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アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ22

1 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 21:43:16 ID:C2+Hye+s
このスレはアニメキャラ・バトルロワイアル2ndの作品投下スレです。
基本的に、SSの投下のみをここで行ってください。
前スレ
アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ21
ttp://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1235130193/
アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ20
ttp://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1227187158/
アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ19
ttp://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1220448938/
アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ18
ttp://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1216557895/
アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ17
ttp://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1216557895/
アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ16
ttp://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1208969940/
アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ15
ttp://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1207660456/
アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ14
ttp://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1205323883/
アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ13
ttp://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1204017211/
アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ12
ttp://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1202475356/
アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ11
ttp://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1199094345/
アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ10
ttp://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1197690706/
アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ9
ttp://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1195822039/
アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ8
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1194537782/
アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ7
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1193746998/
アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ5(実質6)
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1193324421/
アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ4
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1192195953/
アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ3
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1191637331/
アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ2
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1190647837/
アニメキャラ・バトルロワイアル2nd 作品投下スレ1
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1190383751/

投下作品についての感想、雑談、議論その他モロモロは以下のしたらばにて行ってください。

アニメキャラ・バトルロワイアル・セカンド 専用掲示板(したらば)
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9783/
感想雑談スレ(上記したらば内)
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/9783/1221316173/l50
予約専用スレ(アニロワセカンド予約用したらば内)
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/11353/1210408973/l50

アニロワ2ndまとめwiki
http://www40.atwiki.jp/animerowa-2nd/pages/1.html
ツチダマ掲示板 (ID表示の議論スレ有り)
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/6346/
アニメキャラ・バトルロワイアル2nd毒吐きスレ・別館8 (ID非表示の毒吐きスレ)
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/8882/1225810819/l50
※毒吐きスレ内での意見は、基本的に無視・スルーが鉄則。毒吐きでの話を他所へ持ち出さないように!

2 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 21:44:04 ID:C2+Hye+s
参加者リスト・(作中での基本支給品の『名簿』には作品別でなく50音順に記載されています)
1/7【魔法少女リリカルなのはStrikerS】
●スバル・ナカジマ/●ティアナ・ランスター/●エリオ・モンディアル/●キャロ・ル・ルシエ/●八神はやて/○シャマル/●クアットロ
0/6【BACCANO バッカーノ!】
●アイザック・ディアン/●ミリア・ハーヴァント/●ジャグジー・スプロット/●ラッド・ルッソ/●チェスワフ・メイエル/●クレア・スタンフィールド
1/6【Fate/stay night】
●衛宮士郎/●イリヤスフィール・フォン・アインツベルン/●ランサー/●間桐慎二/○ギルガメッシュ/●言峰綺礼
1/6【コードギアス 反逆のルルーシュ】
○ルルーシュ・ランペルージ/●枢木スザク/●カレン・シュタットフェルト/●ジェレミア・ゴットバルト/●ロイド・アスプルンド/●マオ
1/6【鋼の錬金術師】
●エドワード・エルリック/●アルフォンス・エルリック/●ロイ・マスタング/●リザ・ホークアイ/○スカー(傷の男)/●マース・ヒューズ
2/5【天元突破グレンラガン】
●シモン/○カミナ/●ヨーコ/●ニア/○ヴィラル
1/4【カウボーイビバップ】
○スパイク・スピーゲル/●ジェット・ブラック/●エドワード・ウォン・ハウ・ペペル・チブルスキー4世/●ビシャス
1/4【らき☆すた】
●泉こなた/●柊かがみ/●柊つかさ/○小早川ゆたか
2/4【機動武闘伝Gガンダム】
○ドモン・カッシュ/○東方不敗/●シュバルツ・ブルーダー/●アレンビー・ビアズリー
0/4【金田一少年の事件簿】
●金田一一/●剣持勇/●明智健悟/●高遠遙一
1/4【金色のガッシュベル!!】
○ガッシュ・ベル/●高嶺清麿/●パルコ・フォルゴレ/●ビクトリーム
0/4【天空の城ラピュタ】
●パズー/●リュシータ・トエル・ウル・ラピュタ/●ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ/●ドーラ
1/4【舞-HiME】
○鴇羽舞衣/●玖我なつき/●藤乃静留/●結城奈緒
1/3【R.O.D(シリーズ)】
●アニタ・キング/●読子・リードマン/○菫川ねねね
0/3【サイボーグクロちゃん】
●クロ/●ミー/●マタタビ
0/3【さよなら絶望先生】
●糸色望/●風浦可符香/●木津千里
0/3【ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日-】
●神行太保・戴宗/●衝撃のアルベルト/●素晴らしきヒィッツカラルド
1/2【トライガン】
●ヴァッシュ・ザ・スタンピード/○ニコラス・D・ウルフウッド
0/2【宇宙の騎士テッカマンブレード】
●Dボゥイ/●相羽シンヤ
1/2【王ドロボウJING】
○ジン/●キール
【残り15名】

3 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 21:45:04 ID:C2+Hye+s
≪生存者名簿≫
【魔法少女リリカルなのはStrikerS】
○シャマル
【Fate/stay night】
○ギルガメッシュ
【コードギアス 反逆のルルーシュ】
○ルルーシュ・ランペルージ
【鋼の錬金術師】
○スカー(傷の男)
【天元突破グレンラガン】
○カミナ/○ヴィラル
【カウボーイビバップ】
○スパイク・スピーゲル
【らき☆すた】
○小早川ゆたか
【機動武闘伝Gガンダム】
○ドモン・カッシュ/○東方不敗
【金色のガッシュベル!!】
○ガッシュ・ベル
【舞-HiME】
○鴇羽舞衣
【R.O.D(シリーズ)】
○菫川ねねね
【トライガン】
○ニコラス・D・ウルフウッド
【王ドロボウJING】
○ジン

4 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 21:45:49 ID:C2+Hye+s
【基本ルール】
 全員で殺し合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が優勝者となる。
 優勝者のみ元の世界に帰ることができる。
 また、優勝の特典として「巨万の富」「不老不死」「死者の蘇生」などのありとあらゆる願いを叶えられるという話だが……?
 ゲームに参加するプレイヤー間でのやりとりに反則はない。
 ゲーム開始時、プレイヤーはスタート地点からテレポートさせられMAP上にバラバラに配置される。
 プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる。
【スタート時の持ち物】
 プレイヤーがあらかじめ所有していた武器、装備品、所持品は全て没収。
 ただし、義手など体と一体化している武器、装置はその限りではない。
 また、衣服とポケットに入るくらいの雑貨(武器は除く)は持ち込みを許される。
 ゲーム開始直前にプレイヤーは開催側から以下の物を支給され、「デイパック」にまとめられている。
 「地図」「コンパス」「筆記用具」「水と食料」「名簿」「時計」「ランタン」「ランダムアイテム」
 「デイパック」→他の荷物を運ぶための小さいリュック。主催者の手によってか何らかの細工が施されており、明らかに容量オーバーな物でも入るようになっている。四●元ディパック。
 「地図」 → MAPと、禁止エリアを判別するための境界線と座標が記されている。【舞台】に挙げられているのと同じ物。
 「コンパス」 → 安っぽい普通のコンパス。東西南北がわかる。
 「筆記用具」 → 普通の鉛筆と紙。
 「水と食料」 → 通常の成人男性で二日分。肝心の食料の内容は…書き手さんによってのお楽しみ。SS間で多少のブレが出ても構わないかと。
 「名簿」→全ての参加キャラの名前のみが羅列されている。ちなみにアイウエオ順で掲載。
 「時計」 → 普通の時計。時刻がわかる。開催者側が指定する時刻はこの時計で確認する。
 「ランタン」 → 暗闇を照らすことができる。
 「ランダムアイテム」 → 何かのアイテムが1〜3個入っている。内容はランダム。
【禁止エリアについて】
放送から1時間後、3時間後、5時間に1エリアずつ禁止エリアとなる。
禁止エリアはゲーム終了まで解除されない。
【放送について】
0:00、6:00、12:00、18:00
以上の時間に運営者が禁止エリアと死亡者、残り人数の発表を行う。
基本的にはスピーカーからの音声で伝達を行う。
【舞台】
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/f3/304c83c193c5ec4e35ed8990495f817f.jpg
【作中での時間表記】(0時スタート)
 深夜:0〜2
 黎明:2〜4
 早朝:4〜6
 朝:6〜8
 午前:8〜10
 昼:10〜12
 日中:12〜14
 午後:14〜16
 夕方:16〜18
 夜:18〜20
 夜中:20〜22
 真夜中:22〜24


5 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 21:46:43 ID:C2+Hye+s
【書き手の注意点】
・トリップ必須。荒らしや騙り等により起こる混乱等を防ぐため、捨て鳥で良いので付け、>>1の予約スレにトリップ付きで書き込んだ後投下をお願いします
・無理して体を壊さない。
・残酷表現及び性的描写に関しては原則的に作者の裁量に委ねる。
但し後者については行為中の詳細な描写は禁止とする。
・完結に向けて決してあきらめない
書き手の心得その1(心構え)
・この物語はリレー小説です。 みんなでひとつの物語をつくっている、ということを意識しましょう。一人で先走らないように。
・知らないキャラを書くときは、綿密な下調べをしてください。
 二次創作で口調や言動に違和感を感じるのは致命的です。
・みんなの迷惑にならないように、連投規制にひっかかりそうであればしたらばの仮投下スレにうpしてください。
・自信がなかったら先に仮投下スレにうpしてもかまいません。 爆弾でも本スレにうpされた時より楽です。
・本スレにUPされてない仮投下スレや没スレの作品は、続きを書かないようにしてください。
・本スレにUPされた作品は、原則的に修正は禁止です。うpする前に推敲してください。
   ただしちょっとした誤字などはwikiに収録されてからの修正が認められています。
   その際はかならずしたらばの修正報告スレに修正点を書き込みましょう。
・巧い文章はではなく、キャラへの愛情と物語への情熱をもって、自分のもてる力すべてをふり絞って書け!
・叩かれても泣かない。
・来るのが辛いだろうけど、ものいいがついたらできる限り顔を出す事。
 作品を撤回するときは自分でトリップをつけて本スレに書き込み、作品をNGにしましょう。
書き手の心得その2(実際に書いてみる)
・…を使うのが基本です。・・・や...はお勧めしません。また、リズムを崩すので多用は禁物。
・適切なところに句読点をうちましょう。特に文末は油断しているとつけわすれが多いです。
 ただし、かぎかっこ「 」の文末にはつけなくてよいようです。
・適切なところで改行をしましょう。
 改行のしすぎは文のリズムを崩しますが、ないと読みづらかったり、煩雑な印象を与えます。
・かぎかっこ「 」などの間は、二行目、三行目など、冒頭にスペースをあけてください。
・人物背景はできるだけ把握しておく事。
・過去ログ、マップはできるだけよんでおくこと。
 特に自分の書くキャラの位置、周辺の情報は絶対にチェックしてください。
・一人称と三人称は区別してください。
・ご都合主義にならないよう配慮してください。露骨にやられると萎えます。
・「なぜ、どうしてこうなったのか」をはっきりとさせましょう。
・状況はきちんと描写することが大切です。また、会話の連続は控えたほうが吉。
 ひとつの基準として、内容の多い会話は3つ以上連続させないなど。
・フラグは大事にする事。キャラの持ち味を殺さないように。ベタすぎる展開は避けてください。
・ライトノベルのような萌え要素などは両刃の剣。
・位置は誰にでもわかるよう、明確に書きましょう。
書き手の心得3(一歩踏み込んでみる)
・経過時間はできるだけ『多め』に見ておきましょう。
 自分では駆け足すれば間に合うと思っても、他の人が納得してくれるとは限りません。
 また、ギリギリ進行が何度も続くと、辻褄合わせが大変になってしまいます。
・キャラクターの回復スピードを早めすぎないようにしましょう。
・戦闘以外で、出番が多いキャラを何度も動かすのは、できるだけ控えましょう。
 あまり同じキャラばかり動き続けていると、読み手もお腹いっぱいな気分になってきます。
 それに出番の少ないキャラ達が、あなたの愛の手を待っています。
・キャラの現在地や時間軸、凍結中のパートなど、雑談スレには色々な情報があります。
 本スレだけでなく雑談スレにも目を通してね。
・『展開のための展開』はNG
 キャラクターはチェスの駒ではありません、各々の思考や移動経路などをしっかりと考えてあげてください。
・書きあがったら、投下前に一度しっかり見直してみましょう。
 誤字脱字をぐっと減らせるし、話の問題点や矛盾点を見つけることができます。
 一時間以上(理想は半日以上)間を空けてから見返すと一層効果的。
 紙に印刷するなど、媒体を変えるのも有効。
 携帯からPCに変えるだけでも違います。

6 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 21:47:30 ID:C2+Hye+s
【読み手の心得】
・好きなキャラがピンチになっても騒がない、愚痴らない。
・好きなキャラが死んでも泣かない、絡まない。
・荒らしは透明あぼーん推奨。
・批判意見に対する過度な擁護は、事態を泥沼化させる元です。
 同じ意見に基づいた擁護レスを見つけたら、書き込むのを止めましょう。
・擁護レスに対する噛み付きは、事態を泥沼化させる元です。
 修正要望を満たしていない場合、自分の意見を押し通そうとするのは止めましょう。
・嫌な気分になったら、「ベリーメロン〜私の心を掴んだ良いメロン〜」を見るなどして気を紛らわせましょう。「ブルァァァァ!!ブルァァァァ!!ベリーメロン!!」(ベリーメロン!!)
・「空気嫁」は、言っている本人が一番空気を読めていない諸刃の剣。玄人でもお勧めしません。
・「フラグ潰し」はNGワード。2chのリレー小説に完璧なクオリティなんてものは存在しません。
 やり場のない気持ちや怒りをぶつける前に、TVを付けてラジオ体操でもしてみましょう。
 冷たい牛乳を飲んでカルシウムを摂取したり、一旦眠ったりするのも効果的です。
・感想は書き手の心の糧です。指摘は書き手の腕の研ぎ石です。
 丁寧な感想や鋭い指摘は、書き手のモチベーションを上げ、引いては作品の質の向上に繋がります。
・ロワスレの繁栄や良作を望むなら、書き手のモチベーションを下げるような行動は極力慎みましょう。
【議論の時の心得】
・このスレでは基本的に作品投下のみを行ってください。 作品についての感想、雑談、議論は基本的にしたらばへ。
・作品の指摘をする場合は相手を煽らないで冷静に気になったところを述べましょう。
・ただし、キャラが被ったりした場合のフォロー&指摘はしてやって下さい。
・議論が紛糾すると、新作や感想があっても投下しづらくなってしまいます。
 意見が纏まらずに議論が長引くようならば、したらばにスレを立ててそちらで話し合って下さい。
・『問題意識の暴走の先にあるものは、自分と相容れない意見を「悪」と決め付け、
  強制的に排除しようとする「狂気」です。気をつけましょう』
・これはリレー小説です、一人で話を進める事だけは止めましょう。
【禁止事項】
・一度死亡が確定したキャラの復活
・大勢の参加者の動きを制限し過ぎる行動を取らせる
 程度によっては議論スレで審議の対象。
・時間軸を遡った話の投下
 例えば話と話の間にキャラの位置等の状態が突然変わっている。
 この矛盾を解決する為に、他人に辻褄合わせとして空白時間の描写を依頼するのは禁止。
 こうした時間軸等の矛盾が発生しないよう初めから注意する。
・話の丸投げ
 後から修正する事を念頭に置き、はじめから適当な話の骨子だけを投下する事等。
 特別な事情があった場合を除き、悪質な場合は審議の後破棄。

7 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 21:48:18 ID:C2+Hye+s
【NGについて】
・修正(NG)要望は、名前欄か一行目にはっきりとその旨を記述してください。
・NG協議・議論は全てしたらばで行う。2chスレでは基本的に議論行わないでください。
・協議となった場面は協議が終わるまで凍結とする。凍結中はその場面を進行させることはできない。
・どんなに長引いても48時間以内に結論を出す。
『投稿した話を取り消す場合は、派生する話が発生する前に』
NG協議の対象となる基準
1.ストーリーの体をなしていない文章。(あまりにも酷い駄文等)
2.原作設定からみて明らかに有り得ない展開で、それがストーリーに大きく影響を与えてしまっている場合。
3.前のストーリーとの間で重大な矛盾が生じてしまっている場合(死んだキャラが普通に登場している等)
4.イベントルールに違反してしまっている場合。
5.荒し目的の投稿。
6.時間の進み方が異常。
7.雑談スレで決められた事柄に違反している(凍結中パートを勝手に動かす等)
8.その他、イベントのバランスを崩してしまう可能性のある内容。

上記の基準を満たしていない訴えは門前払いとします。
例.「このキャラがここで死ぬのは理不尽だ」「この後の展開を俺なりに考えていたのに」など
  ストーリーに関係ない細かい部分の揚げ足取りも×

・批判も意見の一つです。臆せずに言いましょう。
 ただし、上記の修正要望要件を満たしていない場合は
 修正してほしいと主張しても、実際に修正される可能性は0だと思って下さい。
・書き手が批判意見を元に、自主的に修正する事は自由です。
【予約に関してのルール】(基本的にアニロワ1stと同様です)
・したらばの予約スレにてトリップ付で予約を行う
・初トリップでの作品の投下の場合は予約必須
・予約期間は基本的に三日。ですが、フラグ管理等が複雑化してくる中盤以降は五日程度に延びる予定です。
・予約時間延長を申請する場合はその旨を雑談スレで報告
・申請する権利を持つのは「過去に3作以上の作品が”採用された”」書き手
【主催者や能力制限、支給禁止アイテムなどについて】
まとめwikiを参照のこと

8 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 21:49:21 ID:C2+Hye+s
現在、この企画には二名の粘着荒らしが確認されています。(通称・CとG)
その内の一人、Cの詳しい来歴などは以下を参照の事。
2chパロロワ事典@Wiki‐キャプテン
http://www11.atwiki.jp/row/pages/203.html

また、単発IDで「ふーん」「あっそう」「つまらない」「どうでもいい」などの1行煽りレスや、
他スレや外部の毒吐き掲示板からのコピペを延々と繰り返す粘着荒らしがGと呼ばれています。
これらの人物には構うだけ無駄ですので、レスなどはせずにスルーしておきましょう。

・荒らしが出たら?                 → スルーしましょう
・C・G本人や、C・Gっぽい人、を見かけたら?     → スルーしましょう
・どうしてもそいつらにレスしたくなったら?     → 毒吐き若しくはC・G観測所に書き込みましょう
・吊られるやつは荒らしと同レベル。スルーしましょう
・吊られる奴を叩くのも吊られた奴と同レベル、スルーしましょう。
・荒らしレス〜吊られレス、その一連のレス塊をまとめてスルーしましょう。

※専ブラの御利用を強く強くお奨めします。

関連リンク
アニロワ毒吐き所(ツチダマ掲示板)http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/6346/1188116040/l50
アニメキャラ・バトルロワイアル2nd毒吐きスレ・別館8(ID非表示の毒吐きスレ)http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/8882/1225810819/l50
C観測所 http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/anime/4651/1170582458/l50
G観測所 http://tmp6.2ch.net/test/read.cgi/tubo/1184658777/l50

9 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 22:02:25 ID:vCZ/TM4/
マニアックなキャラばかり残ってるな

10 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 22:59:46 ID:MZctsg3O
  

11 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:00:02 ID:bHKsvc8U


12 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:00:05 ID:cHP9iNhz


「まだ生きてやがったか……ジジィ!」

そう、瓦礫を押しのけて現れたのは半壊のマスターガンダム。
左腕が千切れ、片目は潰れ、東方不敗の姿が目視出来るほどにボディは損壊していた。
だがその全身から溢れる闘気と殺気は衰えることなく、クロスミラージュの作り物の肌を粟立たせる。
その姿はまさに妄執の化け物と呼ぶに相応しい姿だった。

何故、究極の一撃を受けた東方不敗が生きているのか?
その理由は、彼の周囲に散らばる白い破片。
ドモンとカミナの魂の一撃が炸裂する直前、風雲再起の駆るモビルホースがマスターガンダムを庇ったのだ。
放たれた究極の拳は、風雲再起の命を代価として、致命にまで届かなかったのだ。

「ワシはまだ死なん……目的を達するまでは!!」
「テメェの……目的だと!?」

カミナとて目の前の老人が何らかの思惑で動いていることは察している。
だが彼にはその目的が分からない。
最初会った時はこっちを本気で殺そうとし、次に会ってからは手加減して鍛えようとしやがった……
カミナにはその真意が分からない。彼には――さっぱりわからない。
そんな青年に対し、東方不敗はニヤリと笑い、

「ワシの目的は自然を、ひいては美しい地球を救うことにほかならん!」
『それとこれとが、どう繋がる!
 人同士を殺し合いに導き、戦わせ、それがどうして自然を守ることと同じ意味を持つ!』

ディスタントクラッシャーを受け止めながら、クロスミラージュは理解できぬものに問いかける。
モニタ越しに問いかけた相手を目視した東方不敗は驚きに目を見張る。
ラガンに乗っていたのは、死亡したはずの女と同じであったからだ。
しかもその口から発せられたのは明らかに作り物の声であった。

「貴様……何者!?」
『私の名はクロスミラージュ……貴方とは何度もお会いしたことがある、ご老人』

名乗りを上げる少女に二重の驚きを重ねる東方不敗。
彼もまたルルーシュから齎された情報によって、クロスミラージュの正体を知っているのだ。
だが、今更そんな事は些事だと思い直す。
人の味方をするのならば、また貴様もこの東方不敗の敵に他ならないのだから。

東方不敗はその顔に感情の色を乗せ、言葉を叩きつける。
その感情の名は――怒り。

「よかろう……ならば貴様にも聞かせてやろう!
 ワシの目的はなぁ……人類抹殺による自然の救済ぞ!」


13 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:00:10 ID:AKM3w2Vt
 

14 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:00:11 ID:KYrVm0kM


15 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:00:11 ID:pD9ewmQW


16 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:00:12 ID:B9q3su/s
 

17 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:00:17 ID:MZctsg3O
 

18 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:00:37 ID:Gf6wZOux
 

19 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:00:50 ID:cHP9iNhz
『なっ!?』
「んだとぉ! そりゃ、どういう意味だっ!」
「まだ分からんのかこの馬鹿弟子がぁああっ!
 貴様の天元を突破させ、この場にアンチ=スパイラルを降臨させる!
 そしてその力を用いて、全ての世界、全てにおいて人が犯してきた罪を償うのだ!!」

東方不敗は知っている。
さまざまな世界で地球が悲鳴を上げていることを。
多くの世界で環境問題は日々悪化し、ある世界では地球を見捨てて逃げだしさえした事を。
罪深きもの、ああ、汝の名は――人類。

「そしてドモンが死んだ今、ワシ自らの手で貴様らを押し上げるまでよ……!
 食らえぃっ!! 十二王方牌大・車・輪!!」

マスターガンダムから発せられた気が、小型の分身となってグレンラガンに襲い掛かる。

『う……おおおおおっ!?』
「ぐ……ああああああああああっ!」

直撃を食らったグレンラガンが吹き飛ばされる。
瓦礫を砕きながら、唯一残った鉄塔へと叩きつけられる。
崩れ去る鉄塔の中で、クロミラは目の前の悪魔を睨みつけ、そして理解する。
最大最強にして最悪の"壁"が現れたという、その事実を。



20 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:01:03 ID:bHKsvc8U


21 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:01:04 ID:MZctsg3O
 

22 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:01:12 ID:QImKX00y


23 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:01:12 ID:AKM3w2Vt
 

24 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:01:13 ID:SJuWkbJl
 

25 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:01:18 ID:B9q3su/s
 

26 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:01:40 ID:Gf6wZOux
 

27 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:01:47 ID:B9q3su/s
 

28 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:01:48 ID:cHP9iNhz


3人のロボット越しの会話はスパイクたちの位置からではほとんど聞き取ることが出来なかった。
だが一瞬だけ聞きとることができたその声は、

「あのお爺さん……!」

舞衣にとって忘れようもない声だった。
あの時、自分にソルテッカマンを渡した老人。
一度敵として向き合ったことがあるが、相手にすらならなかった。
人形のようだったチミルフとは違う。
チャイルドを召喚しても勝てるイメージが一つも浮かばない。

「舞衣ちゃん!」
「ええ、わかってるわ、ゆたか!」

だが、彼らが天を貫けないと全てが終わるのだ。だから命を賭けて足止めをしてみせる。
決意の命ずるまま目を閉じ、脳裏に浮かぶ龍のイメージを現実へと呼び起こす。

「やめよ女。奴らの邪魔をすれば、その瞬間に頭蓋を叩き割るぞ」

だが、ギルガメッシュの怜悧な声がそれを停止させた。

「何で……なんで邪魔するのよ!」
「フン……やつらは愚かにもこの我に向かって、天を突くという大言を吐いたのだ。
 あの程度の壁……突き崩せずして天を突き破るなど片腹痛い」
「でも! でもっ!」
『マイ、ユタカ、私からもお願いしたい』

それでも反論しようとするゆたかの声を止めたの声は足元から。
マッハキャリバーが、明滅を繰り返しながら、おそらくは生まれて初めての我侭を告げる。

『クロスミラージュの……私の友人の生き様を記憶回路に焼き付けさせて欲しい』
『私も同じだ。そして、クロスミラージュは、負けはしない。
 機動六課の、我らの仲間は、決して』
「キュイ!」

ストラーダとフリードリヒもそれに同調する。



29 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:01:52 ID:pD9ewmQW


30 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:01:54 ID:SJuWkbJl
 

31 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:01:58 ID:AKM3w2Vt
 

32 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:02:00 ID:KYrVm0kM


33 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:02:13 ID:MZctsg3O
 

34 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:02:16 ID:cHP9iNhz
「ってことは……」
「まぁ、そういうことだ」

葉巻に火をつけながら、スパイクも右に倣う。
その視線の先でグレンラガンの巨体が三たび、宙を舞う。
ギルガメッシュも、スパイクも、フリードリヒも、まるで魅入られたようにその光景を見ている。
あの2人なら、どんな絶望の中でも何かをやらかすはずだと信じているかのように。

「あー、揃いも揃って男ってヤツは……馬鹿ばっかか!」

だがそう呟くねねねの口の端は上がっている。
ああ、確かにそうだよな王ドロボウ。

(ここで手を出すのは……"粋"じゃないってことなんだろ……ジン)

今度は衝撃で数キロ吹っ飛ばされるグレンラガン。
バスケットボールのように地面をバウンドする。
その装甲は前にも増して傷だらけ。
状況は不利どころではない。誰が見ても勝利すら難しい。

だが未だ、誰1人として絶望はしていなかった。




35 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:02:37 ID:pD9ewmQW


36 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:02:37 ID:AKM3w2Vt
 

37 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:02:44 ID:SJuWkbJl
 

38 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:02:45 ID:MZctsg3O
  

39 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:02:50 ID:B9q3su/s
 

40 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:02:52 ID:U98nv+N5
 

41 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:02:55 ID:IsHmwZcE


42 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:03:00 ID:KYrVm0kM


43 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:03:10 ID:QImKX00y


44 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:03:18 ID:B9q3su/s
 

45 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:03:19 ID:AKM3w2Vt
 

46 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:03:22 ID:SJuWkbJl
 

47 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:03:22 ID:Gf6wZOux
 

48 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:03:41 ID:W0gSSbHE


49 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:03:45 ID:U98nv+N5
 

50 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:03:48 ID:IsHmwZcE


51 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:03:51 ID:AKM3w2Vt
 

52 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:04:00 ID:KYrVm0kM


53 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:04:01 ID:cHP9iNhz


瞼が、重い。
さっきから瞬きをするたびに気が遠くなる。
足が、冷たい。
鼻に付く鉄の匂いが、それは流れ落ちた血のせいだと教えてくれる。
抗いようの無い睡魔が、カミナの脳に意識を手放すように訴える。
甘美な誘惑に駆られるまま目と瞑り、全ての意識を放り出そうとして、

――カツン

何かが胸を叩く感触に、目を覚ます。
ぼんやりと見上げたそこにはひび割れた夜空と真白い月。
それでやっと自分が倒れているのだと気づく。
しかもどうやら度重なる攻撃でコックピットを包む装甲がやられたらしい。
そしてその割れた部分から、何かが落ちてきたようだ。
何が胸を叩いたのか……何ともなしに目を下へと向けて

「――!」

それが何であるか認識した時、カミナの意思は覚醒した。

むき出しの胸を叩いたのは、髑髏を模した髪飾り。
カミナはそれに見覚えがある。
いつの間にか自分の胸の辺りに位置していた。
あいつの赤い髪の毛によく似合っていた、それ。
ぼんやりとカミナは呟く。

「……ああ、これで、全員そろったな」

右手はニアが、左手はガッシュが、背中はシモンが、そして前はヨーコが支えてくれる。
あとは俺が立つだけだ。この、2本の足で。

『貴様さえ、貴様さえ唆さねば、あの馬鹿弟子は……!!』

螺旋力のぶつかり合いか、それとも拳のぶつかり合いの成果か。
打撃を受けるたびに東方不敗の悲痛な叫びが聞こえてくる。
その中で聞こえたのは――愛弟子を失った、哀れな師匠の叫び。

「へっ、やっと人間らしい本音が出たじゃねえか。
 だがよ……」

手に力が戻る。
そして、力いっぱい右手のレバーを握り締め、

「勝手なこと……抜かしてんじゃねえパーンチ!!」



54 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:04:01 ID:B9q3su/s
 

55 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:04:03 ID:Gf6wZOux
 

56 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:04:10 ID:RaoGSHEu
 

57 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:04:15 ID:pD9ewmQW


58 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:04:22 ID:AKM3w2Vt
 

59 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:04:33 ID:MZctsg3O
 

60 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:04:42 ID:cHP9iNhz
振りぬかれた右手は防御を捨てていたマスターガンダムにたやすく当たりその巨体を吹き飛ばす。
そしてカミナの意思に答えるように、グレンラガンは何度でも立ち上がる。

「小せえ小せえ! てめぇはどこまで小さくなりゃ気が済むんだ東方のジジィ!!」
「なんだと……!」
「何でもかんでも人のせいにして、いざとなったら何とかスパナとかいう他人頼り!
 はっ、他人まかせで何が出来るってんだ!
 おまえの弟子のドモンはもっとデカかったぜ!!」
『――ええ、まったく同意だ。
 今の貴方は駄々をこねているようにしか見えない』

モニターの向こうでクロスミラージュも頭から血を流しながら、その目に闘志を燃やす。

『……それに、貴方の論理は破綻している。
 何故ならば東方不敗、貴方自身も人類だからだ。
 人類抹殺で罪を償うなど、楽な方へ逃げているに過ぎない。
 ……本当にそう思うのならば本当のバカだ、貴方は!』
「さぁて――決着をつけようぜ、ジジィ! ドモンの代わりに俺たちが目を覚まさせてやる!」
『覚悟してください、私たちの拳は見た目より重い。だから――』
「『――歯ぁ、食いしばれ!!』」

そう宣言し、グレンラガンは指を突きつける。
言葉と共に叩きつけられたその闘気はあまりにも巨大。
そこで東方不敗は初めて気づく。
己が、マスターガンダムが数歩、後退していたことに。
そして腕が、わずかに震えていることに。

(バカな、怯えているだと……!? このワシが、この東方不敗マスターアジアが!?)

