/12/23(火) 23:43:06 ID:???
「……浮き足落とし」
 シエスタが呟いた。アニエスは、百キロ以上はあろう机を瞬時に蹴りあげ、
間隙なくしゃがみ込み男の足を斬り落としたのだ。返す刀で今度は別の男の杖を持つ手を切り落とす。
 次いで空いた手で傍らの男に銃弾を撃ち込む。その頃には吸血鬼はその人では無い反射速度で、
アニエスに魔法を撃ち込む。
 吸血鬼達はニヤリと笑った。しかし片方が不意に苦痛の呻きを上げる。
 見るとその胸は銀の剣によって刺し貫かれていた。
 アニエスはそのまま最後の一人に向け、その男を刺し貫いたまま距離を詰める。
 魔法を掛けようにも、味方が邪魔で当たらない。
 アニエスは予備の剣を引き抜き、男を刺し貫いた。
 両名はアニエスの両手に持つ剣で貫かれたまま爆散した。
 吸血鬼達が魔法を撃ち込んだ先では、足を切り落とされた吸血鬼が燻っていた。
「貴様……!……」
 何事か言おうとする彼に、アニエスは銀の弾丸を撃ち込んだ。
 モットが杖を構えたのは、事が終わってからだった。

「てっきりあなたも裏切っていると思いましたよ。モット伯」
 アニエスは弾丸を再装填しながら、彼に話しかける。
「私は好色だが、卑怯者では無い。
おそらくこれは見せしめだろう。私は奴らの誘いを断っていたからな」
 モット伯の言葉にシエスタは意外な気持ちになる。
 噂と違い、意外にも忠義な人物のようだ。
 聞きながらアニエスは気配を探る。
「おそらく後十か二十程がいる筈、下手に逃げようとすると危険ですから、
ここでガタガタ震えて命乞いの文句でも考えていて下さい。
それでは」
「わかりました。行ってきてください」
 アニエスはスタスタと退室した。モットは机をレビテーションで動かし、バリケードを作り始めた。
 シエスタはそんな彼の姿があまりにも情けないので溜息をついた。

164 :虚無と狂信者:2008/12/23(火) 23:45:13 ID:???
「君はいかんのか?」
 そう言われても得物は学院に置いてきてしまった。
 そんな状態の自分がアニエスに付いていった所で彼女の足手纏いにしかならぬと感じたシエスタは、
 ここで待機することにした。

 その声が聞こえるまでは。

「シエスタ――!!」



「一体これはどういう状況だ?」
 屋敷に着いた才人とギーシュの瞳に飛び込んだのは、門兵のグールだった。
 その首をサイトは銃剣で刎ねた。
「吸血鬼だ!」
「何?」
 才人は逡巡せず、屋敷に向けて突っ込んで行った。
 一方ギーシュはおどおどとするのみだ。
「ああ、突っ込んで……よし僕も……いやでも、吸血鬼なんて」
 ふとギーシュの目に左手に持った包みが映る。
 それはシエスタの物だった日本刀だ。
 それを思い出し、ギーシュは腹を括った。
「いいさ! 行ってやる!」
 ギーシュは薔薇の造花を振り上げ、サイトの後を追った。

「才人さん?」
 まさか、彼が来たのだろうか。確かに聞こえた声に、シエスタの心はざわめいた。
 シエスタは何も持たない身で、屋敷の中を駆けだした。

165 :虚無と狂信者:2008/12/23(火) 23:47:21 ID:???
 爆炎が少年の全身を覆い隠す。それでも、サイトは止まらず突っ込む。
 銃剣を振りかぶり、斬りつけようとする。
 その一撃を避け、吸血鬼はサイトの胸を強く蹴った。
 彼は勢い良く廊下を転がり、壁に叩きつけられた

「畜生……!」
 才人は跳ね上がり、構え直す。
「再生者……、神父とやらかと思ったが違うようだな。
お前、こんな所に何しに来たんだ?」
 吸血鬼は興味深そうに才人にそう訊ねる。口元は血で汚れている。
「……シエスタって娘を探しててね……」
「娘、ああ、娘ね?」
 吸血鬼は可笑しそうに笑う。
「さっき噛みついた娘は美味かったが、そうかもな」
 才人は弾かれたように吸血鬼に詰め寄る。目には黒い怒りが煌々と宿っている。
「無駄無駄ァ――!」
 吸血鬼はさらに炎を浴びせかける。
 しかし、サイトも負けじと銃剣を投げつける。
 横合いから炎に煽がれ、軌道がそれる。
 才人はそれにも、炎にも構わず突っ込んだ。
 吸血鬼はまた無作法に斬りつけて来るものと予想した。
 だが、才人の行動はその予想を外れたものだった。
 そのまま才人は吸血鬼にぶつかったのだ。
 吸血鬼が呻くより早く、才人は右手でその服を掴み、左手に銃剣を逆手に持った。
「AMEN!!」
 才人は吸血鬼の背中から心臓へ向け、銃剣を突き立てた。

166 :虚無と狂信者:2008/12/23(火) 23:49:10 ID:???
 絶命する吸血鬼の前で、サイトもまた座り込んだ。
(シエスタ……)
 深い絶望と肉体の損傷。二つの要因は十七の彼には重すぎた。
 後ろから近づくそれに気づかぬ程。

 後ろからブレイドの掛けられた杖が近づく。
 才人はハッと気づくも遅かった。
 回避が間に合わない。

 だが、結局その一撃は来なかった。
 吸血鬼が真横に吹き飛ばされたから。

 否、殴り飛ばされたのだ。
「サイトさんに手を出す奴は、この私が物理的に地獄に落とします!」

 才人は呆然と、しかし嬉しそうに彼女の名を叫んだ。
「シエスタ!」
 シエスタはその呼びかけに笑顔で答える。
 ようやく追いついたギーシュもまた、彼女を見て笑顔になる。
 だが、再会を喜ぶ間も無く、吸血鬼が襲いかかる。
 その数。七。

「手伝いましょう。エモノはどこです? ミスタ・グラモン?」
「受け取れぇ!」
 布が解け、中から黒い鉄の鞘の日本刀が現れる。
 吸血鬼達が襲いかかる。それを好戦的な目で見据え、それを抜き放つ。
「島原抜刀流 秋水」

167 :マロン名無しさん:2008/12/23(火) 23:59:21 ID:???
遅まきながら支援! まってました!!

168 :マロン名無しさん:2008/12/24(水) 00:00:43 ID:???
きれいなモット伯支援

169 :虚無と狂信者:2008/12/24(水) 00:01:54 ID:???
「うおおおおお!!」
 シエスタが圧倒的な速度で彼らとすれ違う。
 数瞬後、彼らは、
ある者は杖が腕ごと、
ある者は目が顔ごと、
ある者は心臓が胴ごと、
目に見えぬ太刀筋で以て切断された。

 ギーシュはワルキューレを六体錬成する。
 その薔薇の造花には呪文が刻まれている。
 速度自体は遅いものの、互いを補い合う動きで速度の上回る吸血鬼を仕留めていく。
 ある吸血鬼は挟みうちで、
ある吸血鬼は一つのワルキューレを倒すうちに背後から、
青銅によって心臓を貫かれた。

 そして才人は魔法の正射に全く怯まず、
吸血鬼に銃剣の雨を見舞った。
 その後、信管を抜き取り、吸血鬼は刺さった銃剣が爆発することで彼らは、

 文字通り弾け飛んだ。


「すいません、アニエスさん。この話お断りします」
「そうか」
 アニエスに深々と頭を下げるシエスタ。
「やっぱり危ないことはできないし、それに……」
「それに?」
「サイトさんについていけば、大丈夫な気がするんです。
私も、皆も」
 そう告げるシエスタの表情は、どこまでも曇り無かった。

170 :虚無と狂信者:2008/12/24(水) 00:03:44 ID:???
「んだよ? じゃあ、結局無駄足だったのか?」
 シルフィードの上で、シエスタからことの顛末を聞いた才人は不満げにぼやく。
 結局あの後、サイト達は咎めも無く、すんなりと帰ることを許可された。
 吸血鬼やそれに伴うグールはアニエスによって全てが倒されていたため、
もはややることは何もなかったのだ。
「まあ、いっか。シエスタ無事だったし」
 ギーシュはと言えば初めてやった殺し合いの空気に当てられぐったりとしている。
 実質二人きりである。
 シエスタはその腕に纏わりつく。柔らかい感触が才人に伝わる。
「ちょ?」
「嫌ですか?」
 そんな風に言われてはサイトはどうすることもできなかった。
「私、ついていきますね?」
「へ?」
「私、解りました。何で戦うのか」
「な、何でなんだ?」
 才人はしどろもどろになりつつ訊ねる。シエスタは含んだ笑いを浮かべる。
「内緒です」
「な、何だよそれ」
「内緒ったら内緒です。フフ」
 その後、学院につくまでずっと、シエスタはその腕を離さなかった。


「もうすぐ始まるのだな。戦争が」
「ええ、そうですなモット伯」
 アニエスとモットが青い翼を見送りながら話す。

171 :虚無と狂信者:2008/12/24(水) 00:05:33 ID:???
「奴ら、私の部下を食っていた。許せん……」
 モット伯が彼には珍しい真剣な表情で呟く。
「同じ気持ちです」
 アニエスはそれに応える。
 そして、彼女の剣の鞘を強く握った。

 二人とも理解していた。
 もうすぐ始まるのだと。
 この国の存続を賭けた戦争が始まるのだと。


「とんだ雑魚どもだ……。楽しむ間すらありはしない……」
 森の中、吸血鬼達の死体の真ん中でアンデルセンは呟いた。
 事態を見届け、仔細を何処かに伝えようとしていた連中だ。
 ふと空を見上げると、青い竜が飛んで行くのが見えた。
 アンデルセンはそれを見届け、笑みを浮かべた。

 彼は理解していた。
 もうすぐ始まるこの国の戦争。
 それがただそれだけで終わるものではないことを。
 それはこの世界の、おそらく全てを巻き込んだもののほんの序章にすぎぬことを。
 
(俺はどうでもいいがな)
 ただ、吸血鬼共を撃ち滅ぼす。
 それだけしか思う所は無い。
 ただ、おそらく彼は。
(あいつは、違うんだろうなぁ……)
 黒髪の少年の、この先の行動を心待ちにし、
アンデルセンは聖書のページと共に飛び立った。

以上で投下終了です。 支援まとめありがとうございました。


172 :マロン名無しさん:2008/12/24(水) 00:14:37 ID:???
GJっす
動乱も近いようで、続きに期待

しかしアンタもバキかww

173 :狂信者 ◆BLbeX1AAMU :2008/12/24(水) 00:15:06 ID:???
遅れてしまって誠に申し訳ありません。
今回非常に難産でしたが、なんとか終わらせることができました。

モット伯は綺麗なかんじで。
アニメをみる限りでは割と懐も広いし悪人には映らなかったので。
アニエスはこの作品においてはアーカードやアンデルセンを除けば
相当強い部類に入る予定です。

次回からタルブのイベントに入っていきます。
ところで年末は実家に帰るのですが、夜間は無理でも平日の昼間なら何とか
投下できるのですが、良いのでしょうか?
よろしければ、なるべく早く投下したいです。

それでは改めまして支援まとめありがとうございました。

174 :マロン名無しさん:2008/12/24(水) 00:16:51 ID:???
狂信者の人乙です。
シエスタのお爺さんって渋川先生と同じ道場で鍛えていたのでしょうか?

覚醒したシエスタ軍曹
鉄の処女(インテグラ)なアニSさん
きれいなモット伯
少し成長したギーシュ

彼等を見ると今後の活躍を期待せざる得ない!!!

175 :マロン名無しさん:2008/12/24(水) 00:21:30 ID:???
狂信者の方、お待ちしておりました!

シエスタ強いですね〜
流石サイトとギーシュの師匠!
ギーシュも最初は怯んでも、シエスタの教えを生かしたワルキューレの扱い方をしてますね
サイトだけでなくギーシュも成長してるのがわかります

アニエスも銀の剣と銃弾を使ってますね
銃はまだマスケット式かな?
キュルケの家のリボルバー使えば、雑魚吸血鬼ぐらいは数体いても何とかなりそう

次回も楽しみにしております!


176 :マロン名無しさん:2008/12/24(水) 00:25:11 ID:???
>173
早く読めるのはありがたいので、出来た分を昼間投下していただけるのは大歓迎!
ですが、ご自分のペースを崩さずに執筆なさってください

次回からはタルブ戦ですか
もとネタがあれですから、血なまぐさい戦争になりそう…
タバサの活躍に期待!

177 :マロン名無しさん:2008/12/25(木) 00:34:47 ID:???
サンタルックのロリ旦那、神父、シュレ、大尉が見たいですメリークリスマス

178 :マロン名無しさん:2008/12/25(木) 02:37:53 ID:???
どこでもじぶん〜(CVのぶ代)が出来るシュレなら、世界中にプレゼント出来るな。


よく考えたら、少佐も出来るのか?

179 :マロン名無しさん:2008/12/25(木) 15:55:26 ID:???
南米の地下工場で毎時何千台と量産されベルトコンベアーで運ばれる少佐を想像しちまった。

180 :マロン名無しさん:2008/12/25(木) 21:08:29 ID:???
動作テストで何百人(台?)もの少佐が延々としゃべり続けるんですね

「諸君!私は戦争が好きだ」「諸君!私は戦争が好きだ」「諸君!私は戦争が好きだ」「諸君!私は戦争が好きだ」
「諸君!私は戦争が好きだ」「諸君!私は戦争が好きだ」「諸君!私は戦争が好きだ」「諸君!私は戦争が好きだ」
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「諸君!私は戦争が好きだ」「諸君!私は戦争が好きだ」「諸君!私は戦争が好きだ」「諸君!私は戦争が好きだ」


181 :マロン名無しさん:2008/12/25(木) 21:57:52 ID:???
戦闘の 役には立たぬ サイボーグ

182 :マロン名無しさん:2008/12/25(木) 23:26:59 ID:???
サンタコスのロリカードを幻想した。
誰か描いてくれ

183 :マロン名無しさん:2008/12/25(木) 23:37:18 ID:???
俺の脳内じゃミニスカだ

184 :マロン名無しさん:2008/12/25(木) 23:42:27 ID:???
シュレが変身した大尉に橇引かせてる図なら浮かぶ

185 :マロン名無しさん:2008/12/25(木) 23:43:38 ID:???
>>183
本当かー ほんとにミニスカかー
本当に見えてるなら絵に描けるはずだー

186 :マロン名無しさん:2008/12/25(木) 23:46:31 ID:???
>>184
笑顔でとんでもないプレゼントを子どもに配って夢を粉砕するという

187 :マロン名無しさん:2008/12/25(木) 23:50:55 ID:???
いいかな君達ーサンタなんて居ないんだよー
僕がこの格好をしてるのは一時間当たりの報酬として受け取るお小遣いの代価として云々と
子どもの夢を壊すことに全力を傾けるシュレサンタ
おもむろに頭に拳骨を落とす大尉トナカイ

188 :マロン名無しさん:2008/12/25(木) 23:57:33 ID:???
靴下の中身をOpen Sesamiすると、そこには…

189 :マロン名無しさん:2008/12/26(金) 00:01:09 ID:???
微笑ましい大尉とシュレのやり取りを脇で見るリップトナカイ。
リップはサンタよりトナカイコスの方が向いていると思う。

190 :マロン名無しさん:2008/12/26(金) 00:31:47 ID:???
舞い降りたサンタ
ttp://up2.viploader.net/pic/src/viploader884713.png

「何が欲しい?」
ttp://up2.viploader.net/pic/src/viploader884720.png

「貴方が欲しい」 「ふむ……」
ttp://up2.viploader.net/pic/src/viploader884726.png

「まぁよかろう」
ttp://up2.viploader.net/pic/src/viploader884731.png

禁則事項です♪

おまけ
ttp://up2.viploader.net/pic/src/viploader884734.png

191 :マロン名無しさん:2008/12/26(金) 02:12:17 ID:???
だ・・・旦那ァァァァ!!!
ロリ旦那光臨!これで勝つる

192 :マロン名無しさん:2008/12/26(金) 12:49:05 ID:???
カカッと保存

193 :マロン名無しさん:2008/12/26(金) 14:03:01 ID:???
セラストナカイが教会に入れず外で待っているぞ。

194 :マロン名無しさん:2008/12/26(金) 17:28:06 ID:???
ロリ旦那・・・ハァハァ

195 :マロン名無しさん:2008/12/26(金) 18:20:27 ID:???
これだ!これが見たかったんだ!

196 :マロン名無しさん:2008/12/27(土) 09:19:19 ID:???
>>190の命懸けの行動に!!僕は敬意を表するッッッ!!

197 :マロン名無しさん:2008/12/27(土) 10:39:30 ID:???
       (<、,,> ":::::::::::::::::::::::::::: 、
      〜〈/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::)   い  ロ た
       〃:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::<、   い  リ ま
     ~そ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,)  よ  コ に
  、_ ,, /::::::::::::::::::::::::、,ゝ===く:::::::,:::::ヽ  ね ン は
    `V::::::::::::::::::::、_γ      `ヾ,_ < ! も
     l::::::::::::::::::::::く(   γ⌒ヽ  )> く,
 〜v,ん:::::::::::::::´:::::::=;       ,=ニ `/l/!/⌒Y
     l:::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ===イ ´::::゙:::::::::::::::::::::::::::::::
 、m,.. ,ゞ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
 ´ " ~ ヘ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

198 :マロン名無しさん:2008/12/27(土) 20:26:18 ID:???
>>197
トナカイセラス(リップ)で満足しろ。

199 :マロン名無しさん:2008/12/28(日) 03:51:44 ID:???
ハルコンネンUの総重量が345kgってあったけど、これって考えたらめちゃくちゃ軽くない?


200 :スナゼロ ◆kdp8/y3/66 :2008/12/28(日) 10:02:54 ID:???
>>190 消えてる・・・遅かったかorz

201 :マロン名無しさん:2008/12/28(日) 10:37:28 ID:???
>>200
ttp://www1.axfc.net/uploader/H/so/66184

こんなんで良ければどうぞどうぞ
ついでに色々追加しときました

202 :201:2008/12/28(日) 10:38:11 ID:???
passは 「 hell 」 です

203 :マロン名無しさん:2008/12/28(日) 14:48:31 ID:???
うは、うはは>>201―――っ!!


204 :スナゼロ ◆kdp8/y3/66 :2008/12/28(日) 15:55:44 ID:???
>>200 ありがとうございます、ロリカードの破壊力を思い知りました!

205 :マロン名無しさん:2008/12/28(日) 15:58:23 ID:???
>>201
あ な た が 神 か

206 :マロン名無しさん:2008/12/28(日) 20:18:18 ID:???
素晴らしい…
やはり>>201は素敵だ…

207 :マロン名無しさん:2008/12/28(日) 20:20:08 ID:???
>>201
これはエロい。ありがとうありがとう!
すこし遅いクリスマスプレゼントだ!

208 :マロン名無しさん:2008/12/29(月) 00:46:21 ID:???
DL数120ワロタwwwどんだけROM多いんだよw

209 :マロン名無しさん:2008/12/29(月) 20:00:04 ID:???
ロリカードちゃんの振袖姿…

210 :マロン名無しさん:2008/12/29(月) 22:33:06 ID:???
そこは巫女姿だろうに

211 :マロン名無しさん:2008/12/30(火) 14:20:44 ID:???
シンプルイズベスト、ロリカードちゃんの素っ裸

212 :マロン名無しさん:2008/12/30(火) 17:02:03 ID:???
巫女服大尉・・・

213 :マロン名無しさん:2008/12/31(水) 00:47:19 ID:???
もふもふしてくださいませー

214 :マロン名無しさん:2008/12/31(水) 00:52:43 ID:???
無言でほうきを動かしてる様が目に浮かぶ

215 :マロン名無しさん:2008/12/31(水) 01:11:49 ID:???
腋巫女大尉という変な電波が飛んできた

216 :マロン名無しさん:2008/12/31(水) 10:35:16 ID:???
准尉は神主の方が似合う…
振り回しすぎてすっぽ抜けた幣が参拝客の額に突き刺さったり

217 :マロン名無しさん:2008/12/31(水) 10:54:05 ID:???
脇巫女大尉とかやばすぎるだろ…

218 :マロン名無しさん:2008/12/31(水) 11:05:56 ID:???
大尉は袴だけ穿いて、上半身は裸だろ

219 :マロン名無しさん:2008/12/31(水) 15:22:59 ID:???
ほうき動かしてる姿
るくとイメージが被る

220 :マロン名無しさん:2008/12/31(水) 20:35:14 ID:???
眼鏡中尉の隙をついては調理中のおせち料理掻っ攫う准尉
ぶち切れた中尉に七味盛られたのを食べて転げまわる准尉

221 :スナゼロ ◆kdp8/y3/66 :2008/12/31(水) 20:54:31 ID:???
なんか面白い物を見つけたので貼ってみます。パスはhirakou

http://www1.axfc.net/uploader/O/so/71843

222 :スナイピング ゼロ:2008/12/31(水) 20:55:39 ID:???
「ルイズ〜!」

 始祖の祈祷書に目を通していたルイズに自分の名を叫ぶ声が聞こえたのは、敵軍の艦隊「レキシントン号」に向けて
ヘリが急行している時だった。
 何事かと思いながら、右側の窓から外を見る。そこには、見知った人物の姿が見えた。

「あれは!?」
 そこに見えたのは、幻獣のグリフォンを操り、羽付き帽子と魔法衛士隊の制服を身に付けた男の姿。義手となった左手で
手綱を握り締め、右手でレイピア型の杖をコルト・シングル・アクション・アーミーのようにクルクルと回している。

「オセロッtじゃなくて、ワルド!」
「まだだぁっ!」
 ワルドは杖を腰に仕舞うと、手綱を両手で握り猛烈な勢いでヘリに接近してきた。勢い良く回転するメインローターを
気にする様子は、全く無い。ルイズは操縦桿を握る二人に、大声で叫ぶ。
 
「ワルドが来たわ! 右方向、距離20メイル!」
「ワ、ワルドさんがですか!?」
 即座にセラスが、遅れてリップが右方向に視線を向ける。デルフがボソリと「あのオッサンも頑張るねぇ」と呟いたが、
ローター音に掻き消された。

「早く離脱して、撃墜されるわ!」
「ヤ、ヤー!」
 操縦桿を倒し、機体を大きく左へカーブさせる。だがワルドは離されること無く距離を詰めてくる。
ルイズは始祖の祈祷書を後部座席に置き、ドアの下部に取り付けられているハンドルに手をかけた。

「マスター、何を!?」
「セラスは前を向いてて!」
 力を込めて、ハンドルを90度回転させる。ガチャッと言う音が響き、ドアのロックが外れた。

「せーの〜!」
 天井に走るパイプを両手で掴むと、ルイズは思いきりドアを蹴り飛ばした。

223 :スナイピング ゼロ:2008/12/31(水) 20:57:46 ID:???
「何!?」

 突然ヘリのドアが飛んできた事に、ワルドは驚いた。だが持ち前の腕前でドアを避けると、再び接近する。
ヘリの後部では、悔しそうに地団太を踏むルイズの姿があった。それを見て、ワルドは苦笑いを浮かべる。

「まさか元許嫁に、扉を蹴り飛ばされるとは思わなかったな……」
 ぼやきながらも、ワルドは両足をグリフォンの背に乗せた。ヘリを操っている二人が銃器を使おうとしているが、操縦桿
を握っているため動きが遅い。その隙を逃す事無く、ワルドはヘリに飛び移ろうと背を蹴った。


「外したわ!」
 ドアをぶつける作戦が失敗し、ルイズは床を踏みつける。リップは地表に向けて落下していくドアを見下ろしながら、
「後で回収しなきゃ」と呟いた。セラスはハルコンネンで攻撃しようと銃器に弾を装填しようするが、操縦桿から手を
離せないため手間取っている。

「どうすんだ、どうやら敵さんはヘリに飛び移る気だぜ」
 デルフの声に、ルイズは足を止めて外を見る。ワルドがグリフォンの背中に座るような格好で近付いていることから、
明らかに飛び移ろうとしているのが分かる。

「何してんのよセラス、早く撃ちなさい!」
「ヤー!」
 そう言ってセラスが銃口を窓から外へ突き出すと同時に、ワルドは飛んだ。

「あーッ!」
 ルイズが叫ぶと同時に、ワルドはヘリ内部への侵入に成功。そのまま勢いよく回転し、左のドアにぶつかって
「あ」
 ドアがガタンと言う音と共に外れ、ワルドは
「うわぁあああ〜!」
 雄叫びをあげながら、地表へ向けて落下して行った。その後を、グリフォンが雄叫びをあげながら追いかけて行く。

224 :スナイピング ゼロ:2008/12/31(水) 20:59:29 ID:???
ルイズとセラスは、予想外の事に呆然としている。リップはアホ毛を指先で弄りながら、呑気な声で答える。
「ロックするの忘れてたわ」
 それからしばらく、ヘリにはデルフの笑い声が響き続けた。ルイズは落下していくワルドに
「良いセンスよ……」と、フォローの言葉を送った。



タルブ村の南部に位置する森の中で、ワルドは仰向けの状態で倒れていた。帽子やマントには、木の葉や小枝などが
幾つも付着している。空の上では、見失った主人を求めてグリフォンが回りながら飛び続けている。

「うぐぉぉ……」
 膝に手を乗せ、痛む体を立ち上がらせた。傍に生えた大木に背を預け、息を整える。
「なんとか、墜落死は免れたか……」
 痛む背中を撫でながら、苦悶の表情を浮かべた。帽子を脱ぎ、葉や枝を掃い落とす。

 ヘリの飛び移りに失敗したワルドは、そのまま地面に向けて真っ逆さまに落ちてしまった。
フライの呪文は唱えたが落下の勢いを抑えきれず、大木の枝に接触しながら背中から地面に落ちた。
前日に降った雨で地面が柔らかくなっていたのは、不幸中の幸いと言えるだろう。

「まったく、私とした事がとんだ失態だな」
 そう言って空に向けて口笛を吹こうとした時、ふと足元に目を向けた。
「ん?」
 そこに見えた奇妙な物に気付き、唇に伸ばしかけた指を下ろす。

「なんだ、これは?」
 そこに見えたのは、弁当箱のような形をした白い塊だった。木の根元に細い糸で結ばれており、動かないよう固定
されている。他にも数本の糸が伸びており、周りの木に真っ直ぐ繋がっていた。不思議に思いながら白い塊に顔を
近づけた時、ワルドは凍り付いた。

225 :スナイピング ゼロ:2008/12/31(水) 21:01:57 ID:???
「まさかこれは!?」
 白い塊に印字されている二つの文字を、しっかりとした声で呟く。
「C4爆弾!」
「そうだ、そのワイヤーに触れると貴様ともどもC4が爆発する」
 ワルドは即座に杖を抜き、声のした方へ向ける。そこには、馬に乗った一人の女騎士がいた。短く切り揃えた金髪と、
トリステイン軍を示すマントが風で揺らいでいる。

「お前がクロムウェルとか言う皇帝のお気に入りか?」
「お前は!?」
 ワルドは鷹のような眼で、相手を睨みつける。だが、女騎士に怯む様子は無い。

「私はアニエス・シュヴァリエ・ド・ミラン」
 右手に持ったマスケットを、真っ直ぐワルドへ向ける。
「貴様が噂どおりの男かどうか試してやる」

女騎士の名前に、ワルドは心当たりがあった。

(任務でアルビオンに向かった頃に新設された部隊の隊長か。確か、平民の女だけで組織されていたはず……ん?)
 そこでワルドは、アニエスの腰に付けられている袋が動いている事に気付いた。

「貴様、その動いている袋は何だ?」
「コレのことか?」
 アニエスは袋の紐を解き、中身を掴み出す。それは、胴体が膨らんだ蛇らしき生物。ワルドは、その生物に
心当たりがあった。

「それは、まさか!?」
「どうやら貴様は、この生物を知っているようだな」
 アニエスは、左手を高く掲げた。尻尾を掴まれた生物は、頭を左右に振りながら悶える。

226 :スナイピング ゼロ:2008/12/31(水) 21:05:28 ID:???
「貴様が空から落ちて来たのを見て、ここへ来るまでにキャプチャーしたものだ」
 幻の生物と言われるツチノコを揺らしながら、アニエスは当然のように言った。
「そのツチノコは必要だ!」
 ワルドが叫んだ。
「お持ち帰りはさせん」
 馬から降りると、アニエスは挑発するかのように手招きする。 
「来い!」

 その言葉を合図に、ワルドは駆けた。
向かって来るワルドに対し、アニエスは微塵の躊躇も無く引き金を引いた。黒色火薬が破裂すると同時に、大きな煙が
薬室から吹き出し視界を奪う。即座に左手で煙を払うが、ワルドの姿は見えない。

「どこだ!?」
 周囲を見渡し警戒していると、上空から枝の折れる音が響いた。前方へ飛び伏せると同時に、先ほどまで立っていた場所に
ワルドが降り立った。レイピア型の杖が、地面に深く突き刺さっている。
 マスケットを捨て、剣を握り一直線に立ち向かう。ワルドが杖を抜くと同時に、剣を勢いよく振り上げた。

「貰った!」
 一刀両断するほどの威力で、剣を振り下ろす。だが接触する寸前で、ワルドは左腕だけで剣を防ぎ止めた。
「な!?」
 予想していなかった防御の仕方に、アニエスは目を見開く。その隙を逃さず、ワルドはレイピアをアニエスの腹部に向けて
突き出した。鎖帷子が軋む音が響く。二人は互いを武器で払い、距離を取るため後ろへ飛び下がった。
 互いを睨みながら、膠着状態が続く。しばらくして、アニエスは言った。

227 :スナイピング ゼロ:2008/12/31(水) 21:07:40 ID:???
「もう一度いこうか……」
「良いのか?」
 ワルドの問いに、アニエスは不敵な笑みを浮かべながら懐に手を入れた。回転式の拳銃を取り出し、撃鉄を起こす。

「六発以上、生き延びた奴はいない」
 銃口をワルドに向ける。
「怪しいものだ」
 ワルドは杖を握り締め、身構える。アニエスは立ち上がり、ポケットからオロシャヒカリダケを取り出し口に
放り込んだ。短く切り揃えられた金髪が発光しはじめる。

「良し生き返った、さあ行くぞ!」
 アニエスが両手で拳銃を構えると、ワルドは杖を振り呪文を唱えた。自分と瓜二つの姿形をしたワルドが5人も現れ、
アニエスを円形状に取り囲む。
「良いセンスだ、そろそろ本気を出していこうか」
 そう言うと、アニエスは片足を軸にして回転しながら銃を撃ち始めた。回りながらも狙いを外す事無く、分身した
ワルドの内の2体の心臓や頭部を撃ち抜いていく。そして3体目を撃とうとした時、分身に変化が生じた。

「何!?」
 分身したワルドの姿が、じょじょに消えていく。他の2体も同じように消えていき、やがて見えなくなった。
「ステルス偏在か!?」
 回転を止め、近くの大木に背を合わせる。銃を握り締めながら、周囲を警戒する。
「どこだ、どこから来る?」
 その時、視界に自身が仕掛けたトラップが見えた。

228 :スナイピング ゼロ:2008/12/31(水) 21:10:34 ID:???
「……そうだ!」
 銃を構え、20メイルほど離れた木の根元に固定されているC4に向けて発砲した。
発砲音と爆発音、二重の轟音が鼓膜を振るわせる。一つのC4が爆発したため、ワイヤーで繋がれている他のC4も次々と
爆発していく。あっと言う間に、周囲は爆風で舞い上がった砂埃で覆われた。

「姿を消されては、標的を狙う事は出来ない。だが……」
 一点に向けて、銃口を向ける。その地点を漂う煙が、微かに動いた。
「どこを動いているか分かれば、狙う事は可能だ!」
 狙った場所に、銃弾を撃ちこんだ。即座に遍在のワルドが2体、姿を現わすと同時に砂のように消滅する。
銃口の向きを変え、残り一発を撃つ。残り1体の偏在が消え失せると同時に、煙も消え失せる。

「偏在は全て倒した、後は張本人である貴様だけだぞ!」
 アニエスの叫びが、森に轟く。すると、上空から羽ばたきの音が降りてきた。
「流石だ、平民の女騎士と侮ったのは間違いだったようだな」
 幻獣のグリフォンに跨り、ワルドは楽しそうに言った。銃口を向けられた状態のまま、アニエスの正面に降り立つ。

「どうする。まだ続けるか?」
「いや、続けている時間は無い」
 ワルドは呟き、遠くの空を指差す。アニエスが視線を移すと、そこには燃え盛るアルビオン軍の艦隊が見えた。数秒ほど
経つと、轟音と衝撃波が二人にも伝わって来た。

 弾が切れた銃を懐に仕舞い、アニエスは口笛を吹く。走り寄ってきた馬に乗り、ワルドに顔を向ける。
「邪魔が入った、まあ会おう!」
 そう言うと、背を向けて走り去って行った。ワルドはハァっと息をつき、腰をトントンと叩く。
「新型のスニーキングスーツが欲しい所だな……」
そうボヤくとグリフォンに跨り、戦場へと飛び去って行った。

229 :スナゼロ ◆kdp8/y3/66 :2008/12/31(水) 21:20:20 ID:???
前回の投下から2か月も経っていて忘れられていると思いますが、投下しときます。

因みに>>221の中身はヒラコー氏の同人誌 ヘルシング外伝1〜6 ガンマニア1〜3
イカス総統天国 熱海の中心で愛を叫ぶ以下略 等となっております。

230 :マロン名無しさん:2008/12/31(水) 21:42:40 ID:???

スナイピングってこんなネタ色強かったっけ?

231 :マロン名無しさん:2009/01/01(木) 13:05:05 ID:???
っお正月補正

232 :マロン名無しさん:2009/01/02(金) 03:41:44 ID:???
おまいらお久しぶり、
そして明けましておめでとうございます
今年も出来るだけ職人さんを絵で支援していきたいんだな

ってことで、新年初投下 ミッコミコロリ旦那
ttp://pai.no.land.to/up/src/dgz4907.jpg
ワキ描きたくなったのでオヤシロ式の巫女服になった、反省はry

233 :マロン名無しさん:2009/01/02(金) 05:57:41 ID:???
いいものだ

234 :マロン名無しさん:2009/01/02(金) 07:30:22 ID:???
めちゃ似合うw

235 :マロン名無しさん:2009/01/02(金) 11:22:25 ID:???
かわいい

236 :マロン名無しさん:2009/01/02(金) 16:12:20 ID:???
いいなあこれ!もっと見たい、素晴らしい!

237 :マロン名無しさん:2009/01/02(金) 19:40:17 ID:???
最初に出た感想が『強そう』だったw

238 :マロン名無しさん:2009/01/02(金) 20:52:20 ID:???
この細腕で鉄板とかぶち破れるんだぜ?多分

239 :マロン名無しさん:2009/01/03(土) 20:26:32 ID:???
>>237
俺の場合「勝てる気がしない」だったwww

240 :マロン名無しさん:2009/01/03(土) 22:07:17 ID:???
>>232を見て旦那に勝てそうなのが
砂ゼロのルイズ+従者、ワルド
狂信者のサイト、ジョゼフと愉快な仲魔達、ギーシュ
ロリカのアニS
だと思った。
旦那に勝つにはチートな強さじゃなくて人間力の方が重要な気がする。

241 :マロン名無しさん:2009/01/03(土) 23:01:26 ID:???
人間力は必須事項。でないと倒されてやろうってなってくれないから。

その上で、死の河踏破して旦那をぶちのめせる実力を持ってないと。
生粋のMだが、同時に生粋のSでもあるからね旦那は。

242 :マロン名無しさん:2009/01/03(土) 23:41:33 ID:???
打倒法は
1.ヘルシング卿の様に寝込みを襲い倒す(この時の旦那が吸った命を残機として使えたか不明)
2.少佐の様に属性を利用して消し去る
3.無数の敵陣を踏破して心臓に杭を突き立てる
4.零号解放後、強敵に気を取られた旦那の不意を突き心臓を潰す

恐怖に押し潰されそうになる理性を必死に支え旦那の不意を突いて心臓に杭を立てる狂信者ギーシュが何故か浮かんだ。

243 :マロン名無しさん:2009/01/03(土) 23:47:07 ID:???
HELLSINGに於ける初代ヘルシング卿は寝込みどころか、真っ向勝負でフルボッコだよ。
もちろんアーサー、キンシー、ジャックのサポートも有りだが。

死の河踏破しつつんも死んだのはキンシーだけで、他は戦う気力バリバリでとんでもない。

244 :マロン名無しさん:2009/01/04(日) 00:17:27 ID:???
シュレなら寝込み襲い続けて普通に殺せたろうに

245 :マロン名無しさん:2009/01/04(日) 00:22:01 ID:???
シュレの目的は少佐の望みをかなえることだったんじゃないかと思えるほど
本当に無欲で献身的に死んだな
何であんなにべた惚れだったんだか

246 :マロン名無しさん:2009/01/04(日) 00:28:23 ID:???
「シュレディンガー准尉、君を殺してやろう」
みたいな?

死にたくても死ねないわけだし。でも自分を観測しなければいい話なのかな。

247 :マロン名無しさん:2009/01/04(日) 02:08:03 ID:???
少佐には、山本昌邦を招聘するという手もあったんだな。

>>243
スゲーな、マジでかw
それって読み切りか何かで明かされた設定?
それとも単行本になってないだけで本編の設定?

248 :マロン名無しさん:2009/01/04(日) 04:08:58 ID:???
本編に全部書いてあるじゃん。

249 :マロン名無しさん:2009/01/04(日) 05:26:52 ID:???
あぁー、書き方が悪かった。
本編に書いてあっていも、まだ単行本になってない分だったりしない?

違ったら見落としてました、すんません。

250 :マロン名無しさん:2009/01/04(日) 05:29:15 ID:???
とっくになってるから言ったよ。

251 :マロン名無しさん:2009/01/04(日) 10:58:41 ID:???
>>249
単行本8巻118ページで、その面子に「私は全身全霊を以って闘った そして敗れた 完全に」と言ってる。

252 :マロン名無しさん:2009/01/04(日) 17:14:24 ID:???
>>251
詳しい説明ありがとうございます。

253 :マロン名無しさん:2009/01/04(日) 23:43:57 ID:???
今年中にコミックスが出ますよーに

254 :マロン名無しさん:2009/01/05(月) 20:24:09 ID:???
まぁ流石に出るだろw…タブン


でも大丈夫8年夏を待ち続けるのに比べりゃましでさー

255 :マロン名無しさん:2009/01/06(火) 18:18:46 ID:???
ついでに以下略も出ますよーに

256 :マロン名無しさん:2009/01/07(水) 09:45:55 ID:???
ついでに大同人物語2巻も出ますよーに

257 :マロン名無しさん:2009/01/07(水) 13:16:47 ID:???
ついでにバイセクなばんどうさんが活躍しますように

258 :マロン名無しさん:2009/01/07(水) 13:23:48 ID:???
ついでに外伝も出ますように

259 :マロン名無しさん:2009/01/07(水) 17:13:06 ID:???
ついでにダイエットしたヒラコーの腹がリバウンドしてもっと出ますように

260 :マロン名無しさん:2009/01/07(水) 23:14:30 ID:???
ついでにヒラコーがゲッターの漫画描いてくれますように

261 :マロン名無しさん:2009/01/07(水) 23:20:25 ID:???
ヒラコーでも石川の狂気は出せない

262 :マロン名無しさん:2009/01/07(水) 23:21:49 ID:???
ついでに永野が永井先生並みに漫画描きますように

263 :マロン名無しさん:2009/01/07(水) 23:23:03 ID:???
ながいけん並に?

264 :マロン名無しさん:2009/01/07(水) 23:50:38 ID:???
>>261
まったくここで言うこっちゃないが、ヒラコーなら描けると思うんだ
地味に石川先生が亡くなられた時追悼コメント出してくれて嬉しかったし

265 :マロン名無しさん:2009/01/08(木) 07:43:42 ID:???
ヒラコーの狂気に満ちた哄笑はステッキーですよね

266 :マロン名無しさん:2009/01/08(木) 21:06:13 ID:???
ヒラコーが神州纐纈城描いたら凄いことになりそうだな

267 :マロン名無しさん:2009/01/08(木) 22:17:52 ID:???
ヒラコーにネギま!描いてほしい
ガチで

268 :マロン名無しさん:2009/01/08(木) 22:48:24 ID:???
学級閉鎖でバッドエンド決定だなw

269 :マロン名無しさん:2009/01/08(木) 22:52:51 ID:???
石川先生とヒラコーは狂気の種類が違う。
それは置いておいて・・・
ティファに召喚されたのがシュレだったら

270 :マロン名無しさん:2009/01/08(木) 23:30:16 ID:???
ルイズに召喚されたのがヒラコーだったら
ザクレロになったりYF21になったりして意外に活躍しそう
ギーシュ?掘ります

271 :マロン名無しさん:2009/01/09(金) 01:25:10 ID:???
シュレは誰かに召喚されたら喜びそうだけどな
虚数で存在が曖昧だから、殊更誰かに個としての存在を求められるようなことになったら

272 :マロン名無しさん:2009/01/09(金) 01:34:29 ID:???
多分フーケと共に盗賊家業だな。

273 :マロン名無しさん:2009/01/09(金) 01:49:50 ID:???
>>271
獣耳も受け入れられたら倍率更に倍ですよ
逆に亜人扱いして蔑んだら
その時点で永久に寄り付かなくなる

274 :マロン名無しさん:2009/01/09(金) 02:05:24 ID:???
傷つかないふりもするし
懐くふりもするけど、本心からは二度と寄ってかない感じ

275 :マロン名無しさん:2009/01/09(金) 11:59:47 ID:???
>>273
獣耳とエルフ耳が出会ったら……!

276 :マロン名無しさん:2009/01/09(金) 21:43:52 ID:???
竜の騎士は二人いちゃいけないんだー(ストU4コマ)

277 :マロン名無しさん:2009/01/10(土) 01:05:36 ID:???
英国無双が召喚されて、七万軍勢を千切っては投げ千切っては投げの大暴れ!
の予定はありますか?

278 :マロン名無しさん:2009/01/10(土) 20:03:30 ID:???
必殺剣で全滅だ

279 :マロン名無しさん:2009/01/10(土) 21:11:37 ID:???
ただしインテグラの左目がやられます。

280 :マロン名無しさん:2009/01/11(日) 00:33:59 ID:???
やはり召喚時には大暴れするんだろうか?
最後の大隊との戦闘中に呼んだりしたら地獄を見るだろうな。

281 :マロン名無しさん:2009/01/11(日) 04:45:40 ID:???
魔法学院にはトリステイン無双のマリコルヌがいるから大丈夫だろう。

282 :マロン名無しさん:2009/01/11(日) 10:33:45 ID:???
ジョゼフに召喚されたのがペンウッドだったら
現代知識だけでもゼロ魔世界なら充分か。

283 :マロン名無しさん:2009/01/11(日) 12:57:56 ID:???
この中にマッチの使い方を知っている人間がどの程度居ると言うんだ
現代知識使えるほどの人間なんてそれほど居ない

284 :マロン名無しさん:2009/01/11(日) 12:58:26 ID:???
使い→作り

285 :マロン名無しさん:2009/01/11(日) 16:41:54 ID:???
て〜ん〜し〜のよぉおなぁ〜

286 :マロン名無しさん:2009/01/11(日) 23:05:08 ID:???
悪魔の

287 :マロン名無しさん:2009/01/12(月) 00:29:32 ID:???
寝顔

288 :マロン名無しさん:2009/01/12(月) 01:08:04 ID:???
ペンウッド卿は雑務処理は(ヘルシング家や他の円卓騎士たちに押し付けられ鍛えられていたから)上手そうだし、ゼロ魔世界の人間より人員管理技術の知識とかは断然上だろ。

289 :マロン名無しさん:2009/01/12(月) 11:21:55 ID:???
貴族制に馴染んでてかつ人心掌握に長けてて、かつ軍人。
あれ?こう書くとかなりの高スペック。

290 :マロン名無しさん:2009/01/12(月) 12:46:07 ID:???
人員整理って封建時代と現代じゃやり方も違いますがな
貴族が軍事力持ってる状態だぞ

291 :マロン名無しさん:2009/01/12(月) 13:04:52 ID:???
博士が来るのが一番役に立つんじゃね
次点でぞーりん中尉
シュレは実体もってもそこそこいけそう


292 :マロン名無しさん:2009/01/12(月) 13:46:40 ID:???
ドク=美味しい野菜をシエスタの村で栽培し特産品にする。
ゼロ魔の吸血鬼の作るグールをヒントに人造吸血鬼の研究を趣味でしているが、技術レベルが低すぎるので実用化は始めから諦めている。

平時でも戦時でもドクは役に立つな。

293 :マロン名無しさん:2009/01/12(月) 13:50:31 ID:???
シュレは何で水路開いたり畑興すのにゴーレム使わないの?馬鹿なの?
とか普通に言って周りを青褪めさせそう

294 :マロン名無しさん:2009/01/12(月) 13:57:15 ID:???
准尉「城門が硬いならゴーレムにさー爆薬抱かせて突っ込ませればいいじゃないー
    え? 自爆させるなんて誇りに関わる? 馬鹿じゃないのお宅」 

295 :マロン名無しさん:2009/01/12(月) 14:08:33 ID:???
>>293
そして魔法を使いゴーレムより効率的に水路を開くメイジを見て
シュレ「そっか、水路はゴーレム使うより直接魔法で作る方が早いんだ。でも畑仕事とかは人間より野良仕事専用に作ったゴーレムでやった方が効果的だよね」

>>294
シュレ「落とし穴ぐらいだったら魔法ですぐ作れる?それだったら飛べるゴーレムに担がせればいいじゃない。お宅ら首から上は飾り?」

シュレは容赦が無いな。あの笑顔で罵られると・・・ハァハァハァ

296 :マロン名無しさん:2009/01/12(月) 15:07:54 ID:???
空飛ぶ戦艦にさーカッターみたいなの載せられるじゃない
それに自走機能つけた上で火薬つんで空中版の魚雷みたいにすればー?
どうせドンパチする距離まで近付くんでしょお?

297 :マロン名無しさん:2009/01/12(月) 15:14:17 ID:???
無能さんなら面白がって採用しそうではある
だがあえてトリステインで旧貴族に考え反対されて潰されてぼやくシュレというのも

298 :マロン名無しさん:2009/01/12(月) 23:59:15 ID:???
ぼやいて終わるんだろうか……

299 :マロン名無しさん:2009/01/13(火) 20:37:46 ID:???
シュレを暗殺に使えば無敵やでしかし

300 :マロン名無しさん:2009/01/14(水) 00:53:44 ID:???
誰かに「特定の存在」として召喚された場合
シュレは実体を持つのではあるまいか

301 :マロン名無しさん:2009/01/14(水) 19:16:38 ID:???
アーカードはたくさんの人の血を吸ってるから、残機いっぱい!吸血鬼!という状態なわけだけど、
アーカードのみで召喚されたら、残機いったい!でも吸血鬼!という状態になるのか。

シュレにしろアーカードにしろ、「特定の存在」として召喚されてもそのままだと思うけどなあ……
だってさ、「そいつはそういうやつ」でしょう? 2人は「そういう存在」でしょう?

302 :マロン名無しさん:2009/01/14(水) 20:10:16 ID:???
まあ存在しないものは呼べないんだろうし
一本釣りするのはシュレの本体になりそうだとも思う

303 :マロン名無しさん:2009/01/14(水) 20:20:13 ID:???
虚数を網で掬えないだろうし
網で掬い上げるのはシュレ本体だろうけど
掬い上げられて召喚されたシュレがまた虚数化するかどうかは微妙

304 :マロン名無しさん:2009/01/14(水) 21:03:09 ID:???
さて、あと一ヶ月ほどでバレンタイン兄弟か

305 :マロン名無しさん:2009/01/14(水) 21:18:21 ID:???
シュレ召喚
1.観測者が自分ではなく召喚者に変わるだけ。召喚者が何らかの事故でシュレを観測できなくなればシュレは消滅
2.召喚者に存在を固定され虚数でなくなる
3.原作のチート状態のまま
のどれかだと思う。

306 :マロン名無しさん:2009/01/14(水) 22:36:05 ID:???
シュレの観測を
「シュレ自身と召喚者が共同で」行っても面白そうだが
どっちか片方が意識を持ち続けてる限りシュレは生身のままであり続けるので
致命傷喰らったら普通に死ぬ

307 :マロン名無しさん:2009/01/14(水) 22:43:56 ID:???
どの道召喚者によって准尉が存在を固定されて実体化されれば
元の虚数状態に戻りたくないと言う理由で召喚者を守る理由付けにもなり
准尉がデレる端緒にもなりそうで

308 :マロン名無しさん:2009/01/14(水) 23:49:29 ID:???
なんか百万回生きた猫を思い出した。
シュレは満足のいく最期を迎えられるのだろうか…

10巻を待ってるから原作の展開は知らないけど。

309 :マロン名無しさん:2009/01/15(木) 00:11:21 ID:???
死の概念自体がないとそもそも生きてるのかさえ分からんから性質が悪い
案外実体持って存在するようになったら外見相応の言動もするのかも知れん

310 :マロン名無しさん:2009/01/15(木) 01:12:42 ID:???
シュレってあれゲッペラーみたいに全多元宇宙全多次元時間軸をリアルタイムで
観測できるような奴なら殺せるんだろうか?

311 :マロン名無しさん:2009/01/15(木) 16:00:41 ID:???
とりあえず、山守義雄なら余裕

>>307
虚数状態でなくなった准尉の戦闘力はどんなもんなんだろうか

312 :マロン名無しさん:2009/01/15(木) 21:28:43 ID:???
>>311
仮にもヴェアヴォルフなんだから・・・



ルークくらい?

313 :マロン名無しさん:2009/01/15(木) 22:07:27 ID:???
ルーク舐めるなよ。
シュレの頭が潰れたトマトになって、アンデルセンが腕に大ダメージ受けた
あのジャッカルの13mm炸裂鉄鋼弾を脳天に食らって笑ってるんだぞ。
仮にも尉官だから、自称するようにそこらの大隊員よりは強いはず。

314 :マロン名無しさん:2009/01/15(木) 22:59:49 ID:???
当たったのってカスールじゃなかったっけ?

315 :マロン名無しさん:2009/01/15(木) 23:26:01 ID:???
コミックス読み返したらカスールを胸に受けてた。
でもOVA確認したらジャッカルを頭に受けてた(´・ω・`)
まあ違いはなんとなく?って?かんじ?じゃないかな?


316 :マロン名無しさん:2009/01/15(木) 23:42:29 ID:???
本当はカスールなんだけど
OVAがミスったってオチのはず

317 :マロン名無しさん:2009/01/16(金) 08:13:57 ID:???
いやいや
ルーク兄やんは不可能を可能にする男だぜ?

318 :マロン名無しさん:2009/01/16(金) 12:54:07 ID:???
まあとりあえず普通の人間相手なら50人やそこら向かってきても皆殺せるくらいってことか

319 :マロン名無しさん:2009/01/16(金) 13:23:18 ID:???
弾丸を見切って避けるくらいだしなあ

320 :マロン名無しさん:2009/01/16(金) 16:02:08 ID:???
+ガンダールブ+デルフリンガーともなれば、七万にも勝てるか?
対フーケはゴーレムをぶっ壊すだけの火力、対七万は敵が退却するまで戦うスタミナ
これが肝?

321 :マロン名無しさん:2009/01/16(金) 17:27:01 ID:???
銃弾よりも早く動いて大丈夫な体なんだからデルフいらなくね
銃弾よりも早くフーケをコキャればいいだけだし

322 :マロン名無しさん:2009/01/16(金) 18:41:45 ID:???
ルークなら(というか吸血鬼連中なら)指揮系統をズタボロに出来るからスタミナもそれほど要求されないかと。

323 :マロン名無しさん:2009/01/17(土) 08:30:28 ID:???
指揮系統を速攻で潰すこともできるし、対七万も吸血でグール化させてしまえば……

まぁ、やっちゃうと収拾つかなくなると思うけど。

324 :マロン名無しさん:2009/01/17(土) 15:05:50 ID:???
准尉が飽きないようにするのと、猫じゃらしが肝か

325 :マロン名無しさん:2009/01/17(土) 17:22:42 ID:???
陽の光浴びて身体能力発揮できない准尉が
弾丸喰らって、槍で刺されて、弓矢浴びて血濡れになっても七万相手に引かないところとか

326 :マロン名無しさん:2009/01/18(日) 08:32:18 ID:???
ゾリーンさんが幻術で7万人を殺しあわせたりとか

327 :マロン名無しさん:2009/01/18(日) 10:13:25 ID:???
何その女囚っぽい人

328 :マロン名無しさん:2009/01/18(日) 10:42:23 ID:???
スタンド出しそうで困る

329 :マロン名無しさん:2009/01/18(日) 12:43:58 ID:???
ゾーリンの英語版ってジョリーンじゃなかったっけ

330 :マロン名無しさん:2009/01/18(日) 14:18:02 ID:???
ドイツ読みとイギリス読みの違い?

331 :マロン名無しさん:2009/01/18(日) 14:28:15 ID:???
ヨハンがジョンになるようなもんだべ
モンティナ・マックスなんて名前のドイツ人はいるかどうか知らんが
(アレクサンド・アンデルセンは北欧系だろうか?)

332 :マロン名無しさん:2009/01/18(日) 16:32:53 ID:???
高木さんはいるよね

333 :マロン名無しさん:2009/01/18(日) 18:00:20 ID:???
そろそろ狂信者さんこないかな〜?

334 :マロン名無しさん:2009/01/18(日) 23:17:29 ID:???
狂信者の人ってもしかして受験生かな?
前になんか学生っぽいこと言ってたような気がするけど。


335 :マロン名無しさん:2009/01/18(日) 23:25:17 ID:???
ウェールズの使い魔が少佐だったら
次の決戦で僅かな勝利(クロムウェル殺害)の可能性に賭けて戦う気満々の面々になっただろう。

336 :マロン名無しさん:2009/01/18(日) 23:51:20 ID:???
でも少佐って自分で決めた戦争相手じゃないと燃えなさそう
他人の戦争相手に挑んで楽しいのかどうか

337 :マロン名無しさん:2009/01/19(月) 01:17:29 ID:???
戦争のためならなんでもするって言ってるしいざ起きればやるんじゃないか


338 :マロン名無しさん:2009/01/19(月) 15:08:54 ID:???
勝率が低ければ低いほど喜んで参加してくれそうなイメージがある

単純に戦争自体が好きなんだろうけど、自分が参加することで、
そこからどれだけ勝率を上げるかとかも好きそう

339 :マロン名無しさん:2009/01/21(水) 09:05:29 ID:???
城と王を囮に敵を引き付けてイーグル号で本陣に強襲とかやってくれるさ!

