ヤマカンの『かんなぎ』について

 作家論的には、入院患者(スタッフ病院送り)を増やすための人騒がせなヤマカンの「リハビリ」作品。
作品論的には、誰も気付かないような細部と細部の関係にまで意味作用のネットワークがゆきとどいた作品である。
その意味で「アニメーション」に対してきわめて誠実な作品であるが、あまりにも微細に過ぎる。
たとえば、オープニングのアニメーションで描かれている内容が、本編に対して持っている関係の厳密さを多くのアニメ・ファンに「拾わせる」ためには、「エヴァ・クラスの破壊力」と「解釈・合戦」が必要であろう。
山本さんの果てしない「言論・啓蒙活動」は終わらない。