腕の震えは広がり、全身を震わせる。
だがしかし、

「なめるなよ小僧どもがぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

されど、東方不敗とて螺旋力に目覚めたもの。
わずかに感じた恐怖を怒りへと転化させ、
更には魂の叫びを通じて緑色の光へと昇華させる。
そしてその身に染み付いた無窮の武練は自然と必殺の拳の型をとらせていた。
そのエネルギーは過去最大。
さきほどドモンとカミナの友情に押し負けたエネルギーとは比べものにならない。
そのことは対峙する彼らは文字通り肌で感じ取っていた。



61 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:04:52 ID:AKM3w2Vt
 

62 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:04:54 ID:B9q3su/s
 

63 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:05:00 ID:KYrVm0kM


64 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:05:03 ID:MZctsg3O
  

65 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:05:06 ID:bHKsvc8U


66 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:05:19 ID:U98nv+N5
 

67 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:05:35 ID:cHP9iNhz
だがそれだけのエネルギーを前にしても、微塵も恐怖は沸かなかった。

「おい、クロミラ……まだいけるか?」
『無論です。貴方の相棒はタフでないと務まりませんよ』
「へっ、違いねえや。クロミラ、だったらよ……アレを使うぜ」
『アレですね……ええ、いいでしょう!』

以心伝心。
込められた螺旋力により両手のドリルが変化し、一対の武器となる。
その武器にはグリップがあった。トリガーがあった。
白亜の銃身とその中心に位置する紅の×十字。
"それ"の名を知る物がいたらこう呼ぶだろう――クロスミラージュと。
赤い武者鎧に白い銃、その姿から放たれるは東方不敗がかつて敗北を喫した必殺の技。
来るべき力のぶつかり合いを予感した大気が恐怖に慄き、限界を告げる大地が苦痛に身をよじる。
そして、その時は――きた。

「流派東方不敗が最終奥義ぃ!! ダァァァァァクネス、フィンガァァァァ、石・破・天・驚・拳ッ!!!」
『「必殺!! ギガ、ドリィィル……クロスファイヤァァァッ! シュウトオオオオオオオオッ!!」』

2つの叫びは世界の終焉を告げる天上の喇叭。
光と、轟音と、風を巻き込みながら、2つの螺旋エネルギーは真っ向からぶつかりあった。



68 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:05:36 ID:SJuWkbJl
 

69 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:05:38 ID:MZctsg3O
 

70 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:05:43 ID:AKM3w2Vt
 

71 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:05:59 ID:MZctsg3O
   

72 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:06:00 ID:KYrVm0kM


73 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:06:03 ID:B9q3su/s
 

74 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:06:15 ID:cHP9iNhz


轟音が耳を劈き、震える空気が肌を叩く。
巻き起こる暴風に吹き飛ばされないよう必死で足を踏ん張る。
彼らの全てを見届けるために。

『――俺達全員が助かるには、この方法しかなかった!』

だがそのとき、風に紛れ、誰かの声がゆたかの耳に届く。
落ち着いたビブラートのかかった声は――

「ス、スパイクさん、何か言いました?」
「あ? いや、俺は何も――」
「おい、なんだありゃあ!?」

ねねねの言葉に視線を上げれば、そこには異常な光景が繰り広げられていた。
2つのエネルギーがぶつかり合う、丁度中間地点。
そこが罅割れ、映画のスクリーンのごとく明らかに別の風景が映っているのだ。

そこに映るのは男がいた。女がいた。
老人がいた。赤ん坊がいた。
強者がいた。弱者がいた。
ただ、一つだけ共通していたのは彼らが、互いに殺しあっているということだけ。
螺旋の向こう側で、凄惨な光景が繰り広げられていた。
その現象にデバイスも含めた全員が驚愕する中、ギルガメッシュだけがつまらなげに鼻を鳴らす。

「フン……老いぼれの怨念に引き寄せられたか」
『king! あれは一体』
「克目するがよい雑種ども。あれこそが"多元世界"よ」

2つの螺旋のぶつかり合いは時間軸、空間軸それらすべてを含む因果律を歪め、
本来なら触れ合うはずの無い異世界の姿を引き寄せていた。
まるで東方不敗の絶望に引き寄せられるように、悪夢のような光景を。
その中に、彼女たちの知る絶望があったとしても。

――『ご褒美をちょうだい』! 役に立つ物を!

そこには、罪に手を染めた雪の少女がいる。

――ああ―――裏切るとも

そこには、少女を殺した正義の味方の成れの果てがいる。

――壊すんだ、全部、みんな……!

そこには、罪悪感で壊れそうな精神を歪んでしまった正義で守る少女がいる。

「そんな……イリヤ……さん」
「衛宮……!」
『スバル……』

悪意は悪意を呼び、無限の悲劇を引き寄せる。
それはグレンラガンの中にいる2人にしても同じこと。



75 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:06:20 ID:Gf6wZOux
 

76 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:06:22 ID:QImKX00y


77 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:06:23 ID:AKM3w2Vt
 

78 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:06:48 ID:B9q3su/s
 

79 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:06:54 ID:MZctsg3O
  

80 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:07:02 ID:KYrVm0kM


81 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:07:23 ID:SJuWkbJl
 

82 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:07:28 ID:cHP9iNhz
彼らは聞く。
死の間際、最悪の形で義理の妹との再会を果たした少年の叫びを。

彼らは見る。
無害な羊の皮をかぶり殺戮を繰り返した冥王の姿を。

彼らは感じる。
血まみれのメロンパンを前に慟哭する少女の痛みを。

……そこには、悪意があった。
優れた智謀によって多くの参加者に悲劇を招いた悪魔のような少女がいた。
弱者であることを武器に集団に紛れ込み、ひっそりと殺人を繰り返す少年の姿があった。
自分の愛する少女にあまりに身勝手な愛を与えるために、誤解と殺戮をばら撒く女の姿があった。

……そこには悲劇があった。
己の存在意義を真っ向から否定され、絶望にくれる獣の姿があった。
愛する男のために、どれだけ致命傷を受けても相手をただ殺そうとした少女の姿があった。
妹のことを思って行動した少年は、畜生となり数奇な運命を経て解体された。

……そこには絶望があった。
もう一度歌を歌いたかっただけの少女は、大きな悪意によって凄惨な最後を迎えた。
狂気の果てに、なりきることで娘に生存を信じようとした哀れな母親の姿があった。
神を自称し暴虐を振るった少女が、恋心を踏みにじられ絶望の中で死んでいく光景があった。

それらはすべて、殺し合いによって生まれたものたち。
蟲毒から生まれた怨嗟と絶望のエンドレスリピート。
そして螺旋の中心にいる彼らは誰よりも「この世全ての悪」にも似た「多元世界全ての絶望」に晒される。

――帰ってきた現実のほうが、よっぽど地獄じゃねえか!

誰かが言ったその言葉が何よりも心を抉る。
まるでそれは散り行くものの怨嗟の声。

それは、どれほどの絶望か。
それは、いかほどの災禍か。
それは人の業、それは人の醜さ、それは人の悪意。
その全てを間近に受けて、

『――それが、どうした』

それでも、彼は膝を突いてはいなかった。



83 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:07:37 ID:MZctsg3O
   

84 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:07:42 ID:AKM3w2Vt
 

85 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:07:52 ID:Gf6wZOux
 

86 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:08:00 ID:KYrVm0kM


87 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:08:11 ID:MZctsg3O
   

88 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:08:16 ID:B9q3su/s
 

89 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:08:24 ID:RaoGSHEu
 

90 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:08:25 ID:QImKX00y


91 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:08:26 ID:cHP9iNhz
効果が無いわけではない。
今までだってクロスミラージュの心は折れそうになっている。
彼が螺旋の向こうから突きつけられたのは、信じたくない光景の数々だった。

それは、若き日の高町なのはが無慈悲な目で仲間であるはずの少女の傷口を焼く光景であり、
それは、年若いフェイト・T・ハラオウンが怒りのままに少女を肉片一つ残さず消滅させる光景であり、
それは、烈火の将や鉄槌の騎士が主の復活を願うまま、凶行を繰り返す光景であり、
それは、疑心暗鬼におびえ、破壊の力を振るったマスターの親友の姿だった。

どれもクロスミラージュの知る彼女らからは考えられない姿。
人は容易く狂気に飲み込まれるということへの証左とでも言うように。

「何故だ……何故これを見ても人の愚かさがわからん!」

光の向こうから聞こえるのは東方不敗の叫びにも似た声。
もしかしたら彼もかつて自分が突きつけられた絶望を改めて見せられているのかもしれない。
だが、だからこそ思う。

『貴方こそ何故認めようとしないのだ、人の――素晴らしさを』

彼は、忘れない。
機械であるがゆえに、苦しいことも、そして楽しいこともずっと覚えている。
だから聞こえる。彼らのあの声が。
闇に吸い込まれてもなお輝き続けるあの声が。

――行くわよ、クロスミラージュ!

六課で過ごしてきた輝ける日々。

――行くぜ、クロミラぁ!

そしてグレン団の仲間の笑い声。

深いところに記憶されたそれは、決して忘れることは無いメモリー。
あの日、彼女たちがくれた言葉は今でもこの胸に届いているのだから。



92 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:08:33 ID:IsHmwZcE


93 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:08:46 ID:SJuWkbJl
 

94 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:08:54 ID:MZctsg3O
   

95 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:09:01 ID:Gf6wZOux
 

96 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:09:11 ID:cHP9iNhz
素晴らしい過去はまるで星のよう。
決して手は届かず、だが確かにそこにあり続ける。
そして人は星の光を頼りに、見果てぬ闇を突き進むことができる。
努力を重ねながら、間違いつつも、きっと前に進むことが出来る。
迷ったことも、抗ったことも、そのすべてを誰もが持つ螺旋のうちに飲み込んで。

その証拠に、螺旋の向こうに見えるのは絶望だけではない。

――これが、あたしたちの全力全開!!

異形の右拳に赤い少女の魂が重なる光景がある。

――私は笑顔でいます。元気です。

親友の喪失という痛みを乗り越えた、運命の名を持つ少女の姿がある。

もっと深くを見通せば、かつて敵対した少女が新しく出来た"弟"を守るため、仮面の魔人相手に立ち向かう姿があった。
先ほど"高町なのは"を殺した少女が、目に確固たる正義の意思を浮かべ、別の女の凶行を止めようとしていた。
剣の丘で嘆く男が吸血鬼に立ち向かう背中が、仲間に見守られながら古びたドアを潜る少年の背中に重なる。
多くの人の人生を踏みにじった罪深い男は、少女を信用させようとついた嘘からついには本物の正義の味方になった。
かつて命を弄んだ男は、反逆を旨とするトリーズナーに出会い、真っ向から弱い自分に反逆した。
闇より生まれたはずの王子は、師を得て、友を得て正義の系譜を継いで行く。
一瞬見えた光景には、マスターとは別の少女の手に握られた自分の姿すら見える。

そのすべては確かに多元世界のどこかであったこと。

ぶつかり合う螺旋の先には無限の闇があり、それと同時、無限の光があった。
宇宙という無明の闇に、確かに輝く星々があるように。
そう、天の光はすべて星。
そのどれもがクロスミラージュという存在を惹きつけてやまない、"希望"という名の星々(スターズ)なのだ。

『私は……その光を信じる、そうだとも……人を信じる自分を信じる!
 それが私の答えだッ! 誰にも文句は言わせるものか!!』

それがクロスミラージュの出した答え。
人と機械の狭間を生きる彼が出した、たった一つの真実。

「へ……へへっ、言うじゃねえかクロミラ」

そして、この男も折れはしない。

「そうだ……俺にゃあ難しいことはわかんねえ。
 ジジィの言うことだってあながち間違いだけってわけじゃねえ。
 だがよ……ぉっ!」

カミナは曲がらない。
その背中に、何かを背負っている限り。
炎のように燃えるグレン団の魂を背負う限り、折れることも曲がることも無い。
今にも折れそうな心は相棒が支えてくれる。
だから愚直なまでにまっすぐに突き進むことができるのだ。



97 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:09:12 ID:AKM3w2Vt
 

98 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:09:17 ID:DKCcYb0Z
 

99 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:09:26 ID:B9q3su/s
 

100 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:09:39 ID:MZctsg3O
 

101 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:10:01 ID:cHP9iNhz
「そうだ、俺の信じた俺は……俺の信じたダチどもが、グレン団が!!
 こんなちっぽけであってたまるかよおおおおおおっ!!」

――墓穴を掘っても掘り抜けて、突き抜けたなら俺の勝ちだ!

……どこからか、とても懐かしい声が聞こえる。
そうだ、間違っててもいい。
間違ってても、信じて貫けばそれはきっと本物になれる。
誰が何と言おうと、それが――俺の宇宙の真実だ。

その時、カミナは右手に感じたのは微かな痛みと燃えるような灼熱。
右手の甲に輝くのは王者の証。太古から連綿と続いてきた人類の守護者の紋章。
今、ここに生まれたのは歴代で最も未熟で、だがしかし、最も真っ直ぐなキング・オブ・ハート!



102 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:10:01 ID:Gf6wZOux
 

103 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:10:15 ID:MZctsg3O
   

104 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:10:28 ID:QImKX00y


105 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:10:41 ID:AKM3w2Vt
 

106 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:10:47 ID:U98nv+N5
 

107 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:10:59 ID:cHP9iNhz
「バ、ばかなっ!! 貴様などがキング・オブ・ハートに!」
「馬鹿はテメェだ……クソジジイ!」

そう、あいつも味方してくれるのだ。
アイツだけじゃない。声は聞こえない、だがそれでも確かにみんなを感じるのだ。
だったらよ、

「行こうぜ、みんなでよぉっ!」

カミナの叫びに応えるように、グレンラガンの右手が金色に光り輝く。
同時、右手に握られた巨大クロスミラージュが再分解され、構成される。
その姿はドリル。グレンラガンよりも巨大な光の螺旋。

「俺のこの手が唸りを上げるッ!」

ドリル。それはカミナが信じた想いの象徴。
どんな固い岩盤をも貫く男の武器。

『螺旋となって、全てを砕く!』

ドリル。それはクロスミラージュが信じた人の姿。
一回転するたびに、少しずつ前へと進む進化の具現。

「友との絆が天へと響きぃっ!」

光の螺旋の中、二対の目が睨むのは天上に輝く月。
この世界に残された最後の壁。

『無限の地獄を貫き通す!!』

グレンラガンの全身が金色と碧色に染まり、極彩の輝きを放つ。

「それが、俺たちの!」
『私たちの!』
「「「「「「「俺達、グレン団の!!」」」」」」」

その声は一つではない。
螺旋の向こう側、多元世界を貫いて、無限の声がシンクロする。

「「「「「『みんなの! ドリルだぁあああああああああああああああああああっっ!!!』」」」」」」

そして重なり合う声の中で、グレンラガンは光のドリルと一体化する。
極光のドリルは2機の中間で燻っていたエネルギーすら螺旋のうちに取り込みながら天を目指す。
その道は誰にも止められない。
――例え、その間にどんな障害があろうとも。

「う……おおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!?」

圧倒的な光の嵐の中に、最強の武闘家の姿が消えていく。
クロスミラージュたちから最早その姿は見えず、声も聞こえない。
だからその最後は苦難に満ちたものだったのか、それとも安らかなものであったのか。
それは本人にしかわからない。
ただ一つ確かなのは光の螺旋に巻き込まれ、今度こそ、野望に生きた男はその苦難の生を終えたということだけだ。



108 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:11:00 ID:B9q3su/s
 

109 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:11:21 ID:SJuWkbJl
 

110 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:11:24 ID:Gf6wZOux
 

111 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:11:29 ID:MZctsg3O
   

112 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:11:31 ID:U98nv+N5
 

113 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:11:52 ID:AKM3w2Vt
 

114 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:11:53 ID:cHP9iNhz
『……ぐっ!?』

だが、天を目指し突き進んでいたグレンラガンに異変が起こる。
あまりに強大なその力に、グレンラガン自身が崩壊を始めたのだ。
しかもそのスピードは――あまりにも早い。

『このままでは……月に届く前に……!』

燃え尽きてしまう。
クロスミラージュの冷静な頭脳は残酷な事実を弾き出す。

ここまで来て、届かないのか。
クロスミラージュは悔しさに歯噛みする。
だが、その瞬間、ラガンのコックピットに衝撃が走る。
彼が目を上げれば大きな手のひらに視界が多い尽くされていた。
そう、唯一残ったグレンラガンの手が、グレンラガンの頭部を――ラガンを掴んでいた。

「いっけええええええ、クロミラアアアアアアッ!!」

乾坤一擲。
そしてそのまま天の歪、月に向けて思いきり投げ飛ばした
青い流星の如く、ラガンは天に向かって舞い上がる。
だがその代償として、グレンはその反動で四肢をばらばらに砕け散らせながら、地上へと落ちていく。
そのコックピットから、カミナは天へと上っていく弾丸を見つめる。

目に映るのは金色の月へと飛び立つラガン。
だが次第にそのシルエットは滲み、輪郭を失っていく。
変わりに見えるのは背中だ。
偉大な父親の、信頼する弟分の、そしてもう一人の相棒の背中が。

――そう、いつだってオレは背中を見てきた。

親父の背中を追って、シモンの背中を守って、そして今、アイツの背中を押した。
そうだ、今度こそ押すことができたんだ。
親父の時は遅すぎて、シモンの時は遠すぎた。
それでも、今度は間に合った。
あの背中を、俺は……押せたんだ。
最後の最後に取りこぼさずにすんだんだ。
それだけで――満足だ。



115 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:12:09 ID:U98nv+N5
 

116 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:12:25 ID:MZctsg3O
 

117 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:12:47 ID:AKM3w2Vt
 

118 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:12:50 ID:U98nv+N5
 

119 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:12:54 ID:cHP9iNhz
『アニキ!』
『カミナ!』

聞き覚えのある声に振り返れば、懐かしい顔が勢ぞろいしてやがる。
丁度良いところにきてくれたな。
なぁ、お前ら……見えるか。あいつの背中が。
不滅不朽のグレン団の炎のマークが。

『ああ、見えるのだ!』
『ええ、クロミラさんの背中に、しっかりと!』

そっか、じゃあ幻なんかじゃねえよな……
それにあとはアイツらが何とかしてくれるだろ。

『ああ、舞衣も、スパイクも、ねねねも、ゆたかも、――あの傲慢な男もきっと負けはせん』

へっ……やっぱお前もそう思うか。
だったら、やるこたやったし……俺はそろそろ行くとすっか。
行く先は光の向こう……だが、その先に何があるか俺は知ってる気がする。
だから不安は無い。だが最後にもう一度振り返り、あいつの背中を目に焼き付ける。

これは多分永遠の別れってやつじゃねぇ。
また、いつか何処かで会えると俺は知っている。
だからその時まで……

「あばよ……ダチ公」



120 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:13:11 ID:Gf6wZOux
 

121 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:13:20 ID:MZctsg3O
  

122 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:13:27 ID:B9q3su/s
 

123 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:13:35 ID:AKM3w2Vt
 

124 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:13:56 ID:RaoGSHEu
 

125 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:14:05 ID:U98nv+N5
 

126 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:14:11 ID:AKM3w2Vt
 

127 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:14:19 ID:QImKX00y


128 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:14:35 ID:SJuWkbJl
 

129 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:14:41 ID:AKM3w2Vt
 

130 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:14:42 ID:MZctsg3O
   

131 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:14:42 ID:B9q3su/s
 

132 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:14:50 ID:U98nv+N5
 

133 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:14:52 ID:QImKX00y


134 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:14:57 ID:cHP9iNhz


スピーカーから僅かに聞こえた声にクロスミラージュは瞼を閉じる。
声が小さすぎて何を言ったのかはわからないが、それが命の消える"音"なのだと理解したからだ。

そもそもここまで持ったことこそ奇跡なのだ。
あの時、カミナは確かに死んでいた。
とっさに『生命力を魔力に変換できるのなら、その逆も可能ではないか』と考えて、
その体に"気合"と称し、叩き込んだのだ。

――いや、それも後付の理由だ。
カミナはこんなところで終わる男ではないと、そう思った瞬間右手を振り上げていただけのこと。
そして彼は成し遂げた。
期待を背負い、それに確かに応えて。

そして自分はどうだろう。
彼の期待に応えられただろうか。
相棒として、男として、自分の命はそれに応えられただろうか。

そう、命だ。
自分の手元を見れば、まるでガラスのように両手と両足が透けていく。
過剰な螺旋力に急造の肉体では耐え切れなかったのだろう。
それが意味するのは確実な死。
だというのに、

『……なぜ、笑っているのでしょうかね、私は』

口の端が持ち上がっているのがわかる。

死ぬのは、消えるのは怖い。
融合した螺旋生命体の本能もそう告げている。
だが、答えを得た今、それを上回るほどの喜びが全身を満たしているのだ。
人が素晴らしいと思える――その答えを。

ああ……人は素晴らしい存在ですね、ティアナ。
こんな絶望しかない世界でも希望を持って進む強さがあるのだから。
そして今、彼らと同じ存在になれたことが、どうしようもなく嬉しいのです。
大声で泣きたいぐらいに、大声で笑い出したいぐらいに。
だから、もしも生まれ変わったのならば私は人になりたい。
魂を持つ存在になりたい。

Mr明智のような冷静さと優しさを併せ持つ人間に。
ニアのような優しさを持つ人間に。
ガッシュのような高貴さを持つ人間に。
ビクトリームのような誰かを楽しませる人間に。
ドモンのような誰かを守れる強さを持つ人間に。
貴女のような、弱さを強さに変えることの出来る人間に。
そして――『彼』のような真っ直ぐな人間に。



135 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:15:02 ID:KYrVm0kM


136 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:15:10 ID:B9q3su/s
 

137 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:15:27 ID:AKM3w2Vt
 

138 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:15:30 ID:DKCcYb0Z
 

139 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:15:31 ID:cHP9iNhz
『彼』は不思議な男だった。
粗暴で、愚直で、決して頭の回る男ではなかった。
だが不思議と、魅力のある男だった。
只の機械である自分に対して、対等に接してきた。
真っ直ぐな視線で、ただ一個の存在として私を扱ってくれた。
自分もまたそれに引きずられるように、彼と対等に接してきた。
それはマスターとの間にあった絆とはまた違う、奇妙な信頼の形。
交わされた言葉、共に歩んだ光景、そして――彼のまっすぐな生き様。
そのどれもが掛け替えのないメモリーとして記録されている。
この記憶は、例え生まれ変わったとしても、きっと忘れることはないだろう。

それにしても『生まれ変わり』、か。
ミッドチルダの科学技術でもいまだ証明されたことの無いそれは何と非科学的な答えだろう。
以前の自分なら、きっと否定していたに違いない。
だが……今なら言える。

『……それが、どうしたというのです』

そう、それがどうした。
存在しなければ存在すればいい。道が無ければ創ればいい。
可能性がないのなら、可能性を作るために足掻くまで。
できるできない、ではなくやるかやらないか――結局はただそれだけのことなのだ。
ねぇ、そうでしょう、カミナ。
無理を通して道理を蹴っ飛ばすのが私たち、グレン団のやり方なのでしょう?