340 :マロン名無しさん:2009/01/21(水) 13:46:49 ID:???
「あれが終わったらみんな一緒に突撃しよう。楽しいぞ、すごく。
ホルストヴェッセルの歌<リート>を歌いながら、みんなで遮に無に突っ込むんだ。
楽しいぞ。すごく」
『最後の戦いに今こそ点呼は鳴り響く♪ 我ら既に闘争準備は万端なり♪』



341 :マロン名無しさん:2009/01/21(水) 20:31:43 ID:???
まさか、ネットが直るまで10日以上も要するとは…
今更だけど旦那の後に描いた脇巫女ワンワンをば

ttp://pai.no.land.to/up/src/dgz5150.jpg

342 :マロン名無しさん:2009/01/21(水) 20:36:13 ID:???
水木しげるっぽいな

343 :マロン名無しさん:2009/01/21(水) 21:05:45 ID:???
腋巫女わんわんw

344 :マロン名無しさん:2009/01/21(水) 23:16:10 ID:???
少佐の場合、クロムウェル(ジョゼフ)に勝つために王党派の面々を宥めて潜伏を選ぶかも。
原作の戦争はアーカードに勝つための戦争だった。虚無の使い手とその使い魔に勝つために半世紀潜伏とかもやりかねない。

345 :マロン名無しさん:2009/01/21(水) 23:19:37 ID:???
アーカードに勝つ為というよりは、

人間を捨て化け物と成り果てた吸血鬼アーカードを打ち倒し、強き純粋な人間インテグラに宿敵として打ち倒される。
その両方を望んだ感じ。

346 :マロン名無しさん:2009/01/22(木) 00:04:27 ID:???
レコンキスタに勝つために半世紀潜伏は無いだろ?長くて十年かな?
クロムウェル達の政治に不満が出てきた時期を見計らい不満を煽り旧王国時代を懐かしませて支持を集め一撃で再奪還みたいな

でもなぁ少佐の場合、ドロドロのボコボコの糞みたいな地獄の様な戦争をしたがるからなぁ素直に王党派の益だけを考えてくれるとはとてもとても

347 :マロン名無しさん:2009/01/22(木) 04:00:51 ID:???
重度の戦争したい病だもんなあw

アルビオンで頑張るよりも、レコンキスタ(ガリア)側に回るんじゃね?
これだとアルビオン戦は面白く無いだろうけど、その後はトリステインとゲルマニアの同盟をきっちり締結させて前菜として楽しみ、
メインの対化け物(エルフ)軍団を存分に堪能するコースの方が満腹になれそう。

348 :マロン名無しさん:2009/01/22(木) 19:46:10 ID:???
皆死んでまっ平らになるまで多分止めないぞ、少佐。

349 :マロン名無しさん:2009/01/22(木) 19:58:02 ID:???
そりゃもちろんガリア側についたならエルフの軍勢相手に
ホルストヴェッセルの歌を歌いながらみんなで突撃
ビダーシャルはエルフ研究のために解剖
王党派についたならジョセフと戦争の限りをしてジョセフを倒した後にルイズに殺されるんだろう


350 :マロン名無しさん:2009/01/22(木) 20:14:55 ID:???
>>349
人造エルフを作ろうとして、数時間で自壊する不完全なオーク鬼しかできないとか

351 :マロン名無しさん:2009/01/22(木) 20:26:28 ID:???
人造エルフの大量生産のために一週間で出産できるようにエルフの女を改造
巨乳エルフはその実験の副産物


352 :マロン名無しさん:2009/01/22(木) 21:03:04 ID:???
構成員とは精神構造のレベルが違うからな少佐
プチ少佐な憲兵少尉も対外だが
多分呼ぶならリップが一番扱いやすいよ
次点でシュレ

353 :マロン名無しさん:2009/01/22(木) 21:10:14 ID:???
少佐は上にも忠誠持たないけど
シュレは懐くという可愛げがあるからな
領地経営させたら何だかんだでいい経営しそう

354 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/01/22(木) 22:44:47 ID:???
どうも一月ぶりで、お久しぶりです。

リアルがなかなかに忙しなく、かなり遅れてしまいました。
これからもちょっと不定期になる可能性がありますので、ご容赦を。


※HELLSING本編の最終話成分を、ちょこっとですが含みますのでご注意下さい。

では、投下します。

355 :ゼロのロリカード:2009/01/22(木) 22:47:24 ID:???
 学院の中庭に、剣戟の音が響き渡っていた。
殆どの女生徒が銃士隊の面々の指導の下、軍事教練に励んでいる中で、銃士隊の隊長との鬩ぎ合いをしている者がいるのである。

 女性が持つにはやや大振りなアニエスの剣を、その攻撃を、サーベル片手にいなし、的確に攻撃を加えていく。
アニエスもその攻撃にきちんと対応し、傍から眺めていると互角にも見えないことはない攻防である。
しかし暫くすると、体力の違いが互いの動きにあらわれてくる。

 アニエスはギアを一段階上げ、苛烈に攻め立てる。
保たれていた均衡は崩れ始め、いなしきれずアニエスの重い一撃を受ける度に手の痺れが大きくなる。
限界を感じて体勢を崩す。そんな隙を見逃す筈もなく、アニエスはサーベルを叩き落とすべく一際大きく振りかぶった。

 だがその隙はつくられた隙。敢えて見せた演技であった。
剣が振り下ろされるその瞬間、倒れ掛かる体を立て直して飛び退く。
斬撃は空を切り、地面に勢いよく突き刺さる。

 すぐに逆方向に大地を蹴って、慣性を強引に無視して開いた間合いを一気に詰めた。
地面に埋まった刀身を抜く動作は、アニエスの回避行動と防御行動を封じる。
アニエスの次の行動は早かった。剣を抜くのを即座にやめ、一足飛びに下がりながら腰の銃を引き抜く。

 しかし引き抜いた銃を構えるよりも先に、相手はさらに一歩踏み込んで距離を縮める。
瞬間、首筋付近にサーベルの刃が突き通され、ピタと止められた。


「そこまで、勝負あり!ルイズの勝ち」
黒髪の少女アーカードが終わりを告げる。アニエスは苦い顔をして口を開いた。

「ラ・ヴァリエール殿、これでは訓練になりません」
「ごめんなさい、アニエス。これが終わったら当分闘えなくなるし、あのままじゃジリ貧だったから最後に一矢報いたくて・・・」
窘められたルイズが申し訳なさそうに謝る。
 

356 :マロン名無しさん:2009/01/22(木) 22:49:39 ID:???
ところで支援ってカタカナで書くとシエンって風来のシエンみたいで、秘剣カブラステギ

357 :ゼロのロリカード:2009/01/22(木) 22:50:30 ID:???
 戦闘中の細かいフェイントは兎も角、戦術としてのフェイントは予めやらないという取り決めであった。
何度も手合わせをする中で、奇をてらった策が通じるのは一回こっきりであるし、そも実戦的な戦闘の目的は基礎戦闘能力の向上である。
パワー、スピード、スキル、スタミナ、反応速度、思考能力、重圧等々。緊張感のある闘争こそが血肉となるのだ。

「まあいいでしょう。それにしてもメキメキと成長されてますな、私も加減が難しくなってきましたよ」
「ありがとう、アニエス。でも、実力ではまだまだ及ばないのはわかってるわ」
そう言うとルイズは戦闘に邪魔な為に、結っていた髪をほどく。
桃色のブロンドが風にサラッと靡き、汗で濡れた肌が涼しく気持ちいい。


「・・・・・・随分と頑張ってるわねぇ、ルイズ」
キュルケが呟き、タバサが頷く。
「元々努力家だったからな、血統も一流だ。ベクトルを変えてやれば頭角を現すのもこれ当然。さらには私がマンツーマンで教え込んでいるのだから伸びない理由はない」
近づいてきたアーカードが言う。

「随分な自信だこと。・・・・・・血統って、ラ・ヴァリエール家はそんなに凄かったっけ?」
「んむ。あれでルイズの母親が凄い。せまりくる敵兵をちぎっては投げ、ちぎっては投げ、まさにトリステイン無双といったありさまで。
 近づく敵を片っぱしから真っ2ツにして、最終的に全身にカッター・トルネードをまとって敵の空中戦艦全艦ごと吹き飛――――――」

「あ〜はいはい」
キュルケは途中から話半分に聞いて、手を振ってあしらう。
「大体私達はメイジなんだから、白兵戦ばっか鍛えてもね〜」

 夏休み明けから、ルイズが鍛錬に励んでいるのは周知の事実であった。
しばしば死にそうな顔をしながら、授業に出ていることもあった。しかし魔法は相変わらず。
開き直って戦士として生きていこう、と決めたのかとすら思うくらいにハードな感じだった。

「精神を鍛えるにはまず肉体からと言ってな、それが一番手っ取り早い」
「ふ〜ん」
「キュルケ、タバサ。お前達もルイズと一緒に鍛錬せんか?高め合うライバルがいると、より一層修行にも効果が出るからの。どうせ男子生徒達がいなくて暇なのだろう?」
 

358 :マロン名無しさん:2009/01/22(木) 22:50:57 ID:???
ルイズと ジャンの
人情紙支援

359 :マロン名無しさん:2009/01/22(木) 22:51:26 ID:???
少佐・・・戦争するならベストただし自身も火傷する覚悟必須

ドク・・・研究の為の場所と資金と材料と時間と畑を用意出来れば戦力強化は思いのまま

大尉・・・忠誠を誓わせるまでが難関、誓わせれば最強の矛兼盾に

シュレ・・・気に入られればこっちの物、後は飽きられ無い様に注意

ゾーリン・・・第一印象が大事!殺され無い様に頑張れ、暴走して強敵に潰されるまでは戦力に

リップ・・・一番使い魔にしやすい人、戦力としても十分ただし直ぐに弱気になる悪癖あり

色男・・・周辺の女性陣への被害に目を潰れれば行けるテクを教わる方向に持ってければ完璧か?

バレンタイン兄弟・・・お話は聞いてくれそう、お兄ちゃんを従わせれればついでにヤンも付いてくる殺される時は痛く無いよ!無いよ!

360 :ゼロのロリカード:2009/01/22(木) 22:52:26 ID:???
「いや〜よ、パス。確かに暇っちゃぁ暇だけど、めんどくさいもの」
キュルケはダルそうに手を振り、タバサは抑揚のない瞳で答えた。
「私もいい。肉体に大きな比重を置いて鍛錬する意味は、あまりない」
「ふむ、まっ・・・・・・仕方ないか」

 元来純粋なメイジであるならば、魔法を組み込んだ戦闘スタイルとなる。
キュルケは家柄から、軍人としてのスタイルを持っている。
タバサも騎士として、独自のスタイルを確立させている。

 そこに毛色の違うスタイルと鍛錬を、無理に割り込ませるには相当のキャパシティが必要である。
二つを貪欲に取り込んで昇華させるなど、半分は博打のようなものだ。


 話の区切りがついたところで、アーカードはルイズとアニエスに目を向ける。
未だ二人は、先の戦闘について色々話していた。
(・・・アニエス・・)

 20年前のダングルテール虐殺事件、疫病と偽られた新教徒狩り。その時の隊長、『炎蛇』のコルベール。
村を焼き、また少女を助けたのは自分であるとコルベールは言った。
その少女こそアニエス、そしてアニエスの仇敵こそコルベールなのである。



「何故そのことを・・・」
「教えない♥」
コルベールは追い詰められたような表情を浮かべ、顔を下に向ける。

「勘違いするな。罪を贖えだとか説教しにきたとか、そういうわけではない。まぁ上っ面だけの説教がして欲しいなら、別にしてやらんこともないが。
 尤も、そんなものはただの自己満足にしかならんだろう。それでも尚、愚痴を聞いて欲しいと言うなら聞いてやるが・・・、その前に聞きたいことがある」
 

361 :ゼロのロリカード:2009/01/22(木) 22:55:33 ID:???
「・・・・・・なんでしょうか」
「殲滅任務だったみたいだが、生き残りはいないのか?」
アーカードは一体どこまで知っているのか。
臆することなくズバズバと聞いてくるアーカードに、コルベールは答える。

「一人だけ・・・、子供が生きていると思います」
「思う?」
「私が逃しました・・・・・・、毛布に包んで近くの浜辺に置き去りにしました、その後の行方は・・・知りません」
「なるほどのう」

 アーカードは納得のいった顔をすると、薄っすらと笑みを浮かべる。
「ッ・・・・・・何故・・・そんなことを・・?」
コルベールの顔に汗が伝う。

「ちょっと・・・・・・な」



 それ以上のコルベールの言及はなかった。
アニエスもコルベールも、互いが互いに、倒すべき敵と、助けた子供であるということは認識していない。

(まぁいずれ、自力で辿り着くことだろう。わざわざ、善意で教えてやる義理もない)
アーカードは目を細め、左手でフワッと黒髪を梳いた。

「自分の道は、自分で切り拓くものだ」

◇†

「自分の道は自分で切り拓く」
ルイズはそう心の中で呟いた。手を握り、そして開く。それを何度か繰り返す。
 

362 :ゼロのロリカード:2009/01/22(木) 22:57:20 ID:???
 自分でもビックリなくらいに強くなっている。持つべきものは優れた師匠、というのが実感させられる。
実家から帰ると、早速地獄の特訓が始まった。母の「一人でも問題ないよう鍛えてあげて」という言葉が契機であった。
アーカードは私の新たな決意と高まる向上心を確認すると、本格的に鍛え始めた。

 強くなる為には「うまい食事と適度な運動」と、アーカードは言った。
栄養バランスを考えた食事、学院の食事は一切摂取せず毎回アーカードが指定した食事を摂る。
マルトーとか言う人から厨房の一角を借り受け、決して美味しくはない薬膳料理などをわざわざアーカードが作った。
異世界の食材は勝手が違うと思っていたが、大した問題もないようだった。
アーカードは暇な時と言えば、読書や料理や裁縫ばかりやっていたようなので、そのおかげかも知れない。

 肉体的なトレーニングは、必ず1日以上の間隔が空けられた。
スポーツ医学に則た鍛錬。『超回復』という筋繊維の再生を利用するから、連続したハードトレーニングはご法度なのだそうだ。
とは言っても、その一回一回の密度は想像を絶した。思い出すのも苦痛だ。鍛錬した次の日は殆ど動けないというのがザラであった。


 それ以外の空いた時間には、色々な事を教えられた。
剣技から兵法まで、アーカードの知識と経験を詰め込む作業が続く。
そして十分な睡眠をとり、体格を作る。

 またアーカードは「イメージしろ」と言った。
想像というのはこれ、思いのほか重要らしく。訓練の効果も大幅に変わってくるという。
思い込みの威力、人間がリアルに思い描くことは実現する。極まれば正拳突きすら音速を超えるとかなんとか。

 そうは言っても信じられるわけがない。
ある日を境に幼児は火バシが熱いことを知る。
ふざけた大人が熱くない火バシを用事に触れさせると、火傷したとカン違いした幼児がリアルに苦痛を感じるなどと。
極端な例では、その幼児の手に火ぶくれが生じたなんて、信じられるわけがなかった。
 
 ウェイトトレーニングを一例に取っても、目標とする体型をイメージするのとしないのではどうなるか。
全く同じ種目のトレーニングをしても、結果に圧倒的差が生じることは実験データで明らかになっているらしい。
 

363 :ゼロのロリカード:2009/01/22(木) 22:59:13 ID:???
 思いが実現することなど、信じられるわけがない。不可能であるという思いの方が強烈であり、それが普通だ。


 ゆえに最初、アーカードの目から暗示をかけられた。固定観念を破壊され、「イメージは大事」という刷り込みがなされた。
以降は鍛錬一つとっても、姉であるカトレアの姿を常に、強烈に想像した。
そのおかげなのかよくわからないが、ほんの少しだが背が伸びた。
胸も大きくなった・・・ような気がしただけだった。

 一方で『虚無』に関しては鍛えようがなかった。
デルフリンガー曰く、必要な時が来れば始祖の祈祷書の先が読めるようになるとのこと。
さらには魔力の温存の為に、魔法は使用することすら自重した。
どれくらい溜めればタルブの時のエクスプロージョンができるか、想像もつかないのだ。


 既にアルビオンへの侵攻作戦が始まり、明日の朝には竜騎士が迎えにくる手筈である。
そのまま竜騎士搭載の為の、新鋭の竜母艦『ヴュセンタール』号へと乗ることとなる。
本来はラ・ロシェールから乗る予定だったのだが、アーカードが私の調整と称してギリギリまで学院に残ることを申請した為である。

 『虚無』の担い手である自分にかけられた期待。しかし魔力がどれくらいあるのかわからない。
それでも出来うる限りの精一杯をやる。姫さまの期待に副えるよう、全力で頑張る。
そして学ぶ、戦争から学ぶ、周囲から学ぶ、ありとあらゆるものから学ぶ、万物から学び吸収する。

 必要な時に、必要な力を、必要なだけ扱えるように。
選択を差し迫られた時に、力がなくて後悔しないように。
力によって逆に選択肢を増やせるように。
しかして力に溺れず、選択肢を狭めず、よりよい選択が出来るように。
心身共に気高く、強くなる。

 ルイズは万感の想いを込めて口にした。
「そうだ、強くなる」


364 :ゼロのロリカード:2009/01/22(木) 23:01:29 ID:???
◇†

「そう、強くなる」
アニエスは呟いた。
必ず探し出してみせる。そして来るべき日に、仇敵に報いるべく為に強くなる。
その時に力不足で後悔しない為に、なによりも故郷の無念を晴らす為に、そして・・・自分自身が前に進む為に。

 想いは力だ。
ラ・ヴァリエール殿の成長は著しい。
初めて会ったときは、なんてことはない普通の少女だった。
タルブでは、生来備わった『虚無』という力を持て余し、それに頼っていただけという印象だった。

 しかしリッシュモンを追い詰める時、宿屋での攻防では助けられた。
そして今は、心身共に驚くべき成長を遂げている。最早進化と言えるくらいに。

 己も負けていられない。精進し、鍛え上げる。
そして殺す。死を以て償わせる。咎人が今ものうのうと生きていると考えるだけで虫唾が走る。
隊長に至っては名前すらわかっていない。王軍資料庫でもその名簿が破られていた。
だが諦めない。どんな手を使っても探し出す。

 アニエスは静かに、ただ静かに呟いた。
「必ず・・・・・・見つけてやるぞ」

◇†

「必ず・・・・・・見つける」
メンヌヴィルはそう口にする。
 

365 :マロン名無しさん:2009/01/22(木) 23:03:03 ID:???
我らは支援の代行者

366 :ゼロのロリカード:2009/01/22(木) 23:03:37 ID:???
 20年前、ダングルテールて思い知った。『炎蛇』と呼ばれたあの男を。
見る者を虜にする、惚れ惚れするような火の魔法。
一帯が炎に包まれているというのに、これ以上ない寒気がした。
味方であるにも拘わらず、体の震えが止まらなかった。
それは微塵の容赦も無く、それは徹底的で、それに魅せられ、それに酔い痴れた。

 気付けば隊長であったその男に杖を向けていた。
期待通り、"奴"は圧倒的な炎で以て俺を焼いてくれた。
自分の肉が焼ける匂いと共に、消えない傷が体と心に刻み込まれた。

 後悔はしていない、"奴"がいたから今の俺がある。
炎の魔法を使う度に、温度を肌で感じる度に、傷が疼く。そして"奴"を思い出す。
当時の俺は若輩で、無知で、馬鹿で、無謀で、怖い者知らずだった。


 そんな俺に畏怖を、恐怖を刻み込んだあの男コルベール。
――――――会いたい・・・・・・会いたい・・。
アイツに会いたい、アイツを焼きたい、成長したこのオレの炎を見てもらいたい。
オレの炎で焼き尽くしたい。その匂いを嗅ぎ尽くしたい。


 この焦がれる想いに比べれば、例え絶世の美女を犯し、焼いて、また犯したとしても足りはしない。
まるで足りない。
――――――会いたい・・・会いたいッ!
満ち足りない、鎮まらない。

 人を焼く狂喜が、その焼けた香りだけが・・・・・・今のオレを静める唯一の方法だ。
だから、蹂躙しよう。

「20年前のように・・・」
 

367 :ゼロのロリカード:2009/01/22(木) 23:05:47 ID:???
◇†

「20年前・・・・・・」
コルベールは心の中で呟いたつもりだったが、思わず口に出ていた。

 決して清算されることの無い罪。
「知らされていなかった」は理由にならない。
死ぬその時まで背負い続けなければならぬ咎。

 真実を知り、――――生き方を変えた。
自分の系統を、その炎を・・・・・・破壊の為には使わないと心に誓った。

 せめてもの罪の贖いの為に、研究に打ち込む。
一人でも多くの人間を幸せにし、発展の為に尽くすことこそが自分に課した義務。
自殺などは赦されない。死んだとしても罪は消えない、どのようなことをしても消えることは無い。

(だが・・・・・・)
アーカードがダングルテールの事を知っていた理由。生き残りを聞いたその理由。
唯一私に死をもたらし、その死を以て私がその手で殺した村の人々への鎮魂へと当てることができる人物の行方。

(あの子が・・・・・・、生きているのだろうか)
コルベールは天井を見上げるように目を瞑る。

 

368 :ゼロのロリカード:2009/01/22(木) 23:07:18 ID:???
 私は臆病者だ。
王軍資料庫の名簿の、自分の名前の部分を破った。―――――人並の幸せを願ったのだ。
「命令だから仕方がなかった」などと、過去の自分を隠して新しく生きようなどと考えてしまった。

 あの時の子供を捜そうとはしなかった、その後の動向も知らない。
そして・・・・・・アーカードに、はっきりと聞く勇気もなかった。

(私は今でも・・・・・・あれこれ理由をつけて、逃げているだけなのかも知れない)
だがそれでも、贖罪の時が来たのならそれを甘んじて受けよう。

「私は私に出来る精一杯をする・・・・・・昔も今もそれだけしかないのだから」

369 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/01/22(木) 23:13:18 ID:???
以上で終了です、支援どうもでした。


今回は大した動きがありません。
例の台詞を言わせる為にも、ルイズは目下成長中です。

しかしバキネタ含有率がちょっと多すぎですね。幽白とかも入れましたが。
漫画的とんでも薀蓄系は、妙な説得力を持たせるのに丁度いいんですよねw

メンヌヴィルみたいなキチガイキャラは、書いてて意外と面白いという事実。


次回はルイズ&アーカードがいる状態での、炎の贖罪になります。
ワルドがいなくても、スムーズに学院まで潜入するのはご都合主義です。

370 :マロン名無しさん:2009/01/23(金) 00:38:59 ID:???


371 :マロン名無しさん:2009/01/23(金) 00:39:31 ID:???
ゼロリカ乙!!!!どんなに不定期になってもあたい待ってるからぁああ!!

372 :マロン名無しさん:2009/01/23(金) 10:29:24 ID:???
GOOD GOOOD VEEERRYY GOOOD
リアルの方も頑張ってくだしあ

373 :マロン名無しさん:2009/01/23(金) 20:55:52 ID:???
ゼロリカ殿乙です。
リアルの方も大変でしょうから無理しないで〜
我々は(とりあえず自分は)待つのは慣れてますから〜

374 :マロン名無しさん:2009/01/24(土) 11:02:28 ID:???
そうだ!そうだとも、待っちゃうよーいくらでもネー

375 :マロン名無しさん:2009/01/27(火) 21:14:12 ID:???
みんないる?

376 :マロン名無しさん:2009/01/27(火) 21:19:30 ID:???
みんながいるのを知らないようだ

377 :マロン名無しさん:2009/01/27(火) 23:17:44 ID:???
ここに あるよ

378 :マロン名無しさん:2009/01/28(水) 12:49:16 ID:???
膝枕

379 :マロン名無しさん:2009/01/28(水) 14:40:08 ID:???
保守

380 :マロン名無しさん:2009/01/28(水) 21:35:06 ID:???
そういやWiki更新されてなくね?

381 :マロン名無しさん:2009/01/29(木) 09:48:39 ID:???
最終巻は3/27発売らしいぞ

382 :マロン名無しさん:2009/01/29(木) 12:17:28 ID:???
マジでか。正直ヘルシングとゲッター飛焔の最終巻は諦めてたんで出てくれるだけでも嬉しい

383 :マロン名無しさん:2009/01/29(木) 13:38:37 ID:???
最終巻3月か
ヒラコースレで12月発売だから来年の2月に発売だなっていってたやつすげぇwww

んでwikiちょこちょこ更新
ロリカの未収録分追加
HELLOUISEの7話のリンクがなかったんで追加
スナゼロも追加したかったけど15、16、17っていつのスレで出たんだ?
このスレじゃないし前のスレ見ても14で終わってるみたいだし・・・
ってなもんで話数わからなかったんでこの間投下されたやつは追加してません

他もやりたかったけど、眠たいので無理
他の人にバトンタッチ

384 :マロン名無しさん:2009/01/29(木) 13:40:44 ID:???
wiki更新乙

385 :マロン名無しさん:2009/01/29(木) 22:07:09 ID:???
ぬあああああ

なんでかしらないがdatが『8』飛んで『10』になってるぅううううううううう
誰かdatの『9』下さいorz

通りで作品の順番が合わないわけだよ!

386 :マロン名無しさん:2009/01/29(木) 23:42:12 ID:???
>>385
ttp://www1.axfc.net/uploader/He/so/188583.zip
hell

387 :マロン名無しさん:2009/01/30(金) 00:38:34 ID:???
>>386
トンクス!

近いうちにwiki更新しておくお
けどその前にやれる人いたらやってほしいお!

388 :マロン名無しさん:2009/01/31(土) 17:34:56 ID:???
三月か…加筆とか期待してもいいのかなあ?

389 :マロン名無しさん:2009/01/31(土) 21:24:35 ID:???
少なくとも、セラスのパンチラは無くなっているだろうな。

390 :マロン名無しさん:2009/01/31(土) 21:34:30 ID:???
パンツ履き忘れか

391 :マロン名無しさん:2009/02/01(日) 03:44:58 ID:???
あのおまけ漫画はやはりホーリーブラウニーの方に載るのだろうかw

392 :マロン名無しさん:2009/02/01(日) 18:54:10 ID:???
未来永劫絶対何処にも収録されない漫画って自称してたよな

393 :マロン名無しさん:2009/02/01(日) 21:10:07 ID:???
履いてないセラスを目撃し再生者の再生力の限界に挑戦する才人ですか。

394 :マロン名無しさん:2009/02/01(日) 22:28:41 ID:???
狂信者さん、まだかなー?
せめて生存報告を…

395 :狂信者 ◆BLbeX1AAMU :2009/02/02(月) 03:08:32 ID:???
すいません…テスト期間なんです……
楽しみにしてくれる方、真に申し訳ありません。
ご迷惑をおかけします。

396 :マロン名無しさん:2009/02/02(月) 09:46:06 ID:???
あまりにも下がりすぎなのでageてみる

397 :マロン名無しさん:2009/02/02(月) 13:06:54 ID:Oba+hh5E
ならば

398 :マロン名無しさん:2009/02/02(月) 15:31:53 ID:???
>395
テスト期間中でしたか
勉強頑張ってください!

399 :マロン名無しさん:2009/02/03(火) 05:49:54 ID:???
>>397
俺、オマエみたいなやつ嫌いじゃないぜ・・・

400 :マロン名無しさん:2009/02/03(火) 17:45:59 ID:???
吸血鬼に法儀済みの豆は効果ありますか?

401 :マロン名無しさん:2009/02/03(火) 20:05:14 ID:???
豆は邪気払いだから広義の化け物全般に効くのじゃないかな。

402 :マロン名無しさん:2009/02/03(火) 21:48:03 ID:???
こいつぁけしからんぜしかし
http://mup.vip2ch.com/up/vipper2546.PNG

403 :マロン名無しさん:2009/02/04(水) 00:47:55 ID:???
>>402
お腹がすいてるのかい?ボクの恵方巻きを食べなよ

404 :マロン名無しさん:2009/02/04(水) 15:38:25 ID:???
股ぐらがいきり立つ

405 :マロン名無しさん:2009/02/04(水) 21:20:13 ID:???
素敵だ やはりロリカードは素晴らしい

406 :マロン名無しさん:2009/02/05(木) 19:48:46 ID:???
最後の大隊ってイスラエルにも攻撃したのかな?

407 :マロン名無しさん:2009/02/05(木) 20:46:42 ID:???
する意味が何一つ見出せないが

408 :マロン名無しさん:2009/02/05(木) 21:21:26 ID:???
ミレニアムの連中の目的はイギリス相手の一心不乱の大戦争だからな。
とりあえずナチの御題目である反ユダヤなんて知ったこっちゃないんだろ。
まあ収容所での人体実験位は思う存分やってたんだろうけど。

409 :マロン名無しさん:2009/02/05(木) 21:42:28 ID:???
シュレはぞーりんの精神の中にも入り込んでいたが
精神の中でその人間を殺すと身体はどうなるんだろう

410 :マロン名無しさん:2009/02/05(木) 22:45:53 ID:???
大隊内部の通信方法で他の人間には使えないと見るべきだろ。
使えるなら吸血鬼を潜り込ませたりしない。

411 :マロン名無しさん:2009/02/05(木) 23:47:24 ID:???

吸血鬼潜らせたのって内部撹乱目的じゃないの

412 :マロン名無しさん:2009/02/05(木) 23:57:27 ID:???
紅葉卸前のゾーリンに
特性上何所にも居て何所にも居ない(からここにいるのも不自然じゃない)と言ってたし
その気になれば他人の精神にも入れるんじゃね入らないだけで

413 :マロン名無しさん:2009/02/06(金) 07:07:07 ID:???
ヒラコーのブログが更新されたぞー

414 :マロン名無しさん:2009/02/06(金) 14:00:49 ID:???
ヒラコーとらきすたの作者ってなんか関係あるの?

415 :マロン名無しさん:2009/02/06(金) 22:14:37 ID:???
同一人物

416 :マロン名無しさん:2009/02/06(金) 22:45:12 ID:???
たしか兄弟

417 :マロン名無しさん:2009/02/07(土) 12:40:54 ID:???
親子

418 :マロン名無しさん:2009/02/07(土) 17:02:31 ID:???
>>411
シュレが相手の心に潜り込めるなら内部撹乱に吸血鬼を使う必要が無いだろ。

419 :マロン名無しさん:2009/02/07(土) 18:04:59 ID:???
何で?
実際にグール撒いたりなハード面には必要すぎるんだが

420 :マロン名無しさん:2009/02/07(土) 18:06:19 ID:???
例えばレーダーサイトだとかなら同時に崩壊させないと意味ないし
幾らシュレが何所にでも行けるからって言っても
一瞬で全箇所をグールまみれに出来るわけもなく

421 :マロン名無しさん:2009/02/07(土) 19:06:40 ID:???
シュレが瞬間移動して暗殺とかやっちゃったらスマートすぎるでしょ
グールと吸血鬼でグダグダの戦争のほうが少佐の好みなんだろ

422 :マロン名無しさん:2009/02/07(土) 19:10:03 ID:???
精神世界に武器は持ち込めず、またシュレは力はただの少年なのでガチンコで負けてしまうので、精神世界で殺すなんて旦那しか無理です><

423 :マロン名無しさん:2009/02/07(土) 19:24:47 ID:???
シュレが本気出して円卓会議でテレビの代わりに時限爆弾でも置き逃げすればその時点で勝ってたよ

424 :マロン名無しさん:2009/02/07(土) 19:52:38 ID:???
身も蓋もない、貴様には戦争好きの化け物たる資格はない

425 :マロン名無しさん:2009/02/07(土) 20:12:24 ID:???
准尉は本当に少佐が好きだな
やろうと思えば簡単に出来る事を
少佐の美学に合わせて自殺までして

426 :マロン名無しさん:2009/02/08(日) 10:05:12 ID:???
各人の目的
少佐=化物(アーカード)を倒し、人間に殺される
大尉=強敵との全力戦闘で力尽きる
ドク=化物(吸血鬼)を解明し作り出す
シュレ=少佐のために死ぬ
憲兵少尉=戦いの中で死ぬ
艦長=戦勝国に意地を見せる

427 :マロン名無しさん:2009/02/08(日) 12:34:56 ID:???
ヲルター=アーカードに勝った後ロリカードとちゅっちゅしたい

428 :マロン名無しさん:2009/02/08(日) 12:42:17 ID:???
シュレは少佐の為か?

ただの気まぐれか、
或いは自分を殺してくれる方法があるよって少佐に言われたような感じだ。

実際には旦那に取り込まれて、死ぬことはなかったかもしれんが。

429 :マロン名無しさん:2009/02/08(日) 17:13:51 ID:???
自殺だけならアーカードに食われれば出来るんだし
最後の最後まで待ったってことはそれなりに義理も感じてたんじゃね

430 :マロン名無しさん:2009/02/09(月) 06:58:18 ID:???
アーカードに食われる(性的な意味で)

431 :マロン名無しさん:2009/02/10(火) 10:07:59 ID:???
アーカードが喰われる
(性的な意味で)

432 :マロン名無しさん:2009/02/10(火) 21:55:01 ID:???
眼鏡中尉は良家のお嬢様なのか
辺境の猟師の家系なのかどっちなんだろ

433 :マロン名無しさん:2009/02/10(火) 22:34:13 ID:yR8FH+Nf
てめぇのおかげでハイジ風ロリップ、ヨーゼフ大尉付きで想像しちまったじゃねえか
本当にありがとうございました!


434 :マロン名無しさん:2009/02/11(水) 11:15:28 ID:???
>>431
セラス「マスター、受けだったんですね。受け」

435 :マロン名無しさん:2009/02/11(水) 15:05:46 ID:???
ロリカ「受けや攻めなど、この私にとっては至極無意味な物だ」
セラス「はひ・・・(ますたー、すご)」

436 :マロン名無しさん:2009/02/11(水) 17:29:48 ID:???
旦那の時が受けでロリの時が攻めなんですよね?

437 :マロン名無しさん:2009/02/11(水) 22:31:53 ID:???
リオのスイートでの蜂の巣シーンとか
肉体的に受ける事で精神的に攻めてるよな

受けにも攻めにもなれるんじゃなくて
受けながら攻めれる当りが旦那の凄み

438 :マロン名無しさん:2009/02/12(木) 00:15:28 ID:???
つまりロリ→執事→旦那→ヒゲか

439 :マロン名無しさん:2009/02/12(木) 07:56:38 ID:???
数字板にお帰りください

440 :マロン名無しさん:2009/02/12(木) 15:39:13 ID:???
>>432
魔弾歌えるくらいなんだし少なくともそれなりの家庭だったんじゃね
当時のガチ貧困層はそういう教養得る余裕なさそうだし

441 :マロン名無しさん:2009/02/12(木) 15:42:49 ID:???
あれでリップは、外伝からいるから大分年食ってる。

最初は貧困層でも問題はなさそう。

442 :マロン名無しさん:2009/02/12(木) 17:07:34 ID:???
西部戦線で徴集されたユーゲントが17、18だから当時のリップもそんなものかね

443 :マロン名無しさん:2009/02/13(金) 05:24:16 ID:???
リップさん、セラスさん、ロリカード様、バレンタインはSSがいいです

444 :マロン名無しさん:2009/02/13(金) 08:09:20 ID:???
ヴァレンタイン兄弟がどうしたって?

445 :マロン名無しさん:2009/02/13(金) 15:07:20 ID:???
ロリカードは様付けなんですね

446 :マロン名無しさん:2009/02/13(金) 20:12:06 ID:???
バレンタイン兄弟をリップやセラス、ロリカが血祭りに上げるブラッディーなSSを希望しているのだろ


447 :マロン名無しさん:2009/02/14(土) 09:59:19 ID:???
ゾーリンに苛められる二人は駄目ですか?

448 :マロン名無しさん:2009/02/14(土) 22:02:01 ID:???
駄目です

449 :マロン名無しさん:2009/02/16(月) 18:55:59 ID:???
セラスを(性的に)虐めるロリカとリップはダメですか

450 :マロン名無しさん:2009/02/16(月) 19:11:19 ID:???
性的に虐められるロリカードならありです

451 :マロン名無しさん:2009/02/18(水) 12:13:20 ID:???
>>450
ペドめ

452 :マロン名無しさん:2009/02/18(水) 12:14:21 ID:???
ロリカードはギリロリだと思ってます

453 :マロン名無しさん:2009/02/18(水) 16:27:26 ID:???
         _.. -――- 、._
    , -‐'´        \
   /          ,、     \
  〃     ,   ,ハ ,      ヽ
 / ,    ,イ ,/ _jノヽ.   、   \_
ノィ ,  ,' / _j_/  '",二.._, \ _ノh   ヽ`ゝ
 ノイ  {V/,二、  “、(゚I}  ヽ_)リ   ト )
   \ ヽ.“.(゚I} ,::.  ‥゚  ,ゝ_)    |
    `vヘ. ‥゚ ヽ' ___    ! ゝ_)   l
     `rヘ   くてノ    ノ 人)ゞ  !
     (_,rヘ.    ‐   /〉ー‐-- 、_丿
     ,〈_八_ _,>‐;:r‐'  /    , -‐'´`ヽ
     フノ  〈.(  (;ノ __/   /, -‐'´: ̄:\
        ∧゙、 | ̄ / //: : i: : : : : : ハ
        | rヘ\l ///: : : :l: : : : : : : : l
        | | 「.\|/'./  ̄l: :ヘ| : : : : : : : :|
       ノ |.:`ーァ(^〕‐r―:' : : : l: : : : : : : :
      (: : | / /^i  | : : : : : : :ヽ : : : : :
        ヽく_/: : |  l : : : : : : : : :\ : :
        /: : : : : : L...」 : : : : : : : : : : :

 ゴー・ホウロリ[Goe Howlolly] (1984〜 アイルランド)

454 :マロン名無しさん:2009/02/19(木) 10:56:01 ID:9GCKZeQM
age

それとこういう名前考えるやつとか天才だろ・・・
どういう頭の構造してるんだよ(悪い意味で

455 :マロン名無しさん:2009/02/19(木) 12:17:13 ID:???
なかなかタイムリーなイラストじゃないの…
http://mup.vip2ch.com/up/vipper3305.PNG

456 :マロン名無しさん:2009/02/19(木) 17:27:51 ID:???
>あれでリップは、外伝からいるから大分年食ってる。>>441
外伝のころにしたってそんない若くないんじゃないの
まあいい年して処女でお嬢さんなところがいいんだけど

457 :マロン名無しさん:2009/02/19(木) 18:39:18 ID:???
性格考えたらどう考えても若いと思うんだが
半世紀で二点も三点もしないだろ

458 :マロン名無しさん:2009/02/19(木) 18:56:37 ID:???
論点はどこで歌を覚えたのかってことだろ

良家のお嬢様じゃない貧困層生まれでも、年食ってるなら歌くらい覚えるだろうって話じゃないのか

459 :マロン名無しさん:2009/02/19(木) 23:22:46 ID:???
南米の穴蔵にいる時、訓練以外の時間に憶えたのかもしれない。

460 :マロン名無しさん:2009/02/20(金) 00:23:26 ID:???
外伝時代の帽子乗っけたリップに少佐が魔弾の例えしてるから
どうなんだろうね。その頃から知ってたとも取れるけど

461 :マロン名無しさん:2009/02/22(日) 19:04:43 ID:???
リップは何歳なんだろう

あれで古参なんだよね

462 :マロン名無しさん:2009/02/23(月) 00:49:15 ID:???
70は超えてると思うけど・・・


な、なんか青白い物がとんできたあああぁぁぁx・・・・(フェードアウト)

463 :マロン名無しさん:2009/02/24(火) 20:08:22 ID:???
セラスもラストじゃ50歳くらいかー

464 :マロン名無しさん:2009/02/24(火) 20:28:45 ID:???
100歳とか超えるとどうでもいいけど、50とか70とか変にリアルな数字だと嫌なのはなんでなんだぜ?

465 :マロン名無しさん:2009/02/25(水) 03:00:22 ID:???
それくらいの年齢で亡くなった婆ちゃんの顔が脳裏をよぎるから

466 :マロン名無しさん:2009/02/25(水) 13:36:35 ID:???
百歳超え辺りから“人間の常識”から外れだすので、脳内で【人外】にカテゴライズされる。
結果、ロリババアのロリ側が強調される。

50〜80ぐらいまでは日常的に見聞きする範疇なので、そちらの連想の方が強く働く。
よって、ロリババアのロリ側が打ち消されてしまう。
元人間とかいうキャラクターだと余計にそうかも。

467 :マロン名無しさん:2009/02/25(水) 14:09:34 ID:???
アーカードの場合、いつ人格が形成されたかによるから
ロリカード80さいの可能性もある。
髭カードの500歳越えは確実。

468 :マロン名無しさん:2009/02/25(水) 15:14:20 ID:???
鍛錬が足らんのだよ

469 :マロン名無しさん:2009/02/25(水) 22:09:23 ID:???
ルイズが少佐を召喚していたら
幼い日の歪む前のルイズが少佐を召喚、少佐が機能停止するまでの何年か教えを受けていたら

ワルド「ルイズ、化物を引き連れ君は何をする気だ」
ルイズ「復讐ですよワルド様、私をゼロと蔑んだ全ての者へのね・・・」

470 :マロン名無しさん:2009/02/26(木) 17:11:00 ID:???
>>469
機械化して白スーツ着てるのは当たり前として
長身で巨乳のルイズか
いつものチビで貧乳のルイズ
どっちだろう

471 :マロン名無しさん:2009/02/26(木) 17:15:24 ID:???
チビで太ったルイズ

おっぱいはでかい。

472 :マロン名無しさん:2009/02/26(木) 19:34:39 ID:???
>>470
その場合キュルケがロリの時に叔父に殺されかけたりメガネをかけたりすることになってしまうな
ロマリアに13課ができたりして

473 :マロン名無しさん:2009/02/26(木) 20:50:45 ID:???
>>472
それ、もろタバサ・・・性格的にはイザベラに近いから
イザベラをシャルルに殺られかけ返り討ちにした鉄血処女にするか。

474 :マロン名無しさん:2009/02/26(木) 21:11:10 ID:???
>>470
女のあえぎ声の中で人殺しの方法を考えるルイズ
・・・・・どうやら実家に問題がありすぎるようだな

475 :マロン名無しさん:2009/02/27(金) 16:09:43 ID:???
なんて倒錯してるんだ

476 :マロン名無しさん:2009/02/28(土) 17:29:05 ID:???
サド的な…

477 :マロン名無しさん:2009/02/28(土) 20:54:09 ID:???
ジョゼフが召喚したのがマクスウェルだったら
ジョゼフの誘いに乗りレコン=キスタの皇帝に納まるマクスウェル、アンデルセンがルイズの使い魔になっている事を知り顔面蒼白になる。

大尉がテファの使い魔だと
テファの孤児院で洗濯物を取り込む大尉。
マチルダ「あの狼、器用に出来る物だね」
テファ「ええ、タイイさんはとっても賢いのです」
あれ?何で人型じゃないのだろう。

478 :マロン名無しさん:2009/03/01(日) 02:31:38 ID:???
何で人型じゃないとダメなの?

479 :マロン名無しさん:2009/03/02(月) 08:22:13 ID:???
マチルダ姉さんが心配するから大人な関係になると

480 :マロン名無しさん:2009/03/02(月) 21:30:54 ID:???
大人の関係……、互いに利用しあうだけのドライな関係か。
確かにおマチさんならそんなテファを見たくはないだろうな、納得した。


481 :マロン名無しさん:2009/03/03(火) 00:09:09 ID:???
棒を穴に出し入れする関係だよ
大尉イケメンだし

482 :マロン名無しさん:2009/03/03(火) 08:59:00 ID:???
大尉の後ろがおマチさんの杖でやばい

483 :マロン名無しさん:2009/03/03(火) 09:30:54 ID:???
大尉がテファに耳掃除してもらう関係と聞いて

484 :マロン名無しさん:2009/03/03(火) 18:40:49 ID:???
大尉わんわん

485 :マロン名無しさん:2009/03/03(火) 19:56:11 ID:???
テファにブラッシングをして貰い気持ちよさそうに寝そべる狼大尉を幻視した。
最近、大尉の人間形態が出てこない。

486 :マロン名無しさん:2009/03/04(水) 02:26:09 ID:???
正直テファには、その、なんだ……獣姿の方が似合う

487 :マロン名無しさん:2009/03/04(水) 10:26:40 ID:???
テファや子供達の前では獣形態
皆の目が無い戦闘時等は人間形態

って事だな

488 :マロン名無しさん:2009/03/04(水) 18:07:09 ID:???
にやにやしながら、でっかい犬ー躾は出来ているのかなと
手を差し出してお手を要求する准尉

489 :マロン名無しさん:2009/03/04(水) 19:21:52 ID:???
大尉スマイルで大抵の奴は轟沈

490 :マロン名無しさん:2009/03/04(水) 23:19:55 ID:???
更新きてくれー!

491 :マロン名無しさん:2009/03/04(水) 23:24:36 ID:???
>>488
明確な殺意を込めて、超高速で振り下ろされる前足

492 :マロン名無しさん:2009/03/05(木) 00:22:12 ID:???
大尉には従順というか素直に言うことを聞くというか、とりあえず喧嘩を売ったりはしないんじゃ無いのか?

493 :マロン名無しさん:2009/03/05(木) 00:25:45 ID:???
何で准尉は大尉だけ苦手意識持ってたんだろうな
猫だからか
猫は犬には勝てんのか

494 :マロン名無しさん:2009/03/05(木) 07:47:55 ID:???
苦手なのか?どっちかと言えばなついてないか?
大尉か少佐にまとわりついてる印象しか無いぜ

495 :マロン名無しさん:2009/03/05(木) 12:15:05 ID:???
大尉に見せてもらいなさいって言われたときは普通に覗いてた品
苦手とかじゃなくて単に怒られると怖いってところだろ

496 :マロン名無しさん:2009/03/05(木) 21:51:07 ID:???
>>491
当たる直前で止められたそれに冷や汗を流しながら謝罪する准尉ですか。

497 :マロン名無しさん:2009/03/06(金) 14:17:37 ID:???
べしゃっと頭に手を載せたまま地面に押し付けられて降参する感じ

498 :マロン名無しさん:2009/03/06(金) 21:41:58 ID:???
     ____
     /⌒  ⌒\
   /( ●)  (●)\
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \
  |     |r┬-|     |  <でっかい犬だなぁ、お手はできるかな? お手だよ、おー手w
  \      `ー'´     /



     //ノ ̄ ̄`ヽ、// // ////
     / ´`ヽ _  // // //
     (--/ ̄ ,    ` ̄ ̄ ̄///
     (  ...|  /!
     (`ー‐し'ゝL _
     (--‐‐'´}    ;ー------
     `ヾ:::-‐'ーr‐'"_
    _/⌒  ⌒\_
  /:●))(__人__)((● \  ぐぇあ
  |     |r┬-|     |
  \      `ー'┃     /

499 :マロン名無しさん:2009/03/07(土) 14:09:58 ID:???
アーカードがジョゼフ父の使い魔だったら
イザベラ=祖父から使い魔を引き継ぎ、鉄血処女となる
ジョゼフ=アーカードを倒すため、一心不乱の大戦争を起こす
シャルル=アーカードに勝つため、家族、地位何もかもを賭ける
ドク=ジョゼフの使い魔、ハルケギニアの亜人、魔法を参考に完璧な吸血鬼の完成を目指す
ワルド=ジョゼフの下で風を極め、自己観測で自己を確定する存在となる(早い話がシュレ化)
アンアン=アンデルセンを召喚し、キリスト教に救いを求め傾倒する
ルイズ=幼い日に少佐を召喚、師事する。少佐の機能停止後はアルビオンのお家騒動を利用した戦争を企む
テファ=大尉(狼)を召喚し慌しい世間とは無関係にのんびり暮らす
シュレ=ロマリアに現れる。ワルドとキャラが被ったので、ワルドを消滅させようと画策する

500 :マロン名無しさん:2009/03/08(日) 03:33:25 ID:???
アンアンがルイズに「やればできる子だったのじゃあないか 」とか言われるも、
お調子に乗りすぎて神父に殺されたりするのか

リップは大尉と一緒に召喚されてのんびりしているとして、伊達男はどこにいるんだろうか?
ゾーリン姐さんはレコンキスタで幻術担当だよね!

バレンタイン兄弟は魔法学院を襲撃するも謎のコックに沈黙させられる感じで

501 :マロン名無しさん:2009/03/08(日) 10:23:05 ID:???
>>500
待て、そのコックを混ぜたら料理長無双で話が終わる

502 :マロン名無しさん:2009/03/08(日) 12:45:45 ID:???
>>500
それは調子に乗れる強い軍が有っての事だし、トリスティンの軍事力じゃ調子
に乗る事は出来ないぞ。

ガリアに次ぐ規模が有るとは言え諸侯割拠で皇帝の王権の弱いゲルマニアより
王権が強く最大規模の空軍を持つアルビオンを重視したとか。
実権を握るにしてもジョゼフよりジェームズ&ウェールズの方が制御し易い、
ガリアは反ジョゼフ派の勢力が強く不安定要素が大きい。アルビオンはモード
大公の取り潰しで浮き足立ったとは言え両国と比べるとまだ磐石。

レコン=キスタが現れなければアンアンの選択は正しかったかもしれない。

503 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/03/10(火) 00:45:22 ID:???
お久しぶりです。では、ひっそりと投下します。

投下しようと思ってたらISP規制。
しょうがないからP2垢使いますよと。

途中で切れたら、多分規制かなんかだと思ってください。
P2で連投したことないんで、どの程度で規制くるのか予測つかないので。

504 :ゼロのロリカード-27 :2009/03/10(火) 00:47:39 ID:???
 太陽がまだ昇っていない朝方。月も雲に隠れ暗闇が広がっていた。
そんな中、学院全体に漂う不穏な空気に鋭敏に反応したのは、僅かに3人だけであった。
アーカードはムクッと起き上がり首をコキコキと鳴らすと、横で寝息を立てているルイズを起こした。
タバサはすぐに着替えて杖を取ると、階下のキュルケの元へと向かった。
アニエスは剣を抜き、扉の前で奇襲をかけるべく静かに息を殺した。


「一体なんなの?」
ルイズはわけもわからず促され、手早く着替えながらアーカードに問い掛ける。

「感じんか?」
アーカードに言われ、ルイズは疑問符を浮かべながら神経を集中させる。
なんとなくだが・・・ピリピリしているような気がした。

「なんだか変な緊張感がある・・・・・・のかな?」
「んむ、それが分かれば充分だ」
その瞬間、怒声と叫び声、さらに大きな音が聞こえてくる。ルイズは一拍置いてからハッとして、着替えるスピードを上げた。

「さて、一体何者なのかの」
アーカードは窓際へと立ち、学院全体を見渡す。襲撃者は既に各塔の制圧をしているようで、人影は見えなかった。


 ルイズが着替え終わりローブを羽織ったその瞬間、ドタドタと足音がし、扉が開け放たれた。
アーカードはゆったりと振り向き、ルイズは反射的に跳躍し、ベッドの上に置いてあったサーベルを取りつつ反対側へと着地した。

 恫喝の言葉でも言おうとしたのだろうか。何かを言い掛けようとした襲撃者は、隠れたルイズの姿を見て即座に杖を向ける。
その上でもう一人の少女にも注意を払っている事から、相応の手練れであることが窺えた。

 ――――――襲撃者に待っていたのはチョップの洗礼であった。
鼻血を吹き出し、次いで蹴りを入れられて水平に飛ばされ、部屋の外まで転がり倒れ伏した。
手刀とヤクザキックを入れたのは、アーカードではなく、当然ルイズでもない。
無数の目と手足が生えた――――棺桶であった。

505 :ゼロのロリカード-27 :2009/03/10(火) 00:49:09 ID:???
 
「な・・・!!何それーーーーーッ!!」
ルイズは心底わけがわからない展開に声をあげる。
アーカードの所為で色々と破天荒なモノを見てきたルイズだったが、さすがにこればっかりは想定の範囲外であった。

 襲撃者の奇襲を上回る驚愕に、頭がついていかない。
暫くして、『ソウイウモノ』なんだと理解した時、アーカードと棺は揃って煙草を吹かしていた。
ルイズは落ち着いたところで、大きく嘆息をつき口を開く。
「・・・・・・一体何が起こってるの?」


「とりあえず、あやつに聞いてみるとしよう」
そう言うとアーカードは、失神している襲撃者のところまで歩いていく。
胸倉を掴むと、いきなり平手を浴びせた。
「おきろーおきろー」
極限まで手加減された往復ビンタは、少しずつ力を増して頬を叩き続ける。

 ルイズは後ろからその様子を覗き込み、これじゃ余計眠ってしまうんじゃないかと心の中で思う。
すると、走る音が聞こえてきた。その方向に目をやると、走ってくる女生徒と、それを追い掛けるメイジが見える。

 敵メイジはアーカードとルイズ、そして倒れた仲間を見やる。すぐさまただならぬ状況と判断し、呪文を唱えた。
「ふせろ」
アーカードの言葉に、ルイズは即応し身を屈める。
自分たちの脇を走り抜けようとする女生徒を、アーカードは足を突っかけ転ばせ、自分は仁王立ちしたまま風の魔法をその身に受けた。


 ルイズは目を鋭く襲撃者を睨み付けた。アーカードは魔法を喰らったので、即座に動けないだろう。
敵メイジが二発目を撃つ前に、覚悟を決めた。床を蹴って、敵との間合いを詰める。
左手に持った鞘から、居合いの要領でサーベルを抜き放ち、相手の手を杖ごと切り裂いた。

 敵メイジは一瞬驚いた表情を見せたが、怯むことなく残った左手でナイフを取り出し襲い掛かった。
迫りくる危険にルイズは、無意識に返す刀で敵の頭に白刃を走らせた。

506 :ゼロのロリカード-27 :2009/03/10(火) 00:51:09 ID:???
 