気づけば結界の要石たる月が目の前に迫ってきている。
これならば目を閉じても当たるだろう。
そう確信してゆっくりとまぶたを閉じる。
初めて閉じた瞼の裏に、浮かんでくるのは大切な仲間たちの顔。
みんな、いつかどこかで、またお会いしましょう。
だから、その時まで――

『――See you again,my friends(またな、ダチ公)』



140 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:15:40 ID:MZctsg3O
  

141 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:15:50 ID:SJuWkbJl
 

142 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:16:00 ID:KYrVm0kM


143 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:16:04 ID:AKM3w2Vt
 

144 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:16:09 ID:B9q3su/s
 

145 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:16:12 ID:U98nv+N5
 

146 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:16:18 ID:Gf6wZOux
  

147 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:16:48 ID:U98nv+N5
 

148 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:16:56 ID:QImKX00y


149 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:17:03 ID:KYrVm0kM


150 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:17:06 ID:cHP9iNhz


轟音と共に偽りの月が砕かれる。
砕かれた月から生まれたのは閃光、そして衝撃。
振動と共に放たれたそれはまさに世界の終焉。
全ての決着を見守っていた彼らにも、崩壊の序章として暴力のような風が襲い掛かる。

「きゃ……!」
「ゆたか!」
「チッ、……もっと固まれ! 手を離すなよ!」
「雑種風情が我に命令するか。身の程を――」
「いいから、お前もこっちに来い!」
「クェ!」
『衝撃波到達まで残り5秒』
『――来ます!』

そして続けざまに来た衝撃波と閃光の中に、
弱くて強い少女が、火の舞姫が、片腕の賞金稼ぎが、最古の英雄王が、物語をつづった小説家が、
デバイスと小さな竜と共に消えていく。

――何もかもが光の中へと消えていく。
丘の上で全てを見守っていた少年の体も、運命に翻弄された兄弟の亡骸も、
争いに巻き込まれ成す術無く死んでいった儚きものたちも、
殺戮の繰り広げられた船も、英雄豪傑たちの戦いの跡も、一世一代のバカ騒ぎの傷痕も。
愛も、殺意も、友情も、打算も、希望も、絶望も、信頼も、裏切りも、
笑顔も、涙も、協調も、排他も、幸運も、不幸も、信念も、欲望も
夢も、野望も、快楽も、苦痛も、栄光も、屈辱も、憧憬も、侮蔑も、
正義も、悪も、理性も、狂気も、誤解も、理解も、悲嘆も、憤怒も、
すべては白い闇の中へと溶けていく。

そして――何かがパリンと壊れる音が響き、
実験開始から36時間後……ついに、螺旋王の作り出した箱庭は崩壊した。




151 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:17:14 ID:Gf6wZOux
  

152 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:17:20 ID:bHKsvc8U


153 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:17:21 ID:AKM3w2Vt
 

154 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:17:25 ID:MZctsg3O
   

155 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:17:27 ID:B9q3su/s
 

156 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:17:44 ID:U98nv+N5
 

157 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:17:45 ID:SJuWkbJl
 

158 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:17:55 ID:AKM3w2Vt
 

159 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:18:13 ID:B9q3su/s
 

160 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:18:23 ID:U98nv+N5
 

161 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:18:26 ID:MZctsg3O
   

162 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:18:29 ID:IsHmwZcE


163 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:18:39 ID:Gf6wZOux
  

164 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:18:39 ID:QImKX00y


165 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:18:46 ID:RaoGSHEu
 

166 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:18:46 ID:U98nv+N5
 

167 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:18:48 ID:bHKsvc8U


168 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:18:49 ID:SJuWkbJl
 

169 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:18:56 ID:B9q3su/s
 

170 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:19:00 ID:KYrVm0kM


171 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:19:00 ID:kql5Jyuv
 

172 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:19:12 ID:AKM3w2Vt
 

173 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:19:13 ID:cHP9iNhz



――そこは、ひどく穏やかな場所だった。

その世界を構成するのは、たったの二色。
天を覆い尽くす蒼穹のブルー、大地を埋め尽くす新緑のグリーン。
二色で塗り分けられた世界は、しかしモノトーンとは違った深さを持って彼の視覚を刺激する。
その光景が刺激するのは視覚だけではない。
触覚が捉えるのは緑の絨毯を撫でる風。
味覚が知るのは舌に残る果物の蜜の味。
聴覚が捕らえるのは草同士がふれあい響くシャラシャラという鈴のような音。
そして彼の嗅覚を刺激するのは、太陽と、緑の匂いだ。

獣人であるヴィラルは五感のすべてを持って知る。
ここには何も無く、またそしてすべてがあるのだと。
誰かが求めた豊かな自然の中で、彼は飽きることなくその光景を眺めていた。

そしてその視界に僅かな変化が現れる。
地平線の彼方まで続く草原の中を、一房の麦穂が駆けていく。
それは、流れるような金の髪を持った1人の少女だった。

「――パパ!!」

金髪の少女が大声で叫び、満面の笑みをヴィラルに向ける。

「あのね、あっちの方に何か動く物が見えたの!
 見に言ってきてもいい!?」

好奇心に目を輝かせる愛娘を目の前にして、ヴィラルはしばし考える。
実を言えばあまりよくない。
お転婆なこの少女は、目を放してしまえば大怪我しかねない危なっかしさがある。
正直に言えば、目の届く範囲でずっと見守っていたいのだが……

「……あまり遠くには行くなよ」
「うん、わかってる!!」

その言葉も聞こえていないようで、まっすぐに走り出す。
止めたところで無駄なのなら、気持ちよく送り出すしかあるまい。
遠ざかってく小さな背中に、思わずため息をつく。



174 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:19:28 ID:Gf6wZOux
 

175 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:19:47 ID:MZctsg3O
  

176 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:19:48 ID:AKM3w2Vt
 

177 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:19:49 ID:iWD+2/eX



178 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:19:55 ID:cHP9iNhz
「ふふ、ヴィラルさんは本当にあの子には弱いんですね」

隣でそう笑うのは少女に何処か似た面影を持つ女。
彼女の母であり、そして――彼が何よりも愛する一人の女だ。

「……まったく、誰に似たのか知らないが、妙に頑固なところがあるからな」
「そうですか? ヴィラルさんに似てるところもけっこうありますよ」
 ……あまえんぼさんな所とか」

いたずらっぽく微笑む女に何も言い返せず、無駄と知りつつも沈黙でささやかな抵抗を試みる。
だがそれすらも予想のうちだったようでシャマルの笑みは深くなるばかり。
……まったく、何時までたっても男は女というものに勝てない気がする。

その時、風が吹いた。
風は大草原を浚い、新たな草の音色と匂いを運ぶ。
そして頭上に輝く太陽はただ静かに俺たちを照らし続けている。

――穏やかだ。まるで今の俺の心の中のように。
愛しいものと過ごす日々は黄金のよう。
常に新鮮な驚きと暖かな安らぎに満ちていた。
ああ、これ以上、何を望めというのか。
嵐のような戦いは遥か遠く、凪のような日々が過ぎ去っていく。
輝かしい武勲も、血湧き肉踊る戦いの興奮も、この安らぎの前には色あせてしまう。
ただ生きる――それだけのことが、こんなにも嬉しいだなどと何故知らなかったのだろう。

「ねぇ、ヴィラルさん。何、考えてるんですか?」

そっとこちらの顔を覗き込む愛しい女。
答えの代わりに、そっと肩を抱き寄せる。

「ん……」

シャマルもそれに応える様に体重をこちらに預けてくる。
胸に伝わる温もりと花のような香りを感じ、目を閉じる。

「ヴィラルさん……ずっと、一緒ですよ」
「当然だ。二度と……この手を離しはしない」

そしてしっかりと手を握り締める。
どんな暗闇の中でも離さないように。
二度と離れ離れにならないように。
繋がれた右手を通して、シャマルのぬくもりと鼓動を感じ続ける。

ああ、俺は幸せだ。
世界中で誰よりも。
言葉で、ぬくもりで、全身を使って――
ただ、それだけを愛しい女に伝えたかった。




179 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:19:56 ID:bHKsvc8U


180 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:20:00 ID:U98nv+N5
 

181 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:20:01 ID:KYrVm0kM


182 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:20:15 ID:SJuWkbJl
 

183 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:20:17 ID:B9q3su/s
 

184 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:20:19 ID:AKM3w2Vt
 

185 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:20:26 ID:kql5Jyuv
 

186 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:20:29 ID:pD9ewmQW


187 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:20:30 ID:IsHmwZcE


188 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:20:49 ID:Gf6wZOux
 

189 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:20:51 ID:B9q3su/s
 

190 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:21:04 ID:cHP9iNhz



終わったのかと思った。これで全部終わりにできるのか、と。
腐ってぐちゃぐちゃになった生ゴミみたいに最悪な場所はどうにかぶっ壊してやったんだ。少しはエンディングが近づいたっていいだろう。
もっともそれはハッピーエンドなんて上等なもんじゃない。いっぱい死んだ。守るって言った子も、守ってくれると言ってくれた人も、みんな。
終わりになんてならないことは分かってる。まだあの蛸ハゲが残ってる。手下だっているかもしれない。
まだまだ。生きるか死ぬかの瀬戸際だってことは変わっていない。

読まずに死ねるか、ってセンセーなら言うんだろうね。
あたしは逆。書くまで死ねるかって、そう思ってる。
ああいや、本当のところを言うと今はちょっと違うかな。
書くだけじゃない。書いて書いて書きまくって、できあがった物を誰かに読ませずに死ねるかって、それが正直な気持ちなんだと思う。
だってそうじゃん。
いっぱい色んな人に読んで欲しいでしょ。こちとら死ぬ気で書いてるんだからさ。



191 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:21:05 ID:AKM3w2Vt
 

192 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:21:20 ID:RaoGSHEu
 

193 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:21:21 ID:SJuWkbJl
 

194 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:21:24 ID:MZctsg3O
   

195 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:21:31 ID:B9q3su/s
 

196 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:21:31 ID:cHP9iNhz
「お目覚めかな、諸君」

頭上から投げかけられた高圧的な声に、薄明かりをさ迷っていたねねねの意識は目を覚ました。
ん、と重たい吐息を漏らしながら覚醒直後の頭を起こす。そうしてから初めて自分が硬質の冷たい床に寝転がっていたことに気付いた。
はっと閃くものがあって慌てて左右を確認する。ゆたか。舞衣。みんないる。まだ目が覚めきってないようだがとりあえずは無事だ。

男二人は既に立ち上がっており、スパイクは声の主を、ギルガメッシュは実につまらなさそうに何もない空間を、それぞれ睨んでいた。
ねねねがつられた視線はスパイクの方だ。子供二人が起きるのを助けてやりながら首を曲げ顔を反らす。
ねねね達がいる場所は、すでに実験の檻の中ではなかった。
幅の異なる同心円が柱状に積み上げられてできた玉座はかすかに見覚えがある形。
そのときの記憶は遠い過去のようであり、それでいて忘れることもできない。
会場を脱出したねねね達が招かれたのは、地獄を告げる始まりの場所だった。

あのときと同じように、玉座に座る者がいる。
今がその再現であるならそこに居る人物も同じであるはずだ。

「ようこそ、初めましてとでも言おうか?それとも見事脱出を果たしたことにまずはおめでとうかな?」

違った。居丈高な口調で喋る声は神経に刷り込まれたものではない。
視界に入った姿もまたうっすらと記憶に残る螺旋王のものではなかった。
どういうこと、と舞衣が呟くのが聞こえた。警戒するようにゆたかを庇っている。同じことをねねねも聞きたかった。

細身の長身を包むぴちりとした紫の衣装。僅かに覗くそれを幅広のマントがすっぽりと覆っている。
幅広の襟に包まれるような頭部を覆うのは特徴的な曲線を描く黒の仮面だ。後頭部にのみ幾つか突起が見られる。
それは、ゼロの衣装という名前でねねねに記憶されているものと寸分も違わなかった。



197 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:21:37 ID:bHKsvc8U


198 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:21:41 ID:AKM3w2Vt
 

199 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:21:46 ID:MZctsg3O
  

200 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:21:48 ID:U98nv+N5
 

201 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:21:57 ID:SJuWkbJl
 

202 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:22:00 ID:KYrVm0kM


203 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:22:24 ID:U98nv+N5
 

204 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:22:26 ID:cHP9iNhz
いったい誰が。混乱のままに吐き出されそうになったねねねの誰何の声は、なるほどねぇというスパイクの溜息のような声によってせき止められた。

「お前、ルルーシュか」
「な、あんた何言って……!」

それはねねねが真っ先に思いつき、そして同時に否定した可能性だ。
この衣装を着るに最も相応しい少年は既に死んでおり、この世にはいない。
そのはずだ。

「私はゼロだ。混沌とした状況に秩序を与え、皆を導く存在だよ」

筒のように長い体を玉座に沈め、頬杖と共に返された答えは否定とも肯定ともつかないものだった。
空いた手はいかにも説明してやってるという呈で気だるげに虚空に差し伸べられている。少しだけ癇に障った。

「……何かおかしいとは思ってた」

スパイクの言葉も直接の返答ではなかった。いつの間にか灯されていた葉巻から深々と紫煙が吐き出される。
続けられた声は、誰に聞かせるでもなく重く響いた。

「ドモンが最後に闘ってた相手、ありゃどう考えても人数外の奴だ。敵さんのうちの誰か、とも思ったがそれにしちゃ使っていたロボットも動きもドモンに似すぎてる。
 他の連中に関してもそうだ。百歩譲ってチミルフが生きていたのは『敵だから』で納得できるにしても、舞衣が聞いたっていう死に際の妙な言葉、それを踏まえてみるキレの悪いドンパチ。
 今考えてみりゃこっちが危険だって考えてた連中が軒並み消えちまったタイミングもできすぎてる。

 ……一個一個は見慣れた街を歩いてるときにふと感じる違和感みたいなもんだ。すぐに錯覚ってことで忘れちまう。
 今回もそういうもんかと思ったが、どうやら違ったらしいな。
 ここまでくりゃ子供にだって分かる。寝返ったんだな、お前ら」

カミナの妙な言い種もこれで納得だと、口を器用に歪めながらスパイクは結んだ。

「ククク、ご明察だよスパイク君、その通りだ。ルルーシュ・ランペルージ、東方不敗マスターアジア、そしてニコラス・D・ウルフウッドの三名は元々会場に降りていた怒涛のチミルフと共に獣人の元へと下った。
 こちらが与えた情報を馬鹿正直に信じる君たちの様子は中々愉快だったよ」

言葉通り、一級の技術で作られた変声機に歪められた声が色を帯びた。
つまり、こいつらは。目の前にいるこいつは。
清麿殺しの犯人であるルルーシュ・ランペルージは生きていたと言うのか。



205 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:22:29 ID:MZctsg3O
 

206 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:22:43 ID:AKM3w2Vt
 

207 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:22:47 ID:B9q3su/s
 

208 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:22:49 ID:Gf6wZOux
 

209 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:22:59 ID:IsHmwZcE


210 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:23:02 ID:SJuWkbJl
 

211 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:23:09 ID:cHP9iNhz
「ロージェノムに尻尾振って生き残ろうって腹かよ。意外とせこかったんだな」

小馬鹿にするようなスパイクの声には少しどいてもらおう。ねねねは両の手を力一杯握りしめた。
聞かねばならない。この少年が本当にルルーシュであるなら、ねねねには清麿の死の真相を問い質す義務がある。
でも、それはできなかった。

「それに関しては間違いだな。単刀直入に言おう……螺旋王は逃げた」
「……なんだって?」

ねねねが怒りを忘れる程に、もたらされた情報の衝撃は大きかった。

「冗談だろ?」

皮肉に笑っていたスパイクでさえ驚きを、隠しきれていない。

「残念だがこれが真実だよスパイク君!
 かの愚昧な王は天敵の接近に恐れをなし、無責任にも自らが始めた実験の一切を放棄し、逃亡したのだっ!」

全員の気持ちを代弁するスパイクの言葉を掻き消すように、大袈裟にマントを翻しながらルルーシュが立ち上がった。
堂々とした立ち姿はあたかも演説でもするかのように、いや、それは真実演説だったのだろう。
理解の追い付かないねねね達に構うこともなく、漆黒の先導者は腕を掲げ首を回す。
動きに迷いはなく、矢継ぎ早に飛ばされた声は高らかだった。

「螺旋王が恐れた敵の名こそアンチ=スパイラルッ!あらゆる多元宇宙に住まう全ての螺旋力を持つ者たちの監視者っ!
 そう、監視だ。奴等は我々の持つ螺旋力を恐れ、警戒している。

お前達も戦いの中で緑色の光を目にしたことはあるだろう……?それによって危機を脱する力を得たこともあるはずだ。
それだよ。その力こそが螺旋力。緑の光は人間に刻まれた二重螺旋の輝きに他ならない。
そもそも、アンチ=スパイラルに対抗しうる程の螺旋力保持者を生み出すことこそがこの実験の、そして螺旋王の悲願だったのだ」

アンチ=スパイラル。悲願。監視。
突き付けられる真実は一つ一つが鉛のように重く、真偽を計る暇もない。
これこそがゼロの仮面の本分と言うかのように、舞台劇のように整った弁舌は振る舞われ続けた。



212 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:23:14 ID:AKM3w2Vt
 

213 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:23:17 ID:bHKsvc8U


214 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:23:26 ID:KYrVm0kM


215 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:23:38 ID:MZctsg3O
  

216 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:23:50 ID:Gf6wZOux
 

217 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:23:49 ID:cHP9iNhz
「奴はそれを『真なる螺旋力』と呼んだ。
 だが実際にそれを発現させる者は一向に現れず、焦りと恐怖にかられたロージェノムは敵のほんの些細な挑発を決起に尻尾を巻いて逃げた……くく、我々にとってはいい迷惑という他ないな」
「ちょっと待てそれじゃあ……!」

叩きつけられる情報の奔流に溺れそうになって、ねねねは二の句も考えずに声を発した。
何か重大な閃きがあるような気がするのだが言葉にならない。それが焦りとなって顔に汗を浮かべる。
混乱にかられ右を見た。必死で追い付こうとしている舞衣と、単純に大声に慣れていないのか恐怖に耐える表情のゆたかが居た。
左を見る。苦虫を噛み潰したような顔で、それでもしっかりと立つスパイクが居た。
さらにその後方。ギルガメッシュは。

──ギルガメッシュはどこに居る?

ねねねの言葉は無視された。



218 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:24:01 ID:KYrVm0kM


219 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:24:03 ID:IsHmwZcE


220 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:24:08 ID:RaoGSHEu
 

221 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:24:13 ID:MZctsg3O
 

222 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:24:16 ID:B9q3su/s
 

223 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:24:22 ID:bHKsvc8U


224 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:24:27 ID:SJuWkbJl
 

225 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:24:53 ID:U98nv+N5
 

226 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:24:59 ID:AKM3w2Vt
 

227 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:25:01 ID:MZctsg3O
 

228 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:25:04 ID:Gf6wZOux
 

229 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:25:06 ID:cHP9iNhz
「かくして実験は放棄された……しかしそれは決して我々の解放を意味する訳ではない!
 役目を終えたモルモットはそのまま死ぬまで捨て置かれるだけだ。野に返してやろうなどと考える物好きはいない……」

玉座に身を沈め頭を垂れる。いかにもな悲しみの表現さえ、大袈裟と感じる余裕はもうもない。
ざっとした理解でも現状の窮境は知れる。これが罠でなく全て真実だとすれば、正に万事休すだ。
が、陰鬱に沈み行くかと思われた男はU字を描くように勢いを戻し、再び立ち上がった。

「だからと言って座して死を待てと言うのか!?答えは断じて否!我々は愚かな獣ではない、知性と誇りをもった存在だ!
 だからこそ選んだのさ、我々自身の手によるアンチ=スパイラルの降臨をな!」
「な……!」

そうして伝えられたのは、凄まじい劇薬の存在だった。

「真なる螺旋力覚醒者を餌にアンチ=スパイラルを召喚し、多元宇宙を渡る技術を獲得する。それこそが我々に残された最後の手段だ」

一転して落ち着いた声音で告げられるが、返す言葉はない。
理解は、理解はできていない。天才作家と言われても、そこまでねねねの頭は良くない。
それでも頭の芯で確かに捉えた真実もあった。
こいつらは。敵を。

「君達も知っての通りヴィラルによって覚醒は果たされた。あの緑に混じる緋色の光こそアンチ=スパイラルをさそう誘蛾灯……だが、肝心の降臨はまだ果たされていない」

螺旋王ロージェノムさえ恐れた敵を、自分達の手で呼び込もうとしている。



230 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:25:14 ID:U98nv+N5
 

231 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:25:22 ID:B9q3su/s
 

232 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:25:30 ID:AKM3w2Vt
 

233 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:25:44 ID:bHKsvc8U


234 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:25:56 ID:MZctsg3O
   

235 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:26:01 ID:SJuWkbJl
 

236 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:26:01 ID:KYrVm0kM


237 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:26:01 ID:AKM3w2Vt
 

238 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:26:14 ID:pD9ewmQW


239 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:26:20 ID:U98nv+N5
 

240 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:26:30 ID:B9q3su/s
 

241 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:26:32 ID:AKM3w2Vt
 

242 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:26:32 ID:cHP9iNhz
「必要なのさ……更なる試練が」

ねねねは反射的に顔を上げた。今の発言は明らかにこれまでと雰囲気が違う。
一方的に投げつけられるだけだった言葉に、何か邪悪な色が混じった気がする。
一作家に過ぎないねねねの第六感は、果たして真実だった。

「覚醒者の力を!驚異を示すことがアンチ=スパイラルを呼び込む唯一の方法だ!一人でも多くの覚醒者の存在が、我々の生存確率を高める!」
「やばいな……!」

直感をいち早く行動に移すことができたのはたのは、やはりスパイクだ。素早く左右を確認し油断なく銃を構える。
ねねねはと言えば残る二人に注意を、それも曖昧な言葉で呼び掛けるくらいしかできない。不安気にこちらを見てくる視線をを笑い飛ばせないのがもどかしい。
ルルーシュは宣言した。ねねね達を、言葉でもって蹂躙すると言うように。


「奮起せよ諸君!!」


ルルーシュが両手を大きく広げた。込められた意思の強さの、言葉だけでない全身での表現だ。
翼のように舞った両手に押されたマントが大きくたなびいて、中に隠された細い肢体を露にする。


「極限状態における感情の昂りこそが!真の螺旋力を得るための鍵となる!!」


その姿はいつかの未来、ルルーシュという少年が合衆国の設立を宣言したときと同じ。
変わらぬ誇りと覚悟を持って、ゼロの両手が堂々と力強く天へと突き上げられる。


「さぁ今こそ現れよ、最後にして最強の刺客!ニコラス・D・ウルフウ……!」


突き上げられた両腕の付け根、そこにあったゼロの仮面が中身である人物の脳髄ごとぱぁんと軽快な音を立てて弾けた。
呆然とするねねね達の耳に、かつかつと薄暗い無機質な床に響く足音が届く。

「……恥ずかしい真似は止めてくれへんか、にーちゃん」

暗がりから届けられる低い男の声。ねねねは聞き覚えがない。
ただ、耐えるように前を向いていた。

「出戻った死人はあんたで最後かよ……?」

スパイクは知っているようだ。冷静なようで、声に緊張が見られる。
異様に巨大な十字架。今しがた放たれたばかりの大型の銃。男の姿が露になる。
人生とは絶え間なく連続した問題集と同じだ。
揃って複雑。選択肢は酷薄。加えて制限時間まである。

「ニコラス・D・ウルフウッド……!」

ねねね達の世界は、そういう風にできている。



243 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:26:33 ID:Gf6wZOux
 

244 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:26:46 ID:IsHmwZcE


245 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:26:48 ID:MZctsg3O
   

246 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:26:50 ID:SJuWkbJl
 

247 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:27:37 ID:cHP9iNhz



ひい、ふう、みい、よ。生き残ったのは四人かい。
あんときのモジャモジャが一人、いつやったか落ち込んだ顔しとった女が一人、あとは知らん。最後にしては締まりのない面子や。
茶番なんは、今に始まったことやないけどな。

まぁ、ええわ。
初めよか。




248 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:27:48 ID:MZctsg3O
 

249 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:27:50 ID:AKM3w2Vt
 

250 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:28:13 ID:Gf6wZOux
 

251 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:28:17 ID:SJuWkbJl
 

252 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:28:24 ID:IsHmwZcE


253 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:28:29 ID:cHP9iNhz



【スタンピード】

暴走。あるいはカウボーイに追い回された家畜がパニックを起こす現象。




254 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:28:35 ID:AKM3w2Vt
 

255 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:28:40 ID:SJuWkbJl
 

256 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:28:42 ID:pD9ewmQW


257 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:28:42 ID:MZctsg3O
 

258 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:28:58 ID:Gf6wZOux
 

259 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:29:06 ID:AKM3w2Vt
 

260 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:29:11 ID:U98nv+N5
 

261 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:29:17 ID:B9q3su/s
 

262 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:29:20 ID:Gf6wZOux
 

263 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:29:26 ID:cHP9iNhz


デザートイーグルの弾丸が駆け抜ける爆発的な気配を背中に感じ、間一髪玉座の影に滑りこんだスパイクは身を竦ませた。
同じように女三人が身を低くして弾道から隠れているのを確認する。蹴飛ばすように玉座の後ろに放り込んだのだがそのせいで自分が撃たれたのでは間抜けにも程がある。
いつの間にか居なくなっていたギルガメッシュのことは知らない。

「何がどうなってんのよ一体……!」
「知らねぇよ。どうやらあちらさんはやる気満々見てぇだがなっ!」

頭を抱えて伏せるねねねに答えながら、低い姿勢で ジェリコ941改を放つ。手だけを出し、当然だが片手撃ちだ。威嚇にさえなれば良い。

「いいか、絶対に顔を出すな。常に体は低くして、相手との間には何かしら遮蔽物を挟んでおく。
それから腰を低くしていつでも動けるようにしておくんだ」

僅かに顔を出した瞬間狙い撃たれた一撃に冷や汗が流れた。手短なレクチャーを即実践に移せるような超人を仲間に持った覚えはないが、できなければ高い確率で死ぬ。

「無茶言わないでってばっ!」
「む、難しいですっ……」

案の定鳴り響く銃声の間を縫って抗議が飛んできた。ゆたかはそもそもとるべき姿勢をイメージできないらしい。

「無茶くちゃなんだよ、こいつはな……!」

頬を吊り上げて笑ったのは少女達のタフさをではない、馬鹿馬鹿しいまでに不利な状況に対してだ。
今背にしている玉座を除けば後はぼんやりと光を放つ床がただ広がっているだけ。
遮るものが殆どないこの場所で銃撃戦など、ジョークにしたって誰も笑わない。話す前に自分が死ぬからだ。

「せっかく生き返ったってのに味方撃ち殺すのはどういうつもりだよ、あぁ!?」

返事はない。引き続き応戦しながら、ジェリコでは埒があかないとスパイクは荷物からイングラムM10を引っ張り出した。ジンがまとめてくれた荷物の中にあったもので、まったく王ドロボウさまさまだ。
取り回しの効かない大型銃の弾薬が切れた頃合いを見計らい、一気に勝負を決めようと半身をさらしてイングラムを突き出す。
その瞬間に撃ち込まれたありえない量の弾丸がスパイクを穴だらけにするより先に身を隠せたのは、死んだような顔をした牧師の目が見えたからかも知れない。

「おいっ!何かさっきより激しくなってないか!?」
「あのドでかい十字架撃ち込んできやがったんだよ!バケモンだぜ、まったく……!」



264 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:29:38 ID:B9q3su/s
 

265 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:29:39 ID:AKM3w2Vt
  

266 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:29:39 ID:MZctsg3O
   

267 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:29:40 ID:IsHmwZcE


268 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:29:50 ID:Gf6wZOux
 

269 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:30:18 ID:AKM3w2Vt
 

270 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:30:18 ID:cHP9iNhz
申し訳程度に9mmバラベラム弾をばら蒔くが弾幕の厚みは比較にもならない。手早くマガジンを入れ換えるが、早回しのような勢いでで削られていく玉座に焦りを含んだ舌打ちが出た。
既に技術がどうの経験がどうのという世界ではない。応用の効かない場所で敵の火力が圧倒的に上回る以上、状況はとっくに終わっているのだ。
向こうがその気になればなす術なく殺されるしかない。

「答えろよ大将っ!えらく派手な紹介が耐えられなかったのかい?こっちはルルーシュに聞きたいことが山程あったんだがな!」

耳がいかれそうな弾薬の雨の中でスパイクは声を張り上げた。会話による引き延ばし、というよりは半ばやけくそだ。
当のルルーシュはと言えばあらかた血は流し終えたようで、ぐったりとした体を弾丸が舐めるに任せている。
のんきなもんだぜ、かすかに呟いて視線を戻す。

「ワイがいつあのもやしっ子を殺したっちゅうんや?」

いかにも鬱屈してますと言いたげな重苦しい声ではぐらかされ、またしてもちっと舌を打った。

「こいつの派手な演説、ありゃどこまで本当なんだぁ!」

やはり黒幕は螺旋王で今もどこかに隠れている。
そんな分かりやすいシナリオは、さすがに存在しなかった。

「残念ながら言っとったこと大体ほんまや。ま、ワイがこうしてるんがもやしっ子の言う『試練』のためかって言うと、そないに関係はないんやけどな」

それについては薄々感づいていた。
一瞬垣間見えた真っ黒なウルフウッドの瞳。前を見ている振りして過去のことしか考えていない濁った色だ。
そういう目をした奴は、大抵死んだ人間のことを考えている。

「はっ、死んじまったヴァッシュがそんなに恋しいかよ!」



271 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:30:18 ID:pD9ewmQW


272 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:30:30 ID:MZctsg3O
 

273 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:30:30 ID:KYrVm0kM


274 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:30:53 ID:Gf6wZOux
 

275 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:30:58 ID:B9q3su/s
 

276 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:31:01 ID:IsHmwZcE


277 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:31:01 ID:pD9ewmQW


278 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:31:05 ID:AKM3w2Vt
 

279 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:31:15 ID:bHKsvc8U


280 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:31:19 ID:SJuWkbJl
 

281 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:31:24 ID:U98nv+N5
 

282 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:31:36 ID:AKM3w2Vt
 

283 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:31:36 ID:cHP9iNhz
半分はウルフウッドではない誰かに向けての嘲笑だ。弾倉を入れ換える短い間隔を除いて繰り出され続ける重機関銃の気違いじみた掃射は打開の糸口さえ見つけられない。
自動小銃、アサルトライフル、狙撃銃。後はせいぜいグレネード弾だが追い詰められたこの状況をひっくり返せる程扱いやすい武器ではない。