 三寸切り込めば人は死ぬ。
襲撃者も例に漏れず、その場に斃れた。

「あっ・・・・・・」
ルイズの口から息が漏れる。
緊張が解けて、早まった動悸が、伝う汗が、理解し難い昂揚感が、ルイズを支配していた。

「はあ・・・はッ・・はッ・・・・・・はあ・・・はッ・・はあ・・・・・・」
うつ伏せに倒れる襲撃者から、血が少しずつ広がる。
刃を鞘に戻すのも忘れ、ルイズはその光景を見つめ続けた。


「死んだの」
ルイズは一気に現実に引き戻される。
風の刃に三寸以上切られても死なない、人に非ざる使い魔の言葉。

「識域下できちんと反応し、対処できたようだな。んむ、日々の鍛錬がちゃんと血肉となっているようだ」
剣先に目を向ける。既に乾きつつある血の赤色が、鈍い輝きを放っていた。

「・・・・・・どうした?初めて人を殺した事に、ナーバスになっているのか?」
ルイズは何も言わず目を瞑り、血を拭き落とさず剣をそのまま鞘へとしまう。
アーカードの方へと振り向くと、頭を抱えて震えている女生徒が視界に入った。

 アーカードがその身で受けた魔法の余波が、当たらないようにと転ばされた女生徒は、一向に立ち直ろうとはしない。
「仕掛けなければ主か、そこの女が危なかった」
殺らなければ、殺られていた。そんなことは百も承知だ。

「・・・・・・わかってるわ。でも、あまり気分のいいものじゃない」
 

507 :ゼロのロリカード-27 :2009/03/10(火) 00:52:56 ID:???
「う・・・ん・・・・・・」
アーカードの後ろで呻き声が聞こえる。
気絶していた襲撃者が目を覚ましたところであった。

「なん・・・・・・ぐっ・・がッ・・・」
アーカードはすぐに男の首を掴み、顔を覗き込む。
「知っていることを全て話せ」

 男は目だけ動かして状況を確認する。倒れ死んでいるだろう仲間が目に入った。
「ッッ!!なっ・・・なんなんだ、クソ!・・ッ・・・言うわけねェだろうが」
アーカードは掴んだ手に、少しずつ力を込める。
「おまえに拒否権はない」
「うぐ・・・・・・お・・俺が言う義務はないね・・・」
アーカードに物怖じせず、男は悪態をつくように笑う。

「ふむ・・・・・・既に覚悟を決めている目だな、よく訓練されている。尤も、私が直々に拷問すれば、その覚悟は後悔へと変わるだろうがの。
 お前は全ての情報を吐き出した上で、殺してくれと懇願する。・・・・・・だが生憎と、そこまで悠長にしている時間はない。道具を準備するのも面倒だ」

 そう言うとアーカードは、グリッと頭を上に向かせ首を抑え付ける。
「洗いざらいしゃべってもらおう、おまえの命に」
そう言うと大きく口を開け、アーカードは首筋へとむしゃぶりつく。
「ご・・・ぼお゛・・が・・・・・・ご・・・お゛・・・・・・ごおがばッがッ・・ごッ・・・おあ゛」

 聞いたことのないような鈍い音、その光景にルイズは目を背ける。
いくらアーカードが化物・・・・・・吸血鬼とはいえ、見た目は人間と変わらない。
傍から見れば、人間が人間を咀嚼するのと変わりはないのだ。
その行為を正視することは、ルイズには憚られた。

 

508 :ゼロのロリカード-27 :2009/03/10(火) 00:54:10 ID:???
 男が絶命したところで、アーカードは咀嚼するのを中断した。
「敵は・・・・・・アルビオン側が雇った、全員がメイジの傭兵部隊。数は18人だな」
そう言うと、アーカードから伸びた影が襲撃者二人を飲み込み始める。
骨が軋み折れ、肉が散り潰される音と共に、血の跡すら残さず消えてしまった。

「これで残りは16人」
薄っすらと笑みを浮かべてアーカードは立ち上がる。

「なんでそんなのが侵入してるのよ!?」
「フリゲート艦でここまできたようだ。・・・・・・見知った顔が手引きしていた」
「見知った顔?」
「土くれだ」
「・・・・・・フーケが?」
「ここら一帯の地理に詳しいからだろうな。さらに一人風のメイジがいるようだが、もう既に艦は撤退してるようだ」

 ルイズは少し考える。20人弱というと、分隊どころかちょっと少ない小隊規模。
それも全員がメイジと言うと、これはもう戦だ。しかも寝入っている時間帯に奇襲を掛けられた。
戦争慣れしてない上に、秩序が保たれていたこの学院の敷地で、プロ相手に素人の生徒達じゃどうしようもない。


「・・・・・・目的は?」
「学院は数多くの貴族の子弟がいる。男どもは戦争に行ったとて、女生徒だけでもまだまだ数は多い。
 王都からも適度な距離で、ここを政治的カードとして抑えておくのは、非常に効果的ということだ」
 
「なるほどね。・・・・・・人質か、厄介ね」
ルイズは心底困った顔を浮かべる。それはアーカードも同様だった。
「そうだな、人質となると厄介極まりないな」

 ただの戦闘であるならば、大して危惧することはない。
なにせこっちには、命令すれば喜び勇んであっという間に敵を殲滅してくれる、無敵の使い魔がいる。
だが最悪建造物の破壊等はしょうがないとしても、人命の被害だけは無視することはできない。
 

509 :ゼロのロリカード-27 :2009/03/10(火) 00:55:34 ID:???
「銃士隊と先生達はどうしてるかしら」
「既に殺されているやもしれんな、生かしておく理由もあまりない」

 ルイズは黙り込む。
見知った者が死ぬかもしれないという状況。
突然襲い掛かってきた非日常。だがそれでも打開するしか選択肢はない。

「とりあえず、タバサと合流しよう」
「・・・・・・?なんでタバサ?」

 ルイズの問いに、アーカードは「愚問だな」と言った風に答える。
「まず間違いなく・・・この危機的状況に気付き、いち早く退避しているだろうからな。強い駒は多い方がいい」





「ジャンとルードウィヒ、遅いですね」
襲撃者の一人、ジェルマンが言った。
「二人は上の階だったな」

 『白炎』のメンヌヴィルは、怪訝な顔をして考える。
周りには既に60人強の女生徒達が、ロープに縛られた状況にあった。
「反撃にあってやられてたり・・・・・・なんて」
ジェルマンが冗談交じりに言った。

 女生徒達はまるで抵抗の素振りを見せず、自分達はあっという間に制圧できた。
仮に応戦してくる者がいたとして、精々一人や二人だろう。
それなのに二人が揃ってやられて戻ってこないというのは考えにくいが・・・・・・。
 

510 :ゼロのロリカード-27 :2009/03/10(火) 00:56:39 ID:???
「・・・・・・ん〜?」
メンヌヴィルは何かに気付く。
「今いる奴らだけ連れて食堂に行くぞ」
「へ・・・・・・?ジャンとルードウィヒは待たないんで??」

 メンヌヴィルは寮塔を見上げる。
「ジェルマン。戦場で生き残る為に、大事な事はなんだ?」
「はぁ・・・、自分の力量を把握すること、無謀な夢をみないこと、取り乱さず平静を保つこと――――列挙したらキリがありませんね」

 ジェルマンの言葉を首を振って否定し、メンヌヴィルは静かに答えた。
「幾多の死線を潜り抜ける歴戦の強者に共通するものはな・・・、類稀なる"危機感知能力"だ。
 根拠がなくても、肌で危険を感じ取ること。言葉では形容できない第六感。それが何よりも重要なんだ」

「はぁ・・・・・・?」
ジェルマンは気の抜けた声で返した。
「わかるんだよ、ヤバいと。俺の中の何かが警鐘を鳴らしているのさ」
「考えにくいですが・・・・・・。それじゃあ、どうするんですか?多分予定の半分くらいしかいないと思いますよ。
 残った連中も素人とはいえ、腐ってもメイジです。例え烏合の衆でも徒党を組まれたら、やはり何かと面倒なのでは?」

 メンヌヴィルは振り向き、恐怖で震えている女生徒達を眺める。
「問題ないだろう。これだけ人質がいる以上、余計な手出しはできまい。反抗するなら何人か見せしめに殺してやればいい。
 しかし・・・・・・退屈な仕事だと思っていたが、なかなかどうして楽しめそうだ・・・・・・ふふっ・・ははっはははッはははははははは!」

 メンヌヴィルは狂喜じみた笑い声をあげた。





 襲撃者の難を逃れて残った生徒達は一箇所に避難させ、戦う気概のある者達は一所に集まり様子を窺っていた。
 

511 :ゼロのロリカード-27 :2009/03/10(火) 00:57:43 ID:???
「食堂で篭城か・・・・・・ますます厄介だな。兵糧にも事欠くことはないし、広すぎず狭すぎず・・・魔法を使うにも都合がいい」
胡坐をかいたアーカードが、緊張感のない声で言う。
「どうするの?5分経ったら人質を1分ごとに一人殺すって言ってるし・・・・・・」
差し迫った状況に、ルイズが意見を求める。
「とりあえずは、女王陛下を呼ぶと伝えればよい」
「何を馬鹿なッ!!」
アーカードが淡々と発したその言葉に、思わずアニエスが叫ぶ。

「本当に呼ぶわけじゃ・・・・・・ない。時間を稼ぐ」
真意を読んだタバサが、言を付け足した。
「そうねぇ、なんにせよ時間が欲しいわ。ここは嘘でも呼ぶって伝えないと、誰かが犠牲になっちゃうし」
キュルケがさらにフォローする。アニエスは渋々納得した。

「まっ・・・・・・そういうことだ、とりあえず私は人質の位置を確認してこよう」
アーカードはスクと立ち上がり、音を殺して歩いていく。
時に情報は何よりも大事。相手の状況の把握の為に、壁抜けで偵察をしてくるのであった。


 アーカードの姿が見えなくなったところで、それまで黙って何かを考えていたコルベールが口を開く。 
「私は・・・・・・、女王陛下を呼ぶべきだと思う。彼らはプロだ、連中は殺す事など厭わない。生徒達が傷つけられることは決して――――」
「貴様はアルビオンの狗に屈しろと言うのかッ!?陛下の御身を危険に晒すなどッッ!!?」

「・・・・・・少し落ち着いて、アニエス。今のこの状況に焦るのもわかるし、責任感を感じてるのもわかるわ。
 でもいい策が思いつかない時は、姫さまや枢機卿に意見を求めるのも一つの手よ。正直言って、今の状況は私たちの手に余リ過ぎる。
 強硬手段に出て誰かが死んだら、それこそ深刻な・・・・・・いえ・・大問題になりかねない。自分の子供を見殺してまで、戦をしようとする親がいる?
 王家への忠誠にも大きく関わることよ。姫さまがどのような決断をなさるかはわからないけど、少なくとも私たちが勝手な判断をして動くことじゃない」
 

512 :ゼロのロリカード-27 :2009/03/10(火) 00:59:08 ID:???
 感情が高まっているアニエスを嗜めるように、ルイズが言う。
「くっ・・・・・・、確かにラ・ヴァリエール殿の言うことも尤もだ」
目を閉じて二度三度深呼吸し、アニエスは心を落ち着かせる。
感情的になっていては、妙案が思い浮かぶものも浮かばない。冷静に情報整理することが肝要だ。


 ルイズは考える。
いくら人質の位置と敵の配置がわかっても、人質を傷つけることなく全員を倒すなんて不可能に近い。
唯一、方法があるとすれば――――――自分の『虚無』だ。
(そう、エクスプロージョンで範囲指定すれば・・・・・・)
タルブの決戦で、人を傷つけることなく風石だけを消し飛ばしたようにすればいい。だが―――――。
(特定の人物だけを殺すなんて・・・・・・)

 ――――――自信がない。人質以外の傭兵達だけを消し飛ばすなんて。
訓練していれば別だ。だが魔法は全く以って練習していないのだ。きちんと詠唱して放つなどタルブ以来。
それで万が一人質に何かあったら、当然取り返しなどつかない。魔力がどの程度溜まっているかも定かではない。
後のアルビオン侵攻作戦にあたって、『虚無』も戦略のカードとして組み込まれている。
それを勝手に切ってしまえば、成功したところで・・・・・・以後の任務に支障をきたす可能性も有る。



「いい作戦があるわ」
既に内容を知っているタバサ以外の視線がキュルケに集まる。
「聞こう」
「単に不意を突こうにも、向こうは確実に警戒している。なにより人質が危険よね?」
「そうね、こっちは誰一人として人質を傷つけられちゃいけない。でも向こうは人質が一人になるまで、他を犠牲にすることができる」
 

513 :ゼロのロリカード-27 :2009/03/10(火) 01:00:28 ID:???
 キュルケは自信を孕んだ笑みを浮かべ、何かを取り出した。
「なにこれ、紙・・・?」
「これにはね、黄燐が入ってるわ。紙風船にして飛ばしてあとは発火させるだけ。爆発して光と音と煙を放つ。
 まぁ人質には、これくらい我慢してもらわないとね。それで、光と音で奴さんらは怯んで、煙が食堂の視界を閉ざす。
 正常な視力を失い、煙も相まってまともな視界を確保する事は不可能。同士討ちの危険性を考えれば、おいそれと魔法も使えなくなる筈よ。
 まっ、それ以前に冷静な判断力を取り戻す前に制圧するつもりだけど。私達は煙の所為でちょっと見えづらいって程度だしね」

「悪くない、いや・・・面白い」
「う〜ん・・・・・・」
「危険だ!相手はプロなのだ、その手の小細工には慣れている」
アニエス、ルイズ、コルベールと、三者三様のリアクションが返ってくる。

「逃げ腰で、自分は碌な提案もせず、ただ否定的な意見しか言わない人は少し黙っていてくださる?」
キュルケが軽蔑の眼差しで、教師と生徒という立場を無視して、言い放った。
「その通りだ、こちらの士気まで下がる。やる気がないなら他の生徒達と共にいればよかろう」

「いや、私は・・・・・・」
コルベールが何かを言い掛けたところで、ルイズが口を開く。
「とりあえず、アーカードを待ちましょう。あれで奇襲の計略は誰よりも詳しいし、荒事にも慣れてるわ」
「賛成」
タバサもそれに同意し、アーカードを待つことになった。

514 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/03/10(火) 01:03:55 ID:???
以上です。
中途半端な終わり方ですが、文量と登校の関係上4分割しました。
残りの3つもほぼ書き終わってるので、近いうちに投下します。


後、まとめをしてくれている方いつもありがとうございます。
それでは、また。

515 :マロン名無しさん:2009/03/10(火) 09:07:03 ID:???
>>514
GJ!
人質救出ネタって、エンタテインメントの一つの究極系だと思ってる。
逆転劇的な要素とか。

516 :マロン名無しさん:2009/03/10(火) 09:59:12 ID:???
実に乙

517 :マロン名無しさん:2009/03/10(火) 15:39:47 ID:???
ブラボー、おおブラボー

518 :マロン名無しさん:2009/03/10(火) 18:44:33 ID:???
乙!
アーカードが本気を出せば人質を当てずにカスールを16発連射するだけで全てが終わりそうです。

人外の化物が危なげなく犯人のみの射殺が可能だと人質救出ネタが成立しないような気がする。
アーカードが茶目っ気を出して主殿達のお手並み拝見と高みの見物を決め込むのもありかも。

519 :マロン名無しさん:2009/03/10(火) 19:05:42 ID:Sj7y29fm
いやー待ってたかいあった!!!次回も楽しみにしてます

520 :マロン名無しさん:2009/03/10(火) 21:03:28 ID:???
やっぱり旦那には闘争の空気が良く似合う。

521 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/03/10(火) 21:44:14 ID:???
>>518
そうなんですよね。
それについてのフォローは、丁度今回投下する分に含まれてます。

ジャッカルはフーケ戦で、カスール改造銃はタルブ戦で、それぞれ銃弾切れてます。
一応そこら辺も大分前の投下当時にちゃんと書いてあります。
ただでさえインターバル空いてるので、忘れててもしょうがないです。ホントすいません。

ロリカード標準装備のトンプソンは、100万発入りのコスモガンです。多分弾切れは起こしません。


では、投下します。

522 :ゼロのロリカード-28:2009/03/10(火) 21:46:08 ID:???
 アンリエッタの到着に、痺れを切らせた敵がコンタクトを取ってきたところで作戦スタート。
十中八九人質に危害を加える旨を言ってくるだろうから、無手のアーカードが身代わりとして敵陣へと赴く。
敵首魁にエロ光線で以て魅了をかけ、とりあえず撤退の指示を出させる。万が一それで終われば無事解決。
と言っても素直に従う可能性はまずない。他の連中の反抗の意思が見えたところで、首魁に人質の縄をはずさせる。

 同時に機を窺っていたタバサが、準備しておいた紙風船スタングレネードを風で食堂まで送る。
アーカードが浮遊してきた紙風船に注目するよう仕向け、敵の視線が集中したところでキュルケが紙風船を発火させ爆発。
然る後、一斉に突入を敢行する。

 人質の救出を最優先事項とし、爆発で壁を破壊できるルイズと、デルフリンガーで魔法を吸収できるアーカードがその役を担う。
予め人質がいる付近の壁向こうに待機したルイズは、紙風船の爆発と同時に壁を爆破し援護の4人の銃士隊と共に突入。
デルフリンガーをアーカードに投げ渡した後、可及的速やかに周囲の敵を排除して、すぐに人質を誘導し食堂から退避させる。

 アニエス以下残った銃士隊はそれぞれ窓から突入し、敵が人質側に注意がいかないよう近くの敵と交戦、これを撃滅。
キュルケ、タバサ、コルベールのメイジ組は正面から突入し、銃士隊を援護しつつ転戦。


「最終確認は以上だ。・・・・・・アニエス」
アーカードはこの場の責任者であるアニエスを見た。
「それでは各自準備を。私は隊員達に説明してくる」
そう言ってアニエスは立ち上がり、隊員達を召集し始めた。
キュルケとタバサは、コルベールと共に研究室へ紙風船の準備と錬金をしに行く。

「成功・・・・・・するの?」
「させなくちゃならんだろう喃」
アーカードはデルフリンガーをルイズに手渡す。

「大事に扱ってくれよ」
デルフリンガーはそう言ってルイズに背負われる。
「重いわね」
アーカードは片手で楽々と扱ってはいるが、やはり大剣だけあって重い。
「自分で持てないの?」

523 :ゼロのロリカード-28:2009/03/10(火) 21:48:13 ID:???
 
 アーカードは自身の中に色々としまっておける。
自分の剣も収納してあるし、デルフリンガーも例外ではないはずだ。

「一度だけ入れた事があるのだが・・・・・・」
「なんか気持ち悪いんだもん」
デルフリンガーは答える。アーカードは「やれやれ」と言った風に言う。
「と、言うわけだ。意思を持つ武器は、文句垂れて不便なことだ」
「気持ち・・・・・・悪いんだ・・?」

 ルイズが恐る恐る聞く。
「あ〜・・・、言葉にできない気持ち悪さだった。あれじゃ眠ることもできやしねェ」
「私の中には無数の命がいるからの。思考などは拘束しているが、歴として存在している」
そう言うとアーカードはその場に座り込む。ルイズも立っていては疲れるので座ることにした。
 
「とりあえず、納得したわ」
「銃が使えれば楽なんだがの。カスール銃であれば敵を完全に貫くから跳弾の危険はなく、精密射撃も容易。
 一瞬で人質側の6人を殺し、ただ一度のリロードで残りの6人も殲滅して終了。
 しかし生憎と弾切れ。一応トミーガンもあるが、あれは短機関銃。弾幕を張って点じゃなく面で攻撃するものだ。
 射程も短く精密射撃には向かん。跳弾の危険もあるしの。現状じゃ地道にいくしかない。
 尤もこの作戦ならば、よっぽどのイレギュラーが無い限りは、スムーズに終わると私は踏んでいる。
 まっこれもいい機会だ、来るべき戦に備えて慣れておくがいい。経験は積んでおいて損はないからの」


 アーカードはそう言うも、ルイズは一抹の不安を拭い切れなかった。
根拠はないけれど・・・・・・何かが起きそうな、そんな予感。言い知れぬ不安。
目前に迫る緊張の所為で、神経過敏になっているだけかもしれない。ただの杞憂かもしれない。

 アーカードはふんぞり返って空を眺めている。浮かぶ双月を見つめているようだった。
相変わらず超然としていて、非常にマイペースだ。こういう図太さも見習わないといけないかもしれない。
 

524 :ゼロのロリカード-28:2009/03/10(火) 21:50:43 ID:???
(うん、一人一人が・・・・・・きちんとやるべき事を為せば作戦は成功する。何を恐れることがあるのルイズ)
ルイズは深呼吸をして自分のするべき事を反芻し、ゆっくりと心を落ち着け拳を握り締めた。





「・・・・・・なんだ?貴様」
突然正面の扉から入ってきた人物に、メンヌヴィルは問うた。
「あの・・・・・・貴族の方々を殺すのであれば、私が身代わりになります」

 両手を頭より高く上げ、敵意が無いことを示し、死の恐怖を飲み込み、ひた隠して耐える少女。
それ以外には見えない。誰がどう見てもただの少女だ。おそらくはただの平民。
それでもメンヌヴィルは、何故か引っ掛かかりを感じた。

(体温が・・・・・・低いな)
今まで多種多様な人間を焼いてきたが、ここまで体温が低いのも珍しい。
殺される人間は総じて動悸が激しくなる。興奮して若干体温が上がるのが普通だ。
血の気が引く者もいるが、それにしても少女は、寒空の下で一晩過ごしたのかというほど体温が低い。

 だがさほど気にするほどでもない。少女一人に何ができる筈もない。
無様に喚く人間を焼くのも楽しいが、覚悟して死のうとしている人間を焼くのも代え難いものである。
最初から死に恐怖し、命乞いをする者の反応は皆、似たり寄ったり。
 
 しかし一見して覚悟をしている風を見せる者は、炎に包まれた時のリアクションが様々だ。
焼いた瞬間に一転して泣き、叫び、転げまわる者。
それでもひたすら耐え抜く者。
一矢報いようと飛び掛かる者。本当に様々だ。

「殊勝だな、その心がけに応えてやる。貴様をかわりに焼いてやろう」
 

525 :ゼロのロリカード-28:2009/03/10(火) 21:52:14 ID:???

 
 アーカードは首魁の男の目を見て気付いた。
(むっ・・・こやつ、まさか盲目か?)
他のどの感覚器官で代替しているのかは知らないが、目と目を合わせないとエロ光線は通じない。
(初っ端からイレギュラーとは、幸先が悪い)

 仕方なしに、アーカードは視線をずらす。狙いは近くにいるもう一人の男。
一瞬だけ目を見開き魅了をかける。男は正気を失い、空ろな瞳で人質の方に歩いていった。

「ジェルマン?」
首魁の男の言葉を無視し、ジェルマンと呼ばれた男は歩を進める。
アーカードは手は動かさず、指だけで合図を出す。窓から目を凝らしていたアニエスが、さらにタバサへと合図を送った。

(代替器官は、耳の可能性が高いか。視力がなくても、音で耳を麻痺させることはができるだろうが・・・・・・)
視力のない者が聴力に優れているというのは、ある種のテンプレート、お約束である。
さらに言えば、視力の代わりとなれるのも実際には耳くらいなもの。
先天的にせよ後天的にせよ、傭兵をやってるからには、聴力が異常に発達していると考えられる。

(・・・・・・念には念を。人質の所まで行く前に、一撃入れておいた方がいいか)
サクッと蹴り殺して人質周りの敵を殲滅するくらいなら、大したタイムロスにもならない。



「おいッ!!」
涎を垂らして歩いていくジェルマンに向かって、メンヌヴィルが一際大きく叫んだ。
激情の籠もったその声も、もはやジェルマンの耳には入らない。
リーダーである自分の言葉を無視することに、メンヌヴィルの顔が怒りと疑念で大きく歪んだ。
人質達とある程度の距離まで近づいたところで、ジェルマンは杖を掲げた。

「あれはなんだーーーーーっ!!」
アーカードは飛んできた紙風船の方へと指を差し、やや棒読み気味で叫んだ。

526 :ゼロのロリカード-28:2009/03/10(火) 21:54:25 ID:???
 
 ジェルマンの詠唱と――――、他の敵が紙風船を注視するのと――――、そして敵首魁メンヌヴィルが詠唱を始めるのは――――同時。
次に、紙風船が爆発するのと――――、メンヌヴィルが炎を放つのと――――、ジェルマンが魔法を使う瞬間に燃やされたのが――――同時であった。

 大きな光と音が瞬時に広がり、衝撃と煙が瞬く間に食堂全体を包み込む。

(う〜ん・・・・・・眩しい)
刹那の閃光はまさに、燦燦と照りつける太陽のようであった。しかしアーカードにとっては大したことでもない。
耳をつんざく爆発音も、濛々と立ち込める煙もアーカードの障害になることはない。

 重力に囚われないかのような軽い跳躍。そのままアーカードは、メンヌヴィルに蹴りを叩き込む。
小気味よい音と共に頭が吹き飛び、残された体から赤い噴水のように血が吹き出る――――――。

 ――――――筈であった。
「むっ・・・!?」
気付けば自分の体が炎に包まれていた。
鋼鉄すら溶かし尽くす、高温の白炎がアーカードを焼いていた。


 大きな光、そして音。それらを受けた人間の取る行動は一つしかない。
身体を丸める。反射的に、身を守る為に、老若男女これ本能である。
しかしメンヌヴィルは立っていた。
閃光と爆音に動じず、何事もなく魔法を詠唱し、煙もものともせずアーカードの不意討ちに対処した。

 アーカードは心の中で毒づく。次に取った行動は"無視"。
身を翻して炎を吹き飛ばし、崩れかかった足で一気に床を蹴り込んだ。
主ルイズからの命令は人質の救出。それを最優先することだ。距離があいて既に後方にいる男は実力者。
烈風カリンほどではないにせよ、ワルドくらいには強そうだ。
手早く拘束制御術式を開放して殺すにせよ、やはり幾許かの時間が掛かる。今はそんな時間すら惜しい。

 

527 :ゼロのロリカード-28:2009/03/10(火) 21:58:38 ID:???
 跳躍と同時に体が急速に再生していく。向かう先から爆発音が聞こえ、次に窓を割る音が聞こえた。
ルイズ達が突入してきたのだろう。次いで放物線を描き、投げ込まれるデルフリンガーが見えた。
その落下点へと向かい、これを回転しながら掴み取りそのまま反転、追撃で飛んできた火球を吸収した。

(ん〜む・・・・・・タバサ達は大丈夫だろうか)
敵首魁はさらに詠唱をして、次々に火球を放っていた。
その飛んで行く方向から察するに、いずれも味方の突入位置である。
(いずれにせよ・・・・・・援護は人質の安全を確保してからだな。是非とも闘いたいが・・・・・・今は私の領分ではない)


 踵を返して、人質周囲の敵の殲滅行動へと入る。
体を丸め狼狽し、声を上げている敵を真横に切り捨てる。

 次に人質を跨ぐように跳躍し、自分の剣を取り出し最も遠い敵へと投擲した。
敵は衝撃で壁までぶっ飛び、串刺しにされ絶命する。

最後にパカンッという音の直後にアーカードは着地し、顎が吹き飛んだ男がそのまま倒れた。



 アーカードの蹴りで、男の顎を吹き飛ぶ。
ルイズが敵と交戦しようとした瞬間、その標的が丁度目の前でアーカードに殺されたのであった。
アーカードはルイズを一瞥すると、一度だけ頷く。「他の敵は任せろ」ということだろう。
ルイズはすぐに詠唱し、人質達のロープをはずす。
虚無に目覚めてからというもの、コモンマジックならば問題なく扱えるようになっていた。
人質周囲の敵がいなくなったところで、銃士隊員がパニックに陥る人質達を宥める。

 目を瞑っていて光の直視を免れた生徒達は、視力が回復した者から我先にと壁に空けられた穴から出て行く。
銃士隊に誘導され、動けない生徒は抱えられ運ばれて行く。と、そこでルイズは見知った顔を見つけた。
 

528 :マロン名無しさん:2009/03/10(火) 21:59:23 ID:???
いいよいいよー


529 :ゼロのロリカード-28:2009/03/10(火) 21:59:52 ID:???
「モンモランシー?」
「ぅぅ・・・・・・ぇ・・ルイズ・・・?」
顔を上げたのはモンモランシーであった。薄っすらと目を開けてこちらを確かめるように見つめている。

「え・・・・・・なんで・・?」
「助けにきたのよ。ほら、さっさと立ちなさい」
手をさし伸ばすと、モンモランシーは恐る恐る手を取り立ち上がった。
いまいち状況が把握しきれず、キョロキョロしているモンモランシーの顔を向かせる。
「モンモランシー、あなたはすぐに杖を取ってきて。あとできれば、他に回復魔法が使える人も集めてきて」
「あ、うん。・・・・・・わかったわ」


 突入した直後に、赤い軌跡がいくつか見えた。あの光と音をものともせず、炎球かなにかを放った者がいるとは信じ難い。
がしかし、次いで聞こえた破裂音と銃士隊員達の声。その何者かがいるのは、ほぼ間違いない。
嫌な予感が当たってしまった。銃士隊員の治療の為にも、水メイジはできるだけ欲しい。

(状況は予定とかなり違ってきてる。最優先事項である人質の救出が、今のとこ順調に進んでいるのだけが救いだけど・・・・・・)
最悪死亡者が出る可能性も有る。
(キュルケ・・・・・・、タバサ・・・・・・、アニエス・・・・・・)
他の皆の無事を祈り、ルイズはグッと唇を噛んだ。

530 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/03/10(火) 22:03:12 ID:???
以上です。支援どうもでした。
また、まとめてくれている方もありがとうございます。


投下したあとで気付きましたが、
>>527
>アーカードの蹴りで、男の顎を吹き飛ぶ。

顎「を」じゃなくて、顎「が」が正しいです。すいません。

ではまた。

531 :マロン名無しさん:2009/03/10(火) 22:24:39 ID:???
ヒャッハー! 続編だぁ!
とっても乙です

532 :マロン名無しさん:2009/03/11(水) 00:19:50 ID:???
乙!
カスールの弾があったらメンヌヴィルもその他大勢の雑魚になっていたのですね。

533 :マロン名無しさん:2009/03/11(水) 01:00:41 ID:???
乙です。
モンモランシーに「お嬢ちゃん、処女か?」な展開をちょっと期待したのは多分俺だけではないはずw

534 :マロン名無しさん:2009/03/11(水) 13:05:22 ID:???
ゼロリカの人乙!

535 :マロン名無しさん:2009/03/11(水) 20:19:36 ID:???
何気にちょこちょこ1up稼いでるのにはワロタ

536 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/03/11(水) 23:52:28 ID:???
どうも、投下します。

537 :ゼロのロリカード-29:2009/03/11(水) 23:54:03 ID:???
「ッッ・・・・・・はぁ・・・はァ・・っ!!」
アニエスは大きく酸素を取り込み、吐き出す。煙が肺に入り何度か咳き込むもそれを繰り返した。
(運が良かった・・・・・・ただそれだけだ)
突入した直後に飛んできた炎球。しかし自分に怪我はない。

 たまたま飛んでくるのが一番最後だったこと、突入したすぐ近くに敵メイジがいたこと、それが幸いした。
自分より先にやられたであろう仲間達の叫ぶ声と、複数聞こえた火薬の破裂音があったからこそすぐに違和感に気付けた。
だからこそ体が反応した。

(もしも最初に火球が飛んできていたら・・・・・・?もしも近くに敵がいなくて、咄嗟に盾にできなかったら・・・・・・?)
今のアニエスには目前で炎上する襲撃者すら、その視界には入っていない。
ただ目を見開いて大きく呼吸をし続ける。

「クソッ・・・・・・!!!」
アニエスは毒づく。心の中で言ったつもりだったが、口に出ていた。
油断していた。隙があった。心のどこかに甘えがあった。楽観視していた自分に腹が立つ。
思い切り唇を噛む。血が滴り落ち、口内に鉄の味が広がった。
心を落ち着け、瞬時に自戒し、頭を切り替える。

 剣を抜いて上段に構え、間髪入れず目の前の炎に包まれた敵を一閃する。
袈裟切りにされ絶命した敵は糸の切れた人形のように崩れ落ちた。
アニエスは剣を一度だけ振って血を払い、煙に包まれた周囲を目を凝らし見回した。


 正面扉の方から声が聞こえた。そちらの方に意識を向ける。
「コルベールッ!そうだろう!?あぁ・・・・・・間違いない、オレが捜し求めていた温度。20年待ち焦がれた温度だ!!」
ややドスのきいた声の男が、感極まった風で喋っていた。コルベールの声でないことは明らかである。
となれば襲撃者、位置から見ても十中八九炎球を放った奴の声であろう。
 

538 :ゼロのロリカード-29:2009/03/11(水) 23:55:36 ID:???
「私だ覚えているかッ!?メンヌヴィルだよ!懐かしい、この日をどれほど待ったことか!!」
「副長・・・・・・」
アニエスは息を殺し近付いていく。
「そうか、教師をやっていたのか・・・・・・。通りで会えなかった筈だ!はっははははは!!今日は人生最良の日だ!」

(顔見知り・・・・・・か?)
ゆっくりと静かに、敵の背後へと回り込む。煙でよく見えないが、恐らくコルベールがその先にいるのだろう。
「・・・・・・なァ『炎蛇』よ、20年前のダングルテールから力は衰えていないだろうな?それだけが心配だ」
剣を構え不意討ちを加えようとした、アニエスの動きが、思考が、止まる。

(なん・・・・・・だと・・・?)
瞳孔が開く。柄を握る手に力が入る。
「私の炎はあの頃とは違う。今の私ならばあの時の隊長殿のように、人を、村を、全てを焼き尽くせる!!!」


 アニエスの頭の中でぐるぐると単語が回る。
つまり――――――自分の故郷を焼いたのは、コルベール・・・・・・ということか?

 煙が少しずつ薄くなり、コルベールのシルエットが浮かび上がる。
自分が探し続けた仇敵こそが――――――コルベールだと言うのか。
激情が頭の中を渦巻き、憎悪が体を支配する。
しかしアニエスの頭は冷静だった、その上で静かな殺意が心を満たしていた。

(・・・・・・今は、敵を殺すことが先決)
先の言葉から察するに、虐殺の殆どを行ったのは・・・・・・隊長であるコルベール。
故郷を焼き滅ぼした張本人たるコルベールを、真っ先に殺してやりたい。

 だが今の自分のすべきは、一刻も早くこの事態を収拾すること。アンリエッタ女王陛下の為に忠節を尽くすこと。
女王陛下の手を煩わせることはあってはならない。アルビオン侵攻にも影響を与えかねない、逼迫したこの状況の打破が優先される。
なによりも今の自分があるのは陛下のおかげであり、機会を与えてくださったのも陛下なのだ。
――――――私情は挟まない。それに・・・・・・一応本人に、確認もしなくてはならない。
 

539 :ゼロのロリカード-29:2009/03/11(水) 23:57:24 ID:???
(復讐は・・・・・・二の次)

 アニエスは反芻した。感情を押し殺し、眼光を鋭くさせる。
それに・・・・・・メンヌヴィルという敵の名に、覚えがある。王立資料庫の名簿に、羅列された名前を思い出す。
ダングルテールの虐殺に関わった、実験小隊の・・・・・・副長の名だ。例外なく己が殺すべき相手だ。

 確実に仕留める。
銃では命中率に欠けるし、一撃で致命傷にならなければ、メイジが魔法を唱えるのに、支障をきたすほどのダメージにはならない。
なにより相手は炎の使い手。火薬が爆発しては困るので銃を静かに置き、剣を握り直し音もなく構える。
僥倖だ。メンヌヴィルを殺し、コルベールを殺す。憎しみを生きがいに、憎悪を糧に今まで生きてきた。
こんな状況にも拘らず笑みが浮かぶ。すぐに気付いて口をつぐむ、いつでも飛び出せるよう体勢を取った。



「さて、もはや語るべき事はない。コルベール・・・・・・お前を燃やし尽くし、私の炎が超えたことを証明しよう」
今が好機とアニエスは駆け出した。メンヌヴィルが攻撃に転じようとする、詠唱を始めたその僅かな隙を突く。
背後からの不意討ち。造作もなく敵は死んで終わりだ。

 渾身の力、これ以上ない速度で繰り出された刺突は――――――空を切った。
背を向けたままのメンヌヴィルが避けたのである。
「疾ッ!」
アニエスは勢いがついた体のまま右手で突き出した剣を、メンヌヴィルが避けた方向へと真横に振る。
しかし白刃に手応えはなく、逆に衝撃が身体を走った。

 メンヌヴィルはただ避けたわけではない。そのまま回転して振り向きざまに、右手に持った杖でアニエスを打ったのである。
筋骨隆々のメンヌヴィルの杖は、アニエスの横腹を強く打ち、体を浮かせるほどの威力であった。
「ッグ・・・がっ・・・・・・はァッ!」
「アニエス君!!」
受身を取るも勢いは殺せず、コルベールの足元まで転がる。
止まったところですぐに体勢を立て直し、メンヌヴィルを睨み付けた。

 

540 :ゼロのロリカード-29:2009/03/11(水) 23:58:53 ID:???
(ちっ・・・・・・肋骨が何本かイッたな)
ダメージを確認し、次の一手を考える。
体勢を立て直す前に、座り込んでいるキュルケと倒れているタバサを確認した。恐らく戦力にはなるまい。

 さっきの会話で温度がどうとか言っていたが、それで人の動きを判別しているというのか。
だが、それならば辻褄があう。光と音にものともせず突入してきた者達に、正確に攻撃を加えられたのも納得がいく。
「邪魔なネズミだ」
一触即発の空気が流れる。コルベールのそれは、自分が知る弱腰な教師のそれではない。
一人のメイジとして、強力な炎の使い手としてのそれであった。

 メンヌヴィルは自分に杖を叩き込む時には、既に詠唱を完成させていた。
しかし、自分を魔法で攻撃はしなかった。そこで放ってしまっては、コルベールの魔法から一瞬遅れると判断したからである。

「アニエス君、すまないが離れていてくれ。ミス・ツェルプストーとミス・タバサを連れて――――」
「貴様が・・・・・・我が故郷、ダングルテールを焼いたのか」

 互いに視線は合わせない。コルベールの顔には驚きが浮かんでいた。メンヌヴィルもその言葉に興味を示す。
「・・・・・・そうか、君はあの時の・・・・・・。・・・・・・そうだ、私が村人達全員をこの手で殺した」
あっさりコルベールは認める。アニエスは今すぐ剣で叩き斬ってやりたかったが、それを必死に抑え込む。
「ん〜〜〜・・・・・・?あの村に生き残りがいたのかあ?そいつァ驚きだ」
メンヌヴィルは左手を顎にそえながら言った。

 メンヌヴィルにとっては、任務は二の次である。
念願叶って、誰よりも愛しい相手に逢えたのだ。その男と炎を撃ち合い、焼くことができるのだ。
逃走する人質は後でまた捕まえればいい。あれだけの人数を、短時間で、学院外逃がす方法など存在しない。
命の恐怖に脅え、強烈な光と音で駄目押しされた、烏合の衆でしかないメイジ達。
その全員が、杖を自室から持ち出しフライで逃走することも不可能。この場にいる反抗者を全員殺してからでも十二分に間に合う。

 一つ気がかりなのが、さっきの黒髪の少女だ。燃やした筈なのに生きていた。焼いた筈なのに、動いていた。
寮塔で感じた感覚は、あの少女なのか。人間ではないのか。だがもう、どうでもいい。今は何よりもコルベールだ。 

541 :ゼロのロリカード-29:2009/03/12(木) 00:01:34 ID:???
 


「・・・・・・コルベール。後で貴様も殺す、だがまずは奴からだ」
「えぇ、貴方にはその権利があります。報いは甘んじて受けるつもりです。ですが今は二人を連れて離れていて欲しいのです」
「奴も私が殺すべき敵だ、指図をするな」

「銃士風情がオレを殺す?くくっははは!面白い冗談だ。・・・・・・それに困るなァ、隊長殿はオレが焼くんだ」
メンヌヴィルの口が大きく歪み、杖を振り呪文を開放する。
杖の先から膨れ上がる炎が、コルベールとアニエスの眼前を覆う。

 圧倒的な炎にアニエスは瞬時に覚悟を決めた。
人の身では決して耐えられない、骨をも焼き尽くす炎。
だがアニエスはそれすらも耐えようという気概で、左腕で顔の前を覆う。
炎はさらに燃え上がったと思うと、一瞬で掻き消えた。高温が大気を伝わり、肌を微かに焼いた。
コルベールの放った炎がメンヌヴィルの炎を相殺したのである。

 次の瞬間アニエスは走った。
魔法を使った直後こそ、メイジにとって最大の隙。正面からの白兵戦で負けるつもりは毛頭ない。
(詠唱が終わる前に、飛び込むッ・・・・・・!!)
しかしすぐにアニエスの動きが止まる。
(ぐがっ・・・・・・折れた肋骨か・・・!?しまっ・・・・・・)
内臓に何かが突き刺さるような痛みに悶える、無様に膝をつく事だけは気力で拒んだ。
だがメンヌヴィルがそれを見逃す筈もなく、視界が炎に染まる。
肉の焦げる匂いが鼻につき、アニエスは目の前にあったチャンスを不意にしたこと、自分の力不足を後悔した。


 気付けばアニエスは誰かの背にいた。僧服が焼かれ、首筋に見える引き攣れた火傷の痕。
「コルベール・・・・・・!?」
記憶が呼び起こされる。忘れもしないあの日。全てを失ったあの日。誰かに背負われ唯一人助かったあの日の記憶。
つまり、自分はコルベールによって故郷を焼かれ、コルベールによって助けられたということだ。
「・・・・・・何故だ!」

542 :ゼロのロリカード-29:2009/03/12(木) 00:03:03 ID:???
 
 コルベールは両膝をつき、片手をついた。メンヌヴィルが放った2発の火球。
後ろのいるキュルケ達を守る為に一つを魔法で消し飛ばし、アニエスに向かったもう一つは身を挺して防いだのだ。

「何故だ・・・・・・?何故私を助けた!?20年前も・・・今も・・・・・・ッ!!」
「早く・・・・・・二人を連れ・・て・・・逃げるんだ・・・・・・」
コルベールは必死に声を絞り出す。誰も死なせない為に。
三人が逃げる時間を稼ぐ。人質の退避まで粘れば、後はアーカードがなんとかしてくれる筈だ。


「ははっはははははッ!!!いい香りだ、最高の匂いだ!!なあ?!」
メンヌヴィルは狂喜し、誰にともなく同意を求める。無論それに答える者は誰もいない。
アニエスは肩を、腕を、拳を、震わせていた。やりきれない思いが、心を蹂躙していた。

「弱くなったなあ、ええ?隊長殿。欲を言えばお前と焼き合いたかったのだが・・・・・・まあいい」
「アニエス君・・・・・・!!」
コルベールの言葉に聞く耳を持たず、癇癪をおこして泣く子供のような声でアニエスは叫ぶ。
「なんなんだ、貴様は!!私の故郷を焼いた分際で、私を・・・私を二度も助けて・・・・・・!!」
「すまない・・・・・・」
コルベールはゆっくりと顔を向け、それだけを言って倒れた。

 メンヌヴィルは遠目から検分するように、コルベールを見えない眼で眺める。
「ふう〜んむ・・・・・・死んだか」
つまらなそうに、吐き捨てるようにメンヌヴィルは呟く。


「ふっ・・・・・・ふふ・・・ははっ・・ははは、はっはっはっはは!あっははははっははははははは!!」
斃れたコルベールを見つめていたアニエスは、突然顔を下に向けたまま笑い出す。
メンヌヴィルに倣うかのように、気が狂れたように哄笑した。
「・・・・・・?なにがおかしい」
メンヌヴィルは怪訝な顔を浮かべ、アニエスは痛む体を剣で支え顔をあげた。
 

543 :ゼロのロリカード-29:2009/03/12(木) 00:04:24 ID:???
「これが笑わずにいられるか。村を、家族を、住む人々を焼き尽くした男に、私は助けられ・・・・・・生き延びた。
 そしてたった今、その殺すべき相手に命を賭してまた救われて・・・・・・私は最も復讐したかった敵を失ったのだ」

 アニエスは笑いながら剣を引き摺り、ゆっくりと歩を進める。
「とんだ道化だ。傑作だよ、本当に・・・・・・。ふふっ・・・・・・私の復讐もこれで終わりだ」
残った力を振り絞り、アニエスは地を蹴った。
喉まで出かかった血を無理やり飲み込み、それでも唇から一筋の赤い線が垂れる。
「フンッ」
メンヌヴィルはあしらうように、詠唱し炎球を放った。


 しかしそれが距離を詰めるアニエスに届くことはなかった。
コルベールの杖から躍り出た炎の蛇が、炎球を喰い尽くしたのだった。
炎蛇はそのままメンヌヴィルへと絡みつき、その身を焼いた。
「なっ・・・・・・!!?」
メンヌヴィルの顔が驚愕に染まる。長年の経験から死んでいると判断した。
耳が完全に回復し切っていない為、多少の判断の誤差はあれ、少なくとも魔法を使える状態ではなかったのは間違いない。
一体コルベールの何がそこまでさせたのか、メンヌヴィルには理解出来なかった。


「三度目・・・・・・か」
アニエスは苦笑する。剣が肉を貫いた感触が手へと伝わる。
メンヌヴィルを燃やす炎が、同様にアニエスの肌を焼いた。
「がっ・・・・・・は・・・・・・」
メンヌヴィルの口から血が漏れた。
アニエスは後ろを、コルベールを見る。キュルケがその傍に寄り添い叫んでいた。

「ふ・・・・・・ふはははっはははははは!!これだ!オレの炎で焼かれたコルベールの匂い、コルベールの炎で焼かれるこのオレの肉の匂い!
 これだ!これだったんだ!ははっははは!これこそがオレの求めていたものだ!!心地いい・・・・・・最高の気分だ、これならば――――――」

 アニエスは薄れゆく意識を強引に保ち、メンヌヴィルの口上を無視して最後の力を込める。
斬り上げられた刃は心臓まで達し、メンヌヴィルは大の字に倒れ絶命した。

544 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/03/12(木) 00:07:25 ID:???
以上です。
まとめの方ありがとうございます。

次の投下で炎の贖罪編終わりです。
長々と失礼します。最後までお付き合いいただければ幸いです。

ではまた。

545 :マロン名無しさん:2009/03/12(木) 00:56:04 ID:???
やっぱりロリカード面白いっす

546 :マロン名無しさん:2009/03/12(木) 14:21:57 ID:???
連日更新乙!


547 :マロン名無しさん:2009/03/12(木) 18:37:51 ID:???
乙!
メンヌヴィルは豚の様な悲鳴を上げませんでしたが、これはこれで良いです。

548 :マロン名無しさん:2009/03/12(木) 22:22:41 ID:vh7ls7bk
書きためてあったのですか!!待ってたかいがあるなぁ

549 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/03/13(金) 00:43:52 ID:???
どうも、連続投下もこれで最後です。
それとまとめの方、ありがとうございます。
また、レスも非常に励みになります。

それでは投下します。

550 :ゼロのロリカード-30:2009/03/13(金) 00:45:43 ID:???
 メンヌヴィルを殺すのに力を使い切ったアニエスは、その場にドッと倒れ込む。
そのまま眠ろうかと思った時、自分の名前が呼ばれた気がしてアニエスは閉じかけた瞼を開けた。
「よう、アニエス」
黒髪の少女が、紅い瞳で己を見下ろしていた。

「処女か?」
目の前の少女の口から突然飛び出した質問に、アニエスは眉を顰めて疑問の目を投げかける。
まるで意味がわからない。
「処女かと聞いている、答えろ」
「だっ・・・・・・たら・・・な・・んだ」

 わけもわからないまま声を振り絞る。既に思考力は低下し、考えるのもめんどくさい。
アニエスは「どういうことだ?」と視線だけで訴えた。
「致命傷だ、長くはもたん。お前は直に死ぬ。生徒が唱える程度の治癒魔法では、とても間に合わん」
アーカードは一拍置いて口を開いた。


「どうする?」
アーカードの笑みが語る。『諦め』か、『拒絶』か。
はっきりと口に出して言ったわけではない。が、アニエス何故だか理解できた。

 自分は生きたいのか?己にやり残した事はあるのか?アニエスは自問する。
コルベールは、死んだ。メンヌヴィルは、殺した。最早するべきことはないのではないか。

(果たして・・・・・・そうか?)
自分は何だ?アンリエッタ女王陛下の剣であり盾だ。自分は忠義を尽くせたのか?恩義に報いる事ができたか?
復讐を終えればそれで「はい、おしまい」だとでも?こんなところで死んでいていいのか?

 

551 :ゼロのロリカード-30:2009/03/13(金) 00:47:58 ID:???
 アニエスはギリッと歯を噛む。
「・・・・・・諦める、ものか。わたしは・・・・・・陛下の剣なのだ」
その言葉を聞いたアーカードの笑みがさらに濃くなり、アニエスの上へとスッと覆い被さった。

「後悔は・・・・・・せぬことだ」
そう言った瞬間、アーカードはアニエスの首筋へと牙を立てる。
アニエスの口から声が漏れ、ピクリと体が震える。
全身を駆け巡る快楽と共に、全てはあっという間に終わった。


 幼少期に、家族や友人が燃えて全滅していく死の村落。
唯一人になるまで焼き尽くされる、まるで魔女の釜の底のような地獄。
家族を失い孤児となり、何をしてきたのか。復讐を終え、何を選択したのか。
「あきらめ」が人を殺す。あきらめを拒絶した時、人間は人道を踏破する権利人となる。


 アニエスの焼かれた肌が、損傷した内臓が、折れた骨が、加速度的に再生していく。
「あーそうそう、一ついい事を教えてやろう」
思いついたかのようにアーカードは言った。
「コルベールは、・・・・・・生きてるぞ」

 その言葉を聞いて、アニエスの顔にみるみる生気が戻っていく。
「金が余っていたから、緊急用にと秘薬を買っておいたんだがな。それを言ったら、キュルケに取られてしまった。
 今は学院の生徒がそれを使って、必死に治療をしているだろう。それと、人質は無事全員救出し、敵は殲滅済みだ」

「そうか、ほかの銃士隊は?」
呂律も回るようになり、アニエスは口内に溜まった血を吐き出す。
突入直後に、攻撃された銃士隊員達。その安否が心配される。
「既に何人かの生徒が治している筈だ。なぁに、命に拘わるような者はいない。
 尤も、指がなくなっていたりと今後に支障を来たす者はいるようだがな」

 

552 :ゼロのロリカード-30:2009/03/13(金) 00:49:53 ID:???
 アニエスは手を開き、握るという動作を何度か繰り返す。
生きている?いや・・・・・・死んでいる?
「・・・・・・気分はどうだ?」
「良くは・・・・・・ない」
「私のことはマスターと呼ぶように」
アニエスは少し逡巡した後、答える。
「わかった、・・・・・・マスター」
アーカードはうんうんと首を振り、腕を組んだ。

「本当の意味での、我が血族となるか?」
アーカードは鋭く尖った親指の爪で、人差し指の先を切り裂く。血がポタポタと流れ、床へと落ちる。
「・・・・・・いや、断る」
「何故だ?」
「・・・・・・血を飲んでしまえば、なにかが終わってしまうような、そんな気がしてな」

 アーカードは一瞬驚いた顔をした。するとすぐに、笑いを漏らす。
『アイツと同じような事』を言うのだなと、少しだけ懐かしい気持ちになった。

「そうか。ならばせめて、生まれた地の土のカンオケで寝ることだ。力が弱まる一方だからな。女王陛下の為に尽くしたいのだろう?」
「・・・・・・わかった」
丁度いい。"今からする事"を終えれば、一度故郷へと戻るつもりだ。
アニエスはゆっくりと立ち上がる。既に体の痛みはなく、吸血鬼の再生力というものに感嘆した。


 アニエスの視線のいく先は、最も憎むべき"復讐"の相手だった。
キュルケが寄り添い、周囲に何人かの女生徒が集まり治療をしている。

「殺すか?」
アーカードは邪悪を含んだ笑みを浮かべ聞く。
「当然・・・・・・だ」
アニエスは目を瞑り答える。そうだ、当たり前のことだ。復讐を果たす。我が故郷の無念の為に。
 

553 :ゼロのロリカード-30:2009/03/13(金) 00:52:11 ID:???
「・・・・・・私とあの男の因縁を、知っているようだな」
アーカードはふんっと鼻を鳴らす。
「私は私で、少しばかり調べていたから前々から知っていた。だが教える義理もないので言わなかった。
 そこに転がってる男との会話も聞こえていたし、その頃には人質周りの掃除は済んでいた。
 助太刀しようと思えばできないことはなかったが・・・・・・一応お前の気持ちを汲んで手出しはしなかった」

「そうか・・・・・・」
アニエスは呟いた。リッシュモンを殺した時と同じ、自分の心情を鑑みてのこと。
例えその結果として、私が死んだとしても・・・・・・だ。



 メンヌヴィルに突き刺さった剣を抜いたアニエスは、コルベールのもとへと歩いて行く。

「どけ」
アニエスの鬼気を含んだ雰囲気に、治療をしていた生徒達が散っていく。
キュルケは当然どこうとはしない。
「え・・・・・・?なに?」
よくわからずモンモランシーはそう口にし、秘薬を使用して治癒の魔法を使い続けている。
心配そうに眺めていたルイズも、状況が把握できないままその場に留まった。

「コルベール先生をどうする気・・・・・・」
キュルケはすぐ近くで一部始終を聞いていた。アニエスがこれから何をしようとするのか。
持つ剣と、その目を見れば、容易に想像がつくというものだった。が、それでも口に出して聞く。

「・・・・・・復讐だ。この男を殺す」
「駄目よ、やめて」
「・・・・・・え?」
「なんですって・・・・・・?」
キュルケはアニエスから目をそらさない。モンモランシーは呆け、ルイズは状況を理解しようとしていた。
やや後方で静観していたタバサの顔に、難色が浮かんだ。アニエスはキュルケの言葉を無視して、剣を構える。
 

554 :ゼロのロリカード-30:2009/03/13(金) 00:54:19 ID:???
 
「邪魔をするな」
キュルケは抱くような形で、コルベールをその身で庇う。
「もういいでしょ!コルベール先生はあなたを助けたのよ!!」
目に涙を浮かべて、キュルケは必死に叫ぶ。アニエスはただ冷ややかにそれを見下ろしていた。

「・・・・・・関係ない」
「ミス・ツェルプストー、どいてくれ」
目を開けたコルベールが起き上がろうとする。
しかし治療がまだ途中だった所為か、上半身を上げるだけで精一杯のようだった。

「駄目よ!殺させないわ!!」
「いいんだ、ミス・ツェルプストー。・・・・・・さぁアニエス君、私を殺したまえ。君にはその権利がある」
コルベールは諭すように言い、キュルケの体を手でどけようとする。
しかし思うように力が入らないのか、キュルケをどかすことは出来ない。
「嫌よ!殺すなら私から殺しなさい!」


 叫ぶキュルケに眼中はない。アニエスはコルベールを見据えた。
暫く沈黙が流れた後、アニエスが口を開く。
「・・・・・・潔いな。ならば何故、逃げた?」
アニエスは剣を構えたまま問う。

 魔法研究所実験小隊を脱し、王立資料庫の名簿から自分の名前を切り取った。
そして教師となり、これまで生きてきた。それなのに、今になって復讐されてもいいというのか。

「・・・・・・私は、"王国の杖"だった。疫病殲滅を名目に"焼き尽くせ"と命令が下り、それを忠実に実行した。それが・・・・・・"貴族の正しい在り方"だと思っていた。
 だが・・・・・・、村を、罪のない人々を焼き払った時に、それが間違いだと知った。私は"王国の杖"である前に、一人の人間なのだ。
 後になって真実を知った。本当の目的は"新教徒狩り"だったのだ。つまり私は・・・・・・ただ命令のまま殺戮し、村を焼いたということだ。
 私は罪の意識に苛まれた。そして一時、割り切ろうとした。『仕方なかったのだ』と自分に言い聞かせ、平穏な生活を望んだのだ」
 

555 :マロン名無しさん:2009/03/13(金) 00:54:44 ID:???
待ってたよ〜

556 :ゼロのロリカード-30:2009/03/13(金) 00:55:51 ID:???
「それで・・・・・・、王軍資料庫の名簿を破ったのか」
コルベールは「そうだ」と頷き、話を続ける。

「だが違うのだ。どんな理由があろうとも、罪なき人々を焼いていいわけはないのだ。命令であっても、それは決して赦されるべきことではない。
 この手で焼いた人々を、村のことを忘れた事は一度もない。私は悩んだ、一体どうすれば罪を購うことができるのか。
 私は軍を辞めた。二度と炎を破壊の為に使うまいと誓った。それからは研究に打ち込んだ。"贖罪"ではなく、"義務"として・・・・・・。
 一人でも多くの幸せにすることこそが、生きて世に尽くす事が、私の"義務"。私にとって、安易に"死"を選ぶという選択肢は存在しない」

「それで・・・・・・我が故郷の、死んだ者達の無念が晴れるとでも?」
「いや、晴れぬ。死んでも、この身が滅ぼうとも、罪が消えることなど・・・・・・永劫ない。だからこそせめて、この身が朽ちるまで人々の為に尽くす。
 しかしアニエス君、君だけが私を殺していい。村の唯一の生き残りである君だけが・・・・・・私を、あの村の慰めの為に殺す権利を持っているのだ」

 もう話すことはないと、コルベールは目を瞑ってアニエスの刃を待った。アニエスも目を瞑る。


「任務だったんだからしょうがないわ!!アニエス!あなたが女王から同じような命令が下ったらどうするの?
 知らずにそれを実行して、それが後になって間違いだったと知ったらどうするわけ?それにコルベール先生はあなたの命を救ったのよ?
 自分の命も省みず・・・・・・。私達も先生がいなかったら死んでた。それでもあなたは――――――」

 アニエスは目を瞑ったまま静かに口を開いた。
「少し、黙れ」
コルベールは自分を"王国の杖"と言った。
私は・・・・・・"陛下の剣"だ。
キュルケが言った通り、女王陛下から命令が下ればそれを躊躇無く、疑う事無く実行するだろう。
それが・・・・・・軍人というものだ。

「もしあなたが復讐の為にコルベール先生を殺すなら、その後に私があなたに復讐して殺してやるわ」
「それはいけない、ミス・ツェルプストー」
コルベールがキュルケを宥めようとするが、キュルケはアニエスをこれ以上ないくらい睨み続ける。

 

557 :ゼロのロリカード-30:2009/03/13(金) 00:58:53 ID:???
 心の整理を終え、考えを落ち着けたアニエスはゆっくりと目を開ける。
「・・・・・・復讐は、言わば鎖。そしてそれは、どこかで誰かが断ち切らねばならぬ・・・・・・か」

 アニエスはその場に剣を落とした。カランという音を立てて、剣は転がる。
そして深く空気を肺に取り込み、一拍置いてそれを全て吐き出した。
「百二十九人。貴様はその何百倍もの人々に為に尽くせ。生涯、その身を捧げろ」
「いや、百三十一人だ・・・・・・。妊婦の方が・・・・・・二人いた」

 コルベールの言葉に、アニエスはただ静かに――――――目を閉じた。



「話は落着したようだな」
離れた所から様子を眺めていたアーカードが近づいてくる。
「これからのことだが・・・・・・、まぁオスマンに任せておけばいいだろう。こういう時くらい頑張ってもらわないとの」

 空気が弛緩し、モンモランシーは気付いたように治療を続ける。
「銃士隊は、どこにいる?」
「あっ・・・・・・外で治療を受けてる筈よ」
ルイズがそう言うと、アニエスはさっさと歩いて行ってしまう。

「おまえは夜を選んだ。もはやあの日の光さえも、お前の体をむしばむ光でしかない。
 一度朝日に背を向け、夜を歩き始めた者に日の光は二度と振り向きはしない。覚えておけ」
すれ違うアニエスにアーカードは告げる。アニエスは呟くように言った。
「・・・・・・死ぬのか?」
「いや、今のおまえは半人・半吸血鬼の様なものだが、昼間に買い物なんて事も何不自由ない。
 力は落ちるし、多少苦痛ではあるがな。とりあえず流水にだけは気をつけろ、『ちりはちりに帰る』からな」

 

558 :ゼロのロリカード-30:2009/03/13(金) 01:02:25 ID:???
 最後にアーカードは「何かわからないことがあれば、こうやって聞け」と、アニエスと念話する。
その後に、大きく伸びをした。
「さぁ〜てと・・・・・・ルイズ、寝るぞ」
「はぁあ?いきなりなに言い出すの。・・・・・・一緒になんて寝ないわよ」
「何を勘違いしている。空が白み始めた、もうすぐ夜が明ける。そう時間も経たず迎えがくるぞ」

 ルイズは「あっ」と声をあげる。そうだ、自分はこれからアルビオンへと向かうのだ。
襲撃によって睡眠を邪魔され、戦場の緊張感と戦闘によって疲弊している。
魔法も使ってるし、自分で思ってるよりも間違いなく精神力は消耗してる筈だ。
そういう疲れは知らず知らずの内に溜まり、後でどっと出て来るものだ――――と、アーカードは言っていた。
いざという時にそれでは困る。休める時にしっかり休んでおくのも、戦場の心得である――――――とも。

(寝れる・・・・・・のかな)
アーカードは欠伸をし、スタスタと歩いていく。ルイズも後を任せ、それに続く。
戦いの昂揚と張り詰めた神経が、ルイズに睡眠を許してくれそうになかった。

 しかし今の自分にとっては、色々と考える時間が必要なのかも知れなかった。
 

559 :ゼロのロリカード-30:2009/03/13(金) 01:04:12 ID:???


 『復讐は鎖、どこかで誰かが断ち切らねばならない』。
アニエスの言葉がタバサの頭の中で反芻される。自分の望むべきは――――――復讐だ。
父を亡き者にし、母を狂わせた憎き王を討つこと。それが己の生きる目的である。

 アニエスもそうだった筈だ。その為だけに研鑽を積み、生きてきた筈だ。
コルベールに理由こそあれ、並々ならぬ憎悪が心の中で渦巻いていた筈だ。
だがその鎖を、アニエスは自ら断ち切った。その英断は、きっと自分には真似できないだろうと感じる。

 もしもジョゼフを殺すことが叶ったのなら・・・・・・そう、例えば自分はイザベラに殺されるのだろうか。
それならそれで構わないかもしれない。思えば、復讐を為したの後のことなんて考えたことなかった。
復讐を遂げ、母を治し、学院に通い、友人に囲まれ、ただただ穏やかに過ごす。そんな幸せを望んでいる自分に気付く。

 復讐の為に、力を欲する余りに、無謀とも思える事を何度もやってきた。
その度にこの身を危険に晒してきた。死に掛けたことも何回もあった。
これからも復讐の為に、傷つきながらその道を進むか?