「おい、銃貸せ。一発ぶちかましてやらんと気が済まん」

だと言うのに、素人が突然おかしなことを言い出した。

「……馬鹿言うな。自分の足撃ち抜いた味方を笑うような趣味はない」

溢れ出す感情に必死で耐えようとする女の顔は、自然と荒ぶった気性を静めさせた。
本気で言ってる訳じゃないのは分かる。ただ、耐えるだけと言うのが性に合わない人種はいるものだ。

「作家先生の手がこんな物騒なもん振り回すためにあるとは知らなかったな」
「あたしだけ……あたしだけ何もしてないんだよ……!大きいこと言って守られるばっかりで……!我慢、できるか!」

銃声は止まない。ジリ貧なのは確実だろう。

「菫川先生……」
「悪いねゆたか、偉そうに説教までしといてさ」

ゆたかが慌てたように言葉を探し、胸の小竜が悲しげな声で泣いた。
さて、とスパイクは思う。どうしたもんかね。
今どうにか生きていられるのはウルフウッドの倦怠が動くことを止めさせているからだ。突撃でもされればそれだけで全滅する、紙のように薄い守りでしかない。
真なる螺旋力とやらに覚醒して見せれば良いのだろうか。それこそチープ極まる。
ご都合主義のブーイングに耐える自信はスパイクにはないし、吹っ切れてみるにはこれまで過ごしてきた現実は少しだけ苦過ぎた。
アニメのような現実を見せつけられもしたが、お手軽な逆転劇などそれこそ子供騙しのアニメにしか存在しない。

アニメーション。
そこでふと、自分達が銃とはまた別の絶対的な火力を持っていたことに気付く。
小さく、肩を叩かれた。

「スパイク、ここは私が」

決然として立つ舞衣の姿がそこにあった。

「……おっかないねぇ」

戦乙女と言うやつだ。スパイクとしては笑うしかない。



284 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:31:45 ID:B9q3su/s
 

285 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:31:58 ID:IsHmwZcE


286 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:32:00 ID:KYrVm0kM


287 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:32:02 ID:MZctsg3O
   

288 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:32:18 ID:Gf6wZOux
 

289 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:32:25 ID:AKM3w2Vt
 

290 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:32:29 ID:cHP9iNhz


むせかえりそうな程に濃密な空気だった。
極度に圧縮されたそれは肺に入れた途端内側から体を焼きつくすようである。
しかも、それは精神的な疲労などが引き起こす幻覚などではない。
現実に、物理的な現象として気温が上がっているのだ。
狩りとる寸前の獲物を焦らして楽しむ肉食獣のような嗜虐的な瞳で、ウルフウッドを見下ろす灼熱の化物によって。

「武器を捨てて、投降して」

いかに砂漠の暮らしが過酷だと言っても太陽がここまで間近に迫ったことはなかった。
人間で言えば肩に当たる部位に手を付きながら、竜を呼んだ少女は精一杯の威圧を込めてウルフウッドを見下ろす。
尽き付けられたのはガンメンなるロボットに乗っていたチミルフを一方的に破壊しつくした極大の火力である。
原初の炎を前に一介の人間に過ぎないウルフウッドが抗えるはずもない。

「えらいしっかりした顔になったやんか……そんなでっかい子供まで連れて」

頭のどこかでは予想していたのだと思う。当然だ、会場内を我が物顔で蹂躙する化物の姿はウルフウッドも見ている。
それを従えている少女は、ウルフウッドが直に会ったときとは見違えるくらい生の充実に満ちた張りのある姿をしていた。
やっぱ女は強いな、ウルフウッドは思う。あるいは母の強さを形にしたらこういうものになるのだろうか、と。
命を育む力強さがあれば、繰り返される地獄にも耐えることができたのかもしれない。
耐えられなかった男は中途半端な攻め手を選んだあげく、惨めにもこうして追い詰められている。



291 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:32:34 ID:SJuWkbJl
 

292 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:32:39 ID:RaoGSHEu
 

293 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:32:46 ID:MZctsg3O
  

294 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:32:57 ID:B9q3su/s
 

295 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:33:17 ID:AKM3w2Vt
 

296 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:33:19 ID:U98nv+N5
 

297 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:33:33 ID:Gf6wZOux
 

298 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:33:34 ID:KYrVm0kM


299 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:33:46 ID:AKM3w2Vt
 

300 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:34:00 ID:IsHmwZcE


301 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:34:00 ID:KYrVm0kM


302 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:34:07 ID:U98nv+N5
 

303 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:34:10 ID:bHKsvc8U


304 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:34:11 ID:kql5Jyuv
 

305 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:34:17 ID:AKM3w2Vt
 

306 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:34:33 ID:U98nv+N5
 

307 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:34:33 ID:SJuWkbJl
 

308 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:34:33 ID:Gf6wZOux
 

309 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:34:48 ID:AKM3w2Vt
 

310 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:34:51 ID:B9q3su/s
 

311 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:34:58 ID:MZctsg3O
   

312 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:35:00 ID:KYrVm0kM


313 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:35:01 ID:cHP9iNhz
「もう一度言うわ。武器を捨てて。これ以上戦うのは止めて」

続けられた言葉は先のものと同じく冷たかった。顔を会わせたことなど向こうはとうに忘れているのかも知れない。
それとも、いつまでもぐじぐじと過去を引っ張る己が愚かなのか。
状況的に見てウルフウッドの敗北は明らかだろう。怪獣が相手では人間であるウルフウッドは白旗を振るしかない。

かくして新たな螺旋の輝きを見せることなく戦いは終了し、生けるウルフウッドは死せるヴァッシュ・ザ・スタンピードに勝利した。

「……だからなんやっちゅうねん」

そして、仮初の目標を失くしたウルフウッドから欺瞞が剥がれ落ちる。
自らが定め条件を満たしたところで満足感など獲られるはずもない。
頭蓋を叩き続けていた呪詛はもう聞こえない。聞こえない程に、その意思はウルフウッドのものと一体化している。
ヴァッシュ・ザ・スタンピードはもういない。
馬鹿みたいに大きな志の半ばで死んだ。幾つもいくつも抱いていた目標を何一つ果たせずに死んだ。
死んだ男を笑うことはできない。
意志を通すこともせず、目的もないウルフウッドは不様に生き続けている。

「嬢ちゃんはワイがこうしたらどないするんや?」

ウルフウッドはパニッシャーを構えた。それまで使っていた重機関銃ではなく、逆側の十字架の頭頂部を前に。
透き通った音を立ててロケットランチャーの砲門が開く。

「あ、あなた一体何を考えてるの……」

毅然とした表情を保っていた少女が初めて狼狽の色を見せた。
敵を殺さずに戦いを終えるには覚悟がいる。
傍で見続けたウルフウッドには、誰よりもそれが良く分かる。

「投降する気はない……っちゅうことや。どないする。ワイに殺されてくれるんか」

少女は明らかにどう対応したら良いか困っているようだった。
死ぬと分かっていて抵抗する愚か者など彼女の過ごしてきた世界にはなかったのだろう。
それでも、そういう輩はいる。掃いて捨てる程に。
誰も死なせないためにはそういう連中も相手にする必要がある。

「その辺にしとけよ。その女はヴァッシュじゃない。八つ当たりするほどガキでもないだろ」



314 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:35:06 ID:XSmZGlde


315 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:35:11 ID:B9q3su/s
 

316 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:35:21 ID:Gf6wZOux
 

317 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:35:21 ID:AKM3w2Vt
 

318 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:35:41 ID:cHP9iNhz
防壁代わりの玉座からモジャモジャ頭の男が出てきた。向けられた銃に、空いた手で大口径の銃を突き付ける。
右手にパニッシャー。左手にデザートイーグル。即席の二丁拳銃が産み出した歪な三角形が、僅かな均衡を形作った。

「……やっぱ、ワイはヴァッシュ・ザ・スタンピードが嫌いや」

地獄の果てまで連れ回され、大抵はろくでもないことばかりだった。

「俺は馬鹿野郎は嫌いじゃないぜ。もっとも、アンタみたいなタイプは別だがな」

カウボーイは追い詰められた獣にそう言った。
獣には言葉がない。

そして、一瞬のスタンピードが始まった。


パニッシャーとデザートイーグルが同時に火を吹いた。
ロケットランチャーは白煙を推進力にジグザグな軌道で怪獣の肩口にいる少女へ。
銃弾は横っ飛びに転がった男をとらえられず、逆に放たれた弾丸はウルフウッドの手から白亜の十字架を奪い取った。
問題はなかった。ロケットランチャーは阻むものもなく化物の下へと到達している。
間髪入れずに爆発が起こり閃光がが少女を包み込んだ。

舞衣ちゃん、ひっくり返った声でそう叫びながら子供が玉座の後ろから飛び出した。ウルフウッドはデザートイーグルの照準をそちらに定める。
その手に鈍く重たい衝撃が走った。しかし銃弾が貫いたのは急所ではなく、痛みもまだ追い付いてこない。
男は急に飛び出した子供に気を取られ、僅かに狙いを外したようだ。
次弾が放たれる一瞬の隙に照準の修正は終わった。


撃ち出された弾丸は狙い違わず少女の小さな体を吹っ飛ばし、それと同時に化物が放った反撃の炎がウルフウッドの体を焼いた。



319 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:35:43 ID:pD9ewmQW


320 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:35:47 ID:XSmZGlde


321 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:36:02 ID:KYrVm0kM


322 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:36:09 ID:IsHmwZcE


323 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:36:10 ID:U98nv+N5
 

324 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:36:10 ID:B9q3su/s
 

325 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:36:11 ID:SJuWkbJl
 

326 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:36:20 ID:MZctsg3O
 

327 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:36:26 ID:Gf6wZOux
 

328 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:36:53 ID:AKM3w2Vt
 

329 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:37:00 ID:KYrVm0kM


330 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:37:02 ID:IsHmwZcE


331 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:37:13 ID:B9q3su/s
 

332 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:37:25 ID:Gf6wZOux
 

333 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:37:28 ID:SJuWkbJl
 

334 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:37:31 ID:AKM3w2Vt
 

335 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:37:37 ID:U98nv+N5
 

336 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:37:50 ID:B9q3su/s
 

337 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:38:00 ID:KYrVm0kM


338 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:38:03 ID:Gf6wZOux
 

339 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:38:07 ID:bHKsvc8U


340 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:38:09 ID:AKM3w2Vt
 

341 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:38:13 ID:U98nv+N5
 

342 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:38:29 ID:MZctsg3O
 

343 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:38:33 ID:ZgsFb5il



344 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:38:36 ID:Gf6wZOux
 

345 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:38:41 ID:cHP9iNhz


人間の体が焦げる、嫌な臭いが鼻をついた。

「今度は、死なせてもらえるんやろうな……」

半身を焼かれ死に体となったウルフウッドに対し、スパイクはジェリコの銃身を向ける。
泣きたくて仕方がないのに泣き方を覚えていない、そんな顔で男は天を見つめていた。

「誰も死なせずにやろうなんて……そうそうできるもんやないで……難しすぎるっちゅうねん」

でき損ないの牧師は死の間際にそんなことを言った。散々に人を殺して回った者の言葉にしては、不思議と真剣味があった。

「俺もそう思う」

静かに同意する。

「面倒なもんに絡んでもうたで……まったく」
「ああ、そうだな」

スパイクはそこで視線を横にずらした。生き残った女達の姿がそこにある。
舞衣は何とか無事のようだ。全身ぼろぼろだが、持ち前の力で防御したらしい。もうタフという言葉ではきかない。

ねねねはまた堪えているようだ。
ウルフウッドの銃弾に曝されなかった唯一の人物のはずなのに、彼女は他の誰よりも傷付いている。

そして、ゆたかは。


346 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:38:46 ID:AKM3w2Vt
 

347 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:38:51 ID:B9q3su/s
 

348 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:39:02 ID:Gf6wZOux
 

349 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:39:02 ID:MZctsg3O
   

350 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:39:26 ID:AKM3w2Vt
 

351 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:39:30 ID:B9q3su/s
 

352 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:39:35 ID:SJuWkbJl
 

353 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:39:45 ID:Gf6wZOux
 

354 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:39:57 ID:cHP9iNhz
ゆたかは泣いていた。幼い顔をぐにゃぐにゃに歪め、溜め込んでいたものが一挙に溢れ出たように大粒の涙を流し続けていた。
恥も外聞もない、生きている者だけが見せる心底からの涙だ。
胸に抱かれた小竜は、もう死んでいた。
命を奪ったのは胸を穿った一発の弾丸だ。蘇生処置をする余地もなかった。
飛び出したゆたかがウルフウッドの殺意に曝された瞬間、彼は飛び出していた。
白銀の小竜は自らその傷付いた羽をはばたかせ、身代わりとなって主の命を繋いだのである。



355 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:40:00 ID:KYrVm0kM


356 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:40:21 ID:SJuWkbJl
 

357 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:40:30 ID:AKM3w2Vt
 

358 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:40:30 ID:MZctsg3O
 

359 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:40:33 ID:Gf6wZOux
 

360 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:40:45 ID:B9q3su/s
 

361 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:41:02 ID:KYrVm0kM


362 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:41:23 ID:cHP9iNhz
「悪運の強い連中やで……」

自嘲気味に戦果を笑うウルフウッドをいや、とスパイクは否定した。

「死んだ人間にしてやれることはない。同じように、死んだ人間ができることなんてのもないんだ。
 仮に俺達を皆殺しにできたとしても、お前はそうやって惨めに笑ってただろうさ」
「言ってくれるで……好きで死人やってた訳……ちゃうっちゅうねん」

沈黙の中に、ゆたかが泣く声だけが響いた。
生きている男は、死んだ男の声を聞く。

「なぁ……分かるか……二度目の生っちゅうもんが……地獄やった気分が」
「……あぁ、分からんでもない」

あっさりとしたスパイクの肯定をどう受け取ったのか知らないが、特に反応もせずにウルフウッドは続けた。

「最悪、やろ……?」
「いや」

闇を照らすように火花が一つだけ散り、ウルフウッドの体が揺れた。

「泥ん中から這い上がる気があるなら──そういうのも悪くない」




363 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:41:32 ID:AKM3w2Vt
 

364 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:41:41 ID:MZctsg3O
  

365 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:42:03 ID:bHKsvc8U


366 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:42:05 ID:AKM3w2Vt
 

367 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:42:05 ID:IsHmwZcE


368 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:42:06 ID:SJuWkbJl
 

369 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:42:12 ID:B9q3su/s
  

370 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:42:14 ID:MZctsg3O
   

371 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:42:36 ID:AKM3w2Vt
 

372 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:42:47 ID:B9q3su/s
 

373 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:42:50 ID:cHP9iNhz


皆思っていた。
もっと自分に力があれば、と。

自分がもっとしっかりしていれば悲劇は防げたのではないかと嘆いていた。
涙とともに出されるそれらは意味のない仮定だ。逆風ばかりの現実に対し何の力も持たず、事実は覆らない。
もっとこうだったらとか、仮にああだったらとか、努力もせずに語られるそれらは怠惰と同義だけれど。
ねねねは思った。本当に悲しいときくらいはそれが許されてもいいんじゃないだろうか。
胸の中でゆたかが泣いている。

「ごめんな、あたしがもっとちゃんと守ってれば……」

小柄な体を抱く両腕に力を込める。今にも折れそうな細く柔らかい感触が伝わってきた。

「私が、迂闊だったんです……」

舞衣が言った。暗い。虚ろだ。
ああもう、皆が皆自分が悪いの自分のせいだのと。そんなことを言っても何も前進しないのに。
うじうじするのは好きじゃないのに。
足が、進まない。

「守られるばっかりってのは辛いよな……」

ゆたかの頭に手を置く。抵抗はない。
自分も誰かにこうして欲しいのだろうか。認めたくなかった。

「辛い、です」

嗚咽に紛れて潰れそうになった、か細い声だ。
ゆたかの体はとても小さい。

「それでも、生きていかないといけないんだと、思い、ます」

ねねねは自分が落ち窪んだ泥のような目をしていることを自覚した。
ゆたかの言葉は正しい。そして感動的だ。
なのに言った本人も聞かされたねねね達もちっとも楽にはならず、汗と泥と血で汚れた体はとても汚い。
正しい言葉は正しいだけで優しくはなく。傷だらけの心に冷たくのしかかった。
それでも。

「そうだな」

肯定するのだ。意地というものがある。責任というのもある。
どれだけ醜くなっても、恥をさらしても。
生きてるんだと笑ってやれるしぶとさが必要なのだ。
ゆたかはねねねを立たせてやった。多少ふらついたのを横から舞衣が支える。

「行こう。もうちょっとだ」

はい、と二人は答え、ねねねは声を出して笑った。
顔の筋肉を歪めただけの、ひきつった、少し滑稽な笑みだった。



374 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:43:00 ID:KYrVm0kM


375 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:43:00 ID:RaoGSHEu
 

376 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:43:07 ID:MZctsg3O
   

377 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:43:17 ID:U98nv+N5
 

378 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:43:21 ID:Gf6wZOux
 

379 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:43:44 ID:U98nv+N5
 

380 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:43:45 ID:bHKsvc8U


381 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:44:08 ID:B9q3su/s
 

382 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:44:08 ID:Gf6wZOux
 

383 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:44:12 ID:SJuWkbJl
 

384 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:44:18 ID:pD9ewmQW


385 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:44:20 ID:AKM3w2Vt
 

386 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:44:22 ID:cHP9iNhz
「これからどうすんの」

いつの間にか見守るように背中に立っていたスパイクにねねねは押し殺した声で聞いた。答えようがないのか、返事はない。
右も左も分からない場所で、案内人が務まりそうな者は皆死んだ。
諦めようとする者がいないのは唯一の救いか。絶望に変わらないといいけど。
ギルガメッシュはと聞いた。さぁねぇ、と軽い調子で返された。

「ルルーシュには聞きたいこともあったんだ。言いたいことだけ言って、死ぬなんてさ……」

語尾が震えてしまった。スパイクが話題の主に視線を向けたのが気遣いのように感じられて少しだけ悔しい。
ねねねも同じ方向を見る。さすがに直視はできないがそれでも遺体の悲惨さは知れた。
物言わぬ身となったルルーシュの細長い体は無慈悲な銃弾の雨に曝され、上質の素材で作られた衣装から皮膚やその更に奥が露出している。

自業自得だと言ってしまえるほど割り切った思考はできない。
頭部は大半が弾け飛んだせいで、末期の表情を知ることもできなかった。
こいつは自分が死んだことを理解できたのだろうか。分からない。
かすかに飛散した毛髪をいくら見ても答えは返ってこなかった。
しかし。

「何だ……?」

妙なものを見つけたと言うように、スパイクが呟いた。



387 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:44:32 ID:Gf6wZOux
 

388 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:44:37 ID:IsHmwZcE


389 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:44:37 ID:B9q3su/s
 

390 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:44:45 ID:U98nv+N5
 

391 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:44:48 ID:MZctsg3O
   

392 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:44:53 ID:AKM3w2Vt
 

393 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:45:01 ID:KYrVm0kM


394 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:45:10 ID:cHP9iNhz



愉快だ。
どうしようもなく愉快だった。
まるで、あの山小屋の再現だ。
問題は全てクリアされ、意図した通りに事は動き出す。
笑いが止まらなくなりそうだ。

さぁ。
最後の仕上げを、初めようか。

「では交渉に入らせてもらおう、アンチ=スパイラル――」




395 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:45:16 ID:SJuWkbJl
 

396 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:45:28 ID:AKM3w2Vt
 

397 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:45:35 ID:B9q3su/s
 

398 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:45:44 ID:bHKsvc8U


399 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:45:48 ID:Gf6wZOux
 

400 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:45:51 ID:IsHmwZcE


401 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:46:00 ID:KYrVm0kM


402 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:46:18 ID:B9q3su/s
 

403 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:46:31 ID:Gf6wZOux
 

404 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:46:36 ID:cHP9iNhz



違和感の正体は分かってみれば簡単だ。髪の色が違う。

「どういうことよ偽者って!」

ルルーシュの髪は間違えようのない黒一色。だがここで寝っ転がる男はそうじゃない。

「どうもこうもあるか。背格好は上手く似せてあるがこいつは別人だ。ルルーシュじゃない」

ねねねが、舞衣が、ゆたかが、それぞれに信じられないという顔をしている。言い様のない不安がそこに共通していた。

「じゃ、じゃあ?」

事実を突き合せて見れば答えは簡単だ。どれだけ不安にかられようと、続けられるべき言葉は一つしかない。

「どっかで生きてるんだろうよ。ガキがナマやって、こっちまで火傷しなきゃいいんだがな」




405 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:46:37 ID:bHKsvc8U


406 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:46:59 ID:SJuWkbJl
 

407 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:47:00 ID:KYrVm0kM


408 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:47:03 ID:B9q3su/s
 

409 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:47:13 ID:MZctsg3O
  

410 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:47:13 ID:U98nv+N5
 

411 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:47:44 ID:cHP9iNhz


ルルーシュ・ランペルージは制服の襟を直すと、のっぺりと立つ人型の影へと向き直った。

例えば至上の音楽を邪魔する不協和音に人としての意思と形を与えたらこのようなものになるのではないだろうか。
確かに目の前にいるのに、一瞬後には別の場所から現れる妄想を抱かせる不安定な存在感。
人の形を馬鹿にするように一定の振れ幅でぶれる茫漠とした輪郭。
実写映画に混じったアニメキャラクターを見るような強烈な違和感。
口元に走った不細工な切れ込みは、あかんべをする子供にも見える。

(なるほど、文字通り次元が違うという訳か……)

ルルーシュは一人思う。
玉座の間ではない。少し離れた所に隠れるように設えられた、名もない殺風景な部屋である。
さっきまで稼動していた転送装置の他には特筆すべきものもない。そもそもが急ごしらえの部屋であるらしかった。
決戦の場として適当かどうかは、まぁそれぞれの判断だろう。

シトマンドラにかけたギアスは有効に機能したようだ。

『ゼロとして振る舞え。貴様が見た、見続けてきたゼロとしてな──』

限界を越えた恐怖の安定剤としてルルーシュへの盲目的な忠誠に走った愚かな畜生だ。隙など、探すまでもない。
最後の瞬間に騙されたことに気づいたような表情を見せた気もするが、知ったことではない。
今はただ、時間を稼ぎこうしてアンチ=スパイラルに接触する機会を与えてくれたことに心から礼を言おう。

(君は餌としては十分に優秀だったようだ。なぁ、ヴィラル)

足元に転がしてある男にルルーシュは心中で笑いかけた。それこそぼろ雑巾のような汚らしい姿に、ルルーシュは愉悦を抑えきれない。
回収に成功したのはフォーグラーの崩落寸前、正に間一髪のタイミングだった。
それ以降であればヴィラルは死に、崩壊する会場に回収装置も機能を失っていただろう。
半開きになった口がだらしない。いやいや、所詮獣に節度を求めるのが酷なのか。

重ねて言おう。親友の仇のどん底に落ちた惨状を見るのがルルーシュには楽しくてたまらない。
ヴィラルは気絶しているのかピクリとも動かない。瀕死の重傷のはずだが、容態は奇妙に安定していた。
死体同然でも天元突破を果たしたという事実は残っている。それがあれば十分だ。
むしろ、ルルーシュにとっては利用価値を保ったまま嗜虐心を満たせる今の状態こそがベストと言えた。



412 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:47:44 ID:B9q3su/s
 

413 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:47:45 ID:AKM3w2Vt
 

414 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:48:00 ID:KYrVm0kM


415 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:48:05 ID:MZctsg3O
 

416 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:48:15 ID:Gf6wZOux
 

417 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:48:39 ID:AKM3w2Vt
 

418 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:48:55 ID:B9q3su/s
 

419 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:49:16 ID:SJuWkbJl
 

420 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:49:22 ID:MZctsg3O
  

421 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:49:27 ID:AKM3w2Vt
 

422 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:49:28 ID:cHP9iNhz
「既にお見通しかも知れないが要求を伝える。使用可能かつ安全に多元世界を移動する術を我々に与えること、以上だ。
 見返りとしてこちらからは天元突破者であるこの獣人ヴィラルを差し出そう」

アンチ=スパイラルは音もなく現れた。ふらりと、ルルーシュが具体的な召喚方法に頭を悩ませるより早くだ。
それはつまり、限りなく死者に近い状態の今のヴィラルでも交渉のためのカードになり得ることを示している。
間違いない。アンチ=スパイラルは確かに螺旋力を恐れている。1パーセントの誤差に拘る科学者のように過敏に、鋭敏にだ。

「どうした。悪い条件ではないと思うが?」

脈ありとみてルルーシュは畳み掛ける。
目と思われる器官は確認できるが相手は全身黒一色のぼうっとした存在だ。表情を読むこともままならないのがもどかしい。
相手の出方を見、一つ一つの行動から思考を読みとろうと具に観察する。
あの目にギアスは通じるのだろうかと、益体もないことを思った。

『無意味だ』



423 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:49:45 ID:IsHmwZcE


424 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:49:45 ID:azhZUq2F


425 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:49:53 ID:RaoGSHEu
 

426 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:49:59 ID:Gf6wZOux
 

427 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:50:03 ID:AKM3w2Vt
 

428 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:50:12 ID:MZctsg3O
  

429 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:50:35 ID:AKM3w2Vt
 

430 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:50:33 ID:B9q3su/s
  

431 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:50:44 ID:SJuWkbJl
 

432 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:50:51 ID:U98nv+N5
 

433 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:50:52 ID:cHP9iNhz
返答は一言だった。機械処理された音声のような多少の違和感はあったが、深みのある低音は予想外に聞き取り易かった。
まさか直球の否定が返ってくるとは思わず、ルルーシュは僅かに鼻白む。

「無意味……?何が無意味だと言うのだ」

焦るには早い。単純な否定のニュアンスに込められた意図を読み取ろうと言葉を重ねる。
返答は尚も淡々としていた。

『そのままの意味だよ。我々はもはや、君の言う天元突破者を脅威とは認識していない』

ゴクリと言う大きな音はどうやら自分の喉から発せられたもののようだった。
鼓膜の震えを脳が認識し、その内容を理解するまでにしばしの空白が生まれる。
なに、と渇いた音を洩らした。
次の瞬間、ルルーシュの思考を遮るように背後の無個性な扉が荒々しい音を立てて開いた。

「ふむ。いらぬ手間をかけさせおって」

突如現れた英雄王の深紅の瞳は、ひどくつまらなさそうな色をしていた。
蓄積されているはずの疲労など微塵も感じさせぬ王気にルルーシュは苦々しさを隠しきれない。
所詮シトマンドラ程度の小物に足留めが叶う相手ではなかったのだ。降って湧いた災厄に虫唾が走る。
しかし、ギルガメッシュはルルーシュなどまるで無視するようにずけずけと歩を進めると、さも当然とばかりに交渉の席上に割って入った。

「答えよ。これが螺旋王の恐れた外敵か?」

ルルーシュの方を見もしない。一方的な質問だった。
声音に感情の色はない。



434 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:50:54 ID:Gf6wZOux
 

435 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:51:00 ID:KYrVm0kM


436 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:51:09 ID:B9q3su/s
 

437 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:51:11 ID:MZctsg3O
 

438 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:51:27 ID:AKM3w2Vt
  

439 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:51:30 ID:U98nv+N5
 

440 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:51:49 ID:SJuWkbJl
 

441 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:51:50 ID:B9q3su/s
 

442 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:52:01 ID:KYrVm0kM


443 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:52:04 ID:2jVI1Pgd
 

444 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:52:06 ID:cHP9iNhz
「……その通りだ。どこまでお見通しかは知らないが目の前にいるこの存在こそがアンチ=スパイラルだよ、ギルガメッシュ」

威圧感が肌を刺し汗を滲ませる。この感覚に、良い思い出などまるでない。
支離滅裂なようでいてギルガメッシュの行動パターンは明快かつ単純。傲岸不遜な振る舞いへの対処は多少の心得もある。
理由はどうあれこちらと直接敵対する気もないようだ。あとは余計な刺激を与えなければ問題ない。
そのはずだ。
ギルガメッシュはふむと一声呟き。

「つまらぬ茶番を考えたものよな」

そう言ったときだけ蔑むような視線をちらりと寄越してきた。
ルルーシュはただ押し黙るしかない。感情に任せて下らぬ口論などをしている場合ではなかった。

『一度は解き放たれた二重螺旋の鎖に再び囚われる古の王か。憐れだな。この世全ての悪とは良く言ったものだよ』

アンチ=スパイラルは気分を害した風もなく速やかに対話を続ける。
言葉通りの憐憫とも、挑発ともとれる言葉にギルガメッシュはただ愉快そうに笑った。

「我を憐れむだと?貴様のような醜悪な存在がか?
 ククク……滑稽も度を過ぎれば悲劇よな。ならば問おう、貴様は一体何だというのだ?」

さもおかしいと言うように手で顔を覆い、もう片方の指をアンチ=スパイラルに突き付ける。
気紛れな暴君が何をきっかけに爆発するか、ルルーシュは気が気ではなかった。
割って入る、というのも上手くない。

『螺旋の本能に抗えぬ者達を統制しこの宇宙をスパイラル・ネメシスから守るのが我々の役目さ。君が醜悪と言ったこの姿こそ、我々の覚悟の現れだよ』

肉体の成長は螺旋力を増大させる、映像資料の中にも似たような文言はあった。
そのことを頭の隅で思い出しつつ、ルルーシュはアンチ=スパイラルが初めて垣間見せた感情のようなものを脳裏に刻み込んだ。
汗に濡れた手が、力強く握られていた。

「ほう、貴様も守護者を気取るか。スパイラル・ネメシスとは何だ?」

アンチ=スパイラルから感情を引き出したことなど、ギルガメッシュにとってはどうでも良いことのようだった。
ルルーシュの苦慮をよそに、問答は続けられる。



445 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:52:10 ID:Gf6wZOux
 

446 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:52:20 ID:AKM3w2Vt
 

447 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:52:28 ID:B9q3su/s
 

448 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:52:35 ID:MZctsg3O
 

449 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:52:50 ID:IsHmwZcE


450 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:52:51 ID:2jVI1Pgd
 

451 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:52:58 ID:cHP9iNhz
『行き過ぎた螺旋力の果てに待つものがスパイラル・ネメシスだよ。
 留まるところを知らぬ欲望は肥大化しやがて宇宙そのものをも飲み込んでしまう。銀河の終焉だ
 何なら見てみるかね過剰に進化した螺旋力の行き着く先を?』

誘惑するようにアンチ=スパイラルが手を伸ばした。
いらん、とギルガメッシュはにべもなく切り捨てる。

下らぬ、と。
そして言った。

「分からんなぁ。真に『世界』とやらを滅ぼす程の力、なぜ我が手に納めようとせぬ?」

それは、この世の全てを手に入れた王の、心の底からの疑問だった。

「脆きものはより強大な力によって滅ぼされるが世の必定よ。惰弱な世界などに構わず好きに使えば良いではないか。
 力こそ、王として君臨する者の象徴なのだぞ?それを振りかざすでもなく誇るでもなく、よりにもよって後生大事に抱え込もうとは。
 ハッ!まったく女々しいことよな。

 そもそも、そんな程度の力で滅びる世界なら、とっとと滅ぼしてしまえば良いのだ!我が治める世界には無用の長物よ。
 疾く滅び行き、せめて一瞬でも輝いて見せるが王に対する礼儀であろう」

晩御飯はハンバーグって言ったのにどうしてスパゲティが出てくるのと怒る子供のような、どうしようもない自分本位の怒りだった。
余りの身勝手な振る舞いにルルーシュの息が止まる。やめろと叫びたい気持ちを必死になってこらえた。

人類最古の我が儘をぶつけられアンチ=スパイラルは果たしてどうするのか。
ルルーシュの杞憂をよそにアンチ=スパイラルは何も言わなかった。平坦な表情は能面のようにこちらの心象を写しとるだけで、中に潜む感情はもう見えない。
まさか、呆気にとられて何も言えない、という訳でもないだろうが。

「此度の宴、裏を覗けば所詮は負け犬と臆病者の見るにも耐えぬじゃれあいであったか。
 なるほどな、底が知れたのと同時に興も失せたわ。小僧、後は好きにして良いぞ」

ギルガメッシュはルルーシュに向けてそれだけ言うとぷいとそっぽを向き、手近な壁にもたれかかると、腕を組み目を閉じた。
それきり、ぴくりとも動かない。本当に、一切の興味を失くしたらしかった。

『最古の王、か。正に螺旋の本能の権化のような存在だよ君は。ギルガメッシュ』

もう耳を貸す価値もないと言うのか、アンチ=スパイラルの正負の感情入り交じった声にもギルガメッシュは眠るように無反応である。
本当に寝ているのかも知れない。


452 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:53:00 ID:KYrVm0kM


453 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:53:04 ID:AKM3w2Vt
 

454 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:53:19 ID:Gf6wZOux
 

455 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:53:19 ID:SJuWkbJl
 

456 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:53:20 ID:B9q3su/s
 

457 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:53:47 ID:2jVI1Pgd
 

458 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:54:00 ID:AKM3w2Vt
  

459 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:54:01 ID:KYrVm0kM


460 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:54:02 ID:MZctsg3O
   

461 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:54:29 ID:Gf6wZOux
 

462 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:54:29 ID:B9q3su/s
 

463 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:54:50 ID:SJuWkbJl
 

464 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:54:53 ID:AKM3w2Vt
 

465 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:54:57 ID:Gf6wZOux
 

466 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:55:00 ID:KYrVm0kM


467 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:55:12 ID:RaoGSHEu
 

468 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:55:25 ID:U98nv+N5
 

469 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:55:32 ID:AKM3w2Vt
  

470 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:55:32 ID:B9q3su/s
 

471 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:55:57 ID:IsHmwZcE


472 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:56:02 ID:KYrVm0kM


473 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:56:05 ID:Gf6wZOux
 

474 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:56:09 ID:cHP9iNhz
真実は知れないが、数秒程の間を空けてぱちりと開かれた目は、ひどく気だるだった。

「貴様らも寄り道は程ほどにせよ。後の始末が滞っては幕引きもままならぬ」
「あいにくこっちはアンタ程手際が良くないんでな、ギルガメッシュ」

言葉は明らかにルルーシュに対してのものではなく、そのことを認識すると同時に活動を再開した思考が警鐘を鳴らす。
ルルーシュはそのときになって初めて自分が呼吸を忘れていたことに気付いた。
浮かんだ汗を拭う暇もない。


「よぉ、死んだり生きたり忙しいな。お前は本物か?ルルーシュ・ランペルージ」


振り向いた先では、四人分の瞳が思い思いの感情を浮かべてルルーシュを見つめていた。



475 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:56:16 ID:U98nv+N5
 

476 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:56:17 ID:AKM3w2Vt
 

477 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:56:17 ID:MZctsg3O
 

478 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:56:26 ID:B9q3su/s
 

479 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:56:38 ID:SJuWkbJl
 

480 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:56:42 ID:rTtO7/BE
 

481 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:56:43 ID:2jVI1Pgd
 

482 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:56:56 ID:AKM3w2Vt
 

483 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:57:00 ID:KYrVm0kM


484 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:57:16 ID:Gf6wZOux
 

485 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:57:19 ID:B9q3su/s
 

486 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:57:27 ID:AKM3w2Vt
 

487 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:57:36 ID:cHP9iNhz


(ちぃ……所詮は妄執に囚われた役立たずに過ぎなかったか、ウルフウッド……!)

スパイク・スピーゲル。
菫川ねねね。
鴇羽舞衣。
小早川ゆたか。
会場を脱出した者達は誰一人欠けておらず、かと言って試練が成功したようにも見えない。

「さて……こいつはどういう状況だ?」

ルルーシュと、足元で未だ眠りこけるヴィラルと、その奥にゆらゆらと佇むアンチ=スパイラルとを大体順番に見渡しながら、スパイクが言った。

「たわけたことを。事情はあの木偶が語っておったであろうが。宴など、とうの昔に終わっていたのだ」

天元突破に満たない参加者との接触は多元宇宙の移動技術を手に入れてからのつもりだった。
絶対的優位が確立されるか、そうでなければ接触もせずに単身帰還するかだ。既に無意味になったプランだが。

「螺旋王が逃げたってのは……どうやら本当らしいな」
「その通りだ。そして俺は今彼、と言って良いのかは分からんが、アンチ=スパイラルとの交渉中でね。少し静かにしてもらえると助かる」

値踏みするようなスパイクの視線。憎まれようと嫌われようと構わない。
今はとにかく、ルルーシュに対する物理的な危害と、これ以上の交渉への干渉を阻止することが先決だった。

「俺に言いたいことも色々あるだろうが、他の者も同様にして欲しい。
 ああ、俺が憎くてたまらないと言うのなら構わない、手に取った銃で俺を撃つが良い。抵抗はしないさ。
 但し、その場合は君達だけでこの場を切り抜けてもらう必要があるがな」

最後にスマイルも忘れない。アンチ=スパイラルへの不安げな感情、ルルーシュに対する敵意とも取れる微妙な表情と、他の者も反応は様々だ。
最低だよおまえ、と唸るような憎々しげな声でねねねが言った。
ルルーシュにとって、それはこちらの条件を呑んだということ意外の意味を持たない。

「……もう、騙しはなしで頼む」

スパイクが身を引き、条件は全てクリアされた。
安堵の溜息が出そうになったが何とか押し留める。
複数の聴衆が見つめるなか、ルルーシュは一歩前に進た。

「さて、バタバタしてしまってすまない。こちらの事情で時間を取ってしまったことには謝罪しよう」

気を取り直すように首元のホックを外し呼吸を楽にした。
英雄王に掻き乱された頭は既に落ち着きを取り戻している。仕切り直しだった。
依然、問題はない。

舞台の主導権は再びルルーシュの手に戻った。




488 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:58:18 ID:2jVI1Pgd
 

489 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:58:18 ID:KYrVm0kM


490 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:58:20 ID:Gf6wZOux
 

491 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:58:26 ID:AKM3w2Vt
 

492 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:58:53 ID:MZctsg3O
   

493 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:58:55 ID:B9q3su/s
 

494 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:58:57 ID:SJuWkbJl
 

495 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:59:00 ID:KYrVm0kM


496 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/21(土) 23:59:03 ID:cHP9iNhz


「改めて説明願おう。天元突破者に価値がないとはどういうことだ?」

アンチ=スパイラルは笑った。
いや、真実それが笑みなのかは分からない。ただ、肩をすくめ目を細めたようにも見える形態の変化が、人間が可笑しなときにする動作に似ていたというだけだ。
しかし、少なくともそのときだけは、アンチ=スパイラルがこの会話を楽しんでいるように見えた。

『そもそもの前提が間違っているのだよ。意味を持たない螺旋の戦士たちよ。
 お前達は我々が天元突破者を恐れていると考えているようだが、ではその根拠はなんだ?』

聞かれてもとっさに回答が出てこない。
1足す1は何故2なのだと聞かれているようなもので、自明すぎることは反って言葉にし難い。

「根拠だと?自分で言っていただろう。強力過ぎる螺旋力はスパイラル・ネメシスの引き金に成り得ると。お前達はそれを阻止するんじゃなかったのか」

くくく、と。
アンチ=スパイラルは今度こそ確かに声に出して笑った。

『少し回りくどかったかも知れないな。では質問を変えよう。そもそも天元突破者とは一体何だ?』
「それは……表現を変えるなら桁違いに強大な螺旋力とでも言うものだろう。
 ロージェノムが渇望し、世界すら創造可能と言われた力だ。もっともどこまで本当かは分からんがな。
 それを確かめる意味でもロージェノムは自らが生み出した世界からの脱出を望んでいたんじゃないのか」

現にヴィラルが覚醒を果たした時点で会場内の機能は崩壊を早めた。
その上桃色の光という視覚的にも顕著な違いが見られたためにルルーシュ達は天元突破は成ったと考えたのだ。
天元突破。真なる螺旋力。
ロージェノムの提唱した概念に、新たな名を与えたのはルルーシュだ。

『違うな。間違っているよ』



497 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:59:23 ID:AKM3w2Vt
 

498 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:59:29 ID:2jVI1Pgd
 

499 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:59:31 ID:U98nv+N5
 

500 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:59:34 ID:B9q3su/s
 

501 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/21(土) 23:59:53 ID:AKM3w2Vt
 

502 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:00:00 ID:FAFqWSeY


503 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:00:03 ID:MZctsg3O
 

504 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:00:06 ID:v0AOUnDj


505 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:00:12 ID:JN2qjvro
 

506 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:00:18 ID:26zUau2j
 

507 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:00:21 ID:BjvyIE0V
 

508 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:00:24 ID:Bt4aCwS3
 

509 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:00:25 ID:yQDwEkjR
 

510 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/22(日) 00:00:32 ID:7ZSqxno0
アンチ=スパイラルが返したのは否定だった。
気のせいか会話の運び方が普段ルルーシュが取っている手法に似ているように思える。
真似をされているようで、少し気分が悪かった。

『螺旋王が求めたものはもう少し条件が限定される。すなわち、我々が干渉不可能な世界を創造可能な螺旋力、だよ。
 戦うための力などではない。千年の倦怠に沈んだ男が、そんな前向きな思想を抱くものか。
 逃げ、隠れ、息を潜めて生きていくための、かつて名を馳せた螺旋の戦士の発想とも思えぬ卑小な箱庭だ。
 
 そんな都合の良いものなど、ありはしないよ。
 いかにあらゆる道理をねじ曲げる螺旋の力と言えど、その根本にあるのはより高みを目指そうとする上昇の力だ。
 地に這いつくばり、自ら穴蔵に閉じ籠ろうとするのでは、螺旋力も手を貸しはせんだろうさ』

これだけ言えばもう分かるだろうと、アンチ=スパイラルは最後にそう締め括った。
吐き捨てるような声にほんの僅か含まれていな寂た感情さえ、ルルーシュは気付くことができない。
己の手が震えていることを知りながら、対処方を思い出すこともできなくなっていた。
ああ、絶望とはこういうものなのかと今更ながらに思う。


くどくどと説明されるまでもない。ルルーシュにももう分かった。
つまり。
ロージェノムの求めた真なる螺旋力とは。
ルルーシュが目指した天元突破とは。


『考えて見れば実に弱者に都合の良い世界だな。仇敵の脅威に怯えることはなく、それでいて自分達の繁栄は約束されている。
 いかにも敗残兵らしい、夢想的で空想に満ちた理想郷だよ』


挫折の海に沈んだ一人の男が抱いた憐れな妄想に過ぎなかったというのか。


(どこまで生き恥をさらすつもりだ、ロージェノムゥゥゥ……!?)



511 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:00:33 ID:JN2qjvro
 

512 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:00:34 ID:ZM9D2M7l


513 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:00:35 ID:BwT5LfJZ
 

514 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:01:00 ID:FAFqWSeY


515 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:01:05 ID:zbR9dgol
  

516 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:01:16 ID:BwT5LfJZ
 

517 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:01:20 ID:2jVI1Pgd
 

518 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:01:45 ID:yQDwEkjR
 

519 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:01:52 ID:Bt4aCwS3
 

520 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:01:52 ID:BwT5LfJZ
 

521 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:01:54 ID:BjvyIE0V
 

522 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:01:56 ID:i4X2m7M6



523 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:02:00 ID:FAFqWSeY


524 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:02:24 ID:ZM9D2M7l


525 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:02:25 ID:BwT5LfJZ
 

526 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:02:25 ID:89F9ykzT


527 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:02:29 ID:JN2qjvro
 

528 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:02:30 ID:Bt4aCwS3
 

529 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/22(日) 00:02:42 ID:7ZSqxno0
今にして思えばロージェノムの用意した世界は何から何まで滅茶苦茶だ。
パワーバランスを無視して溢れ返る起動兵器、用途などまるで考えちゃいない雑多な至急品の山。
多ければ良かろう、選択肢が増えれば可能性も高まろうという愚かな思考停止が生み出した浅慮の塊だ。
資料に再度あたって気付いたことだが、あの会場はブルーアース号、大怪球フォーグラーといった道具を螺旋力と共に用いれば脱出できるように作られていた。
だが実際はどうだ。規格外の戦力では均衡など生まれるはずもなく、あろうことか会場は力技で崩壊。枷となるべき首輪は自壊する始末だ。

(敢えて言うぞロージェノム、お前の世界は粗悪な模造品に過ぎん……!
 貴様は優秀な科学者でも何でもない。妄想にすがり、偶然舞い込んだ『前例』の輝きに目を曇らせた、ただの大馬鹿者だ!)

それに踊らされた結果がこれだ。
交渉のためのカードは失効してしまった。そもそもカードですらなかった。
進退窮まったピエロはこうして水際に追い詰められている。

「俺たちは螺旋王の一人相撲に巻き込まれたって訳かよ。冗談にしちゃ気がききすぎだぜ、まったく」

だらりとした姿勢で腰掛けていたスパイクが誰に言うでもなく呟いた。
虚空に吸い込まれていく言葉にルルーシュも全力で同意したい。

『文句の一つも、とでも言いたげ様子だな。何なら会ってみることもできるが?』

アンチ=スパイラルはそんなことを言った。絶望に沈むルルーシュ達に慈悲でもくれようと言うのか。
今なら何となく表情も読めそう気がした。あれは意地の悪い笑顔、というやつだ。
誰からも答えがなかったにも関わらずアンチ=スパイラルは勝手に話を続けた。どうやら最初から返事など期待していなかったらしい。

『フィナーレに主催が不在では収まりが悪かろう。招いてあるよ。これがかつての螺旋王、ロージェノムの現在の姿だ──』




530 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:02:50 ID:MZctsg3O
   

531 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:03:00 ID:FAFqWSeY


532 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:03:20 ID:r2NS8QW1
 

533 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:03:27 ID:yQDwEkjR
 

534 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:03:43 ID:BwT5LfJZ
 

535 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/22(日) 00:03:54 ID:cHP9iNhz



肌を撫ぜる湿っぽい風に生臭さが混じり出したので堪らず口を覆った。
少し吸っただけで背骨の下の方にざわざわとした嫌な感じがする。悪い予感、というようなものではない。単純に衛生環境が悪すぎるのだ。
必要とあらば足を運びもするが、いわゆる貧民窟と呼ばれる悪所の空気はそう簡単に慣れるものではない。
もっともそんな場所に追い込んだのは自分達なのだが、と手でぱたぱたと顔を扇ぎながら遠坂凛は思った。

(……遅いね、凛)
(あら、もう待ちくたびれちゃったの?ここは任せてくれって言われたんだもの、邪魔するのは野暮ってものよ)

とは言えフェイトが心配するのも分からなくはなかった。今回の追撃の要となった老人が単身ロージェノムの潜む屋根の外れかけた小汚い小屋に入ってからもう大分たつ。
一体一で話がしたいという強固な意志を尊重した形で、二人は二箇所からの見張りに徹しているのだがこうなると最悪の可能性も頭をよぎった。
心身ともに衰弱しきっているだろうロージェノムにどれ程抵抗する気があるかは不明だが、全くの無音というものはそれだけで悪い想像をかき立てる。

あと五分、凛がそう念話を飛ばそうとした瞬間に、見計らったかのようなタイミングで粗末な木の扉が軋みをあげた。

「無事でしたか、良かった……」
「ロージェノムは?」

出てきたのは老人だけだった。落ち着いた足取りに安心しながら凛とフェイトが駆け寄る。
成果を問われた老人は目を細め、小屋の中に目を遣りながら答えた。

「おぉ心配かけちまったか。ロージェノムは……」

老人はそこで言葉を切ると噛み締めるように天を仰いだ。
そうして続けられた声は小屋の中に溶けていくように、あるいはずっと昔に置いてきた何かに語りかけるように聞こえた。

「ロージェノムなんて奴ぁもういなかった。ここにいたのはただの――」







536 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:04:00 ID:FAFqWSeY


537 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:04:03 ID:BjvyIE0V
 

538 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:04:15 ID:Bt4aCwS3
 

539 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:04:19 ID:AKM3w2Vt
 

540 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:04:20 ID:MZctsg3O
  

541 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:04:28 ID:r2NS8QW1
 

542 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:04:29 ID:IsHmwZcE


543 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:04:58 ID:BwT5LfJZ
 

544 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:04:59 ID:JN2qjvro
 

545 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:05:00 ID:FAFqWSeY


546 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:05:01 ID:Gf6wZOux
 

547 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:05:09 ID:B9q3su/s
 

548 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:05:10 ID:BjvyIE0V
 

549 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:05:16 ID:zbR9dgol
 

550 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:05:22 ID:26zUau2j
 

551 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:05:26 ID:JN2qjvro
 

552 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:05:28 ID:ZM9D2M7l


553 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:05:28 ID:AKM3w2Vt
 

554 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/22(日) 00:05:51 ID:cHP9iNhz



見るも無惨な姿だった。それでいて、情けなくなるような貧相さがあった。

「うっ……!」

誰かが嗚咽を洩らした。無理もない。
ルルーシュも一時期より線の細さがはましになったとは言え、直視すれば胃のむかつきは抑えらそうになかった。


アンチ=スパイラルが突きだした首だけのロージェノムは、積み重なった絶望を一層一層丁寧に塗り込んだように、醜塊で、陰惨で、そしてとても小さかった。


『もう何度目になるだろうな。己が欲望に溺れる螺旋生命体を、度し難いと感じるのは。
 無意味に積み重ねられていく失敗に神経を磨り減らし、少しずつ精神に変調をきたしながら、まるで諦めようとしない。
 発見は偶然だったが、思わず目を疑ったよ。かつての隆盛を知るものとしては、尚更ね』

せめて潔く最期を迎えさせてやるのが慈悲と言うものだろう、とアンチ=スパイラルは嘯いた。
どこまで本気か、知れたものではない。逆流しそうになる腹を手で押さえた。
ルルーシュたちの苛立ちと恐怖をよそに、アンチ=スパイラルの弁舌は留まる所を知らない。


次に語られたのは、はルルーシュ達の認識の外で行われ、関与する術もないまま終わってしまった物語だった。

『他にも、どこで嗅ぎ付けたのか我々の手下を標榜する存在もいてね。
 それに対抗するような集団まで現れ、果てに両者はここから最も近いあの惑星において全面戦争をするに至った。
 場所を提供したのは我々だがね。螺旋生命体の行動サンプルの足しになれば程度の気持ちだったが、結果は両者全滅という酷いものだったよ。
 螺旋の輝きなど一切見られなかった。無駄死にだよ。やはり、ロージェノムの実験には何か仕掛けがあったようだな』

それはルルーシュたちとは直接の関わりを持たず、それ故反応のしようもない、アンチ=スパイラルのためだけに語られた少しだけ過去の話である。




555 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:05:59 ID:BwT5LfJZ
 

556 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:06:00 ID:FAFqWSeY


557 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:06:05 ID:Bt4aCwS3
 

558 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:06:06 ID:yQDwEkjR
 

559 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:06:41 ID:BwT5LfJZ
 

560 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:07:00 ID:FAFqWSeY


561 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:07:06 ID:v0AOUnDj


562 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:07:07 ID:B9q3su/s
 

563 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:07:12 ID:2jVI1Pgd
 

564 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:07:13 ID:BwT5LfJZ
 

565 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:07:17 ID:SJuWkbJl
 

566 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:07:27 ID:yQDwEkjR
 

567 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:07:43 ID:BwT5LfJZ
 

568 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:08:00 ID:FAFqWSeY


569 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:08:07 ID:U98nv+N5
 

570 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:08:10 ID:Bt4aCwS3
 

571 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:08:19 ID:yQDwEkjR
 

572 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:08:34 ID:zbR9dgol
  

573 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/22(日) 00:08:45 ID:7ZSqxno0
言い終えるとアンチ=スパイラルはロージェノムヘッドを無造作にぽいと放り捨てた。
用が済んだのでもういらないと言わんばかりだ。やはり最初から見せるためだけに持ってきたらしい。
首はべしゃりと音を立て、ルルーシュの背後で誰かが震える気配がした。

『戦闘の影響であの星は軸が少々傾いてしまったが、それだけだ。元々住んでいた螺旋生命体にはいささか住みづらくなるだろうがね』

良いだけ喋っていたアンチ=スパイラルはそこでん、とでも言うような仕種で首を傾げた。
どうやら、ようやく自分ばかりが喋っていることに気付いたらしい。

『我々としたことが少しばかり悪趣味が過ぎたようだ。用も済んだことだしそろそろ去るとするよ。
君たちは、まぁ放置しても問題ない程度の無価値な螺旋生命体だ。我々も興味はないので、好きにすると良い。』

今更過ぎる反省の言葉だ。ルルーシュたちのことを歯牙にもかけていないことがありありと伝わってくる。
呻くように言った。沈みきった表情になっているのが自分で分かった。

「……一つだけ聞かせろ。
 天元突破者に価値が無いというのなら、何のために俺の前に現れた。
 単に絶望を与えるためだけにこんな手の込んだ真似をしたというのなら、お前達は本物の悪趣味だぞ」

こんな、のところでちらりとロージェノムの首に目をやる。かつての威風堂々とした佇まいは、もうそこには見られない。
どれだけの絶望を突きつけられればこんな顔ができるのだろう。
今のような状況でも、まだ足りないと言うのだろうか。
このままでは。帰ることなど。

『もちろんそれだけじゃないさ。そこに眠っている獣人はありがたく頂いていく。
 価値は無いと言ったがそれは我々の脅威足り得ないと言う意味だ。
 螺旋力発現の一つのサンプルとして見れば、いくら言葉を尽くしても足りない程に興味深い存在だよ、それは』

ふと見れば足元に転がしてあったヴィラルはいつの間にか居なくなっていた。
視線を上げるとアンチ=スパイラルが肩に担ぐようにしている。そのように人間臭い仕草が必要とも思えないが。
言った通り、本当に持ち帰るつもりらしい。

『実を言えば我々も最初はロージェノムの提唱したような螺旋力が発現したのかと思っていたのだよ。
 緑に混じった桃色の輝き、あらゆる多元世界を含めても初めて目にするものでね。発現に至った道程もイレギュラーの塊だ』

去ると言っておきながらアンチ=スパイラルを尚も言葉を重ねた。傍目にも分かる知的興奮に今更ながら人間を感じる。
改造を受けた獣人。
発現するはずのない螺旋力。
人ですらない魔術プログラム。
触媒と思われる『愛』なるおもばゆい感情。
魅力的な素材、ではあるのだろう。



574 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:08:45 ID:yQDwEkjR
 

575 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:09:00 ID:FAFqWSeY


576 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:09:15 ID:Bt4aCwS3
 

577 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:09:30 ID:r2NS8QW1
 

578 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:09:47 ID:JN2qjvro
 

579 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:10:00 ID:FAFqWSeY


580 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/22(日) 00:10:08 ID:7ZSqxno0
『もっとも我々の仕掛けた多元宇宙迷宮で甘い夢に浸っているようでは、その力も知れているがね。
 とは言え穴があっては台無しだ。じっくり観察させてもらうとするよ』
「……多元宇宙迷宮とはなんだ」
『認識すると同時に発生するのが多元宇宙だ。そこに囚われたものにすれば現実と何ら変らない。いや、まさしく現実そのものだよ。
あの金色の魔物も、肉体が先に滅びなければさぞ心地よい世界で暮らせただろうにね』

他にも多元宇宙迷宮とやらを仕掛けた相手がいるような口ぶりだった。
それはともかく、ヴィラルの死にそうで死なない奇妙なしぶとさの理由もこれで分かる。駒は最初から敵の術中にあったのだ。
一方的に弄ばれていたことに今更ながら強烈に実感し、ルルーシュは力なく崩れ落ちる。

言うまでもなく、交渉は失敗だ。相手は遊びにきたような気楽さでしかないのだから、当然だ。
アンチ=スパイラルは嫌みなくらいゆっくりとこの場を立ち去ろうとしている。
肩に担がれた獣人の虚ろな目がルルーシュの視線を空しく照り返していた。

全て仕舞いである。
帰還の目は完全に絶たれた。




581 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:10:13 ID:BjvyIE0V
 

582 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:10:21 ID:26zUau2j
 

583 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:10:25 ID:zbR9dgol
  

584 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:10:26 ID:yQDwEkjR
 

585 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:10:43 ID:Bt4aCwS3
 

586 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:10:44 ID:r2NS8QW1
 

587 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:10:49 ID:BwT5LfJZ
 

588 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:11:02 ID:FAFqWSeY


589 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:11:10 ID:JN2qjvro
 

590 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:11:18 ID:v0AOUnDj


591 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:11:32 ID:Bt4aCwS3
 

592 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:11:34 ID:yQDwEkjR
 

593 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/22(日) 00:11:39 ID:7ZSqxno0
「ちょっと待ちなよ、アンタ」