 あの狂王は・・・・・・最早、自分達に興味がないようにも、思える。
復讐をやめ、これからは母を治す為だけに奔走し、かけがえのない友と日々を過ごす。
そんな選択肢も――――――あるのではないのか。

 タバサはぼんやりと考えながら、ゆっくりと――――――目を閉じた。

560 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/03/13(金) 01:13:01 ID:???
以上で終了です。支援どうもでした。

連日投下に、長々とお付き合い頂きありがとうございました。



――――――以下ネタバレ注意――――――


今回投下した分は、非常に迷いました。アニエスをどうするかと。
アニエスは人間として生きると言い、アーカードはそれに喜ぶ。
セラスが隊長を体から出して大尉を倒したように、吸った命を出して利用できるという解釈から、
ウェールズの時のように、喰った水メイジから適当に出して治癒させようとも思いました。

でも、孤児であることや、地獄を見てきたなど、セラスと割と似通った不幸を背負ってること。
半人前のセラスが、リオ郊外で隊長と一緒に昼間に出かけてた事から、日中も活動可能であること。
等を考慮して、今回はこういう形としました。



これまでは原作をなぞる形のテンプレ展開でしたが、次々回辺りからはずれていく予定です。
それではまた。

561 :マロン名無しさん:2009/03/13(金) 01:14:52 ID:???
寝る前に読めて良かった

えっと、次は1週間後?w

562 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/03/13(金) 01:21:20 ID:???
>>561
なるべく早く投下できるよう頑張るつもりですが、基本は隔週を目安に書いています。

563 :マロン名無しさん:2009/03/13(金) 09:25:16 ID:???
ゼロリカの人乙!
アニエスが銃の精を見る日も遠くないな

564 :マロン名無しさん:2009/03/13(金) 11:13:19 ID:???
乙です!
デコピンで脳震盪…。飢えてる時に姫の指チュパ…。
パヤパヤでアレな妄想がダダ洩れる…。

565 :マロン名無しさん:2009/03/13(金) 19:56:02 ID:???
ああ…次はSMだ…(マスターとスレイブと言う意味で)

566 :マロン名無しさん:2009/03/14(土) 11:23:51 ID:???
使い魔だけどマスターなアニSさんとマスターだけどスレイブなロリカードか
>>565倒錯過ぎwww

567 :マロン名無しさん:2009/03/14(土) 12:38:04 ID:???
ロリカードはルイズのロリ奴隷…

568 :マロン名無しさん:2009/03/14(土) 17:07:01 ID:???
この展開は納得いく
アニエスが死ぬより、奇跡的に助かるよりずっといい

どこかでドラキュリーナが出てこないとやはりヘルシングさが薄れると思ってた
タバサかと思っていたけど、なるほどアニエス
ゼロ魔の世界もそれほど破壊せずヘルシングも生かせる
サイドストーリーも組みやすそうだ

次回作楽しみにしています

569 :マロン名無しさん:2009/03/16(月) 20:58:42 ID:???
ここは随分と変態が多いインターネッツですね

570 :マロン名無しさん:2009/03/17(火) 23:44:13 ID:???
ここにいるやつらは皆変態と言う名の変態だよ

571 :マロン名無しさん:2009/03/17(火) 23:50:46 ID:???
最近は紳士とも言うけどなw

572 :マロン名無しさん:2009/03/18(水) 16:03:51 ID:???
この流れで行くと

「いい女達だろう?もう私の物だ、私だけの、私だけの愛しいあるじと、私だけの恋しい下僕(しもべ)だ」

となる

573 :マロン名無しさん:2009/03/18(水) 18:51:01 ID:???
この流れだと、変態という名の紳士みたいだな、誰かさんがw

574 :マロン名無しさん:2009/03/18(水) 22:24:39 ID:???
>>572
シャルル「愛しい下僕(あるじ)か・・・」
ロリカ「・・・盛大に鼻血を流して何を妄想している小僧」

なんかシャルルがダメな子になっている。

575 :マロン名無しさん:2009/03/19(木) 08:02:25 ID:???
シャルルは元から駄目な子です
でも最後に漢見せます

576 :マロン名無しさん:2009/03/21(土) 01:41:17 ID:???
狂信者の人、戻ってこないな…
テストまだ終わらないのかな?
ひょっとして受験生?

577 :マロン名無しさん:2009/03/22(日) 01:07:21 ID:???
自分も受験生だったけどもうどこも終わってるんじゃないか?
知り合いは浪人して国立目指すってのもいたからそういうのかもしれないし
学校によっては入学前課題とかあるらしいからそういうのかも
怪我や病気では無いと願いたいが……

578 :マロン名無しさん:2009/03/22(日) 07:30:39 ID:???
就活じゃね?

すれかプロット作りが難航してるか

579 :マロン名無しさん:2009/03/22(日) 21:57:15 ID:???
何にせよ健康には気を付けていただきたいな

580 :マロン名無しさん:2009/03/23(月) 21:08:51 ID:???
コミックスが楽しみだ

581 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/25(水) 18:38:30 ID:???
何時だっけ

582 :マロン名無しさん:2009/03/25(水) 18:40:44 ID:???
>>581
30日

583 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/25(水) 18:44:32 ID:???
>>582
THX

584 :マロン名無しさん:2009/03/25(水) 23:25:07 ID:???
本当は27日

585 :マロン名無しさん:2009/03/26(木) 21:22:18 ID:???
ああ 待ち遠しいですわ

586 :マロン名無しさん:2009/03/27(金) 00:11:50 ID:jcX8o392
晩成成就の夜ですか!?
楽しみのような寂しいような・・・
10巻から、旦那には会えないんだよな。

587 :マロン名無しさん:2009/03/27(金) 10:31:21 ID:???
旦那が居なくても局長もセラスも少佐も大尉もドクも居るから大丈夫

588 :マロン名無しさん:2009/03/27(金) 11:56:06 ID:???
帯にでっかく
本 編 完 結 !
つまりまだ外伝がある!!!!!!!!

589 :マロン名無しさん:2009/03/27(金) 12:07:36 ID:???
別アワの過去編のことか

590 :マロン名無しさん:2009/03/27(金) 16:23:26 ID:???
コミックでやっと最後まで見れたよ。
少佐ほどかっこいいデブは二度と現れないと思った。


591 :マロン名無しさん:2009/03/27(金) 17:30:40 ID:???
平野コータは?

592 :マロン名無しさん:2009/03/27(金) 20:16:46 ID:???
まあ、今更どの面下げて出てきたといわれればそれまでなんですが
「アーカードはそこにいる」の続きってまだ需要はあるのだろうか

593 :マロン名無しさん:2009/03/27(金) 20:58:23 ID:???
本当かー。本当に本物のあんちゃんかー
本当のあんちゃんならこれができるハズです。

「アーカードはそこにいる」の続き。

594 :マロン名無しさん:2009/03/27(金) 21:13:44 ID:???
>>592
もちろんですとも

595 :マロン名無しさん:2009/03/27(金) 21:16:57 ID:???
>>592
基本このスレのSSみんな待ってるんですよ俺。


596 :マロン名無しさん:2009/03/27(金) 21:50:24 ID:???
>>592
無いはずがない

ところでHELLOISEって(ry

597 :マロン名無しさん:2009/03/28(土) 05:33:48 ID:???
>>593-596
有難い
尤も、今日から一週間ほど、よりにもよってこの時期に某東北地方の県に
いかなければならないので、早くてもそれ以降にはなるかと思います

何れにせよ、「年単位で放置しといて今更何言ってんだ」という方も
いらっしゃるんじゃないかと思うのでもう少し意見を聞かせてもらった上で
許されるのであればまた駄文を晒させて頂きたく



598 :マロン名無しさん:2009/03/28(土) 09:47:31 ID:???
尸良のコスプレいいなぁ

599 :HELLOUISEの中の人:2009/03/28(土) 15:16:51 ID:???
みなさんお久しぶりです。

まず>>596が自分であることを謝罪いたします。
名無しで596の上半分だけ書き込んで、あとでコテつけて投下伺いするつもりでしたが…
間違えました……。本当にすみません。

そして投下よろしいでしょうか?
本編ではなく、「たった一つの〜」の後日談、の前編です。
10巻発売記念のはずだったのに、ヘルキャラが出てきませんが…
それでもよろしければ、許可を。

600 :マロン名無しさん:2009/03/28(土) 15:20:17 ID:???
(ノ゚∀゚)ノ カモン

他に投下者がいないなら、いちいち伺い立てずにどんどん投下しちまえYO

601 :HELLOUISEの中の人:2009/03/28(土) 15:32:20 ID:???
>>600
ありがとうございます、では行きますー。


金色の髪をなびかせて、詩い手の少年は首を振る。
――ここから先を語るものは、今は、ない――

青い瞳をふるわせて、青年となった吟じ手は頭を垂れる。
――ここから先を語ることは、今は、できない――

……けれど、やがて。美髯が風に揺蕩うようになった頃。

壮年、いや、老年に差し掛かった男は語りだす。



――それは、終わりの年代記。

ある少女と、その友人たちの、悲しく優しい、約束のお話――




HELLOUISE〜きっともう一度の、冴えたやり方〜
―流れよ我が涙、と詩人は嗤った―





602 :きっともう一度の、冴えたやり方:2009/03/28(土) 15:33:44 ID:???
「それで? それで、どうなったの?
 その女の子は?お話の続きは?」

僅かに眉根を寄せて、心配そうな顔つきの女の子が言う。
それに答えるのは青い髪の女性だ。
腰近くまで伸びた艶やかな髪を散らせながら、女の子の頭に手を載せる。

「言ったでしょう?それから先を語るものは、今は、ない、と。
 私を含めて、それからを語れる者はいないの」

女性は少し困った笑みを浮かべ、そう諭す。
まだ考えてないんだ、という幼い野次も飛んだが、気にしない様子でこう続けた。

「このお話はね、まだ続いているの。
 だから――語れない。終わりとも言えないし、続きを語ることもできない。
 けれど、だから、もしかしたら……貴方達が、この物語に登場することも、あるかもしれないわ」

もう一度女の子に、今度は意味深な笑みを向けた女性は、優雅な所作で立ち上がる。

「今日のところは、ここまでみたいね。お迎えが来たみたい。貴方達にも、私にも。
 ……もう少し、待っていてくれてもいいのに」

少し不満そうに口を尖らせながら女性が目を向けた先には、
――子どもの保護者たちと共に、明らかに花壇騎士の正装に身を包んだ男性が立っていた。
子ども達はすぐさま親に駆け寄り、親達もまた、子どもの相手をしつつ公園へと入ってくる。
ただ一人、憮然とした様子の花壇騎士だけは、小さな集会場と化していた公園の出口で一人待ち構えていたが。

「お久しゅうございます、陛下」


603 :きっともう一度の、冴えたやり方:2009/03/28(土) 15:34:42 ID:???
言って、臣下の礼を取ろうとする親達を、青い髪の女性――女王シャルロット・エレーヌ・オルレアン――
は、片手でもって制した。

「『陛下』って言ったって、ただの対外的な代表、お飾りの冠でしかないわ。膝までつかなくてもいいわよ」
「これはご謙遜を。陛下がおられなければ、ガリアはとうに滅びておりますわ」

異口同音に、ほとんど即答で返ってきた反論。
それに対して、『数十年前から全く変わらず』見目麗しい女王はため息をつく。

「それは昔の話。今ガリアを回しているのは貴族による議会でしょう?」
「その議会は、陛下がいらっしゃられない限り回りませぬ」

私は政治には関わりたくない。そう言いたげな態度へ、今度は背後――公園の出口からの反論。

「…カステルモール。それでは議会の意味がないわ」
「しかし、ガリアは未だカリスマのある君主を求めているのです。ご理解くださいませ」
「……いったいいつまで続くのかしらね、もうどれだけの間、同じ事を言われたか」
「それが必要ならば、何十年でも何百年でも、何代続いても、カステルモール家が奏上を続けましょう」

もううんざりだ、といった様子のシャルロットの愚痴も、カステルモールにばっさりと切り捨てられる。

「あなたは御父上にそっくりね……」

はーぁ、と、再びシャルロットはため息をつく。
どこかで狼の遠吠えが聞こえた気がした。

604 :きっともう一度の、冴えたやり方:2009/03/28(土) 15:38:09 ID:???
所は変わり、トリステインの僻地、見渡す限りの、若草に染められた平原。
そこにあるのは、ソレを埋め尽くす、剣呑な気配を放つ亜人たち。
その中心で、黄金色の髪をなびかせた壮年の男が唯一人、静かに嗤っていた。
男の名は――

「オーク鬼が五十、トロール鬼とオグル鬼が三十、合わせて百十といったところか…
 ふむ。この程度で良いのかな、亜人諸君?」

つい、と、奇異な形の――螺旋状に捻られた杖を掲げ、男は問う。
だが亜人たちは答えない。
そもそも、答える知性を持っていない。
だから、答えられるはずもない。

「ぐるるるるるる……」
「まあ、エルフでもあるまいし、答えられるはずもない、か。
 ならば、君達の流儀で以て、『その程度』の軍勢で我が領に侵入した愚を教えてあげよう。
 僕を誰だと思っている?我が名は――」

おもむろに一歩、男が前に出る。
それに反応したのか、亜人たちが動き出した。
全軍による、男へのただただ愚直なまでの突進。
それは目の前の獲物を奪われてはならぬとする食欲からであり、決して統制の取れたものではなかったが――
それでも、唯の人間一人には十分すぎる圧力を持った、死の具現であるはずだった。

だが。

「やれやれ、名乗る暇もくれないとは。
 やはり豚は豚だな」

もう一度男は、今度ははっきりと嘲笑の形に口元を歪めると、亜人の群に突っ込んだ。

605 :きっともう一度の、冴えたやり方:2009/03/28(土) 15:39:07 ID:???
「――我が名はギーシュ!『螺旋』のギーシュだ!!
 我が魔法は天を守る螺旋と心得よ!!」


グラモン家による討伐隊が『そこ』に到着したのは、それから一時間後のことだった。
ふと消えた領主が一人で亜人討伐――それも、余りの厄介さに保留していた案件――
に向かったと気づいたのが、ギーシュ失踪から三十分後。
そこから緊急に部隊を編成するのに二時間。
現場へたどり着くのに三十分。
本来ならば数時間はかかる――事実、ギーシュは単独行動で、馬を使って、それでも二時間掛けている――
現場に行軍して三十分で辿り着くという偉業を成した部隊を待っていたのは。

「遅いな、孫よ。僕がいなくなったと気づくのに、後十五分は早められるはずだ」
「無茶を言わないでください。というか、そもそも唐突に居なくならないで下さい祖父上……」

血の海の真ん中で寛いでいる、領主の姿だった。

「しかし、まぁ、相変わらずのバカ魔力ですね…」

半ば呆然として、部隊長――次期領主と目されている、ギーシュの初孫である――が呟く。
全く以て、どうやったらこんな数の亜人を一人で倒せるというのか。
こんなことができる祖父は絶対にスクウェアである。
だが、その言葉にギーシュは顔を顰めた。

「だから、そうではない、孫よ。
 僕はしがないラインメイジに過ぎないし、そもそも、ただ魔力が高くたって、亜人の集団には勝てない」
「はいはい、それは分かりましたから……」


606 :きっともう一度の、冴えたやり方:2009/03/28(土) 15:39:59 ID:???
ふう、と、部隊長は嘆息する。
そうなのだ。
これほどの規格外さを見せながら、祖父はラインメイジでしかないという。
それは権力を使って詐称しているわけではなく、事実らしい。
全く。
これでラインメイジだというのなら、もし祖父がトライアングルやスクウェアになっていれば、
国を相手取って戦うことも可能だとすら思わされる。
否、

「もともと、メイジにはこれだけのポテンシャルがあるということでしょうか……?」

ぽつり、呟いたが、それは即座に否定された。

「否。
 むしろ、貴族よりは平民の方が近い位置にいるのではないかな。
 貴族は魔法に頼りすぎて、人間としてのポテンシャルを引き出せていない」
「……では、この数十匹にも及ぶ亜人を、平民が倒すことも可能だと?」
「違う、百十数匹だ。一部は魔法で埋めている……よい肥料になるだろう。
 そして平民がこれに打ち勝つことも、もちろん可能だと考えているよ?

 ――でなければ、困るのだよ」
「困る?」

はて、と首を傾げる。
それは結局できるのか、できないのか。
しかしギーシュ・ド・グラモンは、直接その問いに答えることはせず、ただ深い深い森を見つめている。

「ああ、困る。
 約束が果たせなくなってしまうからね。
 親友との、果たさなければならない、約束を」

森の向こうへと、桜色の何かが立ち去っていった気がした。

607 :マロン名無しさん:2009/03/28(土) 15:40:59 ID:???
支援

608 :きっともう一度の、冴えたやり方:2009/03/28(土) 15:41:32 ID:???
そして、先進の国、帝政ゲルマニアでは。

「――の儀で、ツェルプストー侯にお取次ぎ願いたい!
 繰り返す、皇帝閣下の命により、ツェルプストー侯爵にお目通り願いたい!!」

一人の貴族が、ある城門で声を張り上げていた。
それはもう、そんなに声を張り上げて大丈夫なのか、という勢いで。
言うまでもなく、ハルケギニアでは貴族のほとんどがメイジであり、彼らにとって喉は何よりも大切である。
声よ枯れよという勢いで叫び声を上げる貴族というのは、全く稀と言ってよかった。

とはいえ、彼も必死である。
何せ皇帝の命なのだ。自分はそれを伝える使者なのだ。
皇帝の命に応じない貴族、皇帝からの使者を門前で払う貴族には、叛意があると判断せざるを得ないのだ。
そして、相手は『あの』ツェルプストー家である。
これが普通の貴族ならば、「恐れ多いことにかの者には叛意が……」と報告してしまえるのだが……、
はっきり言おう。
ゲルマニアの貴族は誰も――現皇帝アルブレヒト4世でさえも――、

フォン・ツェルプストーを相手に、勝つ手段がない。

故にここで諦めて帰れば、おそらく使者役の彼は首を飛ばされる。
むろん、物理的な意味でだ。
そして皇帝は、使者の非礼を詫びる手紙と共に、新たな使者を立てるだろう。
もはやそれは国家元首としての誇りだとか面子だとかとは別の次元である。
そもそも、アルブレヒト3世の頃はともかくとして、今、皇帝が皇帝たりえるのは、
紛れもなくツェルプストー家をはじめとする選帝侯家らからの支持あってのことだ。
実のところ、皇帝の権力というものはそれらの有力諸侯と同等程度のものでしかないのである。

ひたすら粘っても降りない桟橋にいよいよ業を煮やしたのか、声を潰す覚悟で、思い切り息を吸う。
声を潰すのは嫌だが、胴体を失うのはもっとお断りだ。
そんな悲壮な表情がうかがえる。
そして、覚悟を決めた彼が思い切りよく叫ぼうとした瞬間。

609 :マロン名無しさん:2009/03/28(土) 15:41:46 ID:???
私怨

610 :きっともう一度の、冴えたやり方:2009/03/28(土) 15:42:15 ID:???

「あらやだ、なにかしら、人の家の前で……」

後ろから、声がした。


慌てて振り向いた彼の目に入ったのは、一人の熟女。
の、はずなのだが、一瞬彼は惑った。
果たしてこの女性は、本当に熟女と呼べる年齢なのか?
年齢をうかがわせる身体的特徴はある。
間違いなく、それなりの年月を生きてきたのであろうと思わせる部分はある。
それでも、彼には信じられなかった。
「若々しい熟女」というのは、まだ若い彼には矛盾としか思えなかった。
そして何より、まるで少女とすら思わせるような立ち振る舞いと、彼の知る誰よりも強い、覇気。
それが彼を動揺させた。

「あら、私に見とれてるのかしら?
 わたしったら罪ね、いつになっても男を惑わせてばかりで……」

その声によって、彼は正気に戻され。
そのとき既に、手を伸ばせば触れられる距離にまで、女は近づいており。
女と目が合った瞬間、彼は思わず跪いていた。

「――僭越ながら、キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー侯爵閣下。
 貴女様へ、皇帝閣下よりの御文を預かっております」

まだ、女が侯爵本人と決まったわけではない。
けれど、彼にとっては、それは最早疑いようもない真実だった。

611 :HELLOUISEの中の人:2009/03/28(土) 15:48:22 ID:???
げ、さるさん喰らった…orz

すみません、誰も書き手さんいなければ、とりあえず続きは四時からでせうか?

612 :きっともう一度の、冴えたやり方:2009/03/28(土) 16:01:33 ID:???
解けたか?test


「ふうん……」

キュルケは使者を応接間に招くと、書状を開いた。
もちろん、書状が本物であるという確認も済ませてある。
これは間違いなく、現皇帝アルブレヒト4世からキュルケ・フォン・ツェルプストーに向けられた、
内乱鎮圧への出陣要請であった。

「却下よ。あの坊やにそう伝えなさい」

にべもなかった。

「……ッなッッ…!?よ、よ、よろしいのです?!
 こ、皇帝閣下よりのご要請であらせられますれば……」
「くどいわよ。お断り。
 大体、あの坊やに何が出来て?叛意ありと見做すならソレで構わないわ。
 ――そのときはどうなるか、分かっているわよね?」
「………………、分かりました」

使者は、深いため息と共に、その一言を吐き出した。
若いな、とキュルケは思う。
こんなにあっさりと振り回されているようでは。これだけ感情を表に出すようでは。
これではあの狸共とはとてもやり合えていないのだろう。
一番厄介な自分の所へ使者に立てられたことからも、それが分かる。

「閣下には『申し訳ありません。力及ばず、ご助力は得られませんでした』と伝えましょう。
 …しかし、理由をお聞かせ願えますでしょうか?」

613 :きっともう一度の、冴えたやり方:2009/03/28(土) 16:03:10 ID:???
(……へぇ)

諸手を挙げて降参の意を示す使者は、最後にただ一つ、その理由だけを求める。
それを問う使者の目には、納得できない感情や振り回された疲れの他に、その奥に、純粋な興味の色があった。
若いな、と、再度キュルケは思う。
ただ、今度の若さには好感が持てた。
微熱を求め続けたかつての自分にも似た、若さという力が感じられる。
キュルケは、そういう若者は大好きだった。

「理由、ね……約束よ、友人との、ね」
「約束?」
「ええ。旧い、けれど大切な約束。
 私が死んだとしても、ツェルプストー家はその約束を守り続ける。約束を守るだけの力を持ち続ける。
 そのためには、常に臨戦状態を維持し続けなければならない。
 だから兵は出せないし、私――ツェルプストーの長がここを空けるわけにはいかないの」
「はぁ……」

なんとも抽象的な話だ、と、使者の顔は言っていた。
対して、キュルケはくすりと笑う。

「ま、派兵や指揮はしてあげられないけれど、ある程度の助力はするわ。
 兵糧と装備品――フリントロック式の銃、刀――もちろん、玉鋼の、本物の、ね?
 それと、水の秘薬は駄目だけど、包帯や薬草といった医薬品類を送ったげるわ。
 それで貴方の面子は立つでしょ?」
「……ッほ、本当ですかッ?!感謝いたします!!」

「そのかわり、あなた、ツェルプストーに来なさい?」
「え!?」
「どの道、このままでは糾弾は避けられないわ。だから庇護下においてあげる、と言っているの。
 もちろんそれ相応の働きはしてもらうけれど。どうかしら、――ミスタ・ペンウッド?」

614 :きっともう一度の、冴えたやり方:2009/03/28(土) 16:04:36 ID:???
使い魔召喚の儀式が行われたその日。
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは、死んだ。


葬儀はしめやかに行われた。
最初は身内だけで行うとされたが、近隣貴族や魔法学園の一部生徒と教師が参加を熱望し、それは許可された。
そも、大貴族の娘の葬儀が身内だけで済むはずがなく、それらは受け入れざるを得ない政治的賓客だった。

だから――参列者の中にフォン・ツェルプストーの者がいると知ったときには、
カリーヌ・デジレは嫌悪感を顕にしたのだった。

嘲笑しにきたのか、と詰問するカリーヌに、キュルケは厳然とした否定をもって返答した。
ツェルプストーの血としてではなく、ルイズの友としてここに来たと宣言した。
告げるべき言葉をもって、最早物言わぬ彼女の言葉をもってここにあるのだと、そう謳った。
それは、気高い貴族の言葉だった。

「……フォン・ツェルプストーの者が、ラ・ヴァリエールの者の、友だというのか?」
「彼女が私を友と思っていたかは分かりません。
 否、むしろ、私は敵視されていたといってよいでしょう。何故なら、私はツェルプストーですから」

しかし、

「それでも――私にとって、彼女は友でした。
 憧れであり、目標であり、ライバルであり、そして、唯一無二の友でした。
 私は――魔法の実技以外で、ルイズに勝ったことなど、一度もありませんでしたから」

そう言って寂しそうに笑うキュルケを見て、そこではじめて、カリーヌは彼女を信じてみることにした。


615 :きっともう一度の、冴えたやり方:2009/03/28(土) 16:05:57 ID:???
キュルケが語ったのは、自分との馴れ初めからの、親には言えなかったであろう、ルイズの学園生活だった。
最初、優等生でありながら、それを鼻に掛けなかったこと。
実技に入ってから、凋落したこと。
それを同情する輩も侮る輩も、等しく吹き飛ばしたこと。
自分といつも喧嘩をしていたこと。
たとえ魔法が使えなくとも――誰よりも、貴族としての気高さを持ち合わせていたこと。
そして――魔法に頼らずとも、貴族としての誇りを保ち続けた彼女に、自分が憧れと嫉妬を抱いたこと。
それらは正しく、キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストーの本音だった。

「……そう、ですか」

最早カリーヌに疑う余地はなかった。
彼女は間違いなく、ルイズを最もよく知る人間の一人だった。

「貴女は本当に、ルイズをよく見ていたのですね。貴女の想いに、今だけは、立場を除いて感謝します」
「いいえ、『烈風』カリン。
 私の話は終わっていません――私は、私の友と、私のために、貴女方を責めに来たのですから」

それから、キュルケはもう一度話をはじめた。
ルイズが受けた陰湿な苛め。
ルイズに同情のまなざしを向ける平民達。
ルイズをさらし者にしようとする中小貴族の子どもたち。
ルイズを引き合いに出して自己の優位性を主張する大貴族の子ども達。
ルイズを挑発し、叱咤し、ルイズが挫けそうになる度に強引に立ち上がらせる自分。
それは正しく、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの地獄だった。

そして。


616 :きっともう一度の、冴えたやり方:2009/03/28(土) 16:06:55 ID:???
「彼女は最後にこう言いました。「大貴族に生まれなければ、その跡継ぎでなければ――」と。
 私は、私の友を殺した貴女達を、…そして私自身を、決して許すことは出来ないでしょう」

涙とともに、キュルケはそれだけを言い捨てて去っていった。
……一人残されたカリーヌ・デジレの手は、強く握り締められて血を流していた。


「……本当に、これでよかったの?」

タバサが問う。
それに答えるは――桃色の髪の少女。

「ええ。どの道、私はもう『死んでいる』から……母様に顔を合わせる資格なんて、ないわ」
「でも」
「『仕方なかった』は通用しないわ、相手の力量を見誤り、瀕死に陥ったのは私の自業自得。
 ……寂しくないわけは、ないけれど。でも、それに耐えられないならば、私はここで――」
「ストップよ、ルイズ。それ以上言ったら私、怒るからね?」

死ぬべきだ。
そう言いかけたルイズを、キュルケが止める。

「貴女を誰かに殺させなんかしない、貴女に誰かを殺させたりなんかもしない。
 だから、貴女は貴女として、貴女の第二の人生を歩みなさい?」
「うん、君には幸せに生きる権利がある。少なくとも僕はそう思う」
「独りは、寂しい。……だから、私が、私達がいるから」

キュルケ、ギーシュ、タバサが、異口同音にルイズを励ます。
以前よりも近くなった距離は、おそらくはそれぞれの心の琴線にルイズの啖呵が触れたせいだろう。
共に生きて欲しい。それが彼らの、心からの願いだった。

それが分かったからこそ、ルイズは彼らの好意を純粋に受け入れた。
ただし、一つだけ約束して欲しい、と付け加えて。

617 :きっともう一度の、冴えたやり方:2009/03/28(土) 16:09:20 ID:???
彼らは等しく、ルイズの友であった。
ルイズが『死に』、そして『死に損なって』からも、変わらず。
ルイズと彼らの間には一ツの約束があった。
それを果たすためにギーシュは武を学び、タバサは自らの時を歪め、そしてキュルケは強力な兵装を求めた。

ルイズと彼らとの約束。
それは、もしルイズが化け物になって果ててしまうとき、彼らが幕を引くことだった。



…だが、果たされぬことを願う約束は、しかし果たされなければならない時が来るからこそ結ばれる。

それを悟るには、学院時代の彼らは少し幼かったのかもしれない。
彼らはこれから、そのことを痛感することとなる。



と、ここまでです。
我ながら見事なぐらい全く使い魔が出てこないw
後編でもあまり出せそうにないですし、少しスレ違いかなぁと不安…
そんなんですが、楽しみにしていただける方がいれば幸いです。それではまた。

618 :マロン名無しさん:2009/03/29(日) 08:46:56 ID:???
続きがすごい楽しみだ

619 :マロン名無しさん:2009/03/30(月) 00:20:00 ID:???
全く出てこないが故に、その影が際立って見える。
是非にも続きを

620 :マロン名無しさん:2009/03/30(月) 11:21:51 ID:???
おつおつ
とても展開が気になりますね。

ところでHELLOUISEのまとめに、
ウォルターが召喚されたシーンがないんだが編集ミスかな?

621 :マロン名無しさん:2009/03/30(月) 15:50:09 ID:???
>>620
確か元々無かったような・・・

622 :マロン名無しさん:2009/03/30(月) 19:57:09 ID:???
たしかになかったよ

623 :マロン名無しさん:2009/03/30(月) 20:48:29 ID:???
10巻かって裏表紙を確認したら吹いた
ゾーリンの扱いがwwwwwwwwwwwwwww

624 :マロン名無しさん:2009/03/31(火) 09:20:23 ID:???
>>621-622
そうなのか、サンクス

625 :マロン名無しさん:2009/03/31(火) 16:36:47 ID:???
大変です皆さん。ルイズが山守義雄を召喚してしまったようです!

626 :マロン名無しさん:2009/03/31(火) 17:55:28 ID:???
>>625
エネルギー弾でハルキゲニアが銀河ごと全滅

627 :マロン名無しさん:2009/03/31(火) 19:07:03 ID:???
きゃーヒモ状にされるー

628 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/03/31(火) 23:43:48 ID:???
どうも、投下します。

629 :ゼロのロリカード-31:2009/03/31(火) 23:45:02 ID:???
「不確かな"兵器"か・・・・・・」
ルイズは一人ごちた。確かにその通りだ。強力ではあるが不安定。
虚無の系統が使えると言っても、自分が使用可能な魔法は一つだけ。
その唯一使える"エクスプロージョン"は、実際に放ってみない事にはその威力を計り知ることはできない。
己に課せられた陽動の任務の為にも、明日までに新しい呪文を覚えないとまずい。

 ルイズはパラパラと始祖の祈祷書を眺める。
デルフリンガー曰く、必要な時がくれば読めるらしいが・・・・・・。
「何も書いてないじゃない」

 白紙だらけの祈祷書に、ルイズは唇を尖らせる。
どうにも行き詰まり、書を閉じてアーカードの方へと顔を向ける。
「・・・・・・デルフ」
すぐに視線に気付いたアーカードは、ルイズの表情から察してデルフリンガーを呼ぶ。

「ああ?なんだ?」
「・・・・・・敵軍の陽動に使える虚無の魔法、何か覚えてない?」
「覚えてねえなあ」


 ルイズは嘆息をつく。
「はぁ〜・・・・・・少しは覚えてなさいよ」
「んなこと言われてもなあ」
ルイズがうんうんと悩んでいると、アーカードが話し出す。

「この世の全ての物質は小さな粒により為り、四系統はそれに干渉・影響・変化させる呪文。
 そしてこの粒はさらに小さな粒により為り、虚無はそれに干渉・影響・変化させる呪文。・・・・・・だったか」

「うん、そう書いてあるわ」
アーカードは少し考える。これ以上なく単純に、ザックリと分けて考えるなら分子と原子。
「ルイズ、書いてあることを読み上げてもらえるか?」
 

630 :ゼロのロリカード-31:2009/03/31(火) 23:45:36 ID:???
 そう言われ、ルイズは序文を読み始める。
アーカードはそれを聞きながら、さらに考えた。
原子レベルにまで、干渉し、影響を与え、変化させる。
つまるところ『虚無』は、やろうと思えば大抵の事はできるということ。


「――――――ブリミル・ル・ルミル・ユル・ヴィリ・ヴェー・ヴァルトリ。
 以下に我が扱いし『虚無』の呪文を記す。初歩の初歩の初歩。『エクスプロージョン(爆発)』」

 ルイズが読み終え、本を閉じる。「終わりよ」と言って、アーカードの言葉を待った。
「まっ・・・・・・今この場で、科学講釈をしてもしょうがないしな。要するに、虚無は凄いということだ」
ルイズは半眼でアーカードを見つめる。なんの答えにもなってない。

「だから結局どうすればいいわけ?」
「他力本願だな、我が主。『虚無』に関しては私もなんとも言えん。唯一知っているデルフもこれだからな」
「覚えてねえものはしょうがねえ」

 ルイズの心中に焦りが積もる。このまま思いつかなかったら、作戦どころではない。
アーカードだって、空に展開した軍の陽動なんてできるわけはないし。
「そうだな・・・・・・。エクスプロージョンが初歩の初歩の初歩ならば、次は初歩の初歩を覚えればどうだ?」

 つまるところ順繰りに覚えていけば、いずれ使える呪文に行き当たるのでは?ということだった。
しかしルイズは困惑する。そんな事を言われても読めないものはしょうがない。

「何度も念じて、集中して読めば見えてくるんじゃないか?実力が伴っているのならば、見えてくるかもしれんぞ」
「むむむ・・・・・・」
腑に落ちない気分でルイズは、三度始祖の祈祷書を開く。
精神を集中させて、穴が開くのではないかと言うほど凝視した。

「ぬぐぐ・・・・・・」
歯をギリギリと鳴らす。始祖の祈祷書を握る手に力が入った。
眉間には皺が寄り、その双眸が細まったり、逆に見開かれたりを繰り返す。

631 :ゼロのロリカード-31:2009/03/31(火) 23:46:30 ID:???
 
 
「なぁに、いざとなったら私が濃霧を発生させよう。その上で奇襲をかければ、多少の時間稼ぎくらいにはなるだろう」
「・・・・・・」
アーカードの声は、もうルイズの耳には入っていない。
(いい集中力だな・・・・・・)

 最後のページまでいったら最初に戻って読む、を何度も繰り返す。
(今が"必要な時"なの・・・・・・だから読ませなさい。陽動に必要な呪文を・・・・・・お願いだから!!!)
余計な考えを排除し、頭を空っぽにする。タルブでエクスプロージョンを詠唱した時のように。
読むという一念のみで、ルイズは見つめ続ける。暫らくして、一枚のページが光り出す。

「やたっ・・・・・・やった!!読めた、読めたわ!!」
ルイズは嬉しさから、小さい子供のようにはしゃいだ。
「それはなにより。・・・・・・して?」
「へっ?」
「どんな呪文なんだ?」

 ルイズは「え〜と・・・・・・」と言って、読み始めた。
「初歩の初歩。"イリュージョン"。描きたい光景を強く心に思い描くべし。なんとなれば、詠唱者は、空をも作り出すであろう」
「なるほど、幻影を創り出すわけか。おあつらえ向きじゃあないか」
「そんなもんもあったなあ・・・・・・、今思い出したよ」

 グッと拳を握ったルイズは、溢れ出す笑みを抑えることができなかった。





 竜騎士ルネ・フォンクの風竜に乗り、ルイズとアーカードはダータルネスを目指していた。
第二竜騎士中隊が護衛となり、トリステイン・ゲルマニア連合艦隊が、ダータルネスに上陸するよう見せかける。
敵軍を陽動した後、連合軍はロサイスへと上陸し奇襲を加える。それが作戦の大まかな概要である。

632 :ゼロのロリカード-31:2009/03/31(火) 23:46:58 ID:???
 
 
 そしてたった今、ルイズとアーカードらは十以上の竜騎士に追われていた。
アルビオンの哨戒に引っ掛かり、敵竜騎士が迎撃の為に出てきたのである。

「さて・・・・・・」
アーカードがゴキゴキと指の関節を鳴らす。
次いで大きく腕を振りかぶると、いつの間にかその手には少女の拳よりも遥かに大きい"黒い球"が握られていた。
そして投げ飛ばされた球は、驚異的な速度で真っ直ぐ敵竜騎士の一体に命中し――――――爆砕した。
周囲を巻き込み、直撃した竜騎士は爆裂四散する。

 ジャッカルは無い。カスール改造銃は弾切れ。トミーガンでは威力に欠ける。
なればこその戦法。レキシントン号を奪った時に、なんとはなしにストックしておいた"砲弾"。
"それ"を投擲する。ただ、それだけである。

 ルイズは相変わらず出鱈目だなとその光景を見つめ、竜騎士達は敵味方問わず滅茶苦茶な攻撃に思わず呆けた。
   メテオ
「拳骨隕石!!!」
大砲で撃ち出されるよりも、遥かに上回る速度。
そして驚くべき命中精度で、次々と敵竜騎士を爆散させていく。
投げるたびに風竜がブレるものの、その投擲はまるで揺らぐ様子はない。
瞬く間に追撃の敵竜騎士を殲滅し、アーカードはドカッと座り込んだ。


「す・・・・・・凄いですね」
ルネが口を開く。凄い以外に形容する言葉が見つからなかった。
この際、少女が何者なのかなどどうでもいい。
今はとにかく頼もしい味方がいるということが、竜騎士達を安堵させた。
 

633 :ゼロのロリカード-31:2009/03/31(火) 23:47:21 ID:???
 しかしそれも束の間。前方に新たな敵の竜騎士が散見される。
数にして・・・・・・軽く見積もっても、ざっと百はいそうであった。
「うそ・・・・・・」
「これは・・・・・・ちょっと無理かもな」
さすがのアーカードも眉を顰める。
先程のように殲滅するには、残砲弾数が明らかに足りない。
まだ遠目に見えるものの、接敵までそう時間もなく、素早い判断が求められた。

 するとルネは、ハンドシグナルで護衛の竜騎士達に合図を送る。
「掴まっていて下さい。一気に突破します」
「まさか、死ぬ気・・・・・・?」
覚悟を決めたその声色に、ルイズは問うた。
「貴方をダータルネスまで連れて行くことが・・・・・・我々の任務ですから、皆覚悟はできています」
ルネは、敵竜騎士群を見据えながら言う。

「"任務は遂行する"。"主は守る"。両方やんなきゃならんのが、従僕のつらいところだな」
アーカードは腕を組んだまま立ち上がる。
黒髪が風に靡き、紅く鋭い眼光が敵を睨めつけていた。


 ルイズはほんの少しだけ考えた後、アーカードに聞いた。
「一番確実な方法は?」
「はっきり言えば、追撃をかわし続けるのは難しい」

 地上戦ならいざ知らず、空中戦は基本的にアーカードの領分ではない。
全速を保ちながら、あの数の敵の追撃をかわすのは至難。
適度にあしらいつつダータルネスに到着しても、追撃がある以上その場に留まるわけにはいかない。
であるならば、ダータルネスで悠長に魔法を唱えている時間も当然ない。
既に味方の艦隊は戦闘を始めており、時間を掛けて敵を殲滅してから詠唱することもかなわない。

「私が敵を引き付ける。すぐに霧を出すから、我が主にはそのまま突っ切ってもらう」
 

634 :ゼロのロリカード-31:2009/03/31(火) 23:48:14 ID:???
 アーカードの能力の一つに"霧"がある。濃霧を発生させ、自身を霧と化すこともできる。
だが飽くまでアーカードの周囲に発生させるものであるので、一緒に行くことは無理だ。

 アーカードが共に行き、その間を霧で攪乱すれば、もちろん霧中の進軍となる。
追撃をかわすまでどの程度の時間を浪費するか不明であるし、なによりもダータルネスの位置もわからなくなってしまう。
下手をすればさらなる哨戒網に引っ掛かり、今よりも状況を悪化させてしまう危険性もある。

 だがアーカードをこの場に残していくのであれば、敵の竜騎士を撒く上でそれらのリスクがなくなる。
ここを抜けて最短距離を行くならば、ダータルネスまで敵竜騎士が駐屯できる場所はない。
風竜の速度ならば、後は目的地までほぼ一直線で行ける筈である。

 敵竜騎士の大編隊とすれ違い、敵は追撃態勢に入ろうとしている。悩んでいる暇はない。
そう、任務を遂行するのであれば――――――選択肢は無いに等しいのだ。

「わかったわ。それでいきましょう」
護衛の竜騎士達は散開し、それぞれ迎撃態勢をとる。
ルイズは大きく息を吸って、叫んだ。


 オーダー
「命令よ、アーカード。敵竜騎士編隊をこの場にて足止めしなさい!」
       マイマスター
「了解した、我が主」
と、同時に魔法が一斉に飛んでくる。
アーカードは自分達に目掛けて放たれた魔法のみを正確に選んで、デルフリンガーで吸収する。
第一波を吸収し終えるとその場から跳躍し、その瞬間に霧が発生し始めた。

 ルイズは竜にしっかりと掴まり、風竜はすぐさま最高速で飛んだ。
次いで背後に爆発音が聞こえるが、濃霧により既に見えなくなっていた。

 

635 :ゼロのロリカード-31:2009/03/31(火) 23:48:42 ID:???
 しばらくして霧を抜け、ルイズは後ろを振り向いた。
霧は尚も広がり続けているが、風竜は少しずつ距離をあけていく。
 
(大丈夫・・・・・・みたいね)
後は任務をこなすのみ。
(必ず成功させる)
その一念を胸に、ルイズは一路ダータルネスへと向かった。



 跳躍したアーカードは、敵竜騎士の一体にライダーキックを放った。
竜騎士は原型を留めることなく体が吹き飛び、アーカードはそのまま竜に乗って敵を見極める。
いきなりのことに竜は嘶き、自分の背に乗った正体不明の者を振り落とそうと暴れようとした。

 しかしそれもすぐに止まる。アーカードから噴出する殺意に、竜は鋭敏に反応したのである。
この者に逆らえば、その邪魔をすれば・・・・・・死ぬ。否、死ぬよりも惨い事になるのではと感じ取った。
アーカードはまず、ルイズ達に攻撃しようとする竜騎士を、砲弾投擲で真っ先に撃破した。

 護衛の竜騎士達は速度を保ち、ルイズの乗る風竜に危害を加えようとする敵を優先的に攻撃し、守る。
魔法で迎撃し、時には体を張って止める。しかし十倍以上に及ぶ敵竜騎士群を相手にして大した時間が保つ筈もなし。
次々と護衛の竜騎士達は倒れ、地に堕ちていった。時間にすれば、本当に僅かな時間。

 だがその僅かな時間のおかげで、アーカードは霧を十分に形成することが出来た。
閉ざされた霧が視界を悪くし、ルイズの乗った風竜を肉眼で捕捉することは最早不可能。

 アーカードはルイズの乗った風竜が霧を抜けたことを肌で感じると、すぐさま霧の中を転移し殲滅行動に入る。
半刻ほどで敵竜騎士編隊はその悉くを喰われ、全滅した。

 

636 :ゼロのロリカード-31:2009/03/31(火) 23:49:17 ID:???
「さて・・・・・・」
一段落してアーカードは首を捻る。ルイズ達に追いつくことはもう無理である。
霧を晴らし、ぼーっとダータルネスの方向に目を向ける。

 暫くして、アーカードの瞳は遠く空に描かれる連合艦隊の姿を見た。
(ほほォ・・・・・・見事なものだ)
ルイズが無事任務を遂行した証。虚無魔法"イリュージョン"が使われたということ。
遠目であるが、かなりのリアリティ。あれならば陽動作戦はほぼ成功したも同然だろう。
トリステイン・ゲルマニア連合艦隊は、被害軽微でロサイスへ上陸できる筈だ。

(・・・・・・のんびりと、ロサイスに行くか)
ちょっと疲れているし、地上からゆっくり歩いていきたい。
丁度良く、街道から少しはずれたところに森林がある。
そこを通っていけば日光を遮ってくれるに、・・・・・・違いない。





(まだ戻ってきていない・・・・・・?)
無事任務を終えてロサイスに到着したルイズは、アーカードが戻っていないことを知った。
まさか死ぬわけはないだろうが、戻ってこないというのもおかしな話。

 ルイズは迷った。迎えに行こうにもルネは報告の為にいない。
流石に一人で敵地アルビオンを、歩いて探すわけにもいかない。

「何かお困り?」
突然かけられた声に、ルイズは振り向く。
少女・・・・・・?いや、少年だろうか。頭に妙なアクセサリーをつけている。
それにしても・・・・・・全く気配を感じなかった。
 

637 :マロン名無しさん:2009/04/01(水) 00:08:01 ID:???
支援。まさかシュレか……?

638 :ゼロのロリカード-31:2009/04/01(水) 01:00:43 ID:???
「あっ!もしかして君、ミス・ゼロ?」
人懐っこそうな笑顔で、少年は聞いてきた。
「そうだけど・・・・・・」

 ルイズの視線が少し後ろへ向く。その先は音も立てずに立っている男。
スラッと伸びた背だが、それでいて体格もいい。帽子を目深に被り、間から鋭い眼光が見える。
ただ静かにそこにいるだけで、とてつもない威圧感である。

「やっぱり!へぇ〜、君がダータルネスで陽動作戦をしたんでしょ?」
「うん・・・・・・」
それにしても二人とも変わった格好をしている。
トリステイン、ゲルマニア、アルビオン、ガリア、ロマリア、どれにも該当しない。
服の質もなんだか違う感じ。そう、まるでアーカードのような――――――。

「そっかぁ〜、人は見た目によらないねー」
屈託のない笑みを浮かべたまま少年は言う。
皮肉のつもりはないのだろうが、ルイズはちょっとだけムッときた。
「・・・・・・ごめんなさい、私急いでいるの。さよなら」


 ルイズは踵を返して歩き出す。悪いがこういう手合いに、いちいち付き合っていられない。
単なる珍しいもの見たさで、近づいてきたのであるならば尚更である。

「あらら、他意はないよ。僕らに出来る事があるなら手伝うけど?」
「あなた方に手伝ってもらえるような事ではありませんので」
「僕ら今暇してるんだよね〜。これでも第三竜騎士中隊の隊長だし、割と自由に動ける権限もあるんだけど?」

 "竜騎士"、その言葉を聞いてルイズの足が止まる。
「例えば・・・・・・今から竜を駆って、私に行きたいところまで連れて行ってくれたりするわけ?」
「お安い御用」
少年はフフンッと鼻を鳴らし答える。
 

639 :ゼロのロリカード-31:2009/04/01(水) 01:01:08 ID:???
 ルイズは逡巡する。探しに行くべきか、どうするべきか。
もしかしたら、何人か生きている竜騎士がいるのかも知れない。
敵は節操なく喰うアーカードだが、生きている味方は喰うことはない・・・・・・だろう。

 怪我を負っている者がいるのであれば、戻ってくるのが遅いのも頷ける。
ゴタゴタしていて、今暫くは出撃命令もないだろう。
竜騎士達は命をかけて自分をダータルネスへと導いたのだ。見殺しにしては、寝覚めも悪い。
ルイズは決心すをる。
(うん・・・・・・探しに行こう)


 捜索を頼む為にルイズは振り向く。少年は相も変わらず笑顔を浮かべている。
ルイズには、少年の屈託ない笑顔の裏に隠された含みを・・・・・・窺い知ることはできなかった。 

640 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/04/01(水) 01:08:37 ID:???
支援どうもでした。まとめもいつもありがとうございます。

猿さん喰らって大分時間空いちゃってすいません。
P2と利用した連続投稿はアウトみたいですね。

正時またぐようにいつも投稿を始めるんですが、何故か0時回っても猿さんのまま。
結局1時になってしまいました、申し訳ない。


さて、10巻も発売!色々と加筆されていていいですね。
これで心置きなくネタバレも出来ます。(ぼちぼちテンプレをはずれてネタバレ全開SSとなりそうで丁度良かった)

遂にゼロリカも30話を越え、ここまでやってこれたのも応援や感想レスのおかげです。
本当にありがとうございます。

では、また。

641 :マロン名無しさん:2009/04/01(水) 15:38:34 ID:???


642 :マロン名無しさん:2009/04/01(水) 17:08:10 ID:???

まさかのシュレと大尉なのか!

643 :マロン名無しさん:2009/04/01(水) 23:33:10 ID:???
本スレでたまに出てくるバキネタは、ここの作家さんあたりが絡んでんじゃないかなーと邪推してみる

644 :マロン名無しさん:2009/04/02(木) 03:24:44 ID:???
投下します
題名 ルイズとヤンの人情紙吹雪


645 :ルイズとヤンの人情紙吹雪:2009/04/02(木) 03:29:17 ID:???
ドゴォーーン
チュドーーン
バゴォーーン
本日、何回目だかわからない爆発が響く。
「へへへ。 どうせまた失敗だろぉがよ。」
「無理に決まってらぁ〜。 『ゼロ』だからなぁ!」
「うーん これは成功だろ。 どうだ?」
「残念。 失敗です。」

周りの生徒達がはやし立てる中、桃色の髪の少女は言う。
「ミ、ミスタ・コルベール! もう一度だけ! もう一度だけチャンスを下さい!」
爆発を起こしまくっていた張本人ことルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは、つるっ禿げの中年に嘆願した。
「…わかりました。 ではこれで最後にしましょう。 なに 駄目だったらまた明日挑戦すればいいのです。 リラックスですよ ミス・ヴァリエール。」
禿げた教員、ジャン・コルベールは優しく微笑んだ。
「……はい!」
ルイズは一瞬だけ笑顔になったが、すぐに顔をキリッとさせ集中する。
「(大丈夫よ…ルイズ…集中よ…集中するの! 次は絶対に成功するわ! ドラゴンとかグリフォンとか贅沢は言わないから! 何でもいいからお願い!)」
ルイズは渾身の力をこめて杖を振るう。 全然リラックスしていなかった。
「我が名は『ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール』! 五つの力を司るペンタゴン! 我の運命(さだめ)に従いし、使い魔を召還せよ!!!」

ズゴォァオォーーーーーン!