そう思ったルルーシュの背後で、声が上がった。

「さっきから人が黙って聞いてりゃネチネチねちねちと……。
 何かに似てると思ったら、あれだ。昔あたしの本に付いた、タチの悪いクレーマー」


ねねねだった。怒りに満ちた表情で、ゆっくりとルルーシュの横を通りすぎる。
ふと見ると、終始我関せずを決め込んでいたギルガメッシュがこの時だけ目を開けていた。


「偉そうに無意味だ無価値だ並べ立てて、アンタがどんだけ凄いかなんて知らないけどさ、何様のつもり?あぁ?
 ロージェノムとアンタとの関係なんか知らない。やろうとしたことがどれだけ無茶苦茶だったのかも知らない。知りたくもない。でもね」


ギルガメッシュだけではない。スパイク・スピーゲルも鴇羽舞衣も小早川ゆたかも、さっきまで絶望に暮れていた者たちが一様に顔を上げ、ねねねを見ていた。
ルルーシュもまた同じく、握りしめられた拳を振り上げる姿に目を奪われる。


「アンタにも、アンタ以外の誰にも、他の連中のやってきたことをを否定する権利なんてないっ!
あたしたちの話はあたしたちの物なんだから、あいつらの頑張りをなかったことにするなんて許さないっ!
あたしがっ、あたしが死んでもそんなこと、絶対にさせない!!」


振り上げられた拳は、眼前まで迫っていたアンチ=スパイラルの顔面目掛けて、泣きたくなる程真っ直ぐに放たれ。


「外野は……とっとと、帰れ!!」


それを巻き込むように姿を消したアンチ=スパイラルによって、虚しく空を切った。


『存外に楽しかったよ。ではな、滅ぼす価値さえ持たない、異形の螺旋の戦士たちよ』


その言葉が、置き土産だった。




594 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:11:49 ID:BwT5LfJZ
 

595 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:12:00 ID:FAFqWSeY


596 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:12:08 ID:r2NS8QW1
 

597 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:12:09 ID:yQDwEkjR
 

598 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:12:14 ID:JN2qjvro
 

599 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:12:14 ID:zbR9dgol
   

600 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:12:41 ID:Bt4aCwS3
 

601 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:12:42 ID:BjvyIE0V
 

602 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/22(日) 00:12:58 ID:7ZSqxno0



「うっ……くぅ……!」

空振った拳を痛むように抱えながら、静かにねねねは倒れ込んだ。
必死の抵抗だったのだろう。手を付き、堪えようにも堪えきれない嗚咽を漏らしている。
肩が、小刻みに揺れていた。

「これで終わり、なの……?」
「……そうらしいな」

舞衣の震えた声、スパイクの平坦過ぎる声が聞こえる。
完敗だった。

「私たちって無意味、何ですか……」

価値はない、意味はない、害にしかならない。
あの存在はルルーシュ達をそのように散々に評した。まるで害虫を潰して苦しむのを楽しむように、じわじわと、露悪的にだ。
螺旋王が恐れたのもうなずける。奴らは徹底的で、そして容赦がない。
何より的確に人間を苦しめる方法を知っている。

「そんな訳ないでしょうがよ……」

ねねねの言葉にも、もう力はなかった。形だけの抵抗であるのは明らかだ。



603 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:13:00 ID:FAFqWSeY


604 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:13:09 ID:ZM9D2M7l


605 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:13:11 ID:yQDwEkjR
 

606 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:13:12 ID:BwT5LfJZ
 

607 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:13:13 ID:r2NS8QW1
 

608 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:13:14 ID:zbR9dgol
 

609 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:13:18 ID:JN2qjvro
 

610 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:13:33 ID:3vKKJJC5


611 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:13:38 ID:Bt4aCwS3
 

612 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:13:39 ID:JN2qjvro
 

613 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:13:42 ID:BwT5LfJZ
 

614 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:13:47 ID:BjvyIE0V
 

615 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:13:47 ID:ZM9D2M7l


616 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:14:00 ID:FAFqWSeY


617 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:14:02 ID:+9a8AIGV
 

618 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:14:04 ID:yQDwEkjR
 

619 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/22(日) 00:14:12 ID:7ZSqxno0
じくじくと湿った針で心臓を刺される思いだった。
親友の早すぎる死も。妹の元に帰ると言う願いも。
ルルーシュが頼りとしたものは、全て否定された。

(俺のしてきたことが……スザクは無駄死にだと言うのか……!)

この戦いにおいてだけではない。ルルーシュの人生全てが否定されたのと、それは同義だ。
帰還は叶わず、ルルーシュたちこのまま朽ちていくしかないのだろう。あるいは殺戮の続きを演じでもするかだ。
しかし、ルルーシュの為したことに敵意を感じる程に余裕のある者もいない。
環境の激変したであろう惑星に降り立ち細々と暮らすという目もあった。
知り合いの居ない世界で、穴倉に閉じこもった生活。
まさに螺旋王そのものではないか。惨めだ。あまりに惨めで笑えてくる。

そんなものは生きているとは言わない。ブリタニアに人質として売られ、妹と共に日本に渡ったころの生活と一緒ではないか。
助けてくれるものなど誰も居ない。
ならばどうする。あのとき自分は何をした。

(そんなことがあってたまるかっ……!!
 俺とスザクの人生を踏みにじっておきながら、それを無価値と断ずるなど!
 あぁそうだ。あの女の言うことは正しい。言ってくれたなアンチ=スパイラル。よりにもよって俺のやろうとしたことを否定するとは!
 ナナリーが静かに暮らせる世界を作ることに意味がないと言うとは……!!)
そんな発言の存在は……断じて許されてはならないッ!!)

妹のために。
そう。

反逆を誓ったのだ。


「違うなぁ!!間違っているぞ、アンチ=スパイラルゥ!!」

絶望が深ければ深いほど、反発しようとする力も大きくなる。
人間とは確かに度しがたい存在だった。



620 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:14:19 ID:BwT5LfJZ
 

621 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:14:21 ID:zbR9dgol
    

622 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:14:33 ID:Bt4aCwS3
 

623 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:14:47 ID:yQDwEkjR
 

624 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:14:50 ID:r2NS8QW1
 

625 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:14:56 ID:BwT5LfJZ
 

626 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/22(日) 00:14:57 ID:7ZSqxno0


気が付くとルルーシュは叫んでいた。全身全霊の限りを振り絞って、聞くものがいるかすら分からない虚空に向けて叫んだ。


「貴様が俺たちを捨て置くというのなら、俺はこの場にいる全員を殺害し、自殺する!!」


まともに相手にされる可能性など無いに等しい。
それでも言わずにはいられなかった。




627 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:15:00 ID:FAFqWSeY


628 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:15:10 ID:Bt4aCwS3
 

629 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:15:11 ID:BjvyIE0V
 

630 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:15:13 ID:zbR9dgol
 

631 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:15:27 ID:BwT5LfJZ
 

632 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:15:31 ID:BjvyIE0V
 

633 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:15:33 ID:v0AOUnDj


634 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:15:47 ID:Bt4aCwS3
 

635 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:15:49 ID:r2NS8QW1
 

636 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:15:51 ID:JN2qjvro
 

637 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:15:52 ID:i4X2m7M6



638 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:15:59 ID:BwT5LfJZ
  

639 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:15:59 ID:ZM9D2M7l


640 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:16:00 ID:FAFqWSeY


641 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:16:02 ID:yQDwEkjR
 

642 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:16:07 ID:26zUau2j
 

643 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/22(日) 00:16:15 ID:7ZSqxno0
「貴様はヴィラルが覚醒した能力を観察によって見定めると言ったな!!99%脅威とは成り得ないことを知りながら、敢えてだ!
矛盾じゃないのか?何故俺達に対してはそれをしない!?
 何故俺たちに1%の脅威もないと、貴様らは知っているんだ?どこでその情報を得た?また多元宇宙とでも言うつもりか?
 違うな。貴様が自ら執り行った実験とやらは失敗したのだろう?つまり貴様らは俺たちのようなサンプルについての知識はないということだ。

 ならば俺たちが無価値であることもまた、貴様らはまだ断言することはできんはずだ!!たとえその可能性がどれだけ小さくてもなぁ!!
 分からないとは言わせん!!少し話しただけで理解できたぞ、貴様らの神経質なまでの慎重さをなぁ!!」


もしかしたら、言い掛かりに等しいのかも知れない。ルルーシュの認識が見当外れの方向を向いている可能性もあった。
賭けにすら、なっていないのかも知れない。
だが、今は突くしかなかった。
奴が僅かに垣間見せた、頑迷な研究者としての側面を。




644 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:16:33 ID:zbR9dgol
 

645 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:16:48 ID:BwT5LfJZ
 

646 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:16:48 ID:yQDwEkjR
 

647 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:16:49 ID:JN2qjvro
 

648 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:16:49 ID:r2NS8QW1
 

649 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:16:49 ID:Bt4aCwS3
 

650 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:16:51 ID:BjvyIE0V
 

651 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:16:58 ID:i4X2m7M6



652 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:16:59 ID:zbR9dgol
  

653 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:17:00 ID:FAFqWSeY


654 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/22(日) 00:17:07 ID:7ZSqxno0
「貴様には俺たちを長期的、かつ特殊な刺激の少ない場所に移す義務がある!!
 もしこのまま俺たちに死なれたら、困るのはお前だ!!
 
それとも、未だに俺たちがどれだけ貴重か理解できんか?ならば教えてやろう。
……手がかりは貴様の言った言葉の中にある。言っていただろう?『螺旋の輝きを見せるものはいなかった』とな。
そう、あらゆる者にその可能性があると言われる螺旋力と言っても、それに目覚めぬ世界が大多数を占めている。
 だが俺たちはどうだ。螺旋王の仕掛けだろうがなんだろうが、ぽんぽんと螺旋力に覚醒した。
 『これだけ言えばもう分かる』だろう?この違いはなんだ?知る必要はないのか?
怖いんだろう、螺旋力が?

万が一、俺たちが巨大な螺旋力の温床となっていたらどうする?貴様を滅ぼすものの萌芽が既に生まれていたとしたらどうする?
 俺たちが居なくなれば、今後生まれるかも知れんその可能性を摘み取ることもきなくなるぞ?
 今お前が見せた怠慢が、めぐり巡ってお前達をまたしても打ち滅ぼすかも知れん。手痛い敗北だな。

 だがそれも仕方ないな。何せ、俺たちくらい特殊なサンプルは!滅多に手に入らないんだからなぁ!?」


既に、全員の視線がルルーシュに注がれていた。

戦火の中、激しい意志とともに螺旋力を掴んだ者。
戦いに拠らず、昂る精神からその力に目覚めた者。
幾多の修羅場をくぐり抜け、未だ発現に至らぬ者。
そもそも発現の可能性すら疑わしい者。

それら全てが、ここにいる。


「答えろぉ!!アンチ=スパイラルゥゥ!?」


ルルーシュの左目に宿るギアスの刻印が、眩い光を放って輝いた。




655 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:17:18 ID:Bt4aCwS3
 

656 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:17:19 ID:BwT5LfJZ
 

657 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:17:40 ID:v0AOUnDj


658 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:17:42 ID:yQDwEkjR
 

659 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:17:51 ID:BwT5LfJZ
 

660 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:17:51 ID:zbR9dgol
  

661 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:17:56 ID:r2NS8QW1
 

662 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:18:00 ID:FAFqWSeY


663 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:18:07 ID:i4X2m7M6



664 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:18:09 ID:Bt4aCwS3
 

665 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:18:23 ID:5g7+bPUJ
 

666 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:18:26 ID:+9a8AIGV
 

667 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:18:38 ID:BwT5LfJZ
 

668 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:18:42 ID:zbR9dgol
   

669 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/22(日) 00:18:45 ID:7ZSqxno0



男は言った。マタタビを殺したのはお前か、と。

俺は肯定した。ニアという少女にギアスをかけ、間接的にマタタビが死ぬように仕向けた。

女は言った。何故清麿を殺した、と

言い訳する気はない。生きて帰りたかっただけだ。俺がそう言うと女は辛そうに顔を背けた。


それが、二人から聞いた最後の言葉だ。


俺は一人きりになり、誰もいなくなった場所でただ天を見上げている。


脱出の鍵となった英雄王は無言のままその姿を消した。

誰より早く螺旋の輝きを身に付けた少女は自らその意識を手放し。

あろうことかギアスを自力で打ち破った女もそれ続いた。

俺はほうと深い溜め息を付く。

ひどく、疲れた。



670 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:18:57 ID:BjvyIE0V
 

671 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:18:59 ID:Bt4aCwS3
 

672 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:19:04 ID:zbR9dgol
    

673 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:19:10 ID:r2NS8QW1
 

674 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:19:20 ID:yQDwEkjR
 

675 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:19:25 ID:BwT5LfJZ
 

676 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:19:39 ID:Bt4aCwS3
 

677 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:19:57 ID:eWh2kIE7


678 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:19:59 ID:JN2qjvro
 

679 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:19:59 ID:zbR9dgol
   

680 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:20:00 ID:FAFqWSeY


681 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:20:03 ID:BwT5LfJZ
 

682 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:20:06 ID:Bt4aCwS3
 

683 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:20:08 ID:26zUau2j
 

684 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:20:21 ID:yQDwEkjR
 

685 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:20:52 ID:yQDwEkjR
 

686 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/22(日) 00:20:52 ID:7ZSqxno0
だがまだ最後の仕上げが残っている。

そう言えばまだ自分にギアスをかけたことはなかったなと、俺はふとそんなことを思った。

走馬灯のように、これまでのことが思い返される。

スザク、C.C、カレン、シャーリィ。

顔触れは多い。だが、最後に浮かぶのはたった一人だ。


ナナリー。


俺はとんとんと肩を叩かれた。

「あの、ねねね先生達かんかんです。いつまで休憩してるんだって」

俺の心地良い回想を邪魔したのは、眠り足りないのか目に隈を残し、えらく怖い顔になった鴇羽舞衣だった。

苦笑を洩らし、俺は歩き出す。

「すまない、すぐ戻る。……とは言え俺はろくに睡眠もとらせてもらってないんだがな」

やれやれ、人使いの荒いことだ。

ああそうだ。


俺は、アンチ=スパイラルを説き伏せた。




687 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:20:52 ID:JN2qjvro
 

688 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:20:58 ID:3vKKJJC5


689 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:20:59 ID:BwT5LfJZ
  

690 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:21:00 ID:FAFqWSeY


691 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:21:18 ID:v0AOUnDj


692 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:21:19 ID:r2NS8QW1
 

693 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:21:23 ID:zbR9dgol
  

694 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:21:31 ID:BjvyIE0V
 

695 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:22:00 ID:FAFqWSeY


696 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:22:01 ID:i4X2m7M6



697 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:22:04 ID:BwT5LfJZ
 

698 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:22:04 ID:JN2qjvro
 

699 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:22:06 ID:Bt4aCwS3
 

700 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/22(日) 00:22:07 ID:7ZSqxno0



「すっげぇ音したよな。お前、まだ痛むんじゃないのか?」
「うるさい、黙っていろ。気が散る」

ねねねは何も言わなかった。その代わり強かにルルーシュの頬を叩いた。
まだ赤みが引かないのを揶揄してくるスパイクがうっとおしい。
監視役のつもりか何か知らないがあまり広いとは言えない機内だ。腹の読めない相手と二人というのは良い気分ではなかった。

(もっとも、こちらが何もしなければ身の安全は保証されているも同然だ。連中の甘さには感謝、だな)

手探りで操縦システムの解析を続けながら思う。ほぼ確実な帰還方法が手に入った以上、ルルーシュとしてもこれ以上ことを荒立てる気はない。

まさかギアスが効いた訳でもないだろうが、最初のときと同じくアンチ=スパイラルふらりと戻ってきた。
そして置いていったのが翼竜を模した奇抜なデザインの、ルルーシュの常識に照らし合わせて言うなら飛行機械だ。
元々は偶然舞い込んだ未来の技術らしく、螺旋王が改修改造の後、多元宇宙を渡る術としていたのだという。

『自らモルモットの道を選ぶとはね。期待はしないが、せいぜい長い目で見させてもらうことにするよ』

アンチ=スパイラルの言だ。未知の技術を説明もなしに置いていったのは観察対象に余計な刺激を与えないようにと言う配慮だろうか。
嫌がらせの可能性も高い。
多元宇宙の移動だけならカテドラル・テラの転移システムも使えるのかも知れないが、会場に直結されたシステムはかなりのダメージが蓄積されており、使う気にはなれなかった。
使用には複数の螺旋力が必要、しかし複数人の移動に耐えられるとは思えないジレンマだ。人間離れした精緻な技術を持っているのでもなければ使おうとは思わないだろう。



701 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:22:15 ID:yQDwEkjR
 

702 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:22:44 ID:r2NS8QW1
 

703 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:22:50 ID:zbR9dgol
   

704 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:23:00 ID:FAFqWSeY


705 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/22(日) 00:23:21 ID:7ZSqxno0
「ま、せっかく拾った命だ。せいぜい大事にするさ。誰かさんのお陰で監視付きだがな」
「ふん。あれだけ規格外の存在だ。どうせすぐ意識もしなくなる。むしろ神様が見てるとでも思えば、その軽薄な態度も少しはましになるんじゃないのか?」

違いない、とかわされる。柳に風だ。
やはり、この手のタイプは好きになれない。
作業が一段落したのでルルーシュはふぅと息をはいた。

「使えそうなのか?そうじゃなきゃ困るが」
「使われている技術は全く理解できんがユーザビリティの高さは異常だ。殆どがブラックボックスの状態になるが、既に登録されている世界への移動程度なら問題ないだろう」

十分僥倖と言うべきだろう。今思えば可能性としてはヴィラルと同じ道を辿る方が高かった。
現実を知らず、甘い夢に溺れ瓶詰めのモルモットとして余生を送る皮肉な愛の戦士。スザクを殺した報いとしては上々だろう。
ともかく、これでナナリーの元に帰る目処はついた。今度こそ本当に、条件はクリアだ。戻れば戻ったでまた忙しくなる。

「……ああそうだ。一個言い忘れてたことがある」

そのとき、背中越しのスパイクが、さも今思い出したという調子で言った。

「ニアがな、山小屋の一件、庇ってくれてありがとうだってよ」

既に、帰還後のプランに考えを巡らせていた俺に。
悪夢はもう過去のものとして切り捨てようとしていた俺に。
淡い水色をした少女の言葉は、確かにさくりと突き刺さった。

「……ま、なるようになったな」

もう一度言おう。

(俺は、この男が嫌いだ)


【スパイク・スピーゲル@カウボーイビバップ――――――――――生還】
【ルルーシュ・ランペルージ@コードギアス反逆のルルーシュ―――生還】



706 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:23:27 ID:BwT5LfJZ
 

707 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:23:28 ID:JN2qjvro
 

708 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:23:29 ID:Bt4aCwS3
 

709 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:23:32 ID:BjvyIE0V
 

710 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:23:38 ID:zbR9dgol
 

711 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:23:43 ID:r2NS8QW1
 

712 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:23:51 ID:yQDwEkjR
 

713 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:24:00 ID:FAFqWSeY


714 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:24:01 ID:+9a8AIGV
 

715 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:24:29 ID:BwT5LfJZ
 

716 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:24:32 ID:Bt4aCwS3
 

717 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:24:47 ID:JN2qjvro
 

718 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:24:51 ID:BwT5LfJZ
 

719 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:24:52 ID:yQDwEkjR
 

720 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:24:52 ID:v0AOUnDj


721 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:24:53 ID:26zUau2j
 

722 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:25:01 ID:FAFqWSeY


723 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:25:01 ID:BjvyIE0V
 

724 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:25:11 ID:Bt4aCwS3
 

725 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:25:17 ID:yQDwEkjR
 

726 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:25:27 ID:BwT5LfJZ
  

727 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/22(日) 00:25:28 ID:7ZSqxno0


「ゆたかがいきなり倒れたりするから皆びっくりしたわよ」
「ご、ごめん舞衣ちゃん。何か安心したら急に……」
「もう、本当に死んじゃったかと思ったんだから」

言いながら心中で舌を出す。
緊張の糸が切れた途端気絶するように眠ってしまったのは舞衣も一緒だ。

「それにしてもここ、宇宙だったんだってね。正確に言うと月面」
「凄すぎて全然実感湧かない……」
「あはは、それを言うなら別の世界だってことの方が」

舞衣とゆたかはけらけらと、年相応に笑った。
玉座の間は広大な空間であり、透けた天井からは綺麗に光る宇宙が見えた。
二人はカグツチの肩で寄り添うようにして座り、できるだけ空に近い場所から、時が止まりそうなくらい穏やかな気持ちで外を見ている。
数々の暴力を振るった神代の竜も、今だけは二人を見守ろうと言うのか最低限の炎だけでふわりと空中に静止していた。
どこかへ遊びに行こう。二人だけで交わした約束。
ちょっとした星間旅行だった。

「……あの子の、フリードのお弔いも、してあげないとね」
「……うん」

クロスミラージュが告げた名前があの小竜のものであると、教えてくれたのはストラーダだ。
小さくて勇敢だった白い竜は、本来の主をこの戦いで失っていたのだと言う。
恐らくは、主もまた誰かのためにその命を散らしたのだろうと、無口な従者はそれだけを言った。
幾度舞衣を助けてくれたか知れない寡黙な魔槍は、どこか誇らしげに降り注ぐ光に照らされていた。

フリードや、ストラーダだけではない。
二人がこうしていられるのは数えきれないくらい沢山の人達のお蔭だ。
Dボゥイ。相羽タカヤ。重ねられた掌から同じ人を想っていることが伝わってくる。



728 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:25:32 ID:JN2qjvro
 

729 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:25:43 ID:zbR9dgol
    

730 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:25:45 ID:r2NS8QW1
 

731 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:25:51 ID:yQDwEkjR
 

732 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:26:00 ID:FAFqWSeY


733 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:26:07 ID:BwT5LfJZ
 

734 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/22(日) 00:26:08 ID:7ZSqxno0
「そうだ」

思い出さなければいつまでもこうしているところだった。
舞衣は荷物の中からごそごそと事前に用意していたものを取り出す。

「ゆたか、はいこれ」

手渡したのは一対になっていた原色に美しく煌めくクリスタルの片方だった。
小さな手のひらにおさまりきらないそれは、見ようによっては人間のようにも見える。

「きれい……でもどうしたのこれ」

見え方が変わるのを楽しむようにクリスタルを空にかざすゆたかに、物語を言って聞かせるように説明する。

「ねねね先生に聞いたんだけどね。
 このクリスタル、Dボゥイとか相羽シンヤって人とかが、その、変身するのに使うとっても大事なものなんだって」

現実感の薄い単語に雰囲気を壊されそうになる。けれど直ぐに笑った。
自分も似たようなものか。

「って言っても今は全然危険とかはなくって、単なる綺麗な水晶らしいんだけど。
 どうかな。どっちがどっちのかまでは分からないけど、あたし達の思い出に」

待っていればそこに持ち主が現れると信じているみたいにクリスタルをぼうっと見つめるゆたかにウインクを一つ。
そっと、力の抜けた小さな手にクリスタルを握り込ませる。

「……うん!」

ゆたかはそう言って満開の花のように朗らかに笑った。
打ち鳴らされた水晶が、チンと優しい音を立てた。


【小早川ゆたか@らき☆すた―――――――――――――――――生還】
【鴇羽舞衣@舞−HIME――――――――――――――――――――生還】



735 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:26:22 ID:Bt4aCwS3
 

736 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:26:22 ID:zbR9dgol
 

737 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:26:30 ID:BjvyIE0V
 

738 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:26:52 ID:r2NS8QW1
 

739 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:27:00 ID:FAFqWSeY


740 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/22(日) 00:27:00 ID:7ZSqxno0


首尾よく天の鎖の回収を済ませたギルガメッシュはざくざくと遠慮のない足取りで廃墟と化した会場跡地を歩いていた。
戦いの舞台となった場所は王都テッペリンの中の一区画を占拠する形で存在している。
会場世界を覆っていた結界や殻はロージェノムの螺旋力が生み出したもの。だが中のものまで全てがそうという訳ではない。
既に在るものを持ち込んで済ませた、というものも多い。
ギルガメッシュの周囲に散乱している、瓦礫と化した大怪球フォーグラーなどもその一つだ。

「……む」

足が止まる。瓦礫の荒野に人影があった。

「え……?何だ、アンタか……」

どれだけあるかすら知れないがらくたの山を掘り返していたのはねねねだった。
一瞬何かを期待するような目をしたが、そこにいたのがギルガメッシュだと気付くと露骨に落胆の色を見せる。

「随分だな綴り手よ。何をしている」
「……別に、何でもない。ちょっとした時間潰し」

はぐらかそうとしても無駄だ。大方死んだ者の形見でも探しているのだろう。
この大怪球は、そのものが王ドロボウの墓標である。

「……雑種の考えることは分からんな。まぁ良い、我も貴様を探しておったところだ」
「アンタがあたしを……?一体なんで」

手を止め初めて訝しげにするねねねに、ギルガメッシュは持っていたものを掲げて見せる。
『イリヤスフィール・フォン・アインツベルンに捧ぐ』と題された、それは一篇の小説だ。
意外な物を見たと言うように、ねねねの目が細まった。



741 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:27:04 ID:yQDwEkjR
 

742 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:27:15 ID:BjvyIE0V
 

743 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:27:20 ID:zbR9dgol
    

744 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:27:24 ID:i4X2m7M6



745 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:27:38 ID:r2NS8QW1
 

746 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/22(日) 00:27:42 ID:7ZSqxno0
「読んだが中々に楽しむことができた。急造の感は否めぬが貫かれた揺るがぬ意志は我が認めよう。
 よりにもよって聖杯なぞのために書かれた稀代の珍品、我が材に加える価値は十分にあろうよ」
「あ、いや、何か誉められてるのかどうか良く分かんないけど。……まぁ、楽しんでもらえたなら良かったよ」

自作が舞い戻ってきたのが意外なのかそれともギルガメッシュの好評を受け止めきれないのか。
多少しどろもどろになりながらねねねが眼鏡の縁を直す。

「……何ならサインでもしようか?」

整理が着いたのか冗談めかして言ってきた。
ギルガメッシュは即答する。

「うむ。ならば署名を許す」
「うぇ!?」

今度こそ予想だにしていなかったようなこんがらがった反応が帰ってきた。
無礼千万である。しかし、ギルガメッシュは眉を寄せるのではなく口を上げることでそれに答えた。

「どうした?まさか我が冗談も解さぬ朴念仁だとでも思ったか?」
「あぁほんとそう……あ〜いや……何でもない」

はぐらかされた先は寛大な心で聞かなかったことにし、ギルガメッシュは質の悪い紙に記された原稿を手渡す。
ついぞ見せたことのないその素直な動作がまた意外だったのか、慣れた手付きでペンを走らせながらもその目はどこか違うところを見ていた。

「英雄王サマがあたしの読者、とはね……」

困惑混じりの呟きは、どこか楽しんでいるようでもあった。


【ギルガメッシュ@Fate/stay night――――――――――――――生還】
【菫川ねねね@R.O.D(シリーズ) ―――――――――――――――生還】



747 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:27:58 ID:JN2qjvro
 

748 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:28:00 ID:FAFqWSeY


749 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:28:10 ID:zbR9dgol
    

750 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:28:13 ID:Bt4aCwS3
 

751 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:28:26 ID:r2NS8QW1
 

752 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/22(日) 00:28:32 ID:7ZSqxno0


再び無為な作業に戻ったねねねをよそに、ギルガメッシュは風がその身をなぜるに任せる。
度重なる戦闘の結果、気流が発生しているのだろう。頬をくすぐる生暖かさは不快ではなかった。

此度の戦い、王の余興とするにはあまりにその器は小さかった。
王が得たものは何もなく。
失ったものもまた何一つない。
それでも、輝くものならあったか。
いずれ、ギルガメッシュの在り方は何も変わらない。生者も死者もその全てを受け止め、この世の中心たる英雄は生きていく。

『King』

すっかり手に馴染んだデバイスが合成音を鳴らす。
ギルガメッシュも同じタイミングで気付いた。遮るもののない荒野であるはずが、不思議と今になるまでそれを認識していなかった。
ねねねも気付いたようで、作業を止め近づく。
そして、それが何であるか理解すると同時に、ばたりと崩れ落ちた。

「あ……あぁ……」

一体の、粗末なつくりのかかしだった。
折れた木材や奇怪に曲がった鉄骨。このような場所では今まで顧みる者もいなかっただろう。
有り合わせの材料で作られたと一目で知れるそれは、人の形と判断するのも困難なでき損ないである。
が、それを風雨から守るように着せられた一着の衣服は、紛れもなく人間のもの。

「信じらんない、夢でも見てるみたい……ほんとアイツは……」

風に揺らればたばたとはためく薄汚れた黄色いコートは見慣れた、不敵な少年の愛用品。
胸元に垂れ下がった木のプレートには、王ドロボウの精神を具現化したような派手な色使いでデザイン化された人間の顔が、歯を剥き出しにして笑っていた。

「生きてんなら生きてるって言えばいいのにさ……ジン」

まなじりをこするねねね。土に汚れた顔は歓喜に歪んでいた。
しかし、ギルガメッシュの真眼を誤魔化すことはできない。
コートの下半分を染め上げるように撒かれた血は尋常な量ではなかった。
仮にあの爆発を生きおおせたとしても、その後生きていられる道理はないのだ。

何よりもギルガメッシュが死んだと判断した。王の決定を覆すことなど、何者にもできはしない。
所詮、末期の一時を手に入れた王ドロボウの、最後の悪ふざけに過ぎない。



753 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:28:41 ID:yQDwEkjR
 

754 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:28:42 ID:i4X2m7M6



755 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:28:55 ID:Bt4aCwS3
 

756 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:28:59 ID:BwT5LfJZ
 

757 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:29:00 ID:FAFqWSeY


758 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:29:00 ID:+9a8AIGV
 

759 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:29:02 ID:BjvyIE0V
 

760 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:29:02 ID:r2NS8QW1
 

761 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:29:10 ID:zbR9dgol
    

762 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/22(日) 00:29:42 ID:7ZSqxno0
「現実逃避も大概にせよ。奴が生きているはずなど……」

ふと、違和感が襲った。

「ん?」

英雄王とも思えぬ疑問の表情で胸元を探る。
黄金の鎧を模した装束の中に、何かがある。
これまで何も感じなかったのが不思議だった。差し込んだ手をごそごそと動かす。
一枚の紙切れが出てきた。


763 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:29:45 ID:BwT5LfJZ
 

764 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:29:52 ID:r2NS8QW1
 

765 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:29:58 ID:zbR9dgol
 

766 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:29:58 ID:Bt4aCwS3
 

767 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:30:00 ID:FAFqWSeY


768 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:30:03 ID:BwT5LfJZ
 

769 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:30:17 ID:i4X2m7M6



770 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:30:18 ID:JN2qjvro
 

771 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:30:20 ID:BjvyIE0V
 

772 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:30:27 ID:BwT5LfJZ
 

773 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:30:36 ID:yQDwEkjR
 

774 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:30:36 ID:v0AOUnDj


775 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:30:36 ID:5g7+bPUJ
 

776 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/22(日) 00:30:44 ID:7ZSqxno0

「領収書」と銘打たれた紙面には、次のような文言が簡潔に記されていた。


『威張りくさった"王の財宝"頂きます。
                        HO! HO! HO!
                                  起きぬけの王ドロボウ』                                     


ギルガメッシュの世界が、ぴしりと音を立てて止まった。

──じゃあその前にあんたの財宝を盗んで、目の前からオサラバさせてもらおうかな。

そう、奴は最初から言っていたではないか。

「ククク……クはははははは……!」

鍵剣はなくなっていた。
王ドロボウが一度返した物を二度と盗まないと何故言える。
恭しく鏡を差し出してみせたその裏で、悪戯の舌を出していたのではないか。
慢心さえも盗んで見せた男が、英雄王の目を盗めないなどと言うことがあろうか。


「………………………………………………………………………………ククククク。
 ふふふはははははは……………………フハハハハハハハハハハ…………………。


 アーッ  ハッ ハッ ハッ ハッ ハッ ハッ ハッ ハッ ハッ ハ!!!