「うおぉ! 一段とすげー爆発だ!」
「ぬわあぁぁぁぁぁ!」
あたりを煙がもうもうと包む。
風が煙を散らしていくと、爆発の中心には何やら陰が見えるような気がする。
「こんどこそ成功だ。 どうだ。 当たりだろ?」
「おほ 正解です。 さすが。」

「(成功した!? や、やったぁぁーーー! 成功したわ♪ 何かいるもの! 進級できる! もうゼロじゃないわ!)」


646 :ルイズとヤンの人情紙吹雪:2009/04/02(木) 03:30:06 ID:???
煙が完全に霧散した。
そこには一人の男が片膝をついていた。
杖はもっていない。マントもしていない。
眼が描かれたツバのない帽子をずっぽりとかぶり見慣れぬ黒い服で全身を覆っているが、常識で考えれば間違いなく平民であった。
「あ、あぁ!? なんてこったーーー!」
「げぇ! 平民だ! 男の平民だー! ゼロのルイズが平民を召還したぜーー!」
げらげらげら。観衆達があざけり笑う。


呼び出された男は戸惑っていた。状況がまったくわからなかった。
「(………? どこだここ? ボイン婦警もジジイも淫売ビッチもいねー。 …………『あの人』達が助けてくれたってのか? ………ありえねーありえねーー……あーーと…俺たしかーあー
燃えたよな? ありゃ? 右腕も直ってやがる。 なんでだ? 状況が見えねー。)」
男はあたりをキョロキョロと見回す。
「(………ガキ? なんでガキどもに囲まれて笑われてんの俺? しかもなんなんだーこの格好。 杖とマントだぁ〜〜?)」
げらげら笑う子ども達を尻目に彼は思考にふける。
自分は『奴ら』に情報ゲロしそうになって、で 『連中』に燃えカスにされた。
ボハッてカスになっておっ死んだ。
確実に100%。
死んだのに生きている。自分の記憶は死んだときのことを知っているのに?
男の頭の中を思考がぐるぐるとまわっていたが何も答えはでなかった。
彼は頭は悪いわけではなかったが、考えるのは好きじゃなかった。
なにも考えず『欲望の赴くまま』というのが好きだったし楽しかった。
「(考えるのは兄(あん)ちゃんの仕事だったからなぁ〜。 ひょっとしてここって天国?…いや俺だったら地獄か でもなーあーもーメンドくせー全然わかんねー。)」
男が思考を放棄し、ムカつくガキどもは皆殺しにでもすりャイイんじゃね?と思いかけた時、一人の少女が近づいてきた。
「(お 結構イイ女ぁー 胸はねーけど顔はイイしィー穴ありゃじゅーぶんだぜ 犯りてぇ つか犯るか。)」
イイ女は犯ったあと喰う。男は喰う。召喚された男は短絡的でシンプルかつ物騒な化物(フリーク)の端くれだった。
「………で…。」
少女はうつむきながら何事かを呟いた。
「ん?」
なになに?愛の告白?初対面でいきなり言われても僕様こまっちング。 とりあえずおちかづきに一発……。


647 :ルイズとヤンの人情紙吹雪:2009/04/02(木) 03:31:30 ID:???
男は埒も無いことを考えていた。
そんな男をよそに少女は声を絞り出した。
「…………ッ! なんで…なんでよ…………なんでなのよッ! ようやく召喚できたと思ったのに! なんであんたみたいなタダの平民がでてくるのよ!」
「…は?」
残念。告白ではなかった。
「たしかに何でもいいって思ったけど…! でもッ! 平民なんて…納得いかないわ! ミスタ・コルベールッ!サモン・サーヴァントのやり直しを要求します! 」
少女は肩を震わせ声を荒げてコルベールに怒鳴る。
コルベールは一瞬、言葉につまり沈黙した。
コルベールの返事はルイズにとって悲しいものであった。
「……ミス・ヴァリエール。 サモン・サーヴァントは神聖なもの…。 呼び出された者が例え平民であっても……例外は認められませんし、認めてもいけないのです…。 さぁ契約を。」
「そんな………。」
ルイズはガックリとうなだれてしまう。眼にうっすらと涙を浮かべていた。
「わ、私のファーストキスが……。」
しばらくブツブツ言っていたが、すくっと立ち上がると彼女は黒ずくめの男に向かって指をビシぃッと突き立てた。
「感謝しなさい! き、貴族にこんなことされるなんて、普通は一生ないんだからね!」
なにを言っとるんだコイツら。契約ってなンだよ。告白じゃねーのかよ。
さらに近づいてくる少女。
「我が名は『ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール』。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ。」
男は少し警戒した。わけのわからないことを言って近づいてくる少女は不気味だ。美人といっても。
「(まぁボインの婦警の例もあるからな。 ヴァンパイアってこたぁねーだろーが見た目どーりかどーか少し警戒しとくか。)」
それにしても目の前の少女からは敵意や殺意が感じられなかったのでアンパイだと判断する。
男がさっきから攻撃的な性格をあからさまにしないのは、一人の中年の視線が気になっていたからだった。
チラッと禿げた男に眼をやる。
この男からは、自分の右腕をちぎってくれた老いぼれと同じ臭いがする。
こびり付いた血の臭い…。


648 :ルイズとヤンの人情紙吹雪:2009/04/02(木) 03:33:50 ID:???
こいつは少しヤバそーな奴だ。見た目はトボけてるが油断できねー。
だがそれでも脅威ではない。この距離ならこの禿げた男にも対応できる。
この禿げだけに注意を払ってりゃ問題ネぇ。そう判断した。
それらを思考してるうちに、少女の顔が視界いっぱいに広がってきた。
「!」
男は驚いた。当然だ。これはキスだ。自分はキスされかけている!
攻撃的なものだったらもちろん避ける。これは当然避けなかった。
「(おほ ビックラこいたがこいつはラッキーだ。 マジでこんなコトあんだナぁ。 こんなカワイ子ちゃんが俺に一目惚れなんてよー。 アローアロー もしもし(多分死んでるので)天国の兄ちゃん 聞こえてるーーー?
アーアーこちら元ヘルシングぶっ殺し大軍団長ヤンでーーーす オーイエーー 僕チンやりました これからは俺様の時代です。)」
男は驚いていたが、はっぴーだった。 禿げに警戒をしつつ、そしてコーラを飲んだらゲップがでるぐらい当然ってぐらいに舌をつっこんだ。
「(とーぜんだろー こんぐらいしてやんネーとムシロしつれーだろ。 美少女とのベーゼですよ? やらいでか!)」
「!!!!」
ルイズは驚愕した。
突然何かが(ベロしかありえないのだが)口を割って歯の裏をなぞり、自分の舌に絡まってきたのだ。
舌はどんどん奥に侵入してくる。
初心な少女は一瞬で男の侵入を許してしまった。
「!……っ!……んーー!…んっ!!〜〜ッ!……っ!ッ!ンん〜ッ!」
当然ディープキスも初めてだった。
ルイズは必死に入り込んできた舌を自分の舌で押し返そうとしたが、かえって絡み合いを助長する結果となった。
抵抗を積極性と、盛大に勘違いした男は俄然ヤル気をだしてきた。
ゆっくりネトツクように、そして時に激しく貪るように。
男の舌は縦横無尽に少女の口内を舐め回した。
男の唾液が口内に送られてくる。
そして少女の唾液が男に舌ごと吸い取られた。
男の口に導かれたベロは男の歯にやわやわと甘噛みされ擦られ、そしてまた吸われる。


649 :ルイズとヤンの人情紙吹雪:2009/04/02(木) 03:47:01 ID:???
クチュッ クチュッ とネトツク粘液の音が静まり返った空間に響いた。
ルイズは音によって耳からも理性を剥がされていった。
この男の匂いが、唾液とともに自分の中に染み渡ってイくような気がした。
強く閉じられていたルイズの眼は今は半開きで目尻にうっすら涙を溜めて蕩けてきていた。
頬は真っ赤に上気し、全身もうっすら桃色に高揚し、不思議な痺れが背筋を貫いていた。
抵抗も少しずつ弱まっていきルイズの口は男に蹂躙されるがままとなっている。
「ん……っ…はぁッ……んぅ………ん、ん〜…ッン!…ふぅ……はっ、ンッ…」
息苦しきなったルイズは自分の口内に溜まっていた、男と自分の唾液が交じった体液をこくこくと飲み干していた。
自分の中の女が、ずぐッと疼くのを感じながらルイズの思考からは完全に理性が失われていた。

そのあまりに激しいキスシーンに観衆達は唖然としていた。
まだまだ子どもで健全な少年少女達には余りにも、生々しくキワドかった。むしろアウトだった。
みんな唾をゴクッと飲み込みながら食い入るように、顔を真っ赤にしながら見つめていた。
大人びてみせるナイスバデーの赤毛の少女や、冷静沈着鉄面皮な青毛の少女も顔を上気させ視線を泳がせていた。
独り身の長い禿げ教師、コルベールも愕然とし対応に困っていた。
「(な、なんと羨まげふんげふん! 違う! 断じて違う! 私は違うはずだ!くっ 中断すべきなのか! しかしそれで契約失敗などということになってはミス・ヴァリエールがッ!)」
コルベールは結局動けなかった。

銀の糸がひかれ、ツゥッと伸びて唇と唇は離れていった。
気のせいかルイズは少し惜しいような所作だった。
長い長いディープキスから開放されると、ルイズはその場にペタンッと尻餅をついた。
いまだに息は荒く頬を染めている。目は虚ろで男に釘付けになっていた。
「はぁッ…はぁ……はぁ……ハァ……」
開放した男はニィッと口の端を吊り上げ笑う。
「よー どうだった? 俺のキスは満足してくれたkいだだだだだだだだだだだだ! いッいたッ痛 痛 痛 痛ーーーッ!」


650 :マロン名無しさん:2009/04/02(木) 04:19:29 ID:8Q/5S7Uv
まさか、ヤンが来るとは・・・gj
後ゼロリカの人乙です、OVAの0号開放も楽しみだけど、ゼロリカの0号開放も楽しみなんだ・・

651 :ルイズとヤンの人情紙吹雪:2009/04/02(木) 04:22:47 ID:???
男が突然左手を庇うように掴んで転げまわる。
その様にルイズも観衆もハッと我に返った。
「なん…なんだ コラァッ!!! オイ コラ テメェーーーーッ 女ァ〜〜〜〜ッ!! 俺に何しやがったぁ!!」
さっきまで自分もノリノリでキスしていた癖に、それを棚に上げて敵を見るような鋭い目でルイズを睨んできた。
慌ててルイズは男に説明した。
「だ、大丈夫よ! それはルーンが刻まれてるの! す、すぐに痛みは消えるわよ!」
「テメェーー適当言いやがってェェェェー! メチャクチャいてーぞ!!! まだ痛みきえ………………あ 消えた。」
男が騒ぎ出したことで逆に冷静さを取り戻した観衆は
「いやーイイもんみさせてもらいましたな。」
「うむ。 勉強になったな。」
「フン ゼロのルイズに一つだけ先を越されたわ ポッ。」
などと盛り上がっていた。
その中で赤毛の少女は一人、新たな決意を固めていた。
「あの使い魔のキス……いただくわ!」
赤毛はすっかり黒い男に魅せられていた。
隣で青毛の少女は、ハァっ呆れたような溜め息をついていた。

男は不思議そうに左手をぷらぷらさせたいた。
「ほぉ それが君のルーンかい?」
「おわ! なんだイキナリ! テメェーむさっ苦しいぞッ コラッ!」
痛みの余り警戒が散漫になったとはいえイキナリ距離を詰めてきた禿げにビックリした。
やっぱコイツただもんじゃねーな。
「ちょっと失礼。 ふむふむ ほぉ ほほ〜 これはめずらしいな。 ちょっとスケッチさせてもらっていいかな。」
そう言うと、許可も待たずさっさと左手の模様を写し取ってしまった。
「さて 皆さん。 これにて儀式は無事終了ですね。 では解散。」


652 :ルイズとヤンの人情紙吹雪:2009/04/02(木) 04:24:38 ID:???
そう宣言するとコルベールはそわそわしている感じでさっさと飛んで帰ってしまった。
何か気に掛かることがあるようだ。飛ぶように帰ったんじゃない。飛んで帰った。
そう飛んで。
まさしく物理的に飛んで。
「じゃーなーゼロのルイズ! 俺たち先帰ってるからな!」
「へへ おまえは歩いてこいよ! ゼロ!」
「キスはできても飛べもしないのよね! さすがゼロね!」
観衆達も口々にそんなことを言いながら飛んでいった。
飛んだ…。
…。
……。
「と、飛んだーーーーッ!? なんだ! どうなってやがる! こいつらみんなヴァンパイアか! いやいやいやいや『連中』だってアーカードだって飛ぶなんて聞いたことねーぞッ!!!」
男はかつてないほど驚いていた。
色々とエグイものも見てきたし、自分だって『あの人』と関わってからはフリークの仲間入りだ。
世間から見たら、自分は十分に非科学的だろうが。
それにしてもファンタジーだ。信じられなかった。
「なによ あんた魔法も見たことなかったの? どんな田舎から来たのよ! それよりも名乗りなさい! いつまでも平民が名乗らないのは無礼だわ! そそそそそれに、ああああんなことを私にするなんてっ!!」
「あー? キスのこと言ってんのか? あれはオメェーからしてきたんだろーが。」
「わわわわ私はああああああそこまでする気なんてなかったのよ! こ、この馬鹿犬! 平民とファーストキスで……しかもしししし舌までッ!! あんなことしなくても契約できたのよ!!!」
飛んだことといい契約とかいい、わけのわからないコトだらけだ。
「なーなーさっきから言ってる契約ってなーんだよー? 左手関係してるわけ? テメェーが俺の左手にナンカしたのか?」
少女は無い胸を張りながら得意そうに答える。
「そうよ それは使い魔のルーンよ! あなたは私の使い魔になれたのよ! 感謝しなさい!」
まさしくエッヘンという感じだが。
男はやっぱりさっぱりだった。あーーー兄ちゃ〜〜ん たーすーけーてー。すでに死んでいるであろう兄に助けを求めてみた。
ワンちゃんに喰われました。ワンちゃんに。素敵ですね。素敵ですよね。素敵です。


653 :ルイズとヤンの人情紙吹雪:2009/04/02(木) 04:28:06 ID:???
兄のヘンなつぶやきが聞こえた気がした。あの兄貴なら食われそうだなー。所詮俺ら兄弟は雑魚だしな。
「そんなことよりあんた名前は!? いい加減名乗りなさいよ!!」
「うるせーなー まずはテメーが名乗れよ おちびちゃん。」
男は心底気だるそうに言う。
「な、なんですって! ……もぅなんなの、あんた! 私は貴族なのよ!? 無礼だし、ああああああんなことまでするし最低よ!!」
少女は顔を真っ赤にして怒っている。
よほどディープキスが響いているようだ。
「あーーーうるせーうるせー じゃーもー俺もいいわ 別に よくわかんネェけどテキトーにやってみっからさーーーーじゃーーねー。」
男はクルッと振り向くと右手をヒラヒラさせてスタスタと歩き去ろうとする。
慌てたのはルイズだった。
サモン・サーヴァントもコントラクト・サーヴァントも成功させたのに!
人生で初めて成功させた魔法なのに!
ここで逃げられてしまえば自分はまたゼロに戻ってしまう。
それだけは何としても避けたかった。
「ちょ、ちょっとどこ行く気よ!? わ、わかったわよ しょうがないわね! 私の名前はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ! 覚えておきなさい! これから一生使えるご主人様なんだからね!
さあ今度こそあんたの番よ! 名乗りなさい馬鹿犬!!」
男はこちらを振り返ると特徴的な帽子の上からガリガリ頭を掻いた。
「しょーがねーなーーー耳のクソ穴かっぽじってくださいねーーよーーく聞けよルイズちゃん 僕様チャンの名前はヤン・バレンタインーーーーッ 性がバレンタインで名前がヤンでーーす 初めましてー
よーろーしーくーねー まぁ深ーいキスで愛を確かめ合った中だし? これからも仲良くしよーぜ。 詳しく話ししてーしオメーの部屋行くぞ。」
ルイズは、誰も確かめてないわよ!などと顔を真っ赤にしてキレテいたがヤンはどこ吹く風だった。

これが後世に伝わる伝説の主従の出会いだった。



つづく
かも


654 :ルイズとヤンの人情紙吹雪:2009/04/02(木) 04:32:44 ID:???
以上です
面汚し、お目汚し失礼しました

655 :マロン名無しさん:2009/04/02(木) 04:49:51 ID:???
乙です!

これでラスボスがアーカードだった日には、ワンちゃんの胃袋直行コースですねw

656 :マロン名無しさん:2009/04/02(木) 11:05:19 ID:???
アーカードの飼い犬に食われる
婦警に紅葉卸
執事(最盛期)に切り刻まれる
ワルドに心臓を射貫かれ死亡
ドクに拉致られ彼女の代わりにされ残骸と化す
白炎に焼き殺される
微熱に焼かれ雪風に止めを刺される
ルイズの失敗魔法でいきなり爆死
無能王、教皇の策に嵌り死亡
大尉に木っ端微塵にされる
幼女リップの魔弾で心臓を射抜かれる
油断からギーシュの青銅の杭が心臓にHit、いきなり死亡
ゾーリンに挽肉にされる

吸血鬼+ガンダールヴのチートが有っても考えない強キャラに過ぎないヤンには死亡フラグしか立たない気がする。

657 :マロン名無しさん:2009/04/02(木) 15:39:31 ID:???
やぁ〜っとヤンさんの時代が来たってのに、そんな鬱展開になるわけ無いだろ!

658 :マロン名無しさん:2009/04/02(木) 19:48:25 ID:???
>>655
そしてワイヤーで切断されてバレンタイン兄弟復活!!ですね。
わかります

659 :マロン名無しさん:2009/04/02(木) 22:11:29 ID:???
ヤン・バレンタイン復活!ヤン・バレンタイン復活!ヤン・バレンタイン復活!!

660 :マロン名無しさん:2009/04/03(金) 07:22:03 ID:???
完全に巻末の流れだなwww

661 :マロン名無しさん:2009/04/03(金) 13:56:24 ID:???
ということは、ロマリアやガリアにルークやオタク大隊が召喚され
テファが召喚する記すことすら憚られるは、主食がゲッペラーな人か……

662 :マロン名無しさん:2009/04/04(土) 13:08:54 ID:???
ルイズがヤンを召喚だと

ウェールズ=リップを召喚(刻まれるルーンは普通)
テファ=ワンワン大尉を召喚、昼寝の時に孤児達と大尉をモフモフする
ジョゼフ=シュレを始めとする大隊(技能部含む)を召喚
アンアン=ドクを召喚、アンアンはルイズ達を使いハルケに戦乱を巻き起こす事を計画する
教皇=マクスウェルを召喚
イザベラ=アーカードを召喚、シャルル派の残党を倒し一皮剥ける
・・・誰と当たっても死亡フラグです。

663 :マロン名無しさん:2009/04/04(土) 15:21:36 ID:???
ドクを召喚した人物の中身が少佐になるってのは何なんだろうなw

664 :マロン名無しさん:2009/04/05(日) 17:04:22 ID:???
10巻の片手に持った小型ナイフで無造作に首掻き切るのを見る限り
シュレって身体能力人外なのな
博士に弄られたのかね

665 :マロン名無しさん:2009/04/05(日) 18:04:29 ID:???
完全に切断しきってたし、筋力は確実に人外かと
死なないのをいい事に、最初期のグールから一歩進んだ程度の
吸血鬼施術を施されまくるモルモットだったとか

666 :マロン名無しさん:2009/04/05(日) 21:03:48 ID:???
最後の最後で使った武器が
「忠誠こそ我が誇り」文字ナイフとは
中々示唆的ではあった

667 :マロン名無しさん:2009/04/05(日) 22:41:10 ID:???
シュレがあのナイフ持ってたってことは、シュレは少佐と同じくらい生きてることになるのか。

668 :マロン名無しさん:2009/04/05(日) 23:23:15 ID:???
シュレは歌上手そう
一人の時かよっぽど警戒感抱かない相手にしか聞かせなさそうだけど

669 :マロン名無しさん:2009/04/05(日) 23:32:24 ID:???
やばい軍歌かと思いきや案外童謡だったりするんだな

670 :マロン名無しさん:2009/04/05(日) 23:47:01 ID:???
アニソン(電波系)を熱唱するドク、少佐、ヤンとそれに合わせてラップを踏む大尉にドン引きのシュレか。

671 :マロン名無しさん:2009/04/05(日) 23:51:14 ID:???
少佐「責められ!弄られ!やめてやめてアッハ〜ン!!」

672 :マロン名無しさん:2009/04/06(月) 01:10:41 ID:???
信じられねぇくらいのダミ声で歌ったりしてなww

673 :ルイズとヤンの人情紙吹雪2:2009/04/06(月) 14:43:22 ID:???
続きを書いてみた
投下します

674 :ルイズとヤンの人情紙吹雪2:2009/04/06(月) 14:44:30 ID:???
「ヒューーーッ なんだここ?  スゲー広(ひれ)ーー 宮殿かよ? バカみてーだな まさにブルジョワジィってか?」
ヤンはルイズに連れられて女子寮に来ていた。
ヤンは感心を通り越して呆れていた。
「バカってどういゆことよ! あんたの方がよっぽどバカっぽいわよ! さっきからちょっとは静かにできないの!? 恥ずかしいじゃない田舎モン!」
ヤンは先程からこの調子で、ちんたら歩きながら感嘆の声をあげていた。
しかもその声がやたらデカくてオーバーリアクションなのだ。
ヤンの服装も手伝って、悪い意味で目立ちまくっていた。
すれ違う生徒達がくすくす笑っている様な気がした。
「もーっ なんなのよ、さっきから! 全然人の言うこと聞かないし! 私まで恥かくのにぃーーッ! ほら、はやくきなさいよ 馬鹿犬!」
ルイズはヤンの左手を掴むと、顔を赤くしながら引っ張った。
ヤンは「へいへい」と呟きながらルイズに引っ張られるままになっていた。

「ここがオマエの部屋ァッ!? オメェ一人でこの部屋!? マージーでッ!? 許しがてぇぇぇ!」
こんなガキのうちから贅沢したらろくな人間にならネェ!
ヤンは憤慨した。
人が空を飛ぶほうがまだ許せる気がした。
もっとも、ヤンみたいな人間(吸血鬼だが)もいるので贅沢は関係無いかもしれない。
「ふふん そうよ。 驚いた? 私がどれだけ高貴な人間か理解できたみたいね?」
ぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりーーー。ヤンの歯軋りが聞こえる。理不尽だー理不尽だーと小声で呪詛の言葉を吐いている。
「ちょっと落ち着きなさいよ あんた私の使い魔なんだからね! さっきみたいなのもヤメテ! 使い魔の恥は私の恥なのよ!!」
その言葉にヤンは、あーそーだったと冷静になる。
「………その『使い魔』ってのは何なんだ? さっきも契約とか儀式とか言ってたよなー?」
ルイズはまるでカワイそうなモノを見るような目をしてヤンを見やった。
「あんたそんなことも知らないの? ……うぅ〜〜〜〜まさかこんなド田舎の平民を呼んじゃうなんて……はぁ。 まぁいいわ! 説明してあげるから、キタナイ耳の穴キレイにしてよーく聞きなさい!!」
サラっとさっき言われたことを言い返してやった。ふんッ。


675 :ルイズとヤンの人情紙吹雪2:2009/04/06(月) 14:45:14 ID:???
「あんたは私に召喚されて契約したの。 晴れて使い魔になれたのよ。 ヴァリエール公爵家三女たるこの私の使い魔になれるなんてとっっっっっても名誉なことなのよ!」
ありがたく思いなさい!というのが言外にありありだった。
「契約ってのはイツしたんだよ。 俺した覚えねーぞーーー?」
そう言われてルイズは廊下の時よりも顔を赤くしてしどろもどろになった。
「そ、それは…………その…えと…………………キ、キスよ……。」
ルイズは小声で(特にキスの部分)答える。
「エッ? なになに? よく聞こえねーーーもー1回言って。」
「…ッ! だ、だから………うぅ〜……………キ、キキキキキキキキキスしたでしょって言ってるのよ!!」
『キス』というと、召喚した時のことが思い出される。脳ミソが沸騰しそうだった。
「へぇーー キスで契約ゥーーーー? メルヘンだなァー まぁそんなことでゴダゴダ言わねーよ俺ァ別に。 次行こう、次! ココはどこだァ? 召喚ってどーゆーこった?」
ルイズはキスなんてありました?って顔をしているヤンに無性に腹が立った。
「う〜〜〜〜〜〜ッなによ! ちょっとはアンタも恥ずかしがったりしなさいよ! 悪いとは思わないの!? あ、ああああんなししししし舌まで入れておいてナンでそんな冷静なのよッ!!」
「あーーにぎやかな女だなー んなことよりサッサと説明しろって。 ほれ次次次 話進めろ。」
ヤンは既に完全にその話題への興味を失っているようだ。
「く〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ ぬ、ぬ、ぬ、ぬぅ〜〜! ………ま、まぁいいわ! アンタなんて所詮使い魔だし、犬に噛まれたのと同じなんだからッ!」
捨て台詞じみた言葉しかルイズからは出てこなかった。


ルイズの説明を一通り聞いたヤンだったが、天を見上げて嘆息した。
「マジかよ… まじでファンタジーなのかよ… 信じられねェーー三文小説みてーな話だな 笑えるぜェ〜〜〜ヒャハハハハハッ」
ヤンの笑いを見てルイズはムッとする。
「人が丁寧に説明してやったのに何よ! ちっとも笑える話じゃないでしょ!?」
「いやいや笑えるぜ? コレはよォーー だってココ俺の世界と違うもン。」
「へ?」
ルイズはヤンの突然の発言に目を丸くする。


676 :ルイズとヤンの人情紙吹雪2:2009/04/06(月) 14:47:20 ID:???
「僕様チャンの世界には魔法なんてありはしまチェェェン。 まぁ似たようなモンを使えるヤツは少しいるみてぇだが、一般的じゃねーから。 ……しかも『あれ』だ。」
ヤンはそういって窓の向こう、薄暗くなった空を指す。
指が示した先には『月』が『二つ』浮かんでいた。
「月がどーしたのよ?」
双月。ルイズにとっては当たり前の風景だった。
「僕チンのワールドではお月様は一つなのですよ これマジホント。 つまりここは異世界ってわけだ オーマイガッ。 じゃなきゃよっぽどラッピーなドラッグキメてタリラリホーってとこだな。」
ヤンの発言にルイズはポカーンとしている。
冗談にしても質が悪い。全然おもしろくもない。
「……あんたねぇ もうちょっとマシな嘘言いなさいよ。 田舎者って思われるのがそんなに嫌なの? 本当にそう思ってるなら最初から言いなさい 二度と言わないわ。」
誰だって言われたくないコトはある。ルイズはそれを誰よりも知っているからヤンに対しても少しは気を使ってやろうか、という気持ちになる。
「チゲーよ マジだ、マジ。 ハルケギニアもトリステインも聞ーたことねーよ。 まぁ俺にとっちゃぁ異世界だろーがナンだろーがどうでもいいことでよォ。 
どうやらオメェのおかげで生き返ったみたいだからさァ 使い魔ってヤツ? ヤってやってもいいぜ なにすりゃいいんだ?」
ヤンは深く考えない性格。そして今、ヤンは気分が良かった。
死んだと思ったが召喚とやらのお陰で自分は間違いなく生きている。
異世界にいるという衝撃など二の次だった。
学校などというヌルま湯に浸かった世界は、ヤンにとっては刺激が足りないように見える。
しかしこの学院の女共は大分レベルが高い(召喚時と廊下で騒いだ時、チェック済み)。ルイズも胸と性格以外はかなりイケてる。
行く当ても無いしここで女をクッて過ごすのも悪くは無い。
その為にも『ルイズの使い魔』というポジションは有効だ。そのついでにチョットだけ借りを返してやるか。
ヤンはそう考えていた。


677 :ルイズとヤンの人情紙吹雪2:2009/04/06(月) 14:48:25 ID:???
「や、やってやってもいいって違うでしょ!? やらないといけないの! 義務なのよ、ギ・ム!」
やっぱりこの男に気を使う必要は無い!
「はーいはいはいはい……わかったわかった… ヤラセていただきます、ヤラセていただきますヨ『ル・イ・ズ・さ・ま』。 コレでよーございマスかァ?」
絶対バカにしている。ルイズは思ったがグッとこらえた。
いちいちヤンにつっかかったら話がまったく進まぬうちに一日が終わってしまう。ルイズは少し大人になった。
「……使い魔の仕事は主に3つよ。 1つ目は主と感覚を共有しその手足となること。」
「感覚のキョウユウぅ? なんだそりゃ つまり俺がナニすりゃオメェも感じチャうノぉ〜んってこと? ヒャハハハハハ!」
よくは分からないが、ヨロシクないことを言っているのであろうことはルイズにも想像できた。華麗にスルー。
「……アンタが見たものや聞こえたものが私にも見えたりするってことよ。 でも何も見えないし聞こえない……。」
「まぁ俺みたいのって初なんダロ? だからかは知んねーけどさー デキねェもんはしょーがねーなー アキらめろ。」
そう、そうだ。コイツだから駄目なんだ。メイジを見るには使い魔から、とか言うけど忘れることにした。全部ヤンのせい。うん、私ダメじゃない。
「2つ目は秘薬とか鉱石とか…主人が望むものを探すことよ。」
「無理 パス。」
ソッコーで断られた。
「はやッ! な、なんでよ!?」
「できるわけねぇだろー 召喚されたてだぜ俺 ここの知識ゼロkgだかンな。」
ルイズは『ゼロ』のところで一瞬ピクッとなり不満そうな顔をする。
「………3つ目…これが一番重要なんだけど…主の身を一生守り続けること。 ……まさかコレも無理なんて言わないわよね?」
なかなか鋭い目でヤンを睨みつけている。
「オーイエーー! それそれ そーゆーの待ってたんすよォ ようは敵を全員ぶっ殺してやりャあイイわけだ 楽勝楽勝♪ んで敵はどこにいんだぁ? 数は?」
ヤンはオモチャを見つけた子どものように目を輝かす。
すぐに部屋を飛び出したい、そう思っているんだなと一目でわかるぐらいソワソワし始める。
「ちょ、ちょっと物騒なこと言わないでよ! 敵なんていないわよ!! もしも敵とか危険なことがあったら、その時私を守ればいいの!」


678 :ルイズとヤンの人情紙吹雪2:2009/04/06(月) 14:49:14 ID:???
「えーーーーーーーなんだそりゃーーつまんねーーー やっぱバトルは攻めだぜ? わかってねーーなーーー。」
肩をガックシ落としてあからさまに悲しむ。
「……とにかく、それだけ戦いたがるってことはヤンは強いってことでいいのよね?」
「まーかせとけって そこらの雑魚には負けねーよ? 俺様無敵だからネ。」
訝しげな目をヤンに向ける。……うそ臭い……と、ルイズは思った。
「はぁ…もういい… 今日は疲れたから寝る…」
本当に疲れた顔をしながら深いため息をつく。
「そーか じゃあ俺はちょっとぶらついて来るからよ じゃーーーな。」
ヤンはそう言いながら扉に向かって行く。
それを見たルイズは慌てて止める。
「だ、だめよ! アンタも今日は寝なさい! もう外も暗いんだし夜出歩くとアンタなんて完全に不審者なんだから! ここは貴族の子弟の学校だから警備も厳しいのよ!!」
出会ったばかりだがヤンの言動を見ていると、目を離すとトンデモナイことになりそうな気がした。
「オメェーの使い魔だから平気だろ? 俺は。」
「ダメッたらダメ! アンタが問題起こしたら私の恥になるって言ってるでしょ!」
またソレか。ため息をついて呆れるヤン。
「チッ わーったよ 寝ますよ寝ますー。 で? 俺はどこに寝んだ? ベッドは一つみてーだけどソコで寝ていいわけ?」
「ここは私のベッドなの! アンタが寝ていいわけないでしょ! アンタはそこ!!」
ズビシッ!と指をさす。
「? どーみても床だぜ?」
「藁もあるじゃない。」
「………」

679 :ルイズとヤンの人情紙吹雪2:2009/04/06(月) 14:50:14 ID:???
やった!動揺してるわ!今こそ使い魔の立場を理解させるチャンスよ!
「そうね…それだけじゃかわいそうだからコレ、使ってもいいわよ。」
勝ち誇った顔をしながらルイズは薄っぺらい毛布を差し出す。
藁も毛布も、人間ではない普通の使い魔のために用意しておいたものだ。
人間に対してはちょっと気の毒かもしれないが、コイツにはこれでお灸を据えることができるかもしれない。
「あ あと明日から洗濯とか水汲みとか、私の身の回りのこと全部やらすから。 それじゃオヤスミ。」
言うやいなや暖かそうな毛布に顔をうずめる。
「………」
ヤンは黙っている。
「……マジかよ……兄ちゃ〜ん、どうにかしてくれよ……」
ヤンはボソリと、今は亡き兄に助けを求めた。
ワンちゃん……。
犬を抱きしめ呟く兄が見えた気がしたが、気のせいだと思うことにした。
しばらくは大人しくしてやる。
そう思っていたヤンであったが、早くも挫けそうだった。



つづく…と、思う


680 :ルイズとヤンの人情紙吹雪2:2009/04/06(月) 14:51:39 ID:???
とりあえず以上です
これだけにドンだけ時間かけてんだ俺orz
お目汚しでした

681 :マロン名無しさん:2009/04/06(月) 16:57:31 ID:???
ヤンはビシっと決めてくれるはず!散り際がカッコ良かったんだから大丈夫なはず
人情の人GJっした!

682 :マロン名無しさん:2009/04/06(月) 17:01:02 ID:???
ルークは准尉だったけど、ヤンの階級って何なのでしょう?
今回は巻末の雰囲気がヒシヒシ伝わってきます。
元の世界で焼かれてリタイヤしたヤンにとってはこの世界は巻末みたいな物なのでしょう、乙です。

683 :マロン名無しさん:2009/04/06(月) 20:47:49 ID:???
巻末のヤン、て事は実は相当チートキャラじゃね?
ともあれ乙!

684 :マロン名無しさん:2009/04/06(月) 21:09:03 ID:???
バレンタイン兄弟はたしか准尉のはず

685 :マロン名無しさん:2009/04/06(月) 22:20:48 ID:???
ギャグ世界の住人は何してもOKずるして無敵モードで最高に勃k(ry

ヤンの階級は准尉より下の曹長か軍曹あたりですかね
ちなみに漫画の2巻で実際に名乗ってるのは「ヘルシングブッ殺し大軍団長」

686 :マロン名無しさん:2009/04/07(火) 00:10:00 ID:???
軍団を指揮する人ってことは、将軍?

687 :マロン名無しさん:2009/04/07(火) 01:07:22 ID:???
>>685
ギャグモードは不死身で無敵だが殺傷力もゼロになる。

688 :ルイズとヤンの人情紙吹雪3:2009/04/07(火) 03:07:48 ID:???
うわーい
続きが書けたー
今回ははやかったぞー
投下します

689 :ルイズとヤンの人情紙吹雪3:2009/04/07(火) 03:09:40 ID:???
チュンチュン。
スズメが鳴いているー。
朝だ。すがすがしい朝だーー。
夜寝て朝起きるなんて、何て健康的な吸血鬼なんだ俺。
朝日射し込む窓の前で伸びをするぜ。
朝日なんてへっちゃらだぜ。
こー見えてもヴェアヴォルフの端くれだからな。
太陽と水ぐらいは効きません。燃えたら死にますけどね。
なんて丈夫な体なんだ。
藁のベッドで寝ても全然だいじょーぶー。
Fuck!ルイズのヤローー!藁に人寝かすかよフツー!
可愛いツラして寝やがって。犯すぞコラ。ホッペつんつんするぞコラーーッ!
つんつん。ぷにぷに。
つんつん。ぷにぷに。
「うぅ〜……………」
……。
おー起きない起きない。アブねーアブねー。
チラッ。
……。
洗濯の山、か。
昨日ルイズは洗濯しろって言ってました。
やるわけがありません。本当にありがとうございました。
……。
スヤスヤ……スピースピー……。
安らかに寝てやがるなー。
起こせとは……言われてネーな。
言われててもやりませんがね。ぷっ。
……。
………。
ひーーまーーだーーなーーー。

690 :ルイズとヤンの人情紙吹雪3:2009/04/07(火) 03:11:09 ID:???
……。
………。
決めた。起こします。
「ルイズちゃーーん、起きなさーーーい あーーさーーでーーすーーよーー。」
つんつん。ぷにぷに。
つんつん。ぷにぷに。
「………うぅ〜ん…… クックベリ〜パイ〜……もう食べれないぃ〜……ムニャムニャ…」
コイツ……本当にコンナ寝言、言うヤツ初めて見た。
「おーーーきーーーろっての! 起きねーと犯しますよーーーー?」
ぐぅにぐぅに。むにーむにー。
おお、ホッペタ伸びるねー。
ぐぅにぐぅに。むにーむにー。
おほ、おもしれー。
ぐぅにぐぅに。むにーむにー。
「うぅ…むひゃ……う〜……うにゅ……」
……。
まだ起きねーとは。結構強めに抓ってるはずだが…。
なかなかヤルじゃねーのルイズ。
けど僕はヒマなんデス。
「起ぉきろ、コラァァァーーーーッ! ヴァンパイアの俺様がスカッと爽やかに起きてんだからテメェも起きやがれェェェェ!!」
ぶわっ。
毛布を剥ぐ。
ぐぅぅぅぅにぃぃぃぃぃッ。
ホッペを持ってハンキングツリー。
「ふわぁ!? あひゃひゃひゃひゃ! ひゃにごとぉ!? い、いひゃ、いひゃいぃぃ! あ、あんひゃいっひゃいひゃんひゃんひゃひょぉ!?(意訳 : 何事ですか?痛いです。あなた、一体何なんですか?)」
「朝です コンニチワ。 親切にご主人様を起こしてやっている使い魔のヤン提督です。 好きなものは各個撃破 あと紅茶。 じゃなかったヤン・バレンタインですだヨ。」
パッ。ドサッ。
手を離されベッドに自由落下するルイズ。
痛む頬を押さえて涙目でヤンを睨む。
「わ、わかってるわよ! お、おおお覚えてたわよ? つ、使い魔のヤン・バレンタインでしょ?」

691 :ルイズとヤンの人情紙吹雪3:2009/04/07(火) 03:12:21 ID:???
「そーそー おはよーー 今日も一日元気にいこーぜー。」
さらに眼光をするどくさせヤンを睨む。
「き、昨日言い忘れてたのに起こしたのはえらかったわ。 で、でもね! もうちょっと優しく丁寧に起こしなさいよ!! すっごい痛かったでしょ!!」
ルイズはまだ頬をさすっている。
「……わーかったよ 優しく起こせばイーんだな 優しく。」
言うやいなや、ヤンはルイズの両肩を掴む。ヤンの顔がルイズの顔に急接近して、そして……。
「ッ!?」
ヤンはキスをした。
召喚されたときのようなヤツ。
すなわちディープ。
「ん、んぐぅ!!? ん、ん〜! んぅ…! …んん!」
起きたてで、しかも不意をつかれたルイズは茫然自失になった。
何が起きているのかも理解できず、目を白黒させながらもがいている。
そうこうしている内にまたもやルイズの口腔をヤンの舌が縦横無尽に暴れまわっている。
「ん〜〜ッ! ん、んぅ、んッ! ハァ…ん! ふわぁ…ん、ん〜……ッん!」
あの時のような激しいが、どこか優しくて憎めない。
そして拒めない。
爽やかな朝日が射し込む広い部屋に、淫靡な水音が響く。
やがてヤンの舌が引き抜かれて、唇が銀糸を細くしながら離れていく。
ルイズの口からは、どちらかの唾液がツゥっと一筋流れていた。
ルイズは息荒く、ベッドの上にペタンっと座り込んでいる。頬には朱がさし、見る人が見たら準備OKなのかそれとも終わった後なのか、といったところである。
「こんな感じ?」
痛くなかったろ〜ひっひっひ?などと言いながらヤンは口の端を吊り上げる。
だんだんとルイズは思考を取り戻していく。
そして今起きたことことを考える。
……。
………。
い、今……。
い、いいいいいいいい今コイツなななななな何を!?
し、し、舌?ベロ?タン?なにが?なにを?え?

692 :ルイズとヤンの人情紙吹雪3:2009/04/07(火) 03:13:42 ID:???
………………。
キ、キキキキキキキキキキスッ!?二度目!?
わ、私…私……う、うわ…うわわわわわわわわわわわわ!?
「こ、ここここここここここの馬鹿犬ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅッ!!!!!」
ルイズは叫び、立てかけてあった杖を引っ掴むとヤンに向かって振り下ろす。
一連の動きは速かった。
本当に速かった。

ドゴーーーーーン!

パンツァーファウストをぶち込んだような音が響いた。
Amen(エイメン)、ヤン。



ヤンは洗濯籠を持ってウロウロしていた。
ルイズに黒焦げにされた後、洗濯物を持たされて部屋を追い出された。
染み一つ無く完璧に洗い上げるまで帰ってくるな、との命令が下されたのだ。
洗濯ったってよ。どーすりゃいいんだよ。どこでやりゃいいんですか。
…………。
…………。
ボ  わたしはーーーーーーー♪なあんでーーーーーーーこのようなーーーーー 
エ  つらーーーーいつとめをーーーーーーせにゃならぬーーーーーーーーー♪
|  昼にしおれてーーーーーーー♪夜になくーーーーーーーーーーーーーーー
|  用がすんだらまわれみぎーーーーー♪ーーーーーーーーーーーーーー♪
|  ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ
ヤンは不気味な歌を歌った!
ヤンはふて腐れて転がった!
洗濯物は盛大に飛び散った!

「あ、あの…… 大丈夫ですか……?」

693 :ルイズとヤンの人情紙吹雪3:2009/04/07(火) 03:16:23 ID:???
声を掛けられた。
声は少し震えていた。怯えているようだ。
無理も無い。地面を転がっている成人男性がいたら恐い。
しかも変な歌も歌っている。
むしろ声をかけるこの少女の勇気は賞賛ものだ。
ヤンは転がるのをやめ、のっそり起き上がり少女を見る。
黒髪で…この格好はメイドだな!少佐が好きそうだ。
美人だな。うん。お近づきになろう!
だがやはりちょっとビクビクしている。仕方ないね。
「おーー ちょっと聞きたいんだけどさー 洗濯ってどこですればイイんですかね? 僕こっち来たばっかで全然わからないんですよーー。」
ヤンは人懐っこい笑顔でケラケラ笑ってイイ人アピールをする。
その笑顔に少女は少しだけ安心したようだった。
「あ、ああ そうだったんですか? それなら私もこれから行くところですからご案内いたしますよ?」
「マジッすかー ありがとーございます いやー冷たいご主人様に『アンタはコレ洗ってきなさい!』ってだけ言われて追い出されてー困ってたトコなんですよーー。」
へらへら笑うヤン。
「え? ご主人様って…… あなたひょっとしてミス・ヴァリエールに召喚されたっていう平民の……?」
「おッ よく知ってんなー そーなんすよ。 僕使い魔のヤン・バレンタイン よろしくぅーーー。」
ズパッと手を差し出すヤン。
「申し遅れました。 わたくしトリステイン魔法学院でメイドをやっておりますシエスタと申します。 よろしくお願いいたしますね ヤンさん。」
籠を置き、差し出された手を握るとニコッと笑う。
清楚だねーーー。ルイズも見習えっての。ついでに胸もな。
「あの……ここでゴロゴロ転がるのは今後はやめておいた方がいいですよ? その…不審者と間違われて貴族に目をつけられるかもしれませんし……。」
「わかったーー もーしませーーん ありがとーー。」
シエスタはヤンに注意を促しつつ、散乱している洗濯物を集めてヤンの籠に入れてやる。

694 :ルイズとヤンの人情紙吹雪3:2009/04/07(火) 03:17:46 ID:???
「わーーーい ありがとーー シエスタちょーー良い人ーーー かわいいーー おぱーいもでかーくてイイ感じーーー。」
ヤンは不思議な動きをしながらシエスタに感謝を述べた。おっぱいも褒めた。
「え、ええッ!? ちょ、ちょっとヤンさん!? イキナリなにをおっしゃるんですか!?」
シエスタは顔を真っ赤にしながらシドロモドロになる。
セクハラまがいの発言だったが、不思議とそこまで嫌ではなかった。
「ほ、ほら 行きますよ! 早く洗わないと、そんな時間もないんですから!」
シエスタは籠を持って小走りで駆けてゆく。
イー感じー。
そんなことを思いながら、ヤンも後を追うのだった。


シエスタの助力を得て(というより全部任せてきた)洗濯を終わらせたヤンはルイズの部屋に戻ってきた。
扉をノックする。
「ルイズやーー ヤンだよーーー おまえの使い魔だよーーー 開けろーーーー。」
ドーンドーン。
……。
返事がない。
まさか二度寝してんじゃなかろうな?思いながら再びノック。
ドンドンドン。
「ルーーーーイズ。 使い魔だよーーーー お前の使い魔のヤンだよーーーーー 今帰ったよーーーーー 開けておくれーーーーーー。」
もういっちょ!ドンドンドン。
ガチャッ!
「うるっっっさいわね! 聞こえてるわよ!」
扉を乱暴に開け、凄い剣幕で出てきた。
「聞こえてんなら返事くらいしろって。 しかもなんだその出迎え方。 わかってねーなー そこはナカモトコウジを見習えっての!」
「誰よそれ! 知らないわよ!」

695 :ルイズとヤンの人情紙吹雪3:2009/04/07(火) 03:19:11 ID:???
「テメェーー ナカモトコウジを知らネェのか! 異国の伝説的コメディアンだぜ? ドリフの『間』と『リアクション』は覚えておいて損はねー 王道だからな 勉強しておけ。」
「だから知らないって言ってるでしょ! もう!」
「チィッ! 兄貴ならこんな時、完全な返しをするのによォーーーーー。」
「うるさいうるさいうるさいッ! もう朝食の時間になっちゃうでしょ!! 遅れたらアンタのせいだからね!」
「うるさいのはアンタでしょ ヴァリエール。」
ヤンの声ではない。もちろんルイズのものでもない。
二人は声の方を向く。
そこには少女が立っていた。
赤髪、褐色の肌、背も高い。
そして何よりおっぱい!
服に収まりきりません、と言わんばかりの胸!
グラマラス!
さっきのメイドよりも上回っている!
ルイズは顔をしかめ、ヤンは顔を輝かす。
「お、おはよう ツェルプストー。 ……何の用かしら?」
ルイズは攻撃的な空気を纏う。
「おはよう ヴァリエール。 何の用ってあなたがそれを言うのかしら? 朝っぱらから廊下でぎゃーぎゃー騒がないで下さる? みんなの迷惑ってヤツを考えられないの?」
赤髪の少女は余裕な対応。言っていることも正論だ。
ルイズは口篭って言い返せない。
確かに自分はうるさかった。
でもそれはこのバカな使い魔のせいなんだもん……。
そう思っても、心の底では自分の非を認めていた。
そのルイズの様子を見た、グラマラス赤毛少女は勝ち誇った顔をする。
しかしその顔は嫌味ったらしいバカにした表情ではなく、妹を見る姉のような…そんな優しい感じの表情だった。

696 :ルイズとヤンの人情紙吹雪3:2009/04/07(火) 03:22:21 ID:???
ヤンは、あーこいつイイーヤツなのか と思った。
「でも…本当に平民を召喚するなんてね。 あなたってオモシロイ人って思ってたけど予想以上だったわよ これは。 さすがねヴァリエール ふふふふふ」
言われたルイズは歯軋りして睨みつけいる。言い返せないらしい。
ボインおっぱい少女はヤンを一瞥する。
「ふふ はじめまして使い魔サン。 私の名はキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー。 キュルケって呼んでくださって結構よ。」
「ヤン・バレンタインだ。 いやーーしかし俺はツイテるな こんなカワイコちゃんと知り合いになれるとはよォーーヒャハ! ヨロシクなキュルケ。」
「あら? 正直な人ね……顔もなかなかハンサムさんだし、良かったらゆっくりワインでもどうかしら 美味しいのがあるのよ……」
「ほーー いいねーーー 俺も是非頂きたいぜェー なんなら今すg「ちょっと待ちなさぁーーーーーーーいッ!!!!」
恋の駆け引きタイムに突入しかけた二人を、ルイズが盛大に止める。
「あ、あんたねツェルプストー!! 人の使い魔に色目を使わないでちょうだい! ア、アンタもよ ヤンッ! なに鼻の下伸ばしてんのよ馬鹿犬!!」
ガルルッと今にも噛み付きそうにキュルケを睨みつける。
「あらあら こわいわ〜 会話にねじ込んで来るなんて無粋ねヴァリエール。 でもヤンもいいけどやっぱ使い魔はこーゆーのがいいわよね〜。 フレイムーー。」
キュルケの後ろから大きなトカゲらしき生き物がキュルキュルと喉を鳴らしながら歩いてくる。
尻尾には炎が揺らめいている。
ヤンはヒューーッと口笛を吹く。
こんな化物(ミディアン)が堂々といるとはな。さすが異世界ってとこだな。
「驚いた? 見なさいこの尻尾! 火竜山脈に住むサラマンダーよ 火竜山脈よ火竜山脈! 普通のサラマンダーとは質が違うわよ おほほほほほほ! ほらフレイム 挨拶なさい。」
トラほどの体躯をもつフレイムはノシノシとルイズとヤンに近づいてくる。
だが少し近づいたところでフレイムはピタッと止まってしまった。
「? フレイム?」

697 :ルイズとヤンの人情紙吹雪3:2009/04/07(火) 04:28:02 ID:???
キュルケは急にフリーズしてしまったフレイムを見る。
さらに近づくよう促すがフレイムは動かない。
「あら〜〜 ミス・ツェルプストー あなた自分の使い魔なのに懐かれて無いみたいねぇ。 全然命令聞かないじゃない!」
ルイズが今まで歯軋りして耐えているだけだったが、フレイムの様子を見て急に元気を取り戻した。
キュルケは不安になっていた。ルイズに言われたからではない。
フレイムの様子がおかしい。何かを警戒しているみたいに見えた。
何かって……ヤン……ってことは無い…わよね?
フレイムは怯えて動けないでいた。
最初は多少の違和感を感じるくらいだったが、近づいた今ならわかる。
目の前の男は人間じゃない。
異質な存在。
そして自分では絶対に勝てない。
それがわかる。
このへらへらした男がその気になったら、自分の首など一瞬で胴とおさらばするに違いなかった。
引くことも進むことも出来なくなってしまったフレイムを見て、ヤンはニィッと笑う。
「よォー なんだよ そんなに怯えるこたぁネェだろ? 大丈夫だよ 暴れる気はねーからよーーー 俺はオメェの敵じゃあねぇよ? 化物同士仲良くしようぜ フレイムちゃん♪」
ヤンはフレイムの耳元にボソッと呟く。
撫でられるとフレイムはキュルキュル言いながらすごすごとキュルケの後ろに下がって行った。

698 :ルイズとヤンの人情紙吹雪3:2009/04/07(火) 04:28:42 ID:???
「ど、どうしちゃったのよフレイム。」
フレイムの体調が悪いのかしら、とキュルケの不安はますます大きくなる。
「じゃ、じゃあね ヴァリエール、ヤン。 私もう行くわ。」
フレイムを連れてキュルケは早足で退散していった。
ヤンが撫でたらフレイムが逃げるように後ずさった。
ルイズは何だか知らないが勝った気がした。
「ヤン。 あんたフレイムに何かしたの?」
「いーや何も 仲良くしようぜって言っただけだ。 …ククククク……まぁヤツが『よくわかってる』ってことだろォ?」
ニィィィィイ。ヤンは嗤う。
何をわかっているってゆうのよ、ルイズは聞こうと思ったが時間が結構ヤバイことになっていることに気がついた。
「わ、わわ! 朝食の時間が! い、急ぐわよヤン!」
へーいへい。
ヤンはいつもの様に気だるそうにへらへらと答えてルイズと駆け出した。



つづく

699 :ルイズとヤンの人情紙吹雪3:2009/04/07(火) 04:30:31 ID:???
以上です
猿くらいましたorz
駄文失礼しました

700 :マロン名無しさん:2009/04/07(火) 06:56:25 ID:???
やったー!流石はヤン
ルイズも巻き込む人情空間wこいつぁこの先楽しみでたまんないぜ
人情の人GJでした

701 :マロン名無しさん:2009/04/07(火) 14:23:07 ID:???
このヤン巻末7割、作中3割だ

702 :マロン名無しさん:2009/04/07(火) 14:26:26 ID:???
カバー裏要素が入ったらパワーバランスが崩壊するしな

703 :マロン名無しさん:2009/04/07(火) 17:41:49 ID:???
今更ながら今月のヤンキンのヒラコーのインタビューワロタww

704 :マロン名無しさん:2009/04/10(金) 08:24:28 ID:???
まだ生きてる…

705 :マロン名無しさん:2009/04/11(土) 13:11:12 ID:???
ぱふのインタビューは良かったなぁ

706 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/04/11(土) 20:48:43 ID:???
どうも、投下します。

707 :ゼロのロリカード-32:2009/04/11(土) 20:49:55 ID:???
 その者は眼鏡をかけた大柄な男だった。
くるぶしまで届くコートを羽織り、胸元には十字がぶら下がっている。
金色の短髪。俄かに顎鬚を生やし、顎下左から頬にかけて大きな傷痕が目立っていた。

 男は少女エマに先導されてついていく。
なんでも・・・・・・ジャックとジムが喧嘩しているので、それを止めて欲しいということであった。

「コラーーーッ、2人ともやめなさ〜〜〜いッ」
二人の姿を確認し、言葉だけで窘める。
まだ小さい子供なので、叩き叩かれるのもちょっと小突き合いしている程度に過ぎない。

 男の言葉に、すぐに二人は喧嘩をやめる。
「いったいどうしたというのです」
男はすぐに仲裁する為にその理由を聞く。

「ジムの奴が先に殴ったんだッ」
「ちがわいッ、ジャックが僕の本を・・・」
木々の隙間から差し込む陽光が、眼鏡に当たってキラリと光る。
「どんな理由があるにせよ、暴力を友達にふるうなんていけません!!」


「はァ〜い」
「神父さま、ゴメンなさい」           バケモノ
「いいですか?暴力を振るって良い相手は、悪魔共と異教徒どもだけです」

 ジャックとジムは素直に謝り、男は自分を呼んだエマの頭を撫でた。
「ありがとう、神父さま!」
そう言うとエマはジャックやジムと共に走って行く。

 男は踵を返して歩きながら一人ごちる。
(この世界から見れば・・・・・・俺のほうが異教徒なのだろうがな)
 

708 :ゼロのロリカード-32:2009/04/11(土) 20:51:09 ID:???
 



「おかえりなさい、アンデルセン神父。早かったですね」
光に照らされ美しく輝く、流れるような金髪。やや童顔の入るも端正な顔立ち。
まるで妖精のような娘は、普通の人間とは異なる部分が二つある。

 まず尖った耳。人間とエルフの間から生まれたハーフエルフの少女。
しかし少女の身体的特徴を一つ挙げるならば、そんな瑣末な事よりもまず目にいくモノがある。
あらゆる男を魅了する、超弩級な胸。顔や他の部位とは不釣合いな、おっぱいをそなえていた。
少女の肢体のギャップは凄まじく、単にグラマーな女よりもそそられるものがある。

「ええ、ティファニア。あなたと同じで素直な子供たちですからね」
しかし親と子ほど離れた男、アンデルセンは魅了されることのない数少ない例外。
自分の娘に欲情する父親はいない。アンデルセンがティファニアを見る目は、正にそれと同じである。
同時にティファニアはアンデルセンを父親のように慕っている。
それは村の子供たち、ジャック、ジム、エマ、サム、サマンサにとっても同様である。

 実際に孤児院で働いていたアンデルセンは、子供たちの扱いは手馴れたもの。
温和で優しく、教養もあり、男手としても活躍する神父は、もう皆にとってかけがえのない家族であった。


 ロサイスとサウスゴータを結ぶ街道から、少しばかり外れた森の中にある小さな村、ウエストウッド。
村そのものが孤児院のようなもので、親をなくした子供を引き取り暮らしている。
アンデルセンがここにきてから、もう大分時間が経つ。

 今いるハルケギニアとは、全く別の世界。突然召喚されて、この世界へとやってきた。
元の世界で――――――自分は死んだ。宿敵アーカードと雌雄を決し、敗れたのだ。
『エレナの聖釘』を使い、神を肯定した化け物と成り果て、奇跡の残骸になるも負けた。
 

709 :ゼロのロリカード-32:2009/04/11(土) 20:52:15 ID:???
 死んでやってきた、この世界。
最初は地獄かとも思ったが、違った。
待っていたのは、慎ましく平和な生活。
少なくともこの小さな村の中は、闘争のない世界だ。

 前の世界で塵となる時。
声が聞こえた。童たちの声。皆が遊ぶ声がした。
もしかしたら・・・・・・自分はそれによって導かれたのかもしれない。
マクスウェルは――――――いなかった。そのかわりにいたのがこの子達である。


 この世界に来た時は相応に戸惑いもしたが、今はこの静かな村で、この素直な子供たちと共に生きたい。
かつての信仰心を忘れることはないが、無理に布教しようとも思わない。

 ただの銃剣でいい、神罰という名の銃剣でいい。
生まれながらに嵐ならば良かった。脅威ならば良かった。一つの炸薬ならば良かった。
心無く、涙も無い、ただの恐ろしい暴風なら良かった。
アンデルセンの中にある二面性。その狂気の部分は、今はもう奥底で眠っていた。


 イスカリオテは、ヘルシングは、ミレニアムは、ロンドンは、どうなったのだろうか。
ハインケルは、由美江は、由美子は、そしてアーカードは、どうなっているのだろうか。

 少し気にはなるが、村での静かな暮らしはアンデルセンに全てを忘れさせようとしていた。

「どうしたの?アンデルセン神父」
ティファニアの声でアンデルセンは我に返る。
「いえ、なんでもありません。少しだけぼーっとしてしまった」
アンデルセンは優しい・・・・・・とても優しい笑みを浮かべる。
ティファニアは安心したのか、アンデルセンに負けないくらいの笑顔で答えてくれた。

 

710 :ゼロのロリカード-32:2009/04/11(土) 20:53:25 ID:???
 
 ――――――その時だった。

 アンデルセンは弾かれたように振り向く。その・・・・・・方向に。
禍々しき空気が辺りを満たし、空間が歪んでいくような錯覚を覚える。
眼鏡の奥にある双眸が見開かれ、瞳孔が開き、心がブルブルと打ち震えた。
奥底で隠れていた筈の、深く眠りについていた筈のアンデルセンの狂気の側面が、滲み出すように表層へと顔を出す。
そしてアンデルセンは衝動のままにゆっくりと、歩き出した。

 ティファニアは首を傾げて、アンデルセンを見つめる。
次にアンデルセンの向く方向へと目をやった。

 木々の奥から、小柄なシルエットが歩いてくるのが確認できた。
しかし歩くにつれて、アンデルセンとの距離が詰まっていくにつれて、その形は変わっていく。
少女の肉体は青年の肉体に、帽子と服は白から赤に、黒い長髪も短くなっていく。

 尋常ではない雰囲気に、見えない圧力に、ティファニアは一歩、二歩、三歩と後ろへと下がった。
少女改め青年は背負っていた剣を鞘ごと無造作に投げ捨て、さらに歩を進める。


 近づく二人は唸るような声を上げ、握った拳を顔までもっていく。
――――――瞬間、何か巨大な・・・・・・とてつもなく巨大な物同士がぶつかった。
そんなような衝突音が、静謐を破壊し、森を、空気を、大地を揺らした。

 アンデルセンの拳が相手の顔面に、相手の拳がアンデルセンの水月へと叩き込まれたのである。
ビリビリと余韻を残し、二人は愛しい恋人と邂逅したかのように、互いの名前を叫んだ。
「アーカードォ!!!!!」
「アンデルセンッ!!!!!」
二度目の拳が交差し、またも轟音が響き渡る。
 

711 :ゼロのロリカード-32:2009/04/11(土) 20:54:28 ID:???
「まさかこんなところで会えるとはな!!我が宿敵!!!」
「AMEN!!!」
三度、拳が叩き込まれ二人は血を流しながら笑い合う。

 アンデルセンの見たことの無い表情。信じ難い光景。だがどこか幻想的でもあった。
度を越えた二つの狂気が織り成す、途方も無い非現実感がティファニアの心を虜にしていた。


 アンデルセンはどこからか、二本の銃剣を取り出して両逆手で構える。
対するアーカードは、無手。ただ手刀の形をとった右手は、研ぎ澄まされた刃のような鋭さを感じさせた。
二人は一転して音も無く睨み合う。

 ティファニアは呼吸ができなかった。
あまりの光景に一旦止まってしまい、この状況で息継ぎをしようものなら、それが戦闘開始の合図になりかねない。
そう、本能で理解していたのだった。

「テファ姉ちゃーーーん!神父さまーーー!」
「なんの音〜〜〜?」
「ティファニアお姉ちゃん!・・・・・・?誰この人〜?」
「神父さま!血が出てるよ?大丈夫?」
「ねぇねぇ、何があったの?」

 すると突然、叫びながら駆け寄ってきた子供たちがわいわいと騒ぎ立て始める。
ハッと気がついたティファニアがすぐにそれを制止しようとするが、先にアンデルセンが口を開く。
「興がそがれた」
「・・・・・・闘争の空気ではないな」

 アンデルセンは銃剣をしまい、アーカードは腕を下ろす。
「・・・・・・どの道、今の装備では殺しきれん」

 

712 :ゼロのロリカード-32:2009/04/11(土) 20:55:42 ID:???
 ともすると、子供の内の一人がアーカードへと近づく。
「なんだおまえー、悪者かー?」
およそ危機感とは無縁の中で生活してきた子供には、好奇心しかその心にはない。

 アーカードに近づく子もいれば、ティファニアの後ろから見ている子もいる。
無邪気にアンデルセンの体にひっついたり、流れ出る血を心配そうに見たりと、反応の様々な子供たち。
そんな様子を眺めてから、アーカードはアンデルセンを見やる。

「日和ったか、アンデルセン」
「フンッ」
アンデルセンは目を背け血を拭い、アーカードは子供の頭をわしゃわしゃと撫でた。
「ククッ・・・・・・俺も人の事は言えんがな」
アーカードは笑い、アンデルセンは「チッ」と舌打ちをした。

 ルイズ達と共に過ごしていると、やはりどうしても丸くなってしまう面が多々ある。
昔と違って吸血鬼を狩るような任務もないし、あるのはささやかな闘争のみ。
平穏に暮らす時間の方が遥かに長い。


「あの・・・・・・お二人はお知り合いなのですか?」
ティファニアが恐る恐る口を開く。

「親友みたいなもの、だよね?」
帰ってきた答えは、アンデルセンでもアーカードでもない。
当然ティファニアや子供たちでもなかった。


 その言葉を発したのは上空から降り立った、猫耳の少年であった。
続いてもう一人の男が、少女を抱えて落ちてきた。
華麗に着地した少年と違って、男の方は地面を豪快に粉砕して着地する。
抱えていた桃色髪の少女を降ろすと、アーカードとアンデルセンを見据えた。
視線をそのままに、男はアーカードとアンデルセンへと近づいていく。

713 :ゼロのロリカード-32:2009/04/11(土) 20:57:14 ID:???
 