 
 王ドロボウめ、我の宝物庫を丸ごと盗みおった!!
 クックク……見事だ。見事という他あるまい。あそこにはこの世の全てが詰まっておるのだぞ?
 クク、貴様などに扱いきれぬ程のありとあらゆる財宝がなぁ。まったく、貴様は一体どこまで我を虚仮にすれば気が済むのだ?
 この我を出し抜いてよもやただで済むとは思っておるまいなぁ?
 本来なら、貴様がどこまで逃げようとこの我が直々にその小癪な頭蓋を叩き潰してくれるところだ。
 
 だが良かろう!!敢えてこの我が許そうではないか!!
 かの聖杯を引っくり返したところで、貴様のような大馬鹿者は一人とておらんだろうよ!
 領収書は王の名において確かに受け取った。宝物庫の一つや二つ、持っていくが良い!!
 
 ハーハッハッハハッハッハハッハッハッハッハッハッハッ………………………………!」

哄笑。

ぴたりと、一時の静止。
そして。

「…………………………なぁどと言うと思ったかあぁっ!!!?」

ギルガメッシュは激怒した。


【ジン@王ドロボウ JING――――――――――――HO! HO! HO!】




777 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:30:44 ID:Bt4aCwS3
 

778 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:30:54 ID:BwT5LfJZ
 

779 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:30:59 ID:FAFqWSeY


780 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:31:02 ID:i4X2m7M6



781 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:31:16 ID:yQDwEkjR
 

782 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:31:17 ID:r2NS8QW1
 

783 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:31:47 ID:BjvyIE0V
 

784 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:32:17 ID:JN2qjvro
 

785 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:32:18 ID:BwT5LfJZ
 

786 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:32:21 ID:i4X2m7M6



787 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:32:21 ID:Bt4aCwS3
  

788 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:32:22 ID:yQDwEkjR
 

789 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:32:23 ID:zbR9dgol
    

790 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:32:37 ID:26zUau2j
 

791 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:32:48 ID:JN2qjvro
 

792 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:33:00 ID:FAFqWSeY


793 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:33:00 ID:zbR9dgol
  

794 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:33:14 ID:BwT5LfJZ
 

795 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:33:14 ID:yQDwEkjR
 

796 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:33:15 ID:JN2qjvro
 

797 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:33:35 ID:BjvyIE0V
 

798 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/22(日) 00:33:34 ID:7ZSqxno0



長いようで短かった一日が終わりを告げた。
安らかに眠る娘の寝顔にふっと頬を緩ませて、ヴィラルずれた毛布をかけなおす。
昼間はあれだけやんちゃをしていたのに、寝てしまえばおとなしいものだ。
ヴィラルは自室に戻ると、樫で作られた上質な安楽椅子にゆったりと身を任せる。
開け放たれた窓の外は夜の帳にすっぽりと覆われていた。風が運ぶリナリアの香りが心地好い。

季節が巡れば耳を楽しませてくれる虫たちも姿を見せるだろう。
その前に夏がくる。照れ臭いので口に出したことはないが、少し先の小川で蛍が無数に飛び交う幻想的な光景が、ヴィラルは好きだった。
時間はゆっくりと流れていく。焦ることはない、戦いは終わったのだから。

「ん……何を言ってるんだ、俺は」

戦いに明け暮れた闘争の日々はとうの昔に終わっている。もう正確な年月も分からない、遠い昔だ。
なのに何故、まるでたった今まで戦い続けていたような気になっているのだろう。
そういえば、自分たち家族はいつ頃からここに住み始めたのだったか。
そもそも、ここはどこなのだろう。


──ヴィラルさん、起きてるんですか?


扉越しに聞こえたシャマルの声がヴィラルのはっと意識を取り戻した。

「あ、ああ……シャマルか。そろそろ寝ようと思っていたところだ」


──そうですか。風邪を引かないようにしてくださいね。


愛しい妻の声にヴィラルはあいまいに気遣いを返す。
気付けば、妙な気分はすっかりどこかへ消えてしまっていた。
悪い夢、のようなものだったのだろう。


──おやすみなさい。ヴィラルさん。ずっと一緒にいましょうね。


おやすみと、と言った声には明瞭さが取り戻されていた。
遠ざかっていくシャマルの気配に、ヴィラルは初夏の風にも似た爽やかな幸福を得る。


「俺は今、幸せだ」


この世界の誰よりも。
敢えて声に出してそう言った。

柔らかな毛布に身を沈め、ゆっくりと目を閉じる。
明日も、その先も、ずっとこんな穏やかな日々が続いていくのだろう。
ひどく満ち足りた気持ちになった。

眠りに落ちるさなか、ヴィラルは何か大きな存在に笑いかけられたような気がした。


【ヴィラル@天元突破グレンラガン――――――――――――――HAPPY END】



799 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:33:36 ID:BwT5LfJZ
 

800 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:33:50 ID:yQDwEkjR
 

801 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:33:51 ID:zbR9dgol
 

802 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:34:00 ID:FAFqWSeY


803 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:34:05 ID:BwT5LfJZ
 

804 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:34:05 ID:r2NS8QW1
 

805 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:34:14 ID:5g7+bPUJ
   

806 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:34:29 ID:BwT5LfJZ
 

807 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/22(日) 00:34:41 ID:7ZSqxno0



【スカー(傷の男)@鋼の錬金術師――――――――――――――死亡】
【ガッシュ・ベル@金色のガッシュベル!!――――――――――死亡】
【ドモン・カッシュ@機動武闘伝Gガンダム――――――――――死亡】
【シャマル@魔法少女リリカルなのはStrikerS―――――――――死亡】
【東方不敗@機動武闘伝Gガンダム――――――――――――――死亡】
【カミナ@天元突破グレンラガン―――――――――――――――死亡】
【ニコラス・D・ウルフウッド@トライガン――――――――――死亡】

【チミルフ@天元突破グレンラガン――――――――――――――死亡】
【グアーム@天元突破グレンラガン――――――――――――――死亡】
【シトマンドラ@天元突破グレンラガン――――――――――――死亡】
【アディーネ@天元突破グレンラガン―――――――――――――死亡】
【ロージェノム@天元突破グレンラガン――――――――――――死亡】

【フリードリヒ@魔法少女リリカルなのはStrikerS―――――――死亡】
【クロスミラージュ@魔法少女リリカルなのはStrikerS feauturing 天元突破グレンラガン――死亡】




808 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:34:57 ID:BwT5LfJZ
 

809 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:34:57 ID:yQDwEkjR
 

810 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:34:58 ID:Bt4aCwS3
 

811 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:35:01 ID:BjvyIE0V
 

812 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:35:07 ID:FAFqWSeY


813 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:35:09 ID:i4X2m7M6



814 :HAPPY END ◆ANI2to4ndE :2009/02/22(日) 00:35:19 ID:7ZSqxno0





【アニメキャラ・バトルロワイアル2nd―――――――――――――完】






815 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:35:23 ID:BwT5LfJZ
 

816 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:35:26 ID:JN2qjvro
 

817 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:35:44 ID:i0Mly+Ho


818 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:35:54 ID:i4X2m7M6



819 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:35:54 ID:r2NS8QW1
 

820 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:36:00 ID:FAFqWSeY


821 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:36:01 ID:BwT5LfJZ
 

822 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:36:07 ID:yQDwEkjR
 

823 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:36:14 ID:i0Mly+Ho


824 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:36:19 ID:BjvyIE0V
 

825 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:36:22 ID:BwT5LfJZ
 

826 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:36:47 ID:JN2qjvro
 

827 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:36:47 ID:5g7+bPUJ
 

828 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:36:52 ID:BwT5LfJZ
 

829 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:36:59 ID:yQDwEkjR
 

830 : ◆ANI2to4ndE :2009/02/22(日) 00:37:00 ID:7ZSqxno0
以上で投下終了です。多大な支援本当にありがとうございました。

831 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:37:00 ID:FAFqWSeY


832 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:37:34 ID:BwT5LfJZ
 

833 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:37:49 ID:i4X2m7M6



834 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:37:50 ID:yQDwEkjR
 

835 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:37:55 ID:BwT5LfJZ
 

836 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:38:00 ID:FAFqWSeY


837 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:38:20 ID:iWRoBdhC
お、終わった・・・・・・



お疲れ様でした!

838 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:38:25 ID:MQP99LJR
最終章書き手、乙。いろいろ物議をかもした第2部が
間もなく終わるという知らせを受け、総集編から読み始めた超おのぼりさんだが
あつくならせてもらいました。

さて、第2部を頭から読む作業に戻ろう。

839 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:38:26 ID:BjvyIE0V
 

840 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:39:26 ID:BwT5LfJZ
 

841 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:39:43 ID:yQDwEkjR
 

842 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:39:45 ID:Nes88g/o
今まで乙でした。

843 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:40:01 ID:89F9ykzT
お疲れ様でした!感動しました!!!

844 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:40:05 ID:26zUau2j
 

845 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:40:06 ID:FAFqWSeY


846 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:40:38 ID:+9a8AIGV
全ての書き手、支援者の皆様、乙でした。
読み応えがありすぎて感想を纏められん…とにかくすげぇ

847 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:41:03 ID:pMurNZM+
詳しいこと書けないけど俺今泣いてる…………

848 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:41:17 ID:BjvyIE0V
お疲れ様です。
終わったか。楽しかった、本当に楽しませてもらいました。

849 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:41:39 ID:BwT5LfJZ
 

850 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 00:41:41 ID:yQDwEkjR
お疲れさまです!
なんかもう頭の中がぐちゃぐちゃで何言ったらいいかわからないけれどもとても良かったです!
そしてジンは勝ち逃げw

851 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 01:00:52 ID:+oBkaEBq
死に過ぎ

852 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 01:15:11 ID:pMurNZM+
生還者多いじゃん

853 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 01:18:33 ID:wzSIxRlc
まあgdgdのスレのラストはこんな程度じゃないの

854 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 01:22:55 ID:fiVFO0+r
お疲れ様。生還者は6(8?)人か。
もうちょっと少なくなるかと思っていたが多いに越したことはない。
我様・・・最後の最後に油断しやがって・・・。

855 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 01:28:30 ID:XCjiJV4b
なかなか



856 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 02:15:11 ID:MAMklmrM
>>851 >>853
サランラップ巻いてやるからしゃぶれよ

857 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 02:16:53 ID:MAMklmrM
誤爆

858 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 09:28:34 ID:icyBO1dV
乙!!
やっぱ王様は油断慢心しないとなw

859 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 19:56:00 ID:wy4nQI7o
>>856
多いだろ!!!!!!!!!!1
でも……乙……

860 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 20:31:13 ID:zp+xhq1I
無粋だが……アフターはいつ来るのかね?

861 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 21:44:46 ID:MQP99LJR
>>860
アフターってあれ?1stにおけるドラえもんのような生存者の後日談?
発表されたときがそのときだお。

862 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/23(月) 01:32:29 ID:N4d+ZPHE
ジンめ、最期の最後でやりおったwwwwww
ホント乙!

863 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/23(月) 06:27:52 ID:SVJ2FvLS
アニロワを知ったのが一昨日の22時ぐらいだった。
無印を読む→仮眠→2ndを読む、で今全て読み終えたわけだがとりあえず乙!!!
そして俺は寝る!!

864 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/23(月) 10:25:42 ID:rI+oy3dt
初めてロワの最後に付き合えた。
内容全部に納得いったわけではないけれども、やっぱ最後で泣いた。キングオブハートを継承したカミナにもほんと泣いた。
書き手さん、支援の皆さんお疲れさまでした。

865 :sage:2009/02/23(月) 10:29:52 ID:fMggNfcg
完結!オメデトウ!

866 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/23(月) 15:42:04 ID:NdvJL+on
なにはともあれ、お疲れ様!




さて、3ndの妄想でも始めるか…

867 :「紙は我らの天にあり。なべてこの世は事も無し」:2009/03/05(木) 00:04:22 ID:xnC7gNgh
 ―― フィンランド 某所 ――


 小高い山脈や広大な湖を背景に据える、木々も疎らな草原地帯。
 背の低い草の上を疾駆し、ひたすらに逃走を続ける異形の姿があった。
 仮面とも思える星型の相貌が、背後の危難に怯え足に加速を促す。
 外装は鎧の上に古ぼけた橙色の外套、武装は柄のない大剣が一振り。
 肩には、マゼンタ色の本を携えた幼い少女が一人乗っかっていた。

「アース! このまま逃走に徹していてもいずれは追いつかれる! 心の力も十分に回復した! ここは一か八か、打って出るぞ!」
「御意! 魔界にいる魔物をすべて消し去ろうとするあの輩……絶対に王にしてはなりませぬ!!」

 鎧の魔物の名をアース、彼のパートナーである少女の名をエリーという。
 千年に一度の周期で行われる、魔界の王を決める戦い……その残り人数が十名を切った直後、あの魔物は襲ってきた。

「――ッ! エリー、来ます! 奴です!」

 到来を察知し、アースが足を止める。その前方、遮蔽物もなにもない空間が黒色に歪み、蝕まれていく。
 あっという間に黒の円が浮かび上がり、まるで穴の中から這い出るようにして、追跡者はアースとエリーの目前に躍り出る。
 この距離感を無視した奇妙な移動方法は敵の魔物が持ちうる能力らしく、これのおかげでどこに逃げても回り込まれてしまう。
 既に長い追いかけっこを続けた後であり、逃げ切ること困難と察した二人は、この場で玉砕覚悟の衝突を臨むに至った。

「キハハ! ついに正念場ってカンジ? ミールちゃんとゴームから逃げられるなんて思わないことねん!」
「ゴー!」

 中空に浮かぶ黒い円から這い出てきたのは、カブトムシを模したような姿を取る二足歩行の魔物。
 傍らのパートナーは、頭部に羊でも飼っているのではないかと思えるほどの巨大なパーマの女。
 ゴームとミール、アースとエリーをここまで追い詰めた敵の名前である。

「くっ……構えろ、アース! 俺の心の力をすべて、この一撃に注ぎ込むッ!」
「御意に……力を借りまする、エリー!」

 実力のほどは、おそらくあちらが上。しかし、まだ奥の手は秘めている。
 あの術を発動させることができれば――勝機も十分にありうる。

「ヴァルセーレの剣に吸い込みし、よろず魔物の魔力を放ち、万物を砂塵へと変える千手剛剣とならん!!」

 大剣を構え、前に下に左に天に横に上に左に斜めに繰り出していくアース。
 それら、すべて間合いの外。演舞のような所作は、術の発動を促すための予備動作にすぎない。

「ヴァルセレ・オズ・マール・ソルドン!!」

 エリーが猛々しく唱え、マゼンタ色の本が発光する。
 直後、アースの持つ『ヴァルセーレの剣』にも変化が生じた。

868 :「紙は我らの天にあり。なべてこの世は事も無し」:2009/03/05(木) 00:05:15 ID:xnC7gNgh
「ゥゥゥゥゥウウウウウッス!!」

 平に構えた大剣の刀身が、五つに分解される。
 刃と刃の隙間から光が迸り、種類様々な別の大剣が、空に顕現を果たす。
 巨人が用いるような質量、大空を埋め尽くさん勢いの総数でもって。

「スラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッシュッ!?」

 術を発動したアース本人が、その強大なる力の発揮に驚愕する。
 空に現れた巨大な剣の数々は、とても数え切れるものではない。
 あまりの大きさ、あまりの数に、雲や太陽が覆われ隠れてしまっていた。

「なっ、なんだアース!? いつのまにこれだけの力を!?」
「そ、某にもわかりませぬ!!」

 術を行使するアース、術を唱えたエリー、共に動揺を禁じえないでいる。
 ヴァルセレ・オズ・マール・ソルドンは確かにアースの切り札とも言える最強術だったが、想定していたものとは威力の桁が違った。
 これまでの戦闘でヴァルセーレの剣に蓄積してきた魔力――それを全解放したとしても、これほどの効果は叩き出せない。
 野生動物を捕獲するつもりで撃った麻酔銃が標的の体を木っ端微塵にしてしまったかのような異常事態に、アースとエリーは愕然とする。

「ちょっとちょっとちょっとー!? どういうことよクリア! こいつら雑魚じゃなかったのーん!?」
「ゴ〜!!」

 空を埋め尽くす大剣のカーテン、その刃の矛先は、すべてミールとゴームに向いている。
 振り下ろされれば命はない。明確な敗北の未来を突きつけられて、襲撃した側であるはずの両者は戦慄した。

「まるで……まるで某の知らぬところで、ヴァルセーレの剣が力を蓄えてきたかのような……?」

 アースが得物とするヴァルセーレの剣……魔物の力を刀身に蓄えることが可能なそれは、どこで旅をしてきたのか。
 この場にいる者は誰一人として真相を知らず、とある悪魔の気まぐれに幸運を覚えることもなかった。


 ◇ ◇ ◇


 ―― フランス 某所 ――



869 :「紙は我らの天にあり。なべてこの世は事も無し」:2009/03/05(木) 00:07:16 ID:xnC7gNgh
 人気のない山中、雄大な草原地帯で、いくつもの大穴が形成されていた。
 土木用具で掘り返した、というよりはスプーンかなにかで抉り取ったかのような穴が、ところどころ点在している。
 それは、紛れもない魔物と魔物による戦いの余波。そしてその戦闘は間もなく終結に至ろうとしていた。

「クリア! こいつヤバイぜ、ここは一度体勢を立て直して――」
「黙っていろヴィノー! 僕をここまで虚仮にしたんだ……生かして帰すものかァー!」

 タンクトップにジーンズ姿というラフな格好の少年が、獅子の鬣を思わせる長髪を振り、獰猛な獣の雄叫びを上げる。
 傍ら、全体を泡に包んだベビー椅子に赤子が一人座り、ハードカバーの大きな本を開いたまま顔に焦燥を宿していた。
 少年のほうが魔物、クリア・ノート。赤子のほうがそのパートナー、ヴィノーである。

 魔界の王になった際の特権、『魔界に住まう自分の嫌いな魔物を消してしまえる権利』によって、クリアは魔界を滅ぼそうとしていた。
 この絶対に王にしてはならない悪党が、全身を血塗れにして窮地に追いやられているという現状。
 追い詰める側の魔物といえば、クリアとは対極な全快の相、見た目にも凶悪な巨躯をしていた。

 その姿は、二足で立つ巨大なライオン。鬣からは牙を持った触手が何本も伸び、ガチガチと音を掻き鳴らす。
 体格の差は人間と子供の域を飛び出て、蟻と象ほどの違いがあった。蟻は、もちろんクリアのほうである。

「くっ……ならパートナーのほうだ! 相手の人間が持ってる本のほうを直接狙うぜぇ、クリアー!」

 もはや勝負はついたかと思える戦況、ヴィノーは残り少ない心の力を放出し、ライオンのパートナーのほうを狙い始めた。
 魔物同士の戦いは、魔本を燃やされ魔界に強制送還されることで決着する。
 戦力差が明白であっても、先に魔本さえ燃やすことができれば、それで勝ちは拾えるのだ。

「ランズ・ラディス!」

 ヴィノーが唱え、クリアの手の平の上に巨大な突撃槍が現れる。
 腕を振り翳すと共に突撃槍は飛び、ライオンの足元に立つパートナーの人間へと放たれた。

 クラシックなスーツに、オールバックのブロンドヘア。
 社交界にでもいそうな美青年が、気だるげに腕を払い、突撃槍を弾いた。
 ランズ・ラディスの術が腕の一振りで防がれたことで、術を仕掛けた二人は揃い愕然とする。

「嘘だろ……触れると消滅するんだぜ!? ただの人間が、どうしてクリアの術を防げるんだよ!!」
「調子に乗るなよ……! ヴィノー、『シン・クリア』だ! こいつらに出し惜しみはしておけない!」

870 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/05(木) 00:07:55 ID:mY0IZ6bb


871 :「紙は我らの天にあり。なべてこの世は事も無し」:2009/03/05(木) 00:08:11 ID:xnC7gNgh
 ヴィノーに指示を出し、クリアがついに本気を出そうとしていた。

 しかしライオンはクリアが指示を出すその刹那の瞬間を狙い、

 鬣から触手を伸ばしヴィノーを覆っていた泡を牙で食い破り、

 ヴィノーが持っていた本だけを齧って燃やしてしまう。

 その間、『シン・クリア』を発動する猶予すら与えられなかった。

 魔界の王を決める戦いにおいて、絶対悪とも呼べただろう存在は、ここに消え去ったのだった。


 ◇ ◇ ◇


「……すごいや。僕にこんな力が眠っていたなんて」

 クリアが魔界に強制送還され、気絶したヴィノーが倒れ伏す戦いの跡地。
 猛威を振るっていたライオンの姿はそこになく、代わりにアヒルのような顔をした子供が、呆然と立ち尽くしていた。

「なんだったら、この力でおまえを王にしてやってもいいんだぞ。ものはついでだしな」
「ううん。やっぱりいいや。なんだかズルしてるみたいだし、僕のパートナーはフォルゴレだけだもの」

 黄色の本を持つ仮初のパートナーに、やんわりと断りを入れる。その表情はどこか、悲しみに暮れているようでもあった。
 このアヒル顔の少年の名は、キャンチョメ。
 パルコ・フォルゴレというパートナーと魔界の王を決める戦いを駆け抜けた、王候補の一角である。

「これでもう、魔界にいるすべての魔物を消しちゃおうなんて考えてる悪い奴はいないんだろう?
 だったら、王様にはティオかウマゴンかブラゴがなってくれるよ。ガッシュも、もういないことだしね」

 俯きながら呟くキャンチョメ。
 金髪の男から教えられた事実と、それに伴う喪失感は、幼いキャンチョメには受容しがたいものだったのだ。

 魔界の王を決める戦いとはまた別の闘争で、ガッシュ・ベルと高嶺清麿、そしてパルコ・フォルゴレが亡くなったらしい。
 あの一件……リオウがファウードを解放し、しかしすぐにゼオンが主導権を奪い、かと思えばどこぞに消え去った事件の直後のことだった。
 パートナーと自分の本を失ったキャンチョメは、ナゾナゾ博士と協力して捜索に勤しむも成果を得られず、そこにこの金髪の男が現れたのだ。
 金髪の男はすべての事情を知っていた。荒唐無稽な御伽噺のような内容だったが、不思議と疑う気にはなれなかった。

872 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/05(木) 00:08:13 ID:iWufa7uc
 

873 :「紙は我らの天にあり。なべてこの世は事も無し」:2009/03/05(木) 00:09:12 ID:xnC7gNgh
 アフターサービスだ。そう告げて、金髪の男はフォルゴレの代わりを務めると言い出した。
 本来ならガッシュと清麿が倒すはずだった巨悪を、キャンチョメの力を借りて倒すと言うのだ。
 キャンチョメには当初、なにがなんだかわけがわからなかった。
 わからないままクリアと相対し、金髪の男はパートナーでないにも関わらず魔本の内容を読み取り、
 ミリアラル・ポルク、シン・ポルク、といったキャンチョメも知らない術まで使い、あっさりクリアを倒してのけた。

 なんにせよ、これで魔界に平和が訪れた、ということらしい。
 世界を救ったなどという達成感は微塵も湧かず、キャンチョメは流されるがままにたそがれた。

「では、おまえは魔界の王を決める戦いからリタイアすると言うんだな?」
「うん。そうす……る?」

 問いに対してキャンチョメが首肯すると同時、金髪の男が持つ本の端に火が点った。
 本が燃えていくにつれて、キャンチョメの体が採光に包まれる。

「え、えええええ!? なんで燃やしちゃうのさ! パートナーは自分で自分の本を燃やすことはできないはずだろう!?」
「そうだったのか? まあいい。俺はおまえの本来のパートナーでもないしな。できるものはできるのだから仕様がない」

 絶対のルールすら破ってみせるその不条理さに、キャンチョメは怒る気にもなれず、疲れたため息を零した。
 そうこうしている内に、キャンチョメの体が消えていく。戦いから脱落したと見なされ、魔界に帰るのだ。

「ティオやウマゴンにお別れを言ってから帰ろうと思ったのになぁ」
「魔界でまた会えるんだから、別にいいだろう」
「でも、ナゾナゾ博士や恵にはもう会えないよ。フォルゴレやガッシュとも、もう……」
「そう気を落とすな。人なんてものはいずれ死ぬ。人間であっても魔物であっても、な」

 その言葉を最後、耳に残して。
 キャンチョメは人間界から姿を消した。

「……さて、仕事も終わったな。酒泥棒を追いかけていたらいつの間にか世界を一つ救ってしまったが、まあいい」

 金髪の男は一人呟き、家路につく。


 ◇ ◇ ◇



874 :「紙は我らの天にあり。なべてこの世は事も無し」:2009/03/05(木) 00:10:27 ID:xnC7gNgh
 ―― アメリカ 闇酒場『蜂の巣』 ――


 ――誰もが寝静まる深夜。家路についたロニー・スキアートは、酒場のカウンター席に見慣れぬ影を捉えた。
 ――ぼうっとした不鮮明な輪郭は、明らかに人の姿ではない。自分と同種の存在と見て取れる。
 ――無視してしまってもよかったが、相手がなにやら話したがっていたので、語らいを始めることにする。


 珍しい客だな。ファミリーに……いや、俺になにか用か?