 アーカードは一瞬その妙な取り合わせと、何故ここにいるのかという疑問が湧く。
が、近づく男の気に当てられ、とりあえずそんな疑問は置いておく。

 互いの肩が触れ合うほどの距離で、三者はそれぞれ一言も発せず、ただただ睨み合う。
流石の子供たちも何かを感じ取ったのか、揃ってティファニアの方へと退避する。
三人の威圧感が村を、森全体を支配し、やがてアーカードは唇に艶を浮かべて、笑った。

「・・・・・・なんなのよ、一体」
埃を払い終わった桃色髪の少女ルイズが、空気を読まず肩を竦めて一言。
が、すぐにその現況を見るなり、「マズイ」と思って口をつぐむ。


 アーカードと第二竜騎士中隊を探して、付近を空から捜索していたら突如鳴った大きな音。
一度目で気付き、二度目で探し、三度目でおおよその位置を特定した。

 するとその方向を見ていたシュレディンガーが、"タイイ"とか言う男とアイコンタクトをした。
シュレディンガーは頷いて竜から飛び降り、わけもわからないまま"タイイ"に抱えられ、浮遊感を味わった。
とりあえず無事に降り立ったものの、見知らぬ男二人に同世代くらいの少女と子供たちが何人か。
いつの間にか"タイイ"他二人との睨み合いが始まり、状況がまるで把握できない。

「あぁ・・・・・・アーカードが出す殺意に、よく似てるなぁ」などとぼんやりと考える。
と、猫耳の少年が目の前の状況に対して気怠そうに口を開いた。

「大尉〜、やめましょうよぉ。今の僕らに争う理由はないんだしィ」
そう言われ、大尉と呼ばれた男が緊張感を弛緩させると、残る二人の男も同じように少し間を置いてから弛緩させた。


「不思議そうな顔してるね〜。『吸血鬼』アーカード、『聖堂騎士』アレクサンド・アンデルセン」
「・・・・・・はっ?アーカード???」
ルイズは思わずその名前に反応する。
 

714 :ゼロのロリカード-32:2009/04/11(土) 20:59:04 ID:???
 魔法を使った様子もないのに竜から飛び降りて無事なこと。
いきなり始まった睨めつけ合い。さらにおよそ人間が出し得ないような圧倒的なプレッシャー。
そしてシュレディンガーと他の二人が知り合いのようだ、という事も疑問を残すところ。

 だがそれよりも何よりも、シュレディンガーがアーカードの名を呼んだ事に、ルイズは一番の疑問を抱いた。
少なくとも周囲にアーカードの姿はない。辺りを見渡すが、それらしい姿も発見できない。
「ねぇシュレディンガー、一体なんなの?わけわかんない」

 ルイズの問いを、少年シュレディンガーは逆に疑問符で返す。
「なにが??」
次に口を開いたのは、アーカードであった。
「そういえば、我が主の前では・・・・・・見せたことがなかったな」

 ルイズの頭が高速で回転し始める。目の前の男の言った「我が主」という言葉の意味。
目の前の青年に、「我が主」なんて呼ばれる筋合いはない。でも今の話の流れ的には、自分に対して言っている?
でも自分を「我が主」と呼ぶのは、自分の使い魔のアーカードだけだ。
何が何やらわからなくなっているルイズの目に、飛び込んできたのは驚くべき光景だった。


 青年の体が少女の体に、赤が白に、短かった髪が長髪に。
自分の見知った使い魔の姿が、今目の前に出現した。

 状況の推移に、頭がついていかない。
えっとつまり、今までの情報から察するに――――――。

「変身したー!!」
「すげー!」
「どうやったのー?」

 ルイズの思考が止まる。瞬きも呼吸すらも忘れて止まる。
好奇心旺盛な子供たちが、アーカードへと駆け寄っていく。
アーカードはそんな子供たちの頭をポンポンと撫で、「ははは」と笑っている。

715 :ゼロのロリカード-32:2009/04/11(土) 21:00:31 ID:???
 

 ――――――そうだ、今の子供が言った言葉に全てが集約されていた。つまり『変身』。
「あーあー、かのご高名な『吸血鬼』アーカードが・・・・・・随分と日和ったもんだねェ」
シュレディンガーが、少し呆れ気味で言った。アンデルセンは眉を顰め、大尉は静かにその光景を見ている。

 あぁ・・・・・・どう見たって、あれは自分のよく知るアーカードだ。ルイズは頭を抱える。
悩むよりもまず先に、確認しなくちゃいけない事がある。
とても・・・・・・とても、重要なことを。

「アーカード、アンタ・・・・・・『男』に変身できるんだ・・・?」

 ルイズは思わず。とりあえず、当たり障りのないように。そう・・・・・・聞いていた。
何故ならはっきりと、聞く気にはなれなかったから。いや、聞きたくなかったから。
だって――――もし――――そうだったとしたら――――。

「ん〜、少し違うな。正確に言うなら男がメインパーソナルで、今が変身していると言った方が正しいな」

 ルイズの頭の中で、今までの想い出が走馬灯のように流れる。
つまり、あれだ。そう、つまり。つまり、今まで、女だと思って接してきた。
でも男がメインってことは、男がメインってことで。つまりアーカードは本来は男。

「尤も、私にとっては姿形など何の意味もない」
そんなアーカードの声は、もうルイズの耳には入っていない。

 

716 :ゼロのロリカード-32:2009/04/11(土) 21:00:58 ID:???
(そう、ということは――――――思い出したくないあの夜とか、あの夜とか、あの夜とか)

 あの夜の出来事とか、女だと思ってたから自己嫌悪に陥りつつも、なんとか立ち直れたのに。
男だったら――――――男だったのなら――――――男であったのなら――――――それはつまり。
男と閨を共にし、男と同衾し、男と・・・・・・男と・・・・・・その、アーカードと・・・・・・。使い魔と・・・・・・。

 あぁ、そうだ。アーカードは二人の妻がいたって言ってたじゃないか。
あれは同性愛だとか百合だとかそういう意味じゃないんだ。
一人の愛した女性がいたと言っていたじゃないか。
あの時点でおかしいと気付くべきだったんだ。確認しておくべきだったんだ。


「いっ・・・・・・いやぁあぁあああアアアアアッ!!!」
耳の先まで真っ赤になった、ルイズの叫びが、森の中を木霊した。
それはアーカードとアンデルセンの、殴り合いの音に勝るとも劣らなかったとか・・・・・・なんとか。

717 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/04/11(土) 21:02:58 ID:???
以上です。
まとめいつもありがとうございます。

支援絵を描いてくださってる方もこれ以上ない励みになります。

では、また。

718 :マロン名無しさん:2009/04/11(土) 22:02:14 ID:???
キャラが続々登場してきて続きが楽しみです

719 :マロン名無しさん:2009/04/11(土) 23:57:58 ID:???
うわ、カオスww
シュレ達についてったルイズが無事合流できたのはなによりだが、これからどうなるやら。
GJです

720 :マロン名無しさん:2009/04/12(日) 00:27:37 ID:???
HELLSING8巻から9巻を読ん後にアーカードとアンデルセンの喧嘩を見ると、楽しそうに見えて仕方ないなぁ。
いや、前々から楽しそうではあったけど。
神父様は狂気度が下がっても、異教徒と化け物には暴力振るってよし、の方針は変わってないのね。
ティファニアが影響受けてたらどうしよう。

721 :マロン名無しさん:2009/04/12(日) 11:29:04 ID:???
ロリカの人乙です
アンデルセンは一応人間だし、銃剣以外で生きていこうと思えばそれが出来るのか。
今回はアンデルセンとアーカードの人間とそうでないモノの対比がでていました。

722 :マロン名無しさん:2009/04/12(日) 15:20:52 ID:???
>>720
……エルフって化け物の類じゃね?

723 :マロン名無しさん:2009/04/12(日) 15:28:40 ID:???
>>717
面白かった
ヘルシングの空気を感じれたぜ

724 :マロン名無しさん:2009/04/12(日) 16:57:44 ID:???
>>722
神父に比べれば人間じゃね?w

725 :マロン名無しさん:2009/04/12(日) 23:12:16 ID:???
乙です
シュレはアーカードに吸収されてないんだろうか?

>722
ヘルシングやイスカリオテが殺しまくってる化け物と同じかというとそうでもないしなー
いきなり召喚されたときの第一印象が良かったからかね、出会いがちがったら問答無用で殺してたかもしれん

726 :マロン名無しさん:2009/04/12(日) 23:45:13 ID:???
要するに、人間であることにいられなかった化物だろう。
神を否定する化物がアウト。
神を肯定した化物(茨神父)はセフセフ。

ティファニアはただの種族の問題。しかも半分は人間。

727 :マロン名無しさん:2009/04/13(月) 00:29:10 ID:???
まあ外人みたいな扱いだろう

728 :マロン名無しさん:2009/04/13(月) 09:16:15 ID:???
外人さん・・・電脳研でやってたはだしのゲンごっこを孤児達に・・・
なんてことはアルデルセン神父はしないよな、うん

729 :マロン名無しさん:2009/04/14(火) 15:47:24 ID:???
つっても魔女は異端だし、ブリミル教徒は異教徒だし、エルフは西洋の妖精(≒異端の神々)だし…
ハードルが高いのは確かだな

730 :マロン名無しさん:2009/04/14(火) 15:57:01 ID:???
つまりアンデルセンにとっては、ゼロ魔住人全員が敵とw

731 :マロン名無しさん:2009/04/14(火) 19:47:59 ID:???
hellsingの世界では
キリスト教認定の魔術、呪術は法術なので合法
キリスト教非認定の魔術、呪術は外法

アンデルセンはハルケで人種としてエルフがいる事を理解している。
アンデルセンの布教の姿勢は
狂信者=救われる機会に恵まれなかった連中を一人でも多く救うのが宿命とブリミルの牙城を崩そうとしている。マクスウェルの様な奴を作らないため力の布教は避けている
ロリカ=マクスウェルのショックから布教に消極的

732 :マロン名無しさん:2009/04/15(水) 01:49:03 ID:???
アンデルセンにとってマクスウェルは、ダメな子ほど可愛いって感じだったのかな

733 :マロン名無しさん:2009/04/16(木) 00:16:25 ID:???
それなりに付き合いも長かったみたいだし、大司教になっちゃった姿を見ていろいろ思うことはあっただろうな

734 :マロン名無しさん:2009/04/16(木) 18:33:26 ID:???
マクスウェルの場合妾の子ってことで冷遇されてたからな。その反動でああなった
ってのは大きいよな

735 :マロン名無しさん:2009/04/17(金) 09:35:19 ID:???
親身になって面倒を見てた子供に神の愛を伝えられなかったことがトラウマのひとつにはなってる気がするな

736 :マロン名無しさん:2009/04/18(土) 12:34:56 ID:???
マフラーが本体の人も色々大変だな

737 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/04/18(土) 21:45:40 ID:???
どうも、投下します。

738 :ゼロのロリカード-33:2009/04/18(土) 21:47:30 ID:???
 ティファニアの家の中では、およそ見る者が見れば戦慄するほどの状況になっていた。
本来は村の子供たちと共に食事をとる、大きめのテーブル。そのそれぞれの椅子に座る面々。
ルイズとアーカード、ティファニアとアンデルセン、シュレディンガーと大尉。そして大剣が一本、デルフリンガー。

 アーカードとアンデルセンと大尉。
この三者が顔をつきあわせて同じテーブルに座ることなど、通常考えられない。
しかし少女二人と、自分達が身を置くこの世界、そして何も知らない今の状況がそれを実現させていた。

 簡単な自己紹介を終えたところで、ようやくルイズは少しモジモジとしながら俯くくらいには落ち着いた。
尚、第二竜騎士中隊の面々は全員が死んだそうだ。アーカードが全員確認済みだと言った。
中には半死半生の状態の者もいたらしいが、その場で回復させる手段はなく、トドメを刺してやったとのこと。
心苦しくはあるが、仕方ない。彼らは任務遂行の為に、名誉の為に死んだのだ。


 アーカードとアンデルセンは、射抜くような視線でシュレディンガーに見つめている。
「そんな睨まないでよ。ちゃあんと説明するからさ」
そう言うとシュレディンガーは、見た目相応の少年らしい笑みを浮かべて話し始めた。

 まずは現状の確認から始まった。
ルイズにアーカードは召喚され、契約。
ティファニアにアンデルセンは召喚され、契約はせず。
ロマリアの教皇ヴィットーリオに大尉は召喚され、契約。


「ロマリア教皇ですって!?なんでそんなお方の使い魔が・・・・・・」
ルイズが口を挟む。そもそも人間を召喚するなんてのが異例。
いや、厳密にはアーカードは吸血鬼だけれど、本来はハルケギニアの幻獣が召喚される。
聞けばアーカードにアンデルセン神父、大尉とか言う男にシュレディンガーまでも同じ世界の出身。
ハルケギニア外から召喚するなんて、自分だけかと思っていたのだが・・・・・・。
 

739 :ゼロのロリカード-33:2009/04/18(土) 21:48:45 ID:???
「そんなの、簡単なことだよ。ヴィットーリオもティファニア嬢も、君と同じ――――――」
「"虚無の担い手"、そういうこったろ」
デルフリンガーが、シュレディンガーの言葉に被せる形で言った。
 
「教皇聖下とこの子が・・・・・・虚無?」
「うん。"虚無の使い魔"だからこそ、大尉達が召喚されたんじゃないかな。
 ティファニア嬢も使えるでしょ?どの系統にも属さない不思議な魔法をさ」

「う・・・・・・うん」
シュレディンガーに聞かれ、ティファニアは頷く。
「貴様は、なんなんだ?」
アーカードがシュレディンガーに向かって問う。
シュレディンガーは誰にも召喚されたわけではないのに、ここにいる。

「僕は、アーカード・・・・・・君に取り込まれた筈だったんだけど、いつの間にかこの世界にいた。
 多分、君が召喚された時の拍子で出ちゃったんじゃないかな?別に誰かに召喚されたってわけじゃないよ」


 アーカード、アンデルセン、大尉。各人の共通項は、それぞれが元の世界で死んだという事。
正確にはアーカードはシュレディンガーの命ごとその性質を飲み込み、虚数と化して消えたのだが。
死ぬにせよ消えるにせよ、元の世界から消滅したということが、召喚される条件の一つなのかもしれない。

「虚数の塊のままでは、こっちに召喚されても当然また消えてしまう。
 そこで異物となる僕が、吐き出されたんじゃないかな?
 そして僕は自分を観測出来るようになった。だから僕はここにいる」

(こっちの世界に来た時に、前後の記憶が何故だか曖昧だったのは・・・・・・その所為か)
アーカードが召喚されて、かねてからの疑問が氷解する。
"シュレディンガーが抜けた時のショックで記憶の一部が飛んでいた"、ということだ。
そこまで考えが至ると同時に、欠損していた部分の記憶が蘇り、頭の中を一気に濁流のように駆け巡った。
 

740 :ゼロのロリカード-33:2009/04/18(土) 21:50:10 ID:???
 インテグラのこと、セラスのこと、ヘルシングのこと。ウォルターのこと、少佐のこと、ミレニアムのこと。
死都と化したロンドンで、夜明けの空を見て、自分が死んだこと。その全てを思い出す。


「なんで大尉やアンデルセンの肉体があるのかはわかんない。再構築でもされたのかな?
 アーカードもおかしいよね。僕が抜けたなら、普通消えたままのハズだけど・・・・・・」

 シュレディンガーは首を傾げる。
(ふぅ〜む・・・・・・)
アーカードは補完された記憶を含め、情報を整理する。

 再構築された、それは間違いないだろう。
シュレディンガーの言う通り、自分達は死んで肉体すらなくなったのだ。
だと言うのに、今は3人とも肉体がある。

 そして――――――オリジナルの棺桶は元の世界に置きっ放しなのに、こちらにある理由。
棺そのものはただの「物」でしかないが、自分と一心同体とも言える「モノ」である。

 つまり棺桶の本質部分は、アーカードの一部。だからこそアーカードと一緒に召喚され、構築された。
本来自分の中に収納して持ち運べるものでない棺を、この世界に来た時に何の気なしに出せた理由がそれなのだ。
さらに内包する命もアーカードが従える、アーカードの領民。これも自身の本質と言える。

 召喚される者の本質の情報から、肉体から服に武器、ライフストックまでご丁寧に再構築してくれたということだ。
無理やりこじつけた理屈でしかないが、なにせ原子レベルまで干渉するとされる『虚無』のコントラクト・サーヴァント。
それくらい出来ても、別段不思議はない。
(向こうで破壊されたジャッカルは、再構築されないわけか・・・・・・)

 

741 :ゼロのロリカード-33:2009/04/18(土) 21:51:08 ID:???
 諸々を思い出したところで、気になるのは――――――愛しいあるじと、恋しい下僕のこと。
アーカードは意識を集中させる。念話はできないが、・・・・・・わかる。血を吸ったから、わかる。
セラスは、生きている。大尉が死んでここにいるということは、セラスが勝ったということだろう。
そしてインテグラも、少佐に勝ったに違いない。
――――――もしかしたら、今も二人して私の帰りを待っているのだろうか・・・・・・。

 アーカードは郷愁に駆られるも、今はどうしようもない。
色々と調べたものの帰る方法は今のところ見つからないし、今はルイズが主人だ。
(ウォルターは、どうしているのだろうな。・・・・・・いや、裏切り者のことなどどうでもいいか)

「それにしても・・・・・・アーカードは今、二人の主人に仕えてる事になるだねェ」
シュレディンガーは座ってる椅子を傾け、二本足で器用にバランスを取る。
傍目では本当にただの無邪気な子供そのものであるが、いちいち神経を逆撫でするような、おちょくるような口調。
その言葉一つ一つの根底には、相手を小馬鹿にするような態度が見え隠れする。


 シュレディンガーの言葉にルイズの顔が険しくなった。
二人の主人。一人は勿論自分、ルイズ・ド・ラ・ヴァリエール。
そしてもう一人とは――――――。

 眼を鋭くアーカードはシュレディンガーを見据える。
シュレディンガーはアーカードが問うよりも先に、それを察して質問に答える。

「少佐は死んだよ、ヘルシングの勝ちさ」
薄々わかってはいたが、そう言葉に出されアーカードはふっと笑う。
「あ〜でも、僕らは僕らで目的は完遂したからある意味両方勝ちかな?イスカリオテの一人負けだね」

 棘を含ませて言い回すが、アンデルセンは睨むどころか見向きすらしない。
拍子抜けしたシュレディンガーは、そのまま続ける。
「あの惨状は、バイオテロ事件として処理されてるみたい。犠牲者数は今のとこ不明」
「おまえは・・・・・・戻れるのか?」
 

742 :ゼロのロリカード-33:2009/04/18(土) 21:51:42 ID:???
 自分と共に消えた筈なのに、向こうの世界の事情を知っていることはつまりそういうこと。
"戻れるのか"とは、ハルケギニアから地球へと戻れるのか。
当然その意味をシュレディンガーはすぐさま理解し、「できるよ」と答えた。


 意志を持つ、自己観測する「シュレディンガーの猫」。
存在自体があやふやな、確率の世界を跳ね回る一匹のチェシャ猫。
シュレディンガーは自分を認識する限り、"どこにでもいてどこにもいない"。
その性質ならば、世界にすら囚われず移動が出来るということに他ならないのだ。

「でも戻るのは大変だったし、何よりもみ〜んな死んじゃったからね。あっちはすんごくつまんない。
 こっちの世界の方がずっと楽しいよ、大尉もいるしね。まっ、折角の第二の人生なんだし。みんな好きにすればいいんじゃない?」

「確か、虚無の担い手は四人いる筈だ。後一人は誰だ?被召喚者は?」
自分にアンデルセンに大尉。向こうで死んだ者であと召喚されるとすれば一体誰になるのか。

「知らないよ、大尉を見つけられたのはたまたまだし。アーカードはいるだろうなとは思ってたけど、どこにいるのかまではわからなかった」
「虚無の担い手が同じ時代に、全員が発現するのは珍しいからな」
と、デルフリンガー。
つまり、最後の一人は単純に目覚めてない可能性も有るということだ。
始祖の指輪と秘宝がなければ、ただの落ちこぼれなメイジとして人生を終えることも多々だろう。

「目覚めてるにせよ、目覚めてないにせよ、どこかにはいるだろうがね」

 そう、今この場で"虚無の担い手"二人、"虚無の使い魔"が三人も集まったのはとてつもない確率。
全くの偶然なのか。それとも、ゼロは互いに引かれあうのか・・・・・・。

 

743 :マロン名無しさん:2009/04/18(土) 21:52:13 ID:???
支援

744 :ゼロのロリカード-33:2009/04/18(土) 21:53:35 ID:???
「ところで、ヴィットーリオは聖地奪回の為に、虚無の担い手を四人、その使い魔を四人。
 そして四の指輪と四の秘宝を一所に集め、『始祖の虚無』を復活させようとしてるんだ。
 ルイズ嬢、ティファニア嬢。そしてアーカードとアンデルセン。協力する気はないかな?」

 いきなりの事に、ルイズとティファニアは困惑する。
つまるところ教皇聖下が協力して欲しいと言ってることと同義。

 聖地奪回。ルイズにとって、自分の一存だけで決められることではない。
この身は姫様に捧げ、トリステインの為に尽くすことが今の自分の在り方である。

 ティファニアにとって、聖地奪回とは自分の中に流れている半分の血。
即ちエルフと敵対することになる。母の故郷の人々と戦うなんて、到底出来ることじゃない。
何よりも争いごとそのものが嫌である。

 アーカードとアンデルセンにとっては、そもそもメリットはおろか興味すらない。


「・・・・・・ま、しょうがないか」
シュレディンガーは四人の否定の意思を汲み取ると、そう口にした。
これがアーカードやアンデルセンでなかったのなら、力尽くで従わせる方法もあった。
人質をとったり、乱暴なやり方で以て協力を仰ぐという選択肢もあった。
だが、目の前の二人はそんなものが通じる相手ではない。

 だが、他にも交渉の材料はある。
「でもアーカードとアンデルセンの両人にとって、悪い話じゃないと思うんだけどなァ〜。
 なにせ聖地にはゲートがある、元の世界に帰れるよ?どう?戻りたいと思わない?」

 シュレディンガーのその言葉に、ルイズとティファニアの心が揺れた。
二人とも自分の使い魔が、別世界から来たことを知っている。
出来ることなら帰してあげたい、でも帰って欲しくない。そんな二つの想いが二人の胸中で、それぞれ揺れ動く。
 

745 :ゼロのロリカード-33:2009/04/18(土) 21:55:08 ID:???
「これから奪回する、つまり今は奪回されてないのに、何故ゲートがあると知っている?」
アーカードは尤もな疑問を口にした。
「ロマリアの密偵がいる。何百年も前から聖地の近くで定期的に見つけてるのさ、"ガンダールヴの槍"をね」
「"ガンダールヴの槍"?」
「僕らの世界の"武器"がいくつも見つかってる。だから向こうと繋がっている、単純な理屈だよ」

「"ガンダールヴの槍"ってのはな相棒、要するにその時代の"最強の武器"のこった。
 大昔は槍が最も強力な武器だったってだけで、別に形にとらわれない。
 相棒の世界からその都度、最強の武器が送られてくることもある、そういうこった」

 デルフリンガーがそう付けたし、シュレディンガーは「YES!」と肯定する。


「なるほどな・・・・・・しかし、『聖地の近く』と言ったな?ゲートをその目で確認したのか?」
「・・・・・・ん?」
「場所は一定なのか?固定されてるなら、地点を割り出せるだろう?」
「むっ・・・・・・」

 シュレディンガーは言葉に詰まる。そこまで詳細なことは聞いていない。
「それと『定期的』とも言ったな。ゲートは常に開いてるものなのか?武器が送られてくる時だけ、開かれたりする可能性は?」
「ぬっ・・・・・・」
「そもそも帰れる保証はあるのか?一方通行でないと言える根拠は?」
「ぐっ・・・・・・」
「第一、奪回する必要性もない。ゲートとやらを探して、見つけて、帰って、それで終わりだ。
 密偵とやらがいるくらいだ、この私やアンデルセンにとっては造作のないこと」

 エルフが実際にどれほど強力な者かはわからないが、これでも世界有数の使い手であろうメイジと戦ってきた。
書物などで調べた情報から類推しても、絶対的な脅威足り得るとは思えない。
知能も有しているし、交渉することだって不可能ではない。
 

746 :ゼロのロリカード-33:2009/04/18(土) 21:57:22 ID:???
「そもそもだ、私は帰るつもりはない」
「むぅ・・・・・・」
シュレディンガーは諦める。
アーカードの言ってることは尤もだ。わざわざ協力して、ちんたら奪回する必要性はないのだ。
アプローチを変える必要性がある。アーカードはルイズに仕えてる、ならば主人から命令を出させれば――――――。


「シュレディンガー。アーカードもこう言ってるし、残念だけれど私も協力する気はないわ」
シュレディンガーの機先を制すように、ルイズが言った。ティファニアも、気付いたようにそれも続く。
「私も・・・・・・その・・・無理です。・・・・・・ごめんなさい」

 シュレディンガーは嘆息をつく。はっきりと口にされて、現段階じゃどうしようもない。
と言っても、「面白そうだから」という理由で動くシュレディンガーにとって、さして気にするような事柄でもない。

「・・・・・・そこなワンちゃんは帰りたいのか?」
アーカードは大尉に向かって聞く。大尉は口を開かず、フルフルと首だけを横に振って否定した。
「大尉は帰らないよ。少佐はいないし、それに今はヴィットーリオが主人だからね」
「ロマリアの教皇に、新たな首輪をつけられたわけか」

 
「余計な話はいい」

これまで黙って聞いていたアンデルセンが、強い口調で口を開き言った。
「話が終わったなら行け、さっさと出て行け。俺が貴様らへの殺意をおさえられているうちにだ」

「はいはい、まぁもう大方話し終えたしね。余所者はさっさと出て行くよ」
シュレディンガーは軽い口調で言って、大尉は黙って立ち上がる。
シュレディンガーは「それじゃぁね〜」と言って出て行き、大尉も続いた。
 

747 :ゼロのロリカード-33:2009/04/18(土) 22:01:00 ID:???
「フンッ、行くぞルイズ」
アーカードは軽く笑みを浮かべて、ルイズを促す。
「アーカード、ちょっと待って」
ルイズは外へ出て行こうとするアーカードを呼び止める。
ティファニアへと向き直ると、ルイズは穏やかな笑みを浮かべた。

「ねぇティファニア。あなたはハーフエルフだけど、その・・・・・・一応同じ"虚無の担い手"なわけだし。
 使い魔同士はアレでも、これから仲良くしましょう。その胸はどうかと思うけど。何か困ったことがあったらいつでも言って。
 私に出来る限りの協力はするわ。あなたにエルフの血が流れてても構わない。その胸はどうかと思うけど」

「あう・・・・・・その、ルイズさん。ありがとうございます」
「ルイズでいいわ」
「あっ、それじゃあ私もテファで」
うんと頷いたルイズは、にこやかに笑って右手を出す。慌ててティファニアも手を出し、握手を交わした。
ティファニアも笑い、二人で笑い合ったところでルイズの顔が素に戻る。


「ところで・・・・・・、その胸は本物なわけ?」
怪訝な目でソレを見つめる。到底人間が到達し得るモノではない。神の御業としか言いようがない
「ほ・・・・・・本物、です」
ティファニアは顔を真っ赤にして答えた。
「そ・・・・・・そう、本物なんだ」
ルイズは唇をヒクヒクと動かし、大きく溜息を吐いた。
「それじゃあね、テファ」
「うん、ルイズ。・・・・・・またね」
 

748 :ゼロのロリカード-33:2009/04/18(土) 22:01:12 ID:???
 別れの挨拶を済ませたルイズは踵を返し、扉の前で待っていたアーカードを追い抜いて出て行く。

「いずれ・・・・・・決着をつける」
アーカードが出て行こうとする直前、アンデルセンがそう口にする。
背を向けたまま、アーカードは言った。
「あぁ・・・・・・いずれ、な」


 扉が閉まる。残されたのは静寂。
先に口を開いたのは、不安そうな顔のティファニア。
「その・・・・・・アンデルセン神父・・・」
「大丈夫ですよ」

 アンデルセンのその一言に、全てが集約されている気がした。
ティファニアはとりあえずその言葉に安心し、胸を撫で下ろす。

「それでは、子供たちを呼んでご飯にしましょうか」
「うんっ!」
ティファニアが子供たちを呼びに行った後、アンデルセンはゆっくりと目を瞑り考える。


 前の、元の世界で学んだ。
奴と闘争い、奴に敗北し、そしてわかった。

化物では・・・・・・化物は倒せない。
化物を倒すのは――――――いつだって、人間なのだ。

749 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/04/18(土) 22:03:39 ID:???
以上です、支援ありがとうございました。
まとめもいつもありがとうございます。

棺桶はあれです、超辻褄。
ではまた。

750 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/04/18(土) 22:04:58 ID:???
それと言い忘れましたが、ネタバレ全開なので、もし最終巻読んでない方がいましたら、ご注意を。

751 :マロン名無しさん:2009/04/18(土) 23:59:22 ID:???
テファとの胸のやりとりは
何故か、おっぱい魔神とリーネを思い出したw

752 :マロン名無しさん:2009/04/19(日) 10:58:40 ID:???
ロリカの人乙です。
ガリアの無能王の使い魔って誰なんでしょうか。
ドクにしてもこの世界の技術レベルでは人造吸血鬼の製作まで時間が掛かりそうですし、
もしドクが呼ばれていたらガリア印の美味しい野菜と肉の開発になるのかな。

753 :マロン名無しさん:2009/04/19(日) 11:57:31 ID:???
召喚されそうな奴って言ったら…
いや、詮索はやめたほうがいいか。

754 :マロン名無しさん:2009/04/19(日) 14:26:19 ID:???
ガリアは誰が呼ばれてるんだろ
とにかく続き楽しみにしてます

755 :マロン名無しさん:2009/04/19(日) 16:21:28 ID:???
ゼロリカの人、乙です。
大穴で英国無双な人。
せまりくるエルフをちぎっては投げ、ちぎっては投げ、
最終的に全身に火石をくくりつけて聖地ともども吹き飛ぶ。
それくらい出来ると、イザベラになぜか勘違いされてるとか。

756 :マロン名無しさん:2009/04/20(月) 13:55:06 ID:???
そういうパラレルワールドがあっても良いよね!

757 :マロン名無しさん:2009/04/20(月) 21:50:40 ID:???
英国無双スゲー

758 :マロン名無しさん:2009/04/20(月) 22:39:14 ID:???
>>755
「何をしている、ベンウッド! 高度を上げるな!
そんな簡単なこともできんのか貴様は…… 無能め…!
…?何がおかしい?」

「無能なこ、このわ、私より、無、無能な貴、きっ貴様がだよ」
ベンウッドの震えるその手には「火石」が握られていた

「!!き、貴様!!」
「さ、さよ、さようならイ、イザベラ わ、私もた、楽しかったよ」
「やッ やめろォォ!!」
「嫌だ!! そんな頼み事は聞けないね!!」

こうですか?
わかりません><


759 :マロン名無しさん:2009/04/21(火) 08:58:06 ID:???
流石英国無双wwwwカッケェwww

760 :マロン名無しさん:2009/04/21(火) 09:38:21 ID:???
ペンウッド卿のカッコ良さは、自分が無能だと知っていても、諦めずに最後まで意地を通して抵抗しきった事にあると思う。
――流石だ、これを書いた人は分かっている。

761 :マロン名無しさん:2009/04/21(火) 17:54:39 ID:???
男の中の男ってアイランズ卿もいってたしね。皆から愛されてるよなペンウッド


762 :マロン名無しさん:2009/04/21(火) 19:35:42 ID:???
無能でヘタレでも無責任ではない所がペンウッド卿の魅力だし。
でもヘルシング卿やアイランズ卿とかのトンデモ連中での話だし、仕事をまっとう出来る人並み以上の優秀さはあったのかも。

763 :マロン名無しさん:2009/04/22(水) 07:56:23 ID:???
無いよそんな能力
部下達が言ってたじゃんコンソール一つまともに動かせない癖にとか邪魔になるから座っててとか
能力が無い変わりに人望が半端なくて部下達に俺らが支えなきゃと思わせる人だったんだよ


EDで泣きながら何かにサインしてる彼が印象的

764 :マロン名無しさん:2009/04/23(木) 01:12:16 ID:???
コンソール動かすことは、責任者に求められる能力じゃないがな。
人間関係の調整がうまいとか、予算の立て方がうまいとか、そういう能力の方がむしろ必要。

無理を言えば、それをかなえてくれる能力があったんだから、無能ということはないでしょ。

765 :マロン名無しさん:2009/04/23(木) 06:52:00 ID:???
>>764
無能無能言われてるけどアイランズとかが凄腕すぎるだけか

766 :マロン名無しさん:2009/04/23(木) 07:42:23 ID:???
実際アーサーとか人格的にはともかく優秀じゃね?

767 :マロン名無しさん:2009/04/23(木) 18:56:31 ID:???
人格はね。小うるさい執事のいないあいだに女つれこんだりしてたしww

768 :マロン名無しさん:2009/04/23(木) 19:46:29 ID:???
結局グラ様は有能なの?
化け物出現

アーカード!!なんとかしてぇ〜

アーカード「ハーイ」

見敵必殺

なイメージ

769 :マロン名無しさん:2009/04/23(木) 20:09:08 ID:???
>>768
俺は「なんとかして」じゃなくて「やれ」ってイメージ。

770 :マロン名無しさん:2009/04/23(木) 21:44:33 ID:???
銃弾を防御する吸血兵をサーベルで一刀両断ズンバラリしたりアンデルセンと切り結んだり、戦闘能力がバカ高いことは分かる。
分からんのは指揮官としての能力か。
大体はセラス・アーカードの二人で事足りてたし、ぶっ殺し大隊や大戦争のときは指揮取る間もなく部下が壊滅したし。

771 :マロン名無しさん:2009/04/24(金) 09:42:41 ID:???
狂信者の人、来ないな〜
せめて生存報告だけでも…

772 :マロン名無しさん:2009/04/25(土) 11:33:34 ID:???
>>764
私見だが、首都上空の制空権を、組織的に動く吸血鬼の大群に握られてる状況で
総司令部と最前線の士気を保ちきったペンウッド卿は十分有能だと思う。
他人と比べられる能力じゃないかもしれないが誰にでもできることじゃないだろ、あれは。


773 :マロン名無しさん:2009/04/25(土) 12:55:13 ID:???
>>772
等比級数で増える動く死体(戦友や守るべき民間人)や銃弾をかわし素手で人を解体する怪物に
包囲されているという、未知の脅威にさらされている前線が士気喪失しなかった
こんなことのできる指揮官が『無能』なら、言葉の定義から考え直すべきだ

そもそも『有能』の条件とされている、判断力・知識・積極性なんてものはなくても問題ない
それらは、せいぜい小隊レベルの指揮官や参謀がもっていればいい
本当に重要なのは、部下の能力を方法はどうあれ引き出せられるか否かだ



774 :773 :2009/04/25(土) 12:58:58 ID:???
一文抜けてしまった
以下修正

>>772
はてしなく同意する
等比級数で〜

775 :ルイズとヤンの人情紙吹雪4:2009/04/25(土) 19:42:53 ID:???
こんばんわ
投下させていただきます

776 :ルイズとヤンの人情紙吹雪4:2009/04/25(土) 19:44:09 ID:???
ヤンは信じられなかった。
成金趣味丸出しの嫌味な建物だが、この学院にはブルジョワどもが群れを成しているだろうことは容易に想像できた。
だって貴族が通う学校だしな。
食堂だって凄く広かった。
アルヴィーズの食堂ってゆーんだって。ふーん。
テーブルの上に用意されている食事だってすごいぞ。
朝からよくもこれだけ食えるな、と思うほどの量だ。
なのに。
なのに自分の目の前にあるものは。
……。
食事?
いや、まさかね〜。だってあなたこれは…。
はははははははははは、こやつめ。まさかとは思うが聞いてみるか。
「何コレ?」
「何って、あなたの食事に決まってるじゃない。」
シレッと言うルイズ。
「………………床に……置いてあるぜ?」
「使い魔が座る椅子なんてあると思うの?」
即答するルイズ。
「………。」
「………。」
沈黙する二人。
「…………フッッッザケンナァァーーーーッ!! テメェー舐めてんのか!? こんなんで腹ふくれるバカいるかっての! 椅子ぐらい用意しとけよバカアホマヌケ!」
「ふざけるな、ですって!? バカでアホでマヌケで、ついでにスケベな使い魔に椅子なんて勿体なさ過ぎるわ! あんた私にな、なななななにしたか忘れたとは言わせないわよッ!!」
二人は額を擦り合わせていがみ合う。
「俺がナニしたァーーーー!? 使い魔になってやってオメェの言うとおり洗濯だってしてやったろォが!」
「あ、あんた二度もあんなことしておいてッ………!! 乙女の唇を、あんな奪い方しておいて反省しなさいよッ!!!」
食堂中の視線が二人に注がれている。
コレだけ騒げば当然といえば当然だ。
そして『唇を奪う』や『二度も』と言った単語に皆の関心は、俄然高まってしまった。

777 :ルイズとヤンの人情紙吹雪4:2009/04/25(土) 19:44:55 ID:???
「あーーーん? 奪ったなんて人聞きの悪いこと言うんじゃねーよ お前が『優しくし・て・ネ(ハート』って言うから、二度目は優しくしてやったんだろォが オメェだって気持ちよさそーにしてたじゃん?」
「「「「「!!!」」」」」
観衆がざわめく。
ヒソヒソ え、ルイズ大人の階段を ヒソヒソ 不潔よ… ヒソヒソ 優しくってちょ、オマw ヒソヒソ 朝っぱらからナニを ヒソヒソ。
「な、な、なななな何言ってるのよ! 気持ちいいわけないでしょあんなの!! 気持ち悪いだけよ!!」
ルイズは否定する部分を間違えた。
お陰で周りの群集の在らぬ妄想は加速する。
ヒソヒソ や、やっぱりルイズは…! ヒソヒソ 貴族の婦女子がなんたること…! ヒソヒソ あの男うらやましいぞ! ヒソヒソ。
「あ…」
ルイズは今になってようやく食堂中の視線が集まっていたこと、そして己の迂闊さに気がついた。
リトマス試験紙のように見る見るうちに真っ赤に変色する。
「あ、あう、あ、あぅぅ〜〜〜ッ! ヤ、ヤンッ! もうあんたはご飯禁止よーーーッ!! 出て行きなさい!!」
ルイズはヤンを怒鳴り散らす。
顔はすでに茹蛸だ。
「な、なにーーーー! お、おいちょっと待て! 俺、昨日から何も食べt「さっさと出て行きなさいッ!!」
ヤンの言葉に容赦なく被せて遮る。
有無を言わせぬ一方的な通告。
がーーん。
な、なんだとこの女(アマ)ァーーーーー………。
うぬぬぬぬぬぬぬぬ!
あーーーーーーもー面倒クセェヤローーーだなーー!
だいたい、なんでこの俺様がこんな乳クセーガキにへーコラしたがってんだ?
そーだそーだ、俺っぽくねー。
……もう犯って殺ってちまうかァ?
でもなーーなんかなーーヤりづれーんだよなァ。
なんだか従った方がいいような気がしてくるんだよなぁ…。
……使い魔になったからか?このルーンとやらが関係してんのかねー。
くそーーーウゼーーーーー。
「……………チッ。」
とりあえず退散するか。

778 :ルイズとヤンの人情紙吹雪4:2009/04/25(土) 19:45:51 ID:???
ルイズを軽く睨みつけ、渋々といった感じでヤンは食堂を後にする。
去っていくヤンの後ろ姿を眺めているルイズは少し心が痛んだ。
売り言葉、買い言葉でまたケンカになってしまった。
ヤンの性格にも難があるが、自分の性格のせいでもあることをルイズは理解していた。
(な、なによ……すぐ謝ったら許してやったのに……。 うぅ〜 な、なにもかもアイツのせいなんだから! だいたいデリカシーが無さ過ぎるのよ、人前であんなこと言うなんて!)
自分で追い出しておいてなんだが、ルイズの良心はチクチク自分を責めてきていた。
そしてヤンを追い出したところで、周りからの視線を消せたわけではない。
食事を素早く終わらせるべく、羞恥に耐えながらルイズは食べ物を手早く口に放り込むのだった。
 
 
ヤンは彷徨っていた。
色々あって忘れてたが、そういえば昨日から何も食べてない。
一度、空腹を思い出すとどうにも耐えれそうもなかった。
あっちにいた頃は良かった。
ミレニアムに従っていれば『殺し』も『食事』もやりたい放題。
今はあっちの世界が懐かしく思えた。
「くそーー メイジがどんだけのモンか知らねーが、いっちょ暴れてみるかぁ? 腹へって死にそうだぜ……」
ヤンがバッドエンドフラグを立てつつあるとき、一人の少女に声を掛けられた。
「あれ? ヤンさん、こんな所で何をやっているんですか? 今は朝食の時間のはずですけど… もう食べ終わっちゃったんですか? 早いですねー♪」
「お シエスタちゃーん グッドタイミングーー! 助けてクレー。」
言うやいなやシエスタに抱きつくヤン。
「ちょ、ちょっとヤンさん! いいいいきなり何をするんですか!?」
ゴキャァッ
「ふべっ!」
反射的にシエスタの鉄拳がヤンの右下顎にジャストヒットし吹っ飛んでいく。
「あ! ご、ごめんなさい つい! 大丈夫ですか!?」
慌てて駆け寄り、ヤンを抱える。
シエスタは抱きつかれたことなど忘れて、彼を心配した。
「ぐふぅ な、なかなかイイモノ持ってんじゃねーの…」
「申し訳ありません! あ、あの私こんなことをするつもりは……! ですから、あの、その…ミス・ヴァリエールには……何でもしますから! どうかお許し下さい!」

779 :ルイズとヤンの人情紙吹雪4:2009/04/25(土) 19:46:57 ID:???
シエスタは涙を浮かべながら、懺悔の言葉を吐いている。
どうやらヤンの主人ルイズを、つまり貴族の権力を恐れているようだ。
「あーokok ルイズなんぞにチクったりする俺に見えるかァ? まぁお詫びという訳じゃネーけどさ……。」
「は、はい! どうぞおっしゃって下さい!」
シエスタは覚悟の瞳でヤンを見つめる。
ごくり。
「飯をクレ」
「え?」
「飯をクレーー」
「そ、そんなことで……よろしいのですか?」
もっとすごいこと(主に性的な意味で)を要求されると思っていたシエスタは呆気にとられた。
ヤンも普段ならそっちを選んだであろうが、よくわからぬ異世界でしかも空腹とくれば勝手が違ってくる。
「俺のヒドイご主人様に今度は飯抜きくらってよォ 貴族ってのは理不尽だぜーーー。 つーわけで飯をくれ」
「はい勿論です! では行きましょう! …あっ!」
シエスタは、まだヤンを抱えていたことに気がつき顔を赤くして飛びのいた。
ごん
当然、抱えられていたヤンは後頭部をぶつける。
その後、再びごめんなさいラッシュに打って出たシエスタ辟易しながら、二人は食堂に向かって歩き出したのだった。
 
 
「そうなんですか…ヤンさん、大変なんですね…… それにしてもやっぱり貴族様方はヒドイです! ヤンさんにそんな仕打ちをするなんて!」
ヤンの話し(一方的かつ正確性に欠ける情報)を聞いたシエスタは憤慨していた。
頬を膨らませプリプリしている。
「そーだろそーだろ ルイズはヒデーヤローだ。 やっぱ女はさぁーーシエスタみてーじゃないとな」
ヤンはシエスタを褒めちぎる。
事実、シエスタは欠点らしい欠点が見当たらぬ少女だった。
これまでろくな女に恵まれてこなかったヤンからすれば、ざっと見た感じココの女達のレベルは正に奇跡に近い。
「や、やだヤンさんたら♪ そんなこと言ったらミス・ヴァリエールにどやされますよぉ! あ、着きました」
ピタッ
シエスタは足を止め指を刺す。

780 :ルイズとヤンの人情紙吹雪4:2009/04/25(土) 19:47:59 ID:???
地下の廊下を歩いたその先は厨房だった。
中では男達がせわしく動き回っている。
「マルトーさんマルトーさん!」
マルトーと呼ばれた男が振り向きシエスタを見る。
恰幅のいい厳つい男だ。
「おう! シエスタか ………おんやぁ…? 隣の男はひょっとして…お前の『コレ』か?」
シエスタの隣に視線をやると小指を突きたてながらニヤッと笑うのだった。
「な、なに言ってるんですかマルトーさん! ちちち違いますよ! この方はヤン・バレンタインさんと仰ってミス・ヴァリエールの使い魔をなさっている方です!」
シエスタは顔をゆでだこにしながら必死に弁明を試みる。
マルトーはおおっとシエスタの言葉に反応する。
「あんたが召喚された平民か! 噂は聞いてるぜ、大変みたいだな! だはははははは!」
たった一夜でここまで自分の噂が広まっていることにヤンは多少驚きながらも、軽く会釈する。
「マルトーさん、ヤンさんに料理を出してもらっても良いでしょうか 主人に朝食を抜かれてしまったみたいで……」
先ほどまで上機嫌そうに見えたマルトーは、見る見るうちにその顔を怒りに歪ませる。
「チッ! まったく貴族って奴は……! 何があったかは知らんがどうせくだらん理由でそんなことになったんだろう? 賄いでよけりゃあどんだけでも食ってくれ 平民は助け合わなきゃな」
どうやらかなり貴族というモノが嫌いらしい。
貴族という単語にすら嫌悪感を抱いているようだ。
マルトーはヤンに厨房に入るよう促す。
ヤンは言われるがままにマルトーについて行く。
本当なら普通の食い物では吸血鬼である自分の腹は完全には満たされないが、無いよりはマシだった。
ふと横を見ると、こちらを見ていたシエスタと目が合う。
「ありがとなシエスタ 愛シテルーーー!」
笑顔で手をヒラヒラ振って厨房に入っていった。
…………。
………………。
シエスタは動かない。
完全に固まっていた。
笑顔と言葉にやられていた。
ヤンの言葉が頭の中をリフレインする。
(あいしてる? アイシテル? AISITERU? 哀史輝? 愛してる? 亜威死手瑠? IC・TEL? ん? 愛してる? ………………愛してる!!?)

781 :ルイズとヤンの人情紙吹雪4:2009/04/25(土) 19:48:55 ID:???
「あ、あう…あぅ…あ、あああああううううううぅうぅぅぅぅぅ……う、うわわわわぁーーーーー!!」
顔だけでなく全身を真っ赤に染め、叫びながら走り去った。
途中で3回転んだ。
 
 
「ごっそーさん、うまかったぜマルトー また頼むわぁ」
「おう! ヤンこそいい食いっぷりだったぜ また来な。 たっぷり食わせてやるぜ!」
マルトーは親指をビシッと立てヤンを見送る。
なぜだか気に入られてしまったらしい。
貴族が嫌いなため、貴族に嫌われた奴を気に入るという一種の倒錯した心理と言うヤツだろうか。
とりあえず腹が満たされたヤンは、次に何をしようか考えた。
今頃はルイズも食事を終えているだろう。
(とりあえずルイズのとこ戻るか。 またうるさくされたらたまんねーしな)
ルイズが食後、どこに行くのかは知らなかったが「匂い」を辿ることぐらい自分の身体能力ならわけなかった。
だが少し違和感を感じていた。
不快なものではなかったが、気にはなった。
(なーんかこっちに来てから、調子がいいな。 体が軽いっつーかなんつーか それに鼻もよく利く)
あちらの世界にいた時より鋭敏になった嗅覚でルイズの位置はすぐに特定できた。
そこの角を曲がれば…。
どんっ。
「キャッ!」
曲がった瞬間、なにかにぶつかった。
ヤンの目の前には桃色髪の小柄な少女が、鼻を押さえて尻餅をついていた。
「い、痛いじゃない! 気をつけなさ………ってヤ、ヤンッ!?」
目の前の少女は匂いの源…すなわちルイズだった。
「ど、どこ行ってたのよ……主人を置いてどっか行っちゃうなんて、使い魔失格なんだからね!」
鼻をさすりながらヤンを見上げる。
本人は主人としての威厳を保っているつもりだろうが、いかんせんまったく無い。
「……オマエなァ…四六時中オメーに付き纏えってのか? 用足す時も風呂入るときもゼーーンブ一緒がイイのかぁ? そんなに俺と一緒がいいのかよーー」
ルイズは慌てて立ち上がり言い返す。

782 :ルイズとヤンの人情紙吹雪4:2009/04/25(土) 19:50:33 ID:???
「何言ってるのよ! そ、そういう意味で言ってるんじゃないわよ!! 主人である私の許可なしに使い魔が勝手にどっか行っちゃダメって言ってんの!!」
片手は腰に、片手はヤンを力強く指差す。いつものポーズだ。
しかし腰に当てられた手にはパンが握られていた。
この貴族の誇りの塊の少女がパンを歩き食いするなぞ、とても考えられない。
短い付き合いだが、ヤンにはそれが理解できた。
「なにそのパン。 どしたの? オメェが喰うの?」
その瞬間、ルイズはあッという表情をして慌ててパンを隠す。
「こ、これは…その……な、なんでもないのよ……えと…その……そ、そう! 犬にね! あげようと思ったの! その…捨て犬を見かけたから、お腹減ってるかなって思って!」
明らかに慌てている。
見え見えすぎる。嘘の下手なヤツだ。
ヤンはニヤッと笑い、ちょっとカラカってやろーかな。
そんな気持ちがムクムクともたげてくる。
パンを持つ理由などどーでもいいが、慌てっぷりを堪能するか。
「へー まさか貴族のお嬢様も歩き食いなんかするとはなぁ! 俺のご主人様はそんな品無しだったとはなぁ 僕チンショックぅ〜」
ヤンは大袈裟に身振り手振りを加えて嘆く。
その姿を見たルイズは向きになって食いついてくる。
「なに言ってるのよ! 私がそんな卑しいまねするわけ無いでしょ!」
「え〜〜ホントですかぁ〜ご主人様ーーー?」
ヤンの動きはまるで三文オペラだ。
猿芝居とはこのことだろう。
「本当よ! このパンはアンタの分で……あッ!」
あからさまにしまった!という表情で硬直する。
「ん? 俺の分?」
ルイズは急に勢いを無くし、ヤンを強く睨んでいた瞳も自信なさげに下を向いてしまった。
ヤンも予想外の返答にからかうのを忘れる。
「うぅ〜〜〜…………そ、その……アンタがさっき朝食たべないで行っちゃうから……お、お腹空いてるかなって思って…」
その言葉にヤンは心底感心したような声を出す。
「ほほぉーーーーーーへぇ〜〜〜〜〜 俺の分をねぇ〜……」
ジロジロとルイズを見つめるヤンに、ルイズは顔を赤くしてがなり立てる。
「か、感謝しなさいよ! あんな無礼を働いた使い魔のために、わざわざパンを恵んであげるんだからね!!」

783 :ルイズとヤンの人情紙吹雪4:2009/04/25(土) 19:51:32 ID:???
そう言いながらパンをヤンにビシッと差し出す。
「朝食……抜きだったんじゃねーの?」
怪訝そうな顔で尋ねる。
「だ、だから…今回は……ゆ、許してあげるわ。 で、でも調子に乗るんじゃないわよ! 次は無いわ! 次は絶対ホントにご飯ぬきにするんだから!」
ヤンは感心した。
まさかこんなに早く機嫌を直すとは思っていなかった。
当初の印象だと、かなり尾を引くタイプだと思ったが。
それにしても…悪いと思ってるならもう少しスマートな表現方法があるだろうに。
「……ふーん まぁそういうことならな…。 もらっとくぜこのパン。」
ヤンはそう言ってルイズからパンを受け取り、瞬く間に完食する。
その様子を見たルイズは、安堵したのか少しばかり優しい笑顔を浮かべる。
(……こんな風にも笑えんのかよ。 もーちっと肩の力抜いて、いつもこんな風にしてりゃあいいのによ。)
ヤンはもとの世界で、肩に渾身の力を込め続けていた女を思い出す。
あんなにオッカナイ女は初めて見た。
(肩肘張ってたらヘルシングの糞ビッチちゃんみたいに老け顔になっちまわーー)
せっかく生き延びたのだから、あのヘルシングを自分の前に跪かせたい。
ひーひー喘がせて命乞いさせて、ミンチにしてズタ袋にぶち込んでやる。
もっとも異世界にいる今となっては叶わぬ願いだが。
「そーいやお前、こんなとこでのんびりしててイイのか? 授業始まるんじゃねーの? よくわかんねーけど」
「あ! そ、そうよ これから行くところだったの! あんたのせいで無駄な時間とっちゃったじゃない! 遅刻したらどうしてくれるのよ!」
「俺カンケーないし」
「何言ってるのよ、アンタも一緒に行くのよ! ほら急ぎなさい!」
ルイズはヤンの手をとり一目散に駆け出す。
「えーーーーー授業なんて受けたくねーーーーヤダーーーいやだーーーーー俺、勉強超嫌いーーーーーーーッ!」
ルイズに引きずられながらブーたれる。
「別に誰もアンタに授業受けさせるつもりは無いわよ! でも召喚の後の授業は顔見せだからいないとダメなの!」
やだやだやだやだーーーーーーーーー。
ヤンの慟哭は空しく廊下にこだまして消えた。

784 :マロン名無しさん:2009/04/25(土) 19:53:36 ID:???
風呂から支援

785 :ルイズとヤンの人情紙吹雪4:2009/04/25(土) 19:55:31 ID:???
とりあえずここまででおます
ページ作ってくださった方、本当にありがとうございます
嬉しくてチョット涙でそう

お目汚し失礼しました

786 :マロン名無しさん:2009/04/26(日) 09:08:24 ID:???
ヤンの弾ける奔放さがス・テ・キ

787 :マロン名無しさん:2009/04/26(日) 17:53:59 ID:???


788 :マロン名無しさん:2009/04/27(月) 00:12:15 ID:???
乙!
このヤンだとフーケ編であっさりルイズを見捨て、ルイズが死んだ後は吸血鬼の本能に走りそうな気がする。

789 :マロン名無しさん:2009/04/27(月) 02:03:52 ID:???
乙っす
ヤンとカリーヌさんの邂逅が見たいような見たくないような……

790 :マロン名無しさん:2009/04/27(月) 02:13:27 ID:???


いまのところ大人しい?がいつ吸血鬼として黒くなるかわからんから怖いな
ヤンって強さはどのくらいなんだ?1話の吸血鬼神父と同じぐらいかな?

791 :マロン名無しさん:2009/04/27(月) 03:03:09 ID:???
>>790
量産型吸血鬼SS以上、ヴェアヴォルフ以下じゃねえ?
一応日光の中でも活動できるし

もしくは、量産型吸血鬼試験作的な感じ?

792 :マロン名無しさん:2009/04/27(月) 03:38:46 ID:???
巻末補正次第では、結構なレベルまでイケなくもないハズ!

793 :マロン名無しさん:2009/04/27(月) 09:46:05 ID:???
旦那がうっかりカテゴリA認定して解放しちゃう位の強さのお兄ちゃんとどっこいじゃね?
なんとなくジョジョ1部から3部の吸血鬼の零落っぷりにつながるものがあるね

794 :マロン名無しさん:2009/04/27(月) 10:29:20 ID:???
>>791
じゃあヤンってガンダムじゃね?つえー超つえー

795 :マロン名無しさん:2009/04/27(月) 10:30:59 ID:???
SSS 山守義雄
SS  シュレinアーカード
S   321号開放アーカード 通常アーカード

AA  零号開放アーカード 茨アンデルセン 吸血鬼ウォルター
A   大尉 隊長inセラス アンデルセン 全盛期ウォルター

B   少年ウォルター トバルカイン リップバーン ゾーリンブリッツ ルーク
C   セラス 老年ウォルター ヤン ハインケル 由美江 インテグラ
D   大隊員 13課構成員 死の河の亡者 シュレディンガー

E   ドク ベルナドット
F   マクスウェル 少佐 ペンウッド

796 :マロン名無しさん:2009/04/27(月) 14:30:07 ID:???
大尉ってAAよりも下かな
零号って対雑魚なら良いと思うけど、AAとかAクラス相手だと微妙じゃない?

ところでそれって同じランクでも左の方が強いとかある?

797 :マロン名無しさん:2009/04/27(月) 15:56:38 ID:???
銀有りとはいえ、セラスにあっさりやられてるしそんなもんじゃね?

ヴェアヴォルフ総掛かりでも命一個の旦那を倒せないと思ったから、
少佐は虚数作戦に出たんだろうし

798 :マロン名無しさん:2009/04/27(月) 19:15:27 ID:???
山守義雄がはいっててワロタ

799 :マロン名無しさん:2009/04/27(月) 21:00:36 ID:???
>>798
sadeワロタw

800 :マロン名無しさん:2009/04/27(月) 21:45:56 ID:???
バカ野郎
英国無双のペンウッド卿ならSSSは無いにしてもSSくらいいけるだろ

801 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/04/27(月) 21:47:48 ID:???
どうも、投下します。

802 :ゼロのロリカード-34:2009/04/27(月) 21:48:56 ID:???
 トリステイン・ゲルマニア連合軍は、驚くべきスピードでシティオブサウスゴータを制圧した。
勢いも士気も十分な上に、ルイズの虚無魔法『イリュージョン』の効果も相まって、被害も軽微。
しかしこのまま進撃を続けるかと思いきや、約二週間の足止めを食うこととなる。

 理由の一つ目が、アルビオン軍がシティオブサウスゴータの備蓄食料を奪ったこと。
当然サウスゴータの人々を無視するわけにはいかず、軍の兵糧を分けることになる。
よって、早急な補給を必要とした。

 理由の二つ目が、アルビオン軍側から降臨祭の期間と前一週間に限る休戦の申し出である。
補給の為の時間と慣例からこれを受け、降臨祭が終わるまでの約二週間を休戦することになったのである。


 亜人相手に大暴れしたアーカードであったが、未だに血が滾っているようで、戦争が再開されるのを今か今かと待っている。
テファの使い魔、アンデルセン神父と会ってから、少しだけ纏う空気が変わった。
戦闘戦斗を望む悪鬼の様相を呈しているように見える。

 と言っても、今は椅子に座って寝息を立てていた。
「何か」を感じて寝ているのか、・・・・・・闘いのにおいか何かを。
ルイズはそーっと顔を覗き込む。こうして見ると、見た目相応で可愛いものだ。
本当は男でも、今は自分よりも年下の少女がスヤスヤとお昼寝をしているような印象。


 すると、ふっとアーカードの口の端が上がり、白い牙が見えた。
「あ、笑った」
寝顔は可愛いかなとも思ったが、前言撤回。やっぱりちょっと邪悪さが出ている。

(まるで明日何して遊ぼうか考えて、眠る子供・・・みたい・・・・・・)

 二週間後が待ちきれず、今から寝てチャージしておくような、そんな感じ。
笑ったということは、夢でも見ているのだろうか。
 

803 :ゼロのロリカード-34:2009/04/27(月) 21:50:31 ID:???
(どんな夢を見てるんだろう・・・・・・)
ふふっと笑って外へ出て行くルイズを尻目に、アーカードはうなされ始めた。





「ロリカード、起きなさい。ロリカードや」
誰かに呼ばれた気がして、アーカードは目を開ける。

「お久し振りウィリス」
言葉では形容し難い光景が目の前に広がっていた。

「また会いましたね、ジャッカルの精ですウィリス」
アーカードは咄嗟に銃を撃とうとしたが、生憎と手元にない。

「無駄ウィリス。今お前は私を持ってないウィリス」
「・・・・・・」
アーカードは無言で歩き出す。どつく為に。

「あっちょっと待って、それは反則ウィリス」
そのことにいち早く気付き、アーカードに静止を求めるが当然聞くはずもない。

 アーカードの右ストレートが躊躇無く顔面に炸裂し、ジャッカルの精は吹き飛ぶ。
「あぁ・・・・・・ハァ・・ハァ・・・ょぅι゙ょの鉄拳ハァハァ・・・もっとご褒美!
 ・・・・・・じゃなかった、やめるウィリス。ロリカード」

 悶えるジャッカルの精を、半眼で見つめながらアーカードは止まる。
「ロリ・・・・・・カード?」
「ロリっ娘+アーカードでロリカードウィリス」
アーカードは腕を組む。前にも見た夢の続き・・・・・・か?
 

804 :ゼロのロリカード-34:2009/04/27(月) 21:51:35 ID:???
 
「おっと、無駄話はやめて本題に入るウィリス。お前は近い内、私と会うことになるウィリス」
「・・・・・・生憎と、弾がない。貴様を使う日は二度と来んだろう」
「大丈夫ウィリス。それもいずれわかるウィリス、もうすぐおまえは私に会いにくるのだウィリス」

 アーカードは嘆息をつく。まともに相手をしてもしょうがない。
「今日はそれを伝えにきただけウィリス。必ず迎えに来るのだウィリス」
「・・・・・・」
「あの眼鏡神父を相手にする為にも、私が絶対に確定的に間違いなく必要不可欠ウィリス」
「・・・・・・」
「ハァ・・ハァ・・・ょぅι゙ょの冷たい視線ハァハァ・・・・・・放置プレイも乙でウィリス・・・・・・」

「あ゛〜・・・・・・」
アーカードは溜息を吐く。
今の少女姿だと割かしフリーダムで、何にでも対応出来ると思っていた。
・・・・・・が、例外もあるということを認識させられた。

「ふぅ・・・・・・。それじゃ、失礼するでウィリス」


 ジャッカルの精は親指を立て、ウインクしつつ爽やかな笑顔を浮かべた。

「I'll be back!!!」

 ――――――そしてアーカードは目を覚ました。



「うわ!?びっくりした。いきなり目を開けないでよ」
アーカードは目を見開いたまま、呆けている。
「何か悪い夢でも見たの?アーカード」
 

805 :ゼロのロリカード-34:2009/04/27(月) 21:53:21 ID:???
 ルイズの問いに、暫く間を置いてから答える。
「いや、なんでもない」
ルイズは首を傾げながら、自分を見ている。

 アーカードは「フン」と一息、立ち上がる。
「・・・・・・全く、一体なんだというのだ」





「あ゛〜さむ・・・・・・、まだ着かないの?」
「・・・・・・もう着いたよ」
シティオブサウスゴータから約30リーグほどの地点。
白に染まる山の中を、二人の人物が歩いていた。

 二人ともフードを目深に被り、顔に吹きかかる冷たい風を凌いでいる。
その内の一人は『土くれ』のフーケもとい、マチルダ・オブ・サウスゴータ。
かつてこの一帯の領地を支配していた貴族であり、王室に逆らった所為で没落した。


「ここが?」
「あぁ、この水源がシティオブサウスゴータのおよそ1/3を占めている筈さ」
「オッケィ、ごくろうさま」
もう一人のその男はフードを脱いで、しゃがんで目の前の清水を覗き込む。

「へぇ。いけすかない野郎かと思ってたら、案外可愛い顔してるじゃないか」

 やや中性的で整った顔立ち。
全体的には少年のような雰囲気だが、大人のような精悍さも同時に併せ持っていた。
シェフィールドと名乗る、その青年の額には古代のルーンが刻み込まれている。
そしてその佇まいは、時に自分よりも年上なのでは?と、感じさせるものがあった。

806 :ゼロのロリカード-34:2009/04/27(月) 21:55:41 ID:???
 
「生憎だけど、僕は趣味じゃない」
シェフィールドの歯に衣着せぬ物言いに、フーケは青筋を立てるものの、ガキ相手に熱くなってはいけないと平静を装う。
「わたしだってアンタはタイプじゃないさ」

 シェフィールドは右手を水源に向かって突き出す。その指に嵌まっているのは指輪。
「それは確か、クロムウェルの・・・・・・」
「アンドバリの指輪。先住の水の力が凝縮されて出来た結晶さ」
そう言うとシェフィールドの額のルーンが輝き、指輪の先についた結晶から一滴、二滴と、水の力が広がる。

「この強力な"水"の力は、身体の組成はおろか心すら容易に操る。
 この水を飲んだ者はさしずめマリオネット。生きた傀儡として動くのさ」

 フーケは「ふ〜ん」と興味を示さない風で言う。


 事を終えてシェフィールドは立ち上がり、フードを被る。
「これで戦局は引っくり返る」
「・・・・・・あちらさんには虚無があるけど?」

 タルブでの戦でトリステインに勝利をもたらした奇跡の光。
ロサイス上陸の際にも、サウスゴータ攻略の時も、幻影で以って多大な功績をあげている。
虚無があったからこそ、トリステイン・ゲルマニア連合軍は、侵攻作戦を成功させることが出来たと言っても過言ではない。

「虚無か、確かに懸念すべき事項だ。けれど最早そんなものじゃ止められない流れになるさ」
「はぁ・・・・・・」と、フーケはいまいち納得のいっていない声を出す。


(エクスプロージョンは燃費が悪い、ってジョゼフが言ってたし・・・・・・)
万に及ぶ兵を止めるエクスプロージョンはまず放てないと言っていい。
タルブで撃っているならば、尚の事である。
そして・・・・・・幻影じゃマリオネットは止まらない。

807 :ゼロのロリカード-34:2009/04/27(月) 21:57:19 ID:???
 
「まったく、新しい主人は人使いが荒い」
シェフィールドは、帰り路をゆくフーケには聞こえない声で呟く。

「・・・・・・まっアーサーに比べればまだマシ、かな」

「何か言った?」
「い〜や、なんにも」
フーケはやや怪訝な顔をしていたが、すぐに顔を前に戻す。

 青年は空を仰ぎながら、白く吐き出される息を見つめた。





 降臨祭が明けるまであと一日。アーカードは棺桶の上で、銃を分解して点検していた。
ドラムマガジンの付いた、トンプソンM1短機関銃。
白銀に輝く銃身の、.454カスール改造銃。
そして光すら飲み込むように深く黒光りする、『破壊の杖』もとい、『対化物戦闘用13mm拳銃ジャッカル』。

 何故ジャッカルがここにあるのかと言うと、当然持ってきたからに他ならない。
何故取ってきたのかと言うと、――――――少し前へと遡る。


 "ガンダールヴの槍"として送られてきた物の中に、弾丸があった。
カスール改造銃に使う為の13mm炸裂徹鋼弾。ジャッカルに使う為の専用弾。
そのそれぞれの弾倉を、「ロマリアに戻って取ってきた」とシュレディンガーが持ってきたのだ。
シュレディンガーはアーカードにマガジンを渡すと、すぐに去っていき、その真意はわからない。
 

808 :ゼロのロリカード-34:2009/04/27(月) 21:59:21 ID:???
 ジャッカルはアンデルセンを殺し切るという、カスール改造銃に輪をかけて凶悪な代物。
件のアンデルセン神父がこちらにいるということもあり、「折角だし」ということでありがたく頂くことにした。
その時、アーカードがなにやら苦い顔をしていたような気もしたが・・・・・・。

 二週間もの間、とてもすごく暇であるので、棺桶もついでに持ってきて寝よう。
と、いうこともあり、一度アーカードは学院にまで戻って、またやってきた。というわけである。

 元々の持ち主であるという事と、アーカードのこれまでの功績相まって、引き渡しはあっさりと終わったそうな。
そして今現在、戦争がもうすぐ再開されるので、点検をしているということに相成る。



 この二週間の休戦期間。自分はとりあえず鍛錬だけは欠かさず、またアーカードは惰眠を貪っていた。
しかしそれでも、自ずと話す機会は多かった。

 記憶が戻ったと言うアーカードから、前の世界のことを聞いた。
アーカードの、もう一人の主人。インテグラ・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシングのこと。
アーカードの眷族、吸血鬼セラス・ヴィクトリアのこと。そして王立国境騎士団『HELLSING』のこと。

 アンデルセン神父との関係に、イスカリオテ。
シュレディンガーや大尉のことや、ミレニアムという組織のこと。
さらに裏切った執事のこと等々、様々なことを聞いた。


 その全てを聞いた上で、聞いた。
「元の世界に帰りたくはないか?」と。
実際に帰る帰らないは別として、アーカードの本音が聞きたかった。

 アーカードが過去の話をしている時、特にインテグラとセラスと言う人の話をしていた時。
どことなく嬉しそうに喋っていたアーカードの表情を、ルイズは見逃さなかった。
 

809 :ゼロのロリカード-34:2009/04/27(月) 22:01:10 ID:???
 当然アーカードが帰ってしまえば、寂しい。
でも帰りたいと願っているなら、帰してあげたい。素直にそう思う。

 アーカードを召喚してこれまで、思い出したくないことも多々あるが、相応に揉まれた。
自分は・・・・・・ルイズ・ド・ラ・ヴァリエールは、心身共に強くなった。
アーカードに依存しなくても、アーカードに頼らなくても、きっと頑張れると思う。

 なによりも、こちらが勝手にアーカードを召喚したのにも拘らず。
見返りも求めず、自分の使い魔になってくれたアーカード。
いつだって自分の力になってくれたアーカード。何度も助けてくれたアーカード。

 そんなアーカードの為に、何かしてあげたい。アーカードの望むことを叶えてあげたい。
それがルイズの、偽らざる気持ちだった。だからこそ、聞いた。



「確かに帰りたくないと言えば、嘘になる。あれでインテグラは寂しがりやだからな。
 もしかしたら、セラス共々私の帰りを今でも待ち続けているかもしれない」

「そっか。それなら協力するわ。私も一緒に帰る方法を探してあげる」
ルイズは穏やかな笑顔を浮かべながら、そう言った。
アーカードの為に尽くしてあげたい。そんな気持ちが、素直に表情に出ていた。

 アーカードはそんなルイズの言葉と、真っ直ぐ己を見つめる鳶色の瞳に、少しばかり驚いた顔を見せる。
その後に、ルイズのように笑みを浮かべて言った。
ルイズの想いが、目と目を通じて伝わる。

「いや、それには及ばん。インテグラは大事だ、だがルイズ。お前も大事だ。故にどちらかを贔屓することはない」
「でも、会いたいでしょ?」
ルイズは眉を八の字にして、アーカードを見つめる。
主人に慮られて心配されるなんて、とアーカードは笑った。
 

810 :ゼロのロリカード-34:2009/04/27(月) 22:03:13 ID:???
 
「フッ、主がそこまで言うのであれば、そうだな・・・・・・後30年か40年くらいここにいて、それから帰るとしようか。
 なに、インテグラならそれくらい待っていてくれるだろう。こっちで30年、向こうで30年。半々に分けるとしようか。
 ルイズもインテグラも私の愛しいあるじ、だからな。気長に帰る方法は探せばよい。
 尤もそうなると、ルイズの死を看取ってやれんが・・・・・・の」

 冗談めかして言うアーカードに、ルイズはつられて、二人合わせるように笑う。
「構わないわよ。私だけしわくちゃのおばあちゃんになっちゃって。
 でもアーカードは姿が変わらず傍にいられたんじゃあ、なんか嫉妬しちゃいそうだし」

「年老いても変わらないものがある。いや、年老いてこそ美しくなるものがある。
 それが在り続けるのであれば、老いて外見が変わったとしても・・・・・・美しいままさ」

 ルイズは肩を竦めてアーカードと微笑み合う。
もう言葉はいらない。心だけで通じる。そんな絆を、ルイズは感じた。



 そう。あの時、ようやくアーカードとの間に真の絆を確認出来た。
本当の意味での主従を感じ入ることができた。
互いが互いを信頼するパートナーになれた。
そう、思える。


 アーカードは銃の点検を終えると、左前腕に十字を描くように銃身を置き、サイトを覗き込む。
まずはジャッカル。・・・・・・何も言うまい。夢の事も、今手元にある事実も、何もかも。
次いでカスール、トンプソンと見た後、「よし」と頷き銃をしまう――――――その時だった。

 銃声が聞こえた。
当然アーカードが撃ったものではなく、もっと遠くから聞こえたきたもの。
それも一発や二発ではない。何発もの音が聞こえた。
 

811 :ゼロのロリカード-34:2009/04/27(月) 22:03:40 ID:???
「今の音は・・・・・・?」
「発砲音だな、十中八九。何か起こったのかもな」

 ルイズは弾かれたように立ち上がる。
アーカードもそれに応じるかのように、ゆっくりと立ち上がった。

 不測の事態が起こったのかもしれない。
降臨祭最終日であるが、油断は出来ない。

 ふとアーカードを見ると、ギラついた牙が口から覗いている。
紅い瞳もつり上がり、闘争の愉悦を感じる・・・・・・これ以上ない笑みが、そこに浮かんでいた。





 トリステイン・ゲルマニア連合軍は、敗走の最中にあった。
突如として軍の内部に反乱が起き、混乱の中でロサイスまで退却する事となったのである。
三万にも及ぶ離反者は、アルビオン軍と合流して七万の大軍勢となって進撃してきている。

 士気も兵力も大きく下がった連合軍に、膨れ上がったアルビオン軍を相手にする力はない。
指揮系統も大いに乱れ、崩れ、軍としての機能は既に果たせない。
兵士たちは皆、蜘蛛の子を散らすようにして、アルビオン大陸から逃れようとしていた。

 敗走する連合軍が集結しつつあるロサイスでは、半日の交渉の末にようやく撤退の許可が本国から降りた。
やっとのことで兵達が乗船し始めるも、まだまだ時間は掛かる。
退却が完了する前に、アルビオン軍がロサイスへと到着し、攻撃を開始するのは明白。

 全軍が無事に撤退し終える為には約一日、敵軍の足止めが必要であった。
そんな事が可能な手段は――――――、一つしかない。

 

812 :ゼロのロリカード-34:2009/04/27(月) 22:04:17 ID:???
 
「・・・・・・殿を、任されたわ」
司令部から戻ってきたルイズは、その命令を自身で再確認するかのように・・・・・・そう言った。
両目を瞑り、浮かない色をその表情に見せている。

「アルビオンの退き口・・・・・・か」
アーカードは煙草を吹かしながら呟く。情報が錯綜していて実態が掴めない。
サウスゴータでは退却の命令もあり、結局戦わずじまいでロサイスまで戻ってきた。

 だが、"命令"が出た。
かつての友軍を含めたアルビオン軍と、"戦っていい"ということだ。





 白みつつある、夜明け前の空。
丘の上に、ルイズとアーカードは立っていた。

「テファ達の村が・・・・・・少し近いわね」
「まぁ、大丈夫だろう」

 地平を見れば、七万のアルビオン軍。
「・・・・・・随分な強行軍みたいね」

 七万の大群は、緩い地響きを自分達に届ける。
いざ目の前にすると、遠目でも圧倒される光景だ。


「本当に『エクスプロージョン』も『イリュージョン』もいらないの?」
「問題ない」
そう言うとアーカードは片手で棺桶を持ち上げ歩いて行き、ルイズもそれに続いた。

813 :ゼロのロリカード-34:2009/04/27(月) 22:04:56 ID:???
 


 アーカードから聞かされた『拘束制御術式』、『零号開放』の詳細。
ワルド戦で見せたのとはまるで違う。たった一人の軍団たるその能力。
孤軍奮闘たる今の状況におあつらえ向きな、恐るべき吸血鬼の性質。

 アーカード達とアルビオン軍の相対距離がどんどん狭まっていく。
適当なところでアーカードは棺桶を置き、ルイズを止める。

 棺桶よりさらに前に出て、アーカードは長い黒髪を風に靡かせ然るべき時を待つ。

                                       ロ ン ド
 ルイズは目を瞑り自問する。今から見ることになるだろう、死の輪舞曲。
七万の人間を殺す"覚悟"。自分がたった今から下す命令一つで、敵軍は殲滅される。

 姫さまの頼みでアルビオンに来た時。
空賊扮する、故ウェールズ皇太子達に襲われた時。
アーカードは言った。殺すのは、わたしの殺意。
今、彼らを、アルビオン軍を、目の前の七万人を殺すのは、・・・・・・私の殺意。
それが――――――最後の、いちじくの葉。



 短いのか長いのか・・・・・・わからない時間。ルイズは自問し続けた。
そして、紅い瞳を見開いて狂喜の笑みを浮かべたアーカードが口を開く。

「そろそろ、頃合か。・・・・・・さあ!ルイズ!!」

「・・・・・・覚悟、完了」
ゆっくりとルイズは目を開く。
既に敵軍は、はっきりと確認出来るほどのところまで迫っていた。

814 :ゼロのロリカード-34:2009/04/27(月) 22:05:25 ID:???
 
                   マイ  マスター                    オーダー
「あるじよ!!我があるじよ!!我が主人ルイズ・ド・ラ・ヴァリエールよ!!命令を!!」


 アーカードが叫び、ルイズは大きく息を吸い込んだ。そして高らかに――――――。

    スレイブ
「我が下僕、吸血鬼アーカードよ!!命令する!!」
ルイズはアーカードの先に見える、アルビオン軍を鋭く見据えた。
そして勢いよく右手を水平に、真っ直ぐ横に伸ばす。

「総滅せよ、彼らを生かしてこれ以上進ませるな」

「白衣の軍には白銀の銃を以って、朱に染めよ」

「黒衣の軍には黒鉄の銃を以って、朱に染めよ」

「一木一草、尽く我らの敵を赤色に染め上げよ」

「見敵必殺!」

「見敵必殺!!」


 アーカードは、深く、静かに、口を開いた。
           マイマスター
「了解。認識した。我が主」


――――拘束制御術式零号  開放――――

815 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/04/27(月) 22:13:32 ID:???
以上で終了です。

最初は何の気なしに始めたこのゼロのロリカード。
皆様の応援、感想、支援。
まとめてくれている方、数々のとてもありがたい支援絵。
等々、これ以上ない励みになり、ようやくここまでこれました。

最も書きたかったこのシーン。
書きたい衝動に駆られながらも、なんか書いちゃったらそれだけで燃え尽きちゃいそうな気がして、我慢し続けたこのシーン。
ここまで来るのは本当に長かったです。

きちんと最後の最後まで書ききれるよう、頑張りたいと思っています。
楽しんでいただければ、幸いです。

ではまた。

816 :マロン名無しさん:2009/04/27(月) 23:09:17 ID:???
乙です!!

てか、7万オワタwwwww

817 :マロン名無しさん:2009/04/28(火) 06:00:09 ID:???

次号は旦那のバイキングタイムか

818 :マロン名無しさん:2009/04/28(火) 11:39:40 ID:???
なんか伊達男とリップ出せば殲滅出来る気がする

819 :マロン名無しさん:2009/04/28(火) 11:51:02 ID:???
>>818
その二人居なくても総数342万4千人の軍勢だぜww

物量ですりつぶされるwww

820 :マロン名無しさん:2009/04/28(火) 14:41:09 ID:???
脳内にヒラコー絵のルイズがwww

821 :マロン名無しさん:2009/04/28(火) 20:31:27 ID:???
その戦力差300:7!ジオン軍の状況が天国に見えるレベル

822 :マロン名無しさん:2009/04/28(火) 21:16:01 ID:???
拘束制御術式零号、開放キターーーーーーーーーーー(≧∀≦)ーーーーーーーー!!

これ以上は書けません。
ただ次回を全力でお待ちもうしております!

823 :マロン名無しさん:2009/04/28(火) 21:19:57 ID:???
現代でも300万は大都市並の人数なのに中世レベルの世界で解放なんかしたら勝てるはずがねー

ルイズもあと10年もしたらインテグラみたくなりそうだな

824 :マロン名無しさん:2009/04/28(火) 22:44:35 ID:lBY2IYP2
すでにルイズの性格がインテグラと化している様な・・・。旦那なんてアイアンレディメイカー!
そして遂に始まった零号開放!
7万の軍勢よりも(既に死亡確定)アンデルゼンがどう動くか気になる!

825 :マロン名無しさん:2009/04/28(火) 22:46:25 ID:???
とうとう0号で7万を蹂躙する日が来るのかw

826 :マロン名無しさん:2009/04/28(火) 22:50:06 ID:???
その30年後にはおばあちゃんなのになんかエロくなってるんですね
それがいい

827 :マロン名無しさん:2009/04/28(火) 23:37:33 ID:???
あとルイズに足りないのは強くて優秀な執事だな
……ワルドとか結構似合ってたかもしれん、ジジイになってから裏切って人工吸血鬼化してアーカードに挑むとか

828 :マロン名無しさん:2009/04/29(水) 00:03:02 ID:???
っつーか、零号解放したらそのままアルビオン占領できるのでは・・・・・・

829 :マロン名無しさん:2009/04/29(水) 00:56:52 ID:???
そのかわりアルビオン人がいなくなりますw

830 :マロン名無しさん:2009/04/29(水) 03:41:40 ID:???
あれって・・・やっぱ無差別攻撃だよなぁ・・・・・・

831 :マロン名無しさん:2009/04/29(水) 09:22:27 ID:???
一応攻撃対象と非攻撃対象の区別は出来るだろ・・・旦那はインテグラと次いでに婦警位しか区別ないけど

832 :マロン名無しさん:2009/04/29(水) 09:38:58 ID:???
他には神父様や武装神父隊がいたけどあいつら自力で防いでそうだからな・・


833 :マロン名無しさん:2009/04/29(水) 13:30:23 ID:???
そっちは攻撃対象から外す理由が無くね?

>>827
主人が小さいころから居て、裏切るところなんかピッタリだよな

834 :マロン名無しさん:2009/04/29(水) 18:52:59 ID:???
戦いがどうなるかは旦那の残機次第な気がする
残機無し
1.霧化して食い尽くす
2.零号の部分開放、ワルドをウェールズに同調させヘキサゴンを連発させる
残機あり
3.分離したのはシュレだけロンドンで食った分+ハルケで食った分は残機であるので一気物量で蹂躙

835 :マロン名無しさん:2009/04/29(水) 20:27:11 ID:???
残機の10%だけでも制圧できそうだけどな
死者の軍団30万と戦わされる7万人で
死んだ7万も取り込まれちゃうし

836 :マロン名無しさん:2009/04/29(水) 21:14:13 ID:???
シュレ同化で食事は全て台無しになっているような気がするけどどうなんだろう。

837 :マロン名無しさん:2009/04/29(水) 21:24:11 ID:???
所々で少ない命が〜って書いてあったような気がするんだけど

838 :マロン名無しさん:2009/04/30(木) 01:52:15 ID:???
ああそうかそういえばウェールズ喰ってたな
トバルカインやリップバーンみたくどこからかエアカッターとかが飛んでくるのか

839 :マロン名無しさん:2009/04/30(木) 22:41:43 ID:???
予想はやめようぜ

840 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/04/30(木) 23:49:08 ID:???
どうも、投下します。

841 :ゼロのロリカード-35:2009/04/30(木) 23:50:56 ID:???
「拘束制御術式零号、開放!!」

 ルイズの命令が木霊する。

「帰還を果たせ!!幾千幾万となって帰還を果たせ」

 高らかに叫ぶ声が、夜明け前の空に残響する。

「謳え!!」


「私は・・・・・・ヘルメスの鳥」

 アーカードの謳う詩に呼応するかのように、棺桶に紋様が浮かぶ。

「私は自らの羽を喰らい・・・・・・飼い、慣らされる」





「なんだ・・・・・・?これは・・・・・・?」
アルビオン軍の銃兵隊士官が、その異変に最初に気づいた。

 使い魔のフクロウから得る視界から見えたのは、二人の少女と棺桶である。
進行方向にただの少女がいるわけがない。もしかしたら敵の虚無かもしれない。
すぐに銃兵に弾込めを命じたものの、兵達の手が震えて思うように上手くいかない。

「何をやっている!」と問い質そうとした瞬間、自分自身も震えていることに気付く。
銃兵達だけではない、前衛の捜索騎兵隊も、他の兵達も、その体を震わせていたのである。
それはどこか生気の感じられない、裏切った元トリステイン・ゲルマニア連合軍の兵達も例外ではなく。
 

842 :ゼロのロリカード-35:2009/04/30(木) 23:52:57 ID:???
 
 次いで歌が聞こえてきた。フクロウの目から少女の一人が謳っているのだとわかる。
まだまだ距離があるのに、何故こんなところまで通るのか不思議だった。

 そして・・・・・・ようやく体だけでなく、頭も"それ"を理解した。
今自分達が"震えている理由"を。
 ・ ・             ・・・・・・・・
 ここにいる全てが感じたのだ。「恐ろしい事になる」と。

 そして視界を得ている自分だけがわかった。
 ・ ・           ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
 あの少女を、否・・・・・・あの化け物を倒してしまわないと、恐ろしい事になると!!

 いつの間にか何人かの兵達が、声にならない声をあげているのに気付く。
それは波紋のように広がる恐慌の悲鳴。本能の絶叫。


 風を切り裂く音と共に、"紙のようなもの"がいくつも飛んでくる。
"それ"は前衛の兵達を首を飛ばし、細切れにする。

 何か"とてつもなく速いモノ"が横切ったような気がした。
"それ"は後方で異様な音を立てて、縦横無尽に飛び回り兵達の肉体を砕いていく。


「馬鹿なッ、馬鹿なッ、馬ッ鹿なッ、そんな馬鹿な事があるかッ!!」
既に死んだ使い魔の、フクロウの視界から見えた最後の光景。
棺から出てきた。黒く血に染まる軍団が――――――。

「アイツは何だ!!化け物!!悪魔・・・・・・!!悪魔・・・・・・!!」
 

843 :ゼロのロリカード-35:2009/04/30(木) 23:54:18 ID:???
 地面に落ちてく視界の中で、嗄れるように喉からそう言葉を吐き出す。
しかし、いつの間にか落ちる己の首から声が発せられる事はなく。
思考が途切れるその時まで、士官は恐怖し続けた。





 ――――――ウエストウッドの村の中央、一人の男が立っている。
ハーフエルフの少女を起こさないように、静かに準備を整えて、家から出てきた男。
  パラディン         バヨネット          エンゼルダスト
 『聖堂騎士』、『殺し屋』、『銃剣』、『首斬判事』、『天使の塵』。

 数々の名で呼ばれる、『神父』アレクサンド・アンデルセンは走り出す。


 すぐ近くに感じた闘争の空気。
そしてたった今感じた、倒すべき"敵"の存在。

 殺しきれる武器はない。
"あいつ"を殺せるほどの、研鑽を積んでもいない。

 だがそれでも、好機は今しかない。
「俺はあいつを倒す。アーカードを倒す!!倒さなければならぬ」

 全ての命を、全て開放して、全てを攻撃に叩き込む術式。
城から全ての兵士を出撃させた総掛り。
城の中に立つは、領主がただ一人。

 拘束制御を全開放した今、奴は一人、ただ一人。
今やただ一人の吸血鬼。ただ一人のドラキュラ。


844 :ゼロのロリカード-35:2009/04/30(木) 23:55:13 ID:???
 
 千人の武装SSを、三千人の十字軍を、百万人の英国人を、敵も味方も生贄にした。
アーカードただ一人を打倒する為に、あの狂った大隊指揮官が・・・・・・少佐が作り出したただ一つの好機。
アーカードを物理的に打倒する、千載一遇の好機。唯一アーカードを殺すことのできる刹那。

 それが今、ここにある。
奴が拘束制御術式を開放しなくてはならない状況が、ここにあるのだ。
この好機に・・・・・・三度目があるとは限らない。

 だからこそ、征くのだ。
死人が舞い、地獄が歌う、亡者共が蠢く死の河を踏破し――――――。

「あいつに、その心の臓腑に、この銃剣を突き立てる」

 敵が幾千ありとても突き破る、突き砕す。
戦列を散らせて、命を散らせて。その後方へ、その後方へ。
囲みを突き破り、アーカードの眼前に立つ。


 化け物はあそこにいる。
ハインケルはいない。由美江はいない。
イスカリオテはない。『エレナの聖釘』はない。

 勝機はいくらか。あの時よりも薄い。
千に一つか、万に一つか、億か、兆か、それとも京か。
それがたとえ那由他の彼方でも、不可思議でも、無量大数であっても――――――。

「・・・・・・俺には充分過ぎる」
不可説不可説転であろうとも、"ゼロ"ではない。
ならば打ち倒す。化け物を倒すのは、いつだって人間だ。
そうだ、――――――人間でなくてはいけないのだ。
 

845 :ゼロのロリカード-35:2009/04/30(木) 23:56:07 ID:???
 そして、生きて帰る。
あの子達の笑顔を、失わせない為に。





 天も無く。地も無く。
人々は突っ走り、獣は吠え立てる。
まるで彼らの宇宙が、一切合切咆哮を始めた様だ。

 死ねや。死ねや。
人間は、歩き回る、陽炎に過ぎない。
闘え。死ね。あとは全てくだらないものだ。

 死んでしまえばよい。消えてしまえばよい。
きっと彼らの全てが仇人で。
世界がその絶対応報に頭を上げたのだ。


 棺桶から顕現した、ドス黒い影。
形作るは、今までアーカードが喰ってきた者達。
終わることなく、現れ続ける死者の群れ。
アーカードが従える、アーカードの領民。それが今・・・・・・解き放たれたのだ。

 戦禍鍋を掲げる、イェニ=チェリ軍団が。
かつて狂王として君臨した自国の民、ワラキア公国軍が。
ロンドン市民が、最後の大隊が、第九次空中機動十字軍が、イスカリオテが。
『伊達男』トバルカイン・アルハンブラが。『魔弾の射手』リップヴァーン・ウィンクルが。
オグル鬼が。トロル鬼が。オーク鬼が。吸血鬼エルザが。
無数のメイジ達が。竜騎士達が。アルビオン皇太子ウェールズ・テューダーが。
 

846 :ゼロのロリカード-35:2009/04/30(木) 23:57:14 ID:???
 
 アーカードの中の命が、三百万を超える命が。七万のアルビオン軍を飲み込んだ。


 死が、どうしようもない死が、今眼前で起きている。
凄惨を極める光景。敵の戦列はたちまち崩壊し、次々に串刺しにされていく。
目を覆いたくなる光景。だがそれは許されない、これが己の下した命令。
自分の殺意によって行われている光景なのだ。

 あれが吸血鬼。あれがアーカード。
血とは魂の通貨、命の貨幣。命の取り引きの媒介物に過ぎない。
血を吸う事は、命の全存在を自らのものとする事。魂の、命の同化。
他者との命の共合、生命の融合、精神の統合。吸血鬼の本質。

 ルイズは顔を下に向ける。
頭を垂れた男が一人、跪いていた。

「アーカード、ヒゲだったんだ」
顔を上げたアーカードに向かって、ルイズは言う。
アーカードは立ち上がると、温和な笑みを浮かべて、くしゃくしゃとルイズの頭を撫でる。

「ルイズ。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール」
「な・・・・・・なによ・・」
なんだか気恥ずかしくて、ルイズは俯く。
しかしすぐ気を取り直して、アーカードに笑みを返した。


「さて・・・・・・」
と、アーカードはいつもの少女へと姿を変える。
「折角だからな、暴れさせてもらおう。この猛りを静めるまで・・・・・・存分にな」
 

847 :ゼロのロリカード-35:2009/04/30(木) 23:58:11 ID:???
 右手にカスール改造銃を、左手にジャッカルを。
白銀に輝くカスール銃は、白のアルビオン軍を朱に染める。
黒鉄に輝くジャッカルは、裏切りの黒の連合軍を朱に染める。

 久し振りに持った、愛銃の感触を確かめるように。
アーカードは戦場を駆ける。





 シティオブサウスゴータに、クロムウェムらレコン・キスタの主要な人物達が集まっていた。
シェフィールドが言っていた通り、敵軍の半数近くが寝返り、戦局は逆転した。
今現在、敗走する連合軍を追撃している。あとはガリアが参戦して挟撃してくれれば――――――。

「いやはや閣下の虚無は大したものですな」
「これで我らの勝ちは揺るがぬものとなりましたな」

 口々に約束された勝利を語り始め、その余韻に浸る面々。
「閣下、ガリア軍はまだこないのですかな?」

「焦ることはない、ガリアは必ずくる。余の言うことが信じられぬのか?」
そう逆に問われ、クロムウェルに聞いた者は首を振って否定する。
最早ガリアがこなくても勝ったようなものだし、他の者達は特に杞憂もないようだった。


 だがクロムウェルの心中は穏やかではなかった。
すぐにでもガリアがこなければ、連合軍を全滅させることはできない。
何よりも戦争を続けることが怖い。
完膚なきまでに叩き潰さないと、またいずれ攻めてくるのでは?と考えてしまう。
 

848 :ゼロのロリカード-35:2009/04/30(木) 23:59:07 ID:???
 元々は一介の司教に過ぎなかった。
シェフィールドが来て、瞬く間に神聖アルビオン共和国の皇帝にまでなってしまった。
アルビオン王家に復讐している時は、楽しかった。
だがトリステインとゲルマニアと、戦争などしたくはなかった。
シェフィールドに唆されて、あれよあれよという間にここまできてしまった。

 本当なら今すぐにでもやめたい。シェフィールドはまだ戻ってこない。
早くガリアの動向が知りたい。次は何をすればいいのか教えてほしい。


 その刹那、窓ガラスが叩き割られた。
盛大な音と共に、一人の少年が入ってきたのである。
クロムウェルはその見覚えのある顔に、思わず叫んだ。

「シェフィールド殿・・・・・・!?」
シェフィールドは部屋の中を、何か確認するかのように見回した。

「シェフィールド殿?」
クロムウェルは呼び掛ける。扉ではなく窓から入ってくるなんて、一体何を考えているのか。
いや、それよりも今はガリアの動きが知りたかった。

「・・・・・・シェフィールドか、その名前はもういいや」
シェフィールドは煙草を取り出し、口に銜えて火を点け、一回だけ吸って吐く。
「不ッ味い紙巻。やっぱりこっちのは駄目だね」
そう言うと、口に銜えたまま器用に口を開く。

            バトラー
「ガリア王国、筆頭執事。『死神』ウォルター・C・ドルネーズ。
 主人の気紛れを遂行するは、執事たる者のお仕め故。これよりあんたらを地獄に送る」
 

849 :ゼロのロリカード-35:2009/05/01(金) 00:00:25 ID:???
 部屋にいる者達は呆気にとられた。
辛うじて状況を理解したクロムウェルが口を開く。
「ど・・・・・・どういうことです!?あの方は我々を見捨てたのですか!!??」

「あぁそうだ。そうだよ。そうだとも。もうおしまいだ。
 くだらないおまえたちも、くだらない王様ごっこも、もうおしまいだよ、レコン・キスタ」

 ウォルターの言葉に、その場の全員が臨戦態勢をとった。
シェフィールドらしいが、そんなことは知ったことではない。
地獄へ送ると、自分達を殺すと、目の前の相手が言っているのだ。

「馬鹿だなあ、気がつかないのか、雑魚共め。勝負は既についている」
そう言うとウォルターは、両手をコンダクターのように一度だけ腕を振った。

 ただそれだけの動作で、ウォルター以外の全員が一瞬で切り裂かれバラバラになる。
ウォルターの手から伸びるのは何本もの糸。
部屋中に広がった、目を凝らさないと見えないほどの鋼線から、血が滴り落ちる。


 次に窓から入ってきたのは四人の人物だった。
「相変わらず、見事な手並みで」

 ウォルターは振り返らず、その者達に命令を出す。
「ここら一帯にいるそれっぽい連中の掃討を。もうすぐ艦隊がくる筈だから、適当に切り上げていいよ」

「了解」
「歯応えのある敵がいたらいいなぁ」
「無駄口叩いてないで行きますわよ」

「よろしく頼むよ、元素の兄弟」
 

850 :ゼロのロリカード-35:2009/05/01(金) 00:01:50 ID:???
 四人はその場から消え、ウォルターは銜えていた煙草を吹かす。
全く、本ッ当に人使いが荒い。気紛れにも程がある。
飯と寝床の世話をしてくれるってんで、とりあえず仕えたけれど。
インテグラと違い、仕えるべき主に値するとは思えない。

「僕も適当なところで・・・・・・」
また裏切ろうかな、などと思ってると一羽の使い魔が飛び込んできた。

 緊急の伝令のようで、普通の人間じゃ、間違いなくその内容は理解できない事だろう。
抽象的な表現を羅列し、適当に組み合わせただけのような・・・・・・支離滅裂な内容。
唯一わかるとすれば、『アルビオン軍が今現在攻撃を受けていて壊滅しそう』ということくらいだ。
どんな状況で、どのように、何故壊滅しそうなのか。その部分が全く以て意味不明なのだ。


 だが・・・・・・ウォルターには理解できた。
                     ・・・・・・・・・・・・・・
 抽象的な表現が、自分にはわかる。――――同じものを見たことがあるから。
その形容が己の記憶と重なるのだ。そしてそこから導き出される帰結。

「まさか・・・・・・これは!?」
目が見開かれると同時に、ウォルターは全速力で走り出す。戦場へと駆ける。

 そうだ、なんで気付かなかった。"アイツ"がこっちに来てる可能性に。
虚無の担い手は四人いる。自分の他にも『虚無の使い魔』がいるのだ。

「クソッ!!」 
ウォルターは毒づく。
もし今がその状況なら、"アイツ"を殺す唯一のチャンスなんだ。

「間に合ってくれ!!」

 

851 :ゼロのロリカード-35:2009/05/01(金) 00:03:15 ID:???
 あの時は届かなかった。自分の糸は届かなかった。
身も心も死神になった。その為だけに全てを捨てた。

 所詮この世は修羅の巷の一夜の夢。
一睡、一酔、死神の一夢の残骸。

 "アイツ"と闘いたいから、"アイツ"を倒したいから。
その為に反逆の徒に成り果てた。仕えるに値した主人を裏切った。
インテグラの、ヘルシングの、英国の敵となった。

 "アイツ"に、"アーカード"に。
醜い様だと言われても、酷い末路だと言われても。
『それを打ち倒さねば、己になれない』、闘争の本質だ。
でなけりゃ一歩も前に歩めない。進む術も知らない。
無用者になるのが怖い。老いるのが怖い。忘れ去られるのが怖い。

 だから何もかもを引っくり返して叩き売った。
アーカードのように!!アンデルセンのように!!少佐のように!!

 惨めで、みっともなくて、それでも今はこの世界にいる。
そしてアーカードはそこにいるッ!そして僕はここにいるッ!!


 焦燥に駆られながらも、歓喜の笑みがウォルターの面に浮かぶ。
足が千切れる飛ぶのではというほどに、シティオブサウスゴータを駆け抜ける。
この夜明けに、アーカードを、切断する為に。

852 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/05/01(金) 00:19:41 ID:???
以上です。まとめの方いつもありがとうございます。


由美江は忘れたわけではありません。
でも旦那に食われたのかが微妙なところで、何よりもウォルターに刀を切断されちゃってて。
どうしようか非常に迷い悩んだ結果、不明瞭なので見送りました。

登場させても、無手で闘わせるわけにはいきませんし。
一本しかない切断された日本刀が、喰われて自動修復ってのもおかしな話なので。
リップの弾や、伊達男のトランプなどは、元々無尽蔵な感じだし・・・・・・。

ですので、由美江を素で忘れてたとか、そういうことはありません。
アンデルセンが死の河の由美江と会って、それを殺すという展開も考えました。
が、既に死んでるのを殺せるのか?という疑問もあり、これも見送りました。

ちなみにワンちゃんは使い魔(? なので二頭復活してます。
インタビューで、アーカードの支配力が弱くなった〜と言ってるので問題ないと思います、多分。

853 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/05/01(金) 00:24:06 ID:???
>>836
一応、旦那がプチプチ殺してるので、
シュレを取り込んで消えたとしても、内部的には存在してるものとして解釈しています。

なので、召喚の時にご都合主義でシュレが弾かれたので、
今まで通り、旦那の中にはいっぱいの命がいるとして扱っています。



それでは、また。

854 :マロン名無しさん:2009/05/01(金) 04:10:17 ID:???
零号解放プロセスの文章での表現が巧いと思った。
こう、原作でのあのざわっ…とした感じが。

855 :マロン名無しさん:2009/05/01(金) 10:26:32 ID:???
おおお!

ロリカードとショルターはどこ行っても
どつき漫才みたいなコンビで書かれてるんで
こういうガチバトル展開は珍しいですな

ショルター!ショルター!

856 :マロン名無しさん:2009/05/01(金) 16:26:58 ID:???
島津豊久がゼロのルイズに召喚されました

857 :マロン名無しさん:2009/05/01(金) 18:47:14 ID:???
ワラキア公国軍、イェニチェリ、ワラキア国民、リップやトバルカインはアンデルセンに焼き尽くされていなかったっけ?

858 :マロン名無しさん:2009/05/01(金) 19:25:13 ID:???
誰に殺されても
ロリカードが血を全身に浴びてうひゃひゃ状態で消滅してるから
リップとかの血を吸ってるって事になるんじゃない?

859 :マロン名無しさん:2009/05/01(金) 19:31:35 ID:pvSbFuoy
↑それは旦那だからだよ。って一言で全てが片付く感じがするのは何故だろう?

さあ始まりましたね零号開放大虐殺。1人になった最強の吸血鬼を神父と執事は倒せるのかな?

ああ、楽しい。戦争は楽しい

860 :マロン名無しさん:2009/05/01(金) 19:48:05 ID:???
>>856
わけ分かんない場所に飛ばされた後のリアクションが分かるから書きやすいかもな

861 :マロン名無しさん:2009/05/01(金) 19:51:41 ID:???
>>857
逆に言えば焼き尽くされただけだぜ?
一時的に戦闘不能になっただけで死んだわけでは
いや死んでるんだけどね

862 :マロン名無しさん:2009/05/01(金) 19:57:03 ID:???
アンデルセンに焼き尽くされ残機が無くなったから犬小屋の食い残し(ヤンの兄貴)に手を付けたような気がしたが・・・

863 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/05/01(金) 21:02:32 ID:???
>>857
旦那が「完全に死ぬ」と同時に、ストックされた命がなくなると解釈してます。
もし死に掛けただけで消えるなら、ヘルシング卿らにやられた時にも命が0になってる筈ですしね。

旦那は「全身全霊で戦った」と言って、「あの男たちのように〜」と、死の河を踏破するアンデルセンを心の中で激励したり、
少佐が「1898年以来の、物理的にアーカードを打倒するただ2つの好機」とも言ってるので、
vsヘルシング教授らで、死の河を開放していたのはほぼ確定的です。

描写的には、旦那とヘルシング一行+ミナしかいませんでしたので、死に掛けると一時的に消えるのではないかと思われます。


つまりあの時は茨アンデルセンに殺されかけ、旦那の命と共に死の河も全員一時的に燃え尽きただけなのです。(或いは燃え尽きかけた)
そして、セラスが間に合って旦那も復活。旦那も死なず、中の命も死なず、です。

なによりも340万強も命があるので、今までの累計だと思います。


皆さんもそれぞれ解釈があると思いますが、私は命のストックは一応こんな感じの解釈で書いています。

864 :マロン名無しさん:2009/05/01(金) 22:41:16 ID:???
つまり、ルイズに召喚され旦那復活、同化していた命も全て復活、シュレは自己観測が可能になったので旦那から分離って事ですか。

865 :マロン名無しさん:2009/05/01(金) 23:05:23 ID:???
素直に話しを楽しめよ

866 :マロン名無しさん:2009/05/01(金) 23:56:13 ID:???
なんか段々と原作シーンの使いまわしみたいに
なってないか?


867 :マロン名無しさん:2009/05/02(土) 02:50:36 ID:???
オモシロイからいいじゃあないか
俺は続きを待っている

868 :マロン名無しさん:2009/05/05(火) 16:51:03 ID:???
保守

869 :マロン名無しさん:2009/05/08(金) 00:57:04 ID:???
ロリカード

870 :マロン名無しさん:2009/05/08(金) 10:17:18 ID:???
狂信者の人はまだか!
GWにも投下どころか生存報告もない… ちと心配になってきた

871 :マロン名無しさん:2009/05/08(金) 16:34:52 ID:???
虚無と狂信者はクリスマスが最後で、スナゼロは大晦日が最後か。

そういえば伯爵はどうなったんだろう。

872 :マロン名無しさん:2009/05/08(金) 16:56:36 ID:???
340万以上の死者と戦ってるからあと30年はかかるだろう

873 :マロン名無しさん:2009/05/08(金) 21:20:25 ID:???
俺はもう諦めた

874 :マロン名無しさん:2009/05/08(金) 21:28:59 ID:???
諦めを踏破するのもスレ住民のたしなみ

875 :マロン名無しさん:2009/05/09(土) 12:16:07 ID:???
>874
同意
狂信者さんもスナゼロさんも帰還をお待ちしております!


876 :マロン名無しさん:2009/05/09(土) 12:20:59 ID:???
諦めることを諦める

877 :マロン名無しさん:2009/05/09(土) 12:54:24 ID:???
つまり挟み撃ちの形になるな

878 :マロン名無しさん:2009/05/09(土) 20:16:57 ID:???
ゾーリン姐さんの胸に挟まれたいお

879 :マロン名無しさん:2009/05/09(土) 22:23:24 ID:???
逃げろ!!ちんこもがれるぞ!!

880 :スナゼロ ◆kdp8/y3/66 :2009/05/09(土) 22:42:23 ID:???
>>875 申し訳ありません、大晦日から今まで筆が止まった状態です。
   6月の終わりまでには投稿する予定ですので、お待ちください。
   因みにSSの方ですが、タルブ戦を終えた段階で終了とする予定です。

881 :マロン名無しさん:2009/05/09(土) 22:43:17 ID:???
終了とかオチになるとこ言っちゃらめぇえええええええ

882 :マロン名無しさん:2009/05/11(月) 07:44:49 ID:???
島津豊久は旦那の好みど真ん中と見た

883 :マロン名無しさん:2009/05/11(月) 08:14:08 ID:???
つまりあの受付場所に行くのは全員旦那の婿候補

884 :マロン名無しさん:2009/05/11(月) 10:22:26 ID:???
豊久を書くとなると、薩摩弁を調べないと書けそうにないな

885 :マロン名無しさん:2009/05/11(月) 21:42:27 ID:???
豊久もそうだが、鬼島津なんてよばれるだけあって覚悟の決まりようがマジパネェ…
薩摩隼人はみなあんなんばっかりかい

886 :マロン名無しさん:2009/05/11(月) 23:48:48 ID:???
当時地球において最強レベルの戦闘民族日本人の中でもとびきりの連中だからな薩摩隼人

887 :マロン名無しさん:2009/05/12(火) 00:32:54 ID:???
以下略からもありなのだろうか?

888 :マロン名無しさん:2009/05/12(火) 01:03:13 ID:???
敵陣を中央突破して、さらに敵の追撃を食い止めるために小規模の足止め部隊を次々と切り離しながら、
中部地方から九州の南端まで逃げ切る。
その後、あの手この手の外交交渉を繰り広げ、西軍についたにもかかわらずほぼお咎めなし。
幕末まで生き延びたとんでもない家だからな。

889 :マロン名無しさん:2009/05/14(木) 00:07:30 ID:???
>>886
そうだったんか。侍が漫画とかでやたら強いのって日本刀の性能と武士道精神誇張してるだけだと思ってた
>>887
ありだろうけどだれ召喚するんんだよwwwwwギャグならだれでも適正バッチリだけどwwwww

890 :マロン名無しさん:2009/05/14(木) 05:06:27 ID:???
応仁から延々と戦ってるからね
多分戦闘経験値は世界有数

リアルアンデルセンがあちこちの逸話に居るし

891 :マロン名無しさん:2009/05/14(木) 07:54:27 ID:???
しかし道具の発展はそれ以上だから中の人の性能差はあまり関係ないという

892 :マロン名無しさん:2009/05/14(木) 08:00:29 ID:???
どんなに良い道具も使う奴が未熟じゃ駄目だけどな

893 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/05/14(木) 21:44:13 ID:???
すんません、流れぶった切って投下します。


>>866
ヒラコー節は最高なので、原作シーンや台詞は半ば無理やりにでも盛り込むようにしてます。

894 :ゼロのロリカード-36:2009/05/14(木) 21:46:37 ID:???
 さくり、さくりと死んでいく。
銃兵やメイジ達は、敵味方関係なく弾や魔法を撃ち放つ。
槍を振り回し、剣を振り回し、生き延びるために、死なない為に、目の前の畏怖から逃れたいが為に。
周囲を顧みずもがく。無我夢中でもがく。祈る暇もなく。覚悟する暇もなく。

 フライで逃れようとする者も、有象無象の区別無く撃ち落される。
暴風雨の如きトランプが、一瞬にして空気を、肉を裂く。
槍衾が狼狽する者達を突き貫き、次々と天高く掲げられる。

 死を恐れぬ軍団が、死して尚、歩みを止めぬ軍団が、死にながら戦う軍団が。
天を血で染め上げ、地を黒く平らげ、人を造作もなく蹂躙する。

 ひたすら一方的な・・・・・・、ただのワンサイドゲーム。
否、これはもう戦いとすら呼べない。


 なんというずるだ。生も死も全てがペテン。
何とも不死身で、無敵で、不敗で、最強で、馬鹿馬鹿しい。

 アーカードは城、アーカードは運動する領地。
暴君の意志が率いる、死の河の領民達。
体を変化させ、使い魔を使役させ、力をふるい、心を操り。
体を再生させ、他者の血をすすり、己の命の糧とする吸血鬼。


「うはぁーーーっ!!やっぱり何度見ても凄いねぇ〜」
最初にルイズとアーカードがいた小高い丘の上に、シュレディンガーと大尉が立っている。

 シュレディンガーは眼下に見える景色を純粋に楽しんでいる。
大尉はいつも通り、感情の窺えない表情で眺めていた。
微塵の躊躇も無く、一片の後悔も無く、一切の容赦無く、鏖殺するその様。
 

895 :ゼロのロリカード-36:2009/05/14(木) 21:48:09 ID:???
「七万の軍勢だもんねー、さすがにこれは開放しないとアレか〜」

 ロンドンを飲み込む死の河は、それはもう壮観だった。
が、だだっ広い平原で敵軍を飲み込む死の河も、また乙なものである。
遠目から眺めると、子供が黒い絵の具でひたすら塗り潰していくような感じ。
えも言われぬ爽快感である。

「ほんっとに呆気ないな〜、もう戦争も終わりだね」


 こうなってしまった以上、有象無象では決して抗えない。
死の河を踏破する純然たる力量と、胆力を備えた者はそうはいない。
その上で、あの狂王を殺すなど。暴君を打ち倒すなど、不可能だ。

 尤もアンデルセンがこの状況で、黙って見ているとも思えないが。
そうは言っても、前の戦では負けている。神の化け物となっても、敗北したのだ。
今回勝てる道理があろうか?いや、無いだろう。

(僕も・・・・・・また心中するつもり、ないしね)

 そう、自分は楽しむだけだ。傍観者を気取って、世界を引っ掻き回す。
好奇心を優先し、気まぐれで行動する猫。
退屈を凌げれば――――――それでいいんだ。





「なるほど、こいつァ凄ェや。今まで色々モン見てきたが、こりゃおでれーた」
戦争の愉悦を楽しむアーカードに向かって、デルフリンガーが言った。
 

896 :マロン名無しさん:2009/05/14(木) 21:48:13 ID:???
ゼロリカさん来てる!!!

支援

897 :ゼロのロリカード-36:2009/05/14(木) 21:50:27 ID:???
「フッ、始祖ブリミルよりもか?」
「あ〜〜〜あんま覚えてねぇけど、ブリミルもブリミルで凄かったからなァ。甲乙つけ難いね」

 その時だった。

「疾ィィィィィィッ!!」
銃剣がアーカードを目掛けて、その体を貫こうと突如襲う。

 しかしアーカードは半ばそれを予想していたように、銃底を刀身に滑り込ませるように弾いて軌道をズラす。
そのままバックステップで距離を取った。

「ククッ、ははッハッハハハハッ!!やはり来たかッ!」
アンデルセンを見て、アーカードはこれ以上なく嬉しそうに叫ぶ。
衣服は汚れ、各所から血を流し、大きく呼吸を繰り返し、見るからに疲労の色が濃い。
既に満身創痍とも言うべき状態。死の河を踏破してきた証。

「見事だ、我が宿敵!!」


 アンデルセンは右順手で持った銃剣を横に、左逆手で持った銃剣を縦に十字を描いた。

「我は神の代理人。神罰の地上代行者。
 我が使命は、我が神に逆らう愚者を。
 その肉の最後の一片までも絶滅する事」

「ああ・・・・・・待っていたぞ、愛しき怨敵よ!!今度こそ、この私の夢のはざまを終わらせてみせろ!!」

 アーカードはカスールとジャッカルを放り投げると、それぞれ逆に持ち替える。
右手に持ったジャッカルを水平に、左手に持ったカスールを垂直に、同じく十字を描いた。

 一触即発の緊張感の中で、二人は睨み合う。
 

898 :ゼロのロリカード-36:2009/05/14(木) 21:52:16 ID:???
 
 「 A M E N !!!」

 先に攻撃を仕掛けたはアンデルセン。どこからか取り出された無数の銃剣が投擲される。
神速を超えるそれを、アーカードは両手に持った銃で全て撃ち落とす。
その撃ち落とす間に、アンデルセンはさらなる武器を取り出した。

「爆導鎖ッッ!!!」
何十本もの銃剣が取り付けられた鎖を、アーカードはリロードをしながら、跳躍して回避する。
アンデルセンが腕を振るう度に、それは獲物を狙う蛇の如くアーカードを追尾する。

 耐え切れず、アーカードは鎖を撃った。
その瞬間鎖に取り付けられた銃剣が次々と連鎖爆発する。

 爆発の粉塵に紛れたアンデルセンは、瞬時にアーカードとの距離を詰める。
クロスレンジに持ち込み、両手に持った銃剣を次々に繰り出す。

 接近距離に於いて、銃剣相手に二挺拳銃では分が悪い。
銃剣のやや短めの刀身は、近い間合いでは扱い易い。
逆に狙い撃つしかなく、カスール銃とジャッカルの長い銃身は非常に邪魔になる。


 たった一人で死の河を越えて、既に肉体は限界である筈なのに・・・・・・。
銃剣を振るう度に、鋭さが増している。一撃ごとにその重さが、その速度が上がっていく。

(ああ・・・・・・素敵だ、やはり人間は素晴らしい)

 そうだ、これが人間の底力なのだ。これこそが化け物を打ち倒す、人間の強さなのだ。
100年前のあの日、ロンドン。私は全身全霊を以って闘い、そして敗れた。完全に。
 

899 :マロン名無しさん:2009/05/14(木) 21:55:53 ID:???
支援ッ!