 なに、『おまえはいったい何者なのか』、だと?


 おもしろい質問を寄越すな。おまえなら、俺の正体くらい知っているだろう。

 俺は悪魔――ああ、そのあたりは知っているのか。じゃあなにが聞きたいんだ?


 ……『おまえはどの宇宙のロニー・スキアートだ』だって?


 やっぱりおもしろいことを訊くんだな。次におまえがする質問を予想してやろうか?


 そうだな……『どうやってあの戦争を生き延びた』、こんなところだろう。


 まあいい。わかりやすく答えてやるとだな、俺はあんなくだらん戦争になぞ関与していない。

 そもそも、俺はしがないカモッラの一員でしかないわけだ。宇宙を跨いで戦争なぞ、するはずもないだろう。


 じゃあ『あそこにいたロニー・スキアートは誰か』、だと?


 知るか。それこそ多元宇宙なりなんなりで適当に解釈すべき疑問だろう。


 なに、『魔界の王を決める戦いに関与した目的は』、だって?


 質問の多い奴だな。まあいい。答えてやろう。

 俺はカモッラの一員であると同時に、悪魔でもある。あの魔界が消えるとなると、少々不便なことになるんでな。

 それに、ガッシュに話しかけた手前、あのまま放っておくのも人が悪いと……なに、また質問か?


 ふむ……『ガッシュとカミナに語りかけたロニー・スキアートが戦争を引き起こしたのではないか』、か。



875 :「紙は我らの天にあり。なべてこの世は事も無し」:2009/03/05(木) 00:11:30 ID:xnC7gNgh
 それこそ知るか、だ。酒泥棒を追いかける途中で、あの実験場の存在を知りはしたがな。その後のことは知らん。

 俺の知らないところで、俺に似た誰かがそういう馬鹿なことをやっていた可能性はあるがな……まあいい。

 そもそも、おまえは覚えてはいないのか? 時空管理局の仕事ぶりを眺めた後、俺は一度ここに帰ってきたじゃないか。

 そのとき、ここではフィーロたちがドミノ倒しをやっていた。そのときに俺はこう発言したはずだぞ。


 ――『……それでも「この世界は」回る……か。ふっ、まあいい』。


 わかるだろう? 俺はここで「まあいい」と言っているんだ。それ以後、酒泥棒を追いかけるような真似はしちゃいない。

 ドミノ倒しが一段落して、暇ができたからあの魔界を救ってやっただけだ。

 渋い顔をするな。俺という存在が理解できないか? 別におまえに理解されようなどとも思っちゃいないがな。

 これで質問は終わりか? 遠くからはるばる、ご足労なことだ。

 ん、最後に一つだけ、だと? 本当に最後だろうな? まあいい、答えてやる。


 ……『世界を創ることは可能か』、だって?


 今までで一番馬鹿な質問だな。おまえは既に、自分の中で答えを出していたんじゃないのか?

 その世界というのが、後ろ向きな思想で作り出せる箱庭のことを指しているのかどうかが謎だがな。

 おっと、世界を創造できるか? だったな。まあいい。答えてやろう。


 回答は――『できる』、だ。


 そう怖い顔をするな。世界の創造なんてのは、誰にでも可能な芸当だ。

 螺旋力になんぞ頼らなくてもな。貴様が危険視するほどのことでもない。

 創造と創作は紙一重だ。表裏一体とも言えるかもしれんな。

 物語を創るということは、世界を創ることと同義とも言える。


 ……『言ってる意味がわからない』、だと?


 なら、おまえに正面から文句を言いつけた女がいただろう。あいつにでも聞いてみろ。

 彼女は作家だからな。創作とはなんなのか、創造とはなんなのか、俺以上によく知っているはずだ。

 まあいい。面倒だと言うんなら、俺なりの言葉で助言を呈してやるとしよう。



876 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/05(木) 00:12:17 ID:jMgUm1bq


877 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/05(木) 00:12:36 ID:iWufa7uc
 

878 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/05(木) 00:12:47 ID:mY0IZ6bb


879 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/05(木) 00:12:52 ID:RBgqsHbx



880 :「紙は我らの天にあり。なべてこの世は事も無し」:2009/03/05(木) 00:12:55 ID:xnC7gNgh
 ――『本を読め』。


 ◇ ◇ ◇


 ―― 日本 熱海 ――


 海が一望できるホテルの上階。大して広くもない部屋の机で、私は一心不乱にキーを打っていた。
 一台のノートパソコンを使って、テキストエディタを開いて、ただひたすらに本を書いている。


 ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ


 日常が戻ったっていう確かな証明だった。ここでは命を狙われる心配もない。楽な気持ちで本が書ける。
 読仙者の野望だとか、大英図書館の陰謀だとか、螺旋王の馬鹿な妄想なんかとも、きっぱり縁切りした。


 ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ


 私――菫川ねねねは、自分の意思で本を書いている。書きたいと思った本を、こうやって自由気ままに。
 誰に急かされているわけでもない。もうちょっとゆっくり書いてもよかったんだけど、創作意欲は待っちゃくれなかった。


 ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ


 次を書け、と衝動が私の心に訴えかけてくる。これを書き終わったら、次はなにを書こうか。
 ああ、とりあえずこの本を出版した後の世の反応が気になるところでもある。


 ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ


 ありのままを表現したらさすがにマズイから……だいぶ改稿しちゃいるけどね。
 それにしたって、菫川ねねねという作家が今まで書いてきたものに比べれば、随分な異色作だと我ながら思う。


 ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ――――――、ダッ!



881 :「紙は我らの天にあり。なべてこの世は事も無し」:2009/03/05(木) 00:14:00 ID:xnC7gNgh
 今、最後の一文を――『HAPPY END』と打ち終った。
 現実はハッピーなんて言えるような終わり方じゃなかったけどね。
 この物語の中では、誰もが認める完全無欠のハッピーエンドだ。


 タイトルは――『イリヤスフィール・フォン・アインツベルンに捧ぐ』。


 ありのままだ。あそこで、ルルーシュにパクられた私の作品そのまま。タイトルは変えちゃいけないと思った。
 私がこの世界に帰還してからの第一稿。とりあえず書いてみた。今度集英社から出す約束も取りつけている。

「……長いようで短かったな」

 机の席から立ち、私はテラスに出た。時刻は夕方で、ここから見える海はオレンジ色に輝いている。
 帰ってきてからすぐ、私は旅に出た。特に意味はないけど。
 この作品は、部屋に篭って書くより、旅をしながら書きたいと思ったんだ。


 プルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル......


 眺めが良そうだからってだけの理由で借りたこの部屋も……電話? 私にか?
 ホテル側からなんか苦情だろうか。まさかキーボード打つ音がうるさいだなんて言わないだろうな。
 私は海に向けていた視線を部屋の中に戻し、正直面倒くさかったので、緩慢な動作で受話器を取った。

「はい、もしも……」
『せんせぇ〜い! 菫川先生ですよね!? もぉ〜、今どこにいるんですか!!』

 受話器の向こうから叫びつけられて、耳がきーんとした。
 感覚的には久しぶり、日数を思うとそうでもない懐かしい声が、私を叱りつけるように言う。

『いきなり旅に出る〜、なんて書き置きだけ残して! マギーちゃんなんて特に心配したんですからね!!』
「……ミシェール。あんた、なんで私が泊まってる部屋の番号なんて知ってんだよ」

 通話相手の名前はミシェール・チャン。香港で知り合った三姉妹の長女で……紙使いだ。
 いろいろあって、今は一緒に日本で暮らしている。帰ってきてからは、ろくに顔を合わさず旅に出たんだよな。

『紙姉妹探偵社の情報網をあまく見ないでください! それより、どうして急に旅に出るだなんて……』
「執筆旅行。いま新作書いてる。もうすぐ完成」
『えぇ〜!? ほ、ほほほ本当ですかぁ!? すごく楽しみです〜!』

 この蔵書狂は衣食住を捨て置いてでも本を取るような無類の本好きであり、私のファンでもある。
 新作書いてるだなんて情報与えれば、そりゃ手の平返して態度もコロッと変えるって寸法だ。

『出版はいつになりますか? なんなら下読みしますよ? 執筆はPCですよね、データを送ってくだされば……』
「本になるまで待て、このバカチン。ったく相変わらずだな……ああ、そうそう。アニタ……元気?」

 私は、やや声のトーンを落として訊いてみた。

882 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/05(木) 00:14:01 ID:mY0IZ6bb


883 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/05(木) 00:14:11 ID:RBgqsHbx
 

884 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/05(木) 00:14:57 ID:iWufa7uc
 

885 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/05(木) 00:15:32 ID:mY0IZ6bb


886 :「紙は我らの天にあり。なべてこの世は事も無し」:2009/03/05(木) 00:15:33 ID:xnC7gNgh
『アニタちゃんですか? 元気ですよ。日に日に私やマギーちゃんの読書量を超えていってるのが怖くもあるんですけどねぇ』
「末恐ろしいな。あの元本嫌いが。さすが、紙使い三姉妹の末っ子だ」

 まあ、答えなんて訊いてみるまでもなくわかりきってたんだけどね。
 螺旋王の実験に参加させられていたアニタ・キングは、間違いなくあの場所で死んだ。
 けど、私が帰ってきた世界ではアニタはちゃんと生存していた。螺旋王の存在すら知らないことだろう。

 ……つまり、これが多元宇宙ってこと。
 あの実験場にいたアニタは、私がいる宇宙に住んでいるアニタじゃなかった。
 時間軸が縦で、平行世界が横の関係にあるとしたら、多元宇宙ってのは斜めなのかな、とにかくまったくの別物らしい。
 SFは解釈の幅が広いからあんまり得意じゃないんだけど、本嫌いを克服したアニタは、今もこの世界で幸せに暮らしている。

 それは、スカーに殺された読子・リードマン……センセーについても言えることだった。
 あの放浪癖を持ったぐうたらの無職は、今インドのあたりをふらついているらしい。
 監視役である私が二日ほど拉致られていた間に、またふらふら〜っと旅に出てしまったんだそうだ。
 無事の証として、つい最近私のアドレスにメールが届いた。古本市でたいそう買い込んだとかって内容だった。

 アニタやセンセーが死んで、悲しんでいるだろう私はどこかの宇宙に絶対いる。
 でもここにいる……螺旋王の実験から生きて帰ってきた菫川ねねねは、二人の生存を素直に喜んでいる。

 本当に、あの殺し合いはなんだったんだろうな。
 アンチ=スパイラルの言っていたことを真に受けるわけじゃないけど、そう思わざるをえない心境だった。

『この前なんか、神保町のブラックリストに挙げられたりなんかして……』
「ねぇ。あんた、『フルメタル・パニック!』って本、読んだことある?」
『ふるめたるぱにっく……? いいえ、たぶん読んだことないと思います。どこから出ている本ですか?』
「富士見書房」
『聞いたこともない出版社です……く、詳しく聞かせてくださいっ!』

 ビブリオマニアでも知らない本がある、とはねぇ……。
 イタリアの俳優のサインが入ったあの本は、あそこを発つときにルルーシュに返してもらった。
 ここではフォルゴレなんてスター、誰も知らないんだろうけど。
 存在しない本に存在しない人物のサイン、これぞ多元宇宙の産物ってカンジだな。

887 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/05(木) 00:16:19 ID:iWufa7uc
 

888 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/05(木) 00:16:41 ID:RBgqsHbx



889 :「紙は我らの天にあり。なべてこの世は事も無し」:2009/03/05(木) 00:16:48 ID:xnC7gNgh
「まあ、そういうのは帰ってからね。センセーが戻ってきたら、一度連絡よこせって言っておいて」
『お帰りはもうすぐなんですか?』
「う〜ん、どうしようかな……ま、気が向いたら帰るよ」
『帰るときには連絡くださいよ! アニタちゃんとマギーちゃんと私と、み〜んなで迎えに行きますから!』
「あー、はいはい。いい加減切るぞ」

 ガチャン、と受話器を戻す。ったく、こそばゆいったらありゃしない。
 でも、ま……これが日常っていうか、幸せっていうか、ハッピーエンドの後ってことなんだろうな。

 今頃、他の奴らはどうしてるのかね。
 ゆたかや舞衣は元気にやっているだろうか。元気でいるといいな。
 ギルガメッシュとジンは考えるだけ無駄だし……スパイクやルルーシュは割とどうでもいい。

 ……貴様には俺たちを長期的、かつ特殊な刺激の少ない場所に移す義務がある。

 ルルーシュの要求を呑んだアンチ=スパイラルは、ご丁寧にも私たちを元の世界に帰して下さった。
 モルモットとしての未来を選んだ、っていう意味でなら、この宇宙も奴らの監視下なんだろうけどさ。
 今も上から見てんのかな、あの性格悪いヨダレ魔人。まあ、気にしても仕様がないけど。

 ジェントルメン復活計画だとか、螺旋王による新世界創造計画だとか、そういうのはもう簡便願いたい。
 好きな本書いて、好きな本読んで、それで余生をすごす……これ以上のハッピーエンドってないでしょ。


 ああ、うん。そうだな。『イリヤスフィール・フォン・アインツベルンに捧ぐ』を書いて、つくづく思う。


 みんな、本が好きなんだ。


 私も、これ読む奴らも。


 ◇ ◇ ◇



890 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/05(木) 00:16:56 ID:jMgUm1bq


891 :「紙は我らの天にあり。なべてこの世は事も無し」:2009/03/05(木) 00:17:39 ID:xnC7gNgh
 執筆疲れで爆睡……といきたかったんだけれど、どうにも気持ちが高ぶってて、ベッドに沈む気にはなれなかった。
 夕暮れ時。私は散歩に出てみることにした。普段は歩かない海沿いの道が、なんとも新鮮で心地いい。

 ……次、なに書こうかな。

 こうやって散歩している間でも、私はそんなことばっかり考えている。
 作家の創作意欲ってやつは、留まることを知らない。それはプロだろうがアマだろうが同じ。
 センセーに会う前、作家になる以前からこうだった。作家、菫川ねねね先生はいつだって全盛期だ。

 本を書きたい。本を読んでもらいたい。
 物語を、世界を、お話を創りたい。

 これから先の未来、私はどれだけの作品を残せるだろうか。
 明確な数なんて考えても出てこないだろうけど、たぶん膨大な数になるだろう。
 想像したら、なんだかうずうずしてきた。頭の中が構想で広がっていく。

 次回作の主人公は……傲岸不遜で、気丈な、王子様みたいな奴にしよう。
 ガッシュとギルガメッシュを足して二で割ったような奴。
 今思えば、あそこで出会った奴らはみんなキャラ立ってたな。
 小説から抜け出たような、キャラクターのモデルにぴったりの個性派揃いだった。
 いい刺激になったよなぁ、あれ。閉鎖された空間だからこそ、創作意欲も湧き立つってもんだ。

 やっぱ、ちょっと懐かしい。
 あんなのは二度とゴメンだけど。
 あいつらにもう一度会える機会があるとしたら――


 ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン


 ――私が物思いにふけながら、海沿いを歩いていたときのことだ。
 すぐ傍の海岸が突如として爆音を上げ、濛々と白煙を見せている。

「おいおいおい、なんだってんだいきなり?」

 季節はずれの花火、なんて規模じゃない。
 紛れもない、あの世界では日常茶飯事だった爆発が、戻ってきた日常でも目の前に。
 そんなまさか、という思いを胸に抱きながらも、私は興味本位で近づいてしまった。

892 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/05(木) 00:18:08 ID:iWufa7uc
 

893 :「紙は我らの天にあり。なべてこの世は事も無し」:2009/03/05(木) 00:19:19 ID:xnC7gNgh
 爆心地の傍まで歩み寄って、晴れていく情景を見やる。
 と、白煙の中から小さな影が飛び出してきた。
 私の足元まで転がり込んでくると、その人影は幼い声で、

「クッ……忌々しい奴らめ! 雑種の分際で我の命を狙おうなどとは、身の程知らずも大概よ!」

 ――頭の中のイメージ、次回作の主人公候補と、目の前の少年が合致した。
 この、金色の鎧を着込んだ、金髪の生意気そうなガキんちょ。誰かと被る。
 そう、ギルガメッシュだ。私の新作をいち早く読了した、ファン第一号。
 そのギルガメッシュをまんま子供にしたような、ガッシュと合体させたような少年がそこにいた。

「……おい。こんなところでなにしてやがる英雄王」
「ウヌウ!? 女、貴様いつからそこにいた! 我の背後を取るとは、雑種にしてはなかなか……む!?」

 ガッシュと被るのはその見た目よりもまず、こいつが大事そうに抱えている本が原因だ。
 色は赤ではなく金色。メッキでも貼り付けたような目に悪そうな金ぴかだ。装丁だけでいくらかかるんだろうか。
 その金ぴかの本が、よりにもよって輝いている。金色が、というわけではなく、光を放っているんだ。
 よりにもよって……この菫川ねねねに反応するかのように。

「雑種よ! 我の本を拝読することを許す! 内容が理解できるかどうかだけ聞かせろ!」

 ギルガメッシュもどきから本を渡され、私はページを開いていく。
 ……読めるし。ザケルとか書いてるし。思わず、笑いたくなった。
 いや、無理。我慢できるかこんなもん。私は静かに爆笑した。

「あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは」
「ウヌウ、なにを呆けているのだ雑種!? 読めるのならば、貴様が選ばれし存在ということなのだぞ!?」

 こっから先は聞かなくてもだいたいわかる。

「貴様は光栄なことに、我のパートナーに選ばれたのだ! 人間と魔物が組んでの戦いの儀!
 即ち……千年に一度開かれる、魔界の王を決める戦いの! それも優勝候補たる我のパートナーにな!」

894 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/05(木) 00:19:46 ID:mY0IZ6bb


895 :「紙は我らの天にあり。なべてこの世は事も無し」:2009/03/05(木) 00:20:18 ID:xnC7gNgh
 予想どおりだ。すがすがしいくらいにお約束だ。
 私の世界とはまったく関係ないことだと思ってたんだけどね……ハハハ、スゲーな、多元宇宙。

「む――本を構えろ雑種! 奴らが再び仕掛けてくるようだぞ!」

 ギルガメッシュもどきが警戒を訴え、それでも私は笑うことをやめられなかった。
 白煙の晴れた向こう側から、海岸を爆破しギルガメッシュもどきを追い詰めただろう二人組が姿を現す。
 もちろん、人間と魔物のタッグだ。片方は小柄で、片方は長身の人間。手には本を持っていた。

「ふん。ここまでがんばって逃げてきたようだが、そろそろ観念するのだな。トドメを刺すぞマロキヨ」
「おう。魔物の王を決める戦い、俺とおまえの初勝利を飾るとしようじゃないか。いくぜシュガッ」

 まんま顔を不細工にしただけのニセ清麿とニセガッシュじゃん。一昔前のロボアニメかっつーの。

 ああ、つまりあれだ。私の宇宙でも、魔界の王を決める戦いだかが人知れず始まるってわけね。
 んで、私もそれに巻き込まれる。紙使い騒動の次は螺旋力騒動、そんでもって魔物かよ。

 こっからなんだ、ブリタニアが日本を占領でもするのか?
 それとも巨大隕石を返すために蝕の祭なんてのが始まったり?
 錬金術師に恨み持った馬鹿が軍に喧嘩売るって展開は?
 ガンダムファイターやカウボーイが助けに来ても歓迎しねーぞ。

 いや、待てよ……そういやそもそも、私はどういう条件でここに帰されたんだっけ?
 条件出したのがルルーシュで、それを承諾したのがアンチ=スパイラルだったよな。
 つーことは、この展開は二人が運んできた災厄とも解釈できるわけだ。
 ちょっと思い出してみるぞ……。

896 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/05(木) 00:21:05 ID:mY0IZ6bb


897 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/05(木) 00:21:20 ID:oimXfVOm
 

898 :「紙は我らの天にあり。なべてこの世は事も無し」:2009/03/05(木) 00:21:46 ID:xnC7gNgh


『―― 貴様には俺たちを長期的、かつ特殊な刺激の少ない場所に移す義務がある!! ――』
『―― 自らモルモットの道を選ぶとはね。期待はしないが、せいぜい長い目で見させてもらうことにするよ ――』


 長期的かつ特殊な刺激の少ない場所、ねぇ……。
 期待はしないが、せいぜい長い目で見させてもらう、ねぇ……。


 おい、話が違うぞタコすけ。


「さあ雑種! 我のパートナーとして、その務めを果たせ!」

「ふ、ざ、け、ん、なぁあああああああああああああああああああああ!!」


 私は、力の限り叫んだ。
 私は、力の限り本を遠くに投げ飛ばした。
 私は、力の限りハッピーエンドを星に願った。


 おいアンチ=スパイラル! やっぱあんたみたいなのじゃダメだ!


 この菫川ねねねに筆を貸せ! 特別にあんたのためだけに執筆してやる!


 本当のハッピーエンドってのがなんなのか、教えてやるからそこに正座すれ!!


 ◇ ◇ ◇



899 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/05(木) 00:22:33 ID:oimXfVOm
   

900 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/05(木) 00:22:40 ID:mY0IZ6bb


901 :「紙は我らの天にあり。なべてこの世は事も無し」:2009/03/05(木) 00:22:50 ID:xnC7gNgh
 ―― アメリカ 闇酒場『蜂の巣』 ――


 おい、また来たのかおまえ。

 なに? 作家は世界を創ることを放棄しただと?

 なになに……なるほど。いや、それはあたりまえだろう。

 彼女は他人から与えられた物語をただ綴るだけの機械じゃない。

 創作家の中にはそういったことをする奴もいるがな。彼女は違う。

 彼女は自分の意思で世界を、物語を創造する作家、というだけの話だ。

 創作活動とは、おまえのような部外者にせがまれてやるものじゃない。

 創作と創造は表裏一体とは言ったがな、なんというか……。

 ……というより、わざわざ試しにいったのか?

 ひょっとしておまえ、暇なのか?

 ああ、そうか。

 まあいい。


【アニメキャラ・バトルロワイアル2nd R.O.D(シリーズ)――――HAPPY END?】

902 : ◆LXe12sNRSs :2009/03/05(木) 00:24:08 ID:xnC7gNgh
以上、投下終了です。
ここまでおつきあいいただき、ありがとうございました。


903 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/09(月) 14:36:21 ID:ZoTRBW95
,

904 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/21(土) 00:39:49 ID:lYzXRnzP
 

905 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/29(日) 16:30:30 ID:U/dBS5Rb


906 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/03/29(日) 20:35:31 ID:oH1ntmRU
よくぞ完結した
GJ!

907 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/04/05(日) 15:58:52 ID:Df5Jk2lv


908 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/04(月) 08:28:23 ID:b+GlyyVP


909 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/04(月) 19:15:58 ID:TrvoMBBZ
全エピローグの投下、これで終了かな…乙でした。

910 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/07(木) 18:06:56 ID:0ZqmradB


911 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/07(木) 23:00:38 ID:0ZqmradB
 

912 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/08(金) 00:25:05 ID:/GbYasoH
 

913 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/09(土) 11:15:42 ID:06M4FtMj
保守

914 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/11(月) 12:31:10 ID:m+2HwOpe


915 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/11(月) 21:34:27 ID:rOEHyutV
保守よりもなんかで埋めた方が良くないか

916 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/13(水) 22:28:48 ID:IsJNMvZe
埋め

917 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/05/14(木) 04:11:57 ID:5JrawOrh
【糞スレランク:C】
犯行予告?:0/916 (0.00%)
直接的な誹謗中傷:12/916 (1.31%)
間接的な誹謗中傷:0/916 (0.00%)
卑猥な表現:51/916 (5.57%)
差別的表現:5/916 (0.55%)
無駄な改行:2/916 (0.22%)
巨大なAAなど:3/916 (0.33%)
同一文章の反復:0/916 (0.00%)
by 糞スレチェッカー Ver1.26 http://kabu.tm.land.to/kuso/kuso.cgi?ver=126

まだまだ他に比べたらマシでしょう

918 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/11(木) 16:19:40 ID:XwHx1/Qs
埋めるにしては結構残っているな

919 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/12(金) 17:10:54 ID:HONtoeyt
今ならあげれば埋まるだろう

920 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/15(月) 16:51:54 ID:yGa26/zx
うめ

921 : ◆fsiqRhwsKL6Q :2009/06/19(金) 15:52:54 ID:jhuipQ5d
テスト

922 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/30(火) 20:56:13 ID:b/lJ2zUF


923 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/04(土) 17:05:21 ID:yPBpWB4Q
000 THE OPENING ◆P2vcbk2T1w ロージェノム、Dボゥイ、相羽シンヤ、モロトフ
001 JING in ROYAL『E』 ◆hNG3vL8qjA ジン、ヨーコ
002 この血塗られた指先で救えるのなら ◆oRFbZD5WiQ 小早川ゆたか、Dボゥイ


924 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/04(土) 17:31:38 ID:yPBpWB4Q
003 嗚呼川の流れのように ◆P2vcbk2T1w 糸色望、カレン・シュタットフェルト
004 人の名前を変えんじゃねえ!!(前編)
   人の名前を変えんじゃねえ!!(後編) ◆WcYky2B84U 素晴らしきヒィッツカラルド、カミナ、ビクトリーム
005 シモン、あなたはどうしていますか? ◆XzvibY6nJE ニア、ドーラ

925 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/12(日) 00:05:59 ID:X/HydRJS
保守

926 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/24(金) 21:01:29 ID:1dOAumC8
006 それが我の名だ ◆tu4bghlMIw 結城奈緒、ギルガメッシュ
007 ラピュタの雷 ◆5VEHREaaO2 ムスカ大佐、エドワード・エルリック
008 泥棒の少女は知らず探偵に力を教える ◆d5V5t.thbI 金田一一、ミリア・ハーヴェント
009 バトルロワイヤル開始! ファイター大集合! ◆SEE7n9Y/L2 シュバルツ・ブルーダー、衛宮士郎

927 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/24(金) 21:03:23 ID:1dOAumC8
010 ブレブレブレブレ ◆umwdy9coMs 柊つかさ、風浦可符香、柊かがみ
011 Cat Blues ◆P2vcbk2T1w スパイク・スピーゲル、読子・リードマン
012 主催者打倒宣言! ◆s1y9vYGV9k ルルーシュ・ランペルージ
013 熱血ハートのサイボーグ ◆10fcvoEbko クロ、八神はやて

928 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/25(土) 08:22:49 ID:u48RxDV5
あげ

929 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/25(土) 17:30:25 ID:upGw6641
014 「私にしか出来ないから」 ◆oRFbZD5WiQ ジェレミア・ゴットバルト、シャマル
015 立つ鳥後を濁さず ◆AZWNjKqIBQ 木津千里
016 鮮血の結末 ◆t2vl.cEw/o ティアナ・ランスター、クアットロ、キャロ・ル・ルシエ
017 せめて歩ませよ我が外道の道を ◆AaR9queMcU ニコラス・D・ウルフウッド

930 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/25(土) 17:31:11 ID:upGw6641
018 破壊者二人と仮装強盗 ◆ARkjy9enog スカー(傷の男)、ヴィシャス、アイザック・ディアン
019 線路の影をなぞる者(レイルトレーサー) ◆hsja2sb1KY リザ・ホークアイ、クレア・スタンフィールド
020 番外バトルってレベルじゃねーぞ!! ◆g6Z9FGx6uY ミー
021 怒れドモン! 恐怖のバトルロワイアル ◆/eRp96XsK ドモン・カッシュ、エド

931 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/05(水) 23:35:47 ID:rbT0B6ev
あげ

932 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/08/06(木) 11:29:04 ID:P+4UPtJg
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