900 :ゼロのロリカード-36:2009/05/14(木) 21:56:00 ID:???
 アーサー・ホルムウッド、キンシー・モリス、ジャック・セワード。
そしてエイブラハム・ヴァン・ヘルシング。
あの年老いたただけの、人間のあの男は、私の心の臓腑にその杭を突き立てた。


 "彼女"を――――――"ミナ"を救う為に、そして私を滅ぼす為に、彼らはやってきた。
そうなのだ・・・・・・人間は、"なにか"の為にその力を限界以上に引き出す。
それは人であったり、物であったり、志であったりと様々だ。しかしその想いが力となる。
人間には底知れぬ可能性が、計り知れない圧倒的なポテンシャルがあるのだ。

 だからこそ、今のアンデルセンはあの時よりも強い。
身体を茨と化し、神を肯定した化け物と成り果てた、あの時よりも確実に強い。
己が信ずる神の為だけに、闘っているのではない。
  ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
 何か他に守るべきものがある。それが闘争を通して感じられた。
自分を・・・・・・化物を、打ち倒すべき人間。
かくも強き人間。我が宿敵、アレクサンド・アンデルセン。



 徐々にアーカードを追い詰めていく、アンデルセンの連撃。
(相棒とガチで闘り合うなんて、タダモノじゃあないね・・・・・・)
デルフリンガーはアーカードに背負われながら、そう心に思った。

        ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
 だがもし、今のアーカードに『ガンダールヴ』のルーンが刻み込まれてあったのなら、とっくに勝負は着いていただろう。
今のアーカードは、これ以上ないくらいに嬉しそうに闘っている。
これだけの感情の昂ぶりなら、『ガンダールヴ』はとてつもない効果を発揮していたに違いない。

 しかしアーカードの左手の手袋の下に、ルーンの輝きはない。その紋様、文字すらも。
いつだったか、ラグドリアンの湖畔でタバサとキュルケとの闘った時。
あの時に、アーカードは二人に負けた。『ジャベリン』にその心臓を貫かれ、一度死んだのだ。

901 :ゼロのロリカード-36:2009/05/14(木) 21:57:12 ID:???
 
 その時に『ガンダールヴ』のルーンとその能力は消えてしまった。
当然その事をアーカードに言った。


 二回目の契約が、その身にどのような効果を及ぼすのか不明。
元々ガンダールヴがあっても、感情の起伏が少ない所為か、あまり役に立った覚えはない。
無いなら無いで、別段不便なこともない。
死ぬ度に、二度三度四度と契約し直すのも面倒。

 結果・・・・・・必要に迫られない限り、再契約はしないという事に落ち着いた。

 ルイズとアーカードを繋ぐのは、ルーンの有無じゃない。
最初は単なる気まぐれもあって交わした主従の関係であったが、今は違う。
ルイズはアーカードを認め、アーカードはルイズを認めている。

 デルフリンガー自身、再契約して胸にでもルーンが刻まれたら嫌だった。
恐らくは、ガリアの虚無の使い魔に刻まれている・・・・・・か。
或いは、今アーカードと闘っているアンデルセン神父が、契約した場合に刻まれる可能性が高い。
でも、万が一も考えられる。自分は『ガンダールヴ』の盾であり、それ以外は御免だ。



(・・・・・・このままではジリ貧か)
アンデルセンの猛攻は止まらない。
相手が一方的に攻撃し、こちらはすんでのところでいなし、かわすだけ。
身長差がなければ、とうに押し切られていたかもしれない。
少女姿の小柄さを利用して、なんとか食い下がってるようなものであった。

(仕方ない・・・・・・)
本意ではないが、策を用いるとする。本来なら真っ向から戦いたいところではある。
しかし己の持ち得る全てを出し切るのもまた、闘争である。

902 :ゼロのロリカード-36:2009/05/14(木) 21:59:07 ID:???
 
 アーカードはやや強引に、しかして悟られないようにトリガーを引く。
そしてカスールを撃ち尽くし、ジャッカルには弾一発だけが残った。

 次に全神経を集中させ、アンデルセンの斬撃を見極める。
ジャッカルを弾こうとする横薙ぎ選んで、敢えて避けず銃身で受けた。
重量16kgにも及び、専用弾を撃つジャッカルは非常に頑丈である。
さらには固定化をかけられている為、銃剣の一撃でも易々と壊れたりはしない。


 アーカードはその一撃に逆らわず体勢を崩す。
右後方に倒れながら、カスールを構え撃つ。
しかし撃ち尽くした後なので、弾丸が飛び出すことはない。

 トリガーを引く空しい音だけが響き、カスール銃が弾き飛ばされる。
隙を見逃す筈もないアンデルセンの右の一振りが、アーカードの左手を切り裂いたのだ。
アンデルセンは返す刀で、より強力な一撃を叩き込む為に振りかぶった。

(来たッ!大振り!)
アーカードは倒れ込む全身を、逆方向に捻り上げる。
肉体の動きだけで、無理やり慣性を無視する。
人間には不可能な動作も、吸血鬼の強靭な体であるならば可能であった。


 振り下ろされるアンデルセンの右手首に、アーカードの右ハイキックが炸裂した。
肉を砕く鈍い音から間髪入れず、アーカードは空中で体を半回転させ、左で蹴り上げる。
そのバネから生み出される全エネルギーを集約させ、アンデルセンの顎を真下から蹴り抜いた。

「がっ・・・・・・」
アンデルセンの口から呻きが漏れる。
 

903 :マロン名無しさん:2009/05/14(木) 21:59:52 ID:???
そんな伏線があったか

支援

904 :ゼロのロリカード-36:2009/05/14(木) 22:01:13 ID:???
 動きが止まったその瞬間、ジャッカルの弾丸をアンデルセンに叩き込む。
しかしアンデルセンは、腹を貫くその衝撃を耐え、その場に踏みとどまった。
アンデルセンは顔を空に向けたまま、アーカードの姿が見えないまま、左手に持った銃剣を放った。

 心臓目掛けて正確に投擲された銃剣に、アーカードは咄嗟に身をかわす。
しかし空中では避けきれず、銃剣はアーカードの喉を貫き、勢いでそのまま首が刎ねられた。

 少女姿のアーカードの長髪が振り乱され、その頭が地面に転がる。
体も地に倒れるが、ゆっくりと立ち上がりアンデルセンと向き合う。


「ぐっ・・・・・・ぬぅ・・・」
アンデルセンは開いた穴に手をやる。心臓をはずしたとはいえ、ジャッカルの一撃。
さすがにアンデルセンの再生能力でも、すぐに間に合うものではない。
その上、顎に強力な一撃を喰らったので、まだ意識も朦朧としている。

 するとアーカードの頭が無数の蝙蝠に変わり、元あった位置へと戻っていく。
その再生とジャッカルのリロードを終える頃には、アンデルセンも既に体勢を整えていた。

「さすがだ、我が宿敵。やはり貴様こそが私を倒すのに相応しい」

 アーカードは再生を終えた左手で、デルフリンガーを抜く。
左肩に刀身を置き、ジャッカルの銃口をアンデルセンへと向ける。
「仕切り直しだ」
「DUST TO DUST――――――チリはチリに・・・・・・」

 アーカードとアンデルセンは、同時に地を蹴った。
 

905 :ゼロのロリカード-36:2009/05/14(木) 22:02:49 ID:???


 亡者達が弾け飛ぶ。大尉の蹴りの一撃が、押し寄せる敵という敵を吹き飛ばす。
両手に持ったメーターマウザーから、弾丸が放たれ敵を穿つ。
ルイズと棺桶がある位置を中心とし、放射状に拡がっていく死の河。
死者達は進み行く道程にあるもの全てを、無差別に、等しく、飲み込もうと襲い掛かる。

 当然丘に立っていた大尉とシュレディンガーも例外ではなく。
振りかかる火の粉を払うように、近づく亡者を片端から撃破していく。
シュレディンガーは大尉からつかず離れず、しかして邪魔にもならないよう、軽業師のように動き回る。

「キリがないよー」
シュレディンガーが愚痴を言う。
早々お目にかかれるモノじゃないので、野次馬気分で見に来ていた。
が、さすがに疲れてきた。

 亡者達に取り込まれ、アーカードに吸収されて、また消えるのは御免被る。
しかし、大尉のどことなく愉しそうな姿が新鮮なので、それを眺めながら我慢していた。

 まるで降り積もる雪の中で、駆け回り遊ぶ犬のよう。
雪とは似ても似つかぬ死者達の群れであるが、大尉にとっては丁度良い遊び相手。
手加減せずに暴れられる機会、体のいいストレス解消の場になっている。
万が一にも遅れを取ることはあるまい。

 

906 :マロン名無しさん:2009/05/14(木) 22:03:53 ID:???
支援

907 :ゼロのロリカード-36:2009/05/14(木) 22:04:10 ID:???
 と、思った矢先に大尉の体が吹き飛び、さらに切断される。
シュレディンガーの耳がピクッと動く。
異音が周囲を飛び交い、風を切り裂く音が聞こえた。
シュレディンガーはキョロキョロと辺りを見渡し、そして二人の人物を見つける。
「わ〜お、これはこれは・・・・・・トランプ遊戯のトバルカインと、泣き虫リップヴァーン」

 霧散した体を再構成した大尉の前に、トバルカインとリップヴァーンが立っていた。
トバルカインは何百何千というトランプを周囲に展開し、リップヴァーンはマスケット銃に弾を込める。

「僕らの匂いにでもつられたのかな?なんて――――――」
シュレディンガーが軽口を叩いた瞬間、魔弾がシュレディンガーを吹き飛ばす。


「いったいな〜もォ・・・・・・」
どてっ腹に大きく開けられた穴と溢れ出る血を見つめながら、シュレディンガーは唇を尖らせる。
するとトバルカインが、大尉とシュレディンガーに向かってトランプを放った。

 大尉は地面を擦り砕きながら蹴り上げ、迫り来るトランプを吹き飛ばす。
次に虚空に腕を伸ばすと、バチィッという音と共に、魔弾が止められた。

 トバルカインとリップヴァーンは、正気か虚ろか、薄ら笑いだけを浮かべている。
大尉はただ静かに、淡々と、二人を睨み付けた。

「それじゃ大尉ー。僕は邪魔になりそうだし帰るから〜」
そう言うと、シュレディンガーの体が掻き消える。
と同時に、大尉の体が巨大な狼へと、その姿を変えた。

908 :マロン名無しさん:2009/05/14(木) 22:07:43 ID:???
紫煙

909 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/05/14(木) 22:09:35 ID:???
以上で終了です、支援どうもありがとうございました。
定型句化してますが、まとめてくれてる方もいつもありがとうございます。

また、素晴らしい支援絵もありがとうございます。
数有る支援絵は本当に励みになります。
名前は伏せてますがその全てにコメントをさせて頂いています。

それでは、また。

910 :マロン名無しさん:2009/05/14(木) 22:17:40 ID:???
gj!
いつも良い仕事をなさる

911 :マロン名無しさん:2009/05/14(木) 22:18:04 ID:???
ゼロリカさんGJ

そうか、あのとき一度死んでたっけ。盲点でした

912 :マロン名無しさん:2009/05/15(金) 20:47:29 ID:???
GJ!
アンデルセンとの殺陣が最高です。
ショルター出遅れているけど間に合いますかね。

913 :マロン名無しさん:2009/05/15(金) 22:07:59 ID:???
読んでて凄く楽しいわ

>>904の所だけど
アーカードのライフ-1の条件って首ちょんぱされた時と
心臓貫かれた時でいいのかな

零号解放した状態だとライフポイント1しかないんじゃなかったっけ

血の補給しながら戦ってるのかな

914 :マロン名無しさん:2009/05/15(金) 22:16:16 ID:???
零号開放中にアンデルセンに首ちょんぱされても再生してるし
ショルターが心臓を貫かないと……って言ってたから

心臓を貫いたり切ったりする以外はライフ-1にならないでしょ

915 :マロン名無しさん:2009/05/15(金) 22:32:34 ID:???
あっやっぱりそれでいいのか

洋館でのアンデルセン戦で首ちょんぱされた時は
特にライフ-1になってないって事か

916 :マロン名無しさん:2009/05/15(金) 23:24:47 ID:???
その前に銃剣でめった刺しにされてるんだからそれで−1になってね?

917 :マロン名無しさん:2009/05/16(土) 01:48:37 ID:???
血液は命の通貨
輸血用パックでも補充可能なんじゃない?
輸血可能な血液は新鮮だから問題なく

918 :マロン名無しさん:2009/05/16(土) 23:53:52 ID:???
一パック辺りの増加量は少なそうだけどな


だからあれだけ食い散らかしてたのか

919 :マロン名無しさん:2009/05/17(日) 15:40:36 ID:???
残機を増やすには文字通り対象を「吸い殺す」必要があるんじゃないかと思ってるんだが

920 :マロン名無しさん:2009/05/17(日) 18:32:15 ID:???
でも死の河しまうついでに既に死んでるであろう
ロンドン市民や第九次十字軍や大隊員吸いまくってたけど。
あれは単なる食事的な意味での吸血なのかしっかりストックになってるのか。

921 :マロン名無しさん:2009/05/17(日) 18:40:21 ID:???
吸い殺してストックしてるのと同義だと思うが

死の河員の皆様を旦那が一人一人吸い殺したとは考えにくいw

922 :マロン名無しさん:2009/05/17(日) 19:43:31 ID:???
吸った血の持ち主が死んでるってのが重要なんじゃないかと思う。
輸血用の血を遺体からも採るのかどうか知らないけど、大体献血とかで相手はまだ生きてるだろうから血液パックは栄養補給みたいなもんでストックには入らないんじゃない?


923 :マロン名無しさん:2009/05/17(日) 19:59:30 ID:???
まぁ生きてるのにストックされたら、セラスの中にインテグラがいることになっちゃうしね。

924 :ルイズとヤンの人情紙吹雪5:2009/05/18(月) 00:19:39 ID:???
お久しぶりです
時間が経ってしまいましたが続きを投下させていただきます
今回、いつもより少しだけ長めなので猿くらわないか不安ですw

925 :ルイズとヤンの人情紙吹雪5:2009/05/18(月) 00:20:22 ID:???
猛ダッシュ!
ずざざざぁ〜〜〜〜〜〜〜。
「ゼェッゼェッ……な、なんとか間に合ったわね…」
ルイズは肩で息をしている。大層、疲れたみたいだ。
一方のヤンはケロッとしている。
呼吸の乱れはおろか、汗の一滴もかいていない。
「ハァハァ…あ、アンタ結構体力あるのね……あんなに走ったっていうのに…ハァ…ゼェ……」
「ん〜〜まぁーな その気になりゃもっと速ぇーぜー 眼ン球に写んねーくらいにはよォーー……ククッ」
「ハァ… はいはい…いいから入るわよ」
ヤンのいつもの冗談と聞き流してルイズはヤンを促す。
スルーされたことにヤンもさして関心を見せず、二人は塔に入る。
塔はどうやら教室であり、いわゆる大学の講義室のようになっている。
中には生徒達と共に、大小様々な使い魔と思しきモノ達がいた。
入った瞬間、学生達の視線が二人に纏わりつく。
その視線は明らかに侮蔑と嘲笑が込められていた。
教室のあちらこちらからクスクスと哂い声が聞こえてくる。
(……………ん〜〜〜? なんだ? ムカつくなコイツら)
ヤンは不快だったが、ルイズは何事も無かったかのごとくスタスタと歩いていき席に腰掛けた。
ルイズを早足で追いかけ問いかける。
「おい、ルイズ いいのかよコイツら?」
「…なにが?」
シレッと答える。
「なにがって……オメェ気付いてる? なんだかバカにされてるみたいよ? 俺ら」
「………こんなの…気にしたことも無いわ。 アンタも無視しなさい……」
ルイズは無表情に言い放つ。
しかし、ヤンは彼女の握り締められた両の手が僅かに震えているのを見ていた。
「……ふーん まぁイイけどな……」
ヤンもそれ以上突っ込まず、彼女の隣に座る。
(…こういうのには慣れっこってコトか……確かコイツ、「公爵家の令嬢」なんだったよな? えーと、公爵っていえば…
……ドンぐらい偉いんだっけ? あーーーー……まぁ偉いんだろうな そんな家のヤツが何でイジメられるんだ? 貴族様も大変だなーー)

926 :ルイズとヤンの人情紙吹雪5:2009/05/18(月) 00:22:10 ID:???
ルイズに対する嘲りの態度が強まったのは、ヤンという平民を召喚してしまったせいなのだがヤンには関係の無いことだった。
ヤンはぽけーっとしていたが、ふと自分に向けられている視線に気付く。
他の連中とは少し質が違う視線だ。
視線の主は1匹と2人。
1匹はフレイム。こちらを警戒し脅えているようだ。興味ネー、シカトだ。
1人はその主、キュルケ。使い魔の気苦労も知らず、熱のこもった視線を投げかけている。うむうむ、愛い奴だ。ウインクでも返してやるか。
お!向こうもウインクした。うむ、愛い奴だ。いずれタップリ可愛がってやるか。ぐふふ。
そして最後の1人はキュルケの隣に座っているメガネをかけた青髪の少女。……こいつは……俺を警戒してる…のか? 俺に「気付いて」る?
…まさかな…ばれてる筈がねーー……正体隠すために性欲も食欲も我慢してんだからよォー。
だが……フレイムのバカと違ってこっちは、要注意ってとこか…。
まぁ脅威ではネーな。全然。
そんなことをヤンが考えていると、一人の中年女性が教室に入ってた。
見るからに温厚そうな、ふくよかな人物。
彼女の名はシュヴルーズ 。
学院の教師を務めており中々に人望厚い人物である。
二つ名を「赤土」といい、その名の通り土のトライアングルメイジだ。
シュヴルーズは教壇に立つと、おもむろに生徒達、使い魔達を見渡す。
「みなさん 春の召喚の儀式、成功おめでとうございました。 こうやってみなさんの使い魔を見るのを、毎年とても楽しみにしているのです」
にっこり微笑むシュヴルーズ。
「先生! ルイズはズルしてまーす! 召喚に失敗して平民を雇ってまーす!」
小太りの少年が元気良く発言する。
「ミスタ・グランドプレ そのようなことを言うものではありません」
シュヴルーズは諭すように叱責するが効果は無い。
「おい、ルイズ! 魔法が出来ないからって金で解決するなよ! 平民なんか雇って恥ずかしくないのか!」
教室中の生徒達がクスクスと哂う。
今まで黙って耐えてきたルイズはとうとう堪えきれなくなった。
勢い良く席を立ち上がり怒鳴る。
「違うわよ! 召喚は成功したわ! 出てきたのがコイツだっただけよ!」

927 :ルイズとヤンの人情紙吹雪5:2009/05/18(月) 00:22:57 ID:???
隣に座るヤンを震えた手で指差すが、当のヤンは鼻をほじって興味無さそうにだべっていた。
その姿にルイズはさらなる恥と怒りで顔を赤くする。
今度は生徒達もあからさまにドッと哂いだすのだった。
「あははははは! 嘘つくなよ、ゼロのルイズ! どう見たってダメダメじゃないか! ゼロなんだから成功するわけが…フガッ!?」
先頭を切ってルイズを嘲っていた太っちょの口を突然、赤色の土が塞ぐ。
「学友への悪口雑言は許しません あなたはそのままで授業を受けなさい。 みなさんも、これ以上は許しませんよ いいですね?」
教室が静まり返る。
「では授業を始めましょうか。 まずは4属性の……」
浮き上がったチョークが黒板に文字を綴っていく。
授業は粛々と進んでいった。
 
 
ヤンは爆睡していた。
仕方が無かった。
だってヤンは授業とかが大っ嫌いなのだから。
だから、いつの間にかルイズが教壇の前に出て行って錬金をして大爆発を起こすなんて知りようが無かった。
キュルケが紙をくしゃくしゃにして投げ飛ばして、必死にヤンを起こそうと試みたがダメだった。
最終手段とばかりに小さな火炎球を生成しようとした。瞬間。
 
どごーーーーん
 
身を起こしていたキュルケは吹っ飛んで頭を強打。気絶。
一番近くにいた教師のシュヴルーズも全身を強打し突っ伏していた。煙が出ている。
同じく爆風が直撃したヤンは逆さまになって、かつて机や椅子であった瓦礫の山にめり込んでいた。
足が二本、キレイに突き出ている。
芸術的ともいえる刺さり方だ。
「うおぉぉぉ! スザーーーンヌ! 僕のスザンヌゥゥゥゥゥゥ!」
「いやぁ! だめぇ! わたしのホイットニー食べちゃらめぇぇぇ!」
「キャサリーン!」
「きゃあぁぁぁ! ディラン! しっかりしてぇーー!」
他にも多くの生徒が犠牲になり、爆風と爆音で混乱した使い魔達が暴れだし教室は混沌とした。
ルイズは落ち着いた様子でハンカチを取り出し顔の煤を拭っていた。

928 :ルイズとヤンの人情紙吹雪5:2009/05/18(月) 00:23:59 ID:???
衣服はボロボロだ。出るところが出ていれば中々に官能的であったろう。
「ちょっと失敗しちゃったわね」
澄まし顔で呟いた。
「ちょっとじゃねーーーーーー!!」
「人格疑う!」
「どう見ても大惨事だろが!」
教室中から突っ込みの嵐だった。


ルイズは爆発の後、せっかく呼んだ使い魔に死なれては堪らないと慌てて瓦礫に突き刺さったままのヤンを救助した。
なにせ人生で初めて成功した魔法の証なのだ。
今のルイズを支えている矜持は、栄誉あるヴァリエールの血統ということとヤンを召喚できた、というこの二つだけ。
意識を取り戻したシュヴルーズはルイズに教室内の清掃を命じた。
魔法を使ってはならないと厳命したが、魔法を使えないルイズには意味の無いことだ。
負傷した者達(ヤンやキュルケを含む)とシュヴルーズは医務室に運ばれていった。もちろん授業は中止である。
今、ルイズは一人で教室を清掃していた。
箒で床を掃く。
ゴミを運び出す。
代わりの椅子などを運び入れる。
亀裂が入り破損した床、壁に石膏を塗りこむ。
一人で永遠、この繰り返し。
ひ弱な少女には過酷だった。
ルイズの目には涙が溜まっている。
重労働に対してのものではなかった。
不甲斐ない自分に対しての涙だった。
魔法が使えた。出てきたのはやる気を見せない平民の使い魔だが、召喚できた。できたのだ!
自分に転機が訪れたのではないか。ひょっとしたら他にも魔法が使えるようになったのではないか。
そう思って、シュヴルーズに錬金をするよう使命された時、固い決意で望んだのだった。
しかし…。
結果はいつもと同じだった。

929 :ルイズとヤンの人情紙吹雪5:2009/05/18(月) 00:25:24 ID:???
いや、気合を入れて望んだ分いつもより悲惨なことになってしまった。
爆発に巻き込み多くの人を、特に自分の使い魔にまで怪我を負わせてしまった。
「……私って…最低だわ……」
雑巾を持って床を這いずり回って掃除する。
貴族であるにもかかわらず、こんな平民じみた惨めな姿が今の自分には丁度いい。
疲労も空腹も忘れて、ルイズは嗚咽し自嘲するのだった。
 
 
 
「………さい………なさい……起きなさい」
声が聞こえてくる。
その声は良く知っている者の声だ。
声に導かれ、ヤンは目をゆっくり開けていく。
「う……うぅ……こ、ここは……?」
辺りを見回す。
すぐ側で自分を見下ろしている男を見つけた。
長髪でメガネをかけ、白いスーツに身を包んだ男。
ヤンはその男を知っていた。誰よりも良く知っていた。
「あ、兄ちゃん!? 兄ちゃんじゃねぇか!」
その男は自分の兄、ルーク・バレンタインその人であった。
「そーです おまえの兄ちゃんのルークだよーーー。」
「本当かーー 本当に兄ちゃんかーーー? 本当の兄ちゃんならこれが出来るはずです。 徳川家康のモノマネーーー」
「コンバンワ 徳川家康です」(清水ミチコ風に)
「うわーーい 本当に兄ちゃんだぁーー」ブリブリ
兄弟は諸手をあげて抱き合う。だがその顔には全然、再開の喜びなど無さそうで。
むしろ視線は虚ろでやる気の欠片も感じられない。
「ところで兄ちゃん 頭についてンの何?」
「ひゃーー 良く気が付きましたね これはワンちゃんです とてもカワイイですね。 お兄ちゃんがなぜこんな姿になってしまったのか知りたいですか?」
「イラネ」ブッ
パーンパーンパーン

930 :ルイズとヤンの人情紙吹雪5:2009/05/18(月) 00:26:31 ID:???
ブシャァーー バタ
屁をこいて否定したら銃を眉間に撃ち込んで来た。実の弟に3発も。
「嘘です すいません。 死にたくないので教えてください」ムクリ
「わかりました 殺しません。 お兄ちゃんはガンダールブの精です」
「……ハッ?」
「アーカードにフルボッコにされてワンちゃんの餌にされたのです。 その後不思議な力でガンダールブの精になりました」
パーンパーンパーンパーン
ブシャーーー ドサ
あまりにバカなことをイキナリ言うので4発ほど撃ってみた。
全部眉間に当たったぜ。銃がどこから出てきた何て野暮は無しだぜ。
「テメェーー明らかに説明飛ばしすぎだろうがーー!」
「すいません。 死にたくないので説明します。」ムクリ
「わかりました。 殺しません」
「単行本全10巻の本編の後ココに来ました。 終わり」
「短けーーーー!」
「えーー だっていいじゃないの マンガ読んでくれれば理解できることだし」ブッ
「そう言われればそうですね」ブッ
「弟よ というわけでオマエはガンダールブの使い手です。」
「ガンダールブの説明はどうした」
「言えるかバーカ。 兄ちゃんにいえることは只一つ。 オマエは一生桃色少女によって騒動に巻き込まれ続けるのだ」
「え、えーーーーーーーーー! もう確定事項なのか!? これから一生あの馬鹿女に振り回されるのか!?」
「……まーね」
「…殺す 殺すしかねぇ! 犯って殺ってヤリまくるしかねぇ!」
「うそ! うそ! 今のノーカン! なし!」
「あー? なに慌ててんだよ? 別にルイズの一人や二人殺したって兄貴に関係ねーーだろ」
「兄ちゃんはガンダールブの精なのです ガンダールブはあの子を守るんです そしてオマエはガンダールブ。 弟よ バレンタイン兄弟がルイズちゃんを
守りますとも。 さぁ現世に帰れ! さっさと帰ってルイズちゃんを慰めろ! そして大切にしろ! 元気でな!」ドガッ
ルークに蹴り飛ばされ、突如落下感に包まれる。
「う、うお! ちょ、待てぇーーーーあ、兄貴ィィィィィィィ! 全然納得いかねぇェェェぞォォォォーーーーーーーー!」

931 :ルイズとヤンの人情紙吹雪5:2009/05/18(月) 00:27:27 ID:???
ヤンの視界は静寂の暗闇に染まった。
 
 
ガバッ!
「ッ! …………。 …………………」
ヤンは飛び起きて、辺りを見回す。
そこはルイズの部屋だった。
外傷が殆ど見当たらなかったヤンは軽い診断を受けたあとルイズの部屋に運ばれたのだった。(医務室が怪我人でごった返してしまったため)
……今のは何だったのだろうか?
只の夢だろうか。
兄のルークが夢に出てきてガンダールブがうんたらかんたらと。
……訳が分からない。だが妙なリアリティがあった。
それは確かだ。
それに兄は夢でルイズを守れだの慰めろだのと言っていた。
自分の知っている限り、兄はそんな慈善家ではない。
言うわけが無いのだ。
今までの兄なら。
…気になった。
(…まさか兄貴が夢枕にたってお告げとかよぉ〜 あるわきゃねーよなーー? ……でもなーーーーあーーでもなーーーー あーーちくしょーー)
のそりとベットから降りる。
兄貴が言ったかもしれねーから仕方ねー。
ぶーたれ思いつつヤンの足取りはルイズの匂いに向かって歩き始めていた。
 
 
ルイズは未だに教室の掃除と修繕に尽力していた。
ルイズ以外誰もいない教室で独り、目を泣き腫らして黙々と作業をこなしていたのだった。
心はあらゆる自虐的な感情で埋め尽くされていた。
これが終わったら退学届けを出そう。
実家に帰って誰とも会わず静かに余生を過ごそう。
本気でそんなことを考え始めていた時、背後でコンコンっとノック音が響いた。
振り向くとそこにいたのは黒尽くめの男。

932 :ルイズとヤンの人情紙吹雪5:2009/05/18(月) 00:28:38 ID:???
自分の失敗魔法で傷つけてしまった自らの使い魔、ヤン・バレンタインであった。
「よっ」
片手を軽く挙げ挨拶してくる。
「ヤ、ヤン!? も、もう傷は大丈夫なの!? ……い、医務室にいたほうがいいんじゃ…ない…の……?」
ルイズはまともにヤンの顔を見ることができなかった。
よほど泣いたのか、言葉は若干しゃくり上がって蚊が鳴くような小さな声だった。
それを見たヤンは、しばし思案した後……。
「バーカ テメェに心配されるほどヤワじゃねー」ゴンッ
そう言ってルイズの頭を小突いた。
「い、痛ッ!」
「ほれッ さっさと片付けるぞ」
ルイズの尻をバシッと叩くと、ヤンはさっさと机を運んだりし始めた。
「ちょ、ちょっと! レディのお尻叩くなんてどういうことよ!」
「うーるせーな たいしたケツでもないだろーがよ 言ってねーで手ぇ動かせ」
ルイズはむぅっとした顔で何か反論したげだったが渋々、作業を続けた。
そして驚いた。
ヤンは大きめな机やら何やらを片手でひょいひょい持ち上げ、まるでスキップするかのような軽い足取りで運んでいるのだ。
見る見るうちに整然と整えられていく。
今までヤンの言っていたことなど冗談として聞き流していたルイズだが、今はあんぐりと口を開けポカーンとしていた。
(す、すごい…! アイツってあんなに力があったの!?)
自分の使い魔の力に嬉しさが込み上げてきたが、それはすぐに別の感情に塗りつぶされてしまった。
優れていた使い魔を傷付け、ろくに魔法も使えない自分への侮蔑。
「………たでしょ…」
「あ?」
ルイズの呟きにヤンは一瞬、彼女を見やる。
「………………軽蔑…したでしょ………これがゼロのルイズの由来よ……魔法の成功率が0だからゼロのルイズ……言いえて妙よね……………
アンタが寝てる間に錬金の魔法をしたのよ……そしたら大爆発で……先生も…アンタも…みんなを怪我させて……偉そうにしててバカみたいねよね私…」
視界が歪む。また涙が出てきた。
言っているうちに自らへの悪感情が膨れ上がる。悪循環だった。
ルイズの独白をヤンは作業を続けながら黙って聞いていた。

933 :ルイズとヤンの人情紙吹雪5:2009/05/18(月) 00:30:38 ID:???
「……なんとか…なんとか言いなさいよ! ……偉そうにしてた御主人様が魔法も使えないダメ貴族だったのよ!? 言いたいこととかあるでしょう!
……それとも、もう口も利く気も失せたかしら…? …当然よね 私みたいn「うるせーーーーーーーーーッ!!」
ヤンが突然、叫んだ。ギリギリギリギリィーーっとこちらを睨んでいる。
ルイズは涙で真っ赤になった目を見開いて驚きのあまり固まってしまった。
「ごちゃごちゃ言ってねーで手ぇ動かせっつったろーーが! それとも何か!? 俺様に罵って殴って、そんでもってもっとスゲーことして貰いてぇのか!?
後で望みどーりしてやっから今は手ぇ動かせ! だいたいテメェー魔法使えてるだろが! テメェがここを爆破したお陰でこんなザマなんだろ?
俺をここに召喚したのは何処の誰だよ! ったくよぉ それで『私はゼロなんですぅ』って バカだわ、オメー アホ マヌケ オメェの母ちゃんデベソ丸出し。
理解できたか? 頭はスッキリ? ルイズ『ちゃん』は魔法使えましたねぇー 良かったでちゅねー メデタシメデタシ ちゃんちゃん」
ヤンは言うだけ言うと再び背を向けて仕事に戻った。
ルイズがぐぢぐぢ気に病んでいたことなど、まるで興味無しという思いがありありと伝わってくる。
ヤンの怒涛の「口」撃にすっかりタジタジになってしまったルイズ。
悪口も大分言われたようだがその部分には少しも反論せず、俯き加減で言われたとおり箒掛けを再開する。
だがそれでも言わずにはいられなかった。
「でも……やっぱり、まともな魔法は何一つ使えないし…アンタを傷付けちゃったし……」
ぐぢぐぢするルイズにヤンはとうとう何かが切れた。
「よぉーし、わかった! ルイズ! テメェーに元気が出るまじないをしてやる! 目ぇ瞑れ!」
ルイズはえッっと逡巡した。
だが気が沈んでいる今は、おとなしく言われたとおりにするのだった。
目を瞑る。
すると頭を掴まれ唇に何かが押し付けられた。
この感触は知っていた。既に三度目だ。
滑る舌がルイズの唇と歯をこじ開け侵入してくる。
驚愕したものの、今回はさして抵抗しなかった。
心が折れていたこともあるが、気持ちイイという感覚も少しだが生まれてきていた。

934 :ルイズとヤンの人情紙吹雪5:2009/05/18(月) 01:30:36 ID:???
なんだか温かくて、その温もりが心地好くて、ルイズは完全にヤンに身を任せていた。
やがてヤンの舌が引き抜かれ、唇が離れる。
ルイズは頬を染めてボーっとヤンの顔を眺めていた。
ヤンの唇が、温もりが離れていくのが少し寂しいと感じた。
「どぉーだ 元気出たろ?」
ヤンが不敵な笑みでルイズを見下ろす。
ルイズは思わず、「うん」と言ってしまいそうになりハッと我に返った。
「な、なな何すんのよ馬鹿犬ぅぅ!」
口を腕で隠しながら、顔を茹蛸にして凄まじいスピードで後ずさる。
「ナニって… おまじないだよ おまじない」
「ア、アンタねぇ! これ、もう三度目よ!? 乙女の唇をなんだと思ってるのよ!!」
「うるせーな オメェがグダグダ言ってッから悪ぃんだよ オマケに今回はオメェも抵抗してないじゃん? いよいよ癖になってきたかぁー?」
ニィィィィィィィっと口の端を吊り上げて哂うヤン。
「ア、アアアアアアアンタねぇーーーーーーーーーーーーーーーー!」
恥と怒りと、若干本音を当てられたという照れで顔を赤く染め上げたルイズは、満身の力を込めた拳をヤン目掛けて振り下ろす。
ヤンの顔がグシャァアっという鈍い音を立てて崩れ落ちる。
「……テ、テメェ……ちっとは手加減しろっつーの……」
「ううううううううるさいわねッ! わ、私にあんなことしておいて命があるだけマシと思いなさい馬鹿犬!!」
肩を震わせながら、鼻息荒い。
だが彼女を今、支配している感情は怒りだけではなかった。
「けっ 調子出てきたみてーじゃん?」

935 :ルイズとヤンの人情紙吹雪5:2009/05/18(月) 01:31:19 ID:???
ヤンはのろのろと立ち上がり、盛大に垂れ流している鼻血を手の甲で拭うと再び背を向け、残った作業に精を出すのだった。
ヤンの働きっぷりを怒りの表情で睨んでいた彼女であったが、数分も経つと落ち着いてきた。
そして、ふと思う。
(…ひょっとして…慰めてくれた?)
魔法が使えただろう、と。
アイツは自分にそう言ってくれた。
それにしても、と思う。
もう少し言い方とかやり方とか…あるだろうに。
気付くと、ルイズの中の黒い感情は、いつものヤンとのドタバタの中に霧散していた。
(あったかかったな…)
自分の唇をつッとなぞる。
ガタガタ。ゴトゴト。
今もかったるそうに、しかし凄まじいスピードで残骸やらを片すヤンの背中を見ながらルイズはボソッと呟く。
「……ありがと」
何かが聞こえてヤンは振り向く。
「あ?」
「何でもないわよ! さっさと片付けるわよ!」
へーへーと気だるそうに生返事するヤン。
ルイズの顔はいつもの偉そうな、しかし明るい表情をしていた。


936 :ルイズとヤンの人情紙吹雪5:2009/05/18(月) 01:34:25 ID:???
以上です
やはり猿くらったw
お目汚し失礼しました

937 :マロン名無しさん:2009/05/18(月) 02:32:28 ID:???
乙です

猿さんは10回投下かな?で喰らうはずだから、
○時00分とか、正時を跨ぐようにするといいらしいですよ

もし20回を越えるような場合があれば分割した方がいいですね

938 :マロン名無しさん:2009/05/18(月) 10:36:47 ID:???
ルークバレンタイン復活ッッ!

ルークバレンタイン復活ッッ!

ルークバレンタイン復活ッッ!

ルークバレンタイン復活ッッ!



939 :ルイズとヤンの人情紙吹雪5:2009/05/18(月) 19:07:24 ID:???
>>937
なるほど ありがとうございます
以後喰らわないよう気を付けます

940 :マロン名無しさん:2009/05/18(月) 21:09:29 ID:???

背後でコンコンっとノック音が響いた。
振り向くとそこにいたのは黒尽くめの男。
自分の失敗魔法で傷つけてしまったギレン閣下であった。
「よっ」
片手を軽く挙げ挨拶してくる。

941 :マロン名無しさん:2009/05/18(月) 21:31:41 ID:???
誰が政治をしとるのか!

942 :マロン名無しさん:2009/05/18(月) 22:05:33 ID:???
ヤンさん乙っす。このままルイズは手込めにされてしまうのかw

943 :マロン名無しさん:2009/05/20(水) 06:39:15 ID:???
ヤンが着々と好感度をあげているwww

944 :マロン名無しさん:2009/05/22(金) 19:03:59 ID:???
さすがヤンさんだ

945 :マロン名無しさん:2009/05/24(日) 14:30:43 ID:???
ぼちぼち次スレか

946 :マロン名無しさん:2009/05/25(月) 07:56:52 ID:???
そういや、狂信者の人のって"一応"人間を呼んだのはルイズだけなのな。
半年更新無いのか。気長に待ちます。応援してまっせー。

947 :マロン名無しさん:2009/05/26(火) 00:38:54 ID:???
たてた
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1243265888/l50

948 :マロン名無しさん:2009/05/26(火) 00:44:39 ID:???
乙だが早漏じゃねーか?

投下なかったら落ちそうだし、
こっちをさっさと雑談で埋めて移動するかしないと危なそう。


949 :マロン名無しさん:2009/05/26(火) 01:02:34 ID:???
以下略のヒラノが召喚されたら意外に活躍しそう

950 :マロン名無しさん:2009/05/26(火) 02:29:25 ID:???
ただし、武器は全部葛。

951 :マロン名無しさん:2009/05/26(火) 06:04:29 ID:???
本物使ったら危険だからな

952 :マロン名無しさん:2009/05/26(火) 15:44:24 ID:???
貧乳:以下略のヒラコー
無能:AVGのヒラコー
狂信:H.O.T.D.のヒラコー
革命:アワーズ最終話後のヒラコー

953 :マロン名無しさん:2009/05/26(火) 17:16:48 ID:???
ただ意外とロリ属性無さそうだしなーヒラコー
ルイズに懐くかどうか

954 :マロン名無しさん:2009/05/26(火) 17:21:22 ID:???
ロリカードを趣味で書いたと豪語するくらいだから、ロリも広いひろ〜いストライクゾーンなんだろう。

955 :マロン名無しさん:2009/05/26(火) 18:18:50 ID:???
タバサさえいれば、なんとかなる。

956 :マロン名無しさん:2009/05/26(火) 22:19:58 ID:???
タバサがヒラノ
マリコルヌが亮太郎
ギーシュがヤマシュー

957 :マロン名無しさん:2009/05/26(火) 22:55:27 ID:???
ああ、そばに一緒にいて欲しい系?


958 :マロン名無しさん:2009/05/27(水) 00:10:45 ID:???
いや
ガッチリ

959 :マロン名無しさん:2009/05/27(水) 07:55:23 ID:???
寺門部長を召喚したりとか

960 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/05/27(水) 22:49:51 ID:???
>>947
乙です。

では投下します。

961 :ゼロのロリカード-37:2009/05/27(水) 22:51:48 ID:???
「ぶはッ・・・・・・ゲホッゲボ、ゴボッ」
一人の男が姿を現した。
「な・・・・・・何だこれは・・・!!」
状況が理解できない。

「何が起きたんだ、何が起きてるんだ。何なんだこれは!!」

 明るかった筈の空は夜のように暗く、気圧も大きく違う。
自分は風のスクウェア。その微細な感覚から、ここがアルビオン大陸であると認識する。

 己はどうしていただろう。そうだ・・・・・・少女と戦っていた。
レキシントン号に何かが落ちてきて、そこからあの・・・・・・化物が、アーカードが現れた。
それで・・・・・・そう、犬だ。巨大な犬が、その大きな口で――――――。


 そこで気付く、目の前にある巨大な黒い塊に。よく見ればそれは犬、自分を喰った犬。
「ひっ・・・・・・」
思わず小さな悲鳴が出る。体に刻み付けられた臨死の体験が、本能的に声を漏らした。

 そうだ己は死んだ。ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルドは死んだ・・・・・・筈だ。
しかし自分はここにいる。自我もある、きちんと己を認識している。
眼前で横たわり死んでいるのは、自分を喰った筈の犬。
何十本もの銃剣が突き刺さり、既に死に絶えていた。

 周囲を見回す。
(これは・・・・・・夢か?)
とても現実の光景とは思えない。
 

962 :ゼロのロリカード-37:2009/05/27(水) 22:53:03 ID:???
 目に映るは、見るも凄惨な"死"そのもの。
鼻腔を刺激するは、こびりつくような"死"臭のみ。
耳に入るは、つんざくような"死"する者の雄叫び。
舌に残るは、"死"した者の血が気化した鉄の味。
皮膚が鋭敏に感じる・・・・・・体中が震え、二度目の"死"を予感させる。

 五感全てで"死"を感じ、第六感が"死"から逃げろと囁く。
脈動する、脈動する。それはどんどん加速し、ワルドを焦燥させる。


 そんな中でワルドは、"死"以外の者を見つける。遠目に確認できる、人外同士の闘争。
一人は知っている、ルイズの使い魔アーカードだ。
もう一人の男は知らない。しかしあの化物に負けず劣らず戦っている姿は、とても人間とは思えない。
           ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
 その時、亡者がまだ生きている者の匂いにつられて集まり始める。
「なっ!?くっ・・・・・・」
ワルドは思考を切り替える。生き延びる為に、眼光が戦う者のそれになる。
卓越したメイジとして、紛う事なき風のスクウェアとしての顔がそこにあった。

 『遍在』で己を四人作り出し、自分を囲むようにして四方に魔法を放つ。
しかし・・・・・・亡者達は止まらない。
圧倒的な物量で、ワルドが放つ風の魔法など、あってないようなもののように押し潰そうと迫る。


「うぅ・・・・・・ぐ・・・」
無駄だ、焼け石に水だ。と、察したワルドは『フライ』の呪文を唱える。
空に逃げるしかない。少なくとも地上にいるよりは遥かにいい。
こんな状況を真っ向からどうにか出来る者など、烈風カリンなど伝説級の英雄だけだ。
 

963 :ゼロのロリカード-37:2009/05/27(水) 22:53:25 ID:???
 ワルドの体が浮き上がり、飛行しようとしたその刹那。風の魔法が強く体を打った。
「がはっ・・・・・・!!?」
ワルドは地面に叩き付けられ、そのまま転がる。
勢いが止まって顔を上げると、そこにはよく知った顔がいた。

「ウ・・・ウェールズ・・・・・・」
己が目を疑った。自分が殺した筈なのに・・・・・・。
「何故ここにいる!?何故生きているんだ!!??」

 狼狽して息が切れる。魔法を唱えるのも忘れ、遍在達が亡者達に消滅させられるのを感じる。
まずいと思い、魔法を放とうと詠唱をするも遅かった。
既に亡者達が体にしがみつき、我先にと自分を"死"へ引き擦り込もうとしている。

 その時、ワルドは肉に嫌な感触が走るのを覚える。
見ればウェールズが、目の前で気味悪く唇の端を上げて静止していた。
ワルドの胸にはブレイドで強化された剣が突き刺さり、次いでゴボゴボと血を吐き出す。

「お・・・・・・があ・・・あ・・・が」
自分が殺した相手に、同じ殺し方で殺されるなんて・・・・・・なんて喜劇なのだろう。
死の際に、ワルドはそんなことを思う。そして悟る。
ウェールズは既に生きていない、既に死んでいるのだと。
そして己も、もうすぐこの者達と同じモノになる・・・・・・と。


「こんなところで・・・・・・俺は・・・こんなところで死ぬのか」
ワルドは吐き捨てるように呟く。
状況も理解できず、わけがわからないまま造作もなく死ぬ。

「こんなところで、ひとりぼっちで、死ぬのかッ・・・・・・」
ワルドは恨むように呟く。
脳裏に母親の顔が浮かぶ。幼き日の思い出が走馬灯のように頭を駆け巡る。
 

964 :ゼロのロリカード-37:2009/05/27(水) 22:54:18 ID:???
「己の目的も果たせず・・・・・・畜生・・・ッ」
ワルドは毒づくように呟く。
息絶えたワルドの体に、さらに槍が何本も突き刺さり、そのまま空へと掲げられる。

 串刺しにされたワルドの顔は苦悶に歪み・・・・・・。
その下でウェールズは、ワルドの血をその身に受けながら、変わらず笑みを浮かべていた。





「ふむ・・・・・・夢のようなひとときだった」
アーカードがその艶やかな口を開く。
死闘を繰り広げた二人に、無事なところなどは一つもない。

 祝福儀礼の銃剣に斬られ、ジャッカルの弾丸に撃たれ、二人とも再生が追いついていない。
それでもひたすら戦い続けた。肉体を磨り潰しながら、精神を磨り減らしながら。

「しかしなぁ・・・・・・タイムオーバーだ、アンデルセン」
アーカードは名残惜しそうに言う。

 まだ決着はついていない。どちらかが倒れるまで続ける。
当然その想いは、双方にあった。しかしアーカードは今、この闘争をやめようとしている。
『時間切れ』。その言葉の意味を、アンデルセンもなんとなく感じ取っていた。

「アルビオン軍は殲滅された。となれば、次の矛先は――――――」

 アーカードは、これ以上零号開放をしておく理由がないことを言っている。
そしてこのまま放置すれば――――――次の標的はその周囲全て。
つまり近くにある森も、ウエストウッド村も例外ではない。
 

965 :ゼロのロリカード-37:2009/05/27(水) 22:55:18 ID:???
 アーカードは、ティファニア達に危険が及ぶと通告しているのだ。
アンデルセンの選び取る答えまで予想した上で、そう言っているのだ。
アーカードのそんな態度に、アンデルセンは大きく舌打ちをする。


「フッ・・・・・・私も、おまえも、互いに守るものがある。互いに譲れぬものがある。
 あぁそうだ、お前になら倒されても良かった。あの日なら、人間のお前になら。
 あの夜明けのロンドンで、人間のお前になら、この心臓をくれてやっても良かった。
 でももう、もはやだめだ。私は、帰らねばならん。ルイズのもとに、インテグラのもとに。
 だからもう、易々と打ち倒されてはやらん。・・・・・・おまえは、どうするのだ?アンデルセン」

 アンデルセンは目を瞑る。その瞼の裏に映るは子供達、その笑顔。
考えるまでもない。いや、ここに来る前に散々考えたこと。
自分は――――――もう二度と――――――。


 アンデルセンは銃剣をしまう。アーカードもそれを見て武装を解いた。
「・・・・・・次は殺す、必ず殺す」
アンデルセンは踵をかえし、そう言った。

 アーカードは満足気な笑みを浮かべ、背を向ける。
背中合わせの二人が、それぞれ歩き出す。
アンデルセンは書物を開く。するとページが溢れ出し、それに包み込まれるといつの間にか消えていた。

 アーカードはクイッと指を動かす。
その瞬間、死の河の動きがピタリと止まり、その姿が液体へと変わり始める。
次いでアーカードの肉体に、赤黒い血液となった死の河が吸収され始めた。
地平を埋め尽くし、全てを押し流した死の河。その奔流が巻き戻るかのように、アーカードに吸い込まれる。
アーカードを中心に螺旋を描き、渦巻くように領民達は帰り始めた。――――――新たな七万の領民を連れて。

 

966 :ゼロのロリカード-37:2009/05/27(水) 22:55:39 ID:???
 全てを喰い尽くしたアーカードは、夜明けの空を薄く見つめる。
アーカードの口から、思わず「あぁ・・・・・・」と息が漏れる。

 人間である事をやめ、化物と成り果て、『ヴラド・ツェペシュ』が死んだあの時。
ヘルシング教授とその一行に破れ、心の臓腑に杭を突き立てられ、『ドラキュラ』が死んだあの時。
そしてシュレディンガーを取り込み、虚数となって消え、『アーカード』が死んだあの時。

 私が死んだ光景。
幾度も見て、そして思ったその場景。

(本当に日の光とは・・・・・・こんなにも、美しい物なのだな)





 両の手に掴まれた、リップヴァーンとトバルカインが引っ張られる。
あの吸血鬼が・・・・・・アーカードが食事を始めたのだろうと、大尉は抵抗することなくその手を離した。
一度の跳躍で、死の河の圏内から離脱し、振り返ってその光景を見つめる。

 アーカードも自分も、哀れな化物。あまたの不死の化物。
我らは闘争を望む。血みどろの戦いを望む。嗚咽するように、渇望する。

 戦闘戦斗を望むわけではない、死を望む絶叫。
闘争から闘争へ、何から何まで消えてなくなり、真っ平らになるまで、歩き、歩き、歩き続ける幽鬼。
だが、あの吸血鬼は、アーカードは果たして今もそうなのだろうか。

 なんとなく・・・・・・なんとなくなのだが、今は違うような気がする。
それは同じ化物としての勘なのか、狼としての嗅覚なのか。
いずれにせよ、今も変わらぬ幽鬼の己とは違う。そんな確信にも似た何かを感じる。

 

967 :ゼロのロリカード-37:2009/05/27(水) 22:56:31 ID:???
 大尉は帽子をかぶりコートを着ると、指笛を吹いた。
神の右手『ヴィンダールヴ』、心優しき神の笛。あらゆる獣と心を交わし、操る能力。
現れた竜の背に乗り、大尉は夜明けの空を飛ぶ。

 アーカードのように自分は変われない。
いつだって、自分は死にたがりの戦争犬。
あのセラス・ヴィクトリアのように、己を打ち倒してくれる・・・・・・。
そんな人間にいつかまた出会える、その日まで。





 夜が明けた。終わってみれば、長い長い悪夢を見ていたようだった。
あれがアーカード。己の使い魔、最凶の吸血鬼。

 ――――――ついさっきまで、ここには地獄絵図が描かれていたなど、誰が信じられようか。
七万もいたアルビオン軍は、もう影も形もない。
最初からいなかったのではないかと思わせるほど、その痕跡が残されていないのだ。
埋め尽くし溢れていた軍勢も、空間を散り染めていた血液も、七万の死骸も、その全てが消失している。

 兎にも角にもこれで全てが終わった。そう、全てが終わった。

(わたしが、殺した・・・・・・)
ルイズは右手でギュっと、自分の胸元を押さえる。
なんだか息苦しく感じた。心臓が締め付けられるような感覚に襲われる。


 任務は足止めだった。一日足止めすればいいだけ。
もしかしたら・・・・・・『イリュージョン』と『エクスプロージョン』だけでも、任務は遂行出来たかも知れない。
魔力がどの程度溜まっているかわからない。威力は定かではない。
 

968 :ゼロのロリカード-37:2009/05/27(水) 22:56:53 ID:???
 しかし足止めだけであるなら、それでも充分だった可能性は有った。
アーカードの出す霧と併用すれば、さらに効果は高まっただろう。

 それでも選んだ。より確実に任務を遂行する為に。
突然の不透明過ぎる軍の離反。敵軍の霧中進軍の可能性。虚無魔法の不安定さ。
不確定要素が多かった。その為に退却の最中にある自軍を、危険に晒すわけにはいかない。

 あらゆる可能性を考慮し、吟味し、そして選択した。
100%成功させる方法を、アーカードに命令した。
かつての友軍を含んだアルビオン軍を、私の殺意が殺したのだ。

 学院を襲ってきたメイジを殺した時とは、比べ物にならない重圧。
自身が背負わなければならない罪。向き合わねばならぬ事実。


「すぅ〜・・・・・・ふぅ〜・・・・・・」
ルイズは大きく深呼吸をする。昂ぶった気を落ち着ける。

 ――――――というか、これはもう退き口でもなんでもない。
アルビオン軍は殲滅された。大虐殺ではあるが、戦争に於いてこれは大戦果とも言える。
トリステイン・ゲルマニア連合軍の勝ち。というよりは、アルビオン軍の負けが確定したようなもの。

「どうしよう・・・・・・」
ルイズは呟く。この事を伝えようにも、伝令する手段がない。
(そもそも信じてもらえるのかな、これは・・・・・・)
追撃のアルビオン軍七万が・・・・・・全滅したと。

 このままでは、連合軍は退却を完了してしまう。
そうなっては敵軍がいなくなったとはいえ、もはや制圧は不可能だ。
いやもう既に連合軍の殆どが退却しているから、どっちにしても無理かもしれない。
はてさて、どうしたものか。
 

969 :ゼロのロリカード-37:2009/05/27(水) 22:58:06 ID:???
(とりあえずアーカードと合流しよう・・・・・・)
ルイズは目を凝らして平原を探す。
それらしいシルエットを見つけると、ルイズは駆け出した。





 アンデルセンは森へと着く。
冷水が体に染みるも、念入りに洗って血の匂いを完全に落とす。
アドレナリンで麻痺していた痛みが、一斉に疼き始める。
どっと疲労が襲ってきて、体中が悲鳴を上げる。

 だが闘争の痕跡は一切残さない。
睡眠欲と痛みが鬩ぎ合い、精神力だけでそれを抑え込む。
決して表に出してはならない。子供達に心配されてはならない。
その笑顔が崩れるような事が無いように。子供達とその笑顔を守る事が今の自分の本懐。

 アーカードを打ち倒す事は結局適わなかった。
が、それでもアンデルセンの顔には、柔和な色が浮かんでいた。

970 :ゼロリカ ◆DNrogED.cM :2009/05/27(水) 23:05:28 ID:???
以上です。
まとめてくれてる方いつもありがとうございます。

子爵の出番は本当は考えてませんでした(一生出てこない予定でした)
しかし、絵板の零号開放ウェールズを見て思い立ち、加筆しました。

最終プロットまで大まかに組み終わり、見直したところ本当にここで出しておかないと出番がないので、結果的に良かったですw
そのおかげで尺が微妙になったので、分割して今回は少し短めです。

それではまた。

971 :マロン名無しさん:2009/05/28(木) 02:53:09 ID:???
いつも乙です
素人の感想だが今回はいつにも増して、原作とオリジナルの混ぜ具合が絶妙ですな、素晴らしいです

972 :マロン名無しさん:2009/05/28(木) 21:53:37 ID:57swhPRd
ワルド、生き返ってまた死んだ〜。
犬に喰われたのは死亡フラグだったか・・・

973 :マロン名無しさん:2009/05/28(木) 23:15:21 ID:???
まだ生きてる・・・

974 :マロン名無しさん:2009/05/28(木) 23:28:43 ID:???
ある意味生きてるかw

975 :マロン名無しさん:2009/05/29(金) 01:58:43 ID:???
少年ウォルターは零号封印に間に合わなかったね。

976 :マロン名無しさん:2009/05/29(金) 09:48:59 ID:???
>>975
sageは半角だぞ新兵

977 :マロン名無しさん:2009/05/30(土) 10:13:30 ID:???
この後ウォルターどうすんだろ

978 :マロン名無しさん:2009/05/30(土) 11:56:50 ID:???
ショルターは瀕死のワルドを拾って魔改造しかやる事が無いな。

979 :マロン名無しさん:2009/05/31(日) 17:58:23 ID:???
虚無感MAXだな

980 :マロン名無しさん:2009/06/01(月) 09:06:45 ID:???
ε-('∞';)フゥー ゼロリカ昨日の夕から読み始めて1度寝てから今ようやく追いついた。
良い具合にインテグラをなぞるねぇ。ルイズ。
こうしてみると割と万能選手なのね。

981 :マロン名無しさん:2009/06/02(火) 19:51:39 ID:???
数年後には鉄の女に

982 :マロン名無しさん:2009/06/02(火) 21:45:58 ID:???
鋼の錬金術師ならぬ鋼の貧乳貴族か

983 :マロン名無しさん:2009/06/03(水) 00:21:27 ID:???
鉄のルイズ 無敵ルイズ

984 :マロン名無しさん:2009/06/03(水) 00:27:59 ID:???
葉巻吹かしてるルイズが思い浮かんだんだが

985 :マロン名無しさん:2009/06/03(水) 10:29:00 ID:???
そして母ちゃんに無言ではたかれたり、ちい姉ちゃんがゴホゴホするのを見て無言で消すのか

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